JP7109921B2 - ヒーターチューブ及びヒーター - Google Patents

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Description

本発明は、金属溶湯を加熱する際に当該金属溶湯に浸漬されるヒーターチューブに関する。更に、本発明は、そのようなヒーターチューブを備えたヒーターに関する。
従来、アルミニウム、アルミニウム合金などを鋳造する際、金属溶湯を鋳込みに適した温度に加熱保持する金属溶湯保持炉が用いられている。金属溶湯保持炉は、金属溶湯に浸漬され、当該金属溶湯を加熱保温するためのヒーターを有している。このようなヒーターとしては、例えば、ヒーターチューブ内で燃焼ガスなどの高温気流を対流させることにより金属溶湯を加熱する対流式のヒーター(下記特許文献1参照)、熱線の輻射熱により金属溶湯を加熱する輻射式のヒーター(下記特許文献2参照)などが知られている。
いずれの方式のヒーターにおいても、金属溶湯保持炉の運転コストを削減するため、加熱効率を向上させることが望まれている。ここで、対流式のヒーターを例にして、高温気流から金属溶湯への熱エネルギーの伝達プロセスを検討すると、次の通りである。すなわち、熱エネルギーは、(a)ヒーターチューブ内の高温気流からヒーターチューブの内面に伝達され、(b)ヒーターチューブの内面から外面に伝達され、そして、(c)ヒーターチューブの外面から金属溶湯に伝達される。以上の(a)~(c)のプロセスのうち、(a)のプロセスの熱伝達率が最も小さいことが分かっている。したがって、上記(a)のプロセスにおける熱伝達率を向上させることができれば、ヒーターの加熱効率を向上させることができ、金属溶湯保持炉の運転コストの削減に大きく貢献できることになる。
特開平11-347720号公報 特許第6148972号公報
本件発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、上記(a)のプロセスにおける熱伝達率を向上させるためには、ヒーターチューブ内での高温気流の対流時間を従来よりも長くすることが有効であることを知見した。
本発明は以上の知見に基づいている。すなわち、本発明は、ヒーターチューブ内での高温気流の対流時間をより長くすることにより、高温気流の熱エネルギーを金属溶湯に効率的に伝達させることが可能なヒーターチューブを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によるヒーターチューブは、金属溶湯を加熱する際に当該金属溶湯に浸漬されるものであり、有底筒形のチューブ本体を備え、このチューブ本体の内周面に、当該チューブ本体の中心軸線のまわりを螺旋状に延びる内側凸部または/及び内側凹部が設けられている。
また、本発明の第2の態様によるヒーターチューブは、金属溶湯を加熱する際に当該金属溶湯に浸漬されるものであり、有底筒形のチューブ本体を備え、このチューブ本体の内周面に、当該チューブ本体の軸線方向に進む高温気流を周方向に偏向させる内側凸部または/及び内側凹部が設けられている。
更に、以上のようなヒーターチューブを備えたヒーターも、本発明の範囲内である。
本発明によれば、ヒーターチューブ内での高温気流の対流時間を従来よりも長くすることにより、高温気流の熱エネルギーを金属溶湯に効率的に伝達させることが可能なヒーターチューブを提供することができる。
本発明によるヒーターチューブを備えた金属溶湯保持炉を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態によるヒーターチューブを示す概略縦断面図である。 図2の一点鎖線で示す領域IIIの拡大図である。 本発明の変形例によるヒーターチューブを示す概略縦断面図である。 本発明の更なる変形例によるヒーターチューブの内周面を示す概略的な展開図である。
以下に、添付の図面を参照して本発明の一実施の形態を詳細に説明する。
まず、ヒーターチューブ100の説明に先だち、図1を参照して、当該ヒーターチューブ100が用いられる金属溶湯保持炉1について説明する。
