JP7111289B2 - ビスコース様の特性を有するリヨセル繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、ビスコース様の特性を有するリヨセル繊維、その製造方法、さらには前記リヨセル繊維を含む製品に関する。
セルロース系繊維は、広く様々な用途に用いられている。木などの再生可能資源に基づくそのような繊維に対してさえも需要が増加の一途であることにより、そのような繊維の製造に用いられ得る原材料の多様性を増加させるための試みが行われてきた。同時に、特定の繊維特性をターゲットとして、そのような繊維のさらなる機能化に向けての需要も存在する。別の目的は、天然繊維の特性及び構造を模倣することである。セルロース再生に基づく繊維は、典型的には内部空洞/ルーメンをまったく示さないという点で、天然繊維とはその構造を異にしている。例えば、ビスコース繊維は、繊維の緻密なシースとスポンジ状のコアとを備えた楕円形の断面を示す。他方、リヨセル繊維は、100~150nmの厚さ及び2~5nmの小細孔サイズを有する目の詰まった外側スキン層、それに続く多孔性が増加する中間層、及び緻密な非多孔性コアを備えた三層構造の円形断面を示す。
リヨセル繊維の製造プロセスでは、繊維の特性及び構造に影響を与えるためのオプションは限られたものしかない。しかし、リヨセルプロセスにおいても、繊維特性により大きな影響を与えるための手段が存在すれば、有利であろう。1つのオプションとしては、ビスコースプロセスの過程で特に広く可能である添加剤の添加、又はリヨセル繊維の構造及び/若しくは特性をさらに変動させる目的でのセルロース製造の副生物の使用であろう。
例えば、化学的前処理が繊維特性に影響を与え得ることが知られている。米国特許第6042769号には、フィブリル化傾向を高めるための化学的処理の例が示されている。それは、DP(重合度)を200ユニット低下させるための化学的処理を開示しており、それによって、フィブリル化傾向が高まる。この特許で言及される化学的処理は、次亜塩素酸ナトリウムなどの漂白剤、又は塩酸、硫酸、若しくは硝酸などの無機酸の使用を意味する。この手順の商業化は、これまでのところ成功していない。
米国特許第6706237号には、ヘミセルロースに富んだパルプから得たメルトブローン繊維が、フィブリル化傾向の減少又は低下を示すことが開示されている。類似の開示が、米国特許第6440547号にもあり、こちらもやはりメルトブローン繊維に言及している。これらの繊維、さらには遠心紡糸繊維に対して、結晶化度も特定されており、標準リヨセル繊維と比較して、高ヘミセルロース含有量のメルトブローン繊維は、どちらかと言えば僅かな結晶化度の減少を示している(5%未満の減少)。米国特許第8420004号には、不織布製造のためのメルトブローン繊維の別の例が開示されている。
ビスコース繊維において、ヘミセルロースを添加することによって、繊維特性の改変を可能とすることが示された。しかし、これらの改変は、常に、テナシティなどの他の重要な繊維特性の低下を伴っていた。しかし、そのような改変は、繊維製造法の違いにより、問題なしにリヨセル繊維に適用することはできない。
Zhang et al(Polymer Engineering and Science 2007, 47, 702-706)は、ヘミセルロース含有量を高めたリヨセル繊維について報告している。この著者らは、前記繊維が、高められた繊維の耐フィブリル化性、より低い結晶化度、及びより良好な染色性を示す傾向にあると主張している。しかし、この論文での結晶化度の特定では、僅かな減少しか示されなかった(5%未満)。著者らはまた、引張強度が僅かにしか低下しないこと、及び紡糸ドープ中のヘミセルロース濃度を高めることによって、繊維特性をさらに高めることが可能であることも主張している。Zhang et al(Journal of Applied Polymer Science 2008, 107, 636-641)、Zhang et al(Polymer Materials Science and Engineering 2008, 24, 11, 99-102)は、Zhangによる論文(Polymer Engineering and Science 2007, 47, 702-706)と同じ数値を開示しており、一方Zhang et al(China Synthetic Fiber Industry 2008, 31, 2, 24-27)は、2.3dtexの繊維に対してより良好な機械的特性を報告している。同じ著者らが、Journal of Applied Science 2009, 113, 150-156で同じ理論を主張している。
Zhang et al.による論文(Polymer Engineering and Science 2007, 47, 702-706)に記載の繊維は、商業的品質でのリヨセル繊維の製造ができない実験用設備で製造されている(例えば、延伸倍率、製造速度、及び後処理が、スケールアップ品質を反映していないため)。したがって、充分な延伸及び充分な後処理で製造されていない前記繊維は、(半)商業的製造スケールで製造された繊維と比較して、異なる構造及び特性を示すことが考えられ得る。加えて、前記論文には、リヨセル繊維の断面全体にわたるヘミセルロースの分布に関する情報が提供されていない。
S. Singh et al.は、Cellulose (2017) 24:3119-3130に、セルロース系繊維の形態及びヘミセルロースを用いたそれらの改変の研究について開示している。米国特許出願公開第2002/0060382(A1)号には、リヨセル繊維の製造プロセスが開示されている。米国特許出願公開第2002/0060382(A1)号に開示される繊維の結晶化度は、約70%の範囲であり、出発紡糸組成物は、約32重量%のセルロース含有量を有する。
これに関して、ビスコース繊維の場合、ヘミセルロース含有量の増加は、繊維表面でのヘミセルロース含有量の増加を引き起こし、繊維のコアに向かってヘミセルロース含有量が急激に減少する状態となることが知られている。ヘミセルロース含有量の類似の分布は、高純度セルロース原材料から製造された標準リヨセル繊維でも知られている。
