JP7106618B2 - 車輪保持機能を高めたホイールドーリー - Google Patents
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Description
このものは、移動自在の基台と、これをほぼ平面投影状で覆うような状態で基台に対し、昇降自在で且つ回動自在に設けられる昇降支持台とを有し、この昇降支持台に車輪を支持する一対の並行配置されたラックアームを設け、ラックアームの作業者側寄りにシングルタイヤをもたれ掛けさせるためのガード部を固定的に設けているものである。
このような支承用架台装置は、車輌整備作業の現場では、使い易さが優れていることから、好評裏に使用されている。
即ち前記特許文献1の装置は、ダブルタイヤタイプの車輪の場合、ハブ付き一体取り外しを前提にこれを一組支承搭載し、一方、シングルタイヤタイプの車輪の場合は傾倒支持を前提に一輪のみ支承する構成となっていた。
このような作業手法では、現行のホイールドーリーを用いると、従来はハブに組んだままの後輪ダブルタイヤが一基のホイールドーリーで支承できたものが、ホイール付きタイヤ二本に分かれることによって二台必要となってしまう。このようなことから、たとえダブルタイヤが一本毎に分かれた状態で取り外された場合であっても、一基のホイールドーリーでこれらを受け取ることができるようなホイールドーリーが求められ、これに対応して前記特許第6109386号「作用形態を多様化できるホイールドーリー」を市場に提供したものである。
即ち前記安全担保のため、ないしは法制上の要求される整備内容とは、大型トラック、バス等の大型車輌にあっては、一般的に後輪は、いわゆるダブルタイヤであるが、これらを整備するにあたってはダブルタイヤの組み付け状態での点検は不充分とされ、必ず単輪ごとに分解して点検整備することが求められてきた。このような大型車輌にあっては、単輪であっても重量は約100kgとなり、このような単輪状態での車輪を転倒させることなく安定的に支持するには、従来装置では必ずしも万全なものとは言えなかった。
移動可能に構成された基台と、
この基台に昇降自在に支持される昇降支持台とを具え、
この昇降支持台は、基台に対し平面視で回転自在に設けられ、
更に昇降支持台には、車輪支承用のラックアームが左右方向に一対平行に設けられるとともに、
この一対のラックアームにより形成される支承空間に支承される車輪の両側部を挟むタイヤホルダを具えるものであり、
また当該タイヤホルダは、ラックアームの長手方向である前後方向において対向状態で設けられる一組の外ホルダープレートと内ホルダープレートとによって、車輪の側部を挟持するように構成され、
且つ、この一組のタイヤホルダは、ラックアームの左右方向においても対向状態に設けられ、一輪の車輪を前後・左右計四枚のホルダープレートによって直立状態で保持するように構成され、
且つまたラックアームは、長手方向の前後において別々の車輪を直立状態で保持できるように、計八枚のホルダープレートが設けられるものであり、
なお且つ前記一組の外ホルダープレートと内ホルダープレートとの間隙は、支承する車輪の幅寸法に応じて調整自在に構成され、
更に、少なくとも外ホルダープレートは、支承空間に突出して車輪を保持する作用位置と、支承空間に突出せず車輪を保持しない退去位置とに移動する構成であることを特徴として成るものである。
前記一対のラックアームは、対向する内側に、車輪を転動支承する支承ローラを具えていることを特徴として成るものである。
前記外ホルダープレートと内ホルダープレートとの間隙調整は、外ホルダープレートを定位置として、内ホルダープレートを外ホルダープレートに対し接近離反自在とする構成であることを特徴として成るものである。
前記一対の外ホルダープレートと内ホルダープレートとは、退去位置と作用位置との間を、各ホルダープレートの基部を回動軸として一体となって回動移動する構成であることを特徴として成るものである。
前記一対の外ホルダープレートと内ホルダープレートとが一体となって回動する機構は、各ホルダープレートの回動軸芯を共通させながら、相対的な接近・離反を可能とするスライド嵌め合い同位相回転構造であることを特徴として成るものである。
前記タイヤホルダは、作用位置に設定された際、作用位置を維持するための保持構造を具え、
当該保持構造は、外ホルダープレートと内ホルダープレートとのいずれか一方または双方に回動自在の保持フックを設け、この保持フックをラックアーム内側の支承ローラに係止させる構造であることを特徴として成るものである。
そして、これら各請求項記載の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
また、そのままでは自立し難いシングルタイヤであっても、これをタイヤホルダで確実に挟持することができ、更には分離状態のシングルタイヤを二本、直立状態で載置することもできる。
また本発明によれば、車輪を挟むホルダープレートの間隙が調整自在であるため、小型トラック、中型トラック、大型トラックなど、車輌によってタイヤの幅寸法が異なる場合でも、異なる幅寸法のタイヤに応じて、ホルダープレートを適切な間隔寸法に設定することができる。従って、タイヤの幅寸法が異なっても、安定した直立状態でタイヤを保持することができる。
また、ホルダープレートの間隙調整ができるため、一本ずつ取り外したタイヤを計二本、ラックアームに載せる場合、ラックアームの先端部分と後端部分に二つのタイヤを載せ、ラックアームの中央部に非載置空間を形成することができる。この非載置空間は、例えば作業者のアクセス空間となり、車輪の着脱作業が行い易くなる。