図1は、本発明によるヒーターチューブ100を備えた金属溶湯保持炉1を示す概略断面図である。金属溶湯保持炉1は、アルミニウム等の金属溶湯Lを保持する浴槽2と、浴槽2の側壁2sを貫通して当該浴槽2の外部から内部に水平に延在するヒーター3と、を備えている。図1に示すように、ヒーター3のうち浴槽2の内部に位置している部分は、金属溶湯Lに完全に浸漬している。
図1に示すように、ヒーター3は、セラミックス製のヒーターチューブ100と、ヒーターチューブ100内に配置された金属製の内筒4と、ヒーターチューブ100と内筒4との間隙に配置された着火部7と、を有している。ヒーターチューブ100は、有底筒形のチューブ本体10を備えている。チューブ本体10は、先端10t(図1における右端)が閉鎖され、基端10b(図1における左端)が開放されている。この基端10bは、燃料ガスと空気とをヒーターチューブ100内に供給する供給管6に接続されている。また、内筒4は、チューブ本体10と同軸に配置されており、先端4t及び基端4bが共に開放されている。内筒4の外周面とチューブ本体10の内周面とは、燃焼ガスの流路Cを画定している。そして、内筒4の基端4bには、燃焼ガスを排出するための排気管5が接続されている。
以上のような金属溶湯保持炉1では、供給管6から供給される燃料ガス及び空気が着火部7によって着火されることにより、高温気流である燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスは、チューブ本体10の内周面と内筒4の外周面とによって画定された流路C(図1参照)を当該チューブ本体10の先端10tに向かって流れる。そして、チューブ本体10の先端10tまで到達した燃焼ガスは、進行方向を180°変え、内筒4内を先端4tから基端4bに向かって流れる。その後、燃焼ガスは、排気管5を介して金属溶湯保持炉1の外部に排出される。このような燃焼ガスの流れから理解されるように、燃焼ガスの熱エネルギーは、燃焼ガスが着火部7からチューブ本体10の先端10tに向かって流れる際にヒーターチューブ100に伝達される。
次に、図2及び図3を参照して本発明の一実施の形態によるヒーターチューブ100について説明する。図2は、ヒーターチューブ100の概略縦断面図であり、図3は、図2の一点鎖線で示す領域IIIの拡大図である。
前述したように、ヒーターチューブ100は、有底筒形のチューブ本体10を備えている。図2に示すように、チューブ本体10は、金属溶湯保持炉1の浴槽2(図1参照)に埋め込まれる基部区画10sと、金属溶湯L(図1参照)に浸漬され、燃焼ガスが通過する流路区画10cと、を有している。基部区画10sと流路区画10cとの接続部分に、着火部7(図1参照)が配置されている。
図2に示すように、流路区画10cにおいて、チューブ本体10の内周面には、当該チューブ本体10の中心軸線Aのまわりを螺旋状に延びる内側凸部11が設けられている。本実施の形態の内側凸部11は、チューブ本体10の流路区画10cの全域に設けられている。そして、この内側凸部11によって、当該内側凸部11に挟まれた領域に螺旋状の内側凹部12が画成されている。この内側凹部12を通過して、燃焼ガスがチューブ本体10の先端10tまで流れることになる。また、図2及び図3に示すように、内側凸部11及び内側凹部12は、チューブ本体10の中心軸線Aに沿った断面において、中心軸線Aに対して傾斜した面Sを含んでいる。本実施の形態では、内側凸部11と内側凹部12との境界面の全部が傾斜した面Sとなっている。
次に、図3を参照して、内側凸部11及び内側凹部12について詳細に説明する。図3に示すように、内側凹部12が形成されている部分におけるチューブ本体10の流路区画10cの内径をDとする。このとき、チューブ本体10の縦断面において、本実施の形態の内側凸部11及び内側凹部12のピッチWは、内径Dの30%以上200%以下であることが好ましい。幅Wが内径Dの30%以上であると、ヒーターチューブ100を成形する際の脱型が容易であるという利点がある。一方、幅Wが内径Dの200%以下であると、燃焼ガスの対流時間を十分に確保することができ、燃焼ガスからヒーターチューブ100へ効率よく熱伝達されるという利点がある。
