JP7104488B2 - ウレタン結合を有するラジカル重合性シランカップリング化合物およびそれらを含有する医科歯科用硬化性組成物 - Google Patents

ウレタン結合を有するラジカル重合性シランカップリング化合物およびそれらを含有する医科歯科用硬化性組成物 Download PDF

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Description

本発明は、新規なウレタン結合を有するラジカル重合性シランカップリング化合物およびそれらを含有する医科歯科用硬化性組成物に関する。
医科歯科分野で骨や歯牙の欠損を修復するために金属補綴物や合成樹脂成型物などが用いられている。それらの生体硬組織への接着には、接着重合性モノマーを含有する接着剤が多用されている。また、歯科分野では、所謂コンポジットレジンと呼ばれる医科歯科用硬化性組成物が日々臨床にて使用されている。これは未硬化体(ラジカル重合前)ペーストを、歯牙等の欠損部位に充填した後に光照射等の外的エネルギーを付与することでラジカル重合硬化体を得る。
一般的にこれらの接着剤やコンポジットレジンには、メチルメタクリレートやトリエチレングリコールジメタクリレート、ウレタン系ジメタクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが使用されている。これら(メタ)アクリル酸誘導体モノマー等のビニルモノマーのフリーラジカル重合(以下ラジカル重合と記す)では、炭素-炭素の二重結合が解裂し単結合になることで高分子体を形成し硬化する。このコンポジットレジンにはビニルモノマーだけではなく、無機充填剤が機械的強度向上の目的で添加される。一般的にそれらの無機充填剤は重合性基を有するシランカップリング剤により表面処理され、濡れ性の向上や機械的強度向上が図られている。歯科分野では従来より、シランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下KBM-503と記す)が広く用いられている。該化合物で表面処理された粒子を用いた場合、疎水性が低いため加水分解が進行しやすく、材料の耐久性が低いという課題があった。また、その低い疎水性のため無機充填剤の充填率も低く十分な機械的強度が得られないと言う欠点も有していた。
そのため、材料の耐久性や充填率を向上させるために、アルキル鎖の長いシランカップリング剤使用する方法(特許文献1、2、3)、フルオロアルキレン基を有するシランカップリング剤使用する方法(特許文献4)、重合性基を数多く有するシランカップリング剤使用する方法(特許文献5)が提案されている。
特開平2-134307号 特開平3-70778号 特開2015-196682号 特開2007-238567号 特開2010-229054号
しかしながら、特許文献1~特許文献3に記載の方法を、医科歯科用硬化性組成物の一つである医科歯科用コンポジットレジンに適用した際には、機械的強度に改善の余地があった。また、特許文献4に記載の方法を歯科材料に適用した際には、耐水性が低く、材料の耐久性は不十分であった。このように、従来技術でのシランカップリング剤を使用した材料の耐久性及び機械的強度の両立は不十分であり、更なる改良の余地があった。また、シランカップリング剤合成時にヒドロシリル化反応を用いる従来法では、白金やパラジウム等の高価な貴金属触媒が必要であり、また貴金属触媒の残留に起因する硬化体の黄変が生じる場合があった。

本発明は、ウレタン基を有するラジカル重合性モノマーに対する高い親和性を与え、これにより医科歯科用硬化性組成物に用いた際に高い機械的強度、及び耐久性を与える新規なシランカップリング剤、および新規なシランカップリング剤により表面処理された無機充填剤および新規な医科歯科用硬化性組成物を提供することを目的とする。さらに、シランカップリング剤合成時にヒドロシリル化反応を用いず、貴金属触媒の残留に起因する硬化体の黄変を生じないため、硬化体の色調安定性が優れていることも目的とする。
発明者等の鋭意検討の結果、下記の化学構造式で表わされるシランカップリング剤を用いて無機充填剤を表面処理することで、ラジカル重合性モノマーに対する高い親和性を与える事を発見した。これにより医科歯科用硬化性組成物に用いた際に高い機械的強度を与える事が可能となった。
Figure 0007104488000001
[化1]について、Aは、H2C=CH-, H2C=C(CH3)-, H2C=CH-C6H4- 基を表し(C6H4はフェニレン基を示す)、Bは、-C(O)-O-, -C(O)-S-, -C(O)-NH-, -NH-C(O)-NH-, -NH-C(O)-S-, -NH-C(O)-O- 基を表し、
R1は、C2~C100の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、-O-CH2-CH2-基、-O-CH(CH3)-CH2-基、-CH(CH3)-CH2-O-基のうちから1以上含み得、
Zは、C2~C100の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、
R2 は、C2~C100の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、-S-, -NH-, -NR4-(R4はアルキレン基を示す),-CH2-C6H4-(C6H4はフェニレン基を示す), -C(O)-O-, -O- 基、-O-CH2-CH2-基、-O-CH(CH3)-CH2-基、-CH(CH3)-CH2-O-基のうちから1以上含み得、
R3はC1~C6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、
R4はC1~C16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を表しnが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する。
なお、-O-CH2-CH2-基はポリエチレングリコールの繰返し単位、-O-CH(CH3)-CH2-基、-O-CH2-CH(CH3)-基はポリプロピレングリコールの繰返し単位を意味し、結合の方向は任意であり、aは1~6, nは0~3である。
本発明のシランカップリング剤にて無機充填剤を表面処理することで、ラジカル重合性モノマーに対する高親和性を発現し、その結果として医科歯科用硬化性組成物に高い機械的強度、柔軟性(しなやかさ)及び接着性・密着性を与える。また、シランカップリング剤合成時にヒドロシリル化反応を用いず、貴金属触媒の残留に起因する硬化体の黄変を生じないため、硬化体の色調安定性が優れている。
この高親和性効果はラジカル重合性モノマーがウレタン基を有する場合に顕著に現れる。これは[化1]式中にウレタン結合が2ヶ所あることに起因するものと考える。即ち、本発明のシランカップリング剤にて表面処理された無機充填剤はその表面にウレタン基が導入され、これがウレタン基を有するラジカル重合性モノマーに対する著しい高親和性を発現するものと考える。本発明により、無機充填剤の高充填化が可能となり、その結果として高い機械的強度を達成することが可能となった。また、本発明のシランカップリング剤分子内には伸縮性に富むポリエチレングリコール(エーテル結合)等の繰返し単位を有するため、柔軟性(しなやかさ)や密着性および耐久性が大幅に向上した。
本発明におけるラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の分子構造は、[化1]に示される構造であり、1種または複数の組み合わせで用いても良い。
[化1]に示される構造をより詳しく記載すると、Aは、H2C=CH-, H2C=C(CH3)-, H2C=CH-C6H4- 基を表し(C6H4はフェニレン基を示す)、Bは、-C(O)-O-, -C(O)-S-, -C(O)-NH-, -NH-C(O)-NH-, -NH-C(O)-S-, -NH-C(O)-O- 基を表し、
R1は、C2~C100の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、-O-CH2-CH2-基、-O-CH(CH3)-CH2-基、-CH(CH3)-CH2-O-基のうちから1以上含み得、
Zは、C2~C100の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、
R2 は、C2~C100の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、-S-, -NH-, -NR4-(R4はアルキレン基を示す),-CH2-C6H4-(C6H4はフェニレン基を示す), -C(O)-O-, -O- 基、-O-CH2-CH2-基、-O-CH(CH3)-CH2-基、-CH(CH3)-CH2-O-基のうちから1以上含み得、
R3はC1~C6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、
R4はC1~C16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を表しnが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する。
なお、-O-CH2-CH2-基はポリエチレングリコールの繰返し単位、-O-CH(CH3)-CH2-基、-O-CH2-CH(CH3)-基はポリプロピレングリコールの繰返し単位を意味し、結合の方向は任意であり、aは1~6, nは0~3である。
Figure 0007104488000002
また、本発明のシランカップリング剤を用いて無機充填剤を表面処理する場合、処理濃度に関しては母粒子のシラノール基密度(mol/g)にもよるが、一般的には無機充填剤の0.05質量倍から10質量倍が好ましい。0.05質量倍より低い処理では十分にシランカップリング剤を導入出来ず、また、10質量倍を超えた場合にはシランカップリング剤のみの縮合物が生成し、機械的強度に影響を与えるために好ましくない。
以下に代表的な化合物の化学構造を記載する。
Figure 0007104488000003
Figure 0007104488000004
