JP7106123B2 - 水噴射装置、及び水草除去方法 - Google Patents

水噴射装置、及び水草除去方法 Download PDF

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Description

本願発明は、水を噴射する装置(いわゆるノズル)に関するものであり、より具体的には、噴射口の直前で流水断面を絞ることによって流水の運動量を増加させた状態で水を噴射することができる水噴射装置と、これを用いた水草除去方法に関するものである。
河川や用排水路は、管路とは異なり上部が開放されていることから、その底部などには水草が繁茂しやすい。そして水草が繁茂すると、通水断面が減少するうえ粗度係数も高くなり、その通水能力は著しく低下することになる。また、水草が繁茂した河川等は、当然ながら周辺景観にとっても望ましいものではない。
したがって、通水能力を維持するため、あるいは周辺景観を損ねないために河川等に繁茂した水草は除去される。水草を除去するにあたっては、河川や水路が果たす機能上、除草剤を散布するといった化学的手法を採用することは考えられず、基本的には物理的手法が採られる。人によって水草を刈り取るという直接的な手法が最もオーソドックスな手法であるが、その作業にかかる労力やコストが大きいこともあり、必ずしも歓迎されていない。また、刈り取った水草をすべて回収することは難しく、回収漏れとなった水草が通水断面を阻害することとなり、さらにはコカナダモやオオカナダモといった外来植物が拡散することから自然環境面においても問題とされている。
そこで、水草を根こそぎ除去することを目的に、消防ポンプを利用して除去する手法や、土木用エアースコップを用いて高圧の空気を底質に吹き付ける手法などが報告されている。そのほか特許文献1では、ウォータージェットを利用して海草や貝類を除去する技術について提案している。
特開平02-059085号公報
特許文献1が提案するウォータージェットを利用した手法をはじめ、消防ポンプや土木用エアースコップを用いる手法は、いずれも大型のポンプやコンプレッサーなど相当能力を有する圧送手段が必要となる。大型コンプレッサーなどを利用すれば水草も除去しやすいが、その反面、機械損料に伴う作業費用が増大するうえ、高圧水や高圧空気を扱うことから作業者の労働負荷と安全性における問題を指摘することもできる。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解消することであり、すなわち大型コンプレッサーなどを用いることなく、農業用のエンジンポンプなど比較的小規模な圧送手段を使用しても水草を除去することができる水噴射装置と、これを用いた水草除去方法を提供することである。
本願発明は、噴射口の直前で流水断面を絞ることによって流水の運動量を増加させた状態で水を噴射する、という点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の水噴射装置は、圧送された水(以下、単に「圧送水」という。)を噴射する装置であり、圧送水の通水路となる「内管」とこの内管の外周に配置される「外管」からなる2重管構造であって、内管と外管との間に「送気空間」が形成されたものである。内管は、圧送水が流入する「流入口」と圧送水を噴射する「噴射口」を有しており、この噴射口付近には「空気吸入孔」が設けられる。また外管には、外気が送気空間内に流入する「外気孔」が設けられている。空気吸入孔は、内管の管壁を貫通する小孔であって、噴射口側に向かって内管の内側に傾斜するように設けられる。そして、外気孔から送気空間内に流入した空気が、空気吸入孔を通じて内管内に流入することによって、圧送水の断面積を内管の内空断面積よりも縮小し、その状態のまま噴射口から噴射される。
本願発明の水噴射装置は、2以上の空気吸入孔が設けられたものとすることもできる。この場合、2以上の空気吸入孔のうち対(ペア)となる第1の空気吸入孔と第2の空気吸入孔が、内管内を流れる圧送水の流水軸に対して略対称(対称含む)となる姿勢で設けられる。
本願発明の水噴射装置は、内管の噴射口付近に板状の「傾斜板」が固定されたものとすることもできる。この傾斜板は、内管の管壁を貫通するとともに、噴射口側に向かって内管の内側に傾斜する姿勢で固定される。なお傾斜板内には、傾斜板を貫通する空気吸入孔が設けられる。
