(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る放射線診断装置及び医用画像処理装置を説明する。なお、以下の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。
本実施形態に係る放射線診断装置は、X線コンピュータ断層撮影装置やX線診断装置、核医学診断装置に適用可能である。以下、本実施形態に係る放射線検出器は、X線を検出するX線検出器であるとする。本実施形態に係る放射線診断装置は、X線検出器を搭載したX線コンピュータ断層撮影装置であるとする。
X線コンピュータ断層撮影装置(CT装置)には、第3世代CT、第4世代CT等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。ここで、第3世代CTは、X線管と検出器とが一体として被検体の周囲を回転するRotate/Rotate-Typeである。第4世代CTは、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管のみが被検体の周囲を回転するStationary/Rotate-Typeである。
図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の構成を示す図である。X線コンピュータ断層撮影装置1は、X線管11から被検体Pに対してX線を照射し、照射されたX線をX線検出器12で検出する。X線コンピュータ断層撮影装置1は、X線検出器12からの出力に基づいて被検体Pに関するCT画像を生成する。
図1に示すように、X線コンピュータ断層撮影装置1は、架台10、寝台30及びコンソール40を有する。コンソール40は、医用画像処理装置の一例である。なお、図1では説明の都合上、架台10が複数描画されている。架台10は、被検体PをX線CT撮影するための構成を有するスキャン装置である。寝台30は、X線CT撮影の対象となる被検体Pを載置し、被検体Pを位置決めするための搬送装置である。コンソール40は、架台10を制御するコンピュータである。例えば、架台10及び寝台30はCT検査室に設置され、コンソール40はCT検査室に隣接する制御室に設置される。架台10、寝台30及びコンソール40は互いに通信可能に有線または無線で接続されている。なお、コンソール40は、必ずしも制御室に設置されなくてもよい。例えば、コンソール40は、架台10及び寝台30とともに同一の部屋に設置されてもよい。また、コンソール40が架台10に組み込まれてもよい。
図1に示すように、架台10は、X線管11、X線検出器12、回転フレーム13、X線高電圧装置14、制御装置15、ウェッジ16、コリメータ17及びデータ収集回路(DAS:Data Acquisition System)18を有する。
X線管11は、X線を被検体Pに照射する。具体的には、X線管11は、熱電子を発生する陰極と、陰極から飛翔する熱電子を受けてX線を発生する陽極と、陰極と陽極とを保持する真空管とを含む。X線管11は、高圧ケーブルを介してX線高電圧装置14に接続されている。陰極と陽極との間には、X線高電圧装置14により管電圧が印加される。管電圧の印加により陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔する。陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔することにより管電流が流れる。X線高電圧装置14からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子が飛翔し、熱電子が陽極に衝突することによりX線が発生される。例えば、X線管11には、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。
なお、X線を発生させるハードウェアはX線管11に限られない。例えば、X線管11に代えて、第5世代方式を用いてX線を発生させることにしても構わない。第5世代方式は、電子銃から発生した電子ビームを集束させるフォーカスコイルと、電磁偏向させる偏向コイルと、被検体Pの半周を囲い偏向した電子ビームが衝突することによってX線を発生させるターゲットリングとを含む。
X線検出器12は、X線管11から照射され被検体Pを通過したX線を検出し、検出されたX線の線量に対応した電気信号をDAS18に出力する。X線検出器12は、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向)に複数配列された構造を有する。X線検出器12は、例えば、グリッド、シンチレータアレイ及び光センサアレイを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは、入射X線量に応じた光量の光を出力する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射面側に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドは、コリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光の光量に応じた電気信号に変換する。光センサとしては、例えば、フォトダイオードが用いられる。なお、X線検出器12は、直接変換型の検出器であってもよい。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを回転軸(Z軸)回りに回転可能に支持する円環状のフレームである。具体的には、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持する。回転フレーム13は、固定フレーム(図示せず)に回転軸回りに回転可能に支持される。制御装置15により回転フレーム13が回転軸回りに回転することによりX線管11とX線検出器12とを回転軸回りに回転させる。回転フレーム13は、制御装置15の駆動機構からの動力を受けて回転軸回りに一定の角速度で回転する。回転フレーム13の開口部19には、画像視野(FOV)が設定される。
なお、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し床面に対し垂直である軸方向をY軸方向と定義する。
X線高電圧装置14は、高電圧発生装置及びX線制御装置を有する。高電圧発生装置は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧及びX線管11に供給するフィラメント電流を発生する。X線制御装置は、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行う。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。X線高電圧装置14は、架台10内の回転フレーム13に設けられてもよいし、架台10内の固定フレーム(図示しない)に設けられても構わない。
ウェッジ16は、被検体Pに照射されるX線の線量を調節する。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線の線量が予め定められた分布になるようにX線を減衰する。例えば、ウェッジ16としては、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)等のアルミニウム等の金属板が用いられる。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を限定する。コリメータ17は、X線を遮蔽する複数の鉛板をスライド可能に支持し、複数の鉛板により形成されるスリットの形態を調節する。なお、コリメータ17は、X線絞りと呼ばれる場合もある。
DAS18は、X線検出器12により検出されたX線の線量に応じた電気信号をX線検出器12から読み出す。DAS18は、読み出した電気信号を増幅し、ビュー期間に亘り電気信号を積分することにより当該ビュー期間に亘るX線の線量に応じたデジタル値を有する検出データを収集する。検出データは、投影データと呼ばれる。DAS18は、例えば、投影データを生成可能な回路素子を搭載した特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)により実現される。投影データは、非接触データ伝送装置等を介してコンソール40に伝送される。
なお、本実施形態では、積分型のX線検出器12及び積分型のX線検出器12が搭載されたX線コンピュータ断層撮影装置1を例として説明するが、本実施形態に係る技術は、光子計数型のX線検出器又は光子計数型のX線検出器が搭載されたX線コンピュータ断層撮影装置であっても適用可能である。