また本発明によれば、少なくとも外ホルダープレートが、作用位置から退去位置まで移動する構成であるから、リフトアップした車輌において、車輪の下方にホイールドーリーを差し込む際には、外ホルダープレートを退去位置としてタイヤとの干渉を回避することができる。またラックアームを上昇させ、ホイールドーリーでタイヤを受ける際には、外ホルダープレートを作用位置としてタイヤを取り外すことができ、このような使い方が容易に行える。
なお、ホルダープレートとしては、例えばラックアームと全く別体で形成しておき、作用位置とする場合に、当該ホルダープレートをラックアームに差し込んで所望の幅寸法に設定することも考えられるが、本発明のように外ホルダープレートが作用位置から退去位置まで移動自在であれば、その都度、着脱する必要はないし、ホルダープレートを紛失してしまう心配もない。
また、車輌から車輪を取り外す際には、タイヤを挟持する一対のホルダープレートはタイヤの前後位置で幅方向位置を合わせる必要があるが、外ホルダープレートが定位置であるため、この調整も極めて行い易く、確実に作業が行える。
まずホイールドーリーCの使用状態の概要を説明する。
ホイールドーリーCは、例えば図1に示すように、車輌整備工場に入庫した車輌Vの車輪周りの整備を行う際に用いられるものであり、整備にあたって脱着される車輪Wを支承し、更には車軸周りやブレーキ周辺あるいはハブ周りを整備する際に、取り外した車輪Wが作業の支障にならないようにこれを移動させるものである。
ここで本明細書に記載する車輪Wとは、一般的には中央部に設けられたハブ取り付け用のホイールと、ホイールの外周側に設けられるゴム製のタイヤ部との組み合わせを指す。ただしダブルタイヤ・シングルタイヤ・後輪タイヤ等の名称は、日常的に使用されている用語であるため、そのままこの名称を用いる。
しかしながら、点検整備をより確実なものとするため、ダブルタイヤであっても単輪ずつ別々に分離して点検整備を行うことが推奨され、更には法制上もその要請が発出されている。
このようなことからホイールドーリーCについても大型車用の単輪で約100kgとなる極めて重い車輪Wを各別に安定的に支承できるものが要請されてきている。ここでダブルタイヤの車輪Wを単輪ごとに区別する場合には、車輌外側に設けられているものを外車輪W1とし、車輌内側に設けられているものを内車輪W2とする。
以下、基台1について説明する。
基台1は、一例として下方において放射状に伸びた車輪支持フレーム11を具えるものであり、この車輪支持フレーム11の中心に一例として円筒状のシリンダ外筒を利用したポストフレーム12が設けられる。具体的には車輪支持フレーム11とこのポストフレーム12の取り付け関係は、シリンダ外筒であるポストフレーム12のベースブロック12aに対し、車輪支持フレーム11の基部をボルト締めする等して取り付けられている。また車輪支持フレーム11は、ポストフレーム12をできるだけ下方で支持できるように、その先端で支持する自在キャスタを一例として転動輪13の支持位置を上方に引き上げたような形態を採っている。この車輪支持フレーム11に支持される転動輪13は一例として四輪すべてに自在キャスタが適用され、基台1を移動自在に構成している。この自在キャスタを適用した転動輪13は、その一部またはすべてをブレーキ付きとすることも好ましい。また転動輪13は、四輪のうち二輪を自在キャスタとして、他の二輪を固定キャスタとしてももとより差し支えない。
このような構成としたのは、フットペダル14等をポストフレーム12の根本付近に設けた場合には、ラックアーム25の直ぐ後方に立つ作業者Mからは、ラックアーム25に載置したタイヤ下辺が、作業者Mの視界を妨げてペダルが見えにくく、ペダルを踏む操作がやりづらいことがあったためである。また、フットペダル14等をポストフレーム12の根本付近に設けた場合には、作業者Mからペダルまでが遠くなり、作業者Mとしては無理に足を伸ばす姿勢(いわゆる、のけぞる姿勢)になりがちであり、自由に操作し難いものであった。当然、このような姿勢で上昇時にペダルを煽れば、屈伸する膝が搭載タイヤの下辺に当たることもあり、ペダルを煽る操作が一層行いづらいものであった。
このようなことから、本実施例ではフットペダル14とリリースペダル15とをポストフレーム12の根本から幾らか離して設けたものであり、これにより大径のタイヤを支承しても、作業者Mが上記フットペダル14とリリースペダル15の足動操作が容易に行えるように考慮したものである。
一方、このシリンダ外筒を適用したポストフレーム12の上端部にはフランジ状のロック片16が固定されるものであり、このロック片16には一例として前方と左右方向との計三カ所に90°ずつ隔ててロック凹部16aを具える。即ち本実施例では、手前側の後方部分のみロック凹部16aが形成されない構成となっている。なお、前方や左右の方向については、後で詳細に説明する。
昇降ロッド21は、先に述べたようにポストフレーム12自体がシリンダ外筒を適用していることから、実質的にはシリンダ装置の摺動ロッドが利用される。即ち昇降支持台2を昇降自在に支持するための部材として、シリンダ装置が適用される。このようなシリンダ装置を用いるときは、昇降ロッド21自体が、昇降方向へ移動するほか、ポストフレーム12即ちシリンダ外筒に対して、平面視で回転自在の構成となっている。そして前記ベース板22は、この昇降ロッド21の上端に固定された一例として矩形状の強度部材であり、これに対し側枠板24が設けられることにより全体としてトレー形状となったテーブル基板23が構成されている。