本願発明の水噴射装置は、外気孔の開口部を開閉し得る開閉栓が設けられたものとすることもできる。この開閉栓を開放すると、外気が送気空間内に流入するとともに、空気が内管内に流入することで圧送水の断面積を縮小する。一方、開閉栓を閉鎖すると、送気空間内への外気の流入が制限され、これに伴い内管内への空気の流入が抑制され、その結果、圧送水の断面積の縮小が抑制される。これに伴い内管内へ空気が流入せず、内管内では水が満流状態で流れることとなり、その結果、傾斜板による断面積の縮小効果は発現しなくなる。
本願発明の水草除去方法は、本願発明の水噴射装置を用いて水草を除去する方法であって、水中挿入工程と水噴射工程を備えた方法である。このうち水中挿入工程では、外気孔の開口部が水面よりも上方に位置するように維持したうえで、噴射口を下方にして水噴射装置の一部を水中に挿入する。また水噴射工程では、内管に水を圧送するとともに、圧送水を水草の根元に向けて噴射する。そして、水草の根元に向けて水を噴射することによって、水草の根を底質から引きはがしつつ、噴射水に混入された空気を気泡として水草に付着させる。
本願発明の水噴射装置、及び水草除去方法には、次のような効果がある。
(1)コンプレッサーなどの圧送手段を用いることなく、比較的小規模な圧送手段を利用することで水草を除去することができる。すなわち、高いエネルギー効率によって効果的に水草を除去することができる。
(2)農業用のエンジンポンプなど汎用的な圧送手段を利用することができることから、容易かつ低コストで水草を除去することができる。したがって高い頻度で除去作業を行うことができ、その結果、通水能力を維持することができ、しかも良好な周辺景観を維持することができる。
(3)根元に向けて水を噴射することによって根こそぎ水草を除去することができるうえ、噴射水に混入された空気が気泡として水草に付着するため除去された水草が水面に浮上しやすく極めて回収しやすい。水草が細分化されにくいため、回収漏れとなった水草による通水断面阻害を回避することができるとともに、コカナダモなど外来植物の拡散を防ぐことができる。
(a)は本願発明の水噴射装置を示す斜視図、(b)は本願発明の水噴射装置を示す断面図。 本願発明の水噴射装置を模式的に示す断面図。 (a)は空気吸入孔が設けられた内管を側方から見た断面図、(b)は空気吸入孔が設けられた内管を正面から見た断面図。 空気吸入孔を具備する傾斜板を示す斜視図。 (a)は薄肉の傾斜板を挿入するスリット状の切込みを示す側面図、(b)は厚肉の傾斜板を挿入する切込みを示す側面図。 本願発明の水噴射装置の機構を示すモデル図。 空気吸入孔から排出された空気によって圧送水の断面積が縮小する機構を示すモデル図。 実験を行った際の試験装置を示す側面図。 (a)は断面積の減少率と流速・流量との関係を表したグラフ図、(b)は断面積の減少率と流水の運動量の関係を表したグラフ図。 空気吸入孔を設ける位置を変えて行った実験結果を整理したグラフ図。 外管を省略して内管のみの単管構造とした本願発明の水噴射装置を示す断面図。 本願発明の水草除去方法の主な工程の流れを示すフロー図。 回収台を利用して除去草を回収する状況を示す側面図。 (a)は用水路のうち実験を行った8区間を示す平面図、(b)は実験結果を表で示す説明図。 (a)は9月に確認したときの水草の繁茂状況を示すモデル図、(b)は10月に確認したときの水草の繁茂状況を示すモデル図。
本願発明の水噴射装置、及び水草除去方法の一例を、図に基づいて説明する。なお、本願発明は、液体を噴射する装置であって、噴射直前に液体の断面積を縮小するために気体を利用するものであるが、便宜上ここでは噴射する液体が水であり、利用する気体が空気である例で説明する。
1.水噴射装置
本願発明の水噴射装置について説明する。なお、本願発明の水草除去方法は、本願発明の水噴射装置を用いて水草を除去する方法であり、したがってまずは本願発明の水噴射装置について説明し、その後に本願発明の水草除去方法について説明することとする。
図1は本願発明の水噴射装置100の構成を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその断面図(図1(a)に示すa-a矢視)である。図1(a)に示すように本願発明の水噴射装置100は、内管110と外管120を含んで構成され、図1(b)に示すように内管110の外周に外管120が配置された2重管構造とされる。外管120の内径は内管110の外径よりも大きく、これにより内管110と外管120の間には空間が形成される。内管110と外管120の間に形成される空間は、後述するように外気孔121から流入した空気が移動する空間であることから、便宜上ここではこの空間のことを「送気空間130」ということとする。