また、チューブ本体10の径方向内方への内側凸部11の突出量Hは、流路区画10cの内径Dの3%以上20%以下であることが好ましい。突出量Hが内径Dの3%以上であると、燃焼ガスは、中心軸線Aと平行にチューブ本体10の先端10tに向かうにつれ、内側凸部11を迂回しながら流れることとなる。この場合、燃焼ガスの対流時間を十分に確保することができるため、燃焼ガスからヒーターチューブ100への熱伝達の効率を十分に向上させることができる。一方、突出量Hが内径Dの20%以下であると、内側凸部11が内筒4(図1参照)と干渉することを回避できる。
以上の事情を考慮し、本実施の形態では、流路区画10cの内径Dを135mmとした上で、内側凸部11及び内側凹部12のピッチWを80mm(内径Dの約59%)に、内側凸部11の突出量Hを15mm(内径Dの約11%)に、それぞれ設定してある。
このようなヒーターチューブ100は、セラミックス(炭化ケイ素、窒化ケイ素等)とバインダとを含むスラリーを成形型に流し込んで焼成する鋳込み成形によって製造され得る。あるいは、セラミックスの原料粉末を成形型に充填して加圧成形するプレス成形によっても製造され得る。
次に、ヒーターチューブ100の作用について説明する。
上述したように、まず、供給管6から着火部7に向けて燃料ガス及び空気が供給される。燃料ガス及び空気が着火部7に到達すると、当該着火部7によって燃料ガスが着火され、高温気流である燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスは、チューブ本体10の流路区画10cにおいて、ヒーターチューブ100の内周面と内筒4の外周面とにより画定された流路C(図1参照)をチューブ本体10の先端10tに向かって流れ始める。
燃焼ガスは、間もなく、チューブ本体10の流路区画10cに螺旋状に設けられた内側凸部11に衝突し、当該内側凸部11に沿って進行方向が径方向に偏向される。このことにより、燃焼ガスは、内側凸部11によって画成された内側凹部12内を、チューブ本体10の先端10tに向かって螺旋状に流れる。このような螺旋状の経路は、着火部7から先端10tまでのチューブ本体10の中心軸線Aと平行な経路よりも長い。このため、チューブ本体10の内周面に内側凸部11及び内側凹部12が設けられていない場合と比較して、燃焼ガスの対流時間が相対的に長くなる。この結果、燃焼ガスからヒーターチューブ100への熱伝達がより良好に行われる。
ヒーターチューブ100に伝達された燃焼ガスの熱エネルギーは、当該ヒーターチューブ100の内面から外面に伝達され、その後、当該外面から金属溶湯L(図1参照)に伝達される。
前述したように、チューブ本体10の先端10tに達した燃焼ガスは、進行方向を180°変えて内筒4の先端4tの開口から当該内筒4の内部に流入し、チューブ本体10の中心軸線Aと平行に内筒4の基端4bに向かって流れる。内筒4の基端4bまで流れた燃焼ガスは、その後、排気管5を介して金属溶湯保持炉1の外部に排出される。
以上のような本実施の形態によれば、ヒーターチューブ100内での燃焼ガスの対流時間を従来よりも長くすることができるため、燃焼ガスの熱エネルギーを金属溶湯Lに効率的に伝達させることが可能なヒーターチューブ100を提供することができる。
また、チューブ本体10の中心軸線Aに沿った断面において、内側凸部11及び内側凹部12が当該中心軸線Aに対して傾斜した面Sを含むため、成形されたヒーターチューブ100を成形型からスムーズに取り外すことができる。なお、以上の実施の形態では、内側凸部11と内側凹部12との境界面が全て傾斜した面Sとなっているが、他の実施の形態では、当該境界面のうち、チューブ本体の基端10b側及び先端10t側のいずれか一方のみが傾斜した面Sとなっていて良い。この場合も、成形されたヒーターチューブ100を成形型からスムーズに取り外すことができる。
