ところで、自動車などの乗物においては、狭いスペースに多くの部品を配置する必要があるため、配置する部品の数を減らすなどすることで、部品を配置するためのスペースの省スペース化が望まれている。
そこで、本発明は、部品を配置するためのスペースの省スペース化を図ることができる乗物用駆動機構を提供することを目的とする。
また、本発明は、駆動装置の動作の均一性を向上させることを目的とする。
また、本発明は、組立性を向上させることを目的とする。
また、本発明は、ケーブルの取り回し性を向上させることを目的とする。
また、本発明は、ケーブルに荷重がかかることを抑制することを目的とする。
また、本発明は、異音の発生を抑制することを目的とする。
また、本発明は、駆動装置の駆動性を向上させることを目的とする。
前記した目的を達成するための本発明は、駆動力発生装置からの駆動力によってケーブルが引っ張られまたは引っ張られた状態から緩むことで駆動装置を駆動させる乗物用駆動機構であって、第1ケーブルおよび第2ケーブルと、前記第1ケーブルの一端部が係合され、前記第1ケーブルの他端部が引っ張られまたは引っ張られた状態から緩むことで駆動する第1駆動装置と、前記第2ケーブルの一端部が係合され、前記第2ケーブルの他端部が引っ張られまたは引っ張られた状態から緩むことで駆動する第2駆動装置とを備え、前記第1ケーブルの一端部は、係合部を有し、前記第2ケーブルの他端部は、前記係合部に接続され、前記第1駆動装置は、乗員を支持する支持部材と、前記支持部材を押圧する押圧部材とを有し、前記係合部は、前記押圧部材に係合していることを特徴とする。
このような構成によれば、第1ケーブルの一端部と第2ケーブルの他端部が接続されていることで、第1ケーブルおよび第2ケーブルをいわば1本のケーブルとして取り扱うことができる。これにより、例えば、駆動力発生装置から延び出すケーブルの数を減らすことができるので、ケーブルを配置するためのスペースの省スペース化を図ることができる。また、従来技術のように2つのケーブルがそれぞれアクチュエータから個別に延び出して途中で分岐してそれぞれ駆動装置に連結される構成と比較して、2つのケーブルが動作した際のストロークを均一としやすいため、2つの駆動装置の動作の均一性を向上させることができる。
前記した乗物用駆動機構において、前記第2ケーブルは、前記係合部に係合可能に構成され、前記係合部に係合したときに当該第2ケーブルの他端部を前記第1ケーブルの一端部に接続する接続部を有する構成とすることができる。
これによれば、第1ケーブルと第2ケーブルを容易に接続することができるので、組立性を向上させることができる。
前記した乗物用駆動機構において、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルは、一体に形成されている構成とすることもできる。
これによれば、部品点数を削減することができるので、組立性を向上させることができる。
前記した乗物用駆動機構において、前記第1ケーブルの一端部が前記第1駆動装置に入る方向と前記第2ケーブルの一端部が前記第2駆動装置に入る方向とは同じである構成とすることができる。
これによれば、第1駆動装置と第2駆動装置の構成を対称化しやすくなるので、2つの駆動装置の動作の均一性をより向上させることができる。
前記した乗物用駆動機構において、前記第2ケーブルは、前記第1ケーブルの一端部が当該第1駆動装置に入る側とは反対側で前記第1駆動装置から引き出されている構成とすることができる。
これによれば、第1駆動装置内で第1ケーブルと第2ケーブルを直線状に配置することができるので、ケーブルの取り回し性を向上させることができる。
前記した乗物用駆動機構において、前記乗物は、第1フレームと第2フレームを有する乗物用シートを備え、前記第1ケーブルの他端部は、前記駆動力発生装置に接続され、前記駆動力発生装置および前記第1駆動装置は、前記第1フレームに取り付けられ、前記第2駆動装置は、前記第2フレームに取り付けられている構成とすることができる。
これによれば、第1ケーブルを短くすることができるので、第1ケーブルを配置するためのスペースの省スペース化を図ることができる。
前記した乗物用駆動機構において、前記第1ケーブルは、前記第1フレームの長手方向に沿って動作するように配置され、前記第2ケーブルは、前記第2フレームの長手方向に沿って動作するように配置されている構成とすることができる。
これによれば、ケーブルをフレームに沿わせて配置することができるため、ケーブルを配置するためのスペースのさらなる省スペース化を図ることができる。
前記した乗物用駆動機構において、前記第1フレームおよび前記第2フレームは、一方が背もたれの左のフレームを構成し、他方が背もたれの右のフレームを構成しており、前記乗物用シートは、前記第1フレームと前記第2フレームの間に配置され、乗員からの荷重を支持するための荷重支持部材を有し、前記第2ケーブルは、前記荷重支持部材の後または下を通っている構成とすることができる。
これによれば、乗員から荷重支持部材に荷重がかかった場合であっても、第2ケーブルに荷重がかかることを抑制することができる。