内管110は、エンジンポンプなどの圧送手段から圧送された水(以下、「圧送水」という。)を流す通水管であり、後端側から流入した圧送水が内管110内を流れそして先端側から噴射される。本願発明の水噴射装置100は、内管110に流入した圧送水よりも高い流水の運動量で噴射することをひとつの特徴としており、したがって水噴射装置100に圧送するための圧送手段としては農業用のエンジンポンプなど比較的小規模(吐出能力が低い)のものを用いることができる。もちろん大型ポンプなど比較的規模の大きな(吐出能力が高い)圧送手段を用いることもできるが、コストもかかるうえ作業者の安全性も劣ることから、状況に応じて適宜採択するとよい。なお、図1(a)に示すように便宜上ここでは、内管110の後端側(つまり圧送手段側で、図では左側)のことを「上流側」と、内管110の先端側(図では右側)のことを「下流側」ということとする。
図1(a)では、内管110全長のうちその一部に外管120を配置しており、上流側と下流側でそれぞれ内管110が外管120から突出している。つまり、内管110の外周のうちその一部に送気空間130が形成されている。このように、水噴射装置100は内管110の一部が外管120から突出する構成としてもよいし、内管110の一部が外管120から突出することなく、すなわち内管110全長にわたって外管120を配置する構成とすることもできる。
以下、水噴射装置100を構成する主な要素ごとに詳しく説明する。
(内管)
内管110は、内部が中空の管状部材であり、鋼管や一般構造用炭素鋼鋼管(いわゆる単管)、硬質ポリ塩化ビニル厚肉管(いわゆるVP管)、硬質ポリ塩化ビニル薄肉管(いわゆるVU管)など従来用いられている材料を利用して形成することができる。このうちVP管は、軽量であって加工しやすく、しかもVU管に比べ高強度であることから好適な材料といえる。なお内管110の径は、水噴射装置100を使用する状況に応じて適宜設計することができ、例えばVP管を利用する場合は20~40mm程度とすることができる。
図2は、水噴射装置100を模式的に示す断面図(図1(b)に示すb-b矢視)である。この図に示すように内管110は、一方の端部(図では右端)に噴射口111を有し、他方の端部(図では左端)に流入口112を有しており、すなわち両端が開口している。この流入口112は、圧送手段からの圧送水が流入する開口部であり、一方の噴射口111は、内管110を流過した圧送水が噴射される開口部である。
(外管)
外管120は、内管110と同様、内部が中空の管状部材であり、鋼管や単管、VP管、VU管など従来用いられている材料を利用して形成することができる。外管120の場合も、軽量であって加工しやすく、しかもVU管に比べ高強度であることから、VP管がやはり好適な材料といえる。なお外管120の径は、内管110の径(特に外径)に応じて適宜設計され、例えば内管110として25mmのVP管を利用する場合、外管120としては40mmのVP管を利用することができる。
図1(a)や図2に示すように、外管120には外気孔121が設けられる。この外気孔121は、送気空間130内に外気を流入させるための通気孔であり、そのため外気孔121は外管120の管壁の一部を貫通するように設けられる。このような構造とすることにより、外気孔121の開口部から流入した空気(外気)は、外気孔121を通過して送気空間130内に移動することができるわけである。また、外気孔121にはその開口部を閉鎖し、開放することができる開閉栓を設けることもできる。この開閉栓は、蓋形式とすることもできるし、詰物形式とすることもでき、さらに手動による開閉方式とすることもできるし、油圧や電力を利用した機械的な開閉方式とすることもできる。
既述したとおり送気空間130は、内管110と外管120の間に形成される空間であり、しかも外気孔121から流入した空気が漏出しないよう閉鎖空間(ただし、外気孔121の開口部を除く)とされる。そのため外管120の両端部(図2では左右端部)には閉鎖壁(いわゆる妻壁)が設けられ、すなわちこれら閉鎖壁と外管120の管壁、内管110の管壁によって閉鎖空間である送気空間130が形成される。
(空気吸入孔)
図2に示すように、内管110のうち噴射口111付近には空気吸入孔140が設けられる。この空気吸入孔140は、外気孔121を通じて送気空間130内に流入した空気を、さらに内管110の中(内側)に流入させるための通気孔であり、そのため空気吸入孔140は内管110の管壁の一部を貫通するように設けられる。