本発明のシランカップリング剤で処理する無機充填剤としては、それらの化学的組成は特に限定されないが、二酸化珪素、アルミナ、シリカ-チタニア、シリカ-チタニア-酸化バリウム、シリカ-ジルコニア、シリカ-アルミナ、ランタンガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ガラスセラミック、アルミノシリケートガラス、バリウムボロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、カルシウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムフルオロアルミノシリケートガラス、バリウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムカルシウムフルオロアルミノシリケートガラス等が挙げられる。特に歯科用グラスアイオノマーセメントやレジン強化型グラスアイオノマーセメントおよびレジンセメント等に使用されているフルオロアルミノケイ酸バリウムガラス、フルオロアルミノケイ酸ストロンチウムガラス、フルオロアルミノケイ酸ガラス等も好適に使用できる。ここで言うフルオロアルミノケイ酸ガラスとは、酸化珪素および酸化アルミニウムを基本骨格とし、非架橋性酸素導入のためのアルカリ金属を含む。さらに修飾・配位イオンとしてストロンチウムを含むアルカリ土類金属およびフッ素を有する。また、更なるX線不透過性を付与するためにランタノイド系列の元素を骨格に組み込んだ組成物である。このランタノイド系列元素は組成域により修飾・配位イオンとしても組成に参加する。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。本発明のシランカップリング剤で処理された無機充填剤の本発明における医科歯科用硬化性組成物での組成割合としては、特に限定されないが、好ましくは25~90重量%の範囲内である。25重量%以下である場合には、硬化物の機械的(物理的)強度が低いため好ましくない。また、90重量%以上では調製したペーストの粘性が高すぎるため臨床上の操作性が悪く好ましくない。さらに、前記無機充填剤の平均粒子径は0.001~100μmであることが好ましく、より好ましくは0.001~10μmである。さらに、無機充填剤の形状は球状あるいは不定形状の何れでもよい。本明細書において、「平均粒子径」は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
本発明のシランカップリング剤を医科歯科用硬化性組成物に適用する場合、含まれるラジカル重合性モノマーは、医科歯科用硬化性組成物中に10~60重量%含まれることが好ましく、さらにこのましくは15~30重量%である。10重量%以下であれば、医科歯科用硬化性組成物の粘性が高すぎ、不具合が生じる可能性があり、60重量%以上であると、医科歯科用硬化性組成物の強度が低下する可能性がある。
本発明における医科歯科用硬化性組成物で用いられるラジカル重合性モノマーは歯科分野で用いられているものを何ら制限なく用いる事が出来るが、その分子骨格にウレタン結合を有することが好ましい。ウレタン結合(-NH-C(O)-O-)は本発明のシランカップリング剤と効果的に水素結合を形成するためである。本件におけるラジカル重合性モノマーは例えば、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とのウレタン反応により合成される7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジメタクリレート(UDMA)や、HEMAやヒドロキシエチルアクリレート(HEA)と2,4-トルイレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネートの各々とのウレタン反応により合成されるラジカル重合性モノマー類や、脂肪族および/または芳香族ジイソシアネーとグリセロール(メタ)クリレートや3-メタクリロール-2-ヒドロキシプロピルエステルとの反応によって得られるウレタンジアクリレート類や、1,3-ビス(2-イソシアナート,2-プロピル)ベンゼンとヒドロキシ基を有する化合物とのウレタン反応物等が挙げられる。より具体的には、2,7,7,9,15-ペンタメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、2,7,7,9,15-ペンタメチル-4,13-18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、2,8,10,10,15-ペンタメチル-4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、2,7,7,9,15-ペンタメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(シクロヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((2-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)シクロヘキシル)メチルカルバモイロキシ)プロピルメタクリレート、2,2’-(シクロヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,4-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((4-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-イル)メチルカルバモイロキシ)プロピルメタクリレート、2,2’-(ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,4-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、7,7,9-トリメチル-4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、8,10,10-トリメチル-4,13,18-トリオキソ3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2-(1-(2-((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)-4,4-ジメチルシクロヘキシル)エチルカルバモイロキシ)エチルメタクリレート、2-(1-(2-((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)エチル)-5,5-ジメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)エチルメタクリレート、2-(2-(((1-(メタクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)-2,5,5-トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン-1,3-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2-(2-(((1-(メタクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)-2,5,5-トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン-1,3-ジイルジアクリレート、2-(2-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)-2,5,5-トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン-1,3-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、3-(15-(2-(アクリロイロキシ)エチル)-3,12,19-トリオキソ-2,13,18-トリオキサ-4,11-ジアザヘニコス-20-エニル)ペンタン-1,5-ジイルジアクリレート、3-(15-(2-(アクリロイロキシ)エチル)-3,12,19-トリオキソ-2,13,18-トリオキサ-4,11-ジアザヘニコス-20-エニル)ペンタン-1,5-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(シクリヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((2-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)シクロヘキシル)メチルカルバモイ
ロキシ)エチルメタクリレート、2,2’-(シクリヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,15-ビス(シクロヘキシルオキシメチル)-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、2,15-ビス(シクロヘキシルオキシメチル)-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2,15-ビス(シクロヘキシルオキシメチル)-4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイ
コス-19-エニルメタクリレート、1,18-ビス(シクロヘキシルオキシ)-5,14-ジオキソ-4,15-ジオキサ-6,13-ジアザオクタデカン-2,17-ジイルジアクリレート、1-(シクロヘキシルオキシ)-17-(シクロヘキシルオキシメチル)-5,14,19-トリオキソ-4,15,18-トリオキサ-6,13-ジアザヘニコス-20-エン-2-イルメタクリレート、1,18-ビス(シクロヘキシルオキシ)-5,14-ジオキソ-4,15-ジオキサ-6,13-ジアザオクタデカン-2,17-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)エチル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((3-((((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)メチル)ベンジル)(メチル)カルバモイロキシ)エチル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)プロピル メタクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチ
ル)ベンジルカルバモイロキシ)エチル メタクリレート、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビスオキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ビス(2-メチルアクリレート)、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビスオキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ジアクリレート、4-(3-(((4-(アクリロキシ)フェノキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)フェニル メタクリレート、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビ
