JP7111136B2 - 鋼管ねじ継手 - Google Patents

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本発明は、鋼管ねじ継手に関する。
従来、軟弱地盤でのトンネル掘削時には、崩落防止を目的としてAGF工法(All Ground Fasten、長尺鋼管先受け工法)が用いられている。このようなAGF工法では、トンネルの切羽の断面に例えば外径114.3mm、肉厚6mm、全長12.5mの長さとなるように複数本の鋼管が打ち込まれる。例えば、1本当たり約3mの長さの鋼管を通称ドリルジャンボと呼ばれる掘削機上で人力によって締結し、掘削しながら全長12.5mに仕上げていく。
上述したような従来のAGF工法で用いられる杭用鋼管としては、施工し易さの観点から、鋼管端部の接合部にねじ継手が加工されたものが使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、上述したようなトンネル又は斜面の地盤補強や基礎杭等として用いられる土木用鋼管を管軸方向に締結するための鋼管ねじ継手として、例えば図24(a)~(c)に示す以下(1)~(3)のような種類のねじ継手が知られている。
図24(a)に示す(1)第1ねじ継手100Aは、厚肉鋼管に雄ねじ101と雌ねじ102を加工したものをそれぞれ杭本体103に溶接、摩擦圧接、拡散接合等で一体化した形態のものである。図24(b)に示す(2)第2ねじ継手100Bは、杭本体103に雄ねじ101が形成されたピン104に対して両端に雌ねじ102を形成したカップリング105で螺合する形態のものである。図24(c)に示す(3)第3ねじ継手100Cは、杭本体103に雌ねじ102が形成されたボックス106に対して両端に雄ねじ101を形成したニップル107で螺合する形態のものである。
特開平11-107272号公報 特開2015-110994号公報
しかしながら、従来の鋼管ねじ継手では、鋼管のねじ加工の観点で以下のような問題があった。
すなわち従来の鋼管ねじ継手のうち前述した図24(a)に示す(1)第1ねじ継手100Aでは、製造コストの観点から予め加工したねじ部を溶接などで一体化するには継手素管を供給し、溶接にかかる費用が増大するという問題があった。図24(b)に示す(2)第2ねじ継手100Bや図24(c)に示す(3)第3ねじ継手100Cの場合には、カップリング105やニップル107などの接合部品を用いるには継手素管を供給し、杭1箇所の接合に対して2組の雄ねじ、雌ねじを加工する必要があることから、コストが増大することになる。しかも、加工時に拡管、縮管を行ってねじを加工するには管端加工にかかるコストが増えるうえ、専用の加工装置が必要となっていた。
また、AGF工法では先行して掘削した孔に鋼管を引き込むため、杭本体に対して継手部において径方向外側に突となる外凸形状の場合には引き込み時に地盤に対する抵抗となり、径方向内側に突となる内凸形状の場合にはインナーディバイスの挿入等の障害となる。そのため、外内面への凸形状は最小限に抑える必要があり、カップリング等の外側に張り出す継手構造は使用できないという制約があった。
さらに、AGF工法では小口径鋼管を使用し、上述したように外径114.3mm、肉厚6mm、材質STK400の鋼管用いるのが主流となっている。ところが、3m当りの重量は50kgにも及ぶことから、上述したドリルジャンボの掘削機上で鋼管を一人で挿入し、締結するには多大な労力が必要となっている。そのため、同外径のまま鋼管を薄肉化して軽量化を図り、ねじ継手の締結し易く、しかも従来と同等以上の曲げ強度を得るために高強度化することが求められており、その点で改善の余地があった。
しかし、AGF工法の場合、施工中もしくは施工後に鋼管に大きな曲げが作用する。そのため、ねじ継手にも曲げ強度が必要となるが、上述の通り鋼管を薄肉化することで、ねじ継手に曲げが作用した際に、図25(a)に示すような緩みにより継手強度が低下してボックス110がピン111に乗り上げる現象(いわゆるジャンプイン)や、図25(b)に示すようなねじ継手のピン111がボックス110から抜けて継手部が破断する現象(いわゆるジャンプアウト)が生じる可能性が高いという課題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、加工が容易で、加工コストの増大を抑制でき、薄肉、高強度化することで鋼管の軽量化を図ることができ、施工性と嵌合性を向上させることができるうえ、鋼管の曲げ強度を従来品と同等以上に保つことができる鋼管ねじ継手を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る鋼管ねじ継手では、地盤に打ち込む鋼管同士をねじ込むことによって締結するための鋼管ねじ継手であって、一方の前記鋼管の外面に雄ねじが形成されたピンと、他方の前記鋼管の内面に前記ピンの前記雄ねじに螺合可能な雌ねじが形成されたボックスと、を有し、前記ピンと前記ボックスのねじ列は、管軸に対してテーパーが形成され、前記ピン及び前記ボックスに管軸方向の圧縮がかかる方向を左側に向けた断面視で、前記管軸に直角な面に対するフランク角において、前記直角な面に対して時計回りをプラス側、反時計回りをマイナス側とし、前記ボックス及び前記ピンのねじは、前記ピンと前記ボックスの締結時において圧縮荷重を負担する圧縮フランク面と、引張荷重を負担する引張フランク面とのうち、少なくとも前記圧縮フランク面の前記管軸に直角な面に対するフランク角がマイナス側に傾斜する負角で設定され、前記雄ねじと前記雌ねじのそれぞれのフランク面同士の間に管軸方向に可動可能な間隙が形成されていることを特徴としている。
本発明に係る鋼管ねじ継手では、圧縮荷重を受け持つ圧縮フランク面のフランク角が負角となってフック形状となるので、曲げ強度に優れたねじ継手を構成することができ、鋼管の曲げ強度を従来品と同等以上に保つことができる。すなわち、鋼管に曲げが作用したときに、鋼管の引張側でボックスがピンに乗り上げるいわゆるジャンプイン現象が生じることを防止することができる。また、引張荷重を受け持つ引張フランク面が台形形状となるので、ねじ部同士が嵌合し易くなり、嵌合性と施工性を向上できる。