本実施の形態のヒーターチューブ100は、セラミックスから製造されている。このため、ヒーターチューブ100の長寿命化を達成することができる。
次に、図4を参照して、本発明の変形例によるヒーターチューブ200について説明する。
図4は、本発明の変形例によるヒーターチューブ200を示す概略縦断面図である。図4に示すように、ヒーターチューブ200は、燃焼ガスが通流する流路区画210cの内周面に、当該チューブ本体210の中心軸線Aのまわりを螺旋状に延びる内側凸部211が設けられている。そして、この内側凸部211によって、当該内側凸部211に挟まれた領域に螺旋状の内側凹部212が画成されている。内側凸部211及び内側凹部212の具体的な構造及び寸法は、上述した実施の形態と同様である。
また、図4に示すように、本変形例によるヒーターチューブ200は、チューブ本体210の外周面に、当該チューブ本体210の中心軸線Aのまわりを螺旋状に延びる外側凸部213が設けられている。外側凸部213は、チューブ本体210の流路区画210cの全域に設けられている。そして、この外側凸部213によって、当該外側凸部213に挟まれた領域に螺旋状の外側凹部214が画成されている。図4に示すように、外側凸部213は、チューブ本体210の内周面に内側凹部212が設けられている位置に設けられている。更に、外側凹部214は、チューブ本体210の内周面に内側凸部211が設けられている位置に設けられている。
更に、図4に示すように、外側凸部213と外側凹部214との境界面は、傾斜した面Tを含んでいる。この傾斜した面Tは、チューブ本体210の内周面に設けられた傾斜した面Sに対応する傾斜を有している。内側凸部211、内側凹部212、外側凸部213及び外側凹部214が以上のように形成されていることにより、チューブ本体210は、肉厚が実質的に均一になっている。具体的には、本変形例では、チューブ本体210の肉厚は、8mm以上12mm以下の範囲で実質的に均一になっているのが好ましい。
以上のような本変形例によるヒーターチューブ200は、上述したヒーターチューブ100と同様にして製造され得る。あるいは、ヒーターチューブ200は、チューブ本体210の外面形状に対応した成形型にセラミックスの原料粉末を含むスラリーを流し込み、一定時間経過後に成形型から余分なスラリーを排出する排泥鋳込み成形によって成形しても良い。このような排泥鋳込み成形によれば、成形型の内周面にスラリーを実質的に均一な厚さに付着させることができるため、実質的に均一な肉厚のヒーターチューブ200を容易に製造することができる。
以上のような本変形例によるヒーターチューブ200では、外側凸部213及び外側凹部214の存在によってチューブ本体210の外周面の表面積が増大されているため、ヒーターチューブ200から金属溶湯Lへより良好な熱伝達率が行われる。この他のヒーターチューブ200の作用は、上述したヒーターチューブ100の作用と同様である。このため、ここではその詳細な説明は省略する。
以上のような本変形例によっても、ヒーターチューブ200内での燃焼ガスの対流時間を従来よりも長くすることができるため、燃焼ガスの熱エネルギーを金属溶湯Lに効率的に伝達させることが可能なヒーターチューブ200を提供することができる。
また、チューブ本体210の中心軸線Aに沿った断面において、内側凸部211及び内側凹部212が当該中心軸線Aに対して傾斜した面Sを含み、外側凸部213及び外側凹部214が当該中心軸線Aに対して傾斜した面Tを含んでいる。このため、成形されたヒーターチューブ200を成形型からスムーズに取り外すことができる。とりわけ、ヒーターチューブ200が排泥鋳込み成形によって成形される場合、傾斜した面Tの存在によって、ヒーターチューブ200を成形型からスムーズに取り外すことができる。
もちろん、内側凸部211と内側凹部212との境界面のうち、チューブ本体の基端10b側及び先端10t側のいずれか一方のみが傾斜した面Sとなっており、且つ、外側凸部213と外側凹部214との境界面のうち、当該傾斜した面Sに対応する境界面のみが傾斜した面Tとなっていても良い。この場合も、成形されたヒーターチューブ200を成形型からスムーズに取り外すことができる。