一方、昇降支持台2については、ラックアーム25の長手方向を前後方向と言い、一対のラックアーム25が対向する方向を左右方向または幅方向とする。なお、昇降支持台2は、前後・左右にほぼ対称形状としていることから、いずれが前後であるとは定義しないが、ラックアーム25の前後の自由端側を外側とし、それより中央側を内側として説明する。
そして、これら一対のラックアーム25により構成される面を、図5に示すように車輪Wの支承作用面S1とする。しかしながら、搭載対象が円形の車輪Wであることを考慮すると、支承作用面S1より下方の空間にも車輪Wの下部が潜り込み状態に支持されるものであり、この空間を含んで実質的に車輪Wを搭載する空間を支承空間S2とする。
ここでドライブシャフトDは、車輌取付時にはオイルバス状のハウジングH内に設けられる。そのため車輌Vから抜き取ったドライブシャフトDには、オイルが付着することは免れない。このようなことから、抜き取ったドライブシャフトDをラックアーム25内部のシャフト収め部251に収めてしまうと、ドライブシャフトDに付着していたオイルが、シャフト収め部251内に滴下して溜まり、その端部から整備工場の床面に落下させてしまう。
そのため、本実施例では、一例として図4に示すように、シャフト収め部251(ラックアーム25)の前後両端にオイルの落下を防止する部材を設けるものであり、例えば後端つまり作業者M側には、シャフト収め部251から落下するオイルを受けるオイル容器27を具えるものである。なお、オイル容器27は、昇降支持台2に対して例えばマグネットを利用して脱着自在とすることが好ましい。また、シャフト収め部251の前端側には、下端部をわずかに塞ぐ堰状のオイル留め28(いわゆるダムゴム)を設け、シャフト収め部251の前後両端からオイルが床に落ちるのを防止している。因みに、後端側たる作業者M側に、オイル容器27を具えるのは、こちら側から抜き取ったドライブシャフトDを出し入れするためである。
このタイヤホルダ3は、ラックアーム25、より詳細には支承ローラ26上に支承した車輪Wが転倒しないように、支承した車輪Wを確実に直立状態に支持するための部材である。
タイヤホルダ3は、一例として前後方向(ラックアーム25の長手方向)において対向する二片のホルダープレート30を具えるものであって、両者を区別する場合には、外ホルダープレート30A、内ホルダープレート30Bとし、これら一対のホルダープレート30の間に車輪Wを挟むように保持する。この前後一対のホルダープレート30の組は、左右方向においても対向状態に設けられ、これらのホルダープレート30つまり前後・左右の計四枚のホルダープレート30により一輪の車輪Wが直立状態に保持される。
以下、このホルダープレート30の支持構造等について更に詳細に説明する。
一方、この内軸32に対しては、非回転スライド嵌め合い構造とした外軸33が組み合わせられる。この外軸33の長さ、即ち幅方向寸法は、内軸32の長さの約40%~60%程度に形成される。そして、この内軸32に対しては、外側端部近くに前記外ホルダープレート30Aの回動基端301を、一例として溶接等の手段で固定する。
また、外軸33に対しては、その内側端部近くに内ホルダープレート30Bを外ホルダープレート30Aと同様に固定する。
これらホルダープレート30の投影形状、つまりプレート部分の正面視形状が、「く」の字状ないしはブーメラン形と表現できるような形態を具えており(図1・図2・図5参照)、その自由端側が外曲がり状に形成されている。具体的には、前記内軸32または外軸33に固定された回動基端301に対し、車輪Wを支持するための保持部302が屈曲状に延長形成されている。
一方、退去位置では、回動基端301の内側端縁(「く」の字の内側端縁)をラックアーム25の外上面25b(またはホルダーブラケット31)に当接させて、保持部302が支承空間S2から退去した下向き姿勢となり、「く」の字を成すホルダープレート30の重心が安定し、退去位置を維持する構成となっている。
このように本実施例では、ホルダープレート30は、「く」の字状ないしはブーメラン形という自身の屈曲形状を生かして、作用位置及び退去位置を安定的に維持する構成となっている。
そしてメネジブロック351にネジ嵌合したアジャストボルト35は、内側端部に握り部材となる操作ノブ352を具えるとともに、他端となるボルト先端側が押圧端353となって、内ホルダープレート30Bの側面(内側)に当接するように構成されている。従ってアジャストボルト35を締め込むと、その押圧端353が内ホルダープレート30Bを外ホルダープレート30A側に押し込み、両者の間隔を調整する(縮める)構成となっている。なお、アジャストボルト35による押し込みを受けて移動する内ホルダープレート30Bの位置が、明確に目視確認できるよう、例えば上記図6の拡大図に示すように、至近のラックアーム25の外上面25bに幅確認ゲージ36を設けることが好ましい。因みに、この幅確認ゲージ36は、内ホルダープレート30Bの位置確認をするためであるから、移動しない部材、例えば内軸32に形成することも可能である。
また、本実施例では外ホルダープレート30Aは、上述したように内軸32の端部に固定されており、移動しない構成となっているが、外ホルダープレート30Aと内ホルダープレート30Bとを共に接近・離反できるように構成することも可能である。
