[内視鏡関連業務システム]
図1に示すように、内視鏡関連業務システム10は、内視鏡42(図2参照)を用いた被写体の検査、観察、または手術等(以下、内視鏡検査という)と、内視鏡検査に関連する業務の遂行に用いるシステムである。内視鏡検査に関連する業務(以下、関連業務という)とは、内視鏡検査中または内視鏡検査の前後において必要となる内視鏡検査以外の医療その他の業務である。すなわち、関連業務とは、内視鏡検査に付随する業務であり、例えば、生検の容器に貼付するラベルの印刷、内視鏡42の洗浄消毒、及び、レポートの作成等は関連業務である。
内視鏡関連業務システム10は、内視鏡装置21、ラベルプリンタ22、洗浄消毒装置23、レポート作成装置24、及び、内視鏡情報管理システム31等を備える。これらのうち、ラベルプリンタ22、洗浄消毒装置23、及び、レポート作成装置24は、関連業務装置26である。関連業務装置26は、ラベルプリンタ22、洗浄消毒装置23、及び、レポート作成装置24以外にも関連業務を遂行するための装置等を含むことができる。また、関連業務装置26は、必要でない場合、ラベルプリンタ22、洗浄消毒装置23、及び/または、レポート作成装置24を含まない場合がある。
(1)内視鏡装置の構成
図2に示すように、内視鏡装置21は、内視鏡42と、光源装置44と、プロセッサ装置46と、モニタ48と、コンソール49と、を備える。内視鏡42は、被写体を撮影する。光源装置44は、照明光を発生する。プロセッサ装置46は、内視鏡装置21の制御及び画像処理等を行う。モニタ48は、内視鏡画像を表示する表示部である。コンソール49は、プロセッサ装置46等への設定入力等を行う入力デバイスである。コンソール49は、内視鏡装置21を用いて内視鏡検査を実施する医師のID(identification)、及び、内視鏡検査の被写体である患者のID等の内視鏡検査に必要な情報を入力し、または読み取るデバイスを含む。例えば、医師のID及び患者のIDを、バーコードを用いて入力する場合、コンソール49はバーコードリーダを含む。IC(integrated circuit)チップを搭載したカード(いわゆるICカード)を用いる場合は、コンソール49はカードリーダを含む
内視鏡42は、被検体内に挿入する挿入部42aと、挿入部42aの基端部分に設けた操作部42bと、挿入部42aの先端側に設けた湾曲部42cと、先端部42dと、を有する。操作部42bのアングルノブ42eを操作することにより、湾曲部42cが湾曲する。その結果、先端部42dが所望の方向に向く。また、操作部42bは、アングルノブ42eの他、観察モードの切り替え、ズーム操作、フリーズ操作、静止画の撮影操作、送気または送水する操作等の各種操作に用いるボタン、ダイヤル、またはスイッチ等がある。この他、内視鏡42は、処置具の挿入口42fを有する。挿入口42fは、内視鏡42の内部に設けられた処置具チャネル(図示しない)を介して、先端部42dに設けられた処置具出口(図示しない)に連通している。このため、挿入口42fから処置具を挿入すると、処置具の先端は、先端部42dの処置具出口から被写体に向けて突出することができる。処置具とは、例えば、鉗子(生検鉗子)、スネア、またはメス(高周波メス)等である。
光源装置44は、照明光を発光する光源部(図示しない)と、光源部の動作を制御する光源制御部(図示しない)と、を備える。光源部は、被写体を照明する照明光、または、照明光を発光するために使用する励起光等を発光する。光源部は、例えば、レーザーダイオード(以下、LDという)、LED(Light Emitting Diode)、キセノンランプ、または、ハロゲンランプの光源を含み、少なくとも、白色の照明光、または、白色の照明光を発光するために使用する励起光を発光する。白色には、内視鏡42を用いた被写体の撮影において実質的に白色と同等な、いわゆる擬似白色を含む。光源部は、必要に応じて、励起光の照射を受けて発光する蛍光体、または、照明光または励起光の波長帯域、スペクトル、もしくは光量等を調節する光学フィルタ等を含む。この他、光源部は、被写体が含むヘモグロビンの酸素飽和度等の生体情報を算出するために使用する画像の撮影に必要な、特定の波長帯域を有する光を発光できる。光源制御部は、光源部を構成する各光源の点灯または消灯もしくは遮蔽のタイミング、及び、発光量等を制御する。その結果、光源部は、スペクトルが異なる複数種類の照明光を発光できる。また、光源制御部は、撮影のタイミングに合わせて光源部を制御する。
図3に示すように、プロセッサ装置46は、接続検知部51、画像取得部52、画像処理部53、表示制御部54、報知部55、制御部56、及び、通信部57を備える。
接続検知部51は、プロセッサ装置46及び/または光源装置44への内視鏡42の接続を検知する。また、接続検知部51は、内視鏡42が接続したことを検知する他、接続した内視鏡42を識別する識別情報を取得する。すなわち、接続検知部51は、内視鏡42を識別する識別部として機能する。内視鏡42を識別する識別情報とは、内視鏡42の機種を識別する情報(機種型番等)、及び/または、同機種の内視鏡42が複数ある場合に内視鏡42の個体を識別するための情報(シリアルナンバー等)である。本実施形態においては、プロセッサ装置46と接続した内視鏡42と有線または無線により通信することによって、内視鏡42の接続を検知し、かつ、接続した内視鏡42の識別情報を取得するセンサである。
画像取得部52は、内視鏡42から画像(画像の生成に用いる信号である場合を含む)を取得する。画像取得部52は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)と、ノイズ低減部と、変換部と、を有し(いずれも図示しない)、これらを用いて、取得した画像に必要に応じて各種処理を施す。
DSPは、取得した画像に対し、必要に応じて欠陥補正処理、オフセット処理、ゲイン補正処理、リニアマトリクス処理、ガンマ変換処理、デモザイク処理、及びYC変換処理等の各種処理を施す。
欠陥補正処理は、イメージセンサの欠陥画素に対応する画素の画素値を補正する処理である。オフセット処理は、欠陥補正処理を施した画像から暗電流成分を低減し、正確な零レベルを設定する処理である。ゲイン補正処理は、オフセット処理をした画像にゲインを乗じることにより各画像の信号レベルを整える処理である。リニアマトリクス処理は、オフセット処理をした画像の色再現性を高める処理であり、ガンマ変換処理は、リニアマトリクス処理後の画像の明るさや彩度を整える処理である。デモザイク処理(等方化処理または同時化処理とも言う)は、欠落した画素の画素値を補間する処理であり、ガンマ変換処理後の画像に対して施す。欠落した画素とは、カラーフィルタの配列に起因して(イメージセンサにおいて他の色の画素を配置しているため)、画素値がない画素である。例えば、デモザイク処理は、B画素の画素値を用いて補間することにより、G画素及びR画素の位置におけるB画素の画素値を生成する。他の色も同様である。YC変換処理は、デモザイク処理後の画像を、輝度チャンネルYと色差チャンネルCb及び色差チャンネルCrに変換する処理である。
ノイズ低減部は、輝度チャンネルY、色差チャンネルCb及び色差チャンネルCrに対して、例えば、移動平均法またはメディアンフィルタ法等を用いてノイズ低減処理を施す。変換部は、ノイズ低減処理後の輝度チャンネルY、色差チャンネルCb及び色差チャンネルCrを再びBGRの各色の画像に再変換する。
画像処理部53は、画像取得部52が取得した画像を用いて、モニタ48に表示する画像及び/または診断等に使用する画像を生成する。画像処理部53は、観察モード等の設定に応じて、画像取得部52が取得した画像または内視鏡画像に画像処理を施す場合がある。また、画像処理部53は、画像取得部52が取得した画像に画像処理等を施さずに、そのまま出力する場合がある。なお、画像取得部52が取得した画像は内視鏡42を用いて撮影した画像であるから内視鏡画像である。画像処理部53が生成する画像は、内視鏡装置21がユーザに提供する画像であるから、いわゆる内視鏡画像である。したがって、以下においては、特に言及しない限り、画像取得部52が取得する画像及び/または画像処理部53が生成する画像を内視鏡画像という。内視鏡画像は動画または静止画である。
