JP2008188497A - 石灰サイクルを活用した産業廃棄物の処理方法 - Google Patents

石灰サイクルを活用した産業廃棄物の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高含水産業廃棄物を、CO2の排出量を削減でき、低コストで、かつ短時間で処理が可能な、産業廃棄物の処理方法を提供すること。
【解決手段】下記A、B、C及びDの工程を含む産業廃棄物の処理方法。
A:産業廃棄物を含水率50質量%以上に調整して高含水産業廃棄物を得る工程
B:上記A工程で得た高含水産業廃棄物100質量部に、生石灰50〜150質量部及び水和反応調整触媒を混合して、水和反応させ、消石灰を得る工程
C:上記B工程で得た消石灰を500℃以上で焼成し、生石灰を再生する工程
D:上記C工程で再生した生石灰を上記B工程の生石灰として再利用する工程
【選択図】図1

Description

本発明は、産業廃棄物の新しい処理方法に関し、詳しくは、石灰サイクルを用いた産業廃棄物の処理方法に関する。本発明の処理方法は、特に、含水率50質量%以上の高含水産業廃棄物の処理に好適である。
わが国の石灰石は、セメント工業を始めとして多分野に使用され、大量に消費されている。しかも、自給自足でき全国に広く分布しているわが国唯一の鉱物資源でもある。
石灰は、比較的安価な塩基としてだけでなく、反応性、硬化性、ガス吸収性、有機物との親和性等が、注目され、地球環境保全のための不可欠な資材としてその用途を広げている。
産業廃棄物のうち、高含水産業廃棄物(汚泥、廃油、廃液、食品残渣等)の処理は、焼却・埋め立て・堆肥化が主に行われている。
しかし、含有水分の除去・臭気・輸送・保管・処理コスト・堆肥の流通等に問題があり再資源化が進んでいない。
具体的には、特に汚泥や期限切れ食品を含む生ごみ等の食品残渣は排出量が多い上に腐敗や臭気の問題もあるため、貯留や運搬を含めた処理全般に多くの問題を抱えている。こうした高含水産業廃棄物の処分法としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されているような焼却処理設備を用いた焼却処理が一般的である。
しかし、これら高含水産業廃棄物は、水分が多いため燃えにくく、石油等の助燃材を多量に消費する。これは水の蒸発潜熱が大きい(100 ℃で2257 kJ/kg)ことに起因する。これら従来の焼却処理によるエネルギーの浪費はCO2による地球温暖化を促進する等の問題を有する。
一方、生石灰を用いた高含水産業廃棄物の処理方法が、特許文献3及び特許文献4に提案されている。
特許文献3には、高含水産業廃棄物に生石灰を添加し、高含水産業廃棄物中の水分を脱水して脱水後の固形分の一部をセメント原料に混入して利用する方法が開示されている。
しかし、セメント原料として再利用できるのは、一部の固形分であり、残りは産業廃棄物となり、高含水産業廃棄物の処理の問題は解決されていない。また、使用した生石灰は再利用することはできず、資源の節約という点でも問題が残る。
特許文献4には、高含水産業廃棄物中の水分を、透水性の袋に充填した生石灰を用いて吸水し、高含水産業廃棄物の体積を小さくする(濃度を高める)方法が開示されている。
この方法では、生石灰を袋に充填して用いているため、加熱により生石灰を再利用することが可能であるが、高含水産業廃棄物の減水方法であるため、高含水産業廃棄物の処理の問題は解決されていない。
特開2006−207947号公報(段落〔0002〕〜〔0008〕、図3及び図4参照) 特開2007−10210号公報(段落〔0002〕〜〔0005〕及び図4参照) 特開平11−42500号公報 特開2002−18500号公報
従って、本発明の目的は、高含水産業廃棄物を、CO2の排出量を削減でき、低コストで、かつ短時間で処理が可能な、産業廃棄物の処理方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、高含水産業廃棄物の処理に石灰サイクルを利用することにより、詳しくは高含水産業廃棄物を生石灰と混合し、その水和反応を利用して脱水・昇温・吸着を行い、生石灰を微粉末状の消石灰に消化させ、さらに、その消石灰を焼成して生石灰にすることにより、上記目的が達成し得ることを知見した。
