JP7108959B1 - 生石灰暖房機 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来、暖房や給湯のための燃料として石油や石炭などを燃焼させていたため、二酸化炭素を多く発生し、地球温暖化の元となってきた。そこで、可燃物の燃焼に代えて生石灰が水と素早く反応して発熱する消和反応を利用し、かつ、反応によって生成される消石灰を回収して利用する。該一連の工程を断続的に連続して操作することの出来る暖房機を提供する。【解決手段】 原料を生石灰とし、原料供給装置と、注水装置と、注水により消和反応を起こして発生した熱と高温の水蒸気の熱を外部に伝導して放熱するとともに、生成物を底部に貯留するためのチャンバーおよび攪拌棒と生成物排出羽根を装備した消和反応装置と、生成物の生成物熟成装置を備え、これらの各装置を連動させて、生石灰から消和反応による発熱の利用を経て消石灰を製造する一連の工程を連続的に操作することを特徴とする生石灰暖房機。【選択図】図2

Description

本発明は、石油、ガス、石炭、木材などの可燃物を燃焼させて得られる熱に代わって、生石灰が水と素早く反応して発熱する水和反応または消和反応による熱を暖房、給湯やロードヒーティングなどの循環水の加温に利用するとともに、反応後の生成物を消石灰として回収する行程を連続的に操作する暖房機に関する。以下では、水和反応または消和反応を単に消和反応と呼ぶ。
従来、暖房、給湯や床暖、ロードヒーティングなどの循環水を加温する方法としては、熱源のための燃料として主に石油、ガス、石炭などの化石燃料、電気などを使用している。化石燃料は燃焼による発熱の利用であり、電気においても燃料の燃焼によって作られることが多い。燃焼は二酸化炭素の排出量も多いことから地球温暖化や公害の元凶とされているため使用の改善が強く求められている。また、我が国においては化石燃料のほとんどを輸入に頼っており供給量も価格も不安定である。したがって、これらに代わる国産の新しい燃料の開発と使途が望まれている。
そこで、日本の各地で生産と供給が可能な生石灰の活用が有益であり、生石灰は現在唯一純国産の天然資源として全国各地で石灰石から生産されている。また、近年は貝殻からも焼成されるようになり、産業廃棄物として邪魔者扱いされていた廃棄物が有効利用されるなど石灰の生産と供給は十分ある。石灰は一般家庭を始め産業の鉄鋼、化学、建設、土木,医療、食品などあらゆる方面で幅広く活用され、私たちの生活においても産業にとっても必要不可欠な物資である。
石灰の発熱材料としての利用は、生石灰への注水などによる消和反応などでの発熱反応を利用するものであり、燃焼ではない。したがって、利用に際しては、製造時の焼成をする際には二酸化炭素を発生するものの、生石灰を利用するときの、例えば消和反応では水蒸気と微量の水素を発生するのみで二酸化炭素の排出はない。また、その消和反応により生成される生成物も消石灰として広く各産業や生活に有効利用される。特に建設、土木、農業や浄水などでは地球の土壌や川に還元されるため自然循環としての理想的な物資である。また、石灰は二酸化炭素を吸収する物質としても活用されており脱二酸化炭素に向けた貴重な物資でもある。したがって、今後更なる有効利用が望まれている。
従来の先行技術として、特許文献1は生石灰から消石灰を製造する方法であり、その過程での発熱を利用するものではない。
また、特許文献2、3は、簡易加熱剤として活用されるものではあるが一時的に単発での発熱効果を利用したものであり、長時間にわたって連続的に反応を繰り返し継続させて連続的な発熱効果を利用したものではない。したがって、本発明とは技術的および使用方法に大きな違いがある。
特開2018-527273 特開2016-067416 特開2007-236893
従来、暖房、給湯や床暖、ロードヒーティングなどの循環水を加温する方法として、主に石油、ガス、石炭などの化石燃料など、可燃物を燃焼させることによる発熱を利用していた。しかし、これらの燃焼は地球温暖化など公害となる二酸化炭素の排出量も多く、また、我が国においては化石燃料のほとんどを輸入に頼っているため供給量についても価格についても不安定であり高価でもある。そこで、可燃物を燃焼させて得られる熱に代わって、生石灰が水と素早く反応して発熱する消和反応による熱を、暖房、給湯や循環水などの加温に使用するとともに、使用した後の生成物である消石灰を回収して有効利用する。