ス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ジアクリレート、4-(3-(((4-(アクリロイロキシ)ブトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)ブチル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-フェノキシプロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-フェノキシプロピル メタクリレート、2-2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2-2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロピル メタクリレート、2,2’-(1,3フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロキシ)-3-(フェニルチオ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(フェニルチオ)プロピル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(ベンジルオキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(ベンジルオキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロピル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(メタアクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(アクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロピル メタクリレート2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2.2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((2-(アクリロイルオキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルオキシ)エチルメタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((2-(3-(2-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イル)(メチル)カルバモイルキシ)エチル メタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)プロピルメタクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)エチル メタクリレート、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ビス(2-メチルアクリレート)、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビ
ス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ジアクリレート、4-(2-(3-(2-((4-(アクリロイロキシ)フェノキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)フェニルメタクリレート、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ジアクリレート、4-(2-(3-(2-((4-アクリロイロキシ)ブトキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)ブチルメタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-フェノキシプロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)-3-フェノキシプロピル メタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロピル メタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(フェニルチオ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(フェニルチオ)プロピル メタクリレート、2-2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(3-(ベンジロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2-2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(3
-(ベンジロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロピル メタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(メタクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(アクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロピルメタクリレートなどが挙げられる。
本発明のシランカップリング剤を医科歯科用硬化性組成物に適用する場合、少なくとも重合開始剤または重合促進剤のいずれか一方を含むことが好ましい。また、その好ましい配合量は、重合開始剤と重合促進剤を合わせた配合量が、ラジカル重合性モノマーに対し、0.5wt%~5wt%が好ましい。0.5wt%より低い濃度では未重合のラジカル重合性モノマーが多くなるため機械的強度が低下する。また、5wt%より高い濃度では重合度が低下し、機械的強度が低下するためである。
本発明の医科歯科用硬化性組成物に含まれる重合開始剤としては、工業界で使用されている重合開始剤から選択して使用でき、中でも歯科用途に用いられている重合開始剤が好ましく用いられる。特に、光重合及び化学重合の重合開始剤を、単独又は2種以上適宜組み合わせて使用される。以下具体的には、本発明の医科歯科用硬化性組成物に含まれる重合開始剤のうち光重合開始剤としては、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類、水溶性アシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、α-ジケトン類、クマリン類、アントラキノン類、ベンゾインアルキルエーテル化合物類、α-アミノケトン系化合物などが挙げられる。
光重合開始剤として用いられるアシルフォスフィンオキサイド類を具体的に例示すると、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6-テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ-(2,6-ジメチルフェニル)ホスホネートなどが挙げられる。ビスアシルフォスフィンオキサイド類としては、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6-トリメチルベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
光重合開始剤として用いられるチオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩を具体的に例示すると、例えば、チオキサントン、2-クロルチオキサンセン-9-オン、2-ヒドロキシ-3-(9-オキシ-9H-チオキサンテン-4-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(1-メチル-9-オキシ-9H-チオキサンテン-4-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(1,3,4-トリメチル-9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミニウムクロライドなどが挙げられる。
光重合開始剤として用いられるα-ジケトン類を具体的に例示すると、例えば、ジアセチル、ジベンジル、カンファーキノン、2,3-ペンタジオン、2,3-オクタジオン、9,10-フェナンスレンキノン、4,4’-オキシベンジル、アセナフテンキノン等が挙げられる。
光重合開始剤として用いられるクマリン化合物を具体的に例示すると、例えば、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノ)クマリン、3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、3-チェノイルクマリン、3-ベンゾイル-5,7-ジメトキシクマリン、3-ベンゾイル-7-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-6-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-8-メトキシクマリン、3-ベンゾイルクマリン、7-メトキシ-3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-ベンゾイル-8-メトキシクマリン、3,5-カルボニルビス(7-メトキシクマリン)、3-ベンゾイル-6-ブロモクマリン、3,3’-カルボニルビスクマリン、3-ベンゾイル-7-ジメチルアミノクマリン、3-ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、3-カルボキシクマリン、3-カルボキシ-7-メトキシクマリン、3-エトキシカルボニル-6-メトキシクマリン、3-エトキシカルボニル-8-メトキシクマリン、3-アセチルベンゾ[f]クマリン、7-メトキシ-3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-ベンゾイル-8-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-6-ニトロクマリン-3-ベンゾイル-7-ジエチルアミノクマリン、7-ジメチルアミノ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ジエチルアミノ)クマリン、7-メトキシ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、3-(4-ニトロベンゾイル)ベンゾ[f]クマリン、3-(4-エトキシシンナモイル)-7-メトキシクマリン、3-(4-ジメチルアミノシンナモイル)クマリン、3-(4-ジフェニルアミノシンナモイル)クマリン、3-[(3-ジメチルベンゾチアゾール-2-イリデン)アセチル]クマリン、3-[(1-メチルナフト[1,2-d]チアゾール-2-イリデン)アセチル]クマリン、3,3’-カルボニルビス(6-メトキシクマリン)、3,3’-カルボニルビス(7-アセトキシクマリン)、3,3’-カルボニルビス(7-ジメチルアミノクマリン)、3-(2-ベンゾチアゾイル)-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾチアゾイル)-7-(ジブチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾイミダゾイル)-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾチアゾイル)-7-(ジオクチルアミノ)クマリン、3-アセチル-7-(ジメチルアミノ)クマリン、3,3’-カルボニルビス(7-ジブチルアミノクマリン)、3,3’-カルボニル-7-ジエチルアミノクマリン-7’-ビス(ブトキシエチル)アミノクマリン、10-[3-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1-オキソ-2-プロペニル]-2,3,6,7-1,1,7,7-テトラメチル1H,5H,11H-[1]ベンゾピラノ[6,7,8-ij]キノリジン-11-オン、10-(2-ベンゾチアゾイル)-2,3,6,7-テトラヒドロ-1,1,7,7-テトラメチル1H,5H,11H-[1]ベンゾピラノ[6,7,8-ij]キノリジン-11-オン等の化合物などが挙げられる。