Wendler et al(Fibers and textiles in Eastern Europe 2010, 18, 2 (79), 21-30)及びWendler et al(Cellulose 2011, 18, 1165-1178)には、異なる多糖類(キシラン、マンナン、キシラン誘導体など)のリヨセルドープ(NMMO、イオン性液体、NaOH)への添加、その後の繊維の分析について記載されている。開示されているのは、繊維の保水値であり、NMMOベースのドープへのキシランの添加で、僅かなWRVの増加しか示されていない。ドープへの多糖類の添加による製造、又はヘミセルロースに富むパルプの直接溶解による製造で、繊維の挙動が異なるのではないかと推測される。両方の刊行物からの繊維は、自作の実験用設備で製造されており、(半)商業的スケールでの製造条件を反映していない。
Schild et al(Cellulose 2014, 21, 3031-3039)は、キシランに富むビスコース繊維について報告しており、ここでは、キシランは、ビスコース製造プロセスの後の方の工程で添加されている。この著者らは、繊維の断面全体にわたるキシランの分布を調べ、繊維の外側層中にキシランが豊富であることを見出している。吸水量の増加も観察された。Singh et al(Cellulose 2017, 24, 3119-3130)も、ビスコースプロセスにヘミセルロースを添加することについて報告している。彼らは、この添加によって、繊維特性は影響を受けずに維持されると主張している。参照繊維としてリヨセル繊維が言及されているが、キシランの添加については記載されていない。
ビスコース繊維は、広く様々な用途に用いられるが、ビスコース製造のための特定の要件、さらにはその製造プロセスに起因する独特のしかし所望されない硫黄臭などのビスコース繊維のいくつかの特性は、より広範な用途のためには有害である。
セルロース原材料をベースとする繊維に対する需要の高まり、及びビスコースプロセスの上記で識別された欠点を考慮し、本発明の目的は、ビスコース様の特性を有する非ビスコースセルロースベースの繊維を提供することである。本発明の意味におけるビスコース様の特性とは、特に、高い保水値(WRV)である。
本発明者らは、したがって、以下の実施形態1)に記載の繊維、以下の実施形態11)に記載のそれを製造するための方法、さらには以下の実施形態13)に記載のそれを含有する製品を提供する。好ましい実施形態は、各従属請求項、さらには本明細書中に記載される。
特に、本発明は、さらなる説明が以下に提供される実施形態であるとして理解されるべきである以下の実施形態を提供する。
1)70%以上の保水値(WRV)及び40%以下の結晶化度を有するリヨセル繊維。
2)6.7dtex以下、好ましくは2.2dtex以下、さらにより好ましくは1.3dtex以下のタイター(titer)を有する、実施形態1に記載のリヨセル繊維。
3)ヘミセルロースの含有量が7重量%以上25重量%以下であるパルプから製造された、実施形態1及び/又は実施形態2に記載のリヨセル繊維。
4)前記ヘミセルロースが、125:1~1:3(25:1~1:2など)のキシラン対マンナンヘミセルロース比を有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載のリヨセル繊維。
5)前記繊維の製造に用いられるパルプが、300~440ml/gのscan粘度を有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載のリヨセル繊維。
6)多孔性コア層、及び5nmよりも大きい表面層細孔サイズを有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載のリヨセル繊維。
7)35%以下の結晶化度を有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載のリヨセル繊維。
8)キシラン含有量が、6重量%以上、好ましくは8重量%以上、より好ましくは12重量%以上である、先行する実施形態のいずれか1つに記載のリヨセル繊維。
9)マンナン含有量が、1重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である、先行する実施形態のいずれか1つに記載のリヨセル繊維。
10)マンナン含有量が、3重量%以上、好ましくは5重量%以上である、実施形態1~実施形態9のいずれか1つに記載のリヨセル繊維。
11)以下の工程:
a)ヘミセルロースの含有量が7重量%以上であるセルロースを10~20重量%含有する紡糸溶液を製造すること、
b)押出しノズルを通して前記紡糸溶液を押し出して、フィラメントを得ること、
c)三級アミンオキシド濃度が20%以下である凝固液を含有する紡糸浴を介して前記フィラメントの初期凝固を行うこと、
d)前記フィラメントを洗浄すること、及び
e)後処理(例えば、洗浄、切断、乾燥)を行って、湿潤若しくは乾燥フィラメント、又はステープル/短切断繊維、又は他のセルロース系実施形態を得ること、
を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載のリヨセル繊維の製造方法。
12)前記ヘミセルロースが、125:1~1:3(25:1~1:2など)のキシラン対マンナンヘミセルロース比を有する、実施形態11に記載の方法。
13)実施形態1~実施形態9のいずれか1つに記載のリヨセル繊維を含む製品、又は実施形態10~実施形態12のいずれか1つに従って製造された繊維。
14)不織布及びテキスタイルの中から選択される、実施形態13に記載の製品。
15)ティッシュ及びワイプの中から選択される、実施形態13及び/又は実施形態14に記載の製品。