前記した乗物用駆動機構において、前記第2ケーブルは、前記荷重支持部材に留められている構成とすることができる。
これによれば、第2ケーブルが引っ張られる際などに第2ケーブルが動くことが抑制されるため、第2ケーブルと他部材との干渉が抑制され、異音の発生を抑制することができる。
前記した乗物用駆動機構において、前記押圧部材は、前記第1ケーブルの一端部が接続された一端が前記第1ケーブルの動作により他端に対し近接離間する方向に移動可能であり、前記一端が前記他端に近接する方向に移動するときに前記一端と前記他端との間の中間部が所定方向に突出するように屈曲し、前記第1ケーブルは、前記押圧部材に対し前記所定方向とは反対側で当該押圧部材に沿って配置されている構成とすることができる。
これによれば、屈曲する押圧部材の中間部と第1ケーブルとの干渉が抑制されるため、押圧部材の中間部が屈曲したときに第1ケーブルに荷重がかかることを抑制することができる。
前記した乗物用駆動機構において、前記支持部材は、前記押圧部材の屈曲により前記中間部に押圧されることで移動し、かつ、前記第1ケーブルの一端部と前記押圧部材の前記一端との係合部分を覆うように設けられている構成とすることができる。
これによれば、支持部材に覆われることで、第1ケーブル、さらに言えば第1ケーブルの一端部と押圧部材の一端との係合部分に荷重がかかることを抑制することができる。
前記した乗物用駆動機構は、前記押圧部材の前記一端の移動をガイドするためのガイド部を備えた構成とすることができる。
これによれば、押圧部材の一端を良好に移動させることができるので、第1駆動装置の駆動性を向上させることができる。
本発明によれば、第1ケーブルと第2ケーブルが接続されているので、1本のケーブルとして取り扱うことができ、ケーブルを配置するためのスペースの省スペース化を図ることができる。また、2つのケーブルが動作した際のストロークを均一としやすいため、2つの駆動装置の動作の均一性を向上させることができる。
また、本発明によれば、第1ケーブルの一端部に係合部を設け、第2ケーブルの他端部に係合部に係合可能な接続部を設けることで、第1ケーブルと第2ケーブルを容易に接続することができるので、組立性を向上させることができる。
また、第1ケーブルと第2ケーブルを一体に形成した場合には、部品点数を削減することができるので、組立性を向上させることができる。
また、本発明によれば、第1ケーブルの一端部が第1駆動装置に入る方向と第2ケーブルの一端部が第2駆動装置に入る方向を同じにすることで、2つの駆動装置の構成を対称化しやすくなるので、2つの駆動装置の動作の均一性をより向上させることができる。
また、本発明によれば、第2ケーブルを第1ケーブルの一端部が入る側とは反対側で第1駆動装置から引き出すことで、第1駆動装置内で第1ケーブルと第2ケーブルを直線状に配置できるので、ケーブルの取り回し性を向上させることができる。
また、本発明によれば、第1ケーブルを駆動力発生装置に接続し、駆動力発生装置と第1駆動装置を同じフレームに取り付けることで、第1ケーブルを短くすることができるので、第1ケーブルを配置するためのスペースの省スペース化を図ることができる。
また、本発明によれば、第1ケーブルおよび第2ケーブルをフレームの長手方向に沿って動作するように配置することで、ケーブルを配置するためのスペースのさらなる省スペース化を図ることができる。
また、本発明によれば、第2ケーブルを、左右のフレームの間に配置された荷重支持部材の後または下を通すことで、乗員から荷重支持部材に荷重がかかった場合であっても、第2ケーブルに荷重がかかることを抑制することができる。
また、本発明によれば、第2ケーブルを荷重支持部材に留めることで、第2ケーブルの動きを抑制することができるので、第2ケーブルと他部材との干渉が抑制され、異音の発生を抑制することができる。
また、本発明によれば、第1ケーブルを、第1駆動装置の押圧部材に対し屈曲する際に突出する方向とは反対側で押圧部材に沿って配置することで、押圧部材の中間部が屈曲したときに第1ケーブルに荷重がかかることを抑制することができる。
また、本発明によれば、支持部材を、第1ケーブルと押圧部材との係合部分を覆うように設けることで、第1ケーブルや、第1ケーブルと押圧部材との係合部分に荷重がかかることを抑制することができる。
また、本発明によれば、押圧部材の一端の移動をガイドするガイド部を設けることで、押圧部材の一端を良好に移動させることができるので、第1駆動装置の駆動性を向上させることができる。
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
本実施形態における乗物としての自動車は、図1に示すように、運転席や助手席などに使用される乗物用シートの一例としての車両用シートSを備えている。そして、車両用シートSは、乗員が着座するシートクッションS1と、シートバックS2と、乗員の頭部を支持するヘッドレストS3とを主に備えて構成されている。