クマリン化合物の中でも、特に、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)及び3,3’-カルボニルビス(7-ジブチルアミノクマリン)が好適である。
光重合開始剤として用いられるアントラキノン類を具体的に例示すると、例えば、アントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-クロロアントラキノン、1-ブロモアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、1-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、1-ヒドロキシアントラキノンなどが挙げられる。
光重合開始剤として用いられるベンゾインアルキルエーテル類を具体的に例示すると、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
光重合開始剤として用いられるα-アミノケトン類を具体的に例示すると、例えば、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンなどが挙げられる。
光重合開始剤の中でも、(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類及びその塩、α-ジケトン類、及びクマリン化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これにより、可視及び近紫外領域での光硬化性に優れ、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、キセノンランプのいずれの光源を用いても十分な光硬化性を示す組成物が得られる。
本発明の医科歯科用硬化性組成物に含まれる重合開始剤のうち化学重合開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。上記の化学重合開始剤に使用される有機過酸化物は特に限定されず、公知のものを使用することができる。代表的な有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるケトンパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド及びシクロヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるハイドロパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド及び1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるジアシルパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサイドなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるジアルキルパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン及び2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3-ヘキシンなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるパーオキシケタールを具体的に例示すると、例えば、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン及び4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレリックアシッド-n-ブチルエステルなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるパーオキシエステルを具体的に例示すると、例えば、α-クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、2,2,4-トリメチルペンチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタラート、t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルヘキサノエート、t-チルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート及びt-ブチルパーオキシマレリックアシッドなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるパーオキシジカーボネートを具体的に例示すると、例えば、ジ-3-メトキシパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エトキシエチルパーオキシジカーボネート及びジアリルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。
有機過酸化物の中でも、安全性、保存安定性及びラジカル生成能力の総合的なバランスから、ジアシルパーオキサイドが好ましく用いられ、その中でもベンゾイルパーオキサイドが特に好ましく用いられる。
重合促進剤を具体的に例示すると、例えば、アミン類、スルフィン酸及びその塩、ボレート化合物、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、銅化合物、スズ化合物、バナジウム化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物などが挙げられる。
重合促進剤として用いられるアミン類は、脂肪族アミン及び芳香族アミンに分けられる。脂肪族アミンを具体的に例示すると、例えば、n-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、n-オクチルアミン等の第1級脂肪族アミン;ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、N-メチルジエタノールアミン等の第2級脂肪族アミン;N-メチルエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-ラウリルジエタノールアミン、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N-メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N-エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の第3級脂肪族アミンなどが挙げられる。これらの中でも、組成物の硬化性及び保存安定性の観点から、第3級脂肪族アミンが好ましく、その中でもN-メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンがより好ましく用いられる。
芳香族アミンを具体的に例示すると、例えば、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジメチルアニリン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,4-ジメチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-エチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-イソプロピルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-t-ブチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジ-イソプロピルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジ-t-ブチルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-m-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-3,5-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-3,4-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-4-エチルアニリン、N,N-ジメチル-4-イソプロピルアニリン、N,N-ジメチル-4-t-ブチルアニリン、N,N-ジメチル-3,5-ジ-t-ブチルアニリン、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸-n-ブトキシエチルエステル、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸-2-(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、4-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン、4-ジメチルアミノ安息香酸ブチル等が挙げられる。これらの中でも、組成物に優れた硬化性を付与できる観点から、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸-n-ブトキシエチルエステル及び4-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