図3は、空気吸入孔140が設けられた内管110を模式的に示す図であり、(a)は側方から見た断面図、(b)は正面から見た断面図である。図3(a)に示すように空気吸入孔140は、下流側(噴射口111側)に向かって内管110の内側に傾斜する姿勢で設けられる。このような姿勢とするのは、後述するように、空気吸入孔140から排出される空気によって内管110内の流水断面を縮小させるためである。
空気吸入孔140は、図3に示すように2箇所に設けることもできるし、1個所のみ設けることも、あるいは3以上の箇所に設けることもできる。また図3(a)に示すように、2個の空気吸入孔140(第1の空気吸入孔と第2の空気吸入孔)を1組(ペア)とし、流水軸に対して略対称(対称含む)となる姿勢で設けることもできる。ここで流水軸とは、内管110内を流れる水の移動方向であり、つまり概ね内管110の管軸方向である。第1の空気吸入孔と第2の空気吸入孔を流水軸に対して略対称な姿勢とするには、図3(b)に示すように、直径方向に第1の空気吸入孔と第2の空気吸入孔を配置し、さらに第1の空気吸入孔の延長線と流水軸が交差する角度と、第2の空気吸入孔の延長線と流水軸が交差する角度が同等(同一含む)となるように配置する。このように流水軸に対して略対称となる姿勢で1組の空気吸入孔140を設けることによって、内管110内の流水に対して両側から挟み込むように空気を与えることができ、効果的に流水断面を縮小させることができるわけである。
空気吸入孔140は、下流側に向かって内管110の内側に傾斜する姿勢であって内管110の管壁を貫通する通気孔となれば、小口径管を利用したり、単に内管110の管壁を穿孔して小孔を形成したり、その他種々の手法で設けることができる。例えば、図4に示す傾斜板150を利用して、内管110に空気吸入孔140を設けることもできる。この傾斜板150は、板状のものであって内部に空気吸入孔140が形成されたものである。なお図4に示す傾斜板150は、平面視で四角形となっているが、これに限らず円形や半円形、楕円形、その他種々の形状とすることができる。傾斜板150を利用して内管110に空気吸入孔140を設ける場合、内管110の管壁に切込みを形成し、この切込みに傾斜板150を挿入して固定するとよい。このとき、図3(a)に示すように傾斜板150が下流側に向かって内管110の内側に傾斜する姿勢となるように管壁に切込みを形成し、そしてその姿勢のまま傾斜板150を固定する。当然ながら傾斜板150は、図3(b)に示すように、その空気吸入孔140の方向が内管110の管壁の貫通方向(肉厚方向)となるよう、配置される。
傾斜板150の平面形状は任意の形状で設計することができると説明したが、もちろんその厚さに関しても適宜設計することができる。そして内管110に形成する切込みは、当然ながら傾斜板150の厚さに応じてその形状が異なる。薄肉の傾斜板150を採用する場合は内管110にスリット状の切込みを形成し、厚肉の傾斜板150を採用する場合は内管110にも相当幅の切込みを形成することとなる。図5(a)は薄肉の傾斜板150を挿入するスリット状の切込みを示す側面図であり、図5(b)は厚肉の傾斜板150を挿入する切込みを示す側面図である。図5(a)では、傾斜板150が薄肉であるために切込みがスリット状とされ、その結果、内管110に対して3つの切断面が形成されている。一方、図5(b)では、傾斜板150が厚肉であるため、内管110に対して2つの切断面が形成されている。すなわち、薄肉の傾斜板150を用いる場合は内管110に対して3方向の切断が必要となるが、厚肉の傾斜板150を用いる場合は内管110に対して2方向の切断で足りるわけである。このように切込みを形成するという点においては、厚肉の傾斜板150を用いる方が好適といえる。
(機構)
水噴射装置100の機構(メカニズム)について、図6を参照しながら説明する。図6は、水噴射装置100の機構を示すモデル図である。なお図6では、水の流れを実線で示し、空気の流れを破線で示している。
図6の矢印A1で示すように、外気孔121の開口部から流入した外気は、この外気孔121を通じて送気空間130内に移動し、そして矢印A2で示すように、送気空間130の下流側へとさらに移動していく。一方、圧送手段からの圧送水は、流入口112から内管110内に流入し、そしてこの内管110を通って下流側に向かって流れていく。このとき、空気孔140に至るまでの区間では内管110内で満水とされた状態で、すなわち内管110内空断面と略同じ断面積で、圧送水は流れている。