図1は、標準繊維及び化学的フィブリル化を施した標準繊維と比較した本発明に従う繊維のフィブリル化動態を示す。 図2は、標準リヨセル繊維と比較した場合の、本発明に従う繊維の蛍光染色後での比較を示す。本発明に従う繊維は、繊維の断面全体にわたって染色された領域が均一に分布していることを示しており、一方標準リヨセル繊維は、繊維の外側シース部分の表面染色しか呈していない。 図3は、酵素剥離評価の結果を示す。 図4は、酵素剥離評価の結果を示す。 図5は、土壌中での分解試験の結果を示す。 図6は、土壌中での分解試験の結果を示す。 図7は、土壌中での分解試験の結果を示す。
以下の実施形態1)に記載されるように、本発明に従う繊維は、繊維をビスコース代替品として適するものとするWRVを有するリヨセル繊維である。
実施形態において、本発明の繊維は、標準リヨセル繊維と比較して、新規な断面構造を示す。標準リヨセル繊維から知られる三層構造は維持されるが、少なくとも内側コア層は、標準リヨセル繊維と比較して高められた多孔性を示す。実施形態ではまた、表面層は、より薄い場合があり、及び/又は細孔サイズは、標準リヨセル繊維の場合は典型的には2~5nmの範囲内であるが、それよりも大きい場合がある。
上記で述べた実施形態、さらには以下で述べる実施形態、と組み合わせて考えられてもよいさらなる実施形態では、本発明に従う繊維は、フィブリル化傾向が高められたリヨセル繊維であり、いかなる化学的前処理もなしで製造される。化学的前処理工程は、一方では、繊維特性(作業能力(working capacity))を弱め、他方では、繊維製造にコストを追加するものである。加えて、本発明に従う繊維は、標準リヨセル繊維と追加の化学的前処理を用いて得られた易フィブリル化繊維との間のバランスの良いフィブリル化動態を示す。したがって、実施形態では、本発明に従うリヨセル繊維は、化学的前処理の必要性を回避すると同時に、易フィブリル化を実現する。
標準リヨセル繊維は、現在、αセルロース含有量が高く、ヘミセルロースなどの非セルロース含有量が低い高品質の木材パルプから商業的に製造されている。Lenzing AG製のTENCEL(商標)繊維などの市販のリヨセル繊維は、不織布及びテキスタイル用途において優れた繊維特性を示す。
上記で参照した特許で言及されるように、高いフィブリル化傾向が必要とされる場合、これらのリヨセル繊維は、無機酸又は漂白剤などの剤を用いて化学的に前処理される。この化学的処理によって、繊維特性は劇的に弱められ、作業能力は低下する。
リヨセルプロセスは、本技術分野において公知であり、セルロース木材パルプ又は他のセルロース系供給原料の極性溶媒(例えば、N-メチルモルホリンN-オキシド[NMMO、NMO]又はイオン性液体)中への直接溶解プロセスに関する。商業的には、この技術は、テキスタイル及び不織布産業において広く用いられているセルロースステープル繊維の群(Lenzing AG,Lenzing,AustriaからTENCEL(登録商標)又はTENCEL(商標)の商品名で市販)を製造するために用いられる。他のセルロース体も、リヨセル技術から製造されてきた。
本発明に従う繊維は、半商業的パイロットプラント(約1kt/a)上で、完全な商業的方法と同様の繊維の後処理で製造した。この製造単位から商業的単位(>30kt/a)までそのままスケールアップすることは、信頼性高く実行可能である。
この方法によると、セルロースの溶液が、成形ツールによって、いわゆる乾湿式紡糸プロセスで押し出され、成形された溶液は、例えば、エアギャップを通って析出浴へ誘導され、そこで、セルロースの析出によって成形体が得られる。成形体は、洗浄され、所望に応じて、さらなる処理工程の後に乾燥される。
そのようなリヨセル繊維は、本技術分野において公知であり、それを製造し、分析するための一般的な方法は、例えば、米国特許第4,246,221号、及びBISFA(国際化学繊維規格協会(The International Bureau for the Standardization of Man-Made Fibers))による刊行物“Terminology of Man-Made Fibres”, 2009 edition、に開示されている。いずれの参考文献も、その全内容が参照により本明細書に含まれる。
リヨセル繊維という用語は、本明細書で用いられる場合、このプロセスによって得られる繊維を定めるものであり、なぜなら、本発明に従う繊維が、出発物質を製造するためにセルロース木材パルプ又は他のセルロース系供給原料の極性溶媒(例えば、N-メチルモルホリンN-オキシド[NMMO、NMO]又はイオン性液体)中への直接溶解プロセスを用いた場合であっても、例えばメルトブローンプロセスから得られる繊維とは大きく異なることが見出されたからである。同時に、本発明に従う繊維は、ビスコース繊維などの他の種類のセルロース系繊維とも異なっている。
ヘミセルロースという用語は、本明細書で用いられる場合、木材及び一年生植物などの他のセルロース系原材料中に、すなわち、セルロースが典型的には得られる原材料中に存在する当業者に公知の材料を意味する。ヘミセルロースは、ペントース及び/又はヘキソース(C5及び/又はC6糖単位)によって構成された分岐鎖状短鎖多糖類の形態で木材及び他の植物中に存在する。主たる構成単位は、マンノース、キシロース、グルコース、ラムノース、及びガラクトースである。前記多糖類の主鎖は、1種類の単位のみから成っていても(例えば、キシラン)、又は2種類以上の単位(例:マンナン)から成っていてもよい。側鎖は、アラビノース基、アセチル基、ガラクトース基、及びO-アセチル基、さらには4-O-メチルグルクロン酸基から成る。厳密なヘミセルロース構造は、木材の種によって大きく異なる。側鎖が存在することにより、ヘミセルロースは、セルロースと比較して非常に低い結晶化度を示す。セルロースには主としてマンナンが、リグニンにはキシランが伴っていることは公知である。まとめると、ヘミセルロースは、セルロース-リグニン凝集体の親水性、アクセス性、及び分解挙動に影響を与える。木材及びパルプの処理の過程で、側鎖は開裂され、重合度は低下する。当業者には公知であるように、本明細書で用いられる場合、ヘミセルロースという用語は、その天然状態のヘミセルロース、通常の処理によって分解されたヘミセルロース、及び特別なプロセス工程(例:誘導体化)によって化学的に修飾されたヘミセルロース、さらには重合度(DP)が500以下である短鎖セルロース及び他の短鎖多糖類を含む。