保持フック37は、一例として図5に示すように、内ホルダープレート30Bの側面に回動自在に取り付けられる板状のフック部材であって、回動支点371をほぼ中間部位として、係止部372と握り部373とが、その投影形状、つまりプレート部分の正面視形状が、ほぼL形に屈曲したような形状を採る。そして、係止部372の先端部が鉤状に形成されて、フック作用部372Hを構成している。
この保持フック37は、タイヤホルダ3が、支承空間S2に突出して車輪Wを保持する作用位置になった際に、前記フック作用部372Hが、ラックアーム25の内上面25aに設けられている支承ローラ26に係止するように回動自在に構成され、これにより保持フック37による支承ローラ26への係止が維持される。このためフック作用部372Hを支承ローラ26に係止させた状態では、保持フック37を具えたタイヤホルダ3が、支承ローラ26から離反してしまうことが防止され、タイヤホルダ3が作用位置から退去位置に不用意に戻ることがないものである。
なお、保持フック37を支承ローラ26に係止させる回動操作は、作業者Mの手作業によって行われるものであり、ホルダープレート30を起立姿勢つまり作用位置に移動させた直後に行われる(図8参照)。
そして昇降支持台2を基台1に対し相対的に回転させる場合には、補助操作杆42Aを反時計周り(作業者Mから視て反時計周り)に回動させることで、操作ロッド42を上方に持ち上げるようにする。これにより操作ロッド42とロック片16との噛み合いが外れ、この外れた状態で操作ロッド42を旋回させれば昇降支持台2を適宜回転させることができる。
なお、垂下状態から持ち上げられ、ほぼ水平状態を呈した操作ロッド42、すなわちロック片16との噛み合いが外れた操作ロッド42は、テーブル基板23の下部に設けられたマグネット43に吸着・保持させることができ、これにより水平状態を呈した操作ロッド42が維持され、昇降支持台2の回転が円滑に且つ確実に行える。
因みに、本実施例では、上述したように操作ロッド42を回動させるための補助操作杆42Aを、ピボット軸41の両端に設けたが、これは昇降支持台2を180度水平回転させた場合も作業者Mが元の位置から操作ロッド42の操作が容易に行えるように考慮したためである。
ここで本実施例では、作業者Mから視て、左側のラックアーム25の下方には、これらサイドトレーSTとインパクトレンチホルダーIHが対称位置になるように設けられている。すなわち左側のラックアーム25の下方手前側(後方側)にインパクトレンチホルダーIHが設けられ、また下方前方側にサイドトレーSTが設けられている。これは上記補助操作杆42Aと同様に、昇降支持台2(ラックアーム25)を180度水平回転しても、作業者Mの作業性が変わらず、高効率で作業が行い得るように考慮したためである。
なお、以下の説明にあたっては大型トラック後輪のダブルタイヤを単輪ずつ取り外す態様について主に説明する。もちろん、このような作業においては、当然ながらダブルタイヤの外車輪W1を取り外してから、内車輪W2を取り外す態様となる。
因みに、車輪Wの取り外し作業としては、ハブやドラム付きで車輪W(ホイール)を車輌V(車体)から取り外すこともあれば、ハブやドラムを車輌側に取り付けたまま、ホイール付きの車輪Wのみを取り外すこともあり、以下の説明では後者について説明する。また車検整備時、特に大型トラックの場合には、後輪のダブルタイヤを単輪ずつハブから取り外して点検整備する作業が法制上、義務づけられている。
またダブルタイヤを単輪ずつ取り外すにあたっては、まず外車輪W1をラックアーム25の先端側に載置してから、ラックアーム25(ホイールドーリーC)を180度水平回転させた後、内車輪W2をラックアーム25の反対側の端部(当初位置の後端側)に載置するものとする。すなわち最初に載せた外車輪W1と、後から載せた内車輪W2との間に空間を開けて、これらをラックアーム25上に載置するものである。
車輪Wが取り外される車輌Vは、一例として図1に示すように、事前にリフトLで適宜の高さにリフトアップされる。なお、この高さは、作業者Mが立ち姿勢で作業が行える高さに設定される。
また、実質的な取り外し作業の前に、取り外し対象となる車輪Wの車軸に固定してあるナットを、インパクトレンチ等を使って弛めておき、手で取り外せる状態にしておく。ただしナットは完全には取り外さないものであり、これは車輪Wの落下防止のためである。
一方、ホイールドーリーCは、通常、昇降支持台2(ラックアーム25)を、車輌Vのリフトアップ状態を考慮して、車輪Wを下支えできる低い位置に設定される。これはホイールドーリーCを車輪Wの真下にスムーズに差し込むことができるようにするためである。またタイヤホルダ3についても、同様の理由から、支承空間S2に突出しない退去位置に設定される。
(i) タイヤホルダの設定
まずホイールドーリーCでは、一例として図7(a)に示すように、タイヤホルダ3を退去位置にしたまま、取り外す車輪Wのタイヤ幅よりわずかに広い幅位置にスライド移動させる。この移動は、四カ所全てのホルダープレート30において行われるが、本実施例では外ホルダープレート30Aが内軸32に固定され、前後方向に移動しないため、内ホルダープレート30Bのみを前後方向に移動させるものである。ここで内ホルダープレート30Bの移動は、ラックアーム25の外上面25bに設けられた左右の幅確認ゲージ36を利用すると、左右のプレート位置をほぼ同じ位置(初期設定位置とする)に合わせることができる。