送気空間130内を移動し空気吸入孔140まで到達した空気は、矢印A3に示すように、この空気吸入孔140を通って内管110内に吸い込まれていく。そして、空気吸入孔140から排出された空気が、圧送水の断面積を縮小する。より詳しくは、図7に示すように、傾斜板150によって管壁付近の圧送水の流れの向きが変わり、さらに空気吸入孔140から空気が排出されることで内管110内に空気が存在することによって実質の流水面積が減少することとなって、圧送水はその断面積が縮小する。すなわち圧送水の断面積は、傾斜板150と空気吸入孔140からの空気が与えられた前後で変化し、空気が与えられる前は内管110内空断面と略同じ断面積であるが、空気が与えられた後は内管110内空断面よりも縮小するわけである。
ホースの先端をつまむと勢いよく水が放出される現象と同様に、断面積が縮小した圧送水は勢いを増して、すなわち流速を上げて流れていく。 ただし、流速が上がる一方で流量が減少していく。したがって流量と流速の積で求められる流水の運動量は、断面積の縮小割合に応じて変化するとともに極値(ピーク値)が存在し、すなわち流水の運動量が最大化するような断面積の縮小割合が存在する。
ところで、送気空間130内の空気が空気吸入孔140を通じて内管110内に移動するのは、送気空間130内と内管110内とで圧力差が生じているためであり、内管110内の圧力よりも大気圧(外気の圧力)の方が大きいためである。したがって、送気空間130内と内管110内と気圧を同等にすれば、つまり外気が送気空間130内に流入しないようにすれば、内管110内への空気の移動が抑制され、その結果、内管110内の圧送水の断面積縮小が抑制される。すなわち、外気孔121に設けられた開閉栓を操作することによって、内管110内の圧送水の断面積縮小を調整することができるわけである。具体的には、開閉栓を開放すると外気が送気空間130内に流入するとともに、空気が内管110内に流入することで圧送水の断面積が縮小し、一方、開閉栓を閉鎖すると内管110内へ空気が流入せず内管110内では水が満流状態で流れることとなり、その結果、傾斜板150による断面積の縮小効果は発現しなくなる。
発明者らは、図8に示す試験装置を用いて実験を行った。この試験装置は、図8に示すエンジンポンプと本願発明の水噴射装置100を用いたものであり、エンジンポンプから圧送された圧送水を、水噴射装置100が噴射する仕組みである。なお、水噴射装置100の上流側には圧力計を配置して、圧送水の圧力も計測することとした。
図9は、実験結果を整理したグラフ図であり、(a)は断面積の減少率と流速V・流量Qとの関係を表し、(b)は断面積の減少率と流水の運動量Fの関係を表している。なお図9(a)では、断面積の減少率と流速Vとの関係を実線で表し、断面積の減少率と流量Qとの関係を破線で表している。また、図9(b)に示す流水の運動量Fは、流速Vと流量Qの積(F=Q×V)で求めている。
図9(b)から分かるように、実験ケースのうち、断面積の減少率が52%になると流水の運動量Fは最大となり、断面積の減少率が10%以上であって60%未満の範囲で流水の運動量Fは増加している。したがって本願発明の水噴射装置100は、噴出水の断面積が内管110の内空断面積の約30~90%の断面積となるように、より望ましくは内管110の内空断面積の50%程度の断面積となるように設計するとよい。
さらに発明者らは、空気吸入孔140を設ける位置を変えた実験も行っている。その結果を整理したのが図10に示すグラフ図である。図10に示すグラフは、噴射口111から空気吸入孔140の設置位置までの距離を横軸とし、そのときの噴射水の流速を縦軸としている。この結果から、空気吸入孔140の設置位置が噴射口111に近いほど、大きな流速で噴射されることが分かる。したがって本願発明の水噴射装置100は、噴射口111から40cm以内の位置に空気吸入孔140を設けるように、より望ましくは噴射口111から20cm以内の位置に空気吸入孔140を設けるように設計するとよい。
(他の実施例)
本願発明の水噴射装置100は、図11に示すように。外管120を省略し、内管110のみの単管構造とすることもできる。水噴射装置100を水中で使用する場合は外管120が必要となるが、水噴射装置100を気中で使用する場合は外管120を省略することができるわけである。もちろんこの場合は送気空間130が形成されず、空気吸入孔140を通じて外気が直接的に内管110内に流入することとなる。なお、内管110内への外気流入を調整したいときは、空気吸入孔140の開口部(外気側)に開閉栓を設けるとよい。