重合促進剤として用いられるスルフィン酸及びその塩を具体的に例示すると、例えば、p-トルエンスルフィン酸、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、p-トルエンスルフィン酸カリウム、p-トルエンスルフィン酸リチウム、p-トルエンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウム等が挙げられ、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウムが特に好ましい。
重合促進剤として用いられるボレート化合物は、1分子中に1個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、トリアルキルフェニルホウ素、トリアルキル(p-クロロフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-フロロフェニル)ホウ素、トリアルキル(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、トリアルキル[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2-メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、トリアルキル(p-ニトロフェニル)ホウ素、トリアルキル(m-ニトロフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-ブチルフェニル)ホウ素、トリアルキル(m-ブチルフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、トリアルキル(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素及びトリアルキル(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn-ブチル基、n-オクチル基及びn-ドデシル基等からなる群から選択される少なくとも1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
また、1分子中に2個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、ジアルキルジフェニルホウ素、ジアルキルジ(p-クロロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-フロロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、ジアルキルジ[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2-メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、ジアルキルジ(p-ニトロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m-ニトロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-ブチルフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m-ブチルフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素及びジアルキルジ(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn-ブチル基、n-オクチル基及びn-ドデシル基等からなる群から選択される少なくとも1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
さらに、1分子中に3個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、モノアルキルトリフェニルホウ素、モノアルキルトリ(p-クロロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-フロロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、モノアルキルトリ[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2-メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、モノアルキルトリ(p-ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m-ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m-ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素及びモノアルキルトリ(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn-ブチル基、n-オクチル基又はn-ドデシル基等から選択される1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩、ブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
さらに1分子中に4個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、テトラフェニルホウ素、テトラキス(p-クロロフェニル)ホウ素、テトラキス(p-フロロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、テトラキス[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2--メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、テトラキス(p-ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(m-ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(p-ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(m-ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素、(p-フロロフェニル)トリフェニルホウ素、(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルトリフェニルホウ素、(p-ニトロフェニル)トリフェニルホウ素、(m-ブチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素、(p-ブチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素、(m-オクチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素及び(p-オクチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
これらアリールボレート化合物の中でも、保存安定性の観点から、1分子中に3個又は4個のアリール基を有するボレート化合物を用いることがより好ましい。また、これらアリールボレート化合物は1種又は2種以上を混合して用いることも可能である。
重合促進剤として用いられるバビツール酸誘導体を具体的に例示すると、例えば、バルビツール酸、1,3-ジメチルバルビツール酸、1,3-ジフェニルバルビツール酸、1,5-ジメチルバルビツール酸、5-ブチルバルビツール酸、5-エチルバルビツール酸、5-イソプロピルバルビツール酸、5-シクロヘキシルバルビツール酸、1,3,5-トリメチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-エチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-n-ブチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-イソブチルバルビツール酸、1,3-ジメチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-シクロペンチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-シクロヘキシルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-フェニルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-1-エチルバルビツール酸、1-ベンジル-5-フェニルバルビツール酸、5-メチルバルビツール酸、5-プロピルバルビツール酸、1,5-ジエチルバルビツール酸,1-エチル-5-メチルバルビツール酸、1-エチル-5-イソブチルバルビツール酸、1,3-ジエチル-5-ブチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-メチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-エチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-オクチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-ヘキシルバルビツール酸、5-ブチル-1-シクロヘキシルバルビツール酸、1-ベンジル-5-フェニルバルビツール酸及びチオバルビツール酸類、ならびにこれらの塩(特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属類が好ましい)が挙げられ、これらバルビツール酸類の塩としては、例えば、5-ブチルバルビツール酸ナトリウム、1,3,5-トリメチルバルビツール酸ナトリウム及び1-シクロヘキシル-5-エチルバルビツール酸ナトリウムなどが挙げられる。
特に好適なバルビツール酸誘導体を具体的に例示すると、例えば、5-ブチルバルビツール酸、1,3,5-トリメチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-エチルバルビツール酸、1-ベンジル-5-フェニルバルビツール酸、及びこれらバルビツール酸類のナトリウム塩などが挙げられる。
