JP7104540B2 - 発泡成形品補強用積層体及びその製造方法 - Google Patents
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[1] 熱可塑性樹脂からなるランダムループ状の連続線状体が前記連続線状体の交点で融着している網状構造体と、不織布とが積層されており、
前記連続線状体の繊維径が0.20mm以上1.0mm以下、前記網状構造体の厚さが0.5mm以上2.9mm以下であり、
前記不織布に含まれる繊維の繊維径が0.100mm以下、前記不織布の厚さが0.5mm以上3.0mm以下であることを特徴とする発泡成形品補強用積層体。
[2] 前記網状構造体の厚さが、前記不織布の厚さに対して1.0倍以上5.8倍以下である[1]に記載の発泡成形品補強用積層体。
[3] 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂及びエチレン酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である[1]または[2]に記載の発泡成形品補強用積層体。
[4] 前記網状構造体と前記不織布が、熱融着により一体化されている[1]~[3]のいずれか1項に記載の発泡成形品補強用積層体。
[5] 熱可塑性樹脂からなるランダムループ状の連続線状体が前記連続線状体の交点で融着しており、前記連続線状体の繊維径が0.20mm以上1.0mm以下、厚さが0.5mm以上2.9mm以下である網状構造体と、繊維径が0.100mm以下の繊維を含み、厚さが0.5mm以上3.0mm以下である不織布を積層して圧着する工程を含むことを特徴とする発泡成形品補強用積層体の製造方法。
例えば、補強材が単層であった場合、ウレタンが含浸した補強材を使って製品化すると、ウレタンが含浸した補強材と台座表面とでは摩擦係数が大きく異なるため、使用時の製品の動きに伴い、ウレタンが含浸した補強材が上下・左右に動いてしまい、これに起因して異音が発生していた(スティック・スリップ)。一方、本発明者らが検討したところ、本発明では更に網状構造体を積層することにより、ウレタンが含浸した不織布が、直接、台座表面と接触することを抑制でき、これにより異音を低減できることがわかった。図1には、発泡成形品補強用積層体を網状構造体側からみたときの、2cm四方に含まれる連続線状体1の概略図を示す。図1に示すように、網状構造体は空間の多い構造を有しているが、仮に発泡成形品補強用積層体が厚さ方向に変形しても、連続線状体1の繊維径が太く網状構造体の空間を維持できるため、網状構造体の存在によりウレタンが含浸した不織布が、直接、台座表面と接触することを抑制でき、これによりスティック・スリップによる異音低減が図られる。以下、本発明について詳述する。
網状構造体は、熱可塑性樹脂からなるランダムループ状の連続線状体が前記連続線状体の交点で融着している構造を有する。連続線状体の形状は特に限定されず、連続線状体の内部は中実または中空のいずれであってもよく、連続線状体の断面形状は円形または異形のいずれであってもよい。
不織布は特に限定されず、公知の不織布が使用でき、中でも、引き裂き強力が20N以上、発泡後の強力(発泡後の不織布層を切り出し、JIS L 1913(2010)に準拠して強力を測定する)が10N/cm以上、且つウレタンの染み出しを少なくするための高密度部位を有する不織布が好ましい。
発泡成形品補強用積層体は、網状構造体と不織布を積層することにより製造される。より具体的には、網状構造体と不織布は、例えば、熱融着、接合、縫合などにより一体化されていることが好ましく、剥離強度が高いことから熱融着または接合が好ましく、更に不織布が網状構造体の片面に固定されウレタンの貫通を抑制できる観点からより好ましくは熱融着である。
本発明に係る発泡成形品補強用積層体は、金型を用い、成型する発泡成形品の補強材として有用であり、前記発泡成形品としては、例えば、クッション、車両用の各種内装材、建築資材、電化製品等が挙げられる。本発明に係る発泡成形品補強用積層体は、特に異音の発生が指摘されている車両用内装材の補強材として好ましく用いられる。発泡成形品補強用積層体を車両用内装材の補強材として使用する場合には、発泡成形品補強用積層体は台座表面と車両用内装材(例えば、シート材)との間に載置されることが好ましく、台座表面側に網状構造体が配置され、車両用内装材側に不織布側が配置されることがより好ましい。網状構造体を台座表面側に配置することにより、台座とウレタンが含浸している不織布が接触しにくくなり、これらの接触に起因する異音の発生を低減できる。なお発泡成形品補強用積層体は、金型に発泡ウレタンと接触するようにしてセットされ、発泡時に発泡ウレタン成形体と一体化されることにより、発泡ウレタン成形体の表面に固定されていることが好ましい。