このようにして内ホルダープレート30Bを初期設定位置にセットしたら、操作ノブ352を回転させてアジャストボルト35の先端を、内ホルダープレート30Bの側面(内側)に当接させ、内ホルダープレート30Bが初期設定位置よりも広がらないようにする。
その後、作業者Mが、ホイールドーリーCの回転操作グリップ29等をホールドして、ホイールドーリーC全体を移動させ、ラックアーム25を外車輪W1のほぼ真下位置に移動させる。
この際、車輪W(外車輪W1)のタイヤセンターと、左右二本のラックアーム25の中心とをほぼ合致させるように(図7(b)中のCL参照)、また上記図7(a)に示すように、外ホルダープレート30Aが外車輪W1のタイヤ幅裏面の直近位置に達するように、ホイールドーリーCを車輪Wの下方に差し込むように移動させる。
その後、図7(b)・図8に示すように、前後・左右のホルダープレート30を全て、退去姿勢から起立させ作用位置に姿勢変更する。この際、本実施例では外ホルダープレート30Aと内ホルダープレート30Bとが、一体で回動するため、作業者Mは、いずれか一方、例えば手前側に位置する内ホルダープレート30Bのみを回動させればよい。また内ホルダープレート30Bを回動させる際には、保持部302を把持して、これを起こすように回動させてもよいが、内ホルダープレート30Bに取り付けられた保持フック37を把持部として操作してもよい。そして、ホルダープレート30を作用姿勢に起立させることにより外車輪W1は、下辺の前後左右が四枚のホルダープレート30に挟まれる状態となる。
また、図8に示すように、ホルダープレート30を起立させた後に、保持フック37を回動させて、このもののフック作用部372Hを支承ローラ26に係止させ、ホルダープレート30の起立状態を維持するようにするものである。
なお、この段階では、まだラックアーム25(支承ローラ26)が外車輪W1に接触していないため、厳密にはラックアーム25は外車輪W1を支持していないが、後述するようにラックアーム25を上昇させた際には、四枚のホルダープレート30がタイヤ下辺の前後左右を確実に挟むようになり、単輪ずつ取り外す場合であっても、車輪Wをラックアーム25上で転倒させてしまうことがなく、直立状態で安定して載置することができる。
その後、外車輪W1と内ホルダープレート30Bとのクリアランスを、アジャストボルト35を回転させて1cm~3cmに微調整する。なお、この内ホルダープレート30Bの微調整は、必要に応じて行われるものであり、取り外す車輪Wの幅が、毎回ほぼ同じであるような場合には、省略することができる。
その後、作業者Mがフットペダル14を煽るように足動操作して昇降支持台2(ラックアーム25)を上昇させ、ラックアーム25で外車輪W1を支持する。このようなラックアーム25の支持により外車輪W1はラックアーム25、より詳細には支承ローラ26によって支承され、支承空間S2に収容された状態となる。またラックアーム25を上昇させて外車輪W1を支持することにより、車軸の負荷が極小になり、この状態で実質的な車輪Wの取り外し作業が行われる。
具体的には、弛めてあったナットを作業者Mの手作業によって、車体側、すなわちブレーキドラム一体のハブアッシーから取り外すものであり、取り外したナットは、作業者Mの手元付近もしくは腰高近くに位置するサイドトレーSTに一時的に収容しておくことができる。
その後、作業者MがホイールドーリーC全体を外車輪W1の下から車輌側部に引き抜くように移動させる。これによりホイールを伴った外車輪W1をラックアーム25上に載置した状態で、車輌Vから取り外すことができる。
この際、外車輪W1が内車輪W2と強固に固着している場合には、作業者Mが単にホイールドーリーCを引っ張っても、外車輪W1が内車輪W2から容易に分離しないこともあり得るが、このような場合でも支承空間S2に突出した外ホルダープレート30Aが、外車輪W1のタイヤ幅裏面に係止状態で当接するため、ホイールドーリーCの引き抜き動作を数回、繰り返すことにより、外車輪W1を内車輪W2から引き離して、このものを車輌Vから取り外すことができる。
その後、ラックアーム25(昇降支持台2)を180度水平回転させるものであり、この操作は、本実施例では、まず補助操作杆42Aを反時計周り(作業者Mから視て反時計周り)に回動させることで、垂下状態の操作ロッド42を水平状態に回動させるようにするものである。これにより操作ロッド42とロック片16との噛み合いが外れ、昇降支持台2を回転自在とすることができる。因みに、ほぼ水平状態とした操作ロッド42は、テーブル基板23の下部に設けられたマグネット43によって吸着・保持され、水平状態すなわち昇降支持台2の回転可能状態が維持される。
このような状態で昇降支持台2を水平に180度回転させるものであり、その後、上記とは逆の操作、すなわち補助操作杆42Aをロック側に回動させ、マグネット43による吸着・保持を解除するとともに、操作ロッド42を略水平状態から垂下状態に戻すようにする。これにより操作ロッド42の下部を最終的にロック凹部16aに嵌め込み、昇降支持台2すなわちラックアーム25を回転しないように固定する。
その後、上述したように再度、ホイールドーリーCを内車輪W2の真下に差し込むようにして、今度は内車輪W2を取り外す。そのためラックアーム25(昇降支持台2)の180度水平回転が終了したら、例えば作業者Mがリリースペダル15を踏んで、ラックアーム25を下降させておき、ホイールドーリーC(ラックアーム25)が内車輪W2の真下位置に円滑に差し込めるようにしておく。