重合促進剤として用いられるトリアジン化合物を具体的に例示すると、例えば、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(トリブロモメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メチルチオフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(2,4-ジクロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-ブロモフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-n-プロピル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(α,α,β-トリクロロエチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-スチリル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(p-メトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(o-メトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(p-ブトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(1-ナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-ビフェニリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N-ヒドロキシエチル-N-エチルアミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N-ヒドロキシエチル-N-メチルアミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N,N-ジアリルアミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジンなどが挙げられる。
上記で例示したトリアジン化合物の中で特に好ましいものは、重合活性の点で2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジンであり、また保存安定性の点で、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、及び2-(4-ビフェニリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジンである。上記トリアジン化合物は1種又は2種以上を混合して用いても構わない。
重合促進剤として用いられる銅化合物を具体的に例示すると、例えば、アセチルアセトン銅、酢酸第2銅、オレイン酸銅、塩化第2銅、臭化第2銅などが挙げられる。
重合促進剤として用いられるスズ化合物を具体的に例示すると、例えば、ジ-n-ブチル錫ジマレート、ジ-n-オクチル錫ジマレート、ジ-n-オクチル錫ジラウレート、ジ-n-ブチル錫ジラウレートなどが挙げられる。特に好適なスズ化合物は、ジ-n-オクチル錫ジラウレート及びジ-n-ブチル錫ジラウレートである。
重合促進剤として用いられるバナジウム化合物は、好ましくはIV価及び/又はV価のバナジウム化合物類である。IV価及び/又はV価のバナジウム化合物類を具体的に例示すると、例えば、四酸化二バナジウム(IV)、酸化バナジウムアセチルアセトナート(IV)、シュウ酸バナジル(IV)、硫酸バナジル(IV)、オキソビス(1-フェニル-1,3-ブタンジオネート)バナジウム(IV)、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)、五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸ナトリウム(V)、メタバナジン酸アンモン(V)などが挙げられる。
重合促進剤として用いられるハロゲン化合物を具体的に例示すると、例えば、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
重合促進剤として用いられるアルデヒド類を具体的に例示すると、例えば、テレフタルアルデヒドやベンズアルデヒド誘導体などが挙げられる。ベンズアルデヒド誘導体としては、ジメチルアミノベンズアルデヒド、p-メチルオキシベンズアルデヒド、p-エチルオキシベンズアルデヒド、p-n-オクチルオキシベンズアルデヒドなどが挙げられる。これらの中でも、硬化性の観点から、p-n-オクチルオキシベンズアルデヒドが好ましく用いられる。
重合促進剤として用いられるチオール化合物を具体的に例示すると、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、チオ安息香酸などが挙げられる。
本発明の医科歯科用硬化性組成物に含めることができる成分は任意であるが、具体的に例示すると、染料および顔料などの着色剤、増粘剤、芳香剤等が挙げられる。
本発明によるシランカップリング剤の製造方法および、それらを含有する医科歯科用硬化性組成物の調製方法・物理的特性について詳しく説明するが、本発明はこれらの説明に何ら限定されるものではない。
(合成例1)ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の合成1
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(1L容積)にテトラヒドロフラン300mL、デカン-1,10-ジオール:17.4g(0.10mol)、およびp-メトキシフェノール:12.6mgを加え溶解させた。次に、ビーカーに2-イソシアネートエチルメタクリレート:7.76g(0.05mol)を秤量した後、テトラヒドロフラン150mLを添加し、十分攪拌させ滴下ロートに移液した。四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながらテトラヒドロフランが沸騰しないように2-イソシアネートエチルメタクリレートを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、四つ口フラスコをオイルバスから外し反応物を室温に戻し、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるデカン-1,10-ジオールおよび2-イソシアネートエチルメタクリレートは消失し、新たなピーク:2-((((10-ヒドロキシデシル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチルメタクリレート(分子量329.44)を確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、上述の操作で合成した前駆体化合物25.2g(76.4mmol)を含有するテトラヒドロフラン溶液に(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:15.7g(76.4mmol)をテトラヒドロフランが沸騰しないように、攪拌しながら滴下した。なお、反応は第一段階同様に75℃に加温したオイルバスに浸漬して行った。滴下終了後、24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である2-((((10-ヒドロキシデシル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチルメタクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-8,21-ジオキソ-2,9,20-トリオキサ-7,22-ジアザ-3-シラテトラコサン-24-イルメタクリレート(分子量534.72)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
Figure 0007104488000005

(合成例2)ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の合成2
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(1L容積)にテトラヒドロフラン300mL、ウンデカン-1,11-ジオール:18.8g(0.10mol)、およびp-メトキシフェノール:14.4mgを加え溶解させた。次に、ビーカーに2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルメタクリレート:9.96g(0.05mol)を秤量した後、テトラヒドロフラン150mLを添加し、十分攪拌させ滴下ロートに移液した。四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながらテトラヒドロフランが沸騰しないように2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルメタクリレートを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、四つ口フラスコをオイルバスから外し反応物を室温に戻し、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるウンデカン-1,11-ジオールおよび2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルメタクリレートは消失し、新たなピーク:2-(2-((((11-ヒドロキシウンデシル)オキシ)カルボニル)アミノ)エトキシ)エチルメタクリレート(分子量387.52)を確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、上述の操作で合成した前駆体化合物28.8g(74.2mmol)を含有するテトラヒドロフラン溶液に(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:15.2g(74.2mmol)をテトラヒドロフランが沸騰しないように、攪拌しながら滴下した。なお、反応は第一段階同様に75℃に加温したオイルバスに浸漬して行った。滴下終了後、24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である2-(2-((((11-ヒドロキシウンデシル)オキシ)カルボニル)アミノ)エトキシ)エチルメタクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-8,22-ジオキソ-2,9,21,26-テトラオキサ-7,23-ジアザ-3-シラオクタコサン-28-イルメタクリレート(分子量592.80)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