(1)厚さ;ラミネート前の網状構造体及び不織布、並びに得られた発泡成形品補強用積層体の厚さは、厚さ計(測定子φ30mm、1.8N)により測定した。またラミネート後の網状構造体及び不織布の厚さは、マイクロスコープ(キーエンス社製)を用い、10倍に拡大した断面の観察により測定した。なおラミネート後の厚さの測定に際しては、拡大断面において、網状構造体及び不織布のそれぞれについて、任意の10箇所で厚さを測定し、その平均値をラミネート後の網状構造体及び不織布の厚さとした。
(2)目付;測定対象の試料を30cm×30cmで切り出して重量を測定した後、100cm×100cmの面積に換算して求めた。
(3)繊維径;網状構造体を構成する連続線状体の繊維径は、ノギスを用いて測定した(平均値;n=10)。また不織布に含まれる繊維の繊維径は、マイクロスコープ(キーエンス社製)を用いて測定した(平均値;n=10)。
(4)不織布荷重時接触評価;発泡成形品補強用積層体の不織布面に油性インクを塗布した後、紙で覆い、紙面に平板荷重を負荷した後、紙への油性インクの転写状態を下記に基づいて評価した。
◎:転写しない、○:わずかに転写がある、×:転写が多く見られる
(5)異音の評価;実施例及び比較例で製造された発泡成形品補強用積層体を、ウレタン側に不織布側が配置されるようにして金型に載置し、ポリエーテルポリオール(三洋化成工業社製「サンフォーム(登録商標)RC-1026」)479g、ポリイソシアネート(三洋化成工業社製「サンフォーム(登録商標)IC-500N」)121g、加工温度65℃、加工時間5分にてポリウレタン成形加工を行った。ポリウレタン成形加工後、発泡成形品補強用積層体を含むサンプルを2個切り出し(10cm×10cm×5cm(厚さ))、これら2個のサンプルの網状構造体面側で鋼棒(φ20mm)の表面にシリコンオイル(信越シリコーン社製「KF-96-100cs」)を塗布したものを挟み、上から荷重をかけ60%圧縮した後、前記鋼棒を2~3回/秒の速度で回転させ、キュッという異音の発生を確認し、下記に基づいて評価した。
○:異音発生しない、×:異音発生する
低密度ポリエチレン(融点:110℃、MFR:21g/10分(190℃/2.16kg))からなるランダムループ状の連続線状体(繊維径:0.28mm)が前記連続線状体の交点で融着している網状構造体(厚さ:1.2mm、目付:89g/m2)と、ポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布(不織布に含まれる繊維の繊維径:0.014mm、繊維の融点;260℃、厚さ:1.1mm、目付:108g/m2)とを積層し、網状構造体と不織布の積層物をラミネート機(Meyer社製)に供給してラミネート加工を行うことにより、網状構造体と不織布が熱融着された発泡成形品補強用積層体を製造した。前記積層物をラミネート機に供給する際、網状構造体を上側(上側ベルト温度:80℃)、不織布を下側(下側ベルト温度:180℃)にセットし、ローラーニップ距離が1.5mm、ローラー接圧が15N/cm2、加工速度が6m/min、冷却水温度が20℃となるようにラミネート機を設定した。製造された発泡成形品補強用積層体の厚さは1.3mm、目付は203g/m2であった。
網状構造体及び不織布の構成、並びにラミネート機の条件を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形品補強用積層体を製造した。製造された発泡成形品補強用積層体の特性を表1にまとめる。
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂からなるランダムループ状の連続線状体が前記連続線状体の交点で融着している網状構造体と、不織布とが積層されており、
前記連続線状体の繊維径が0.20mm以上1.0mm以下、前記網状構造体の厚さが0.5mm以上2.9mm以下であり、
前記不織布に含まれる繊維の繊維径が0.100mm以下、前記不織布の厚さが0.5mm以上3.0mm以下であることを特徴とする発泡成形品補強用積層体。 - 前記網状構造体の厚さが、前記不織布の厚さに対して1.0倍以上5.8倍以下である請求項1に記載の発泡成形品補強用積層体。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂及びエチレン酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1または2に記載の発泡成形品補強用積層体。
- 前記網状構造体と前記不織布が、熱融着により一体化されている請求項1~3のいずれか1項に記載の発泡成形品補強用積層体。
- 熱可塑性樹脂からなるランダムループ状の連続線状体が前記連続線状体の交点で融着しており、前記連続線状体の繊維径が0.20mm以上1.0mm以下、厚さが0.5mm以上2.9mm以下である網状構造体と、繊維径が0.100mm以下の繊維を含み、厚さが0.5mm以上3.0mm以下である不織布を積層して圧着する工程を含むことを特徴とする発泡成形品補強用積層体の製造方法。
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