制御装置15は、コンソール40の処理回路44のシステム制御機能441に従いX線CT撮影を実行するためにX線高電圧装置14やDAS18を制御する。制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路は、ハードウェア資源として、CPU等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。また、制御装置15は、ASICやフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)により実現されてもよい。また、制御装置15は、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)又は単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されてもよい。制御装置15は、コンソール40若しくは架台10に取り付けられた、後述する入力インターフェース43からの入力信号を受けて、架台10及び寝台30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置15は、入力信号を受けて回転フレーム13を回転させる制御や、架台10をチルトさせる制御、及び寝台30及び天板33を動作させる制御を行う。なお、架台10をチルトさせる制御は、架台10に取り付けられた入力インターフェースによって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現される。なお、制御装置15は架台10に設けられてもよいし、コンソール40に設けられても構わない。
寝台30は、基台31、支持フレーム32、天板33及び寝台駆動装置34を備える。基台31は、床面に設置される。基台31は、支持フレーム32を、床面に対して垂直方向(Y軸方向)に移動可能に支持する筐体である。支持フレーム32は、基台31の上部に設けられるフレームである。支持フレーム32は、天板33を回転軸(Z軸)に沿ってスライド可能に支持する。天板33は、被検体Pが載置される柔軟性を有する板である。
寝台駆動装置34は、寝台30の筐体内に収容される。寝台駆動装置34は、被検体Pが載置された支持フレーム32と天板33とを移動させるための動力を発生するモータ又はアクチュエータである。寝台駆動装置34は、コンソール40等による制御に従い作動する。
コンソール40は、メモリ41、ディスプレイ42、入力インターフェース43及び処理回路44を有する。メモリ41とディスプレイ42と入力インターフェース43と処理回路44との間のデータ通信は、バス(BUS)を介して行われる。なお、コンソール40は架台10とは別体として説明するが、架台10にコンソール40又はコンソール40の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ41は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ41は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。メモリ41は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体であってもよい。メモリ41は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ41の保存領域は、X線コンピュータ断層撮影装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。メモリ41には、後述するデータベースを記憶する。メモリ41は、記憶部の一例である。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。ディスプレイ42は、表示部の一例である。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。ディスプレイ42としては、種々の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。例えばディスプレイ42として、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)又はプラズマディスプレイが使用可能である。また、ディスプレイ42は、架台10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。入力インターフェース43としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。なお、本実施形態において、入力インターフェース43は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。また、入力インターフェース43は、架台10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
処理回路44は、入力インターフェース43から出力される入力操作の電気信号に応じてX線コンピュータ断層撮影装置1全体の動作を制御する。処理回路44は、X線検出器12から出力された電気信号に基づいて画像データを生成する。例えば、処理回路44は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路44は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、画像処理機能444、表示制御機能445、選定制御機能446等を実行する。なお、各機能441~446は単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能441~446を実現するものとしても構わない。
システム制御機能441において処理回路44は、X線CT撮影を行うためX線高電圧装置14と制御装置15とDAS18とを制御する。処理回路44は、選定制御機能446により選定されたスキャン条件に従いX線CT撮影を行う。
前処理機能442において処理回路44は、DAS18から出力された投影データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施す。前処理機能442を実現する処理回路44は、再構成部の一例である。
再構成処理機能443において処理回路44は、前処理機能442による前処理後の投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行い、CT画像データを生成する。処理回路44は、選定制御機能446により選定された再構成条件に従い再構成処理を行う。再構成処理機能443を実現する処理回路44は、再構成部の一例である。
画像処理機能444において処理回路44は、再構成処理機能443によって生成されたCT画像データを、任意断面の断面画像データや任意視点方向のレンダリング画像データに変換する。変換は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて行われる。例えば、処理回路44は、当該CT画像データにボリュームレンダリングや、サーフェスボリュームレンダリング、画像値投影処理、MPR(Multi-Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理等の3次元画像処理を施して、任意視点方向のレンダリング画像データを生成する。なお、任意視点方向のレンダリング画像データの生成は再構成処理機能443が直接行っても構わない。
表示制御機能445において処理回路44は、画像処理機能444により生成された各種画像データに基づいて、画像をディスプレイ42に表示させる。ディスプレイ42に表示させる画像は、CT画像データに基づくCT画像、任意断面の断面画像データに基づく断面画像、任意視点方向のレンダリング画像データに基づく任意視点方向のレンダリング画像等を含む。ディスプレイ42に表示させる画像は、データベースから取得された再構成画像、操作画面及び選択画面のための画像を含む。表示制御機能445を実現する処理回路44は、表示制御部の一例である。
選定制御機能446において処理回路44は、データベースからユーザに提示する再構成画像群を取得する。選定制御機能446において処理回路44は、表示された再構成画像群から、ユーザ操作に応じて任意の再構成画像を選択する。選定制御機能446において処理回路44は、選択された再構成画像に対応する再構成条件を再構成処理で用いられる再構成条件として設定する。選定制御機能446において処理回路44は、選択された再構成画像に対応するスキャン条件をスキャン処理で用いられるスキャン条件として設定する。選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択部の一例である。
なお、コンソール40は、単一のコンソールにて複数の機能を実行するものとして説明したが、複数の機能を別々のコンソールが実行することにしても構わない。例えば、前処理機能442、再構成処理機能443等の処理回路44の機能を分散して有しても構わない。