また、画像処理部53は、第1認識処理部60を備える。第1認識処理部60は、内視鏡画像を用いて認識処理を行う。具体的には、図4に示すように、第1認識処理部60は、撮影位置認識部61、処置認識部62、画質認識部63、及び、未撮影部分認識部64等の各種認識処理部を備える。
撮影位置認識部61は、1または複数の内視鏡画像を用いて、撮影位置を認識する。撮影位置とは、内視鏡42が撮影した被写体内における位置である。撮影位置認識部61は、例えば、撮影位置として、内視鏡画像を用いて少なくとも被写体の部位を認識する。被写体の部位とは、上部消化管であれば、食道、胃、例えば十二指腸等である。また、撮影位置認識部61は、さらに詳細な位置を認識することができる。撮影位置認識部61は、例えば、観察している部位が胃である場合、噴門部、穹窿部、胃体部、胃角部、前庭部、幽門前部、及び/または、幽門を認識することができる。本実施形態においては、撮影位置認識部61は被写体の部位を認識し、詳細位置は認識しない。リアルタイムに撮影位置の認識処理を実施するためである。
処置認識部62は、1または複数の内視鏡画像を用いて、被写体に対する処置を認識する。処置の認識とは、処置の有無及び/または処置の種類を認識することをいう。被写体に対する処置とは、生体組織検査に供する組織等の検体の採取(以下、生検という)、切開、切除、止血、残渣等の除去、または、その他の被写体に対する操作をいう。処置の有無の認識には、既に処置を行った状態の認識の他、処置を行っている状態の認識、及び、これから処置を行う状態の認識を含む。処置の種類の認識とは、生検、切開、切除、止血、または、残渣等の除去等を区別して処置を認識することをいう。
処置認識部62は、内視鏡画像に写る処置具を認識することにより、被写体に対する処置を認識する。また、処置認識部62は、内視鏡画像に写る被写体の処置痕または出血(または出血の停止)等を認識することによって被写体に対する処置を認識できる。この他、処置認識部62は、1または内視鏡画像以外の情報を使用して処置の有無及び/または処置の種類を認識できる。例えば、内視鏡42が処置具の挿入を検知する機構を有する場合、その検知結果を単独または内視鏡画像と組み合わせて使用することによって、処置を認識できる。本実施形態においては、処置認識部62は、1または複数の内視鏡画像を用いて、生検に用いる鉗子(生検鉗子)を認識することにより、生検の有無を認識する。したがって、本実施形態における処置認識部62は、生検の有無を認識する生検認識部として機能する。
また、処置認識部62は、処置の回数を認識または計数する。複数回の処置を認識した場合に、各処置を区別するためである。また、処置認識部62は、処置をした位置を認識する。処置をした位置の認識には、撮影位置認識部61の認識結果を使用できる。例えば、2箇所において生検をした場合、本実施形態の処置認識部62は、生検を2回実施したことを認識し、かつ、各生検を行った部位及び順序を認識する。
画質認識部63は、1または複数の内視鏡画像を用いて、内視鏡画像の画質を認識する。画質の認識とは、内視鏡画像のボケまたはくもり等の有無、及び/または、被写体に残渣または残液等の被写体像が劣化する要因の有無、を認識することをいう。内視鏡画像のボケまたはくもり等は、内視鏡42側(被写体でなく撮影する側)の要因である。残渣または残液等は、被写体側(内視鏡42でなく被写体側)の要因である。
未撮影部分認識部64は、1または複数の内視鏡画像を用いて、被写体の未撮影部分を認識する。未撮影部分とは、被写体に対する先端部42dの位置及び向き並びに撮影のタイミングによって、撮影されない被写体の部分をいう。例えば、被写体である管腔等は、被写体の隆起、または、蠕動運動によって発生するヒダ(襞)があることによって、未撮影部分が発生する場合がある。内視鏡画像における未撮影部分の認識は、例えば、被写体の大局的または局所的な形状等により認識できる。また、未撮影部分認識部64は、複数の内視鏡画像について各々の未撮影部分を認識することによって、未撮影部分を追跡する認識が可能である。すなわち、未撮影部分認識部64は、ある内視鏡画像の未撮影部分が、その後1度も撮影されないまま、撮影位置(未撮影部分に対する先端部42dの位置)が当該未撮影部分を適正に撮影できない位置に移動すること(移動しそうなこと)を認識できる。本実施形態においては、未撮影部分認識部64は、未撮影部分を認識し、かつ、未撮影部分を追跡する。
第1認識処理部60及び第1認識処理部60を構成する上記各部は、例えば、学習機能を有する人工知能(AI(Artificial Intelligence))である。具体的には、第1認識処理部60を構成する各部は、ニューラルネットワーク(NN(Neural Network))、畳み込みニューラルネットワーク(CNN(Convolutional Neural Network))、アダブースト(adaboost)、ランダムフォレスト(Random Forest)等の機械学習アルゴリズムまたは深層学習を用いて学習したAIである。また、第1認識処理部60は、特定の画像を用いて認識処理をするための学習をしているので、他の画像を用いた認識処理を行えるとしても、認識処理の結果の精度が低い場合がある。「学習機能を有する」とは、学習できることをいい、学習済みであることを含む。なお、第1認識処理部60を構成する各部の一部または全部は、AIで構成する代わりに、画像から特徴量を算出し、算出した特徴量を用いて検出等を行う構成とすることができる。
上記第1認識処理部60の他、画像処理部53は、生体情報算出部71を有する。生体情報算出部71は、1または複数の内視鏡画像を用いて生体情報を算出する。生体情報とは、酸素飽和度、血管の密度、長さ、大きさ(面積または体積)、または、特定の特徴を有する部分の個数もしくは範囲等、生体である被写体の形状、色、またはその他特徴に基づいた数量をいう。生体情報算出部71は、観察モードの設定等によって、必要に応じて起動する。
表示制御部54は、画像処理部53が出力する内視鏡画像を表示に適した形式に変換してモニタ48に出力する。これにより、モニタ48は、少なくとも内視鏡検査中に内視鏡画像を表示する。この他、表示制御部54は、内視鏡検査前(被写体の撮影をする期間の開始前)、内視鏡検査中(被写体の撮影をする期間)、及び、内視鏡検査後(被写体の撮影をする期間の終了後)の各段階において、観察または操作に用いる画面を生成し、モニタ48に表示する。その際、表示制御部54は、報知部55または通信部57から情報を取得し、その情報またはその情報に基づく情報をモニタ48に表示することができる。具体的には、内視鏡検査前においては、表示制御部54は、通信部57を介して取得する検査前画面251(図15参照)をモニタ48に表示する。内視鏡検査中においては、表示制御部54は、内視鏡画像に加え、報知部55が入力する警告メッセージ等、及び/または、通信部57を介して取得する検査に係る情報等を、モニタ48に表示する場合がある。例えば、検査中画面301(図18参照)である。内視鏡検査後においては、表示制御部54は、例えば、1次洗浄情報入力画面401(図21参照)をモニタ48に表示する。
報知部55は、通知または警告等を報知する。報知部55は、例えばスピーカ72を有しており、スピーカ72から音または音声を発報することにより、通知または警告等を報知することができる。また、報知部55は、表示制御部54に、通知または警告等を表すメッセージ等の表示指示(表示を変更する指示を含む)を入力することにより、表示制御部54を介して、モニタ48の表示を用いて、通知または警告等を報知できる。この他、報知部55は、ランプ等を含むことができ、ランプの点灯、消灯、もしくは色の変更等によって、通知または警告等を報知できる。
具体的には、内視鏡検査前においては、報知部55は、接続検知部51が接続を検知した内視鏡42(以下、接続した内視鏡という)が使用予定の内視鏡42と異なる場合、その旨の警告を報知する。また、接続した内視鏡42が、洗浄消毒の完了していないものである場合、及び/または、洗浄消毒の完了後所定の時間を経過したものである場合、報知部55は、その旨の警告を報知する。この他、コンソール49から入力した医師及び/または患者のIDが内視鏡装置21を使用する予定の医師及び/または患者とは異なる場合、その旨の警告を報知する。
