JP7109330B2 - 自動運転車に対応した機械式駐車設備 - Google Patents
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Description
この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「通知」は、駐車設備での場内アナウンス、視覚表示の他、利用者(運転者含む)の駐車設備用又は自動運転車用の機能を有する携帯端末に信号を送信してその通知機能(文字表示、光、音、振動など)を利用するもの、契約利用者(運転者含む)の予め登録された電話番号やメールアドレスを利用した通知などが含まれる。
図1は、一実施形態に係る機械式駐車設備1の入出庫部3を平面視で示す模式図であり、図2は、図1に示す入出庫部3の出入口4を示す正面図である。機械式駐車設備1としては、矩形状に形成された駐車塔2の正面側に出入口4が備えられ、出入口4には出入口扉(図示略)が設けられている。出入口4の内部が入出庫部3であり、パレット11に搭載された自動運転車Vを格納するエレベータ式駐車装置10が備えられている。図では、エレベータ式駐車装置10の格納部などの記載を省略している。出入口4の側方(図では右方)には、機械式駐車設備1の運転操作を行う操作盤6が設けられている。この実施形態では、操作盤6に制御装置7が内蔵されている例を示している。
自動運転車Vを入庫させて駐車させる際の流れを説明する。機械式駐車設備1に入庫する自動運転車Vが出入口4の前に到着して停車させられる。自動運転車Vは、有人(手動運転又は自動運転)で到着しても、無人(道路に面した入場ゲートや建物のエントランスなどで乗員及び荷物が降ろされた状態)で到着してもよい。
駐車設備1は駐車準備(パレット呼びなど)を行い、出入口扉を開いて、駐車装置10の動作をロックする(ロック条件1)。次に、駐車設備1は、「入庫開始可」状態になったことを自動運転車Vの車載通信装置50に対して信号を送信し、自動運転車Vは車載通信装置50がこれを受信すると入庫動作を開始する。自動運転車Vは、入出庫部3の状況の画像認識、測距センサ、車速パルス等による自律走行で、出入口4を通って入出庫部3に入庫を開始する。駐車設備1にビーコンなどを備えて自動運転車Vの自律走行を支援しても、駐車設備1から自動運転車Vを誘導操作してもよい。誘導する場合、パレット11の周囲に描かれた矩形ライン16を利用した誘導ができる。
自動運転車Vの入庫の際、走行停止検知手段が自動運転車Vの走行停止を検知してから所定時間経過後に、駐車状態検知手段が自動運転車Vが適正駐車状態でないことを検知した場合は、駐車装置10の管理者(保守会社を含む)又は自動運転車Vに関連付け(紐付け)られた利用者に通知するようにできる。この通知は、例えば、駐車設備1での場内アナウンス、視覚表示などによってできる。また、利用者(運転者含む)の駐車設備用又は自動運転車用の機能を有する携帯端末に信号を送信してその通知機能(文字表示、光、音、振動など)を利用するもの、契約利用者(運転者含む)の予め登録された電話番号やメールアドレスを利用した通知などを利用することができる。
図3は、自動運転車Vのパーキングブレーキの制動状態を検知する制動状態検知装置20の第1実施形態を示す側面図である。図4は、図3に示す制動状態検知装置20の一部変更例を示す側面図である。図3に示すように、パーキングブレーキの制動状態検知装置20としては、パレット11(車載置手段)をローラ21(支持装置)により支持し、パレット11を固定部に対して前後方向に進退可能としている。パレット11の裏面には、ローラ21に当接してパレット11の前後移動量を制限する制限部材22が設けられている。パレット11は、前後方向に推力を与える電動シリンダ23(駆動装置)が固定部に取り付けられ、シリンダ先端の係合部24がパレット11の裏面の被係合部25と係合されている。固定部に設けられた測距センサ26(移動速度、応答時間などを検出する応答検知装置)は、自動運転車Vの車体との前後方向距離をリアルタイムに測定可能となっている。この例では、電動シリンダ23のストロークを越えてパレット11が逸脱するのを防止する制限部材22が備えられている。
パレット11の自重による慣性力と、自動運転車Vの車体重量に対応したタイヤの転がり抵抗や車軸の回転抵抗に応じた加速度でパレット11は車進行方向に移動するが、自動運転車Vはこれに追従しない(移動量及び加速度がパレットよりかなり小さくなるか、移動しない)。電動シリンダ23の駆動負荷は相対的に小さい。
パレット11の自重と自動運転車Vの重量による慣性力に応じた加速度でパレット11車体は推力方向に移動する。車体の移動量及び加速度はパレット11と概ね同一となる。電動シリンダ23の駆動負荷は相対的に大きい。