また、本発明では、鋼管の曲げ強度を向上させることができるので、従来と同等の曲げ強度で薄肉化、軽量化を図ることができ、加工が容易で、加工コストが増大することを抑えられる。しかも、鋼管が薄肉で軽量化されているので、鋼管を手で持って締め込む作業を軽減することができ、作業の効率化を図ることができる。
また、この場合には、ピンをボックスに対して傾けて締結する際に、フランク面同士の間に間隙が形成されているので、斜めに挿入された場合であっても、雄ねじと雌ねじとの干渉を少なくしてピンの雄ねじのねじ山を雌ねじのねじ谷に容易に挿入させることができる。そのため、ねじ継手のボックスに対するピンの嵌合の許容度を大きくすることができ、ピンのフランク面とボックスのフランク面とが競り合うことを防ぐことができる。これにより、AGF工法のように締結する鋼管の軸方向を略水平方向からやや上方に向けてねじ継手を嵌合させていく場合であっても、管軸がずれることによるねじのトルク抵抗が上昇したり、再度の軸調心を行う必要がなく、容易に施工を行うことができる。ねじ継手が異常な状態で嵌合することを防止でき、締め込みが開始されるまでの時間を短縮できる。
また、本発明に係る鋼管ねじ継手では、前記フランク面同士の間の前記間隙は、管軸方向の長さで0.3~0.8mmであることを特徴としている。
本発明によれば、フランク面同士の間の間隙を管軸方向の長さで0.3~0.8mmの範囲とすることで、斜めに挿入されたピンの雄ねじのねじ山を雌ねじのねじ谷に挿入させる際に、ボックスに嵌合するピンの嵌合の許容度を示す許容振れ幅が大きくなり、ねじ継手の嵌合のし易さを向上させることができる。
また、本発明に係る鋼管ねじ継手では、前記雄ねじ及び前記雌ねじのそれぞれの雌ねじ頭頂面は、管軸に対して平行に形成され、又は前記ねじ列の前記テーパーの傾斜方向と逆方向に傾斜して形成されていることを特徴としてもよい。
この場合には、ねじ継手のボックスに対するピンの嵌合の許容度をより大きくすることができる。
また、本発明に係る鋼管ねじ継手では、前記引張フランク面のフランク角は、プラス側に傾斜する正角で設定されていることを特徴としてもよい。
この場合には、圧縮フランク面のフランク角が負角で、引張フランク面のフランク角が正角となる構成とすることにより、ねじ形状が逆フック形状となることから、締め込む際にねじ部同士が嵌合し易い。かつピンとボックスのそれぞれのねじ部同士が緩まずに外れ難い構成となり、ピンがボックスから抜け出る現象、いわゆるジャンプインの発生を抑えることができる。
また、本発明に係る鋼管ねじ継手では、前記圧縮フランク面のフランク角の絶対値は、前記引張フランク面のフランク角の絶対値以下であることを特徴としてもよい。
本発明では、ねじを加工する際に1つの刃物で加工することができる。そのため、従来のように圧縮フランク面のフランク角の絶対値が引張フランク面のフランク角の絶対値より大きい場合のように、2種類の刃物を使用する必要がなくなり、ねじの加工性を向上させることができる。
また、本発明に係る鋼管ねじ継手では、前記ボックスにおける前記雌ねじの基端部、及び前記ピンにおける前記雄ねじの基端部には、それぞれ前記ピンの先端部および前記ボックスの先端部を向く環状面を有するショルダー部が形成されていることを特徴としてもよい。
本発明では、鋼管に曲げが作用したときに、ピンとボックスの先端がショルダー部の環状面に当接する。そのため、ボックスがピンに対して乗り上げるジャンプイン現象が生じることを規制するストッパの機能をもたせることができ、曲げ強度をより向上できる。
また、本発明に係る鋼管ねじ継手では、前記鋼管の降伏強度と引張強度の比率である降伏比YRは、(1)式および(2)式の関係を満たすことが好ましい。
Figure 0007111136000001
この場合には、(1)式、(2)式を満たす降伏比YRを有する鋼管を使用することにより、ボックス座屈により破壊し、変形性能としてより優れたねじ継手を実現することができる。
本発明の鋼管ねじ継手によれば、薄肉、高強度化することで鋼管の軽量化を図ることができ、施工性と嵌合性を向上させることができ、鋼管の曲げ強度を従来品と同等以上に保つことができる。
本発明の第1実施形態による鋼管ねじ継手を示す縦断面図であって、鋼管同士を締結した状態の図、(b)は締結前の状態の図である。 図1(a)に示す鋼管ねじ継手の要部拡大図である。 図2に示す鋼管ねじ継手の雄ねじと雌ねじの螺合状態を示す拡大図である。 鋼管ねじ継手の各部を説明するための拡大縦断面図である。 第2実施形態による鋼管ねじ継手の構成を示す要部縦断面図であって、図4に対応する図である。 第1実施例において比較例1~3の鋼管ねじ継手の構成を示す要部縦断面図であって、図4に対応する図である。 第1実施例による解析結果を示す図であって、各ケースにおける最大圧縮荷重を示した図である。 第1実施例による解析結果を示す図であって、圧縮側フランク角と最大圧縮荷重の関係を示す図である。 第1実施例による解析結果を示す図であって、各ケースにおける最大曲げモーメントを示した図である。 第1実施例による解析結果を示す図であって、各ケースにおける変形状態と相当応力分布を示した図である。 第1実施例による解析結果を示す図であって、各ケースにおける曲げモーメントを示した図である。 第1実施例においてねじ破壊形態による曲げモーメントと変位の関係を示す図である。 第1実施例による解析結果による応力分布を示した図であって、(a)は圧縮解析結果を示す図、(b)は引張解析結果を示す図である。 第1実施例による解析における荷重-変位曲線を示す図であって、(a)は圧縮を示す図、(b)は引張を示す図である。 第1実施例において、ねじ継手がボックス座屈で破壊する降伏比YRの範囲を示す図である。 第1実施例において、径厚比と降伏比YRの関係を示す図である。 第2実施例による鋼管を締め込む試験状態を示す側面図である。 図17の鋼管ねじ継手の拡大縦断面図である。 第2実施例による解析結果を示す図であって、フランク面クリアランスと許容振れ幅の関係を示した図である。 (a)~(c)は、第2実施例による試験ケースの構成を示す拡大縦断面図である。 第3実施例による試験結果において各ケースの継手の最大曲げモーメントを示した図である。 第1変形例による鋼管ねじ継手の要部を示す縦断面図である。 第2変形例による鋼管ねじ継手の要部を示す縦断面図である。 (a)~(c)は、従来の鋼管ねじ継手を示す部分断面図である。 従来の鋼管ねじ継手に作用を説明するための部分断面図であって、(a)はジャンプアウトを示す図、(b)はジャンプインを示す図である。