また、図7(c)に示すように、ラックアーム25の端部(初期設定位置の先端側)には既に外車輪W1が載置されているため、ホイールドーリーCを差し込む際には、外車輪W1が載置されていない方(初期設定位置の後端側)からラックアーム25を内車輪W2の真下位置に差し込むものである。
なお、その他の取り外し態様は、基本的に外車輪W1を取り外すときと同じ操作・手順であるため、詳細な説明は省略する。
以上のようにして外車輪W1と内車輪W2とを取り外した後、取り外した車輪Wやこれを締め付けているホイールナット・ホイールボルトの点検が作業者Mによって行われる。
この際、特に車輌側の点検を行うにあたっては、外車輪W1と内車輪W2とを載せたホイールドーリーCを、車輌Vから幾らか離れるように側方に移動させ、車輌Vとの間に作業者Mが入り込むスペースを確保することによって、そこでの点検整備作業を行い易くする。
このようにして作業者Mは、車輪W全体、ホイール、タイヤ、車輪締め付け用のホイールナット・ホイールボルト等の点検整備を実施する。なお車輪Wは、ラックアーム25上において外車輪W1と内車輪W2とが、互いにホイールの接合面を外方に向けるように載置されるため、ホイールの点検が行い易い。また外車輪W1と内車輪W2との接合面を点検した結果、サビなどがあれば極力除去される。
(i) ホイールドーリーの準備
以上のようにして、点検整備作業が終わったら、ホイールドーリーCに載置していた車輪Wを車輌V(車軸)に組み付ける。車輪Wの組み付け順は、当然ながら内車輪W2、外車輪W1の順となる。
また、車輪Wの取り付けにあたり、ホイールドーリーCでは、車輪Wが載置された昇降支持台2(ラックアーム25)を適宜、回転させて、車輪Wの取付面を、車輌Vの側面(車輪取付部)に対向した状態とし、ホイールドーリーCを車軸部に移動させる。
なお、取り付け時には、ホイールドーリーCに載置した車輪Wの中心高さと、車輪取付部(車軸)の中心高さとを合致させるように、昇降支持台2の高さを調整しておく。
また本実施例では、ラックアーム25上の車輪Wは、直接的には支承ローラ26で支承されているため、取り付け時には、車輪Wを自在に回転させることができる。このため車輪側のボルト孔位置と、車軸側のボルトとを容易に合わせることができ、約100kgとなる大型トラックの車輪Wであっても容易に取り付け位置を合わせることができる。
因みに、支承ローラ26上で車輪Wを回転させると、回転する車輪Wが起立状態のホルダープレート30に接触することがあるが、本実施例では保持フック37を支承ローラ26に係止させているため、このような接触が生じてもホルダープレート30が退去位置に戻ってしまうことがなく、車輪Wを挟む作用位置を確実に維持することができ、車輪Wの自立状態を確実に維持することができる。
そして、このような状態でホイールドーリーCを車輌側へ押し込むように移動させるものであり、これによりラックアーム25上に載置された内車輪W2は、車輪側のボルト孔位置に、車軸側のボルトが差し込まれる。
その後、内車輪W2のボルト孔に貫通させた車軸側ボルト(ホイールボルト)にナットを仮付けして、内車輪W2の落下防止を確実に行う。これはあくまでも仮付けであるから、仮付けするナットの数は一個~数個で充分であり、また仮付け作業は作業者による手作業、いわゆるハンドで行うものである。また、この作業を行う際、作業者Mの手前側には、直立状態の外車輪W1が位置するが、仮付け対象の内車輪W2と外車輪W1との間には間隔があり、これが作業スペースとなるため、作業者Mは確実に奥の内車輪W2に手(腕)を差し込むことができ、ナットを円滑に仮締めすることができる。
この際、外車輪W1を所望の取り付け高さや位置に設定したら、まず内車輪W2を仮止めしたナットを外す。ここでも作業者Mの手前側には、直立状態の外車輪W1が位置するが、内車輪W2と外車輪W1との間には間隔があり、これが作業スペースとなるため、作業者Mは確実に奥の内車輪W2に手(腕)を差し込むことができ、ナットを円滑に取り外すことができる。
また、この状態で内車輪W2のボルト孔に差し込んだホイールボルトは、外端側がスタッドボルトのように突出しているから、ここに外車輪W1のボルト孔を差し込むように取り付け、その後、ホイールボルトにホイールナットを全数、ネジ込んで外車輪W1を固定する。
この状態は、あたかもダブルタイヤ状の後車輪を、点検前の状態に戻した状態であり、この後、従来、ダブルタイヤ状のまま行われていたアスクルハウジング、ブレーキ周りの点検が行われる。
この点検にあたっては、既に述べた車輪Wの点検時に取り外された車輪Wを、そのまま外した状態として、ブレーキドラムを外してブレーキ周りの点検を行うことも不可能ではない。しかしながら、実際にはブレーキドラムの重量も数十kgの重さに達するため、これを単独で取り外すには、支承ドーリー等を別途、用意しなければならず、実作業として合理的でない。
このため一旦、ダブルタイヤ状の車輪Wをブレーキドラム一体のハブアッシーに取り付けた上で、改めてこれを車体から取り外し、アスクルハウジング、ハブグリス交換、ブレーキドラム、ブレーキシュー等の、従来から行われていた手順での整備が行われる。