なお、処理回路44は、コンソール40に含まれる場合に限らず、複数の医用画像診断装置にて取得された検出データに対する処理を一括して行う統合サーバに含まれてもよい。このとき、統合サーバは、医用画像処理装置の一例であると表現できる。
なお、後処理は、コンソール40又は外部のワークステーションのどちらで実施することにしても構わない。このとき、コンソール40又は外部のワークステーションは、医用画像処理装置の一例であると表現できる。また、コンソール40とワークステーションの両方で同時に処理することにしても構わない。このとき、コンソール40及び外部のワークステーションは、医用画像処理装置の一例であると表現できる。
なお、本実施形態に係る技術は、一管球型のX線コンピュータ断層撮影装置にも、X線管と検出器との複数のペアを回転リングに搭載した、いわゆる多管球型のX線コンピュータ断層撮影装置にも適用可能である。
図2は、本実施形態に係るデータベース411の構成の一例を示す図である。データベース411は、例えばメモリ41に記憶されている。データベース411は、X線コンピュータ断層撮影装置1の外部に設けられていてもよい。この場合、データベース411は、例えば、X線コンピュータ断層撮影装置1が属する院内ネットワークの他のコンピュータや記憶装置に設けられる。図2に示すように、本実施形態に係るデータベース411には、複数の再構成画像413が蓄積されている。複数の再構成画像413には、それぞれ、複数の取得条件415が関連付けられている。複数の取得条件415の各々には、例えば、スキャン条件及び再構成条件のうち少なくとも一方が含まれている。ここで、再構成条件は、再構成パラメータ及び再構成関数を含む。以下、説明の簡単のために、本実施形態に係る複数の取得条件415の各々は、再構成条件及びスキャン条件を含むとする。図2に示す例では、複数の取得条件415の各々は、管電圧値、管電流値、スライス厚及び適用した特殊再構成の手法を含む。特殊再構成の例としては、統計学的ノイズモデル等を組み込んだ逐次近似再構成や金属アーチファクト除去アルゴリズムが込まれた逐次近似再構成、完全な逐次近似再構成等が挙げられる。
次に、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の動作について、図面を参照してより詳細に説明する。図3は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1で実行される条件設定処理の一例を示すフローチャートである。図4は、本実施形態に係る条件設定処理で表示される選択画面510の一例を示す模式図である。
ステップS101において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、データベース411から再構成画像群511を取得する。再構成画像群511は、部位ごとの再構成画像群を含む。部位は、カテゴリの一例である。部位ごとの再構成画像群の各々は、例えば、患者、スキャン条件及び再構成条件に関して、画質にバラつきが生じるように選定されている。再構成画像群511は、予め設定されていてもよいし、選定制御機能446を実現する処理回路44によって選定されてもよい。
ステップS102において、表示制御機能445を実現する処理回路44は、選択画面510をディスプレイ42に表示する。選択画面510は、例えば画像処理機能444を実現する処理回路44によって生成される。選定制御機能446を実現する処理回路44は、例えばユーザ操作に応じた入力インターフェース43の出力に基づいて、再構成画像を選択する。
図4に示すように、選択画面510は、再構成画像群511を含む。再構成画像群511は、部位ごとに配置されている。図4に示す例では、選択画面510には、頭、心臓、胸部、腹部及び下肢の5つの部位の再構成画像群が配置されている。図4に示す例では、腹部の再構成画像群は、4つの再構成画像を含む。ユーザによって選択された再構成画像は、選択画面510において強調表示される。強調表示は、選択された再構成画像をユーザが認識できるようにするものであれば何でもよく、例えば枠線によって行われる。以下の説明は、再構成画像群511のうち、腹部の再構成画像群に含まれる再構成画像512がユーザによって選択される場合を例とする。再構成画像512がユーザによって選択されたとき、表示制御機能445を実現する処理回路44は、選択画面510において、選択された再構成画像512を強調表示する。なお、図4に示す例では、部位ごとに再構成画像群が配置されているが、これに限らない。再構成画像群511は、選択画面510において、任意のカテゴリごとに配置されていればよい。カテゴリは、部位に限らず、撮影日時や医師/技師、患者、スキャン条件、再構成条件等であってもよい。また、図4に示す例では、部位(カテゴリ)の分類数は5つであるが、これに限らない。部位(カテゴリ)の分類数は、1つであってもよいし、2つ以上5つ未満の複数であってもよいし、6つ以上の複数であってもよい。また、各部位(カテゴリ)の再構成画像群に含まれる再構成画像の数は、図4に示す例に限らない。各部位(カテゴリ)の再構成画像群に含まれる再構成画像の数は、例えば、ユーザが再構成画像の画質を確認できるように表示できる範囲の数であれば、いくつであってもよい。
図4に示すように、選択画面510は、線量表示欄515、生成時間表示欄517及び決定ボタン519をさらに含む。線量表示欄515は、現在選択されている再構成画像に関する投影データが取得されたときの線量が表示される表示欄である。生成時間表示欄517は、現在選択されている再構成画像512が取得されたときのスキャン時間及び再構成時間の合計時間が表示される表示欄である。生成時間は、スキャン時間及び再構成時間のいずれか一方の表示であってもよいし、スキャン時間と再構成時間とをそれぞれ別に示す表示であってもよい。決定ボタン519は、現在選択されている再構成画像に決定することを指示するためのボタンである。決定ボタン519は、例えば入力インターフェース43に含まれる。なお、選択画面510は、表示を切り替えるためのタブをさらに含んでいてもよい。例えば、タブは、再構成画像群の表示ウィンドウと、当該再構成画像群に対応するスキャン条件や再構成条件の表示ウィンドウと、当該再構成画像群に対応する患者情報と、当該再構成画像群に対応する選定条件の表示ウィンドウとの間の切り替えに供される。例えば、表示制御機能445を実現する処理回路44は、タブが選択されたとき、再構成画像群511の各々の再構成画像に関連付けられたスキャン条件、再構成条件、患者情報を含む画面を表示する。表示制御機能445を実現する処理回路44は、タブが選択されたとき、選択画面510に配置される再構成画像群511の選定条件を調整するための画面を表示してもよいし、操作方法等のヘルプ画面を表示させてもよい。
ステップS103において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択画面510に配置された再構成画像群511のうち、いずれかの再構成画像が選択されたか否かを判定する。本判定は、例えばユーザ操作に応じて入力インターフェース43が出力する制御信号に基づいて行われる。処理は、いずれかの再構成画像が選択されたと判定された場合はステップS104へ進み、判定されなかった場合は本ステップの処理を繰り返す。
ステップS104において、表示制御機能445を実現する処理回路44は、ステップS103で選択された再構成画像512に関する線量及び生成時間を選択画面510の線量表示欄515及び生成時間表示欄517に表示する。
ステップS105において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、決定ボタン519が選択されたか否かを判定する。処理は、決定ボタン519が選択されたと判定された場合はステップS108へ進み、判定されなかった場合はステップS106へ進む。
ステップS106において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、再構成画像群521をデータベースから取得する。本ステップで取得される再構成画像群521は、ステップS103で選択された再構成画像512に類似した再構成画像を含む。「類似した再構成画像」は、より詳細には、ステップS103で選択された再構成画像512の画質に類似した画質を有する再構成画像である。選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択された再構成画像512に関連付けられたスキャン条件及び再構成条件に基づいて、再構成画像512に類似した再構成画像をデータベース411から選定する。
なお、選定制御機能446を実現する処理回路44は、スキャン条件及び再構成条件のいずれか一方に基づいて、再構成画像512に類似した再構成画像をデータベース411から選定してもよい。