本発明は、本明細書で述べるリヨセル繊維を提供することによって、現行技術の欠点を克服するものである。
好ましくは、これらは、ヘミセルロース含有量が7重量%以上であるヘミセルロースに富むパルプから製造される。上記で述べたように、本発明の繊維のヘミセルロース含有量は、したがって、一般的には、標準リヨセル繊維と比較して高い。適切な含有量は、以下でさらに説明するように、7重量%以上から30重量%以下、又はそれ以上である。上記で考察した先行技術の開示内容とは対照的に、そのような高ヘミセルロース含有量は、驚くべきことに、リヨセル繊維に対して、繊維をビスコース代替品として適するものとする特性の組み合わせをもたらす。実施形態では、高められたフィブリル化傾向などの特性も、さらには改善された分解挙動も提供される。したがって、本発明は、驚くべきことに、標準リヨセル繊維の場合と比較して、より高いヘミセルロース含有量のセルロース系原材料を用いながら、上記で概説した課題を達成する。
本発明で好ましく用いられるパルプは、本明細書で概説するように、ヘミセルロースの高い含有量を示す。標準リヨセル繊維の製造に用いられる標準的な低ヘミセルロース含有量パルプと比較して、本発明に従って用いられる好ましいパルプは、以下で概説する他の相違点も示す。
標準パルプと比較して、本明細書で用いられるパルプは、高い割合のより大きい粒子の存在下でのミリング後(リヨセルプロセスにおける紡糸溶液の形成のための出発物質の製造の過程で)に得られる、より綿毛状の外観を呈する。その結果、低ヘミセルロース含有量を有する標準パルプと比較して、かさ密度が非常により低い。この低いかさ密度により、投入量パラメータ(dosage parameters)を調節する必要がある(例えば、少なくとも2つの保存装置からの投入量)。加えて、本発明に従って用いられるパルプは、NMMOでの含浸がより困難である。これは、Cobb評価法に従う含浸挙動の評価によって分かる。標準パルプは、典型的には2.8g/g超のCobb値を示すが(75℃で78% NMMOの水溶液を用い、含浸時間を2分間として調節したDIN EN ISO535に従って特定)、本発明で用いられるパルプは、約2.3g/gのCobb値を示す。このことは、溶解時間(例えば、国際公開第9428214号及び国際公開第9633934号で説明される)及び/若しくは温度の増加、並びに/又は溶解時のせん断の増加(例えば、国際公開第9633221号、国際公開第9805702号、及び国際公開第9428217号)など、紡糸溶液製造時の調節を必要とする。このことにより、標準リヨセル紡糸プロセスでの紡糸溶液の製造に本明細書で述べるパルプの使用が確実に可能となる。
本発明の1つの好ましい実施形態では、本明細書で述べるリヨセル製品、好ましくは繊維の製造に用いられるパルプは、300~440ml/g、特には320~420ml/g、より好ましくは320~400ml/gの範囲内のscan粘度を有する。scan粘度は、SCAN-CM15:99に従い、カプリエチレンジアミン溶液中、当業者に公知であり、psl-rheotekから入手可能である装置Auto PulpIVA PSLRheotekなどの市販の装置で実施することができる方法で特定される。scan粘度は、紡糸溶液を製造するためのパルプの処理に特に影響を与える重要なパラメータである。2種類のパルプがリヨセルプロセスのための原材料として非常に類似していると思われる場合であっても、scan粘度の相違は、処理中の挙動が完全に異なることに繋がる。リヨセルプロセスのような直接溶媒紡糸プロセスでは、パルプは、NMMOにそのまま溶解される。ビスコースプロセスと同等の、セルロースの重合度がプロセスの必要性に合わせて調節される熟成工程は、存在しない。したがって、原材料パルプの粘度に対する仕様は、典型的には、狭い範囲内である。そうでなければ、製造時に問題が発生し得る。本発明によると、パルプ粘度が上記で定める通りである場合に、有利であることが見出された。より低い粘度は、リヨセル製品の機械的特性を損なう。より高い粘度は、特に、紡糸ドープの粘度の増加に繋がる場合があり、したがって、紡糸が遅くなることになる。より遅い紡糸速度では、より低い延伸倍率が達成され、このことは、繊維の構造及びその特性を大きく変化させる(Carbohydrate Polymers 2018, 181, 893-901; Structural analysis of loncell-F fibres from birch wood, Shirin Asaadia; Michael Hummel; Patrik Ahvenainen; Marta Gubitosic; Ulf Olsson, Herbert Sixta)。このことは、プロセスの調節を必要とし、ミル能力の低下に繋がる。本明細書で定める粘度を有するパルプを用いることで、高品質の製品を円滑に処理し製造することが可能となる。
本発明に従う繊維の製造を可能とするパルプは、好ましくは、125:1~1:3、好ましくは25:1~1:2の範囲内のC5/キシラン対C6/マンナン比を示す。
ヘミセルロース含有量は、上記で開示した比とは独立して、又は組み合わせて、7重量%以上、好ましくは10重量%以上、又は13若しくは14重量%以上、及び実施形態では、25重量%以下若しくはさらには30重量%以下であってよい。実施形態では、キシラン含有量は、8重量%以上などの5重量%以上であり、実施形態では、10重量%以上である。実施形態では、上記で述べたヘミセルロース及び/又はキシラン含有量とは独立して、又は組み合わせて、マンナン含有量は、5重量%以上などの3重量%以上である。他の実施形態では、マンナン含有量は、好ましくは上記で定める高キシラン含有量と組み合わせて、0.2重量%以下又は0.1重量%以下などの1重量%以下であってよい。