内視鏡検査中においては、報知部55は、「生検禁止」等の禁忌に関する情報(禁忌情報)のうち一部または全部を報知する。本実施形態においては、報知部55は、禁忌情報をモニタ48における表示によって報知する。また、内視鏡検査中においては、報知部55は、第1認識処理部60における各種認識処理の結果に基づいた警告を報知する。具体的には、画質認識部63が内視鏡画像の画質の低下を認識した場合、報知部55は、画質が低下したことを示す警告、または、画質の改善を促す警告(例えば先端部42dの洗浄を促す表示)を報知する。また、未撮影部分認識部64が、未撮影部分が撮影されない可能性を認識した場合、その旨の警告を報知する。
内視鏡検査後においては、報知部55は、ベッドサイドで行う内視鏡42の1次洗浄(いわゆるベッドサイド洗浄)の未完了もしくは未開始を表す通知または警告、及び/または、1次洗浄を促す通知または警告を報知する場合がある。
制御部56は、プロセッサ装置46の各部、並びに内視鏡42及び光源装置44を統括的に制御する。例えば、制御部56は、照明光の発光と撮影のタイミングの同期制御をする。また、制御部56は、内視鏡検査に係る各種の時間(時刻を含む)を計測する計時部73を備える。このため、制御部56は、内視鏡検査の開始時間及び終了時間、及び/または、特定の部位への到達時間(例えば回盲部到達時間)等を計測できる。計時部73は、コンソール49等を用いた情報入力に基づいて内視鏡検査に係る各種の時間を計測できる。また、計時部73は、内視鏡検査に係る各種の時間の計測に、第1認識処理部60における各種の認識結果(例えば撮影位置の認識結果)を使用することができる。
通信部57は、内視鏡情報管理システム31と、有線または無線により通信し、情報を送信または受信する。本実施形態においては、通信部57は、情報取得部74と、情報出力部75と、を備える。
情報取得部74は、内視鏡情報管理システム31から、実施する内視鏡検査において利用し得る情報を取得する。具体的には、情報取得部74は、内視鏡検査前において、内視鏡情報管理システム31から、過去に行った内視鏡検査等(例えば病理検査を含む)の結果、過去に行った内視鏡検査等において取得した画像、過去に行った内視鏡検査等において作成したレポート、及び/または、内視鏡検査を実施する患者に関する情報(禁忌に関する情報等)、等を取得する。表示制御部54は、情報取得部74を介してこれらの情報を取得し、必要に応じてモニタ48に表示する。
情報出力部75は、少なくとも内視鏡情報管理システム31に、実施した内視鏡検査(実施中の内視鏡検査)に関する情報の一部または全部を出力する。情報出力部75が出力する情報は、例えば、内視鏡画像、第1認識処理部60の各部が行った認識処理の結果、生体情報算出部71が算出した生体情報、及び/または、計時部73が計測した各種時間、等である。情報出力部75が出力する内視鏡画像等は、内視鏡情報管理システム31に登録される。
なお、通信部57は、内視鏡情報管理システム31の他、内視鏡装置21を構成する内視鏡42または光源装置44、関連業務装置26、及び/または、その他の装置等と通信し、上記各種情報の一部または全部を送信または受信できる。
(2)ラベルプリンタの構成
ラベルプリンタ22は、内視鏡関連業務システム10においては、生検用に採取した組織(検体)を入れる容器に貼付する識別用のラベル(以下、生検ラベル350という。図19参照)の作製(印刷等)に用いるプリンタである。ラベルプリンタ22は、有線または無線により、直接的にまたは間接的に内視鏡情報管理システム31と接続する。図5に示すように、ラベルプリンタ22は、通信部92、生検情報取得部93、及び、出力部94を備える。
通信部92は、有線または無線によって、直接的にまたは間接的に内視鏡情報管理システム31と接続するインターフェースである。生検情報取得部93は、内視鏡検査中に生検が行われた場合に、通信部92を用いて内視鏡情報管理システム31と通信することにより、内視鏡情報管理システム31を介して(または内視鏡情報管理システム31からの指示に基づきプロセッサ装置46等から直接に)生検に係る情報を自動的に取得する。生検に係る情報とは、生検を行った患者に係る情報(氏名及び/またはID等)、複数回の生検を行った場合に各生検を識別する情報(順序等を識別する番号等)、生検を行った位置(採取部位等)に係る情報、等である。
出力部94は、ラベルに印刷をするための機構であり、例えば、一般的なプリンタと同様の構成である。出力部94は、生検情報取得部93が取得した生検に係る情報の一部または全部を所定の配列で印刷することにより、生検ラベル350(図19参照)を自動的に出力する。生検ラベル350は例えばシールである。
本実施形態においては、ラベルプリンタ22は、内視鏡情報管理システム31を介して生検に係る情報を取得する。また、生検に係る情報の取得及び生検ラベルの印刷は、内視鏡検査中に行う。すなわち、内視鏡検査中に生検を行うと、ラベルプリンタ22は、生検ラベル350をリアルタイムにかつ自動的に出力する。
(3)洗浄消毒装置の構成
洗浄消毒装置23は、内視鏡検査において使用した内視鏡42を洗浄及び消毒するための装置である。内視鏡検査において使用した内視鏡42は、使用後直ちにベッドサイドにおいて、内視鏡42の乾燥等による管路の詰まり等を防止するために、簡易的に1次的な洗浄及び/または消毒(いわゆるベッドサイド洗浄)を実施する。これに対して、洗浄消毒装置23で行う洗浄消毒は、いわゆる2次洗浄または本洗浄である。洗浄消毒装置23が行う本洗浄は、使用済みの内視鏡42を再び内視鏡検査で使用できるようにするための洗浄消毒である。
洗浄消毒装置23は、図6に示すように、洗浄槽110を有する本体111と、本体111に対して開閉自在に設けられた蓋部112と、蓋部112を開閉するためのペダル113と、洗浄及び/または消毒の設定等を入力するための表示部かつ操作部であるタッチパネル115と、を有する。また、本体111にはキャスター116が設けられている。このため、洗浄消毒装置23は移動自在である。
図7に示すように、洗浄消毒装置23は、洗浄槽110及びタッチパネル115の他、通信部121、内視鏡識別部122、洗浄者識別部123、及び、制御部124を有する。
通信部121は、有線または無線によって、直接的にまたは間接的に内視鏡情報管理システム31と接続し、必要な情報を送信または受信する。通信部121は、内視鏡42が通信機能を有している場合、洗浄消毒装置23の近傍(例えば少なくとも通信可能な範囲)にある内視鏡42と自動的に接続できる。また、通信部121は、洗浄消毒の結果、洗浄した内視鏡42の識別情報、及び、洗浄したスタッフの識別情報等の情報を内視鏡情報管理システム31に送信する。
内視鏡識別部122は、洗浄消毒の対象である内視鏡42を識別する情報(以下、洗浄対象情報という)を取得する。内視鏡識別部122は、例えば、通信部121を介して接続した内視鏡42から自動的に洗浄対象情報を取得できる。また、内視鏡識別部122は、タッチパネル115を用いて入力する情報から洗浄対象情報を取得できる。本実施形態においては、内視鏡42は洗浄消毒装置23の近傍において通信部121と無線により自動的に接続する機能を有し、内視鏡識別部122は自動的に洗浄対象情報を取得する。そして、内視鏡識別部122は、タッチパネル115を用いてユーザが手動で情報入力をする変わりに、取得した洗浄対象情報を自動的にタッチパネル115に表示するGUI(Graphical User Interface)の該当項目に入力する。
洗浄者識別部123は、洗浄消毒を担当するスタッフ(以下、洗浄者という)を識別する情報(以下、洗浄者識別情報という)を取得する。洗浄者識別部123は、洗浄者のIDを、バーコードを用いて入力する場合、洗浄者識別部123はバーコードリーダであり、ICカードを用いて入力する場合、洗浄者識別部123はカードリーダである。また、洗浄者識別部123は、洗浄者がタッチパネル115を用いて洗浄者情報を入力することによって洗浄者情報を取得できる。なお、洗浄者が、例えば、通信部121を介して洗浄消毒装置23と自動的に接続する通信端末等を所持している場合には、洗浄者識別部123は通信部121を介してその通信端末から洗浄者識別情報を自動的に取得できる。本実施形態においては、洗浄者識別部123は、自動的に洗浄者情報を取得する。
制御部124は、洗浄消毒装置23を統括的に制御する。例えば、タッチパネル115を用いて洗浄の開始指示を入力した場合、制御部124は、タッチパネル115を用いて入力した条件等にしたがって、洗浄槽110を用いて内視鏡42を洗浄及び消毒を開始する。