2.水草除去方法
次に本願発明の水草除去方法について図を参照しながら説明する。なお、本願発明の水草除去方法は、ここまで説明した水噴射装置100を使用して行う方法であり、したがって水噴射装置100で説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の水草除去方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「2.水噴射装置」で説明したものと同様である。
図12は、本願発明の水草除去方法の主な工程を示すフロー図である。この図に示すように、本願発明の水噴射装置100を用いて水草を除去する場合、まず対象となる水域(河川や用水路など)の概ねの水深を確認する(Step101)。そして、水深よりもやや長い水噴射装置100(例えば、水深×1.2~1.5の長さの水噴射装置100)を用意し、その他エンジンポンプ(圧送手段)や、エンジンポンプと水噴射装置100との連結ホース等を用意するなど、水噴射装置100による除去作業に必要な準備を整える(Step102)。準備工が終わると、水噴射装置100を水中に挿入していく(Step103)。このとき、外気孔121の開口部が水面よりも上方に位置するように維持したうえで、噴射口111を下方にして水噴射装置100の一部を水中に挿入する。そして、エンジンポンプ等によって内管110に水を圧送し、圧送水を水草の根元に向けて噴射する(Step104)。根元に水が噴射された水草は抜けていき、さらに噴射水に混入された空気が気泡となって水草に付着することで、抜けた水草(以下、「除去草」という。)は水面に向かって浮上していく。浮上した除去草は河川等の下流に向かって流れていくため、下流側に待機して除去草を回収するとよい(Step105)。このとき、図13に示すような回収台CTを利用するとより効率的に除去草を回収することができる。この回収台CTには、下流側に向けて上方に傾斜する面が設けられており、除去草の水面浮上を促進しながら回収することができる。目的とする範囲の水草を除去し、除去草が回収できると後片付けを行って(Step106)作業を終了する。
3.実験結果
以下、本願発明の効果を確認するために発明者が実施した実験結果について説明する。 本実験を行うにあたって、図14(a)に示すように、水草が繁茂する用水路に対して8箇所の実施区間(区間1~区間8)を、お互いが隣接しないように一定の距離を離して設定した。そして、それぞれの実施区間において本願発明の水噴射装置100を使用して区間内の全ての水草の除去を行った。なお水草除去は、8月と9月に行い、さらに図14(b)に示すように、実施区間ごとに異なる回数を設定したうえで行っている。例えば、区間1では8月及び9月に水草除去を行い、区間2では8月のみ行い、区間4では8月、9月ともに水草除去を行っていない。
8月に水草除去を行った後(9月の水草除去前)、9月に水草の繁茂状況を確認し、9月に水草除去を行った後、10月に水草の群落の状況を確認した。図15(a)は、9月に確認したとき(以下、「9月確認時」という。)の水草の繁茂状況を示すモデル図であり、図15(b)は10月に確認したとき(以下、「10月確認時」という。)の水草の繁茂状況を示すモデル図である。水草の繁茂状況は、高精度(水平測位精度60cm)の衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を用いて水草が繁茂する範囲を計測している。図14(b)では、9月確認時における植生率と、10月確認時における植生率を示している。なお植生率とは、実施区間(区間1など)の面積に対して水草の面積が占める比率である。以下、図14(b)に示す植生率について分析した結果を説明する。
8月に水草除去を行った区間1と区間2、区間5、区間6を見ると、約1か月が経過した9月確認時において小さい植生率(平均値が6%)を示している。また、8月に水草除去を行ったが9月には水草除去を行っていない区間2と区間6を見ると、約2か月が経過した10月確認時において極めて小さい植生率(3%と0%)を示している。なお、9月確認時から10月確認時にかけて植生率が減少しているのは、この時期に見られる自然的な減少と考えられる。一方、8月に水草除去を行っていない区間3と区間4、区間7、区間8を見ると、9月確認時では比較的大きな植生率(平均値が24%)を示している。すなわち、本願発明の水噴射装置100を使用して8月に水草除去を行うと、その後も小さな植生率を維持することから、本願発明による水草除去が極めて有効であることがわかる。