該一連の行程を断続的に連続して操作することのできる暖房機を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成とした。原料である生石灰を貯留するための原料タンク(15)と、その原料を供給する原料供給コンベアー(17)とで構成されている原料供給装置(a)と、供給された生石灰に高温注水するために、発生する水蒸気の高温部にらせん状に巻かれた注水加温管(27)とシャワー状に注水するシャワーヘッド(28)を有する注水装置(b)と、注水による水和により消和反応を起こして発熱した高温と、発生した高温の水蒸気を滞留させるための第1蒸気室(29)、第2蒸気室(30)と、消和反応後に生成された生成物を底部に貯留するための、金属製など熱伝導性が良く放熱性の高い筒状のチャンバー(2)と、その中で、供給された原料と水とを均平かつ均等に混和して水和させ、消和反応を促進させて高発熱反応を獲得するための攪拌棒(37)と生成される生成物を排出するための生成物排出羽根(38)とを装備した消和反応装置(c)と、生成物を回収して熟成させ、均質な消石灰を製造するための生成物熟成装置(d)を備え、これらの各装置を連動させて、原料の供給から消和反応による発熱の利用を経て生成物である消石灰を製造する一連の工程を連続的に操作することを特徴とする生石灰暖房機。
暖房、給湯や床暖、ロードヒーティングなどの循環水を加温する方法として、主に石油、ガス、石炭などの化石燃料など、可燃物を燃焼させることによる発熱を利用していたが、これらの燃焼は公害となる二酸化炭素の排出量も多く、また、我が国においてはこれらの燃料のほとんどを輸入に頼っており供給量についても価格においても不安定であり高価でもあった。それらの燃料に代わって生石灰が水と素早く反応して発熱する消和反応による発熱を利用することによって、発熱量は少ないが主暖房でも補助暖房でも使用することが出来、さらに、使用に際しての排出は水蒸気と微量の水素のみで公害となる二酸化炭素を排出しないため大気を汚染することはなく、また、消和反応による発熱を利用した後の生成物も消石灰として回収して有効利用することが出来るため自然循環型の自然に優しい暖房機となった。また、原料も純国産として全国各地で生産し供給が可能である。
さらに、当該暖房機は、暖房に止まらず、化石燃料などによる従来の暖房機と同様に熱交換器を装備すれば給湯や床暖房、ロードヒーティング、ルーフヒーティング、などの循環水の加温や農業用ハウスの加温など広範囲に利用することができるし、暖房や給湯と同時に生成される生成物である消石灰は、土壌改良や消毒、脱臭、浄水場の下水・汚水処理になど広く利用できる。特に農業においては、従来、土壌改良のために購入していた生石灰、消石灰と暖房用石油に代わり、生石灰を購入するだけで暖房に使用し、生成された消石灰を土壌改良や消毒などに利用することにより、石油と消石灰の購入費を節減できる。さらに、生成された消石灰を製品として販売するシステムを構築することにより生石灰の購入費を低減できるため、当該暖房機のランニングコストをより安価なものとすることが出来る。
生石灰の取扱については、例えば、家庭暖房用の灯油では消防法の危険物第4類に指定されるなど危険性が大きいが、生石灰は、消防法の危険物からは除外され危険物の規制に関する政令で規定されているのみで、取り扱いも灯油と比べて安全で容易である。
生石灰や消石灰そのものは可燃物ではないので、機体の製造においても消和反応による発熱部分とその周辺は金属製などの不燃性部材を使用する必要性はあるが、それ以外は、木製でも合成樹脂など耐熱部材にこだわらなくても良いため、製造、保守管理も安価で済む。
生石灰の消和反応を促進させて、より高温の発熱反応を得るために、アルミ粉や液状反応助剤などの反応促進剤を原料に混和したり添加したりする方法もある。しかし、この場合、利用した後の生成物が例えばアルミ粉を添加すれば生成物はアルミ酸カルシウムとなるなど純粋な消石灰にならないことから、その後の利用範囲が制限されたり、添加物により原料代が高価になったりする。そこで、発熱効果は最大ではないが暖房や給湯として利用した後に生成される消石灰の用途も鑑みて総合的な好循環が果たせるようにするために、利用価値の高い生石灰を使用することが望ましいが、状況により使用することが出来る。当該生石灰暖房機で添加物や反応助剤を使用する場合は、温度センサーやタイマー、リレーなどの設定を変更することによって可能である。また、生石灰は微粒化することによっても反応は促進される。