機関停止状態検知手段による自動運転車Vの機関停止検知は、自動運転車Vに備えられた発信手段からの信号に含まれる機関運転又は停止情報(エンジンOFF、EVのメインスイッチOFFなど)を受信して判定することができる。また、内燃機関駆動車に対しては、音センサ(機関の音)又は振動センサ(機関の振動)の検知出力に基づいて機関停止又は非停止を検知して判定する手段などを用いることができる。自動運転車Vが電動車(EV、HEV、PHEVのモータ駆動状態を含む)の場合、機関停止状態検知手段は、表示装置(パイロットランプ)の画像処理による検知手段、インバータノイズの受信による検知手段などを用いることができる。
次に、上記自動運転車Vの入庫時に人などの他の物体が進入したことを検知する物体検知手段について説明する。
図6は、図2に示す入出庫部3の出入口4における第2例の通過物体検知手段による物体の検知例を示す正面図である。この例では、出入口4の開口の上部には、図5と同様の測距センサとして第1エリアセンサ31と第2エリアセンサ32とが備えられている。第1エリアセンサ31と第2エリアセンサ32とは、出入口4の全幅における中間部の所定距離(例えば、1000mm)を除いて、左右位置に取り付けられている。また、出入口扉の外側(又は出入口扉の内側、出入口扉の戸当たり面でもよい)には、出入口4の開口部を横断する水平センサたる光電センサ33(例えば、公知のレーザ、マイクロ波等による通過検知手段)が設けられている。
上記した自動運転車入庫モードによる自動運転車Vの入庫が完了すると、自動運転車入庫モードは終了して従来車両と共通の制御モードに移行する。駐車設備1は、入庫した自動運転車Vの認証情報と格納先(格納棚番号)を関係付けて記憶し、次の入庫・出庫に待機する。自動運転車Vか否かの判定結果の記憶は、必要に応じて削除する。
自動運転車Vの出庫については詳述しないが、運転者が入出庫部3に入って自動運転車Vに乗車して出庫することができる。また、運転者がリモコンなどの操作によって自動運転車Vを入出庫部3の出入口4の外まで自動運転で出庫させ、運転者が出入口4の前で乗車するようにしてもよい。
以上のように、上記機械式駐車設備1によれば、自動運転車Vは、入庫進入時から運転者Mも同乗者も設備外待機とし、降車の際の指令に基づく自律走行又は駐車装置10の誘導による自動運転によって入出庫部3内の停止位置に無人で移動する構成において、自動運転車Vの自動運転によって支障なく格納することが可能となる。また、自動運転車Vの入庫の際に運転者Mなどの物体の進入を適切に防止することも可能になる。
上記した実施形態では、機械式駐車設備1としてエレベータ式駐車装置10が備えられた例を説明したが、駐車装置は地下式(水平多層、箱型循環、パズル式、平面往復式など)やバース式やパレットレス方式などの各種方式を適用することができ、限定されるものではない。
3 入出庫部
4 出入口
6 操作盤
7 制御装置
10 エレベータ式駐車装置
11 パレット(車載置手段)
12~15 物体検知センサ
20 制動状態検知装置(駐車状態検知手段)
23 電動シリンダ
26 測距センサ
30 測距センサ(通過物体検知手段)
31 第1エリアセンサ(通過物体検知手段)
32 第2エリアセンサ(通過物体検知手段)
33 光電センサ(通過物体検知手段)
35 カメラ(通過物体検知手段)
36 第1カメラ(通過物体検知手段)
37 第2カメラ(通過物体検知手段)
40 走査型測距センサ(通過物体検知手段)
41 第1走査型測距センサ(通過物体検知手段)
42 第2走査型測距センサ(通過物体検知手段)
50 車載通信装置
V 自動運転車
Claims (10)
- 少なくとも自動運転車が格納可能な駐車装置を備えた機械式駐車設備であって、
前記自動運転車を検知する自動運転車検知手段と、
前記自動運転車が走行停止したことを検知する走行停止検知手段と、
前記自動運転車が所定位置で駐車したことを検知する駐車状態検知手段と、を有し、
前記駐車状態検知手段は、パーキングブレーキの制動状態検知装置を含み、
前記制動状態検知装置は、停止位置において前記自動運転車の車載置手段に対して車進行方向に所定の水平力を加える駆動装置と、前記車載置手段の車進行方向への移動を可能とする支持装置と、前記自動運転車又は前記車載置手段の応答検知装置と、を備え、
前記自動運転車の入庫の際、前記走行停止検知手段が前記自動運転車の走行停止を検知し、且つ前記駐車状態検知手段が前記自動運転車の駐車状態が適正駐車状態であることを検知しない限り、前記駐車装置は少なくとも前記自動運転車の搬送開始の運転が行えないように構成されている、機械式駐車設備。 - 少なくとも自動運転車が格納可能な駐車装置を備えた機械式駐車設備であって、