ステップS107において、表示制御機能445を実現する処理回路44は、ステップS102と同様にして、選択画面520をディスプレイ42に表示する。選択画面520は、例えば画像処理機能444を実現する処理回路44によって生成される。選定制御機能446を実現する処理回路44は、例えばユーザ操作に応じた入力インターフェース43の出力に基づいて、再構成画像を選択する。
図5は、図4の選択画面510でいずれかの再構成画像が選択されたときに表示される選択画面520の一例を示す模式図である。図5には、図4の選択画面510で再構成画像512が選択された場合の選択画面520が例として示されている。図5に示すように、選択画面520は、拡大表示された再構成画像512と、ステップS106で取得された再構成画像群521とを含む。このように、本実施形態に係る医用画像処理装置では、ユーザに提示される再構成画像群は、部位(カテゴリ)ごとに階層的に配置される。図5に示すように、選択画面520は、線量表示欄515、生成時間表示欄517及び決定ボタン519をさらに含む。
なお、ステップS107において、表示制御機能445を実現する処理回路44は、拡大表示用の再構成画像512をさらに取得してもよい。この場合、データベース411は、サムネイル表示用及び拡大表示用の再構成画像512を含む。このとき、選択画面520は、拡大表示用の再構成画像512と、ステップS106で取得された再構成画像群521とを含む。
処理は、ステップS107において選択画面520を表示した後、ステップS103へ戻る。その後、処理は、ステップS105において決定ボタン519が選択されたと判定されるまでステップS103乃至ステップS107を繰り返す。
ステップS106において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択された再構成画像に対応するスキャン条件及び再構成条件を採用する。採用されたスキャン条件及び再構成条件は、それぞれ、スキャン処理及び再構成処理で用いる条件として設定される。その後、条件設定処理は終了する。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1において、医用画像処理装置は、再構成画像群をユーザに提示する。再構成画像群は、種々のスキャン条件及び/又は再構成条件に関連付けられた種々の画質を有する複数の再構成画像を含む。医用画像処理装置は、ユーザによって選択された再構成画像に対応するスキャン条件及び/又は再構成条件に従い、スキャン処理及び/又は再構成処理を行う。この構成によれば、表示された再構成画像を選択するだけで、所望の再構成画像を得るための条件を設定できるという効果がある。つまり、本技術によれば、表示された再構成画像の画質から、視覚的に再構成画像を選択し、所望の再構成画像を得るための再構成条件やスキャン条件を設定できるという効果がある。また、本技術によれば、再構成条件の差異による画質の違いを、表示された再構成画像によって視覚的に判断できるという効果がある。また、本技術によれば、不要な再構成を実施しなくてもよいため、所望の再構成画像が得られるまでの時間、処理に係る負荷等を低減できるという効果がある。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る放射線診断装置及び医用画像処理装置を説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
第1の実施形態では、選択された再構成画像512の画質に類似した画質を有する再構成画像群521が順次ユーザに提示される条件設定処理を例として説明した。一方で、条件設定処理において、ユーザによって任意のパラメータが調整されたり、特殊再構成の適用/非適用が選択されたりしてもよい。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の動作について、図面を参照してより詳細に説明する。図6は、本実施形態に係る条件設定処理の一例を示すフローチャートである。図7は、本実施形態に係る条件設定処理で表示される選択画面610の一例を示す模式図である。
ステップS201において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、データベース411から再構成画像群611を取得する。再構成画像群611は、同一のスキャン条件及び再構成条件を有する複数の再構成画像を含む。つまり、再構成画像群611を構成する複数の再構成画像は、互いに異なる患者に関し、画質にバラつきが生じるように選定されている。
なお、再構成画像群611は、スキャン条件及び再構成条件のうち、いずれか一方の条件が同一の複数の再構成画像を含むものであってもよい。
ステップS202において、表示制御機能445を実現する処理回路44は、選択画面610をディスプレイ42に表示する。選択画面610は、例えば画像処理機能444を実現する処理回路44によって生成される。選定制御機能446を実現する処理回路44は、例えばユーザ操作に応じた入力インターフェース43の出力に基づいて、再構成画像を選択する。
図7に示すように、選択画面610は、再構成画像群611を含む。図7に示す例では、再構成画像群611は患者A~Hの8つの再構成画像を含む。図7に示すように、選択画面610は、複数のスライダ613、複数の特殊再構成ボタン615、線量表示欄515、生成時間表示欄517及び決定ボタン519をさらに含む。複数のスライダ613は、被曝量、生成時間及び画質を調整するためのスライダを含む。複数のスライダ613は、調整部の一例である。生成時間は、スキャン時間と再構成時間とを含む。画質を調整するためのスライダは、輪郭の強調度であるシャープネスを調整するためのスライダと、画像の明るさであるコントラストを調整するためのスライダとを含む。複数のスライダ613の各々は、例えば5段階に調整可能である。複数の特殊再構成ボタン615は、例えばの3つの特殊再構成の手法にそれぞれ対応したボタンを含む。複数のスライダ613及び複数の特殊再構成ボタン615は、例えば入力インターフェース43に含まれる。なお、上述の複数のスライダ613で調整可能な段階の数と、複数の特殊再構成ボタン615が対応する特殊再構成の数とは、それぞれ一例であり、任意に設定されればよい。また、選択画面610に表示される画質調整のための表示は、スライダに限らず、ボタン、タッチキーボード等であってもよい。また、選択画面610に表示される特殊再構成の選択のための表示は、ボタンに限らず、スライダ、タッチキーボード等であってもよい。なお、画質調整及び特殊再構成の選択は、選択画面610における操作用の表示に限らず、物理的なボタンやダイヤル、キーボード、マウス等によって行われてもよい。なお、選択画面610における操作用の表示は、入力インターフェース43に含まれるとも表現できる。このことから、ディスプレイ42及び/又は入力インターフェース43は、調整部の一例であるとも表現できる。
ステップS203において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択画面610に表示された複数のスライダ613のうち、いずれかのスライダが操作されたか否かを判定する。本判定は、例えばユーザ操作に応じて入力インターフェース43が出力する制御信号に基づいて行われる。処理は、いずれかのスライダが操作されたと判定された場合はステップS205へ進み、判定されなかった場合はステップS204へ進む。
ステップS204において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択画面610に表示された複数の特殊再構成ボタン615のうち、いずれかの特殊再構成ボタンが選択されたか否かを判定する。本判定は、例えばユーザ操作に応じて入力インターフェース43が出力する制御信号に基づいて行われる。処理は、いずれかの特殊再構成ボタンが選択されたと判定された場合はステップS205へ進み、判定されなかった場合はステップS207へ進む。
ステップS205において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、データベース411から再構成画像群621を選定する。再構成画像群621の選定は、ステップS203又はステップS204で変更された設定に基づいて行われる。これらのことから、選定制御機能446を実現する処理回路44は、調整部の一例であるとも表現できる。再構成画像群621は、ステップS203又はステップS204で変更された設定に対応したスキャン条件及び再構成条件にそれぞれ関連付けられた患者A~Hの再構成画像である。このため、本実施形態に係るデータベース411には、複数のスライダ613及び複数の特殊再構成ボタン615の各値の組合せにそれぞれ対応する複数の再構成画像が蓄積されている。
ステップS206において、表示制御機能445を実現する処理回路44は、ステップS202と同様にして、選択画面620をディスプレイ42に表示する。選択画面620は、例えば画像処理機能444を実現する処理回路44によって生成される。選定制御機能446を実現する処理回路44は、例えばユーザ操作に応じた入力インターフェース43の出力に基づいて、再構成画像を選択する。
