JP4210005B2 - 耐焼き付き性の優れた管継手及びその製造方法 - Google Patents

耐焼き付き性の優れた管継手及びその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
油井掘削作業では、ネジの焼き付きが現場作業で問題にされている。鋼管継手の取り扱い方、潤滑剤塗布の不適切さなど種々原因が考えられる。本発明は、ネジのクリアランスを小さくしてシール性を向上させたうえに、焼き付きを起こしにくい油井管テーパーネジ継手及びその製造方法に関するものである。また、本技術は、ネジにシール機能を期待する管用テーパネジ継手全てに適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
管端にテーパ管用雄ネジをもつ鋼管と内面にこれに対応するテーパ管用雌ネジをもつ短管を接続するとき、両者のピッチ誤差によりネジが噛み合いにくくなることを防ぐために、図1に示すAPIバットレスネジ継手のようにネジ山側面に隙間を設けている。16" 以上のAPI油井管ネジ継手では、このクリアランスが30ミクロンから240ミクロンに設定されている。また、許容されるピッチ誤差、累積ピッチ誤差はそれぞれ±76ミクロン、±102ミクロンに定められており、クリアランスと同等かそれ以下になるように設計されている。このように許容されるピッチ誤差よりネジクリアランスを大きくとっていれば、ネジ締込み作業時、ネジピッチ誤差による異常なネジ干渉、ひいては焼き付きを起こすことはない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、油井管ネジ継手にはシール機能が要求され、これに応えるためネジ山間のクリアランスを出来るだけ小さくしたいニーズがある(US2772102号公報、特表平5−500842号公報)。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、雌雄ネジピッチの設定を工夫することによりネジ締込み時の異常干渉をなくして、焼き付きを防止できる耐焼き付き性の優れた管継手及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る耐焼き付き性の優れた管継手は、管の先端部の外周面にテーパ雄ネジ部を形成したピンと、短管の両端部の内周面に前記テーパ雄ネジ部に螺合するテーパ雌ネジ部を形成したボックスとを捻じ込むカップリングタイプの管継手において、雄ネジの1ピッチを雌ネジの1ピッチより1ミクロン〜7ミクロンの範囲で小さくしている。
前記目的に沿う第2の発明に係る耐焼き付き性の優れた管継手は、管の先端部の外周面にテーパ雄ネジ部を形成したピンと、管の先端部の内周面にテーパ雌ネジ部を形成したボックスとを捻じ込むインテグラルタイプの管継手において、雄ネジの1ピッチを雌ネジの1ピッチより1ミクロン〜7ミクロンの範囲で小さくしている。
前記目的に沿う本発明に係る耐焼き付き性の優れた管継手の製造方法は、第1及び第2の発明に係る管継手を旋盤で加工する際に、雄ネジピッチの設定値を、雌ネジより1ミクロン〜7ミクロン小さくしてねじ切りを行うものである。
【0005】
ここで、テーパ雌ネジ部の雌ネジとこれより僅かにピッチが大きくできたテーパ雄ネジ部の雄ネジを捻じ込んでいくときの状況を図2に示す。雄ネジの方がピッチが大きいので、ネジ山が相手方の谷にある程度嵌まり込んだ時、雄ネジ先端のスタビングフランク面と雄ネジ根元のロードフランク面間Lpが、対応する雌ネジのスタビングフランク面とロードフランク面の間Lbに挟み込まれた状態になる。ここから、奥へと捻じ込みが進むと、これら接触面に働く面圧はさらに高くなる。なお悪いことに、締込み終了時には、潤滑を目的に塗布したグリースがネジ山間に封じ込められており、その圧力で雄ネジは内側に膨らみその影響でピンは長さ方向に伸び、締込み時のピッチは加工時より長くなる傾向にある。さらに締込みが進んで、テーパネジが締まりばめ状態になれば、ピンの縮管は進み、それに伴いピンのピッチはさらに伸び上記接触面の面圧は一層高くなる。雄ネジ先端のスタビングフランク面に焼き付きが生じる原因は以上の理由による。つまり、管用テーパネジのピンのピッチは、締込み時のグリース圧力の影響、テーパ嵌合による締まりばめの影響で、加工時より長くなる性質を有している。
【0006】
そこで、ピン(テーパ雄ネジ部の雄ネジ)のピッチをボックス(テーパ雌ネジ部の雌ネジ)のピッチより短くしておけば、グリース圧力又は締まりばめでピンが縮管してピッチが長くなっても、異常干渉をすることを防げる。図3に、ピンのピッチをボックスのピッチより小さくした場合のテーパネジ嵌合の最終段階を示す。今度は、ピン先端ロードフランク面とピン根元のスタビングフランク面間Lpp、Lbbで接触することになる。つまり、ピンのピッチが伸びればこれら接触は緩和されることになり、先の例のように締込みに伴いますます異常面圧が立つのとは反対に、締込みにともない面圧が下がる造りとなっている。
【0007】