以下、本発明の実施形態による鋼管ねじ継手について、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1(a)、(b)に示すように、本実施形態による鋼管ねじ継手10は、管端に対して直接、ねじを加工したテーパーねじ継手であり、2本の鋼管1A、1B同士をねじ込むことによって管軸O方向に締結するためのものである。
鋼管1A、1Bは、管体表面に凹凸のないストレート管であって、例えば外径114.3mm、肉厚3.5mmの短尺鋼管(例えば、長さ3m程度)に適用している。この鋼管1A、1Bを本実施形態の鋼管ねじ継手10で管軸O方向に連結して得られる土木用鋼管は、例えばAGF工法等でトンネル若しくは斜面等の地盤を補強するための地盤補強用鋼管(例えば、トンネルの鏡ボルト又は長尺フォアパイル等) として用いられる。
また、本実施形態の鋼管ねじ継手10を用いて連結される鋼管1A、1Bは、建造物の基礎杭など、他の用途の鋼管杭として用いられてもよい。鋼管1A、1Bとして、例えば、一般構造用炭素鋼鋼管、建築構造用炭素鋼鋼管などを用いることができる。
鋼管ねじ継手10は、一方の鋼管(第1鋼管1A)の外面に雄ねじ2Aが加工されたピン2と、一方の鋼管(第2鋼管1B)の内面に雌ねじ3Aが加工されたボックス3と、を有している。ピン2の雄ねじ2Aとボックス3の雌ねじ3Aが完全に連結した状態では、雄ねじ2Aと雌ねじ3Aが密着して螺合し、ピン2とボックス3が安定的に締結される。雄ねじ2Aと雌ねじ3Aは、相互に隙間無く嵌合するように対称な凹凸形状となっている。
ここで、以下の説明では、ピン2及びボックス3において、それぞれの管軸O方向の突出端側を先端側といい、先端側と反対側で本体部11側を基端側といい、また管軸O方向に直交する径方向で管軸O側を内周側、内面といい、内周側及び内面の反対側を外周側、外面という。
ピン2のねじ列は、第1鋼管1Aの一方の端部側の外面において、管軸O方向で基端側から先端側に向かうに従い漸次管軸Oに近づくテーパーが形成された雄ねじ2Aを形成している。
ボックス3のねじ列は、第2鋼管1Bの一方の端部側の内面において、管軸O方向で基端側から先端側に向かうに従い漸次、管軸Oから離れるテーパーが形成された雌ねじ3Aを形成している。
ピン2は、図2に示すように、ピン先端2aからピン基端2b(第1鋼管1Aの本体部11側)に向けた順で、ノーズ部21、雄ねじ2A、及び連設部22を備えている。ピン2は、ピン基端2b側の外周面においてショルダー部23を介して本体部11に連設している。
ボックス3は、ボックス先端3aからボックス基端3b(第2鋼管1Bの本体部11側)に向けた順で、ノーズ部31、雌ねじ3A、及び連設部32を備えている。ボックス3は、ボックス基端3b側の内周面においてショルダー部33を介して本体部11に連設している。
鋼管1A、1Bがピン2とボックス3とのねじ2A、3A同士の螺合によって締結した状態で、ピン2のノーズ部21とボックス3の連設部32とが対向するとともに、ピン2の連設部22とボックス3のノーズ部31とが対向する。
ピン2の第1ショルダー部23は、管軸Oにほぼ垂直な環状面23aと、本体部11のピン2側の外周面11aと、から構成されている。環状面23aとピン2の連設部22とが交差する角部は曲面で形成されている。第1ショルダー部23の環状面23aとボックス先端3aとの間には、鋼管1A、1B同士が締結された状態で隙間Sが形成された状態となっている。
ボックス3の第2ショルダー部33は、管軸Oにほぼ垂直な環状面33aと、本体部11のボックス3側の内周面11bと、から構成されている。環状面33aとボックス3の連設部32とが交差する角部は曲面で形成されている。第2ショルダー部33の環状面33aとピン先端2aとの間には、鋼管1A、1B同士が締結された状態で隙間Sが形成された状態となっている。
これらショルダー部23、33は、ピン2に対するボックス3の乗り上げを規制するストッパの機能を有している。
なお、ショルダー部23、33に前記隙間Sを設けておくことで、鋼管の削孔時の振動により鋼管同士がさらに締め込み可能な許容領域となり、鋼管同士をより強固に締結することができる。
ピン2の雄ねじ2Aとボックス3の雌ねじ3Aは、図3に示すように、同一のねじピッチp、ねじ高さH、ねじテーパーTを有し、雄ねじ2Aと雌ねじ3Aとが相互に嵌合(螺合)する。鋼管ねじ継手10においては、ピン2を回転させながらボックス3内に挿入して、ピン2の雄ねじ2Aとボックス3の雌ねじ3Aを十分に螺合させることにより、図1(b) に示すように、ピン2とボックス3が締結されて、2本の鋼管1A、1Bを管軸O方向に連結できる。雄ねじ2Aと雌ねじ3Aとにより螺合される継手部分の厚さ寸法は、各本体部11の厚さと一致している(図1(a)参照)。そのため、鋼管1A、1B同士を締結した状態で、継手部分が本体部11の内側及び外側に突出しない状態となっている。
本実施形態による鋼管ねじ継手10は、図3及び図4に示すように、管軸O方向において、雄ねじ2A及び雌ねじ3Aのねじ高さHは、後述する圧縮フランク面20c、30cが引張フランク面20d、30dより大きくなっている。これにより、ピン2及びボックス3のねじ列の上述したテーパーTが形成される。
ピン2の雄ねじ2Aは、複数のねじ山頂部20a(雄ねじ頭頂面)、ねじ谷底面20b、ねじ込みで先行する圧縮フランク面20c、及びその圧縮フランク面20cとは反対側の引張フランク面20dを有する。ボックス3の雌ねじ3Aは、それぞれ複数のねじ山頂部30a(雌ねじ頭頂面)、ねじ谷底面30b、圧縮フランク面30c、及び引張フランク面30dを有する。
雄ねじ2Aのねじ山頂面20aと雌ねじ3Aのねじ山頂面30aとが管軸O(図4に示す符号LHの線)に対して平行になっている。ここで、図4に示すHL線は、管軸Oに平行な線を示している。
ピン2とボックス3とが締結された状態で、ピン2の雄ねじ2Aの各ねじ山頂面20aは、ボックス3の雌ねじ3Aのねじ谷底面30bと対向する。雌ねじ3Aの各ねじ谷底面30bは、雄ねじ2Aのねじ山頂面20aと対向する。ボックス3に雌ねじ3Aの圧縮フランク面30cは、雄ねじ2Aの圧縮フランク面20cと対向する。雌ねじ3Aの引張フランク面30dは、雄ねじ2Aの引張フランク面20dと対向する。