なお、車体から取り外されてホイールドーリーCに搭載された車輪Wのハブに対して行うハブグリス交換などの作業は、車軸線方向からハブに向き合って行う作業であり、ホイールドーリーCを車輌Vの側方(車輌Vの幅方向)に真っ直ぐ後退させた位置であっても、限られた作業ストール幅の範囲内であり、車輌Vと車輪Wの間に作業者が立って、車輪Wのハブに対面して作業するには、余裕のある作業スペースが確保できない。
そこで、昇降支持台2(ラックアーム25)を基台1に対して左右いずれかに90度水平回転してロックすることが望ましく、このようにすることでホイールドーリーCに搭載された車輪Wの車軸線が作業ストールの長手方向を向くことになり、車輪Wのハブに向き合っても充分な作業スペースを確保することができる。
また、このような作業に伴い、ドライブシャフトDを車輌Vから抜き取るが、抜き取ったドライブシャフトDは、ラックアーム25内部のシャフト収め部251に収容するものである。ここで本実施例では、ドライブシャフトDの差し込み側となる、シャフト収め部251の後端側にオイル容器27が設けられ、またシャフト収め部251の前端側にオイル留め28が設けられているため、ドライブシャフトDに付着したオイルが整備工場の床面に落下して、作業環境を悪化させてしまうことがないものである。
そして、上記点検整備作業後は、もちろん昇降支持台2(ラックアーム25)を水平方向に90°戻して、ダブルタイヤ状の車輪Wを車輌Vに取り付けるものである。
ダブルタイヤを単輪ずつ取り外す態様(取り付ける態様)は、以上述べた態様となり、以下、他の取り外し態様について概説する。
例えば中型トラックでは、後輪のダブルタイヤを、この連接状態のまま取り外すことがある。これは上述したように、車検時にホイールをハブから一旦取り外して点検することが法的に義務づけられているのは、大型トラックのみであるからである。
また例えば小型トラックでは、後輪のダブルタイヤと前輪のシングルタイヤとを同一のホイールドーリーC上に載置して取り外すこともあり、左右のラックアーム25上には、計三本の車輪Wが載置されることになる。因みに、この場合には、前輪シングルタイヤを一対の外ホルダープレート30Aと内ホルダープレート30Bとで挟むように保持した後、ラックアーム25を180度回転させて、後輪ダブルタイヤをハブ付き状態で載置することができる。また、後輪ダブルタイヤは、ラックアーム25上で自立できるため、載置にあたっては、必ずしもタイヤホルダ3を起立させた状態、つまり作用位置にする必要はない。もちろんタイヤホルダ3を作用位置として、ダブルタイヤを挟むように保持しても構わない。
更に、他の取り外し態様としては、例えば中小型トラックや乗用車の場合、片側の全輪をホイールドーリーC(ラックアーム25)上に載置することも可能である。
すなわち大型トラックは、トレーラを牽引するトラクター以外、一例として図11に示すように、いわゆる3軸車(ハブドラム付き6輪)と4軸車(ハブドラム付き8輪)とが主流であり、4軸車の市場保有台数は約30%にもなる。
ここで一般的な3軸車は、例えば図11(a)に示すように、前軸が1軸でシングルタイヤ(左右で2本)、後軸が2軸でそれぞれダブルタイヤ(左右で8本)であり、合計10本のホイール付きシングルタイヤを装備している(ただし3軸車でも前輪二軸がシングルタイヤ、後輪一軸がダブルタイヤという車種も一部ある)。このため従来のホイールドーリーC′で、ホイール付きシングルタイヤ(車輪W)を1本ずつ分離脱着搭載しようとすると、計10基のホイールドーリーC′が必要となる。
しかしながら、一般的な3軸車であれば、本発明のホイールドーリーCを使えば、計6基で済む。
以下、この削減効果について詳細に説明する。
まずホイールドーリーCは、点検整備作業時、車輌V(車軸)の左右に配置して使用するものであり、左側と右側を混用することはない。これは左右混用すると、却って作業が不効率となるためである。このため例えば前軸輪のシングルタイヤは、1基のホイールドーリーCで1本のホイール(車輪W)を脱着搭載するとしても、後軸ダブルタイヤから分離する左右の8本のシングルタイヤ(車輪W)は、4基のホイールドーリーCで着脱搭載することができるため、計6基のホイールドーリーCで済むことになる。
このため整備工場としては、どの様な車種(軸数)の大型トラックが入庫しても、本発明のホイールドーリーCを1ストールに6基、配備しておけば効率的な車検整備作業が行えるものである。従って自動車整備業者にとっては、高い作業効率を維持したまま車検整備ストール内で使用するホイールドーリーCが大幅に削減でき、結果として作業スペースにも余裕ができ、点検整備作業が確実に行え、且つ設備コストも低減できるという効果を奏する。
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
まず、上述した基本の実施例では、ホイールドーリーCは、基台1に具えた転動輪13を利用して作業者Mが整備工場内を自在に移動させ得る構造であった。しかしながら、ホイールドーリーCの移動は、必ずしも転動輪13に限定されるものではなく、レール式も採ることもできる。
すなわちレール式のホイールドーリーCは、一例として図9に示すように、整備対象車輌の側部に沿って車輌Vの前後方向に敷設される縦レールR1と、この縦レールR1に沿って走る横行台車18と、この横行台車18に対してラックアーム25(昇降支持台2)を車輌側方から接近・離反させるように設けられた横レールR2とを具えて成り、これらが上記基本の実施例で述べた転動輪13に代えて設けられる。ここで図9に示す構成例では、横レールR2が、横行台車18のフレーム内に設けられており、昇降支持台2を上昇させるホイールドーリーCの全高を少しでも低く抑えるように考慮している。