更に、本変形例によるヒーターチューブ200もセラミックスから製造されている。このため、ヒーターチューブ200の長寿命化を達成することができる。とりわけ、チューブ本体210が略均一な肉厚を有していることにより、熱応力がヒーターチューブ200全体にわたって均等に作用する。このことにより、ヒーターチューブ200の更なる長寿命化を達成することができる。
なお、本変形例では、外側凸部213及び外側凹部214の存在によってチューブ本体210の外周面の表面積が増大されている。すなわち、本変形例によるヒーターチューブ200と金属溶湯Lとの接触面積は、上述したヒーターチューブ100と金属溶湯Lとの接触面積より大きい。この結果、ヒーターチューブ200から金属溶湯Lへの熱伝達率がより高められるため、燃焼ガスの熱エネルギーをより効率的に金属溶湯Lに伝達することができる。また、ヒーターチューブ200は、金属溶湯Lとの接触面積が増大されているため、輻射式のヒーター3(図1参照)に採用された際にも、当該ヒーター3の加熱効率を向上させることができる。
以上の実施の形態及びその変形例では、チューブ本体10、210の内周面に螺旋状の内側凸部11、211及び内側凹部12、212が設けられていた。しかしながら、このような例には限定されない。すなわち、本発明の目的を達成するためには、ヒーターチューブ内での高温気流の対流時間を従来よりも長くすることができればよい。このため、例えば、図5に示すような態様も考えられる。
図5は、本発明の更なる変形例によるヒーターチューブ300の内周面を示す概略図である。図5において、ヒーターチューブ300は、その中心軸線Aと平行な直線によって切り開かれた展開図として示されている。ただし、図5において、チューブ本体310の先端310tを閉鎖している円盤状の部分は、図示を省略してある。
図5に示すように、本変形例によるヒーターチューブ300は、チューブ本体310の内周面に、内側凸部311が設けられている。この内側凸部311が設けられていない領域は、相対的に窪んだ(中心軸線Aからの距離が内側凸部311より大きい)内側凹部312となっている。図5に示す例では、チューブ本体310の基端310bに最も近位の内側凸部311は、周方向に間隙gを挟んで断続的に2条形成されている。これらの内側凸部311のチューブ本体310の先端310t側にも、2条の内側凸部311が周方向に間隙gを挟んで断続的に形成されている。但し、これらの隣接する内側凸部311は、最も基端310b側の内側凸部311に対し、中心軸線Aのまわりに位相を90°ずらして形成されている。同様にして、チューブ本体310の周方向に間隙gを挟んで断続的に形成された各2条の内側凸部311が、位相を90°ずらしながら、当該チューブ本体310の先端310tに向かって一定の間隔で順次形成されている。したがって、間隙gも、位相を90°ずつずらしながら、チューブ本体310の先端310tに向かって一定の間隔で形成されている。
このような内側凸部311の配置により、図5に示すように、同一の位相にある2つの間隙g1、g2の間には、少なくとも1つの内側凸部311が必ず存在することになる。これら内側凸部311及び内側凹部312は、後述されるように、チューブ本体310の軸線方向Aに進む高温気流(例:燃焼ガス)、を周方向(図5における上下方向)に偏向させるように機能する。
この他の構成は、図2に示すヒーターチューブ100と同様である。このため、図5において図2と共通する構成部分には同様の符号を付し、ここでは、その詳細な説明は省略する。
次に、以上のヒーターチューブ300の作用について説明する。なお、以下の説明では、高温気体として燃焼ガスを例にして説明を行う。