(4)レポート作成装置の構成
レポート作成装置24は、内視鏡情報管理システム31と有線または無線により接続する、いわゆるコンピュータであり、内視鏡検査に係るレポートを作成するインターフェースをユーザに提供する。図8に示すように、レポート作成装置24は、レポート作成画面510(図25参照)を表示するディスプレイ131と、レポート作成画面510を用いてレポートを作成するための操作入力をする操作部132と、内視鏡情報管理システム31と通信するための通信部133と、を備える。操作部132は、例えば、キーボード及びマウス等のポインティングデバイスである。また、レポート作成装置24は、ディスプレイ131と操作部132を一体化したタブレット端末であってもよい。また、レポート作成装置24は、使用者である医師のIDを自動的にまたは手動で入力することにより、内視鏡情報管理システム31に使用者を特定してログインする。
(5)内視鏡情報管理システムの構成
内視鏡情報管理システム31は、内視鏡検査に係る一連の情報を統括的に管理し、内視鏡関連業務システム10を構成する各装置等に内視鏡検査に係る一連の情報の一部または全部を適宜送信または受信すること(送信または受信を指示することを含む)により、内視鏡関連業務システム10を構成する各装置等を円滑に連携する。図9に示すように、内視鏡情報管理システム31は、検査情報管理部151、洗浄情報管理部152、ラベル出力管理部153、レポート作成支援部154、データベース156、操作部157、ディスプレイ158、及び、通信部159、等を備える。
(5a)検査情報管理部
検査情報管理部151は、内視鏡関連業務システム10を構成する各部が授受する各種情報(医師及び患者に関する情報、内視鏡画像、並びに認識結果等)のうち、特に内視鏡検査において使用する情報を管理する。具体的には、図10に示すように、検査オーダ取得部171、内視鏡決定部172、挿入経路情報取得部173、禁忌情報取得部174、画像取得部175、レポート取得部176、検査前画面生成部181、内視鏡接続監視部182、及び、使用者監視部183、等を備える。
検査オーダ取得部171は、内視鏡検査に関する検査オーダを取得する。検査オーダは、内視鏡検査の依頼であって、例えば、いつ、誰の、何について(どの部位を何のために)内視鏡検査をするのかの情報を含む。検査オーダは、内視鏡情報管理システム31に直接的に入力することができる。この場合、検査オーダ取得部171は、医師またはその他スタッフの入力により、検査オーダを取得する。また、検査オーダ取得部171は、内視鏡関連業務システム10と連携する他の医療業務システム(例えば他の部科を含めて病院内の検査オーダを管理するシステム)から検査オーダを取得することができる。
内視鏡決定部172は、検査オーダに対して、使用する内視鏡装置21、特に使用する内視鏡42を決定する。使用する内視鏡装置21の決定とは、病院内に内視鏡装置21が複数ある場合、その検査オーダに基づく内視鏡検査の実施のために、どの内視鏡装置21(プロセッサ装置46及び光源装置44)を使用するかを決定し、予約管理することをいう。病院内に内視鏡装置21が1台である場合、その検査オーダに対する内視鏡装置21の使用を決定し、予約管理することをいう。予約管理とは、使用を予約し、重複した使用の予約が発生しないように管理することをいう。また、使用する内視鏡42の決定とは、複数の内視鏡42がある場合、または、複数種類の内視鏡42がある場合(例えば、経鼻内視鏡、経口内視鏡、及び、下部消化管用の内視鏡等がある場合)、その検査オーダに基づく内視鏡検査の実施のために、どの内視鏡を使用するかを決定し、予約管理することをいう。病院内にある内視鏡42が1台(1機種)である場合には、その検査オーダに対する内視鏡42の使用を決定し、予約管理することをいう。
内視鏡決定部172は、検査オーダに基づいて内視鏡検査の対象である患者及び部位等を識別する。また、内視鏡決定部172は、患者及び検査対象の部位等に基づいて、使用する内視鏡装置21及び/または内視鏡42を決定する。特に、内視鏡決定部172は、検査オーダが指定する患者について過去の内視鏡検査に係る情報を参照し、検査オーダが指定する患者及び部位が、過去に内視鏡検査を行った患者及び部位である場合には、過去に行った内視鏡検査で使用した内視鏡42の使用を優先的に決定する。過去の内視鏡検査で使用した内視鏡42が別の検査オーダのために予約管理されている場合には、少なくとも、同機種の内視鏡42の使用を優先的に決定する。例えば、前回の内視鏡検査において経鼻内視鏡を使用した場合、2回目の内視鏡検査の検査オーダにおいては、経口内視鏡と経鼻内視鏡の使用予約が可能である場合、経鼻内視鏡の使用を優先する。経鼻内視鏡が複数機種ある場合には、前回の内視鏡検査で使用した機種の使用を優先する。
挿入経路情報取得部173は、検査オーダが指定する患者及び部位について、過去の内視鏡検査に係る情報を参照し、検査オーダが指定する患者及び部位が過去に内視鏡検査を行ったときの内視鏡42の挿入経路に係る情報を取得する。挿入経路とは、上部消化管の内視鏡検査であれば、例えば、「経鼻」及び「経口」であり、経鼻に関しては右の鼻孔から挿入した場合である「経鼻(右)」と左の鼻孔から挿入した場合である「経鼻(左)」とを区別する。
禁忌情報取得部174は、検査オーダが指定する患者及び/または部位等について、既に行った検査等の情報(診断または検査等の結果及びレポート等)を参照することにより、検査オーダが指定する患者及び/または部位等について禁忌に関する情報(以下、禁忌情報という)を取得する。禁忌情報とは、例えば、アレルギーに関する情報、及び、生検の可否等に係る情報、等である。本実施形態においては、禁忌情報取得部174は、患者または部位について、少なくとも生検の可否(特に生検禁止)に係る情報を取得する。
画像取得部175は、設定に応じて、検査オーダが指定する患者について、過去に行った内視鏡検査及び/またはその他の検査等によって得た画像を取得する。例えば、検査前画面251及び/または検査中画面301において過去の検査において取得した画像を表示する場合には、画像取得部175がこれを取得し、検査前画面251及び/または検査中画面301に挿入する。また、画像取得部175は、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)に接続することにより、超音波画像、X線画像等の放射線画像、MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像等、を取得し、検査中画面301等に挿入できる。
レポート取得部176は、設定に応じて、検査オーダが指定する患者について、過去に行った内視鏡検査及び/またはその他の検査等によって作成されたレポートを取得する。例えば、例えば、検査前画面251及び/または検査中画面301において過去の検査において取得した画像を表示する場合には、レポート取得部176がこれを取得し、検査前画面251及び/または検査中画面301に挿入する。
検査前画面生成部181は、内視鏡検査前に内視鏡装置21のモニタ48に表示する検査前画面251を生成する。内視鏡情報管理システム31は、使用予定の内視鏡装置21のモニタ48に検査前画面生成部181が生成した検査前画面251を表示することにより、使用予定の内視鏡装置21をロック(他への使用を禁止)する。なお、検査前画面生成部181は、プロセッサ装置46に設けることができる。この場合、内視鏡情報管理システム31は、検査前画面251の生成に必要な情報をプロセッサ装置46に提供する。
内視鏡接続監視部182は、予約管理している内視鏡装置21への内視鏡42の接続を監視する。具体的には、内視鏡接続監視部182は、プロセッサ装置46から接続検知部51の検知結果を取得する。そして、内視鏡決定部172が決定した内視鏡42と異なる内視鏡42が予約管理している内視鏡装置21に接続された場合に、プロセッサ装置46の報知部55を用いて、その旨の警告を報知する。検査オーダに即した内視鏡検査の準備を支援するためである。
使用者監視部183は、内視鏡情報管理システム31が予約管理している内視鏡装置21を使用する医師及び患者を監視する。具体的には、使用者監視部183は、プロセッサ装置46の通信部57を介して、コンソール49から入力した医師及び患者のID等を取得し、医師及び患者が検査オーダに合致するか否かを判別する。医師または患者が異なる場合、使用者監視部183は、プロセッサ装置46の報知部55を用いて、その旨を警告する。予約管理している内視鏡装置21の誤使用を防止するためである。