即ち、本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記A、B、C及びDの工程を含む産業廃棄物の処理方法を提供するものである。
A:産業廃棄物を含水率50質量%以上に調整して高含水産業廃棄物を得る工程
B:上記A工程で得た高含水産業廃棄物100質量部に、生石灰50〜150質量部及び水和反応調整触媒を混合して、水和反応させ、消石灰を得る工程
C:上記B工程で得た消石灰を500℃以上で焼成し、生石灰を再生する工程
D:上記C工程で再生した生石灰を上記B工程の生石灰として再利用する工程
本発明の産業廃棄物の処理方法によれば、CO2の排出量が削減され、低コストで、かつ短時間で、産業廃棄物、特に高含水産業廃棄物の処理を行うことができ、省エネルギー、資源の節約、産業廃棄物の処理、環境保全や、経済的効果が得られる。具体的には、下記(1)〜(3)の効果が得られる。
(1)生石灰の水和反応の反応熱により、高含水産業廃棄物中の水分の約70質量%を除去することができ、石灰を利用しない通常の焼却処理方法と比べて、約1/3のエネルギーで処理ができることから、省エネルギー、低コストによる経済的効果が得られる。
(2)処理に用いられる生石灰は、焼成炉で再生されて生石灰として再利用でき、高含水産業廃棄物中の可燃成分(ig.Loss)は、焼成炉の燃料として利用できることから、資源の節約及び産業廃棄物の処理ができる。
(3)高含水産業廃棄物中の有機物は、Caイオンとイオン結合による化合物を形成することで、無機化(無害化)され、焼成炉で発生する酸性ガスは生石灰に吸収され、悪臭物質は、消石灰中の水酸化物イオンとイオン結合により無臭化合物となるため、環境保全効果が得られる。
以下、本発明の産業廃棄物の処理方法を、好ましい実施の形態について図面を参照しながら工程順に説明する。
図1は、本発明の産業廃棄物の処理方法の好ましい実施形態の一例を示すフローシートである。図1中、1は高含水産業廃棄物を投入する廃油・廃液タンクを示し、2は生石灰を供給する生石灰サイロを示し、3は高含水産業廃棄物及び生石灰を攪拌混合する連続式シングルシャフトミキサーを示し、4は水和反応により発生する水蒸気及び生石灰の粉塵を集塵する湿式集塵機を示し、5は消石灰を搬送するスクリューコンベアを示し、6は該消石灰を養生し、該消石灰を焼成炉に供給する消石灰サイロを示し、7は該消石灰を焼成する焼成炉を示し、8は焼成され再生された生石灰を排出するノックアウトボックスを示し、9は焼成により生成した廃ガスを燃焼する二次燃焼炉を示し、10は廃ガス中の生石灰を集塵するサイクロンを示し、11は、二次燃焼炉9及びサイクロン10により処理された廃ガスを排出する煙突を示す。
<A工程の説明>
A工程は、B工程における産業廃棄物と生石灰との水和反応をより効果的に行うために、産業廃棄物の含水率を調整する工程である。
図1に示すフローシートにおいて、産業廃棄物は、廃油・廃液タンク1に投入し、含水率を50質量%以上に調整する。処理する産業廃棄物の含水率が50質量%以上である場合には、含水率を調整することなくB工程に移してもよく、産業廃棄物の含水率が50質量%に満たない場合には、水を添加して含水率を50質量%以上に調整し、B工程に移す。B工程をより効果的に行うために産業廃棄物の含水率を70質量%以上に調整することが好ましく、70〜97質量%に調整することがより好ましい。
上記産業廃棄物としては、特に制限されるわけではないが、汚泥、廃油、廃酸液、廃アルカリ液及び食品残渣等が挙げられ、含水率50質量%以上の高含水産業廃棄物が本発明の効果を最大限に発揮させる上で好ましい。具体的には、汚泥としては、洗濯汚泥、空調機フィルター洗浄液及び浄化槽の汚泥等が挙げられ、廃油としては、エンジンオイル、デフオイル、ブレーキオイル、廃インク、写真廃液、クロス製造廃油、クロス印刷廃油、廃ゾル油、プラスチック部品製造廃油、機械メンテナンス廃油、鉄板切削油等が挙げられ、廃酸液としては、有機廃液、無機廃液、写真定着廃液等が挙げられ、廃アルカリ液としては、染料の廃液等が挙げられ、食品残渣としては、ナタデココ、果物缶詰廃棄物、肉まん、冷凍用竹の子の皮、ジャガイモの芽、梅干製造業の種、売れ残り弁当、おにぎり、漬物、野菜・魚介類の廃棄物、賞味期限切れのアイスクリーム、砂糖、ケーキ、すし屋の廃棄物等が挙げられる。
<B工程の説明>