シートバックS2は、図2に示すように、金属製のシートバックフレームF2と、乗物用駆動機構の一例としてのサイドサポート駆動機構1と、荷重支持部材としての板状の受圧部材10と、乗員を側方から保護するためのエアバッグ装置ABとを主に備え、これらを覆うように、ウレタンフォームなどからなるクッション材70と、合成皮革や布地などからなる表皮材75をシートバックフレームF2に被せることで構成されている(図5や図8参照)。
シートバックフレームF2は、シートバックS2の左右のフレームを構成する左右のサイドフレーム20を備えている。左右のサイドフレーム20は、背もたれの左のフレームを構成する第1フレームの一例としての左サイドフレーム20Lと、背もたれの右のフレームを構成する第2フレームの一例としての右サイドフレーム20Rとを有しており、本実施形態において、左サイドフレーム20Lと右サイドフレーム20Rは略左右対称に形成されている。
受圧部材10は、乗員からの荷重を支持するための部材であり、左サイドフレーム20Lと右サイドフレーム20Rの間に配置され、上下の支持ワイヤW1,W2を介して左右のサイドフレーム20に後退移動可能に連結されている。この受圧部材10は、自車両の後部に他車両が追突するなどして乗員の上体からシートバックS2に所定値以上の荷重が作用した場合に、支持ワイヤW1,W2が撓んだり、リンク機構(符号省略)の揺動によって支持ワイヤW2が後方へ移動したりすることで、左右のサイドフレーム20に対して後退移動する。これにより、乗員の上体がシートバックS2に沈み込むので、乗員に対する追突時などの荷重の影響を緩和することができる。
サイドサポート駆動機構1は、シートバックS2内の左右に設けられた移動部材の一例としての支持部材50を駆動させるための機構である。支持部材50は、それぞれ、車両用シートSに着座した乗員の腕の付け根の下の部位付近に対向して配置されており、クッション材70および表皮材75を介して乗員の上体を左右から支持している。本実施形態の車両用シートSは、サイドサポート駆動機構1により支持部材50の前端部が左右に回動することで、シートバックS2の乗員の腕の付け根の下の部位付近に対向する部分が乗員に向けて膨らんだり、膨らんだ状態から引っ込んだりすることで、乗員の体型などに合わせて支持位置を調整可能となっている。
図3に示すように、サイドサポート駆動機構1は、駆動力発生装置としてのアクチュエータACと、第1駆動装置の一例としての左サイドサポート装置3Lと、第2駆動装置の一例としての右サイドサポート装置3Rと、第1ケーブル81と、第2ケーブル82とを主に備えて構成されている。本実施形形態において、左サイドサポート装置3Lは、左サイドフレーム20Lの内側に取り付けられ、アクチュエータACは、左サイドフレーム20Lの外側に取り付けられている。また、右サイドサポート装置3Rは、左サイドサポート装置3Lに対向した状態で右サイドフレーム20Rの内側に取り付けられている。
詳細については後述するが、第1ケーブル81は、アクチュエータACの駆動力を左サイドサポート装置3Lに伝達する部材であり、一端部が左サイドサポート装置3Lに係合され、他端部がアクチュエータACに直接接続されている。また、第2ケーブル82は、第1ケーブル81を介してアクチュエータACの駆動力を右サイドサポート装置3Rに伝達する部材であり、一端部が右サイドサポート装置3Rに係合され、他端部が左サイドサポート装置3L内で第1ケーブル81の一端部に接続されている。これにより、アクチュエータACからの駆動力によって第1ケーブル81の他端部が引っ張られまたは引っ張られた状態から緩むことで左サイドサポート装置3Lの支持部材50が駆動し、また、第1ケーブル81を介して第2ケーブル82の他端部が引っ張られまたは引っ張られた状態から緩むことで右サイドサポート装置3Rの支持部材50が駆動する。
なお、本実施形態において、第2ケーブル82は、左サイドサポート装置3Lから延び出た後、受圧部材10の後を通って、右サイドサポート装置3Rに接続されている。これにより、乗員から受圧部材10に荷重がかかった場合であっても、第2ケーブル82に直接荷重がかかることを抑制することができる。また、本実施形態において、第2ケーブル82は、結束バンド91によって受圧部材10に形成された左右に並ぶ2つの開口18の間に留められている。これにより、第2ケーブル82が引っ張られる際などに第2ケーブル82の動きを抑制できるので、第2ケーブル82と支持ワイヤW1などの他の部材との干渉が抑制され、異音の発生を抑制することができる。
左右のサイドサポート装置3L,3Rは、それぞれ、対応する一のサイドフレーム20に固定される固定部材30と、屈曲部材の一例としての押圧部材40と、支持部材50とを主に備えて構成されている。なお、本実施形態において、左右のサイドサポート装置3L,3Rは、略左右対称に構成されているため、以下の説明では、左サイドフレーム20Lに取り付けられる左サイドサポート装置3Lの詳細な構成について主に説明する。
図4に示すように、固定部材30は、押圧部材40および支持部材50を支持するとともに、これらをサイドフレーム20(図4では図示省略)に固定するための部材である。本実施形態において、固定部材30は、左右方向内側が開口した略器状の固定部材本体30Aと、固定部材本体30Aの後壁の左右方向内側の端部から斜め後方に向けて延出する上部延出部30Bおよび下部延出部30Cとを有して構成されている。