(5b)洗浄情報管理部
洗浄情報管理部152は、内視鏡関連業務システム10を構成する各部が授受する各種情報のうち、特に内視鏡42の洗浄に関する情報を管理する。具体的には、図11に示すように、洗浄状態監視部191、1次洗浄管理部192、及び、本洗浄管理部193、を備える。
洗浄状態監視部191は、内視鏡情報管理システム31が予約管理している内視鏡装置21に接続した内視鏡42の洗浄状態を監視する。具体的には、洗浄状態監視部191は、プロセッサ装置46の接続検知部51の検知結果を取得する。そして、洗浄状態監視部191は、接続した内視鏡42が、適切に洗浄が完了した内視鏡42であるか否か、及び、洗浄完了後所定時間未満であるか否か、を監視する。接続した内視鏡42が、未洗浄である等、適切に洗浄が完了した内視鏡42である場合、または、洗浄完了後所定時間以上経過した場合、接続した内視鏡42は再度洗浄が必要である。このため、洗浄状態監視部191は、プロセッサ装置46の報知部55を用いて、その旨を警告する。
1次洗浄管理部192は、内視鏡検査の終了後に行う1次洗浄を管理する。具体的には、1次洗浄管理部192は、内視鏡検査の終了後、表示制御部54を介して、モニタ48に1次洗浄情報入力画面401を表示する。1次洗浄管理部192は、必要に応じて、プロセッサ装置46の報知部55を用いて、通知もしくは警告を報知することにより、または、1次洗浄情報入力画面401をモニタ48に表示することにより、1次洗浄の実施を促す。この他、1次洗浄管理部192は、1次洗浄情報入力画面401から入力する1次洗浄に係る情報(洗浄者の識別情報及び正常に洗浄を完了したか否かを示すステータス情報等)を取得し、データベース156に登録する。これにより、1次洗浄管理部192は1次洗浄を管理する。1次洗浄に係る情報とは、1次洗浄を行った者(洗浄者)の識別情報、1次洗浄を行った日時、及び、正常に1次洗浄を完了したか否かを示すステータス情報等である。データベース156への登録とは、新規に記録を作成することの他、既存の記録に情報を統合(マージ)することを含む。
本洗浄管理部193は、内視鏡検査の終了後(より詳細には1次洗浄の終了後)に行う本洗浄を管理する。具体的には、洗浄消毒装置23から、本洗浄に係る情報を取得し、データベース156に登録する。これにより、本洗浄管理部193は、本洗浄を管理する。本洗浄に係る情報とは、本洗浄を行った者(洗浄者)の識別情報、本洗浄を行った日時、及び、正常に本洗浄を完了したか否かを示すステータス情報等である。
(5c)ラベル出力管理部
ラベル出力管理部153は、内視鏡関連業務システム10を構成する各部が授受する各種情報のうち、特に生検ラベルの作製に係る情報を管理する。具体的には、図12に示すように、生検監視部201、及び、ラベルプリンタ制御部203を備える。
生検監視部201は、内視鏡検査中にプロセッサ装置46と実質的にリアルタイムに通信することにより、処置認識部62の認識結果(少なくとも処置認識部62の認識結果のうち生検に係る認識結果)を取得する。これにより、生検監視部201は、処置認識部62の認識結果を用いて、生検の有無を監視する。また、処置認識部62が生検を認識した場合、処置認識部62の認識結果には、生検があったことの他、生検の回数、生検を行った部位、及び、生検を行った順序等が含まれる。このため、生検監視部201は、処置認識部62の認識結果を用いて生検を行ったことを検知した場合には、行った生検に係る情報(生検の回数、部位、及び順序等)を得る。
ラベルプリンタ制御部203は、生検監視部201が内視鏡検査中に生検を行ったことを検知した場合に、自動的にラベルプリンタ22を制御して、その生検によって得た検体を入れる容器に添付する生検ラベル350を作製する。具体的には、ラベルプリンタ制御部203は、生検監視部201が取得した生検に係る情報を生検情報取得部93に入力し、出力部94を用いて生検ラベル350を作製する。これにより、内視鏡検査中に生検を行うことにより、ラベルプリンタ22は自動的に生検ラベル350を作製する。なお、本実施形態においては、ラベルプリンタ制御部203は、生検監視部201が生検を検知した場合、順次、検知した生検に係る生検ラベル350を作製するが、ラベルプリンタ制御部203は、内視鏡検査の終了後にまとめて、1または複数の検知した生検に係る生検ラベル350を自動的に作製することができる。いずれの場合も、医師またはスタッフは、内視鏡検査の終了後、生検ラベル350を自動的に得ることができる。
(5d)レポート作成支援部
レポート作成支援部154は、内視鏡関連業務システム10を構成する各部が授受する各種情報のうち、特にレポートの作成に関する情報を管理する。これにより、レポート作成支援部154は、レポートの作成を支援する。具体的には、図13に示すように、レポート作成支援部154は、レポート作成画面生成部220、第2認識処理部222、画像選択支援部223、第3認識処理部224、及び、項目選択支援部226、を備える。
レポート作成画面生成部220は、内視鏡情報管理システム31に接続したレポート作成装置24からの要求に応じて、レポート作成画面510を生成し、レポート作成装置24に提供する。具体的には、レポート作成画面生成部220は、レポート作成装置24からレポート作成画面510の提供要求を受けると、特定の医師、特定の患者、及び、特定の内視鏡検査の情報(内視鏡画像その他の情報等)を収集し、それらを選択及び/または配列することにより、レポート作成画面510を生成及び提供する。
第2認識処理部222は、レポート作成画面510及び/またはレポートにおいて使用する内視鏡画像に対して1または複数の認識処理をする。具体的には、第2認識処理部222は、撮影位置認識部231、処置認識部232、及び、病変認識部233等を備える。第2認識処理部222及び第2認識処理部22を構成する上記各部は、例えば、学習機能を有する人工知能(AI(Artificial Intelligence))である。
撮影位置認識部231は、1つの内視鏡検査において取得した内視鏡画像について、少なくとも内視鏡画像に写る被写体の部位を認識する。撮影位置認識部231は、さらに詳細な撮影位置を認識することができる。撮影位置認識部231は、例えば観察している部位が胃である場合、噴門部、穹窿部、胃体部、胃角部、前庭部、幽門前部、及び/または、幽門を認識することができる。本実施形態においては、撮影位置認識部231は、被写体の部位の他、さらに詳細な撮影位置を認識する。すなわち、プロセッサ装置46の第1認識処理部60における撮影位置認識部61は相対的に簡易的に部位の認識処理をするのに対し、レポート作成支援部154の第2認識処理部222における撮影位置認識部231は相対的に詳細に撮影位置の認識処理をする。内視鏡検査中の撮影位置の認識はリアルタイムに迅速かつ軽量(計算量が少ない)認識処理をすることが必要であり、一方で、レポートの作成時には処理量及び/または処理時間が多少大きくなっても、詳細な認識結果が必要だからである。撮影位置認識部231は、第1認識処理部60の撮影位置認識部61の認識結果を取得し、利用できる。本実施形態においては、第2認識処理部222は、認識処理の対象である内視鏡画像についての第1認識処理部60の撮影位置認識部61の認識結果として、撮影部位に係る情報を得ることができる。このため、第2認識処理部222は、第1認識処理部60の撮影位置認識部61の認識結果が示す部位について、認識処理の範囲を絞って、詳細な撮影位置を特定する認識処理を行うことができる。例えば、撮影部位が胃であれば、胃の詳細位置に絞って(食道または十二指腸の可能性を排除して)、詳細な撮影位置の特定(撮影位置が胃の噴門部であるとの特定等)をすることができる。こうして、撮影位置認識部231は、第1認識処理部60の撮影位置認識部61の認識結果を利用することで、処理量を低減し、及び/または、処理時間を低減できる。