本発明の実施形態を示す外観斜視図。 同生石灰暖房機透視斜視図。 同原料供給装置透視斜視図。 同注水装置および消和反応装置透視斜視図拡大図。 同生成物熟成装置透視斜視図。 同熱交換装置透視斜視図。
以下、図1から図6に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の生石灰暖房機に係る実施形態を示す外観斜視図、図2は、生石灰暖房機の透視斜視図、図3は、原料供給装置の透視斜視図、図4は、注水装置および消和反応装置透視斜視拡大図、図5は、生成物熟成装置の透視斜視図、図6は、熱交換装置の斜視図であり、図3から図5は原料供給から熟成生成物である消石灰製造までの各工程を装置別に説明した図である。図6は、給湯やロードヒーティングなどの循環水の加温をするための熱交換装置を表したものである。なお、図の説明に際しては、該生石灰暖房機(A)に向かっての左右の位置で説明する。
図1は、本発明の生石灰暖房機に係る実施形態を示す外観斜視図で、生石灰暖房機(A)は、全体が直方体の形状を呈した生石灰暖房機体(1)の中に、原料供給装置(a)、注水装置(b)、消和反応装置(c)、生成物熟成装置(d)が収納されており、給湯やロードヒーティングなどに使用する場合は熱交換器(e)もチャンバー(2)の外周に装備されて収納され、内部中央に消和反応を起こさせ、それによって発熱した熱を外部に伝導して放熱するための本暖房機の主要な熱源となるチャンバー(2)があり、該暖房機に向かって右上面には原料タンク蓋埋込取手(3)が装備された原料タンク蓋(4)、左上面には生成物熟成タンク蓋埋込取手(5)の装備された生成物熟成タンク蓋(6)、前面右下部に操作盤(7)が装備されており、本機の運転スイッチ(8)、運転ランプ(9)、運転異常ランプ(10)、運転温度調整スイッチ(11)、消石灰搬出スイッチ(12)、右側面には制御ボックス扉(13)、本機中央の前面から上面にかけて安全格子(14)が装備されている。(61)は消石灰を機体外に搬出する際に使用する消石灰搬出扉である。
図2は、生石灰暖房機透視斜視図で、主に一点鎖線で囲まれた部分は、原料供給装置(a)、丸点線で囲まれた部分は注水装置(b)、実線で囲まれた部分は消和反応装置(c)、二点鎖線で囲まれた部分は、生成物熟成装置(d)を表しており、点線で囲まれた生石灰暖房機体(1)内に収納され、それぞれが連動して一連の工程を連続して操作する。
図3は、原料供給装置(a)で、原料タンク(15)、原料タンク蓋(4)、原料タンク蓋埋込取手(3)、原料供給モーター(16)、原料供給コンベアー(17)、原料供給筒(18)、原料供給感知器(19)、で構成されており、原料タンク(15)の底面は、後方から前方の原料供給コンベアー(17)の取り込み口に向けて傾斜しており原料が原料供給コンベアー(17)に速やかに供給されるようになっている。
また、原料供給コンベアー(17)の原料供給筒(18)には原料供給感知器(19)が装備されている。原料供給感知器(19)は、原料供給筒(18)の上端を支点としたハッチ式の丸型ダンパーとマイクロスイッチからなるもので、原料が原料供給筒(18)からチャンバー(2)に流出する際にダンパーを押し開け、この時マイクロスイッチが働いて原料が供給されていることを感知して制御ボックス(20)の原料供給制御リレー(21)に信号を送る。また、原料供給感知器(19)のハッチ式の丸型ダンパーは注水や消和反応によって発生する水や蒸気が侵入することにより、原料供給筒(18)や原料供給コンベアー(17)内の原料の水和を防止する。
図4は、注水装置(b)および消和反応装置(c)で、原料供給コンベアー(17)の原料供給筒(18)から原料が供給されると原料供給感知器(19)が作動し、送られた信号は原料供給制御リレー(21)で処理されて、まずは、注水ポンプ(22)と注水電磁弁(23)に送られる。注水装置(b)は、外部の水道管(24)と接続され水圧調整室(25)に溜められる。溜められて減圧された水は注水ポンプ(22)により一定の圧力で送水され、注水管(26)と注水電磁弁(23)と渦巻き状の注水加温管(27)を通って注水シャワーヘッド(28)からシャワー状に原料に向けて注水される。
水圧調整室(25)は、高圧の水道水を直接注水シャワーヘッド(28)から注水すると、圧力が高いために原料を突き抜けてチャンバー(2)の底部に到達して溜まるため、原料全体に均一に注水されて均一な消和反応が促進されないのを防止するためである。