固定部材本体30Aの上部には、後述する押圧部材40の上端42を回動可能に支持する軸支部31が形成されている。また、固定部材本体30Aは、押圧部材40の下端41の上下の移動をガイドするためのガイド部32となっている。ガイド部32は、当該ガイド部32を構成する側壁30Dの左右方向内側を向く面であって、押圧部材40の下端41の移動を主にガイドするガイド面32Aを有している。図5に示すように、ガイド面32Aは、その後端部よりも前端部が左右方向外側に位置するように、後端部から前端部に向けて左右に広がるように傾斜している。これにより、ガイド面32Aは、前後方向に平行な場合よりも車両用シートSに着座した乗員の方を向いた状態となっている。また、図6(a),(b)に示すように、側壁30Dの上端部と下端部には、それぞれ、固定部材30をサイドフレーム20に固定するときにネジ92を螺合させるための貫通穴30Eが1つずつ形成されている。
図4に示すように、上下の延出部30B,30Cの端部には、上下方向に延びる軸部33が形成されている。より詳細に、軸部33Aは、上部延出部30Bの上面から上方に突出するように形成され、軸部33Bは、軸部33Aと同軸で下部延出部30Cの下面から下方に突出するように形成されている。また、軸部33Cは、軸部33A,33Bと同軸で上下の延出部30B,30Cをつなぐように形成されている。これらの軸部33A~33C(軸部33)は、支持部材50を回動可能に支持する軸として機能する部位であり、固定部材30の一部として固定部材30に一体に形成されている。これにより、固定部材とは別に軸を備える構成と比較して、部品点数を削減できるので、サイドサポート装置3L,3Rの構造を簡略化することができる。
押圧部材40は、支持部材50を駆動させるための部材であり、一端である下端41と、他端である上端42と、下端41と上端42との間の中間部43とを主に有している。この押圧部材40は、図6(a),(b)に示すように、上端42が固定部材30(サイドフレーム20)に対して回動可能に支持され、詳細については後述するが、下端41に第1ケーブル81の一端部が接続されている。これにより、押圧部材40は、第1ケーブル81の動作により、下端41が固定された上端42に対し、ガイド面32A(サイドフレーム20の側面)に沿って近接離間する方向である上下に移動可能に構成されている。
中間部43は、下端41が上端42に近接する方向である上方に移動するときに左右方向内側(所定方向)に向けて突出するように屈曲可能に構成されている。より詳細に、中間部43は、下端41が上端42に近接する方向に移動するときに屈曲する屈曲部43Aと、屈曲部43Aを挟んで当該屈曲部43Aの上下に隣接して形成された一対の突出部43Bとを主に有している。屈曲部43Aは、屈曲変形可能となるように、押圧部材40の他の部分よりも厚みが薄く形成されている。一対の突出部43Bは、図6(a)に示す屈曲部43Aが屈曲する前の状態において、屈曲部43Aよりも左右方向内側に向けて突出するリブ状に形成されている。
図5に示すように、支持部材50は、表皮材75とクッション材70を介して乗員の腕の付け根の下の部位付近を支持する略板状の部材であり、固定部材30(サイドフレーム20)に対しその後端部を中心として前端部が左右に回動可能に構成されている。より詳細に、支持部材50は、図4に示すように、その後端部に、固定部材30の上部延出部30Bの上に配置される上部被支持部51と、固定部材30の下部延出部30Cの下に配置される下部被支持部52と、上部被支持部51と下部被支持部52の間に形成された軸係合部53とを有している。そして、上下の被支持部51,52に形成された凹部51A,52Aが軸部33A,33Bに係合し、軸係合部53が軸部33Cに係合することで、上部被支持部51、下部被支持部52および軸係合部53が固定部材30に対し回動可能に支持されている。なお、本実施形態において、軸部33A,33Bは、略樽形の断面形状をなしているため、支持部材50を固定部材30に対して左右方向内側に大きく回動させたときには、上下の被支持部51,52から容易に離脱できるが、軸係合部53が軸部33Cに係合していることで、支持部材50は、固定部材30からの脱落が抑制されている。
支持部材50は、その上端部の中央付近から前端部を経て下端部の中央付近に至るまでの範囲の縁に、上下の被支持部51,52よりも厚みが薄い略U字形状の連続した板状部54を有している。そして、板状部54には、当該板状部54の縁に沿って図4の前側に向けて盛り上がることで、板状部54の他の部分よりも厚みが厚いビード54Aが形成されている。図5に示すように、ビード54Aは、略円弧状の丸みを帯びた断面形状をなすように形成されている。