Figure 0007104488000006
(合成例3)ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の合成3
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(1L容積)にテトラヒドロフラン300mL、2,5,8-トリメチルドデカン-1,11-ジオール:24.4g(0.10mol)、およびp-メトキシフェノール:16.1mgを加え溶解させた。次に、ビーカーに2-イソシアネートエチルメタクリレート:7.76g(0.05mol)を秤量した後、テトラヒドロフラン150mLを添加し、十分攪拌させ滴下ロートに移液した。四つ口フラスコを85℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながらテトラヒドロフラン還流下にて2-イソシアネートエチルメタクリレートを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、四つ口フラスコをオイルバスから外し反応物を室温に戻し、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2,5,8-トリメチルドデカン-1,11-ジオールおよび2-イソシアネートエチルメタクリレートは消失し、新たなピーク:2-((((12-ヒドロキシ-5,8,11-トリメチルドデカン-2-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチルメタクリレート(分子量399.57)を確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、上述の操作で合成した前駆体化合物32.2g(80.6mmol)を含有するテトラヒドロフラン溶液に(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:16.5g(80.6mmol)をテトラヒドロフラン還流下にて、攪拌しながら滴下した。なお、反応は第一段階同様に85℃に加温したオイルバスに浸漬して行った。滴下終了後、24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である2-((((12-ヒドロキシ-5,8,11-トリメチルドデカン-2-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチルメタクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-11,14,17,20-テトラメチル-8,22-ジオキソ-2,9,21-トリオキサ-7,23-ジアザ-3-シラペンタコサン-25-イルメタクリレート(分子量604.86)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。


Figure 0007104488000007

(合成例4)ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の合成4
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(1L容積)にテトラヒドロフラン300mL、オクタン-1,8-ジオール:14.6g(0.10mol)、およびp-メトキシフェノール:11.2mgを加え溶解させた。次に、ビーカーに2-イソシアネートエチルメタクリレート:7.76g(0.05mol)を秤量した後、テトラヒドロフラン150mLを添加し、十分攪拌させ滴下ロートに移液した。四つ口フラスコを85℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながらテトラヒドロフラン還流下にて2-イソシアネートエチルメタクリレートを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、四つ口フラスコをオイルバスから外し反応物を室温に戻し、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるオクタン-1,8-ジオールおよび2-イソシアネートエチルメタクリレートは消失し、新たなピーク:2-((((8-ヒドロキシオクチル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチルメタクリレート(分子量301.38)を確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、上述の操作で合成した前駆体化合物22.4g(74.3mmol)を含有するテトラヒドロフラン溶液に(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:15.3g(74.3mmol)をテトラヒドロフラン還流下にて、攪拌しながら滴下した。なお、反応は第一段階同様に85℃に加温したオイルバスに浸漬して行った。滴下終了後、24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である2-((((8-ヒドロキシオクチル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチルメタクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-8,19-ジオキソ-2,9,18-トリオキサ-7,20-ジアザ-3-シラドコサン-22-イルメタクリレート(分子量506.67)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
Figure 0007104488000008

(合成例5)ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の合成5
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(1L容積)にテトラヒドロフラン300mL、オクタン-1,8-ジオール:14.6g(0.10mol)、およびp-メトキシフェノール:12.3mgを加え溶解させた。次に、ビーカーに2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルメタクリレート:9.96g(0.05mol)を秤量した後、テトラヒドロフラン150mLを添加し、十分攪拌させ滴下ロートに移液した。四つ口フラスコを85℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながらテトラヒドロフラン還流下にて2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルメタクリレートを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、四つ口フラスコをオイルバスから外し反応物を室温に戻し、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるオクタン-1,8-ジオールおよび2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルメタクリレートは消失し、新たなピーク:2-(2-((((8-ヒドロキシオクチル)オキシ)カルボニル)アミノ)エトキシ)エチルメタクリレート(分子量345.44)を確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、上述の操作で合成した前駆体化合物24.6g(71.2mmol)を含有するテトラヒドロフラン溶液に(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:14.6g(71.2mmol)をテトラヒドロフラン還流下にて、攪拌しながら滴下した。なお、反応は第一段階同様に75℃に加温したオイルバスに浸漬して行った。滴下終了後、24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である2-(2-((((8-ヒドロキシオクチル)オキシ)カルボニル)アミノ)エトキシ)エチルメタクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-8,19-ジオキソ-2,9,18,23-テトラオキサ-7,20-ジアザ-3-シラペンタコサン-25-イルメタクリレート(分子量550.72)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
Figure 0007104488000009

(合成例6)ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の合成6
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(1L容積)にテトラヒドロフラン300mL、オクタン-1,8-ジオール:14.6g(0.10mol)、およびp-メトキシフェノール:13.3mgを加え溶解させた。次に、ビーカーに2-イソシアネート-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアクリレート:12.0g(0.05mol)を秤量した後、テトラヒドロフラン150mLを添加し、十分攪拌させ滴下ロートに移液した。四つ口フラスコを85℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながらテトラヒドロフラン還流下にて2-イソシアネート-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアクリレートを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、四つ口フラスコをオイルバスから外し反応物を室温に戻し、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるオクタン-1,8-ジオールおよび2-イソシアネート-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアクリレートは消失し、新たなピーク:2-((((8-ヒドロキシオクチル)オキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアクリレート(分子量385.46)を確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、上述の操作で合成した前駆体化合物26.6g(69.0mmol)を含有するテトラヒドロフラン溶液に(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:14.2g(69.0mmol)をテトラヒドロフラン還流下にて、攪拌しながら滴下した。なお、反応は第一段階同様に85℃に加温したオイルバスに浸漬して行った。滴下終了後、24時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である2-((((8-ヒドロキシオクチル)オキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:2-((3,3-ジメトキシ-8-オキソ-2,9,18-トリオキサ-7-アザ-3-シラノナデカン-19-オイル)アミノ)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアクリレート(分子量590.74)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