注水管(26)の途中に注水電磁弁(23)を設けたのは、注水ポンプ(22)からの水が注水シャワーヘッド(28)から不用意に漏れて注水量が正確に制御出来なくなることを防止するためである。
渦巻き状の注水加温管(27)は、消和反応による発熱が高温の注水ほど反応が促進されて、より高温が得られるからで、チャンバー(2)の上部で消和反応による発熱と同時に発生する高温の蒸気を使って注水加温管(27)内の水を加温するためのものである。注水シャワーヘッド(28)は、棒状の注水では原料にまんべんなく均一に加水されないままチャンバー(2)の底部に達し滞留してしまうことと、原料やチャンバー(2)内の温度低下を防止するためであり、逆に霧状では注水が原料の深部まで速やかに至らず、また、必要とする注水量に至るまでに時間を要し迅速な消和反応が行われない。
原料の消和反応での発熱による高温を如何に確保し高温のままチャンバー(2)内に保持するかは、反応熱により発生した高温の水蒸気を如何に高温のまま保持するかにもかかっている。したがって、チャンバー(2)の直上には、第1蒸気室(29)とさらにその上に第2蒸気室(30)を設け、生石灰暖房機体(1)外には第2蒸気室(30)の排気筒(33)から排気される。チャンバー(2)から第1蒸気室(29)、第1蒸気室(29)から第2蒸気室(30)、第2蒸気室(30)から排気筒(33)に蒸気が抜ける蒸気口には第1蒸気室弁(31)と第2蒸気室弁(32)、排気弁(34)がそれぞれ装備されている。当該第1蒸気室弁(31)と第2蒸気室弁(32)は、チャンバー(2)も各蒸気室も高圧にする必要はなく、容易に高温の蒸気が漏出させない程度で良いので、弁は蒸気口の上に重板の蓋を被せる程度で良い。また、排気筒(33)の排気弁(34)も排気筒(33)の入り口内に、重心が下部にあり、通常は垂下して閉じているバタフライ型のダンパーが装着されており、蒸気が容易に排出されることと冷たい外気が流入するのを防止している。
原料供給コンベアー(17)の原料供給筒(18)から原料が供給されると原料供給感知器(19)が作動して送られる信号は、原料供給制御リレー(21)で処理されて、注水ポンプ(22)と注水電磁弁(23)に送られると同時に、攪拌モーター(35)にも送られるため、連結されている攪拌軸(36)に装備されている攪拌棒(37)とチャンバー(2)の底部に装着されている生成物排出羽根(38)も回転する。
生成物排出羽根(38)は、初期にチャンバー(2)内に供給された原料と注水された水とを均平かつ均等に混和し消和反応を促進させることと、消和反応によって生成された生成物をチャンバー(2)の左低側部に装備されている生成物排出口(39)から外に排出するためのものである。
攪拌棒(37)は、チャンバー(2)の下部から上部にかけて水平に回転するように装備されている。
これは、原料は最初に供給され始めてから順次消和反応が開始されながら上方に堆積されるため、最初に供給された原料の消和反応とその後に供給された原料の消和反応との間には時間差があり進捗度合いが異なるため、それぞれの異なる進捗状況の消和反応の原料全体を攪拌することは発熱効果を低下させるため好ましくない。そこで、極力消和反応の進捗状況の同じ層のみの攪拌をして均平かつ均等な消和反応を促進させることが望ましいためである。
攪拌棒(37)と生成物排出羽根(38)の回転は、原料供給が予め設定された時間を経過して原料供給が一時停止すると原料供給感知器(19)からの信号を受けて原料供給制御リレー(21)が働き、攪拌モーター(35)にも一時停止の信号が送られるため停止する。
チャンバー(2)内に原料が供給されて消和反応が始まり発熱温度が高温になるとチャンバー(2)の中央部の外側に装備されている送風機温度センサー(46)が作動し送風機(47)が稼働して温風の送風を開始する。
次に、時間の経過とともにチャンバー(2)の底部では消和反応が終息し発熱量も低下して生成物の温度が低下すると、チャンバー(2)左低側部の生成物排出口(39)の近傍に装備されている生成物排出センサー(41)が作動し、制御ボックス(20)の生成物排出制御リレー(42)を通して攪拌モーター(35)を駆動させる。したがって、攪拌モーター(35)は原料供給時と生成物排出時に回転することになり、生成物排出羽根(38)と攪拌棒(37)が回転する。
生成物排出制御リレー(42)からは同時にスライドゲートモーター(43)にも信号を送るため駆動して連動しているスライドゲート(40)を摺動して開け、同時に回転を始めている生成物排出羽根(38)により生成物が生成物排出口(39)から生成物排出箱(44)に排出される。