図4および図7に示すように、支持部材50は、乗員を支持する表面50Aと、表面50Aとは反対側の裏面50Bに、それぞれ、複数の補強リブ55を有している。本実施形態において、裏面50Bの補強リブ55は、鉛直方向または水平方向に延びるように形成されており、その一部が十字状に交差している。また、本実施形態について別の言い方をすれば、支持部材50は、表面50Aと裏面50Bに、それぞれ、複数の凹部56を有しており、この凹部56を仕切るように複数の補強リブ55が形成されている。このような構成により、支持部材50の剛性を向上させることができるので、車両用シートSに着座する乗員を安定して支持することができる。なお、裏面50Bの中央付近に形成された凹部56Aは、上下方向に長く延びており、図6(a),(b)に示すように、押圧部材40の中間部43の移動をガイドする機能を有している。
以上説明した固定部材30、押圧部材40、支持部材50は、組み立てられた上で、サイドサポート装置3L,3Rとして、図5に示すように、サイドフレーム20の内面に固定されている。より詳細に説明すると、サイドフレーム20は、前端部20Aおよび後端部20Cが側部20Bに対して左右方向内側に向けて屈曲する略U字形状をなしており、固定部材30の後面には、後方に向けて突出する当接リブ35が上下方向に並んで複数形成されている(1つのみ図示)。そして、固定部材30、すなわちサイドサポート装置3L,3Rは、当接リブ35がサイドフレーム20の後端部20Cの内面に当接した状態で、ネジ92によりサイドフレーム20の側部20Bに固定されている。これにより、サイドサポート装置3L,3Rが側部20Bと後端部20Cの両方により支持されることになるので、支持剛性を向上できるため、支持部材50により乗員を安定して支持することができる。
サイドサポート装置3L,3Rがサイドフレーム20に固定されると、支持部材50は、シートバックS2内で一のサイドフレーム20の左右方向内側に隣接して配置され、押圧部材40は、一のサイドフレーム20と支持部材50との間に配置されることとなる。また、本実施形態において、支持部材50の回動軸、すなわち固定部材30の軸部33は、略全体がサイドフレーム20の後端(鎖線参照)よりも後側に配置されている。これにより、軸部33がサイドフレーム20の後端よりも前側に配置される構成と比較して、支持部材50の回動量を大きくできるので、サイドサポート装置3L,3Rによる支持位置の調整範囲を広くすることができる。
図2に示すように、本実施形態において、左右のサイドサポート装置3L,3R(固定部材30)は、上下方向における2つの取付穴25の間でサイドフレーム20に固定されている。取付穴25は、エアバッグ装置ABの袋体の展開方向を規制する力布61,62(図8参照)をサイドフレーム20に取り付け可能とするための力布取付部としての貫通した穴であり、サイドフレーム20の上端部と下端部に1つずつ、上下にずれた状態で形成されている。
ここで、シートバックS2におけるエアバッグ装置AB周辺の構成について簡単に説明する。図8に示すように、エアバッグ装置ABは、図示しない袋体やインフレータなどを備えて構成され、支持板26を介して右サイドフレーム20Rに固定されている。力布61,62は、エアバッグ装置ABを取り囲むように配置され、それぞれ、前端部が表皮材75の破断部76で表皮材75とともに縫い合わされ、後端部が右サイドフレーム20Rに固定されている。エアバッグ装置ABが動作したとき、インフレータで発生したガスによって膨張する袋体は、左右の力布61,62によっていわばガイドされながら前方に向けて膨張していき、破断部76を破断して乗員の側方で展開することとなる。
力布61は、その後端部の上下部分(一方のみ図示)が、リベット状の力布取付部材27に固定され、上下の力布取付部材27を右サイドフレーム20Rの上下の取付穴25に係合することで、右サイドフレーム20Rに固定されている。力布取付部材27は、樹脂などから形成され、胴部27Aに2つの貫通孔27B,27Cを有している。力布61は、後端部が図8の左右方向外側から内側に向けて貫通孔27Bに通された後、棒状のピン27Dに固定されて貫通孔27Cにピン27Dとともに係止されることで、力布取付部材27に固定されている。なお、力布取付部材27の胴部27Aには、取付穴25からの脱落を防止するための抜け止め部27Eが形成されている。一方、力布62は、その後端部の上下部分(一方のみ図示)が、樹脂などから形成されたフック状の力布取付部材28に固定され、上下の力布取付部材28を右サイドフレーム20Rの後端部20Cの端に掛止することで、右サイドフレーム20Rに固定されている。
本実施形態では、2つの取付穴25が上下にずれて形成されているため、上下2箇所の取付穴25で力布61を安定して支持することができる。また、本実施形態では、サイドサポート装置3L,3Rが上下2つの取付穴25の間でサイドフレーム20に固定されているため、力布取付部材27とネジ92との干渉を抑制できるとともに、2つの取付穴25の上下でサイドサポート装置が固定される構成と比較して、サイドサポート装置3L,3Rをコンパクトな構成とすることができる。