B工程は、図1に示すフローシートにおいて、ミキサー3内において、A工程で調整した高含水産業廃棄物に、生石灰(酸化カルシウム:CaO)と水和反応調整触媒とを混合攪拌することにより、高含水産業廃棄物中の水分と生石灰との水和反応を利用して、高含水産業廃棄物中の水分を減少させ、消石灰(水酸化カルシウム:Ca(OH)2)を得る工程である。
図1に示すフローシートにおいて、廃油・廃液タンク1から高含水産業廃棄物を、生石灰サイロ2から生石灰をそれぞれミキサー3内に供給し、該ミキサー3内で攪拌混合する。高含水産業廃棄物と生石灰とはミキサー3内で水和反応を起こし、消石灰を生成する。この水和反応に際し、高含水産業廃棄物中の水分と生石灰との急激な反応を抑制して、適度な反応速度に調整するために水和反応調整触媒を添加する。水和反応により生成した消石灰は、スクリューコンベア5で消石灰サイロ6に搬送し、該消石灰サイロ6内で養生させる。
高含水産業廃棄物と生石灰との混合比率は、産業廃棄物の含水率や種類等によっても異なるが、通常、高含水産業廃棄物100質量部に対し、生石灰50〜150質量部、好ましくは60〜90質量部、より好ましくは70〜80質量部である。生石灰の添加量が50質量部より少ないと水和反応の進行が遅くなり、150質量部より多くしてもコストがかかるだけで効果があまり変わらない。
上記水和反応調整触媒としては、多価アルコール、塩化ナトリウム、界面活性剤等が挙げられる。これらは水溶液として用いてもよく、さらに、メラミンスルホン酸化合物等を含んでもよい。
上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ブテングリコール、プロピレングリコールのモノアセテート、グリコールのモノエチルエーテル、グリセロールのジメチルエーテル、アルコキシアルカノールおよびそれらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびそれらの混合物が好ましい。
上記界面活性剤としては、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。陰イオン界面活性剤としては、エチレン又はプロピレンオキサイド付加のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、アルカンスルホン酸ナトリウムが挙げられ、非イオン界面活性剤としては、アルキルグリコシド、エチレン又はプロピレンオキサイド付加のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレングリセリド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
水和反応調整触媒の添加量は、高含水産業廃棄物100質量部に対し、0.1〜15質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、3〜10質量部がさらに好ましい。
高含水産業廃棄物と生石灰との攪拌混合は、ミキサー内滞留時間3〜7分、攪拌速度
10回/分〜120回/分で行うことが好ましい。
上記養生は、上記ミキサー3内の攪拌混合だけでは、未反応混合物が残る場合があるため、それらが充分に反応できるように行うものであり、養生条件としては、特に制限されるわけではないが、好ましくは200℃以下で、好ましくは24〜48時間程度行うとよい。
本B工程で生成した消石灰は、固化することなく超微粉末となる。上記水和反応は、発熱反応であるため、水分の多く(高含水産業廃棄物中の水分の約70質量%)は、水蒸気として蒸発し、一部は消石灰の結合水又は付着水となる。高含水産業廃棄物中の可燃成分等(有機物)は、消石灰中のCaイオンとイオン結合による化合物を形成し、無機化する。
本B工程では、ミキサー内での水和反応をより均一にしかも短時間で行い、良質の消石灰を得るために、次のa)〜d)が重要である。
a)産業廃棄物及び生石灰の定量供給
b)産業廃棄物及び生石灰の均一攪拌混合
c)適正滞留時間
d)水和反応中に発生する粉塵を効率よく捕集できる集塵機
そのため、上記ミキサーとしては、図1のフローシートに示すように連続式シングルシャフトミキサー3を用いることが好ましく、また発生する水蒸気の排出口に湿式集塵機4を設置することが好ましい。