この時、攪拌棒(37)も同時に回転するが、原料が供給され始めてから時間が経過して最後に供給された原料の消和反応も進んでいるが、注水された水が原料全体にまんべんなく水和されていないことがあるため再度各層を水平に攪拌し混和することによって、消和反応の遅延している原料の反応と発熱を促す上で有効である。また、消和反応の終了した生成物は固化するため、攪拌によって砕いて固化を防止し、チャンバー(2)の底部で行われている生成物の排出を速やかに行うよう生成物の降下を促す働きをする。
スライドゲート(40)は、運転が継続されている最中は消和反応が終息し発熱量も低下して温度が低下した生成物が滞留しているチャンバー(2)の左低側部の生成物排出センサー(41)が温度低下を感知して作動し、制御ボックス(20)の生成物排出制御リレー(42)からの指令により稼働するが、運転を停止していた状態から運転を開始するときは、チャンバー(2)の温度も低いので生成物排出センサー(41)も作動しスライドゲート(40)も開口する。
しかし、これでは、生成物排出羽根(38)も回転しているため、前時の運転終了時にチャンバー(2)の低部に消和反応を終了した生成物が残留している場合は生成物だけが排出されるが、前時運転終了時に生成物の残留がない場合は、新しく供給された消和反応の未熟な原料が排出されてしまうため、原料の無駄が生じてしまう。そこで、新たに運転を始動するときは、生成物排出センサー(41)から低温度の信号が送られても生成物排出リレー(42)のタイマーにより遅延してスライドゲートモーター(43)に指令が来るためスライドゲート(40)も始動と同時には開かない。
タイマーが切れるころには、新しく供給された原料も水和反応を開始し発熱も起こっているため生成物排出センサー(41)も低温度を感知することがなくスライドゲート(40)も開かず、新しい原料も排出されない。
残留生成物がある場合は、新しく供給される原料は前時の残留生成物の上に供給されるので、生成物排出リレー(42)のタイマーが切れるころには生成物の温度が低いため生成物排出センサー(41)が働いてスライドゲート(40)も開き、生成物排出羽根(38)も回転しているので、生成物排出口(39)から古い生成物が排出される。やがて、新しく供給された原料の消和反応による発熱によりスライドゲート(40)も閉じられ、生成物の排出も停止する。
運転中の生成物の排出は、生成物排出センサー(41)の温度感知により生成物排出制御リレー(42)が働き、スライドゲートモーター(43)の駆動によってスライドゲート(40)が開閉する。この時、生成物搬送コンベアーモーター(54)と生成物熟成攪拌機モーター(55)も連動して稼働したり停止したりする。
この間、チャンバー(2)の中央部外壁に装備されているチャンバー温度センサー(45)が温度低下を感知すれば、制御ボックス(20)の原料供給制御リレー(21)に信号を送り、原料供給コンベアー(17)と注水ポンプ(22)、注水電磁弁(23)と攪拌モーター(35)が稼働して新しい原料が供給され、新たな消和反応が開始されて設定されたチャンバー(2)の温度が維持される。
原料の供給は、チャンバー(2)内に生成物が残っていても、その上に新しい原料が供給されて設定温度を維持するように繰り返しこの工程を断続的に連続して行う。もし、何かの原因により原料や生成物がチャンバー(2)の容量の上限を超えるように堆積された場合はチャンバー(2)上部に装備されている原料オーバーフロー防止センサー(48)が作動して全ての装置を停止し、機体に向かって前面右下部の操作盤(7)の運転異常ランプ(10)が点灯する。
図5は、生成物熟成装置(d)の透視斜視図で、生成物熟成タンク(49)は円筒形の形状を呈しており底部は消石灰搬出コンベアー(50)の取り入れ口に向けて円錐状となっており、消石灰が速やかに搬出できるようになっている。
生成物熟成タンク(49)の上面には生成物熟成タンク蓋埋込取手(51)の装備された生成物熟成タンク蓋(52)があり生成物の熟成状態などの点検やメンテナンスができる。
生成物熟成タンク(49)には、消和反応装置(c)の左低側部に装備されている生成物排出箱(44)に装備されている生成物搬送コンベアー(53)の生成物搬送コンベアーモーター(54)の駆動により生成物排出箱(44)に排出された生成物が搬送されて生成物熟成タンク(49)に投入される。