雄ねじ2A及び雌ねじ3Aの圧縮フランク面20c、30cのフランク角(圧縮側フランク角θ1)は、0°未満の負角になって傾斜している。また、雄ねじ2A及び雌ねじ3Aの引張フランク面20d、30dのフランク角(引張側フランク角θ2)は、0°を超える正角になって傾斜している。
なお、ここでいうフランク角とは、管軸Oに直角な面とフランク面20c、20d、30c、30dとのなす角度のことである。図4に示す鋼管ねじ継手10の場合、引張フランク面20d、30dの引張側フランク角θ2は時計回りを正とし、圧縮フランク面20c、30cの圧縮側フランク角θ1は反時計回りを正とする。
本実施形態では、例えば圧縮側フランク角θ1が-3°、引張側フランク角θ2が+3°に設定されている。つまり、この場合、圧縮フランク面20c、30cの角度(圧縮側フランク角θ1)の絶対値は、引張フランク面20d、30dの角度(引張側フランク角θ2)の絶対値と一致している。なお、圧縮側フランク角θ1は、引張側フランク角θ2以下であることが好ましい。
このように構成される鋼管ねじ継手10では、図3に示すように、ピン2とボックス3との締結状態において、雄ねじ2A及び雌ねじ3Aの圧縮フランク面20c、30c同士及び引張フランク面20d、30d同士が互いに接触するとともに、雄ねじ2Aのねじ谷底面20bと雌ねじ3Aのねじ山頂面30aとが互いに接触し、雌ねじ3Aのねじ谷底面30bと雄ねじ2Aのねじ山頂面20aとが互いに接触した状態になる。
ピン2とボックス3のねじ2A、3Aに形成される圧縮フランク面20c、30cは、ピン2をボックス3に差し込んで締結するときに、雄ねじ2Aと雌ねじ3Aの干渉を軽減し、円滑な締結に寄与する。引張荷重の負荷時には、圧縮フランク面20c、30c同士の間には若干の隙間が生じる。
一方、引張フランク面20d、30dは、相互に嵌合したピン2とボックス3に管軸O方向の引張荷重が負荷されたときに、雄ねじ2Aと雌ねじ3Aが係止されるが、このとき、引張フランク面20d、30d同士は当接し、ピン2のテーパーねじが抜けないように引張荷重を受け持つ。
鋼管1A、1B同士を締結した状態で、雄ねじ2A及び雌ねじ3Aの圧縮フランク面20c、30c同士の間にクリアランス幅ΔC(間隙)が形成されている。このクリアランス幅ΔCとしては、0.3mm以上0.8mm以下が好ましい。なお、最大クリアランス幅は、ねじ高さ以下であることが好ましい。
次に、上述した鋼管ねじ継手の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態による鋼管ねじ継手10では、図4に示すように、圧縮荷重を受け持つ圧縮フランク面20c、30cがフック形状となるので、曲げ強度に優れたねじ継手を構成することができ、鋼管杭の曲げ強度を従来品と同等以上に保つことができる。すなわち、鋼管1A、1Bに曲げが作用したときに、鋼管1A、1Bの圧縮側でボックス3がピン2に乗り上げるいわゆるジャンプイン現象が生じることを防止することができる。また、引張荷重を受け持つ引張フランク面20d、30dが台形形状となるので、ねじ部同士が嵌合し易くなる。
このように、強度を向上させることができるので、薄肉化、軽量化を図ることができ、加工が容易で、加工コストの増大を抑制できる。しかも、薄肉で軽量化された鋼管を手で持って締め込む作業の効率化を図ることができる。
また、本実施形態では、ピン2をボックス3に対して傾けて締結する際に、圧縮フランク面20c、30c同士の間にクリアランス幅ΔCが形成されているので、そのクリアランス幅ΔCを利用して斜めに挿入されたピン2の雄ねじのねじ山を雌ねじ3Aのねじ谷に挿入させることができる。そのため、ねじ継手のボックス3に対するピン2の嵌合の許容度を大きくすることができ、ピン2とボックス3のうち一方の引張フランク面20d、30dと他方の圧縮フランク面20c、30cとが競り合うことを防ぐことができる。
これにより、AGF工法のように締結する鋼管の軸方向を略水平方向に向け、かつやや上方に向けてねじ継手を嵌合させていく場合であっても、ねじのトルク抵抗が上昇したり、再度の軸調心を行う必要がなく、容易に施工を行うことができる。ねじ継手が異常な状態で嵌合することを防止でき、締め込みが開始されるまでの時間を短縮できる。
このように、本発明では、施工性と嵌合性を向上することができる。
また、本実施形態では、圧縮フランク面20c、30c同士の間のクリアランス幅ΔCを管軸O方向の長さで0.3~0.8mmの範囲とすることで、許容振れ幅が大きくなり、ねじ継手の嵌合のし易さを向上させることができる。
また、本実施形態では、雄ねじの雄ねじ頭頂面、及び雌ねじの雌ねじ頭頂面は、管軸に対して平行に形成されているので、斜めに挿入されたピン2の雄ねじ2Aのねじ山を雌ねじのねじ谷に挿入させる際に、ねじ継手のボックスに対するピン2の嵌合の許容度をより大きくすることができる。
また、本実施形態では、圧縮フランク面20c、30cの圧縮側フランク角θ1が負角で、引張フランク面20d、30dの引張側フランク角θ2が正角となる構成とすることにより、ねじ形状が逆フック形状となることから、締め込む際にねじ部同士が嵌合し易く、かつピン2とボックス3のそれぞれのねじ部同士が緩まずに外れ難い構成となり、ピン2がボックス3からずっぽ抜ける現象、いわゆるジャンプインが発生することを防止できる。
上述した本実施形態による鋼管ねじ継手10では、加工が容易で、加工コストの増大を抑制できるうえ、薄肉、高強度化することで鋼管本体の軽量化を図ることができ、施工性と嵌合性を向上させることができ、鋼管杭の曲げ強度を従来品と同等以上に保つことができる。
次に、他の実施形態による鋼管ねじ継手について説明する。なお、上述した第1実施形態の構成要素と同一機能を有する構成要素には同一符号を付し、これらについては、説明が重複するので詳しい説明は省略する。
(第2実施形態)
次に、図5に示す第2実施形態による鋼管ねじ継手10Aは、蟻溝型に適用したものである。すなわち、上述した第1実施形態による逆フック型の鋼管ねじ継手10と異なる点は引張側フランク角θ2が0°未満の負角になって傾斜している構成となっている。
第2実施形態では、例えば圧縮側フランク角θ1が-3°、引張側フランク角θ2が-3°に設定されている。第2実施形態の場合も、圧縮フランク面20c、30cの角度(圧縮側フランク角θ1)の絶対値は、引張フランク面20d、30dの角度(引張側フランク角θ2)の絶対値と一致している。