上記連続式シングルシャフトミキサー3は、入り口とその反対側に出口と通気スパウトが付いた円筒状混合ドラムベッセル、一本の混合シャフト、一体化されている調整可能なシャフトシーリング装置が付いたフランジ留め末端軸受アセンブリー装備の二つのドラムを閉じる鏡板及び動力伝動装置付きの駆動装置一式から構成されている。このミキサーの特徴は、混合ツールとして、プロシュア又は傾斜したブレード形式のショベルツールがドラム内の混合シャフトに特別な配置で回転できることにある。該特徴により、産業廃棄物と石灰石を混合プロセスに絶え間なく引き込み、混合タービュランスを発生させ、混合ドラム内にデッドスポット又は動きの鈍いゾーンが生じることなく、確実な混合を行うことが可能となるものである。
また、上記湿式集塵機4は、ミキサー3内において水和反応により水蒸気が大量かつ急激に発生する際に生じる圧力差により該水蒸気と共に排出される消石灰の微粉体を捕集するものである。
<C工程の説明>
C工程は、図1に示すフローシートにおいて、焼成炉7において、B工程で得た消石灰を焼成して生石灰を再生する工程である。
図1に示すフローシートにおいて、消石灰は、消石灰サイロ6から焼成炉7に供給され、焼成される。該消石灰は、熱分解により生石灰として再生する。
消石灰中の水分(高含水産業廃棄物中の水分の残り約30%)は、焼成により水蒸気として排出される。また消石灰中の可燃成分は、焼成炉7の燃料として利用される。また焼成炉7で発生する酸性ガス(SO2・HCl等)は、大部分は被焼成物である生石灰に以下の反応により吸収される。
亜硫酸ガス(SO2):CaO+SO2⇒CaSO3
塩化水素ガス(HCl):CaO+2HCl⇒CaCl2+H2
上記の反応により、酸性ガスは、SO2で、95〜100%、HClで、50〜60%除去される。
同様に焼成により生成する悪臭物質(プラスイオン)は、消石灰中の水酸化物イオン(マイナスイオン)と結合することにより、無臭の化合物となる。
消石灰の焼成は、500℃以上、好ましくは600〜850℃で行う。焼成温度が900℃超(硬焼)であると、再生される生石灰の水和反応性が弱くなり、特に1000℃超(死焼)であると、再生される生石灰の水和反応性が無くなるため好ましくない。
焼成時間は、600〜700℃では、15〜20分が好ましく、700〜850℃では、8〜15分、特に10分前後が好ましい。
焼成炉は、微粉体である消石灰をムラなく焼成でき、適切な時間調整が可能であることから、ロータリーキルンを用いることが好ましい。ロータリーキルンは外熱式と内熱式があるが外熱式が好ましく、さらに、排ガス等の発生を考慮すると、燃料を使わない電熱式が好ましい。
尚、図1に示すフローシートにおいて、焼成によって生じた廃ガスは、ノックアウトボックス8を経て二次燃焼炉9に導入され、該二次燃焼炉9において排出基準に従って、800℃以上で2秒間燃焼させ、廃ガス中に含まれる生石灰の粉塵はサイクロン10により集塵される。二次燃焼炉9及びサイクロン10により処理された廃ガスは煙突12から排出する。
<D工程の説明>
D工程は、上記C工程において再生された生石灰を上記B工程の産業廃棄物処理用の生石灰として再利用する工程である。
図1に示すフローシートにおいて、再生された生石灰は、ノックアウトボックス8から生石灰サイロ2に搬送され再利用される。ノックアウトボックス8から生石灰サイロ2への搬送手段はスクリューコンベアー等が用いられる。
再生された生石灰は、生石灰の水和反応能力が劣化した場合に、これを産業廃棄物として最終処分する。ここで生石灰の水和反応能力の劣化の判断基準は、再生した生石灰中の炭酸カルシウムの含有量が80質量%以下となった場合を目安とする。
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
高含水産業廃棄物として食品残渣(果物缶詰の残渣)を、図1に示すフローに従って処理を行った。上記食品残渣30kgに水和反応調整触媒1.5kgを混合し、該混合物31.5kgを、廃油・廃液タンク1から連続式シングルシャフトミキサー3に、3分間で供給し、同時に、生石灰サイロ2から生石灰21.00kgを、連続式シングルシャフトミキサー3に3分間で供給し、該ミキサー3により、混合攪拌(ミキサー内滞留時間5分、攪拌速度120回/分)して、水和反応させ消石灰を得た。このときの蒸発水の量は、16.45kgであった。反応終了後、消石灰を消石灰サイロ6において、24時間養生させた。該消石灰19.55kgを、消石灰サイロ6から10分間で焼成炉(外熱式ロータリーキルン)7に供給した。焼成炉7で、800℃で10分間焼成し、生石灰を再生した。このときの蒸発水の量は10.07kgであった。