図8は、図7の選択画面610でいずれかのスライダ又は特殊再構成ボタンが選択されたときに表示される選択画面の一例を示す模式図である。図8には、図7の選択画面610で逐次近似再構成法Cを指示する特殊再構成ボタンが選択された場合の選択画面620が例として示されている。図8に示すように、選択画面620は、選択画面610に加えて、再構成画像群621をさらに含む。再構成画像群621は選択された逐次近似再構成法が適用された再構成画像を含み、再構成画像群611は選択された逐次近似再構成法が適用されていない再構成画像を含む。なお、逐次近似再構成法の適用又は非適用は、スキャン条件及び再構成条件に含まれる。また、図8に示すように、ユーザによって選択された逐次近似再構成法Cの適用を指示する特殊再構成ボタンは、選択画面620において強調表示されている。強調表示は、選択された特殊再構成ボタンをユーザが認識できるようにするものであれば何でもよく、例えば枠線によって行われる。
ステップS207において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、決定ボタン519が選択されたか否かを判定する。処理は、決定ボタン519が選択されたと判定された場合はステップS208へ進み、判定されなかった場合はステップS203へ戻る。
ステップS208において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択された再構成画像に対応するスキャン条件及び再構成条件を採用する。採用されたスキャン条件及び再構成条件は、それぞれ、スキャン処理及び再構成処理で用いる条件として設定される。その後、条件設定処理は終了する。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1において、医用画像処理装置は、同一パラメータの再構成画像群をユーザへ提示する。この構成であれば、上述の効果に加えて、患者ごとの画像の振れ幅を視覚的に把握できるという効果がさらに得られる。また、医用画像処理装置は、各種条件が変更されたとき、変更された条件に対応する再構成画像群をユーザへさらに提示する。この構成であれば、特殊再構成の適用やスキャン条件及び/又は再構成条件の調整に伴う再構成画像の変化を視覚的に把握できるという効果が得られる。
なお、特殊再構成の適用やスキャン条件及び/又は再構成条件の調整に係る技術は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置に適用可能である。
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る放射線診断装置及び医用画像処理装置を説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態又は第2の実施形態と同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
第1の実施形態では、条件設定処理の選択画面において、再構成画像群が部位ごとに階層的に配置される場合を例として説明した。一方で、選択画面における再構成画像群の配置は、これに限らない。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の動作について、図面を参照してより詳細に説明する。図9は、本実施形態に係る条件設定処理の一例を示すフローチャートである。図10は、本実施形態に係る条件設定処理で表示される選択画面710の一例を示す模式図である。
以下の処理は、例えばユーザが部位を選択した後に行われるとする。部位(カテゴリ)の選択は、例えば第1の実施形態に係る条件設定処理と同様にして行われればよい。
ステップS301において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、データベース411から再構成画像群711を取得する。再構成画像群711は、同一の部位に関する複数の再構成画像を含む。つまり、再構成画像群711の各々は、例えば、患者、スキャン条件及び再構成条件に関して、バラつきが生じるように選定される。
ステップS302において、表示制御機能445を実現する処理回路44は、選択画面710をディスプレイ42に表示する。選択画面710は、例えば画像処理機能444を実現する処理回路44によって生成される。選定制御機能446を実現する処理回路44は、例えばユーザ操作に応じた入力インターフェース43の出力に基づいて、再構成画像を選択する。
図10に示すように、選択画面710は、再構成画像群711を含む。以下の説明は、再構成画像群711のうち、再構成画像712がユーザによって選択される場合を例とする。
図10に示すように、選択画面710は、分布図713をさらに含む。分布図713の縦軸は、例えば被曝量(線量)である。分布図713の横軸は、例えば生成時間である。分布図713の原点は、例えば線量及び生成時間の中央値である。選択画面710において、再構成画像群711を構成する各再構成画像は、分布図713に配置されている。各再構成画像は、スキャン条件及び再構成条件に含まれる線量及び生成時間に対応する、分布図713の位置に配置される。図10に示すように、選択画面710は、表示領域714、複数の特殊再構成ボタン615、線量表示欄515、生成時間表示欄517及び決定ボタン519をさらに含む。表示領域714は、再構成画像群711のうち、選択された再構成画像が表示される領域である。
ステップS303において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択画面710に配置された再構成画像群711のうち、いずれかの再構成画像が選択されたか否かを判定する。本判定は、例えばユーザ操作に応じて入力インターフェース43が出力する制御信号に基づいて行われる。処理は、いずれかの再構成画像が選択されたと判定された場合はステップS304へ進み、判定されなかった場合はステップS305へ進む。
ステップS304において、表示制御機能445を実現する処理回路44は、ステップS303で選択された再構成画像712に関する線量表示欄515及び生成時間表示欄517を選択画面710に表示する。また、表示制御機能445を実現する処理回路44は、選択画面710において、選択された再構成画像712を強調表示するとともに、表示領域714に拡大表示する。その後、処理はステップS308へ進む。
なお、ステップS304において、表示制御機能445を実現する処理回路44は、拡大表示用の再構成画像712をデータベース411から取得してもよい。この場合、データベース411は、サムネイル表示用及び拡大表示用の再構成画像712を含む。このとき、選択画面710は、拡大表示用の再構成画像712を含む。
ステップS305において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択画面710に配置された分布図713のうち、再構成画像群711が配置されていない座標715が選択されたか否かを判定する。本判定は、例えばユーザ操作に応じて入力インターフェース43が出力する制御信号に基づいて行われる。処理は、再構成画像群711が配置されていない分布図713の座標が選択されたと判定された場合はステップS306へ進み、判定されなかった場合はステップS303へ戻る。
ステップS306において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS305で選択された座標715対応する線量及び生成時間に基づいて、再構成画像717をデータベース411から取得する。このように、分布図713には、すべての座標に対応する再構成画像が表示されていなくてもよい。
ステップS307において、表示制御機能445を実現する処理回路44は、ステップS306で生成又は取得された再構成画像717に関する線量及び生成時間を、それぞれ選択画面710の線量表示欄515及び生成時間表示欄517に表示する。また、表示制御機能445を実現する処理回路44は、選択画面710において、選択された座標715を強調表示するとともに、取得又は生成した再構成画像717を表示領域714に表示する。その後、処理はステップS308へ進む。
ステップS308において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、複数の特殊再構成ボタン615のうちいずれかの特殊再構成ボタンが選択されたか否かを判定する。処理は、いずれかの特殊再構成ボタンが選択されたと判定された場合はステップS309へ進み、判定されなかった場合はステップS311へ進む。