図4に示すように、第1ケーブル81および第2ケーブル82は、それぞれ、一端部および他端部(各一方のみ図示)を外部に露出させた状態で管状のシース81B,82Bに摺動可能に挿通されている。各ケーブル81,82は、その一端部(第1ケーブル81のみ図示)に、当該ケーブル81,82の一端部をサイドサポート装置3L,3Rの押圧部材40に係合させるための係合部83を有している。係合部83は、金属製の略円柱形状の部材であり、各ケーブル81,82の一端部に1つずつ固定されている(図9も参照)。一方、第2ケーブル82は、その他端部に、当該第2ケーブル82の他端部を第1ケーブル81の一端部に接続するための接続部84を有している。接続部84は、係合部83に係合可能な円形の係合穴84Aを有する金属板であり、第2ケーブル82の他端部に固定されている。
図9(a)に示すように、本実施形態において、第1ケーブル81と第2ケーブル82は、第1ケーブル81の係合部83に第2ケーブル82の接続部84を係合することで、互いに接続されている。このように本実施形態では、係合部83と接続部84との係合により、第1ケーブル81と第2ケーブル82を容易に接続できるので、サイドサポート駆動機構1や車両用シートSの組立性を向上させることができる。
図3に示すように、第1ケーブル81は、その他端部がアクチュエータAC内に設けられた図示しないリールに巻き付けられ、アクチュエータAC内から上方に向けて引き出されている。そして、第1ケーブル81は、左サイドフレーム20Lの外面に沿って配置され、左サイドサポート装置3Lの上方で湾曲されてシートバックフレームF2の後を通って、その一端部が左サイドサポート装置3L内に上から入っている。左サイドサポート装置3L内に入った第1ケーブル81は、図9(a),(b)に示すように、係合部83が押圧部材40の下端41に係合されることで、左サイドサポート装置3Lに係合されている。
図3に戻り、第2ケーブル82は、第1ケーブル81の一端部が左サイドサポート装置3Lに入る側である上側とは反対側の下側で左サイドサポート装置3Lから引き出されている。これにより、左サイドサポート装置3L内で第1ケーブル81と第2ケーブル82を直線状に配置できるので、左サイドサポート装置3L内におけるケーブル81,82の取り回し性を向上させることができる。左サイドサポート装置3Lから引き出された第2ケーブル82は、受圧部材10の後側を右斜め上方に向けて配置され、その一端部が右サイドサポート装置3R内に上から入っている。右サイドサポート装置3R内に入った第2ケーブル82は、図9(a),(b)に示すように、係合部83が押圧部材40の下端41に係合されることで、右サイドサポート装置3Rに係合されている。
なお、各ケーブル81,82は、図6(a),(b)に示すように、押圧部材40の中間部43に対し、中間部43が突出する左右方向内側とは反対側の左右方向外側で押圧部材40(中間部43)に沿って配置されている。これにより、屈曲する中間部43とケーブル81,82との干渉が抑制されるため、中間部43が屈曲したときにケーブル81,82に荷重がかかることを抑制することができる。また、ケーブル81,82の一端部と押圧部材40の下端41との係合部分は、支持部材50によって覆われているため、ケーブル81,82や、ケーブル81,82と押圧部材40との係合部分に乗員から荷重がかかることを抑制することができる。
次に、以上のように構成された車両用シートSの動作について説明しながら、本実施形態の車両用シートSが奏する作用効果について説明する。
図5および図6(a)に示す状態において、乗員が図示しないコントローラを操作してアクチュエータAC内の図示しないリールを一方向に回転させることで、第1ケーブル81の他端部が巻き取られると、第1ケーブル81の一端部と、他端部が第1ケーブル81に接続された第2ケーブルの一端部が共に引っ張られる。
そうすると、図6(b)に示すように、各ケーブル81,82(一方のみ図示)の一端部が係合された押圧部材40の下端41が上端42に近接する方向に移動し、中間部43が左右方向内側に向けて突出するように屈曲する。これにより、支持部材50が中間部43に押圧されることで、図10に示すように、支持部材50は、軸部33を中心に前端部が左右方向内側に回動する。その結果、クッション材70および表皮材75が支持部材50に押圧されて乗員側に向けて膨らみ、乗員の支持位置を変更することができる。
本実施形態では、第1ケーブル81と第2ケーブル82が接続されていることで、これらをいわば1本のケーブルとして動作させことができるため、例えば、2本のケーブルがそれぞれアクチュエータから個別に延び出して途中で分岐し、それぞれサイドサポート装置に連結される構成と比較して、ケーブル81,82が動作した際のストロークを均一とすることができる。これにより、左右のサイドサポート装置3L,3Rの動作の均一性を向上させることができる。
また、図3に示したように、第1ケーブル81の一端部が左サイドサポート装置3Lに入る方向と第2ケーブル82の一端部が右サイドサポート装置3Rに入る方向とが同じであることで、左右のサイドサポート装置3L,3Rの構成を対称化しやすくなっており、本実施形態では、実際に、左右のサイドサポート装置3L,3Rが略左右対称に構成されている。これにより、左右のサイドサポート装置3L,3Rの動作の均一性をより向上させることができる。