異なるパルプの混合物であってもよい(本質的な要件が満たされている限り)パルプ中のヘミセルロースの含有量は、5~25、好ましくは10~15重量%などの7重量%~50重量%であってよい。ヘミセルロース含有量は、本技術分野において公知手順に従って調節されてよい。ヘミセルロースは、パルプが得られる木材に由来するヘミセルロースであってよいが、所望される繊維特性に応じて、他の由来源からの個別のヘミセルロースを、元のヘミセルロース含有量が低い高純度セルロースに添加することも可能である。個別のヘミセルロースの添加は、含有ヘミセルロースの組成を調節するために、例えばヘキソース対ペントース比を調節するために、用いられてもよい。好ましい実施形態では、本明細書で述べる前述の実施形態のうちの少なくとも1つと独立して、又はいずれかの組み合わせで、パルプ中のセルロース含有量は、85重量%~70重量%など、95重量%~50重量%、好ましくは93重量%~60重量%の範囲内である。
実施形態では、本発明に従う繊維の製造に用いられるパルプは、85~70重量%のセルロース含有量、5重量%以上のキシラン含有量、及び3、好ましくは5重量%以上のマンナン含有量を有してよい。別の実施形態は、85~70重量%のセルロース含有量、8重量%以上のキシラン含有量、及び1重量%以下、好ましくは0.2又は0.1重量%以下のマンナン含有量を有するパルプである。
本発明に従う繊維の製造に用いられるパルプ中に含有されるヘミセルロースは、特にペントース及びヘキソースの含有量に関して、様々な組成を有してよい。実施形態では、本発明で用いられるヘミセルロースに富むパルプ中のペントースの含有量は、ヘキソース含有量よりも高い。好ましくは、本発明に従う繊維は、75:1~1:2などの125:1~1:3、好ましくは25:1~1:2の範囲内、実施形態では10:1~1:1のC5/キシラン対C6/マンナン比を示す。キシラン及び/又はマンナン含有量に関して、パルプに関連して述べた上記で提供される実施形態は、繊維自体にも適用される。
既に概説したように、上記で述べた課題及び目的は、上記で述べた特性を有するリヨセル繊維によって、本発明に従って解決される。本発明に従う繊維は、実施形態において、特定の構造に起因して、改善された特性を示すものであり、それには、増加された酵素剥離性、改善された生物学的崩壊性、さらには改善されたフィブリル化特性、及び上記で述べたWRVが含まれ得る。本明細書で述べるすべての実施形態と組み合わせて考慮されてよい他の実施形態では、WRVは、結晶化度によって、さらには繊維の構造、特に多孔性コア層に影響され得る。
標準リヨセル繊維は、現在、αセルロース含有量が高く、ヘミセルロースなどの非セルロース含有量が低い高品質の木材パルプから商業的に製造されている。Lenzing AG製のTENCEL(商標)繊維などの市販のリヨセル繊維は、不織布及びテキスタイル用途において優れた繊維特性を示す。
本発明は、驚くべきことに、ヘミセルロース含有量が7重量%以上であるヘミセルロースに富むパルプを用いることによって、本明細書で述べる独特の特性及び構造を有する繊維を提供することができる。上記で考察した先行技術の開示内容とは対照的に、そのような高ヘミセルロース含有量は、驚くべきことに、本発明のリヨセル繊維に対して、リヨセル繊維構造のコア層の高められた多孔性をもたらすが、繊維の機械的特性に対して僅かな影響しか与えない。また、WRV、さらにはフィブリル化傾向も高められる。したがって、本発明は、驚くべきことに、標準リヨセル繊維の場合と比較して、より高いヘミセルロース含有量のセルロース系原材料を用いながら、上記で概説した課題を達成する。
既に上記で概説したように、Zhang et al(Polym. Engin. Sci. 2007, 47, 702-706)は、ヘミセルロース含有量が高い繊維について報告している。同様に、ヘミセルロース含有量が高いメルトブローン繊維も、上記で考察した先行技術から公知である。しかし、先行技術で報告された結果とは対照的に、本発明は、上記で概説したように、完全に異なる特性を有する繊維を提供する。これらの対照的な知見に対する1つの可能な説明は、本発明に従う繊維が、リヨセル紡糸プロセスを用いた大スケール製造設備を用いて製造された繊維である一方で、先行技術に記載の繊維は、商業的品質でのリヨセル繊維の製造ができない実験用設備(例えば、延伸倍率、製造速度、及び後処理が、スケールアップ品質を反映していないため)で製造されている、又はメルトブローン技術を用いて製造されていることであり得る。したがって、充分な延伸で製造されず、後処理も不充分である繊維は、市場用途を反映したタイターでの製造スケールで製造された繊維と比較して、異なる構造及び特性を示す。
本発明に従う繊維は、典型的には、所望される用途に応じて、2.2dtex以下など、1.7dtex又はさらにそれ以下など、1.3dtex又はさらにそれ以下など、6.7dtex以下のタイターを有する。繊維が、不織布用途に用いられることが意図される場合、1.5~1.8dtexのタイターが典型的には適しており、一方テキスタイル用途の場合、0.9~1.7dtexなど、より低いタイターが適している。驚くべきことに、本発明は、不織布用途からテキスタイル用途まで、全用途範囲にわたる所望されるタイターを有する繊維の形成を可能とするものである。しかし、本発明はまた、非常により低いタイターを有するファイバーも包含し、適切なタイターの下限は、0.8dtex以上などの0.5dtex以上であり、実施形態では、1.3dtex以上である。本明細書で開示されるこれらの上限値及び下限値は、0.5~9dtexの範囲を定め、前記上限値のいずれか1つと前記下限値のいずれか1つとの組み合わせによって形成されるすべてのさらなる範囲を含む。
本発明に従う繊維は、当業者に公知である、セルロースの溶液を用いるリヨセル技術及び標準リヨセルプロセスに従う析出浴を用いる紡糸プロセスを用いて製造することができる。上記で概説したように、本発明は、大スケールの処理方法で製造される繊維を提供し、なぜなら、このことが、本発明に付随する特性及び構造を向上させるからである。