ステップS309において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、データベース411から再構成画像を取得する。本ステップで取得される再構成画像は、例えば、ステップS303で選択された再構成画像712に対応するスキャン条件及び再構成条件と、ステップS308で選択された特殊再構成の手法とに関連付けられた再構成画像である。再構成画像は、例えば、ステップS305で選択された座標715に対応する線量及び生成時間と、ステップS308で選択された特殊再構成の手法とに関連付けられた再構成画像である。
ステップS310において、表示制御機能445を実現する処理回路44は、ステップS309で取得された再構成画像を表示領域714に表示する。表示制御機能445を実現する処理回路44は、再構成画像に対応する線量及び生成時間を、それぞれ線量表示欄515及び生成時間表示欄517に表示する。また、表示制御機能445を実現する処理回路44は、ステップS308で選択された特殊再構成ボタンを強調表示する。その後、処理はステップS311へ進む。
ステップS311において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、決定ボタン519が選択されたか否かを判定する。処理は、決定ボタン519が選択されたと判定された場合はステップS312へ進み、判定されなかった場合はステップS303へ戻る。
ステップS312において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択された再構成画像に対応するスキャン条件及び再構成条件を採用する。採用されたスキャン条件及び再構成条件は、それぞれ、スキャン処理及び再構成処理で用いる条件として設定される。その後、条件設定処理は終了する。
なお、再構成画像は、データベース411から取得される場合に限らず、数値シミュレーションによって模擬的に生成されてもよい。選定制御機能446を実現する処理回路44は、例えばステップS306において、ステップS305で選択された座標715対応する線量及び生成時間に基づく数値シミュレーションによって、模擬的な再構成画像717を生成してもよい。選定制御機能446を実現する処理回路44は、例えばステップS309において、ステップS305で選択された座標715に対応する線量及び生成時間と、ステップS308で選択された特殊再構成の手法とに基づく数値シミュレーションによって、模擬的な再構成画像を生成してもよい。このため、例えばデータベース411には、線量及び生成時間ごとの投影データが蓄積されていてもよい。
また、選定制御機能446を実現する処理回路44は、データベース411に蓄積されている類似条件の再構成画像に基づいて、模擬的な再構成画像を生成してもよい。選定制御機能446を実現する処理回路44は、既選択の再構成画像があるときには、既選択の再構成画像に基づいて、模擬的な再構成画像を生成してもよい。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1において、医用画像処理装置は、再構成画像群を、線量や生成時間等のスキャン条件及び/又は再構成条件を座標軸とする分布図上に配置してユーザへ提示する。この構成によれば、上述の効果に加えて、線量や生成時間の検討が容易になるという効果がさらに得られる。
(第4の実施形態)
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る放射線診断装置及び医用画像処理装置を説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、以下の説明において、上述の各実施形態と同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
上述の各実施形態では、それぞれ、再構成画像群511、再構成画像群611及び再構成画像群711に含まれる再構成画像が予め設定されているとして説明した。一方で、初期的に表示される再構成画像群の各再構成画像は、一定の基準に従い選定されたものでもよい。そこで、本実施形態では、再構成画像群の選定の一例として、患者の検査情報に基づいて、初期的に表示される再構成画像群を選定する医用画像処理装置について説明する。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の動作について、図面を参照してより詳細に説明する。図11は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の動作の概要について説明するための図である。図11に示す例では、入出力される情報が破線で示されている。
図11に示すように、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1では、モダリティワークリストマネジメント(MWM)から取得された検査情報801に基づいて、再構成画像群803を選定する画像選定処理が実行される。画像選定処理は、選定制御機能446を実現する処理回路44により実行される。本実施形態に係る選定制御機能446を実現する処理回路44は、処理部の一例でもある。図12は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1で実行される画像選定処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS401において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、検査情報801をモダリティワークリストマネジメント(MWM)から取得する。
ステップS402において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、取得した検査情報801に基づいて、スキャン条件を選定する。スキャン条件は、例えば、スキャンモード、寝台位置、スキャン計画、スキャンパラメータ等を含む。このとき、選定制御機能446を実現する処理回路44は、検査情報801に含まれる検査内容から、寝台位置及びスキャンモードを決定する。例えば、検査情報801に含まれる検査内容が「頭部」であるとき、選定制御機能446を実現する処理回路44は、寝台位置として「頭部位置」を選定する。選定制御機能446を実現する処理回路44は、検査情報801に基づいて、予め設定されているスキャン設定を選定する。各々のスキャン設定には、線量、管電圧、管電流、スライス厚さ、FOV等の複数のスキャンパラメータの設定値が含まれる。
ステップS403において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、取得した検査情報801に基づいて、再構成関数を選定する。再構成関数は、再構成条件に含まれる。図13は、図12の画像選定処理における再構成関数の選定について説明するための図である。図13に示すように、検査情報801には、年齢、部位、ビームハードニング補正(BHC)の有無、画質に係る情報が含まれているとする。画質の情報としては、例えば、ピクセル数やコントラスト、滑らかさ等の情報が含まれ得る。各検査情報801の値は、例えば、DICOMタグに格納されている。選定制御機能446を実現する処理回路44は、例えば、部位が「頭部」であり、年齢が「27」であり成人であるとき、「頭部(成人)」の関数群を選定する。選定制御機能446を実現する処理回路44は、例えば、BHCの有無が「有」であるとき、「頭部(成人)」の関数群に含まれる複数の関数のうち、「BHC付」に分類されている関数群を選定する。選定制御機能446を実現する処理回路44は、例えば、画質(コントラスト、滑らかさ)が「低コントラスト、シャープ」であるとき、「BHC付」に分類されている関数群のうち、「低コントラスト」、かつ、「シャープ」に分類される関数Fdを選定する。なお、選定制御機能446を実現する処理回路44は、例えば、部位が「肺野」であるとき、画質(ピクセル)が「高精細」であるか「標準」であるかに基づいて、「肺野」に分類されている関数群から関数を選定する。
ステップS404において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS402で選定したスキャン条件に基づいて、再構成パラメータを選定する。再構成パラメータは、再構成条件に含まれる。再構成パラメータは、例えば、再構成スライス厚、再構成間隔、特殊再構成の手法、管電流、管電圧、列数、FH、撮影スライス厚、造影剤等を含む。