一方、図10に示す状態において、乗員が図示しないコントローラを操作してアクチュエータAC内のリールを前記一方向とは逆方向に回転させることで、第1ケーブル81の他端部の巻き取り状態が緩むと、第1ケーブル81の一端部と第2ケーブルの一端部が共に引っ張られた状態から緩むこととなる。
そうすると、図5に示すように、乗員からの荷重や、表皮材75およびクッション材70の復元力により、支持部材50は、軸部33を中心に前端部が左右方向外側に回動する。このとき、押圧部材40は、支持部材50に押されることで、屈曲した中間部43が図6(b)示す状態から図6(a)に示す状態へと形状が戻りながら、下端41がケーブル81,82の一端部を引っ張りながら上端42から離間する方向に移動する。これにより、クッション材70および表皮材75が膨らんだ状態から引っ込み、乗員の支持位置を変更することができる。
車両用シートSでは、上記した動作を基本としつつ、コントローラの操作によってアクチュエータACの駆動量を調整することで、着座する乗員の体型などに合わせて支持部材50による支持位置、言い換えれば、図1に示すシートバックS2の乗員の腕の付け根の下の部位付近に対向する部分(支持部材50が配置された部分)の膨出量を任意に調整可能となっている。
本実施形態では、押圧部材40の下端41の移動をガイドするガイド部32や、中間部43の移動をガイドする凹部56Aが設けられているため、下端41や中間部43を良好に移動させることができる。これにより、サイドサポート装置3L,3Rの駆動性を向上させることができる。また、本実施形態では、ガイド部32のガイド面32Aが前後方向に対し乗員の方を向くように傾斜しているため、ガイド面32Aと乗員とが対面することとなり、押圧部材40や支持部材50などを介して乗員をバランスよく支持することができる。また、本実施形態では、押圧部材40の中間部43が凹部56Aの底面、すなわち支持部材50の中央付近に当接するように配置されているため、中間部43により支持部材50を安定して支持でき、これにより、乗員を安定して支持することができる。
また、本実施形態では、図5や図10に示したように、支持部材50の板状部54の縁に当該板状部54の他の部分よりも厚みが厚いビード54Aが形成されているため、支持部材50の回動によるクッション材70の傷つきなどを抑制できる。また、本実施形態では、図6(a),(b)に示したように、押圧部材40は、支持部材50に対し、まず一対の突出部43Bが当接し、屈曲部43Aは当接しにくくなっているので、変形する屈曲部43Aに対し支持部材50から直接荷重がかかることを抑制できる。これらにより、サイドサポート駆動機構1を備える車両用シートSの耐久性を向上させることができる。
以上説明した車両用シートSは、図6(a)に示すように、中間部43が屈曲していないときには押圧部材40がサイドフレーム20に対し大きく突出することがないので、このような押圧部材40を含むサイドサポート装置3L,3Rを左右にコンパクト化することができる。また、図4に示すように、固定部材30が支持部材50の上下の被支持部51,52の間に配置可能なサイズであるため、固定部材30および固定部材30に支持される押圧部材40、すなわち支持部材50を駆動させるための構成を上下にコンパクト化することができる。これらにより、本実施形態では、サイドサポート装置3L,3Rを全体としてコンパクトな構成とすることができる。
また、車両用シートSでは、図3に示すように、第1ケーブル81と第2ケーブル82が接続されていることで、これらを1本のケーブルとして取り扱うことができるため、アクチュエータACから延び出すケーブルの数を1本とすることができる。また、アクチュエータACと左サイドサポート装置3Lが同じ左サイドフレーム20Lに取り付けられているため、第1ケーブル81を短くすることができる。さらに、本実施形態では、第1ケーブル81の一端部が左サイドフレーム20Lの長手方向に沿って動作するように配置され、第2ケーブル82の一端部が右サイドフレーム20Rの長手方向に沿って動作するように配置されているため、ケーブル81,82を全体としてサイドフレーム20L,20Rに沿わせて配置することができる。これらにより、車両用シートS内におけるケーブル81,82を配置するためのスペースの省スペース化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、下記のように本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態で示したサイドサポート装置3L,3Rの構成は一例であり、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、押圧部材40と支持部材50が固定部材30を介してサイドフレーム20に固定されていたが、固定部材を備えずに、押圧部材と支持部材がサイドフレームに直接固定されていてもよい。なお、前記実施形態のように固定部材30を備えることで、金属製のサイドフレーム20に押圧部材40などを取り付けるための構成を設ける必要がなくなるため、サイドフレーム20の構造を簡略化して作りやすくすることができる。