本発明に従う繊維は、好ましくは、低下された結晶化度、好ましくは40%以下の結晶化度を示す。本発明に従う繊維は、好ましくは、70%以上の、より好ましくは75%以下のWRVを示す。本発明の繊維のWRVの例示的な範囲は、特に、本明細書で述べる結晶化度の値と組み合わせて、75%~85%などの72%~90%である。本発明に従う繊維は、硫黄臭をまったく呈さないことから、ビスコース繊維の臭気に関する欠点は克服されており、一方WRV及び作業能力などの特性により、本発明の繊維をビスコース代替繊維として用いることができる。
本発明に従う繊維は、請求される繊維に対して好ましい状況に応じて、上記で概説した特徴と独立して、又はいずれかの組み合わせで、40%以下、好ましくは39%以下の結晶化度を有する。特に、不織布用途に用いられることになる繊維は、好ましくは、38~33%などの39~30%を例とする低い結晶化度を示す。しかし、本発明は、これらの例示的な結晶化度の値に限定されない。上記で説明したように、標準リヨセル繊維と比較して、本発明に従う繊維は、40%以下の低下された結晶化度を示す。
本発明に従う繊維は、実施形態において、繊維の断面全体にわたるヘミセルロースの新規なタイプの分布を示す。標準リヨセル繊維の場合、ヘミセルロースは、繊維の表面領域に集中しているが、本発明に従う繊維は、繊維の断面全体にわたるヘミセルロースの均一な分布を示す。ヘミセルロースが、例えば化学的反応性の適合によって他の添加剤に対する結合特性を高めることから、そのような分布は、繊維の機能性を向上させる。加えて、ヘミセルロースの均一分布は、表面層により大きい細孔を含み、多孔性コア層を含む本発明に従う繊維の新規な構造を安定化させることにも寄与し得る。この新規な構造は、染料などの他の分子の取り込みさらには保持を向上させ、また、より速い分解、特に生物(酵素)分解/崩壊にも寄与する。
本発明に従う繊維は、不織布、さらにはテキスタイルの製造など、様々な用途に用いることができる。本発明に従う繊維は、所望される製品の唯一の繊維として用いられてよく、又はそれらは、他の種類の繊維と混合されてもよい。混合の比率は、所望される最終用途に依存し得る。例えば、フィブリル化及び保水値が向上された不織布又はテキスタイル製品が所望される場合、所望される特性を確保するために、本発明に従う繊維は、先行技術に従う他の繊維よりも高い量で存在してよく、一方他の用途では、より低い相対量の本発明の繊維で充分であり得る。改善された分解挙動の場合を例とする他の用途では、本発明の繊維の含有量は、例えば標準リヨセル繊維との混合物中において、高くてよい。
本出願が、結晶化度、scan粘度などのパラメータに言及する場合は常に、それらは、本明細書の一般的部分で本明細書において概説されるように、及び/又は以下の例で概説されるように特定されるものと理解されたい。これに関して、繊維に関連して本明細書で定められるパラメータの値及び範囲は、パルプから誘導され、ドープに典型的に添加される加工助剤などの添加剤、さらにはマット剤(TiO、0.75重量%の量で添加される場合が多い)などの他の添加剤だけを1重量%以下(繊維重量に基づいて)の合計量で含有する繊維で特定される特性を意味することは理解されたい。本明細書で報告する独特で特定の特性は、繊維自体の特性であり、特定の添加剤の添加及び/又は紡糸後処理(フィブリル化向上処理など)によって得られる特性ではない。
しかし、標準的な当業者にとって、本明細書で開示され、請求される繊維が、無機充填材などの添加剤を、これらの添加剤の存在がドープの製造及び紡糸操作に有害な影響を及ぼさない限りにおいて、通常の量で含み得ることは明らかである。そのような添加剤の種類、さらにはそれぞれの添加量は、当業者に公知である。
例1:リヨセル繊維の製造及び分析
ヘミセルロース含有量が異なる3種類の異なるパルプを用いて、3つの異なる繊維を製造した(表4)。リヨセル繊維は、国際公開第93/19230号に従って製造し、パルプをNMMOに溶解し、エアギャップを通してそれらを析出浴中に紡糸して、マット剤(0.75% TiO)あり及びなしで、1.3dtex~2.2dtexのタイターを有する繊維を得た。
Figure 0007111289000001

製造したリヨセル繊維の繊維特性を分析した。結果を表2にまとめて示す。繊維1は、ヘミセルロースに富むパルプ1から製造され、繊維2は、ヘミセルロースに富むパルプ2から製造されている。標準リヨセル(CLY)繊維は、標準リヨセル参照パルプから製造されている。艶ありは、マット剤なしのテキスタイル繊維を示し、一方艶なしの繊維は、上記で識別したマット剤を含有する。
Figure 0007111289000002

提示した結果は、本発明に従う繊維を、商業的に意義のある繊維タイターの範囲にわたって製造することができ、一方、これらの繊維をビスコース代替繊維として適するものとするのに充分な機械的特性、特に作業能力は維持されることを示している。
例2:結晶化度測定
例1の繊維の結晶化度を、1064nm及び500mWのNd-YagレーザーによるBruker MultiRAM FT-Raman分光計により、FT/IRを用いて測定する。繊維をプレスして、平滑表面のペレットとする。4cm-1のスペクトル分解能でそれぞれ100スキャンによる4回測定。測定値の評価は、ケモメトリック法を用いて行った(WAXSデータを用いて校正)。
本発明の繊維(繊維1及び2)の結晶化度は、標準CLY繊維と比較して、それぞれ16及び15%低下していることが分かる。
Figure 0007111289000003
例3:WRVの特定(DIN53814(1974)に従う)
保水値を特定するために、一定量の乾燥繊維を特別の遠心用チューブ(水の排出口付き)に導入する。繊維を、脱イオン水で5分間膨潤させる。次に、それを3000rpmで15分間の遠心分離に掛け、その後湿潤セルロースを直ちに秤量する。湿潤セルロースを、105℃で4時間乾燥し、その後乾燥重量を特定する。WRVを、以下の式を用いて算出する。
WRV[%]=(mf-mt)/mt*100 (mf=湿潤質量、mt=乾燥質量)