ステップS405において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選定したスキャン条件及び再構成条件に基づいて、再構成画像群803を選定する。図14は、図12の画像選定処理における再構成画像の選定について説明するための図である。図14に示すように、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選定したスキャン条件に基づいて、データベース411から複数の再構成画像を抽出する。例えば、複数の再構成画像は、部位のタグに基づいて抽出される。選定制御機能446を実現する処理回路44は、抽出された複数の再構成画像から、体格及び再構成条件に基づいて、再構成画像群803を選定する。再構成条件は、再構成関数及び再構成パラメータを含む。ここで、体格の比較は、例えばスキャノ画像とデータベース画像との比較により行われる。このとき、例えば、スキャノ画像から算出された体脂肪率と、データベースの再構成画像から算出された脂肪率とが比較される。また、選定制御機能446を実現する処理回路44は、複数の再構成画像に付された評価値の値に基づいて、再構成画像群803を選定する。評価値の詳細は後述する。その後、画像選定処理は終了する。
図11に示すように、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1では、検査情報801に基づいて選定された再構成画像群803のうち、ユーザに選択された再構成画像に対応するスキャン条件及び再構成条件804に基づいて、スキャン・再構成処理が行われる。スキャン・再構成処理は、ユーザによって選択された再構成画像に対応するスキャン条件が設定されて実行されるスキャン処理と、ユーザによって選択された再構成画像に対応する再構成条件が設定されて実行される再構成処理とを含む。
図15は、本実施形態に係るスキャン・再構成処理のための条件設定処理で表示される選択画面810の一例を示す模式図である。スキャン・再構成処理のための条件設定処理は、例えば第1の実施形態に係る条件設定処理と同様である。図15に示すように、選択画面810は、検査情報801、再構成画像群803、複数の特殊再構成ボタン815、管電圧表示欄816、管電流表示欄817、スライス厚表示欄818、再構成間隔表示欄819、線量表示欄515、生成時間表示欄517及び決定ボタン519を含む。複数の特殊再構成ボタン815、管電圧表示欄816、管電流表示欄817、スライス厚表示欄818及び再構成間隔表示欄819は、それぞれ、選択された再構成画像813に対応する値を表示する。管電圧表示欄816、管電流表示欄817、スライス厚表示欄818、再構成間隔表示欄819は、ユーザ入力に応じて値が変更できるように構成されている。ユーザ入力に応じて値が変更されたとき、再構成画像群は再取得される。
図11に示すように、ユーザは、スキャン・再構成処理において所望の再構成画像が得られなかったとき、異なる再構成条件で再構成処理を試したいとき等に、再構成リトライ処理をX線コンピュータ断層撮影装置1に実行させる。X線コンピュータ断層撮影装置1では、検査情報801及び選択されたスキャン条件805aに基づいて選定された再構成画像群803のうち、ユーザに選択された再構成画像に対応する選択されたスキャン条件805a及び検査情報801に基づいて、再構成リトライ処理が行われる。
再構成リトライ処理において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、条件設定処理で選択されたスキャン条件805a及び検査情報801に基づいて、データベース411から再構成画像群807を選定する画像選定処理を実行する。再構成画像群807を選定する画像選定処理は、再構成画像群803を選定する画像選定処理と同様である。再構成画像群807は、複数の再構成画像を含む。再構成画像群807の各々は、選択されたスキャン条件805a及び新たに選定された再構成条件808と関連付けられている。
図16は、本実施形態に係る再構成リトライ処理のための条件設定処理で表示される選択画面820の一例を示す模式図である。再構成リトライ処理のための条件設定処理は、例えば第1の実施形態に係る条件設定処理と同様である。ただし、スキャン処理は既に実施されているため、ここでは、ユーザに選択された再構成画像821に対応する再構成条件が設定される。図16に示すように、選択画面820は、再構成画像群807、複数のスライダ613、複数の特殊再構成ボタン615、スライス厚表示欄818、再構成間隔表示欄819、枚数表示欄824、線量表示欄515、生成時間表示欄517及び決定ボタン519を含む。枚数表示欄824は、選択された再構成画像813に対応する枚数が表示される表示欄である。表示される枚数は、再構成画像の総フレーム数のうちの、選択された再構成画像813に対応するフレームの番号に対応する。枚数は、スライス厚表示欄818に表示されるスライス厚及び再構成間隔表示欄819に表示される再構成間隔に相関がある。枚数の値は、ユーザ入力に応じて値が変更できるように構成されている。ユーザ入力に応じて値が変更されたとき、再構成画像群807は再取得され、選択画面820は更新される。なお、再構成画像群807とともに、それぞれ、再構成に使用された再構成関数を示す名称等が表示されていてもよい。
図11に示すように、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1では、スキャン・再構成処理又は再構成リトライ処理においてユーザ所望の再構成画像が得られたとき、データベース411が更新される。図17は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1で実行されるデータベース更新処理の一例を示すフローチャートである。データベース更新処理は、選定制御機能446を実現する処理回路44により実行される。本実施形態に係る選定制御機能446を実現する処理回路44は、更新部の一例でもある。以下の説明では、スキャン・再構成処理後に実行されるデータベース更新処理を例とする。
ステップS501において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、フィードバック情報805を取得する。フィードバック情報805は、選択されたスキャン条件805a及び選択された再構成条件805bを含む。
ステップS502において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、再構成条件又はスキャン条件が編集されたか否かを判定する。処理は、再構成条件又はスキャン条件が編集されたと判定された場合はステップS504へ進み、判定されなかった場合はステップS503へ進む。
ステップS503において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択された再構成画像を特定する。選択された再構成画像は、選択された再構成条件805bに関連付けられた再構成画像である。特定された再構成画像のCT値が抽出されてもよい。その後、処理はステップS505へ進む。
ステップS504において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択された再構成画像のCT値を推定する。CT値の推定は、選択されたスキャン条件805a及び選択された再構成条件805bに基づいて行われる。
なお、フィードバック情報805に選択されたスキャン条件805a及び選択された再構成条件805bで取得された再構成画像が含まれていてもよい。この場合、ステップS504の処理は行われなくてもよい。
ステップS505において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、フィードバック情報805から検査情報を抽出する。抽出される検査情報は、例えば、部位、年齢、性別及びモダリティに係る情報を含む。なお、検査情報は、MWMから再取得されてもよいし、画像選定処理で取得された検査情報801が保持されていてもよいし、フィードバック情報805に含まれていてもよい。
ステップS506において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、患者情報を取得する。患者情報は、身長、体重、過去の検査及び疾患に係る情報を含む。患者情報は、例えば病院情報システムから取得される。患者情報の一部は、検査情報と同様にして抽出されてもよい。
ステップS507において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、選択された再構成画像の評価が、入力された検査情報に対して高くなるように評価値を更新する。評価値は、例えば、選択回数に基づいて設定される。評価値は、例えば、ステップS505で抽出された検査情報及びステップS506で取得された患者情報に対する相関度に基づいて設定されてもよい。評価値は、例えば、ステップS503又はステップS504で抽出又は推定されたCT値に基づいて設定されてもよい。
なお、スキャン・再構成処理後に実行されるデータベース更新処理を例として説明したが、再構成リトライ処理後に実行されるデータベース更新処理も同様である。このとき、データベース更新処理は、フィードバック情報809に基づいて行われる。フィードバック情報809は、再構成リトライ処理において選択された再構成条件809aを含む。フィードバック情報809は、選択されたスキャン条件805aを含んでいてもよい。