処置認識部232は、1つの内視鏡検査において取得した内視鏡画像について、被写体に対する処置を認識する。処置認識部232が認識し得る処置の内容は、第1認識処理部60の処置認識部62と同様である。本実施形態においては、第1認識処理部60の処置認識部62が生検を認識するのに対し、処置認識部232は生検以外の処置をも認識する。内視鏡検査中における認識処理はリアルタイムに行うため最小限の内容であることが好ましいのに対し、レポートの作成時においては、生検以外の処置の認識も必要になるからである。なお、処置認識部232は、第1認識処理部60の処置認識部62の認識結果を取得し、利用できる。本実施形態においては、第1認識処理部60の処置認識部62は生検を認識するので、処置認識部232は、生検の認識については、第1認識処理部60の処置認識部62の認識結果を使用する。そして、処置認識部232は、生検以外の処置の認識処理を実行する。重複した認識処理を排除し、処理量及び処理時間を低減するためである。
病変認識部233は、1つの内視鏡検査において取得した内視鏡画像について、病変の有無を認識する。病変の有無の認識とは、病変であることが確定的である部分の有無を認識することの他、病変の可能性がある部分(良性の腫瘍または異形成等)の有無を認識すること、及び/または、直接的または間接的に病変に関連する可能性がある特徴を有する部分(発赤等)を認識すること、を含む。
画像選択支援部223は、第2認識処理部222の各種認識結果を用いて、1つの内視鏡検査において取得する一連の複数の内視鏡画像の中から、レポート作成画面510及び/またはレポートにおいて使用する内視鏡画像(以下、キーイメージという)を自動的に選択する。具体的には、画像選択支援部223は、撮影位置認識部231の認識結果を用いて、内視鏡検査において取得した複数の内視鏡画像の中から、少なくともレポートにおいて使用することが定められている部分の内視鏡画像を、キーイメージとして選択する。レポートにおいて使用することが定められている部分には、病変の好発部位である等の理由で実質的に使用が定められているに等しい部分を含む。例えば、上部消化管の内視鏡検査においては幽門部の内視鏡画像等である。また、処置認識部232が処置を認識した場合、画像選択支援部223は、処置を認識した内視鏡画像の中から、一部または全部の内視鏡画像をキーイメージとして選択する。同様に、病変認識部233が病変を認識した場合、画像選択支援部223は、病変を認識した内視鏡画像の中から、一部または全部の内視鏡画像をキーイメージとして選択する。処置または病変を認識した内視鏡画像のうち一部を選択するのは、レポート作成画面510及び/またはレポートにおいて使用できる画像の枚数を必要最小限にするためである。なお、画像選択支援部223は、撮影位置認識部231の認識結果を用いて、内視鏡検査において撮影した部位を特定することにより、レポート作成画面510及び/またはレポートにおいて使用するシェーマ図を選択する。例えば、胃の内視鏡検査であれば、画像選択支援部223は、胃のシェーマ図を選択する。レポート作成画面生成部220は、画像選択支援部223が選択するシェーマ図及び1または複数のキーイメージを自動的に挿入した状態のレポート作成画面510を生成及び提供する。
第3認識処理部224は、少なくともレポートに使用する内視鏡画像について鑑別処理を行う。すなわち、第3認識処理部224は、画像選択支援部223が選択したキーイメージについて、鑑別処理を行う。鑑別処理とは、内視鏡画像に写る病変等について、その症状(病変の種別、及び/または、進行度等)を認識する処理をいう。このため、第3認識処理部224は、1または複数の鑑別部236を備える。第3認識処理部224は、1つのキーイメージにつき、1つの鑑別部236を備える。なお、画像選択支援部223の選択に依らず、医師がキーイメージを選択した場合、第3認識処理部224は医師が選択したキーイメージについて鑑別処理を行う。画像選択支援部223が選択したキーイメージを、医師が手動で選択し直した場合も同様に、第3認識処理部224は医師が選択したキーイメージについて鑑別処理を行う。なお、第3認識処理部224及び第3認識処理部224を構成する上記各部は、例えば、学習機能を有する人工知能(AI(Artificial Intelligence))である。
項目選択支援部226は、少なくとも第3認識処理部224の鑑別結果を用いて、レポートの記載項目を自動的に選択する。レポート作成画面生成部220は、レポートの記載項目を自動的に選択した状態のレポート作成画面510を生成及び提供する。また、項目選択支援部226は、さらに第2認識処理部222の各種認識結果を用いて、レポートの記載項目の選択することができる。
(5e)データベース等
内視鏡情報管理システム31が備えるデータベース156は、例えば、内視鏡42の洗浄状態及び履歴に係る情報を管理するための洗浄情報管理データベース、内視鏡画像を管理する内視鏡画像データベース、患者に係る情報を管理する患者情報データベース、各患者の検査に係る情報を管理する検査情報管理データベース、内視鏡検査を含む各種検査について作成したレポートを管理するレポート管理データベース、等からなる。本実施形態においては、内視鏡情報管理システム31がデータベース156を備えているが、上記各種データベースのうち、一部または全部が内視鏡関連業務システム10と接続する外部環境にある場合、内視鏡情報管理システム31は内蔵するデータベース156の代わりに、または、内蔵するデータベース156とともに、外部環境のデータベースを使用できる。
内視鏡情報管理システム31が備える操作部157は、例えば、キーボード、マウス、及び/またはタッチパネル等であり、ディスプレイ158はモニタまたはタッチパネル等である。本実施形態においては、内視鏡情報管理システム31は、操作部157及びディスプレイ158を有するが、外部端末(内視鏡情報管理システム31にアクセスするコンピュータ等)を操作部157及びディスプレイ158として使用する場合には、内視鏡情報管理システム31は操作部157及び/またはディスプレイ158を有しない構成とすることができる。通信部159は、有線または無線によって、直接的にまたは間接的に内視鏡関連業務システム10を構成する各部と接続する通信用のインターフェースである。内視鏡情報管理システム31の各部は、通信部159を用いて、内視鏡関連業務システム10の各部と通信し、各種情報を送受信する。
以下、上記のように構成する内視鏡関連業務システム10の作用、特に内視鏡情報管理システム31に係る動作の作用について説明する。
<内視鏡検査の準備>
図14に示すように、内視鏡検査前においては、内視鏡情報管理システム31は検査オーダ取得部171を用いて検査オーダを取得する(ステップS101)。検査オーダ取得部171が検査オーダを取得すると、内視鏡決定部172は、その検査オーダに係る内視鏡検査において使用する内視鏡装置21(プロセッサ装置46及び光源装置44)と、内視鏡42を決定する(ステップS102)。また、内視鏡情報管理システム31は、患者についての禁忌等の情報を収集する(ステップS103)。具体的には、内視鏡情報管理システム31は、挿入経路情報取得部173を用いて、その患者の過去の検査における内視鏡42の挿入経路に関する情報を取得し、かつ、禁忌情報取得部174を用いてその患者の禁忌情報を取得する。その後、内視鏡情報管理システム31は、検査前画面生成部181を用いて検査前画面251を生成し、モニタ48に表示する(ステップS104)。
図15に示すように、検査前画面251は、実施する内視鏡検査の情報を表示する第1表示部252と、過去に行った内視鏡検査に係る情報を表示する第2表示部253と、を有する。第1表示部252には、例えば、使用予定の内視鏡42の識別情報261(図15においては機種名「EGXXX」)と、患者名262(図15においては「富士 太郎」)と、患者ID263(図15においては「1234567890」)と、禁忌情報264(図15においてはアレルギーに係る「○×△」及び生検可否に係る「生検禁止」の情報)と、過去の挿入経路に基づいて定めた本内視鏡検査において推奨する内視鏡42の挿入経路267(図15においては「経鼻(右)」)と、を表示する。また、第2表示部253には、例えば、過去に行った当該患者の内視鏡検査のレポート268、及び/または、内視鏡画像等を表示する。
上記のように、内視鏡関連業務システム10においては、内視鏡情報管理システム31が、内視鏡検査及び内視鏡検査の準備に必要な情報を検査前画面251によってモニタ48に表示する。このため、内視鏡検査の準備をする医師またはスタッフは、他の資料またはデータ等を参照することなく、円滑に内視鏡検査の準備をすることができる。また、内視鏡検査の開始にあたり、医師は、検査前画面251から、内視鏡検査において注意すべき点、及び/または、過去の内視鏡検査の情報を一覧的に知得できるので、安全かつ円滑に内視鏡検査を開始できる。