保水値(WRV)は、水分を浸透させたサンプルの、遠心分離後の水の保持量を示す測定値である。保水値は、サンプルの乾燥重量に対するパーセントとして表される。
表4には、参照繊維と比較した本発明の繊維(繊維1及び2)の保水値が示され、標準CLY繊維と比較して、それぞれ19%及び26%のWRVの増加を観察することができる。
Figure 0007111289000004

これらの結果は、本発明に従う繊維が、これらの繊維をビスコース代替繊維として適するものとするWRVを呈することを示している。
例4:フィブリル化傾向
表5では、異なる種類の繊維のCSF(TAPPI Standard T227 om-94に従って分析)値を比較している。8分間の混合後のCSF値を示す。
CSF値は、本発明の繊維のフィブリル化傾向が大きく増加していることを示している。
Figure 0007111289000005

結果は、標準リヨセル繊維と比較して、本発明の繊維のフィブリル化傾向が高いことを示している。
例5:フィブリル化動態の比較
3種類の異なる繊維を比較した。
標準1.7dtex/4mmリヨセル繊維は、Lenzing AGからTENCEL(商標)繊維として市販されている(「リヨセル標準」)。
化学的前処理に掛けたリヨセル繊維(「リヨセル化学的フィブリル化」)は、オーストリア特許第515693号に記載のように製造した。単一タイターが1.7dtexの繊維トウを、室温で液比1:10により希硫酸で含浸し、その後約200%の水分量までプレスした。繊維トウをスチーマー中で約10分間後処理することにより、圧力下で水蒸気を適用することができる。繊維束を、無酸洗浄し、ソフト仕上げ剤を適用し、繊維を乾燥する。乾燥した繊維トウを、4mmの短切断繊維に切断した結果、1.7dtex/4mmの「リヨセル化学的フィブリル化」繊維となる。
本発明のリヨセル繊維は、ヘミセルロース含有量>10%(キシラン、マンナン、アラビナンなど)の例1からのヘミセルロースに富むパルプ1から製造し、紡糸後処理の後に1.7dtex/4mm繊維を得た。
前記3種類の異なる繊維を、出発濃度6g/l、1400rpm、及び172l/分の流量で、Andritz実験用プラント12-1Cプレートリファイナ(NFB、S01-218238)でリファイニングした。ギャップは1mmに固定した。
リファイニングの結果を図1に示す。本発明のリヨセル繊維は、リヨセルフィブリル化増加繊維及びリヨセル化学的フィブリル化繊維として表され、リヨセル標準繊維と比較して非常に高い速度でフィブリル化していることが分かり、このことは、時間及びエネルギーに関する労力が低減されることを意味する。しかし、リヨセルフィブリル化増加繊維の方が、よりゆっくりしたフィブリル化の増加を示した。
例6:蛍光染色の比較
例1の繊維1艶あり(1.3dtex/38mm)、CLY標準艶あり(1.3dtex/38mm)、さらには標準ビスコース標準艶あり繊維(1.3dtex/38mm)の繊維を、Abu-Rous(J. Appl. Polym. Sci., 2007, 106, 2083-2091)の方法に従うUvitex BHTによる染色に掛けた。得られた繊維を、染料溶液中に異なる間隔で5分間から24時間浸漬した後に評価した。染料分子のサイズが大きいことに起因して、浸透は、より大きい細孔体積の領域に限定される。
染料浸透の度合いから、繊維断面の多孔性構造についての結論を導くことができる。色の強度から、細孔及び空隙の数、それらのサイズ、並びに染料分子の繊維細孔の内面に対する化学結合についての指標が得られる。化学結合は、主として、ヘミセルロース及び非結晶性領域に帰する。驚くべきことに、本発明に従う繊維は、図2に示されるように、繊維の断面全体の速く完全な染色を示した。繊維は、より容易に浸透されており、このことは、新規な繊維中の細孔のサイズ及び数が大きいこと、例2に示されるように結晶化度がより低いこと、並びに例7に示されるように繊維断面全体にわたるより高いヘミセルロース含有量に起因して、アクセス性が増加したことを示している。ビスコース繊維は、染料の取り込みを3時間まで示したが、その後は、染料のさらなる取り込みは見られなかった。
同時に、染料の取り込みは、ビスコース繊維の外側領域に限定されていた。標準リヨセル繊維は、類似の挙動を示したが、染色は、ビスコース繊維と比較して、多少速く、強度も高かった。しかし、染色は、繊維のシェル及び中間層に限定されており、標準リヨセル繊維の緻密で目の詰まったコア層は染色されなかった。結果を、表6及び図2にもまとめて示す。
Figure 0007111289000006
例7:酵素剥離
本発明に従うリヨセル繊維を、Sjoeberg et al(Biomacromolecules 2005, 6, 3146-3151)に従う酵素剥離試験に掛けた。Schild et al(Cellulose 2014, 21, 3031-3039)による論文から、7.5%の高められたキシラン含有量のビスコース繊維を比較のために選択した。試験により、繊維の断面全体にわたるヘミセルロースの、特にキシランの分布に関するデータ(HPLCでの特定による)を、層の異なる密度及び構造に関する情報を含めて得ることができる(より緻密な層、さらには細孔サイズのより小さい層は、より遅い反応を示すことから)。
標準リヨセル繊維(1.3dtex/38mm艶あり)、さらにはキシランに富むビスコース繊維(1.3dtex/40mm艶あり)は、遅い剥離速度を示した(図4)。この効果は、コアがより稠密であることに起因して、より長い剥離時間の場合にさらにより顕著である。同時に、特定されたキシランの遊離は、繊維の表面においてヘミセルロース含有量が高く、コアに向かって濃度が急激に低下している繊維に対応する(図3)。それとは対照的に、本発明に従う繊維は、断面全体にわたってヘミセルロース含有量が均一に分布している繊維構造に対応する剥離挙動を示している。
加えて、前記剥離は、非常により速い。この現象は、キシランに富むビスコース繊維では実現することができないことから、これはさらにより驚くべきことであり、完全に新規である。剥離速度がより速いことに起因して、新規な繊維は、より多孔性であるコア、及び細孔のサイズと数とが増加された表面層、及び繊維断面全体にわたるキシランの均質な分布を有すると結論付けることができる。