本発明は、大径油井管又は土木杭のように、ネジ込み作業性からネジは粗ネジにしたいが一方でシール性は確保したいのでネジクリアランスは粗ネジにも拘わらず出来るだけ小さくしたいという場合に特に効果を発揮するものである。
【0008】
どれだけ、ピンのピッチを短くするかの考え方は、テーパ雄ネジの完全ネジ山数にこのピッチ差を乗じた値が、せいぜい大きくてもネジクリアランスよりは小さくなるようにすべきである。また、最低、個々のネジ山のピッチ誤差の影響を受けたとしても、締め込んでいけば、ボックスとのピッチ差が集積して必ずピン先端のネジ山ロードフランクから接触し始めるようなピッチのずらしであるべきである。
【0009】
仮にネジ山フランク面クリアランスを65ミクロン、ネジ山数を15山とすれば1ピッチのずれは65/15≒4ミクロンとなる。1ミクロンでもピン先端における累積ピッチ誤差は15ミクロンなので、ピンをボックスに捻じ込んで接触を開始するときは、恐らく先端のロードフランクからになる可能性が高いが、1山、1山のピッチ誤差が15ミクロン以上あるようなネジ切りの加工精度ならば、ピン先端以外のロードフランクが先に接触することも有り得る。そうなると、わざわざピッチを短くした意味がなくなる。NC旋盤を使う場合には、実際のネジのクリアランスも加味すると1〜7ミクロンの間で適当なピッチずらし量が設定できると考える。機械精度に自信があり、加工したネジのピッチ誤差が小さければ、このずらし量は小さいほどよい。
【0010】
【実施例】
図4(A)〜(C)は、外径20" 、肉厚16.1mmの油井管に、ピッチ3山/in.、テーパ1/10、ネジ山高さ2.9mmのネジを加工した継手を示す。ネジ山側面のクリアランスは、狙い65ミクロンである。本継手にはシール性が必要なため、テーパネジ部には0.8mmの締め代ΔDを設けている。この継手にグリースを塗布して、締込み試験を行ったところ、本来ピンとボックスが完全に噛み合う1ターン手前より、締込みトルクが上昇を開始した。ネジは締まりばめ状態になっていないので、どこかにまだネジクリアランスがあり円滑に締まっていい筈だが、ネジの累積ピッチ誤差のためネジ側面が接触しトルクが発生してしまったと考えられる。3ton・mにて締込み終了後、その継手を緩めてネジ山のダメージを検査したところ、雄ネジ先端の第一ネジ山のスタビングフランク面の付け根に近い部分とそれに対応した雌ネジ奥のネジ山スタビングフランク面のネジ山頂側に擦り傷が観察された。この問題を解決する為に、NCプログラムの雌ネジのピッチは8.467mmとし、雄ネジのピッチを4ミクロン小さい8.463mmとして継手を加工した。その結果、初期の位置からトルクが立ち上がり、さらに締込み完了後、再びネジを緩めてネジ山を検査したがダメージはなかった。
図5は、図4と同じネジ寸法緒元であるが、雌雄ネジ継手構造が請求項2に示すインテグラルタイプとしたネジ継手の実施例である。さらに雄ネジ先端及び雄ネジ根元部にネジ無しショルダー部を配置している。本発明はネジ列部に関する発明であり、その適用が図4及び図5に示すカップリングタイプであろうと、インテグラルタイプであろうと、発明の効果を損なうものではない。
【0011】
【発明の効果】
カップリング及びインテグラルタイプの管継手において、雄ネジの1ピッチを雌ネジの1ピッチより1ミクロン〜7ミクロンの範囲で小さくすることによって著しく耐焼き付き性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】16インチ以上のAPIバットレスネジ継手のネジ山形状を示す説明図である。
【図2】ピンのピッチがボックスのピッチより長いネジの嵌合を示す説明図である。
【図3】ピンのピッチがボックスのピッチより短いネジの嵌合を示す説明図である。
【図4】(A)〜(C)は本発明の一実施例に係る耐焼き付き性の優れたカップリングタイプの管継手の説明図である。
【図5】本発明の他の実施例に係る耐焼き付き性の優れたインテグラルタイプの管継手の説明図である。

Claims (3)

  1. 管の先端部の外周面にテーパ雄ネジ部を形成したピンと、短管の両端部の内周面に前記テーパ雄ネジ部に螺合するテーパ雌ネジ部を形成したボックスとを捻じ込むカップリングタイプの管継手において、雄ネジの1ピッチが雌ネジの1ピッチより1ミクロン〜7ミクロンの範囲で小さいことを特徴とする耐焼き付き性の優れた管継手。
  2. 管の先端部の外周面にテーパ雄ネジ部を形成したピンと、管の先端部の内周面にテーパ雌ネジ部を形成したボックスとを捻じ込むインテグラルタイプの管継手において、雄ネジの1ピッチが雌ネジの1ピッチより1ミクロン〜7ミクロンの範囲で小さいことを特徴とする耐焼き付き性の優れた管継手。
  3. 請求項1又は2記載の管継手を旋盤で加工する際に、雄ネジピッチの設定値を、雌ネジより1ミクロン〜7ミクロン小さくしてねじ切りを行うことを特徴とする耐焼き付き性の優れた管継手の製造方法。
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