次に、上述した実施形態による鋼管ねじ継手10、10Aの効果を裏付けるために行った実施例について以下説明する。
(第1実施例)
第1実施例では、上述した実施形態の鋼管ねじ継手を使用した実施例1、2の鋼管と、従来の鋼管ねじ継手を使用した比較例1~3の鋼管と、に対して、それぞれの鋼管ねじ継手の変形と相当応力状態を確認するため、弾塑性有限要素法(FEA)によるFEAモデルを作成し、最大荷重時に対して数値シミュレーション解析を行い、その効果を確認した。
表1には、実施例1、2及び比較例1~3で使用した鋼管ねじ継手の構成を示している。
表1に示すように、実施例1、2及び比較例1~3で使用する鋼管は、いずれも外径114.3mm、肉厚3.5mmの素管を採用している。また、実施例1、2及び比較例1~3の鋼管における鋼管ねじ継手のねじ山高さは、すべて0.5mmである。実施例1、2及び比較例1~3のねじ要素やテーパーについては、下記にも示す通りであり、表1の備考には各鋼管の特徴を示している。
ここで、実施例1、2及び比較例1~3で設定した圧縮側フランク角θ1は、予め従来の比較例1(BU1)と同形状の試験体において曲げ強度試験を実施した結果に基づいている。つまり、試験体による曲げ強度試験の結果、圧縮側フランク角θ1が+20°と大きかったため、この角度に起因し、曲げ圧縮側でねじが乗り上げたものと推定し、圧縮側フランク角θ1を+20°~-3°に設定している。
Figure 0007111136000002
比較例1~3は、図6に示すようなバットレス型のねじ継手であって、それぞれ記号BU1、BU2、BU3で示している。引張側フランク角θ2は、比較例1~3のすべてにおいて+3°である。圧縮側フランク角θ1は、比較例1(BU1)が+20°であり、比較例2(BU2)と比較例3(BU3)は+10°である。ねじ列のテーパーは、比較例1(BU1)と比較例2(BU2)は1/16であり、比較例3(BU3)は1/20で比較例1、2に比べて緩いテーパーとなっている(参考:管用テーパねじの日本工業規格JIS B 0203(1999))。
実施例1は、上述した第2実施形態の鋼管ねじ継手10Aと同様の図5に示す蟻溝型のねじ継手であり、記号WE1で示している。実施例1(WE1)は、引張側フランク角θ2及び圧縮側フランク角θ1がそれぞれ-3°である。実施例1(WE1)のねじ列のテーパーは1/16である。
実施例2は、上述した第1実施形態の鋼管ねじ継手10と同様の図4に示すバットレス型のねじ継手であり、記号YA1で示している。実施例2(YA1)は、引張側フランク角θ2が+3°であり、圧縮側フランク角θ1が-3°である逆フック形状をなしている。実施例2(YA1)のねじ列のテーパーは1/16である。
図7は、表1に示す各ケース(実施例1、2及び比較例1~3)におけるねじ要素を有する継手のFEAモデルを使用し、鋼管ねじ継手の圧縮強度を評価した結果を示している。図7は、横軸に各ケース、縦軸に最大圧縮荷重(kN)を示している。この結果、圧縮フランク角が-3°である実施例1(WE1)及び実施例2(YA1)は、いずれも最大圧縮荷重が700kNを超え、略620~670kNの範囲となった比較例1~3のバットレス型の継手よりも圧縮強度に優れていることが確認された。
図8は、圧縮側フランク角(°)と最大圧縮荷重(kN)との関係を示している。ここでは、ねじ列テーパーが1/16、引張側フランク角が+3°で、圧縮側フランク角のみが異なる比較例1(BU1)、比較例2(BU2)、実施例1(YA1)の結果を示している。図8に示すように、ねじ継手の最大圧縮荷重は、圧縮側フランク角が-3°の実施例1(YA1)、+10°の比較例2(BU2)、+20°の比較例1(BU1)の順で小さくなっており、圧縮側フランク角に対して逆比例することがわかった。
次に、曲げ実験と曲げFEAモデルにより圧縮側フランク角の影響を実証した。
図9は、横軸に各ケース、縦軸に最大曲げモーメント(kNm)を示している。この結果、圧縮側フランク角が+20°である比較例1(BU1)の最大曲げモーメントが略18kNmとなった。一方、圧縮側フランク角が-3°の実施例1(WE1)及び実施例2(YA1)は、いずれも最大曲げモーメントが略23kNmを超え、比較例1のバットレス型の継手に対して曲げ強度が大幅に改善されていることが確認された。
図10は、比較例1(BU1)、実施例1(WE1)及び実施例2(YA1)において、比較例1(BU1)の最大曲げモーメントである19kNmとしたときの変形状態と相当応力分布を示している。図10では、各ケースにおいて圧縮側と引張側をそれぞれ示している。図10に示すように、同一の曲げモーメント(19kNm)の下では、比較例1(BU1)の圧縮側でボックスの雌ねじ全体がピンの雄ねじに乗り上げる傾向を示している。これに対して、実施例1(WE1)及び実施例2(YA1)では、圧縮側でボックスの雌ねじ全体がピンの雄ねじに乗り上げる傾向になっていないことが確認された。
図11は、引張強度の規格が1000MPa、外径114.3mm、肉厚3.5mmの鋼管に対して比較例1(BU1)、実施例1(WE1)及び実施例2(YA1)のねじ継手を加工し、曲げ強度試験を行った結果とFEAによる解析結果との比較を示している。本試験では、比較例1(BU1)及び実施例2(YA1)のねじ継手はそれぞれ13本の試験を行い、実施例1(WE1)は3本の試験を行った。図11は、横軸に各ケース、縦軸に曲げモーメント(kNm)を示している。なお、図11に示す縦軸は最大の曲げモーメントを示すが、母材強度の影響を平準化するため、実際の試験結果を規格強度に換算して示している。これよりスクリーニングに用いたFEA結果は試験結果の概ね最大値を示している。また、図11に示す目標値(目標強度)は、強度の規格がSTK400、外径114.3mm、肉厚6.0mmの鋼管の全塑性曲げ耐力で設定される値である。
図11に示すように、従来型のねじ継手である比較例1(BU1)は、平均値(ave)が12.6kNmとなり目標強度に達するものの、略半数が目標強度を下回っていることがわかる。これに対して圧縮側フランク角が-3°となる実施例1(WE1)及び実施例2(YA1)ではFEA結果によりも低値側にばらつくものの、平均値(ave)でそれぞれ25.2kNm、21.9kNmとなって目標値を大幅に上回ることが実証できた。そして、実施例1(WE1)と実施例2(YA1)とを比較すると、実施例1(WE1)が実施例2(YA1)よりもやや高い曲げ強度を示した。