前記自動運転車を検知する自動運転車検知手段と、
前記自動運転車が走行停止したことを検知する走行停止検知手段と、
前記自動運転車が所定位置で駐車したことを検知する駐車状態検知手段と、
前記自動運転車が入出庫時に通過する出入口を有する入出庫部と、を備え、
前記入出庫部は、前記出入口を通過する物体が前記自動運転車のみか否かを検知する通過物体検知手段を備え、
前記通過物体検知手段は、前記自動運転車の入庫の際、前記出入口を前記自動運転車以外の物体が単独又は前記自動運転車と同時に通過したことを検知した場合、警告及び所定の操作の少なくとも一方が実行されるまではその後の前記駐車装置の運転が行えないように構成され、
且つ前記自動運転車の入庫の際、前記走行停止検知手段が前記自動運転車の走行停止を検知するとともに、前記駐車状態検知手段が前記自動運転車の駐車状態が適正駐車状態であることを検知しない限り、前記駐車装置は少なくとも前記自動運転車の搬送開始の運転が行えないように構成されている、機械式駐車設備。 - 前記通過物体検知手段は、物体の進入と退出を区別することが可能に構成され、
前記自動運転車の入庫の際、前記出入口を前記自動運転車以外の物体が単独又は前記自動運転車の通過と同時に進入したことを検知した場合、警告及び所定の操作の少なくとも一方が実行されるまではその後の前記駐車装置の運転が行えないように構成されている、
請求項2に記載の機械式駐車設備。 - 前記通過物体検知手段は、前記出入口の略全幅に亘り、垂直方向に投受光するセンサ又は略垂直方向に撮像する撮像装置と、前記センサ又は前記撮像装置の出力に基づいて、前記出入口を通過した物体の個数が2以上又は通過した物体の大きさが所定の閾値の上限・下限の範囲外であるとき、前記自動運転車以外の物体であると判定する判定装置と、を有している、
請求項2又は3に記載の機械式駐車設備。 - 前記通過物体検知手段は、前記出入口の中間部を除く略全幅に亘り、垂直方向に投受光する垂直センサ又は略垂直方向に撮像する撮像装置と、前記出入口の幅方向に水平に物体を検知する水平センサと、を有し、
前記垂直センサ又は前記撮像装置と前記水平センサの出力に基づいて、前記出入口を通過した物体の個数が2以上又は通過した物体の大きさが所定の閾値の上限・下限の範囲外であるとき、前記自動運転車以外の物体であると判定する判定装置を有している、
請求項2又は3に記載の機械式駐車設備。 - 前記通過物体検知手段は、水平面内で少なくとも前記出入口の略全幅を走査する走査型測距センサと、前記走査型測距センサの出力に基づいて、前記出入口を通過した物体の個数が2以上又は通過した物体の大きさが所定の閾値の上限・下限の範囲外であるとき、前記自動運転車以外の物体であると判定する判定装置と、を有している、
請求項2又は3に記載の機械式駐車設備。 - 前記自動運転車検知手段は、前記自動運転車を予め登録した登録情報と、前記自動運転車の入庫時における認証情報との照合による前記自動運転車の検知手段か、前記自動運転車に備えられた発信手段からの信号に含まれる自動運転車識別情報の受信による前記自動運転車の検知手段か、のいずれかで構成されている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の機械式駐車設備。 - 前記自動運転車の入庫の際、前記走行停止検知手段が該自動運転車の走行停止を検知してから所定時間経過後に、前記駐車状態検知手段が前記自動運転車が適正駐車状態でないことを検知した場合は、少なくとも前記駐車装置の管理者又は前記自動運転車に関連付けられた利用者に通知するように構成されている、
請求項1~7のいずれか1項に記載の機械式駐車設備。 - 前記駐車状態検知手段は、前記自動運転車の機関停止を検知する機関停止状態検知手段を有し、
少なくとも前記自動運転車の入庫の際、前記機関停止状態検知手段で前記自動運転車の機関が停止していないことを検知している間は、前記駐車装置は少なくとも前記自動運転車の搬送開始の運転が行えないように構成されている、
請求項1~8のいずれか1項に記載の機械式駐車設備。 - 前記機関停止状態検知手段は、前記自動運転車に備えられた発信手段からの信号に含まれる機関運転又は停止情報を受信して判定する検知手段か、内燃機関駆動車に対して、音センサ又は振動センサの出力に基づいて機関停止又は非停止を検知する検知手段か、の少なくともいずれかを含む構成となっている、
請求項9に記載の機械式駐車設備。
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