上述したように、まず、供給管6から着火部7に向けて燃料ガス及び空気が供給される。燃料ガス及び空気が着火部7に到達すると、当該着火部7によって燃料ガスが着火され、燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスは、チューブ本体10の流路区画310cにおいて、チューブ本体310の内周面と内筒4の外周面とにより画定された流路C(図1参照)をチューブ本体310の先端310tに向かって流れ始める。燃焼ガスは、間もなく、チューブ本体310の内側凸部311に衝突し、その進行方向が径方向に偏向される。その後、燃焼ガスは、内側凹部312内を流れ、間隙gを通過してチューブ本体310の先端310tに向かって流れる。
前述したように、中心軸線Aのまわりに同一の位相にある2つの間隙g1、g2の間には、必ず内側凸部311が存在するため、間隙gを通過した燃焼したガスは、再び内側凸部311に衝突し、その進行方向が径方向に偏向される。そして、当該燃焼ガスは、内側凹部312内を流れ、次なる間隙gを通過してチューブ本体310の先端310tに向かって流れる。以後、燃焼ガスは、以上のように繰り返し進行方向を変えながら、内側凹部312内をチューブ本体310の先端310tまでジグザグに流れる。このようなジグザグの経路は、着火部7から先端310tまでのチューブ本体310の中心軸線Aと平行な経路よりも長い。このため、チューブ本体310の内周面に内側凸部311及び内側凹部312が設けられていない場合と比較して、燃焼ガスの対流時間が相対的に長くなる。このことにより、燃焼ガスからヒーターチューブ300への熱伝達がより良好に行われる。
ヒーターチューブ300に伝達された燃焼ガスの熱エネルギーは、上述したヒーターチューブ100、200と同様に、ヒーターチューブ300の内面から外面に伝わり、当該外面から金属溶湯L(図1参照)に伝達される。
チューブ本体310の先端310tに達した燃焼ガスは、進行方向を180°変えて内筒4の先端4tの開口から当該内筒4の内部に流入し、当該内筒4を経て排気管5から金属溶湯保持炉1の外部に排出される。
以上のような本変形例によっても、ヒーターチューブ300内での燃焼ガスの対流時間を従来よりも長くすることができるため、燃焼ガスの熱エネルギーを金属溶湯Lに効率的に伝達させることが可能なヒーターチューブ300を提供することができる。
また、チューブ本体310の中心軸線Aに沿った断面において、内側凸部311及び内側凹部312が当該中心軸線Aに対して傾斜した面(不図示)を含むため、成形されたヒーターチューブ300を成形型からスムーズに取り外すことができる。
また、本実施の形態のヒーターチューブ300は、セラミックスから製造されている。このため、ヒーターチューブ300の長寿命化を達成することができる。
なお、本変形例によるヒーターチューブ300においても、上述したヒーターチューブ200と同様に、チューブ本体310の内周面に内側凹部312が設けられている位置に外側凸部を設け、且つ、チューブ本体310の内周面に内側凸部311が設けられている位置に外側凹部を設けても良い。この場合、チューブ本体310が略均一な肉厚を有するように形成し得るため、熱応力がヒーターチューブ300全体にわたって均等に作用することになる。このため、ヒーターチューブ300の更なる長寿命化を達成することができる。更に、この場合、上述したヒーターチューブ200と同様に、ヒーターチューブ300と金属溶湯Lとの接触面積を増大させることができる。このことにより、ヒーターチューブ300から金属溶湯Lへの熱伝達率が高められるため、高温気体(例えば燃焼ガス)の熱エネルギーをより効率的に金属溶湯Lに伝達することができる。また、このようなヒーターチューブは、金属溶湯Lとの接触面積が増大されていることから、輻射式のヒーター3(図1参照)に採用された際にも、ヒーター3の加熱効率を向上させることができる。
なお、ヒーターチューブ内での高温気流の対流時間を従来よりも長くすることができれば、例えば、内側凸部311を中心軸線Aに対して傾斜して設けたり、当該内側凸部311を弧状に湾曲させて設けたりするなど、様々な変形がなされ得る。もちろん、このような変形例も、本発明の範囲内である。
また、以上の説明では、金属溶湯保持炉1として、ヒーターチューブ100、200、300が中心軸線Aを水平にして金属溶湯Lに浸漬されるタイプを例示したが、これには限定されない。すなわち、各ヒーターチューブ100、200、300は、当該ヒーターチューブ100、200、300が中心軸線Aを鉛直ないし傾斜させた角度から金属溶湯Lに浸漬されるタイプの金属溶湯保持炉にも、好適に採用され得る。