ここで、実施例2(YA1)における逆フック型の3本(YA11、YA12、YA13)の鋼管(試験体)における曲げ強度試験時の破断形態について説明する。
試験の結果、第1試験体(YA11)ではピンの危険断面から破断(ピン破断)し、第2試験体(YA12)ではボックスの危険断面から破断(ボックス破断)し、第3試験体(YA13)ではボックスの危険断面近傍から座屈(ボックス座屈)が発生した。そして、従来のバットレス型のねじ継手で見られたボックスのピンへの乗り上げは発生しないことが確認できた。このように、破断形態が同一の設計でも異なる理由として、高強度薄肉鋼管では真円度や偏肉度が低強度厚肉鋼管に比べて悪く、これが破断形態のばらつきや、図11で示されたように低値側への強度ばらつきになったものと考えられる。しかし、圧縮側フランク角を-3°にすることで高強度薄肉鋼管に適用できることを確認した。
また、図12に示すように、上述した各ねじ継手の破壊形態(ピン破断、ボックス破断、ボックス座屈)において、ピン破断やボックス破断よりもボックス座屈で破壊した方が、破壊するまでの変形性能が高いことを確認した。図12は、横軸を変位とし、縦軸を曲げモーメントとしたグラフである。
ここで、本ねじ継手に必要な性能は曲げ強度ではあるが、施工中に地震等の想定外の曲げ荷重がかかった際に、ねじ継手の変形性能が良いほうが安全性が高く、ねじ継手の破壊形態を変形性能の良いボックス座屈で制御できればより好ましいとされる。そこで、一般的に鉄鋼材料の変形性能を代表する降伏比YR(降伏強度/引張強度)をパラメータとして構造解析を行った。
ここで、図12のグラフでは、ピン破断による破壊点と、ピン破断よりも変位が大きくなるボックス座屈による破壊点の2点の破壊箇所が生じている。そして、上述したように、ピン破断およびボックス破断は曲げの引張側、ボックス座屈は曲げの圧縮側で発生する。そこで、降伏比YRを変化させてねじ継手の圧縮解析および引張解析を実施した。
図13(a)、(b)は、曲げFEAモデルによる圧縮解析および引張解析でのねじ継手の変形状態を示している。鋼管は、外径が114.3mm、肉厚が3.5mmの寸法のものを採用している。図13(a)に示すように圧縮ではねじ継手の座屈が発生し、図13(b)に示すように引張ではねじ継手の破断が発生していることがわかる。これにより、上述したねじ継手の破壊形態を概ね再現できていることが確認された。
図14(a)、(b)には、圧縮解析および引張解析それぞれの荷重-変位曲線のイメージ図を示している。ねじ継手に曲げが作用した際、一般的な材料力学の理論より、圧縮側の縮み量(変位)と引張側の引張量(変位)はほぼ同じとみなせる。そのため、図14(b)に示す引張最大荷重までの変位量δt(mm)よりも、図14(a)に示す圧縮最大荷重までの変位量δc(mm)が小さければ、ねじ継手に曲げが作用した際、ねじ継手が圧縮側で先に破壊するため、ねじ継手の変形限界が大きいと考えられる。
Figure 0007111136000003
表2は、降伏比YRを変化させたときの引張最大荷重までの変位量δt(mm)および圧縮最大荷重までの変位量δc(mm)の解析値を示している。このときの鋼管材料の降伏比YRは、84、90、95の3ターンを採用した。ここで、表2において、解析値は構造解析で得られたそのままの変位量δt、δcの値を示し、修正値は圧縮最大荷重までの変位量δcを0.5mm増加させた値としている。すなわち、解析値の変位量δt、δcの値は、実際には材料力学の曲げ理論が弾性変形の範囲で成立し、本実施例のようにねじ継手が塑性変形をする場合において曲げの中立軸が移動するため、圧縮側と引張側とで異なることになる。そこで、解析で検証し、曲げの最大荷重時に圧縮側の変位量が引張側と比較して0.5mm多いことを確認した。そこで、圧縮最大荷重までの変位量δcを0.5mm増加させた値をδcの修正値として採用した。
図15は、表2をグラフ上にプロットしたものである。図15より、変位量δt、δcの直線の交点となる鋼管材料の降伏比YRが87以下であれば、ねじ継手が圧縮側、すなわちボックス座屈により破壊することがわかった。図15の点線は、上述したように降伏比YRが87の位置を示している。
ここで使用した鋼管は、外径Dが114.3mm、肉厚tが3.5mmである。図15は、外径Dと肉厚tの比率である径厚比(外径D/肉厚t)が32.7の結果を示し、横軸を降伏比YRとし、縦軸をδ(mm)としたものである。
さらに、鋼管サイズの変化による影響を調べるため、径厚比D/tが19~38の範囲で同様の検証を実施した結果を図16に示している。図16のグラフは、4つの鋼管サイズのデータをプロットし、それらプロットを直線で繋いだグラフである。
図16のグラフより、(1)式、(2)式が求められる。
Figure 0007111136000004
上記の結果より、(1)式、(2)式を満たす降伏比YRを有する鋼管を使用することにより、ボックス座屈により破壊し、変形性能としてより優れたねじ継手となることが確認できた。
(第2実施例)
次に、第2実施例について、具体的に説明する。
第2実施例は、上述した第1実施形態の鋼管ねじ継手10が形成された鋼管同士を締結する際の施工性について、模擬試験を行うことにより確認した。ここで、施工性を評価することの目的としては、AGF工法では仰角4~6°の角度で先行して打設された鋼管に対して後行で打設する鋼管のねじ継手を挿入し、人力で鋼管を回転させて締め込んでいくため、施工上はねじ継手の嵌合性が重要視されていることに基づき、トンネル現場で施工性を評価する前に施工現場を同様な条件を模擬して嵌合性の評価を行った。
第2実施例による模擬試験方法について説明する。先ず試験設備として、仰角6°に設定されたH形鋼の上に、そのH形鋼の長さ方向に沿って複数のY字状の支持台を固定し、その支持台上に鋼管(先行鋼管)を横向きに配置したものを使用した。そして、トンネル現場で実施されるAGF工法による施工と同様に、先行鋼管に対してやや上向きに鋼管(締結鋼管)を挿入し、手締めにより締め込んだ後にパイプレンチを用いて本締めを行った。