また、前記実施形態では、押圧部材40が一部品から構成されていたが、これに限定されず、押圧部材は2部品以上から構成されていてもよい。一例として、押圧部材40は、図11(a),(b)に示すように、押圧部材下部40Aと押圧部材上部40Bの2部品からなり、下端41が上端42に近接する方向に移動するときに屈曲する部分が、押圧部材下部40Aおよび押圧部材上部40Bのうちの一方に形成された軸部44に対し他方が回動可能に連結されて構成されていてもよい。このような構成によれば、屈曲する部分が変形により曲がる構成と比較して、屈曲する部分の疲労を低減できるので、押圧部材40の耐久性を向上させることができる。また、支持部材50は、例えば、図12に示すように、補強リブ55がハニカム構造をなすように形成されていてもよい。
前記実施形態では、第1ケーブル81と第2ケーブル82が別部品として構成された2本のケーブルであったが、本発明はこれに限定されず、例えば、図13(a),(b)に示すように、第1ケーブルと第2ケーブルは、一体に形成された1本のケーブル85であってもよい。これによれば、部品点数を削減できるので、サイドサポート駆動機構1や車両用シートSの組立性を向上させることができるとともに、低コスト化を図ることができる。補足すると、図13に示すケーブル85は、一端部に右サイドサポート装置3Rの押圧部材40に係合される係合部83を有し、途中部分に左サイドサポート装置3Lの押圧部材40に係合される係合部83を有している。ケーブル85は、アクチュエータが接続される他端部から途中部分の係合部83までがいわば第1ケーブル部とも呼べる本発明の第1ケーブルに相当し、途中部分の係合部83から一端部の係合部83までがいわば第2ケーブル部とも呼べる本発明の第2ケーブルに相当する。
前記実施形態では、図5に示したように、支持部材50の回動軸(固定部材30の軸部33)がサイドフレーム20の後端よりも後側に配置された構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、支持部材の回動軸は、左右方向から見て、サイドフレームの後端と重なる位置に配置されていてもよい。これによっても、回動軸がサイドフレームの後端よりも前側に配置される構成と比較して、支持部材の回動量を大きくすることができる。
前記実施形態では、図3に示したように、第2ケーブル82が受圧部材10に留められていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、第2ケーブルはサイドフレーム20に留められていてもよいし、留められずに配置されていてもよい。また、前記実施形態では、第2ケーブル82が受圧部材10の後を通っていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、第2ケーブルは、受圧部材の40の下を通っていてもよい。これによっても、乗員から第2ケーブルに荷重がかかることを抑制することができる。また、前記実施形態では、荷重受部材として板状の受圧部材10を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ワイヤ状のシートスプリングなどであってもよい。
前記実施形態では、図2に示したように、エアバッグ装置ABが右サイドフレーム20Rに取り付けられ、アクチュエータACが左サイドフレーム20Lに取り付けられていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、前記実施形態とは逆の配置であってもよい。また、エアバッグ装置とアクチュエータは、同一のサイドフレームに取り付けられていてもよい。また、アクチュエータは、シートクッションS1(図1参照)内に設けられていてもよい。また、前記実施形態では、駆動力発生装置として、電動のアクチュエータACを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、駆動力発生装置は、乗員がハンドルを回すことでケーブルを巻き取ったり、緩めたりすることができるように構成されたものであってもよい。
前記実施形態では、乗物用シートとして、自動車で使用される車両用シートSを例示したが、本発明はこれに限定されず、その他の乗物用シート、例えば、船舶や航空機などで使用されるシートであってもよい。
前記実施形態では、第1フレームが左サイドフレーム20Lを構成し、第2フレームが右サイドフレーム20Rを構成していたが、本発明はこれに限定されず、例えば、第1フレームが右サイドフレームを構成し、第2フレームが左サイドフレームを構成していてもよい。また、例えば、第1フレームがシートクッションのフレームを構成し、第2フレームがシートバックのフレームを構成していてもよい。
前記実施形態では、乗物用駆動機構としてサイドサポート駆動機構1を例示した。言い換えれば、前記実施形態では、駆動装置としてサイドサポート装置3L,3Rを例示した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、駆動装置は、サイドサポート装置以外の装置であってもよい。また、第1駆動装置と第2駆動装置は、同じ構成(対称な構成を含む)の装置であってもよいし、異なる構成の装置であってもよい。