このように、本実施形態に係るデータベース更新処理では、同じ又は類似した検査情報又は患者情報に対して、ユーザの評価が高い再構成画像の評価値が高くなるように更新される。
なお、データベース411において、評価値は、医師又は技師ごとに設定されていてもよい。図18は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1で実行されるデータベース更新処理の別の一例を示すフローチャートである。以下の説明は、図17を参照して説明したデータベース更新処理と比較して行う。
ステップS601乃至ステップS606の処理は、ステップS501乃至ステップS506の処理と同様である。
ステップS607において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、医師/技師情報を取得する。医師/技師情報は、スキャン条件及び再構成条件を選択したユーザを特定するための情報である。医師/技師情報は、例えば病院情報システムから取得される。なお、医師/技師情報は、検査情報801に含まれていてもよいし、フィードバック情報805に含まれていてもよい。
ステップS608において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS507と同様にして、選択された再構成画像の評価が入力された検査情報に対して高くなるように評価値を更新する。評価値は、例えば、ステップS607で取得された医師/技師情報ごとに更新される。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1において医用画像処理装置は、検査情報に基づいて、初期的に表示される再構成画像群を選定する。この構成であれば、上述の効果に加えて、ユーザの再構成画像の選択回数を低減させることができるという効果がある。つまり、所望の再構成画像が得られるまでの時間を短縮できる。また、医用画像処理装置は、選択されたスキャン条件及び/又は再構成条件に基づいて、データベースを更新する。データベースを更新することにより、初期的に表示される再構成画像群を、より
ユーザの好みに合う再構成画像群とすることができる。また、ユーザの好みに合う再構成画像群をユーザへ提示することにより、再構成のやり直し回数を低減できるという効果がある。つまり、所望の再構成画像が得られるまでの時間をさらに短縮できる。
(第5の実施形態)
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る放射線診断装置及び医用画像処理装置を説明する。ここでは、主に第4の実施形態との相違点について説明する。なお、以下の説明において、上述の各実施形態と同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
第4の実施形態では、検査情報及びユーザによって選択された再構成画像に応じて更新される評価値に基づいて、ユーザの評価が高い再構成画像群をユーザに提示できる医用画像処理装置を例として説明した。一方で、ユーザの評価が高い再構成画像群は、検査情報とユーザによって選択された再構成条件とを用いて学習される機械学習モデルの出力に基づいて、ユーザに提示されてもよい。そこで、本実施形態では、医用画像処理装置による再構成画像群の選定の一例として、患者の検査情報及び機械学習モデルに基づいて、ユーザに提示される再構成画像群を選定する医用画像処理装置について説明する。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の動作について、図面を参照してより詳細に説明する。図19は、本実施形態に係る機械学習モデルの概要について説明するための図である。図19に示す例では、入出力される情報が破線で示されている。図20は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図19に示すように、機械学習モデル901は、検査情報を入力とし、当該検査情報に対応するスキャン及び再構成条件を出力するようにパラメータが学習されたパラメータ付きの合成関数である。パラメータ付きの合成関数は、複数の調整可能な関数及びパラメータの組合せにより定義される。パラメータは、重み付行列とバイアスとの総称である。機械学習モデル901は、例えば深層ニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)等のパラメータ付き合成関数である。機械学習モデル901は、検査情報と、実際にユーザによって選択されたスキャン条件及び再構成条件とを用いて学習される。機械学習モデル901は、例えばメモリ41に記録されている。以下の処理は、機械学習モデル901が学習された後に行われる。
ステップS701において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS401と同様にして、検査情報801を取得する。選定制御機能446を実現する処理回路44は、取得部の一例であるとも表現できる。
ステップS702において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、検査情報801を機械学習モデル901へ入力し、当該検査情報に対応するスキャン条件及び再構成条件を出力する。
ステップS703において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、機械学習モデル901の出力したスキャン条件及び再構成条件を取得する。選定制御機能446を実現する処理回路44は、処理部の一例であるとも表現できる。
ステップS704において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS405と同様にして、機械学習モデル901を利用して得られたスキャン条件及び再構成条件に基づいて、再構成画像群を選定する。
ステップS705において、表示制御機能445及び選定制御機能446を実現する処理回路44は、条件設定処理を実行する。
ステップS706において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、データベース更新処理を実行する。
ステップS707において、選定制御機能446を実現する処理回路44は、フィードバック情報805又はフィードバック情報809を用いて、機械学習モデル901を強化学習する。ここで、フィードバック情報805及びフィードバック情報809は、少なくともユーザに選択された再構成条件を含む。具体的には、処理回路44は、初期的に得られたスキャン条件及び再構成条件と、ユーザが選択したスキャン条件及び再構成条件とに基づき機械学習モデル901を強化学習する。フィードバック情報805及びフィードバック情報809は、選択した医師/技師等のユーザを特定するユーザ情報を含んでいてもよい。ユーザ情報を加味して機械学習モデル901のパラメータを学習することにより、ユーザの好みに特化した専用の機械学習モデル901を生成することができる。フィードバック情報805及びフィードバック情報809は、ユーザに選択されたスキャン条件を含んでいてもよい。選定制御機能446を実現する処理回路44は、学習部の一例であるとも表現できる。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1において、医用画像処理装置は、機械学習モデルを記憶する記憶部を備える。機械学習モデルは、検査情報と、ユーザによって選択された再構成条件とに基づいて学習又は強化学習される。この構成であれば、上述の効果に加えて、より簡易にユーザの好む再構成画像群をユーザへ提示できるという効果がある。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、手間なく適切な再構成画像を生成することができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device:PLD)等の回路を意味する。PLDは、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)を含む。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、プログラムを実行するのではなく、論理回路の組合せにより当該プログラムに対応する機能を実現してもよい。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
なお、処理回路44は、検査情報を入力して再構成条件及び/又はスキャン条件を出力するようにパラメータが学習された機械学習モデル901と同様の機能を実現する回路構成を有していてもよい。当該回路構成は、例えば、ASICやPLD等の集積回路により実現される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。