なお、一般的には、鋼管杭用ねじ継手や油井管ねじ継手等は管軸を上下方向に向けて立てた状態で締め込む場合が多く、圧縮側フランク角がなだらかなほど締め込みとやすいと言われてきた。縦型で締め込む際には、ねじが締まり始めるまで鋼管を揺動させたり、締め込みとは逆回転させてねじが締め込み位置に落ち込んだ後に正回転させる等の現場的な工夫により作業効率を向上させていた。しかし、AGF工法のように締結する鋼管の管軸を略水平方向からやや上方に向けてねじ継手を嵌合させていく場合には、上述したような縦方向に締め込む際に実施される揺動や逆回転での落とし込みも行うことができず、ねじ継手が異常な状態で嵌合し、締め込みが開始されるまで時間を要する場合が散見されていた。また、手締めが可能になった後も横型の回転であるため、ねじのトルク抵抗が上昇し、再度の軸調心を強いられる場合も生じていた。
これに対して、上述した実施形態のようなねじのフランク面同士の間に形成されるクリアランスを有するねじ継手による横方向の締め込みの効果を確認した。
図17は、先行鋼管9Aに対して後行鋼管9Bを横向きでねじ継手を嵌合させた状態を模式的に示している。図17に示すように、自重により後行鋼管9Bは下方に傾き、この傾いた後行鋼管9Bを作業員が双方の鋼管9A、9Bの軸心O1、O2を合わせながら締め込むことになる。
図18は、後行鋼管9Bを締め込む際のテーパーねじの状態を示している。図18に示すように、ピン側である後行鋼管9Bが下向きに傾くことにより引張フランク面9aと圧縮フランク面9bが競り合うこととなる。したがって、ねじのフランク面同士の間のクリアランス幅ΔCが大きいほどねじ継手が嵌合できる許容度が大きいことになる。図17に示すように、AGF鋼管の1本当たりの長さは3mであり、後行鋼管9Bの終端部の軸心O2における先行鋼管9Aの軸心O1からの偏心量である許容振れ幅をΔD(mm)とするとクリアランス幅ΔC(mm)と許容振れ幅ΔD(mm)との関係は図19に示される。図19の結果、フランク面のクリアランス幅ΔCが大きいほど、許容振れ幅ΔDが大きくなり、ねじ継手の嵌合のし易さが向上されることがわかった。また、ねじ締結中においてもねじ継手は上向きに嵌合されるため、鋼管の自重の影響で引張フランク面が当たりやすくなる。引張フランク面が正の角度であると締結中においても鋼管を回すための抵抗が小さくなる。
継手締結後に12mとなる鋼管杭のたわみ量は、好ましくは0.1m以下であることが設計上好ましい。図19の結果からΔC=1mm当たりの許容振れ幅量であるΔDは26mmであり、長さ3mの鋼管杭4本を3箇所で連結して杭長12mになった後のたわみ量を0.1m以下にするにはΔC<1.25mmが好ましい。地山圧力によるたわみを考慮し、尚且つ、良好な嵌合性を維持するには0.3mm≦ΔC≦0.8mmがより好適な範囲となる。
これに基づき、図20(a)~(c)及び表3に示す3ケースのねじ形状の鋼管において、上述した嵌合試験を行い、嵌合性、施工性を評価した。
表3に示すように、試験を行った3ケースの鋼管は、上述した第1実施例で使用した図20(a)に示す比較例1(BT)、図20(b)に示す実施例1(WG)、及び図20(c)に示す実施例2(YA)であり、本第2実施例ではそれぞれ記号BT、WG、YAで示している。フランク面のクリアランス幅ΔC(mm)は、BTで0.1mm、WGで0.1mm、YAで0.5mmである。なお、各ケースの鋼管ねじ継手におけるねじ山頂面はすべて軸心に平行である。
Figure 0007111136000005
表4は、3ケースによる嵌合試験の結果を示している。嵌合試験は、ケース毎に2回ずつ実施した。試験順番は、表4の数値で示す通りの順であり、嵌合作業な慣れ等を考慮して設定した。嵌合性の評価方法としては、嵌合終了間際まで素手で嵌合が可能なものを「◎」とし、素手で嵌合が可能であるが、軸心の調整が必要なものを「〇」とし、パイプレンチによる嵌合が必要で軸心の調整が必要なものを「△」として評価した。
この結果、実施例2のYAのねじ継手のみが1回目、2回目ともに「◎」の評価であり、軸心調整を繰り返すことなく最後まで素手による回転で嵌合することができた。これよりフランク面のクリアランス幅ΔCが大きいことがねじ嵌合性の向上に効果があることを確認することができた。
Figure 0007111136000006
また、上述した嵌合試験の結果において、フランク面のクリアランス幅ΔC以外にねじ嵌合性に影響を及ぼす因子としてスタビングフランク角がある。これはねじを差し込んだときに接触する方のフランク面を指し、縦型の嵌合では圧縮フランク面と同じになる。そのため、圧縮フランク面はなだらかな方が嵌合性は向上しそうであり、圧縮フランク面がマイナス角であると嵌合性が劣ると判断されていた。しかし、AGF工法のように仰角をもった嵌合では締め込み時に接触するのは引張側のフランク面であり、圧縮側のマイナス角度は嵌合性には悪影響を及ぼさない。このような観点からはクリアランスの大きさに加え、逆フック型の継手は引張側がマイナス角である蟻溝型の継手に比べて嵌合性に優れると判断される。
(第3実施例)
次に、第3実施例について、具体的に説明する。
第3実施例では、上述した第1実施形態による鋼管ねじ継手10と、従来の鋼管ねじ継手を加工した鋼管(試験サンプル)を使用し、4点曲げ試験方法によりねじ継手の曲げ強度を評価した。
表5および表6は、各試験サンプルの仕様と試験結果を示している。表5に示すように、試験サンプルは、表5に示す比較例1~22の22ケース、表6に示す実施例1~35の35ケースを使用した。
各試験サンプルの素管強度(MPa)、圧縮側フランク角、引張側フランク角、ショルダー部(ピン先端、ボックス先端)の有無による仕様は、表4に記載している。試験は、4点曲げ強度試験を行うことで曲げ強度を測定し、この曲げ強度より換算最大曲げモーメントを求めた。なお、曲げ強度は最大曲げモーメントで表記し、母材強度の影響を平準化するために母管1000MPaに換算した。評価方法としては、目標値(目標強度)以上のものには合格「〇」とし、目標強度に満たないものは不合格「×」として評価した。ここで、目標強度は、従来使用されていたAGF鋼管で外径Dが114.3mm、肉厚tが6mm、材質STK400(引張強度400MPa)の鋼管の曲げ耐力である12.3kNmを目標値とした。
Figure 0007111136000007
Figure 0007111136000008