生成物搬送コンベアー(53)の駆動は生成物排出センサー(41)の検知によりスライドゲートモーター(43)と連動したスライドゲート(40)の摺動による生成物排出口(39)の開口と同時に始まり閉口とともに停止する。また、生成物搬送コンベアー(53)の稼働とともに生成物熟成攪拌機モーター(55)と連動している生成物熟成攪拌棒(56)も稼働する。
これによって、チャンバー(2)の底部で生成された生成物は生成物排出羽根(38)で砕かれて排出され、さらに、生成物搬送コンベアー(53)により搬送されながら粉砕冷却され、さらに、生成物熟成タンク(49)の生成物攪拌棒(56)によっても攪拌粉砕されて均質化され冷却されて、生成物熟成タンク(49)内で消石灰となる。
消石灰は、消石灰搬出コンベアーモーター(57)と連動した消石灰搬出コンベアー(50)により搬出される。消石灰搬出コンベアー(50)の上端部に装備されている消石灰搬出筒(58)は上下に折り曲げることが出来、搬出しないときは下方に折り曲げて機体内に収納する。この時、装備されている消石灰搬出停止スイッチ(60)が働き機体内に消石灰が漏れ出たりする誤作動を防止する。
機体外に消石灰を搬出するには、機体に向かって機体の左側面に装着されている消石灰搬出扉(61)を開け、消石灰搬出筒(58)を上方に上げて機体外に出し、袋などの容器に投入する。
消石灰搬出コンベアー(50)の作動と同時に生成物熟成攪拌モーター(55)および生成物攪拌棒(56)も稼働して、消石灰の速やかな搬出を助長する。
また、生成物が生成物熟成タンク(49)の容量を超えて漏出することを防止するために生成物オーバーフロー防止センサー(59)が装備されている。オーバーした場合は、全ての作動を停止して、運転異常ランプ(10)が点灯する。
図6は、給湯や床暖、ロードヒーティングなどの循環水を加温するための熱交換装置(e)で、ロードヒーティングなどのパネルヒーター(67)に接続した使用方法を模した図である。
熱交換器(62)は、消和反応装置(c)の金属製などの熱伝導性の高い材質で作られているチャンバー(2)の最も高温が得られる外側中央部に、熱伝導性の高いらせん状に巻かれた加温管(63)が密接されており、該外側は断熱材(64)により外部への放熱を防止している。
加温管(63)を最も高温を得ることが出来るチャンバー(2)内に装備しないのは、チャンバー(2)内は生石灰や生石灰の消化反応による生成物などが水和状態で存在するため、付着したり固化したりして熱交換効率が低下したり、加温管(63)によって攪拌による均平や混和、さらには原料や生成物の速やかな降下および排出が妨げられるのを防止するためである。
熱交換器(62)の加温管(63)内への循環水は、加温管(63)に連接されている温水循環パイプ(65)に装備されている温水循環ポンプ(66)によりチャンバー(2)の下層部から高温が得られる上層部に送られ、熱交換器(62)の外で連接されている循環パイプ(65)を通ってパネルヒーター(67)などを循環する。運転や停止、温度調節は温度センサーの組み込まれた温度調整器(68)により行う。
消和反応を促進させて、より高温の発熱を確保するため、原料に反応促進剤を混合したり添加したりして使用する場合は、温度センサーやタイマー、リレーの設定変更によって使用することが出来るし、給湯、床暖やロードヒーティングなどの循環水を加温するために熱交換装置(e)も装着して使用することが出来る。また、チャンバーの発熱部分や熱交換器の加温管などは金属製など熱伝導性の高い材質で作り、その周辺以外は、木や合成樹脂など金属製や耐熱性にこだわらない材質での製造も可能である。
本生石灰暖房機の右上面にある原料タンク蓋埋込取手(3)を持ち上げ、原料タンク蓋(4)を開けて原料である生石灰を投入し、蓋を閉め、本機に向かって前面右下方にある操作盤(7)の運転スイッチ(8)を操作して電源を入れる。運転ランプ(9)が点灯して運転が開始される。何らかの異常がある場合は運転異常ランプ(10)が点灯して運転は開始されない。運転が開始されれば、運転温度調整スイッチ(11)を操作して温度設定をする。
運転が開始されれば、原料供給装置(a)の原料供給モーター(16)と連動されている原料供給コンベアー(17)が稼働して、原料供給筒(18)、原料供給感知器(19)、を通って原料である生石灰がチャンバー内に供給される。この時、原料供給コンベアー(17)の原料供給筒(18)に装備されている原料供給感知器(19)により原料が供給されたことを感知して制御ボックス(20)の原料供給制御リレー(21)に信号を送る。