更に、以上の説明では、ヒーターチューブ100及びヒーターチューブ300については、対流式のヒーターに採用される例のみを示したが、もちろん、これらのヒーターチューブ100、300を、輻射式のヒーターに採用しても良い。
1 金属溶湯保持炉
2 浴槽
2s 側壁
3 ヒーター
4 内筒
4b 内筒の基端
4t 内筒の先端
5 排気管
6 供給管
7 着火部
10 チューブ本体
10b チューブ本体の基端
10c 流路区画
10s 基部区画
10t チューブ本体の先端
11 内側凸部
12 内側凹部
100 ヒーターチューブ
200 ヒーターチューブ
210 チューブ本体
210c 流路区画
211 内側凸部
212 内側凹部
213 外側凸部
214 外側凹部
300 ヒーターチューブ
310 チューブ本体
310b チューブ本体の基端
310c 流路区画
310t チューブ本体の先端
311 内側凸部
312 内側凹部

Claims (6)

  1. 金属溶湯を加熱する際に当該金属溶湯に浸漬されるヒーターチューブであって、
    有底筒形のチューブ本体を備え、
    前記チューブ本体の内周面に、当該チューブ本体の中心軸線のまわりを螺旋状に延びる内側凸部及び内側凹部が設けられており、
    前記チューブ本体の外周面に、当該チューブ本体の中心軸線のまわりを螺旋状に延びる外側凸部及び外側凹部が設けられており、
    前記外周面上の前記外側凸部は、前記内周面に前記内側凹部が設けられている位置に設けられており、
    前記外周面上の前記外側凹部は、前記内周面に前記内側凸部が設けられている位置に設けられており、
    前記内側凹部は、前記外側凸部に向かって入り込み、
    前記外側凹部は、前記内側凸部に向かって入り込み、
    前記チューブ本体の径方向内方への前記内側凸部の突出量は、前記チューブ本体の内径の3%以上20%以下である、ヒーターチューブ。
  2. 金属溶湯を加熱する際に当該金属溶湯に浸漬されるヒーターチューブであって、
    有底筒形のチューブ本体を備え、
    前記チューブ本体の内周面に、当該チューブ本体の軸線方向に進む高温気流を周方向に偏向させる内側凸部及び内側凹部が設けられており、
    前記チューブ本体の外周面に、当該チューブ本体の中心軸線のまわりを螺旋状に延びる外側凸部及び外側凹部が設けられており、
    前記外周面上の前記外側凸部は、前記内周面に前記内側凹部が設けられている位置に設けられており、
    前記外周面上の前記外側凹部は、前記内周面に前記内側凸部が設けられている位置に設けられており、
    前記内側凹部は、前記外側凸部に向かって入り込み、
    前記外側凹部は、前記内側凸部に向かって入り込み、
    前記チューブ本体の径方向内方への前記内側凸部の突出量は、前記チューブ本体の内径の3%以上20%以下である、ヒーターチューブ。
  3. 前記チューブ本体の中心軸線に沿った断面において、前記内側凸部及び前記内側凹部は、当該中心軸線に対して傾斜した面を含む、請求項1または2に記載のヒーターチューブ。
  4. 前記チューブ本体の中心軸線に沿った断面において、前記外側凸部及び前記外側凹部は、当該中心軸線に対して傾斜した面を含む、請求項3に記載のヒーターチューブ。
  5. 前記ヒーターチューブが、セラミックスからなる、請求項1~4のいずれか一項に記載のヒーターチューブ。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のヒーターチューブと、
    前記ヒーターチューブの内部に挿入された内筒と、を備え、
    前記内筒の外周面と前記ヒーターチューブの前記チューブ本体の内周面とが、高温気流の流路を画定する、ヒーター。
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