また、各試験サンプルにおいて、破断形態を目視により確認して評価した。その目視評価方法は、ピンがボックスに乗り上げた状態(ジャンプイン)を「A」とし、ピンが破断した状態を「P」とし、ボックスが破断した状態を「B」とし、ボックスが座屈した状態を「Z」とし、ボックスが座屈するとともにピンがボックスから抜け出す状態(ジャンプアウト)を「Z+J」とし、ボックスが破断するとともにボックスが座屈した状態を「B+Z」として評価した。
図21は、表5および表6に示す結果において比較例1~22と実施例1~19における継手の最大曲げモーメント(kNm)を示した図である。比較例では、目標強度である12.3kNmを満たす場合もあるが、半数以上が目標を満たしていないことが確認された。このときの破断形態をみると、一つを除きすべてがボックスがピンを乗り上げる形態を呈した。
これに対して実施形態による圧縮側のフランク角が-3°である継手ではすべての試験体で目標を大幅に上回った。また、ボックスがピンを乗り上げる破断形態「A」は発生せず、ピン又はボックスの危険断面から破断が発生するか、ボックスの危険断面近傍が座屈していることを確認できた。
また、実施例15~19、および25~35は、鋼管の径厚比D/tが32.7で、降伏比YRが87以下となり、上述した(1)式、(2)式に示す降伏比YRの条件を満たしており、予想通りボックス座屈にて継手が破壊した。
以上、本発明による鋼管ねじ継手の実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、圧縮側フランク角θ1の絶対値は、引張フランク面の引張側フランク角θ2の絶対値と同一でなくてもよいが、引張フランク面のフランク角の絶対値以下であることが好ましい。
また、上述した実施形態では、雄ねじの雄ねじ頭頂面と雌ねじの雌ねじ頭頂面とが管軸Oに対して平行としているが、これに限定されず、例えば、ねじ列の第1テーパー及びテーパーと逆方向に傾斜している構成であってもかまわない。
また、本実施形態では、管端に対して直接、ねじを加工したテーパーねじ継手の一例を示しているが、このような鋼管ねじ継手であることに制限されることはない。
例えば、図22に示す第1変形例による鋼管ねじ継手10Bは、一方の鋼管1Bの管端を拡径した拡径部34に直接加工した雌ねじ3Aが形成されたボックス3と、管端に雄ねじ2Aが形成されたピン2と、を有している。この場合、ピン2が形成される他方の鋼管1Aの管端は縮径も拡径されていない。そのため、鋼管1A、1B同士が締結された状態でボックス3がピン2の鋼管1Aよりも外周側に張り出して双方のねじが螺合されることになる。
また、図23に示す第2変形例による鋼管ねじ継手10Cは、一方の鋼管1Aの管端を縮径した縮径部35に直接加工した雄ねじ2Aが形成されたピン2と、管端に雌ねじ3Aが形成されたボックス3と、を有している。この場合、ボックス3が形成される他方の鋼管1Bの管端は縮径も拡径もされていない。そのため、鋼管1A、1B同士が締結された状態でピン2がボックス3の鋼管1Bよりも内周側に張り出して双方のねじが螺合されることになる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1A、1B 鋼管
2 ピン
2A 雄ねじ
3 ボックス
3A 雌ねじ
10、10A、10B、10C 鋼管ねじ継手
11 本体部
23、33 ショルダー部
20a、30a ねじ山頂面(ねじ頭頂面)
20c、30c 圧縮フランク面
20d、30d 引張フランク面
θ1 圧縮側フランク角
θ2 引張側フランク角
ΔC クリアランス幅(間隙)
O 鋼管の管軸

Claims (7)

  1. 地盤に打ち込む鋼管同士をねじ込むことによって締結するための鋼管ねじ継手であって、
    一方の前記鋼管の外面に雄ねじが形成されたピンと、
    他方の前記鋼管の内面に前記ピンの前記雄ねじに螺合可能な雌ねじが形成されたボックスと、を有し、
    前記ピンと前記ボックスのねじ列は、管軸に対してテーパーが形成され、
    前記ピン及び前記ボックスに管軸方向の圧縮がかかる方向を左側に向けた断面視で、前記管軸に直角な面に対するフランク角において、前記直角な面に対して時計回りをプラス側、反時計回りをマイナス側とし、
    前記ボックス及び前記ピンのねじは、前記ピンと前記ボックスの締結時において圧縮荷重を負担する圧縮フランク面と、引張荷重を負担する引張フランク面とのうち、少なくとも前記圧縮フランク面の前記管軸に直角な面に対するフランク角がマイナス側に傾斜する負角で設定され
    前記雄ねじと前記雌ねじのそれぞれのフランク面同士の間に管軸方向に可動可能な間隙が形成されていることを特徴とする鋼管ねじ継手。
  2. 前記フランク面同士の間の前記間隙は、管軸方向の長さで0.3~0.8mmであることを特徴とする請求項1に記載の鋼管ねじ継手。
  3. 前記雄ねじ及び前記雌ねじのそれぞれの雌ねじ頭頂面は、管軸に対して平行に形成され、又は前記ねじ列の前記テーパーの傾斜方向と逆方向に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管ねじ継手。
  4. 前記引張フランク面のフランク角は、プラス側に傾斜する正角で設定されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の鋼管ねじ継手。
  5. 前記圧縮フランク面のフランク角の絶対値は、前記引張フランク面のフランク角の絶対値以下であることを特徴とする請求項に記載の鋼管ねじ継手。
  6. 前記ボックスにおける前記雌ねじの基端部、及び前記ピンにおける前記雄ねじの基端部には、それぞれ前記ピンの先端部および前記ボックスの先端部を向く環状面を有するショルダー部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の鋼管ねじ継手。
  7. 前記鋼管の降伏強度と引張強度の比率である降伏比YRは、(1)式および(2)式の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の鋼管ねじ継手。
    Figure 0007111136000009
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