原料供給感知器(19)からの信号は注水装置(b)の注水ポンプ(22)と注水電磁弁(23)と攪拌モーター(35)にも送られる。
注水装置は、外部の水道管(24)と接続され水圧調整室(25)に溜められ、減圧された水が注水ポンプ(22)により一定の圧力で送水され、注水管(26)と注水電磁弁(23)、渦巻き状の注水加温管(27)を通って注水シャワーヘッド(28)からシャワー状に原料に向けて注水される(例えば1:1)。
原料供給と注水と同時に攪拌モーター(35)も駆動し、連結されている攪拌軸(36)に装備されている攪拌棒(37)とチャンバー(2)の底部に装備されている生成物排出羽根(38)も回転するので、生成物排出羽根(38)が、初期にチャンバー(2)内に供給された原料と注水された水とを均平にし、かつ均等に混和して消和反応が開始され、発熱も始まり、順次供給される上方の原料へと波及して、同時に蒸気も発生し、チャンバー(2)内の温度も最高温に向かう。やがて、消和反応装置(c)のチャンバー(2)の中央部外側に装着してある送風温度センサー(46)が検知し(例えば90℃)、チャンバー(2)の後方に装備している送風機(47)が稼働して温風が送られる。このころ、発熱により発生した水蒸気も第1蒸気室(29)から第2蒸気室(30)を経て排気筒(33)から徐々に排気される。
原料供給は、設定された時間(例えば1分)で原料供給コンベアー(17)が停止し、原料供給が一時停止すると原料供給感知器(19)からの信号を受けて原料供給制御リレー(21)が働き、攪拌モーター(35)にも一時停止の信号が送られるため停止する。
次に、時間の経過(例えば最初の原料供給から20分)とともにチャンバー(2)の底部では消和反応が終息し発熱量も低下して生成物の温度が低下(例えば60℃)するとチャンバー(2)左低側部の生成物排出口(39)の近傍に装備されている生成物排出センサー(41)が作動し、制御ボックス(20)の生成物排出制御リレー(42)を通して攪拌モーター(35)を駆動させる。
生成物排出制御リレー(42)からは同時にスライドゲートモーター(43)にも信号を送るため駆動してスライドゲート(40)を開け、同時に回転を始めている生成物排出羽根(38)により生成物が生成物排出口(39)から生成物排出箱(44)に排出される。さらに、生成物排出制御リレー(42)からの指令によりスライドゲート(40)と連動して、生成物搬送コンベアー(53)と生成物熟成攪拌機モーター(55)も駆動して生成物が生成物熟成タンク(49)に搬送される。
生成物の排出は、生成物排出センサー(41)の温度感知(例えば80℃)により生成物排出制御リレー(42)が働き、スライドゲートモーター(43)が駆動してスライドゲート(40)が閉まり、攪拌モーター(35)、生成物搬送コンベアー(53)、生成物熟成攪拌機モーター(55)も停止する。
次に、チャンバー(2)の中央部外壁に装備されているチャンバー温度センサー(45)が温度低下(例えば90℃)を感知すれば、制御ボックス(20)の原料供給制御リレー(21)に信号を送り、原料供給コンベアー(17)と注水ポンプ(22)、注水電磁弁(23)と攪拌モーター(35)が稼働して新しい原料と水が供給され、新たな消和反応が開始されて設定されたチャンバー(2)の温度あ(例えば140℃)が維持される。
原料の供給は、チャンバー(2)内に生成物が残っていても、その上に新しい原料が供給されて設定温度を維持するように繰り返しこの工程を間欠的に連続して行う。もし、何かの原因により原料や生成物がチャンバー(2)の容量の上限を超えるように堆積された場合はチャンバー(2)上部に装備されているオーバーフロー防止センサー(48)が作動し全ての装置を停止するとともに、該暖房機に向かって前面右下部の操作盤(7)の運転異常ランプ(10)が点灯する。また、その他の部所で異常が起きても運転異常ランプ(10)が点灯し、全ての装置が停止する。そのため、温度やタイマー、リレーは、原料供給や生成物排出のバランスを取り、チャンバー(2)内や生成物熟成タンク(49)の内容物が容量をオーバーしないように予め設定しておく。
生成物熟成タンク(49)で冷却熟成されて製造された消石灰を生石灰暖房機体(1)外に搬出するには、機体に向かって左側面に装着されている消石灰搬出扉(61)を開け、消石灰搬出筒(58)を上方に上げ、機体外に出して袋などの容器を用意する。次に、該暖房機に向かって前面右下部の操作盤(7)にある消石灰搬出スイッチ(12)を操作すると、消石灰搬出コンベアー(50)の作動と同時に生成物熟成攪拌モーター(55)および生成物攪拌棒(56)も回動して、消石灰が消石灰搬出筒(58)から容器に投入される。