例8:土壌中での崩壊
3種類の異なる繊維、1.7dtex/38mm 繊維1 艶なし、1.7dtex/38mm CLY標準 艶なし、及び1.7dtex/40mm ビスコース標準 艶なし、を用いて、異なる崩壊挙動を試験した。
続いて繊維を、スパンレース技術を用いて50gsmのワイプに変換した。
崩壊は、8週間の工業的堆肥化条件を模した堆肥化によって、定性的に評価した(試験は、通常12週間継続するが、8週間後に材料が完全に消滅した後、試験を停止した)。
試験材料を、スライドフレームに入れ、バイオ廃棄物と混合し、200リットルの堆肥化容器中で堆肥化した。
試験は、堆肥化時の最高温度(工業的組成要件)が60℃よりも高く75℃よりも低い場合に有効であると見なされる。さらに、毎日の温度は、1週間の間は60℃よりも高く、少なくとも連続する4週間の間は40℃を超えているべきである。
要件は、おおよそ満たされていた。開始後、温度はほとんど直ちに60℃超まで上昇し、5日目の直後に78.0℃の最大値となった以外は、75℃未満で維持された。しかし、温度が限界値を超えると、直ちに対策を行い、より低い温度を確立した。温度は、少なくとも1週間60℃超で維持された。1.1週間の堆肥化後、容器を45℃のインキュベーションルームに置いて、40℃超の温度を確保した。堆肥化プロセス時の高い温度は、主として、容器の内容物の掘り返しに起因しており、その過程で、空気チャネル及び真菌のフロックが破壊され、水分、微生物叢、及び基質が均一に分配された。そのような最適な堆肥化条件が再度確立されたために、活性が高まり、温度が上昇する結果となった。温度は、連続する4週間にわたって40℃超に維持された。
容器中の混合物を、定期的に手動で掘り返し、その間に、試験品の崩壊を目視でモニタリングする。堆肥化プロセスの過程でのサイドフレーム中の試験材料の崩壊の進行を視覚的に表して図5から図7に示す。試験中に行った目視観察の概略を表7に示す。
図から明らかに分かるように、本発明に従う繊維1は、標準リヨセルと比較して非常に速く崩壊している。4週間後の崩壊は、ビスコース試験サンプルと同等であり、2週間後では、繊維1サンプルで大きい穴を観察することができ、一方ビスコースサンプルは、小さい裂け目及び穴しか示しておらず、リヨセルサンプルは、まだ無傷のままである。
Figure 0007111289000007

Claims (15)

  1. 70%以上の保水値(WRV)及び40%以下の結晶化度を有し、
    ヘミセルロースを含むパルプから製造され、前記ヘミセルロースが、125:1~1:3のキシラン対マンナンヘミセルロース比を有する、リヨセル繊維。
  2. 6.7dtex以下、好ましくは2.2dtex以下、さらにより好ましくは1.3dtex以下のタイターを有する、請求項1に記載のリヨセル繊維。
  3. 前記ヘミセルロースの含有量が7重量%以上25重量%以下であるパルプから製造された、請求項1又は請求項2に記載のリヨセル繊維。
  4. 前記ヘミセルロースが、25:1~1:2のキシラン対マンナンヘミセルロース比を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のリヨセル繊維。
  5. 多孔性コア層、及び5nmよりも大きい表面層細孔サイズを有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のリヨセル繊維。
  6. 前記繊維の製造に用いられるパルプが、300~440ml/gのscan粘度を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のリヨセル繊維。
  7. 35%以下の結晶化度を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のリヨセル繊維。
  8. キシラン含有量が、6重量%以上、好ましくは8重量%以上、より好ましくは12重量%以上である、先行する請求項のいずれか一項に記載のリヨセル繊維。
  9. マンナン含有量が、1重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である、先行する請求項のいずれか一項に記載のリヨセル繊維。
  10. マンナン含有量が、3重量%以上、好ましくは5重量%以上である、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載のリヨセル繊維。
  11. 以下の工程:
    a)ヘミセルロースの含有量が7重量%以上であるセルロースを10~20重量%含有する紡糸溶液を製造すること、
    b)押出しノズルを通して前記紡糸溶液を押し出して、フィラメントを得ること、
    c)三級アミンオキシド濃度が20%以下である凝固液を含有する紡糸浴を介して前記フィラメントの初期凝固を行うこと、
    d)前記フィラメントを洗浄すること、及び
    e)後処理(例えば、洗浄、切断、乾燥)を行って、湿潤若しくは乾燥フィラメント、又はステープル/短切断繊維、又は他のセルロース系実施形態を得ること、
    を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載のリヨセル繊維の製造方法。
  12. 前記ヘミセルロースが、125:1~1:3(25:1~1:2など)のキシラン対マンナンヘミセルロース比を有する、請求項11に記載の方法。
  13. 請求項1~請求項9のいずれか一項に記載のリヨセル繊維、又は請求項10~請求項12のいずれか一項に従って製造された繊維、を含む製品。
  14. 不織布及びテキスタイルの中から選択される、請求項13に記載の製品。
  15. ティッシュ及びワイプの中から選択される、請求項13又は請求項14に記載の製品。

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