9月に水草除去を行った区間1と区間3、区間5、区間7を見ると、約1か月が経過した10月確認時において小さい植生率(平均値が2%)を示している。また、9月に水草除去を行ったが8月には水草除去を行っていない区間3と区間7を見ると、10月確認時において小さい植生率(0%と6%)を示している。一方、9月に水草除去を行っていない区間2と区間4、区間6、区間8を見ると、10月確認時では比較的大きな植生率(平均値が12%)を示している。すなわち、本願発明の水噴射装置100を使用して9月に水草除去を行うと、その後も小さな植生率を維持することから、本願発明による水草除去が極めて有効であることがわかる。
本願発明の水噴射装置、及び水草除去方法は、河川や農業用の用排水路のほか、湖沼やため池などの閉鎖性水域や道路側溝や雨水排水路など、様々な水域において利用することができる。本願発明が、社会インフラストラクチャーとしての河川等を良好な状態で維持することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
100 水噴射装置
110 (水噴射装置の)内管
111 (内管の)噴射口
112 (内管の)流入口
120 (水噴射装置の)外管
121 (外管に設けられる)外気孔
130 (水噴射装置の)送気空間
140 (水噴射装置の)空気吸入孔
150 (水噴射装置の)傾斜板
CT 回収台

Claims (5)

  1. 圧送された水を噴射する装置において、
    圧送水の通水路となる内管と、該内管の外周に配置される外管と、からなる2重管構造であって、該内管と該外管との間には送気空間が形成され、
    前記内管は、圧送水が流入する流入口、及び圧送水を噴射する噴射口を有するとともに、該噴射口付近に空気吸入孔が設けられ、
    前記外管には、外気が前記送気空間内に流入する外気孔が設けられ、
    前記空気吸入孔は、前記内管の管壁を貫通する小孔であって、前記噴射口側に向かって前記内管の内側に傾斜するように設けられ、
    前記外気孔から前記送気空間内に流入した空気が、前記空気吸入孔を通じて前記内管内に流入することで、圧送水の断面積を該内管の内空断面積よりも縮小し、
    前記内管の内空断面積よりも小さな断面積の圧送水が、前記噴射口から噴射される、
    ことを特徴とする水噴射装置。
  2. 2以上の前記空気吸入孔が設けられるとともに、2以上の該空気吸入孔のうち第1の空気吸入孔と第2の空気吸入孔が、前記内管内を流れる圧送水の流水軸に対して対称又は略対称となる姿勢で設けられた、
    ことを特徴とする請求項1記載の水噴射装置。
  3. 前記内管の前記噴射口付近に、板状の傾斜板が固定され、
    前記傾斜板は、前記内管の管壁を貫通するとともに、前記噴射口側に向かって前記内管の内側に傾斜する姿勢で固定され、
    前記傾斜板内に、該傾斜板を貫通する前記空気吸入孔が設けられた、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の水噴射装置。
  4. 前記外気孔の開口部に、該開口部を開閉し得る開閉栓が設けられ、
    前記開閉栓を開放すると、外気が前記送気空間内に流入するとともに、空気が前記内管内に流入することで、圧送水の断面積を縮小し、
    前記開閉栓を閉鎖すると、前記送気空間内への外気の流入を制限することで、前記内管内への空気の流入を抑制するとともに、圧送水の断面積の縮小を抑制する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水噴射装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の水噴射装置を用いて、水草を除去する方法であって、
    前記外気孔の開口部が水面よりも上方に位置するように維持したうえで、前記噴射口を下方にして前記水噴射装置の一部を水中に挿入する水中挿入工程と、
    前記内管に水を圧送するとともに、圧送水を水草の根元に向けて噴射する水噴射工程と、を備え、
    水草に対して水を噴射するとともに、前記噴射口からの噴射水に混入された空気によって水草に気泡を付着させる、
    ことを特徴とする水草除去方法。
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