また、図9に示す構成例では、縦レールR1を整備工場の床面とほぼ同じ高さに設け、床面に凹凸がほぼ形成されないようにしており、これにより作業者Mは、縦レールR1を気にすることなく、車輪Wの脱着作業や整備作業に専念することができる。
なお、図10に示す構成例では、ホルダープレート30は、全体として羽子板状に形成され、プレート状の保持部302の下方に、固定用の軸部304を連続して設けるように構成し、またラックアーム25には、これに対応してホルダープレート30の軸部304を受け入れる固定用孔255を複数開口形成したものである。
因みに、上記図10の構成例では、ラックアーム25の固定用孔255が、外側よりも内側に多く形成されている。具体的には一本のラックアーム25に対し、その外側に二カ所、内側に三カ所の固定用孔255が形成されているが、外側は一カ所でも構わない。
D ドライブシャフト
H ハウジング
L リフト
R1 縦レール
R2 横レール
S1 支承作用面
S2 支承空間
V 車輌
W 車輪
W1 外車輪(ダブルタイヤの外車輪)
W2 内車輪(ダブルタイヤの内車輪)
M 作業者
IH インパクトレンチホルダー
ST サイドトレー
1 基台
11 車輪支持フレーム
11A サービストレー
12 ポストフレーム(シリンダ外筒)
12a ベースブロック
13 転動輪
14 フットペダル
15 リリースペダル
16 ロック片
16a ロック凹部
18 横行台車
2 昇降支持台
21 昇降ロッド
22 ベース板
23 テーブル基板
24 側枠板
25 ラックアーム
25a 内上面
25b 外上面
25c 外下面
25d 内下面
251 シャフト収め部
255 固定用孔
26 支承ローラ
261 ローラブラケット
27 オイル容器
28 オイル留め
29 回転操作グリップ
3 タイヤホルダ
30 ホルダープレート
30A 外ホルダープレート
30B 内ホルダープレート
301 回動基端
302 保持部
304 軸部
31 ホルダーブラケット
32 内軸
33 外軸
35 アジャストボルト
351 メネジブロック
352 操作ノブ
353 押圧端
36 幅確認ゲージ
37 保持フック
371 回動支点
372 係止部
372H フック作用部
373 握り部
4 回転操作部材
40 ピボットブラケット
41 ピボット軸
42 操作ロッド
42A 補助操作杆
43 マグネット
Claims (6)
- 移動可能に構成された基台と、
この基台に昇降自在に支持される昇降支持台とを具え、
この昇降支持台は、基台に対し平面視で回転自在に設けられ、
更に昇降支持台には、車輪支承用のラックアームが左右方向に一対平行に設けられるとともに、
この一対のラックアームにより形成される支承空間に支承される車輪の両側部を挟むタイヤホルダを具えるものであり、
また当該タイヤホルダは、ラックアームの長手方向である前後方向において対向状態で設けられる一組の外ホルダープレートと内ホルダープレートとによって、車輪の側部を挟持するように構成され、
且つ、この一組のタイヤホルダは、ラックアームの左右方向においても対向状態に設けられ、一輪の車輪を前後・左右計四枚のホルダープレートによって直立状態で保持するように構成され、
且つまたラックアームは、長手方向の前後において別々の車輪を直立状態で保持できるように、計八枚のホルダープレートが設けられるものであり、
なお且つ前記一組の外ホルダープレートと内ホルダープレートとの間隙は、支承する車輪の幅寸法に応じて調整自在に構成され、
更に、少なくとも外ホルダープレートは、支承空間に突出して車輪を保持する作用位置と、支承空間に突出せず車輪を保持しない退去位置とに移動する構成であることを特徴とする、車輪保持機能を高めたホイールドーリー。
- 前記一対のラックアームは、対向する内側に、車輪を転動支承する支承ローラを具えていることを特徴とする請求項1記載の、車輪保持機能を高めたホイールドーリー。
- 前記外ホルダープレートと内ホルダープレートとの間隙調整は、外ホルダープレートを定位置として、内ホルダープレートを外ホルダープレートに対し接近離反自在とする構成であることを特徴とする請求項1または2記載の、車輪保持機能を高めたホイールドーリー。
- 前記一対の外ホルダープレートと内ホルダープレートとは、退去位置と作用位置との間を、各ホルダープレートの基部を回動軸として一体となって回動移動する構成であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の、車輪保持機能を高めたホイールドーリー。
- 前記一対の外ホルダープレートと内ホルダープレートとが一体となって回動する機構は、各ホルダープレートの回動軸芯を共通させながら、相対的な接近・離反を可能とするスライド嵌め合い同位相回転構造であることを特徴とする請求項4記載の、車輪保持機能を高めたホイールドーリー。
- 前記タイヤホルダは、作用位置に設定された際、作用位置を維持するための保持構造を具え、
当該保持構造は、外ホルダープレートと内ホルダープレートとのいずれか一方または双方に回動自在の保持フックを設け、この保持フックをラックアーム内側の支承ローラに係止させる構造であることを特徴とする請求項2記載の、車輪保持機能を高めたホイールドーリー。
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