給湯や床暖およびロードヒーティングなどの循環水を加温するための熱交換装置(e)を装着して使用する場合は、既述のとおり本生石灰暖房機(A)を通常運転し、温度センサーの組み込まれた温度調整器(68)により操作して使用する。
生石灰暖房機のチャンバー(2)内の点検やメンテナンスは、チャンバー(2)上部に装備されている第1蒸気室(29)および第2蒸気室(30)を取り外して行う。
本生石灰暖房機は、可燃物を燃焼させないので燃焼の炎が出ないため、視覚的に暖房としての暖かみが感じられない場合は、チャンバー(2)の前面に温度に応じて赤変するような炎を模したLEDランプを点灯させるとか、温度によって変化する温度感知シールを貼る方法もある。
A 生石灰暖房機。
a 原料供給装置。
b 注水装置。
c 消和反応装置。
d 生成物熟成装置。
e 熱交換装置。
1 生石灰暖房機体
2 チャンバー
3 原料タンク蓋埋込取手
4 原料タンク蓋
5 生成物熟成タンク蓋埋込取手
6 生成物熟成タンク蓋
7 操作盤
8 運転スイッチ
9 運転ランプ
10 運転異常ランプ
11 運転温度調整スイッチ
12 消石灰搬出スイッチ
13 制御ボックス扉
14 格子
15 原料タンク
16 原料供給モーター
17 原料供給コンベアー
18 原料供給筒
19 原料供給感知器
20 制御ボックス
21 原料供給制御リレー
22 注水ポンプ
23 注水電磁弁
24 水道管
25 水圧調整室
26 注水管
27 注水加温管
28 シャワーヘッド
29 第1蒸気室
30 第2蒸気室
31 第1蒸気弁
32 第2蒸気弁
33 排気筒
34 排気弁
35 攪拌モーター
36 攪拌軸
37 攪拌棒
38 生成物排出羽根
39 生成物排出口
40 スライドゲート
41 生成物排出センサー
42 生成物排出制御リレー
43 スライドゲートモーター
44 生成物排出箱
45 チャンバー温度センサー
46 送風機温度センサー
47 送風機
48 原料オーバーフロー防止センサー
49 生成物熟成タンク
50 消石灰搬出コンベアー
51 生成物熟成タンク蓋埋込取手
52 生成物熟成タンク蓋
53 生成物搬送コンベアー
54 生成物搬送コンベアーモーター
55 生成物熟成攪拌機モーター
56 生成物攪拌棒
57 消石灰搬出コンベアーモーター
58 消石灰搬出筒
59 生成物オーバーフロー防止センサー
60 消石灰搬出停止スイッチ
61 消石灰搬出扉
62 熱交換器
63 加温管
64 断熱材
65 温水循環パイプ
66 温水循環ポンプ
67 パネルヒーター
68 温度調整器

Claims (4)

  1. 原料である生石灰を貯留するための原料タンク(15)と、その原料を供給する供給コンベアー(17)とで構成されている原料供給装置(a)と、供給された生石灰に高温注水するために、発生する水蒸気の高温部にらせん状に巻かれた加温管(27)とシャワー状に注水するシャワーヘッド(28)を有する注水装置(b)と、注水による水和により消和反応を起こして発熱した高温と、発生した高温の水蒸気を滞留させるための第1蒸気室(29)、第2蒸気室(30)と、消和反応後に生成された生成物を底部に貯留するための熱伝導性が良く放熱性の高い筒状のチャンバー(2)と、その中で、供給された原料と水とを均平かつ均等に混和して水和させ、消和反応を促進させて高発熱反応を獲得するための攪拌棒(37)と生成される生成物を排出するための生成物排出羽根(38)とを装備した消和反応装置(c)と、生成物を回収して熟成し均質な消石灰を製造するための生成物熟成装置(d)を備え、これらの装置を連動させて、原料の供給から消和反応による発熱の利用を経て生成物である消石灰を製造する一連の工程を連続して操作することを特徴とする生石灰暖房機。
  2. 消和反応を促進させて、より高温の発熱を確保するため、原料に反応促進剤を添加する請求項1に記載の生石灰暖房機。
  3. 給湯、床暖やロードヒーティングなどの循環水を加温するために熱交換装置(e)装着した請求項1に記載の生石灰暖房機。
  4. チャンバーの発熱部分や熱交換器の加温管などは金属製など熱伝導性の高い材質で作り、その周辺以外は、木や合成樹脂など金属製や耐熱性にこだわらない材質で製造した請求項1に記載の生石灰暖房機。



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