図16に示すように、内視鏡検査の準備において内視鏡装置21に内視鏡42を接続すると(ステップS201)、接続検知部51がこれを検知する。このため、内視鏡接続監視部182は、接続した内視鏡42が、内視鏡決定部172が決定した使用予定の内視鏡42と異なるか否かを照合する(ステップS202)。接続した内視鏡42が、使用予定の内視鏡42と異なる場合、内視鏡接続監視部182は、報知部55を用いてその旨の警告する(ステップS210)。これにより、使用予定でない内視鏡42を内視鏡検査に使用することを防止でき、結果として安全に内視鏡検査を実施できる。
また、内視鏡装置21に内視鏡42を接続すると(ステップS201)、内視鏡情報管理システム31は、洗浄状態監視部191を用いて、接続した内視鏡42の洗浄状態を照合する。接続した内視鏡42の洗浄が正常に完了していない場合(ステップS203:NO)、または、洗浄完了後所定時間内出ない場合(ステップS204:NO)、洗浄状態監視部191は、報知部55を用いてその旨の警告する(ステップS210)。これにより、不清潔な内視鏡42または不清潔である可能性がある内視鏡42を内視鏡検査に使用することを防止でき、結果として安全に内視鏡検査を実施できる。
また、内視鏡検査の準備において、医師及び患者の識別情報等の情報を入力すると(ステップS205)、内視鏡情報管理システム31は、使用者監視部183を用いて、に有力した医師及び患者の情報を照合する。検査予定の医師及び患者でない場合(ステップS206)、使用者監視部183は、報知部55を用いてその旨を警告する(ステップS210)。これにより、予定と異なる医師または患者が内視鏡検査をすることを防止でき、結果として安全に内視鏡検査を実施できる。
上記のように、内視鏡関連業務システム10においては、内視鏡情報管理システム31による各種のチェックを経た後、内視鏡検査を開始できるようになる(ステップS211)。このため、安全に内視鏡検査を開始できる。
<内視鏡検査の実施>
図17に示すように、内視鏡検査を開始すると、内視鏡装置21は内視鏡画像を取得し、取得した内視鏡画像を検査中画面301によってモニタ48に表示する(ステップS301)。図18に示すように、検査中画面301は、例えば、順次取得する内視鏡画像321を表示する内視鏡画像表示部311と、「生検禁止」のマーク322等の内視鏡検査の実施の安全にかかる情報を表示する禁忌情報表示部312と、過去の内視鏡検査において取得した内視鏡画像323及び/または過去の内視鏡検査のレポート324等の参考情報を表示する参考情報表示部313と、を有する。過去の内視鏡検査において取得した内視鏡画像323は、画像取得部175が取得し、検査中画面301に挿入する。また、過去の内視鏡検査のレポート324は、レポート取得部176が取得し、検査中画面301に挿入する。一方、撮影位置認識部61は、取得及び表示する内視鏡画像321について順次、撮影位置の認識処理をする(ステップS310)。このため、撮影位置が変化した場合(ステップS312:YES)、内視鏡情報管理システム31は、検査中画面301の参考情報を適宜更新する。例えば、参考情報表示部313に過去の内視鏡検査において取得した内視鏡画像323を表示する場合、認識した撮影位置に応じて、参考情報表示部313に表示する過去の内視鏡検査において取得した内視鏡画像323を更新する。より具体的には、撮影した内視鏡画像321に対応する位置を撮影した、過去の内視鏡画像323を参考情報表示部313に表示する。このように、撮影位置を認識し、参考情報を自動的に更新することで、リアルタイムに適切な参考情報を参照できるので、医師は円滑に内視鏡検査を実施できる。
また、内視鏡検査中においては、処置認識部62が処置の有無等を認識することにより、内視鏡情報管理システム31は、生検監視部201によって生検の有無等を監視する。生検が合った場合(ステップS320:YES)、生検監視部201は生検に係る情報を取得し(ステップS321)、ラベルプリンタ制御部203は自動的にその生検に係る生検ラベル350を印刷する。従来の内視鏡検査においては、生検を行った場合、医師またはスタッフが、ラベルプリンタ22に生検に係る情報を入力して生検ラベル350を作製するが、内視鏡関連業務システム10においては上記のように生検ラベル350は生検を行うことにより自動的に作製するので、生検ラベル350の作成を従来よりも円滑に行うことができ、便利である。
図19に示すように、生検ラベル350は、例えば、「検体ラベル」等のタイトルの表示、「(1)」「(2)」「(3)」等の生検を行った順序の表示、生検を行った患者名(図19においては「富士 太郎」)、患者のID(図19においては「1234567890」)、及び、検体の採取部位(図19においては「胃」)の表示、等を含む。
この他、内視鏡検査中においては、画質認識部63が取得する内視鏡画像321の画質を認識し、未撮影部分認識部64が被写体の未撮影部分を認識する。そして、画質が適正でない場合(ステップS330:NO)、または、未撮影による見落としがある場合(ステップS340:NO)、報知部55はその旨の警告及び/または改善を促す通知等を報知する(ステップS350)。このため、内視鏡情報管理システム31を備える内視鏡関連業務システム10においては、これらの警告等がない従来の内視鏡装置等と比較して、見落とし低減し、適正な画質の内視鏡画像が得られやすい。すなわち、円滑かつ確実な内視鏡検査を実施できる。
なお、内視鏡関連業務システム10は、上記各種ステップを、検査終了(ステップS360:YES)まで適宜繰り返し実行する。
<内視鏡の洗浄>
図20に示すように、内視鏡検査後にベッドサイドにおいて使用した内視鏡42を1次洗浄する場合、内視鏡情報管理システム31は、1次洗浄管理部192を用いてモニタ48に1次洗浄情報入力画面401を表示する(ステップS401)。このため、内視鏡42の1次洗浄を行う医師またはスタッフは、内視鏡42の1次洗浄を実施すると、その場で1次洗浄に係る情報等の必要事項を入力することができる(ステップS402)。また、1次洗浄に係る情報の入力が完了すると、1次洗浄管理部192は、1次洗浄情報入力画面401の入力事項である1次洗浄に係る情報を取得し(ステップS403)、データベース156に登録する(ステップS404)。従来の内視鏡装置等においては、1次洗浄に係る情報の入力は、内視鏡装置21とは別の装置またはシステムを用いて別途入力しなければならないが、内視鏡関連業務システム10においては、1次洗浄を行った場で入力及び登録が完了するので、従来の内視鏡装置等と比較して、1次洗浄に係る情報入力の業務を円滑に行うことができる。
図21に示すように、1次洗浄情報入力画面401においては、1次洗浄の対象である内視鏡42の識別情報411(図21においては「EGXXX」)、1次洗浄を行った者である洗浄者の識別情報412(図21においては「山羊 太郎」)、洗浄の実施状況413(図21においては実施済みを示す「OK」アイコン)、防水キャップの取り付け状況414(図21においては取り付け済みを示す「OK」アイコン)、及び、漏水チェックの結果415(図21においては「異常なし」)等が、1次洗浄に係る情報として入力する項目である。洗浄者が洗浄完了ボタン416を押すと、1次洗浄管理部192はこれらの情報のデータベース156に自動的に登録する。
図22に示すように、洗浄消毒装置23を用いて本洗浄を行う場合、洗浄消毒装置23は、内視鏡識別部122を用いて洗浄消毒の対象である内視鏡42の識別情報を自動的に取得する(ステップS451)。また、洗浄消毒装置23は、洗浄者識別部123を用いて本洗浄を行う洗浄者の識別情報を取得する(ステップS452)。そして、洗浄消毒装置23は、これらの情報をタッチパネル115に表示する操作画面460に自動的に入力する(ステップS453)。