処理前の高含水産業廃棄物(食品残渣及び水和反応調整触媒の混合物)の成分分析結果、該高含水産業廃棄物中のig.Lossの元素分析結果、使用前の生石灰の成分分析結果、消石灰の成分分析結果、及び再生した生石灰の成分分析結果を下記表1〜5に示す。
尚、表中のig.Lossは、熱灼減量(燃えてなくなる量)を表し、imp.は、不純物を表す。
Figure 2008188497
Figure 2008188497
Figure 2008188497
Figure 2008188497
Figure 2008188497
〔実施例2〕
高含水産業廃棄物として、含油廃水である廃インクを、実施例1と同様にして処理した。
処理前の高含水産業廃棄物(廃インク及び水和反応調整触媒の混合物)の成分分析結果、該高含水産業廃棄物中のig.Lossの元素分析結果、使用前の生石灰の成分分析結果、消石灰の成分分析結果、及び再生した生石灰の成分分析結果を下記表6〜9に示す。
Figure 2008188497
Figure 2008188497
Figure 2008188497
Figure 2008188497
〔実施例3〕
実施例2で処理した廃インクと同様の廃インクを、再生した生石灰を用いながら、実施例2と同様の処理を合計3回繰り返し行って、連続処理した。その処理ごとに、生石灰及び消石灰の成分を分析した。その分析結果を下記表10に示す。
Figure 2008188497
実施例の結果から、本発明の処理法方法によれば、B工程での攪拌混合において、高含水産業廃棄物中の水分の約70質量%を除去でき、さらにC工程での焼成において残り約30質量%の水分を除去できることから、石灰を利用しない通常の焼却処理方法と比べて、約1/3のエネルギーで高含水産業廃棄物を処理できることがわかる。
また、高含水産業廃棄物の処理で用いる生石灰も数十回以上の再生利用が可能であるため低コストで処理を行うことが可能である。
本発明の産業廃棄物の処理方法の好ましい実施形態の一例を示すフローシートである。
符号の説明
1 廃油・廃液タンク
2 生石灰サイロ
3 連続式シングルシャフトミキサー
4 湿式集塵機
5 スクリューコンベア
6 消石灰サイロ
7 焼成炉(外熱式ロータリーキルン)
8 ノックアウトボックス
9 二次燃焼炉
10 サイクロン
11 煙突

Claims (8)

  1. 下記A、B、C及びDの工程を含む産業廃棄物の処理方法。
    A:産業廃棄物を含水率50質量%以上に調整して高含水産業廃棄物を得る工程
    B:上記A工程で得た高含水産業廃棄物100質量部に、生石灰50〜150質量部及び水和反応調整触媒を混合して、水和反応させ、消石灰を得る工程
    C:上記B工程で得た消石灰を500℃以上で焼成し、生石灰を再生する工程
    D:上記C工程で再生した生石灰を上記B工程の生石灰として再利用する工程
  2. 上記産業廃棄物が汚泥、廃油、廃酸液、廃アルカリ液又は食品残渣である請求項1記載の産業廃棄物の処理方法。
  3. 上記A工程において、産業廃棄物の含水率を70質量%以上に調整する請求項1又は2記載の産業廃棄物の処理方法。
  4. 上記B工程において、上記生石灰を70〜80質量部混合する請求項1〜3の何れかに記載の産業廃棄物の処理方法。
  5. 上記水和反応調整触媒が多価アルコール、界面活性剤又は塩化ナトリウムである請求項1〜4の何れかに記載の産業廃棄物の処理方法。
  6. 上記B工程において、上記水和反応調整触媒を0.1〜15質量部混合する請求項1〜5の何れかに記載の産業廃棄物の処理方法。
  7. 上記C工程において、上記反応混合物を600〜850℃で焼成する請求項1〜6の何れかに記載の産業廃棄物の処理方法。
  8. 上記C工程において、上記消石灰の焼成を外熱式ロータリーキルンを用いて行う請求項1〜7の何れかに記載の産業廃棄物の処理方法。
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