図23に示すように、操作画面460は、例えば、洗浄消毒装置23の動作状態を示すステータス表示461と、本洗浄及び1次洗浄に係る情報を入力する洗浄情報入力欄462、及び、洗浄開始ボタン465等を表示する。洗浄情報入力欄462のうち、本洗浄を行う内視鏡42の識別情報463、及び、本洗浄を行う洗浄者の識別情報464は改めて入力する必要はない。また、1次洗浄に係る情報は、洗浄消毒装置23が通信部121を用いて内視鏡情報管理システム31から取得し、自動的に入力完了状態となる。したがって、本洗浄を行う洗浄者は、本洗浄及び1次洗浄に係る情報を入力することなく、入力内容を確認して(ステップS454)、洗浄開始ボタン465を押すだけでよい(ステップS455)。このため、内視鏡関連業務システム10によれば、これらの入力が必要な従来の洗浄消毒装置等と比較して本洗浄を円滑に実施できる。
なお、洗浄者が洗浄開始ボタン465を押して本洗浄を開始した場合、または、本洗浄が完了した場合(異常終了した場合を含む)、洗浄消毒装置23は、通信部121を用いて本洗浄に係る情報を内視鏡情報管理システム31に自動的に送信する(ステップS456)。その結果、内視鏡情報管理システム31は、本洗浄管理部193を用いて、取得した本洗浄に係る情報を、自動的にデータベース156に登録する(ステップS457)。このため、内視鏡関連業務システム10によれば、これらの入力が必要な従来の管理システム等と比較して本洗浄を円滑に実施できる。
<レポートの作成>
内視鏡検査後にレポートを作成する場合、図24に示すように、レポートを作成する医師は、レポート作成装置24を用いて内視鏡情報管理システム31にアクセスする(ステップS501)。レポート作成装置24からのアクセスがあると、内視鏡情報管理システム31は、レポート作成画面生成部220を用いてレポート作成画面510を生成し、レポート作成装置24のディスプレイ131に表示する(ステップS502)。その際、医師は、患者及び/または内視鏡検査を特定する情報を指定する(ステップS503)。特定の患者及び内視鏡検査についての適正なレポート作成画面510の提供を受けるためである。
図25に示すように、レポート作成画面510は、患者の情報を表示する患者情報表示部511、キーイメージ等を表示するキーイメージ表示部512、レポートの一覧を表示するレポート一覧表示部513、及び、レポートの記載事項を入力するための操作部として機能する項目入力部514等を有する。なお、キーイメージ表示部512、レポート一覧表示部513、及び、項目入力部514等、レポートの作成に係る表示部または操作部は、レポート添付ボタン516を押すことにより表示する。
図26に示すように、キーイメージ表示部512は、シェーマ図を表示するシェーマ図欄520と、複数の内視鏡画像表示欄521~527を有する。内視鏡表示欄521に表示する内視鏡表示欄521に表示する内視鏡画像がキーイメージである。従来のレポート作成装置等においてシェーマ図は医師による手動入力であるが、内視鏡関連業務システム10においては、内視鏡情報管理システム31が第2認識処理部222及び画像選択支援部223を用いて自動的にシェーマ図を選択し、シェーマ図欄520に自動挿入する(ステップS504)。また、従来のレポート作成装置等においてキーイメージは医師による手動入力であるが、内視鏡関連業務システム10においては、内視鏡情報管理システム31が第2認識処理部222及び画像選択支援部223を用いて自動的にキーイメージを選択し、内視鏡画像表示欄521~527に自動挿入する(ステップS504)。したがって、内視鏡関連業務システム10によれば、従来のレポート作成装置等と比較して、円滑かつ迅速にレポート作成業務を遂行できる。
図27に示すように、レポート作成画面510の項目入力部514は、例えば、病変部位に係る項目を入力する病変部位項目入力欄531と、診断に係る項目を入力する診断項目入力欄532と、所見を入力する所見入力欄533と、処置及び/または検体に係る項目を入力する処置等入力欄534と、を有する。これらの各項目欄は、項目名を表示する項目名表示部と、入力する項目の候補を列挙する項目選択部と、を有する。項目名表示部は、項目選択部の表示と非表示を切り替える操作部としても機能する。
例えば、病変部位項目入力欄531は、「病変部位」を表す項目名表示部540と、第1項目入力欄541、第2項目入力欄542、第3項目入力欄543、第4項目入力欄544、第5項目入力欄545を備える。第1項目入力欄541は、撮影部位を大局的に選択する病変部位入力欄であり、例えば、食道、胃、十二指腸、及び、小腸が入力候補である。第2項目入力欄542は、第1項目入力欄541の選択項目を分類する項目の入力欄であり、第1項目入力欄541の選択項目によって列挙する項目が変化する。第3項目入力欄543は、第1項目入力欄541または第2項目入力欄542の選択項目をさらに分類する項目の入力欄であり、第1項目入力欄541または第2項目入力欄542の選択項目によって列挙する項目が変化する。また、第4項目入力欄544は、第1項目入力欄541、第2項目入力欄542、及び/または、第3項目入力欄543の選択項目をさらに分類する項目の入力欄であり、第1項目入力欄541、第2項目入力欄542、及び/または、第3項目入力欄543の選択項目によって列挙する項目が変化する。第5項目入力欄545は、病変部位に関する補足事項を入力する補足事項を任意に入力するための入力欄である。また、例えば、診断項目入力欄532は、「診断」を表す項目名表示部550と、第1項目入力欄551、第2項目入力欄552、第3項目入力欄553、第4項目入力欄554を備える。
項目入力部514の入力(選択)は、従来のレポート作成装置等においては、医師による手動入力である。これに対し、内視鏡関連業務システム10においては、内視鏡情報管理システム31が画像選択支援部223を用いてキーイメージを自動的に選択すると、これに続けて、第3認識処理部224の鑑別部236が各キーイメージに対して自動的に鑑別処理を実行する(ステップS505)。そして、項目選択支援部226が、第2認識処理部222の認識結果及び/または第3認識処理部224の鑑別結果を用いて、項目入力部514の入力項目の一部または全部を自動的に仮入力し、選択状態にする(ステップS506)。すなわち、内視鏡関連業務システム10においては、項目入力部514の入力項目の一部または全部が、自動的に選択された状態のレポート作成画面510を提供する。このため、医師は、入力内容を確認し(ステップS507)、入力内容を確定する確定ボタン519を押すという承認操作をするだけでレポートの作成が完了する。このため、内視鏡関連業務システム10によれば、項目入力部514の入力項目を手動で入力する場合と比較して、円滑かつ迅速にレポートを作成できる。また、項目の入力忘れを防止することもできる。
なお、レポート作成画面510において承認操作をすると、内視鏡情報管理システム31は、承認されたレポートを自動的にデータベース156に登録する(ステップS508)。
なお、上記実施形態において、内視鏡情報管理システム31の構成要素として示した各部のうち一部または全部は、内視鏡装置21(特にプロセッサ装置46)、ラベルプリンタ22、洗浄消毒装置23、または、レポート作成装置24に設けることができる。この場合、内視鏡装置21等が内視鏡情報管理システム31の各種機能を備える。このため、内視鏡情報管理システム31の機能を有する内視鏡装置21等を有するシステムは、上記実施形態の内視鏡関連業務システム10を構成する。
上記実施形態においては、内視鏡42は挿入型であるが、挿入型の内視鏡42の代わりに、被写体が嚥下して使用するカプセル内視鏡を用いることができる。
1次洗浄に係る情報、及び/または、本洗浄に係る情報には、誰に(どの患者に)使用した内視鏡42であるかを示す使用履歴に係る情報を含むことができる。このため、洗浄状態監視部191は、内視鏡42の洗浄状態だけでなく、使用履歴に係る情報を監視対象とすることができる。
上記実施形態において、プロセッサ装置46の各部、及び、内視鏡情報管理システム31の各部等、内視鏡関連業務システム10の各部のうち各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)、FPGA (Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGA、CPUとFPGAの組み合わせ、またはCPUとGPUの組み合わせ等)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた形態の電気回路(circuitry)である。