Figure 0007104488000010

(合成例7)ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の合成7
攪拌羽根、温度計を備えた耐圧反応容器(1L容積)にテトラヒドロフラン450mL、ヘキサコサン-1,26-ジオール:39.9g(0.10mol)、2-イソシアネートエチルアクリレート:7.06g(0.05mol)、およびp-メトキシフェノール:23.5mgを加え十分攪拌させ溶解させた。その後、耐圧反応容器に0.5MPaの圧力をアルゴンガスにて加えた。耐圧反応容器を90℃に加温したオイルバスに浸漬し攪拌しながら12時間反応を行った。反応終了後、耐圧反応容器をオイルバスから外し反応物を室温に戻した後にアルゴンガスをゆっくり除去し常圧に戻した。その後、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるヘキサコサン-1,26-ジオールおよび2-イソシアネートエチルアクリレートは消失し、新たなピーク:2-((((26-ヒドロキシヘキサコシル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチルアクリレート(分子量539.84)を確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、上述の操作で合成した前駆体化合物47.0g(87.0mmol)を含有するテトラヒドロフラン溶液に(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:17.9g(87.0mmol)を添加し第二段階の反応を行った。なお、反応は第一段階同様にアルゴンガス0.5MPa加圧下にて90℃に加温したオイルバスに耐圧反応容器を浸漬して12時間行った。反応終了後、耐圧反応容器をオイルバスから外し反応物を室温に戻した後にアルゴンガスをゆっくり除去し常圧に戻した。その後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である2-((((26-ヒドロキシヘキサコシル)オキシ)カルボニル)アミノ)エチルアクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-8,37-ジオキソ-2,9,36-トリオキサ-7,38-ジアザ-3-シラテトラコンタン-40-イルアクリレート(分子量745.13)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
Figure 0007104488000011

(比較合成例1)ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の合成1
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(100mL容積)に10-ウンデセン-1-オール:17.0g(0.10mol)、およびp-メトキシフェノール:16.3mg(500ppm相当)を加え溶解させた。次に、滴下ロートに2-イソシアナートエチルメタクリレート:15.5g(0.10mol)を秤量した。四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないように2-イソシアナートエチルメタクリレートを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま12時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、四つ口フラスコをオイルバスから外し反応物を室温に戻し、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である10-ウンデセン-1-オールおよび2-イソシアナートエチルメタクリレートのピークは消失し、新たなピーク:2-((10-ウンデセニロキシ)カルボニルアミノ)エチルメタクリレート(分子量325.4)を確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、上述の操作で合成した化合物32.5g(0.10mol)を含む四つ口フラスコに白金(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン:4.9mg(100ppm相当)を添加し均一になるように十分攪拌した。別に、滴下ロートにトリエトキシシラン:16.4g(0.10mol)を秤量した。四つ口フラスコを室温下、攪拌しながら内温が35℃を超えないようにトリエトキシシランを滴下した。滴下終了後、室温にて12時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、原材料である2-((10-ウンデセニロキシ)カルボニルアミノ)エチルメタクリレートおよびトリエトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:4,4-ジエトキシ-17-オキソ-3,16-ジオキサ-18-アザ-4-シライコサン-20-イルメタクリレート(分子量489.7)を確認した。また、FT-IR測定の結果、2190cm-1のシラン基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
Figure 0007104488000012

実施例1-1~1-7,(医科歯科用コンポジットレジン調製-無機質充填率70wt%)
合成例1~7にて合成した重合性シランカップリング剤を用いOX-50(日本アエロジル社製)およびFuselex(龍森社製)の表面改質および医科歯科用コンポジットレジンの調製を行った。具体的な表面改質方法を以下に記載する。表1-1に記載した量の合成済シランカップリング剤をエタノール300mLに溶解し、OX-50:15.0gおよびFuselex:45.0gが入った500mLナスフラスコに加えた。その後、電磁攪拌子を入れ10分間攪拌し、さらに28KHz-150Wの超音波分散機にて5分間分散させた。分散終了後、攪拌下にて蒸留水2.4gおよび1wt%燐酸水溶液1.2gを加え、フラスコを沸騰ウオーターバスに浸け5時間還流させた。還流終了後、内温を室温まで戻し遮光下にて表1記載のバインダー液(UDMA, 2G)および光重合開始剤を加え、均一に攪拌した後にエバポレータにてエタノールを留去した。その後Thinky社製Planetary Vacuum mixer ARV-310にて1000rpm-5KPa-15minの条件下にて完全に溶媒を除去し医科歯科用コンポジットレジンを得た。
実施例2-1~2-7,(医科歯科用コンポジットレジン調製-無機質充填率85wt%)
合成例1~7にて合成した重合性シランカップリング剤を用いOX-50(日本アエロジル社製)およびFuselex(龍森社製)の表面改質および医科歯科用コンポジットレジンの調製を行った。具体的な表面改質方法を以下に記載する。表1-2に記載した量の合成済シランカップリング剤をエタノール300mLに溶解し、OX-50:15.0gおよびFuselex:45.0gが入った500mLナスフラスコに加えた。その後、電磁攪拌子を入れ10分間攪拌し、さらに28KHz-150Wの超音波分散機にて5分間分散させた。分散終了後、攪拌下にて蒸留水2.4gおよび1wt%燐酸水溶液1.2gを加え、フラスコを沸騰ウオーターバスに浸け5時間還流させた。還流終了後、内温を室温まで戻し遮光下にて表1記載のバインダー液(UDMA, 2G)および光重合開始剤を加え、均一に攪拌した後にエバポレータにてエタノールを留去した。その後、Thinky社製Planetary Vacuum mixer ARV-310にて1000rpm-5KPa-15minの条件下にて完全に溶媒を除去し医科歯科用コンポジットレジンを得た。
比較実施例1-1~1-3,(医科歯科用コンポジットレジン調製-無機質充填率70wt%)
市販重合性シランカップリング剤を用いOX-50(日本アエロジル社製)およびFuselex(龍森社製)の表面改質および医科歯科用コンポジットレジンの調製を行った。具体的な表面改質方法を以下に記載する。表1-1に記載した量の市販シランカップリング剤をエタノール300mLに溶解し、OX-50:15.0gおよびFuselex:45.0gが入った500mLナスフラスコに加えた。その後、電磁攪拌子を入れ10分間攪拌し、さらに28KHz-150Wの超音波分散機にて5分間分散させた。分散終了後、攪拌下にて蒸留水2.4gおよび1wt%燐酸水溶液1.2gを加え、フラスコを沸騰ウオーターバスに浸け5時間還流させた。還流終了後、内温を室温まで戻し遮光下にて表1-1記載のバインダー液(UDMA, 2G)および光重合開始剤を加え、均一に攪拌した後にエバポレータにてエタノールを留去した。その後、Thinky社製Planetary Vacuum mixer ARV-310にて1000rpm-5KPa-15minの条件下にて完全に溶媒を除去し医科歯科用コンポジットレジンを得た。
比較実施例2-1~2-3,(医科歯科用コンポジットレジン調製-無機質充填率85wt%)
市販重合性シランカップリング剤を用いOX-50(日本アエロジル社製)およびFuselex(龍森社製)の表面改質および医科歯科用コンポジットレジンの調製を行った。具体的な表面改質方法を以下に記載する。表1-2に記載した量の市販シランカップリング剤をエタノール300mLに溶解し、OX-50:15.0gおよびFuselex:45.0gが入った500mLナスフラスコに加えた。その後、電磁攪拌子を入れ10分間攪拌し、さらに28KHz-150Wの超音波分散機にて5分間分散させた。分散終了後、攪拌下にて蒸留水2.4gおよび1wt%燐酸水溶液1.2gを加え、フラスコを沸騰ウオーターバスに浸け5時間還流させた。還流終了後、内温を室温まで戻し遮光下にて表1-2記載のバインダー液(UDMA, 2G)および光重合開始剤を加え、均一に攪拌した後にエバポレータにてエタノールを留去した。その後、Thinky社製Planetary Vacuum mixer ARV-310にて1000rpm-5KPa-15minの条件下にて完全に溶媒を除去し医科歯科用コンポジットレジンを得た。
曲げ強度試験
実施例1-1~1-7, 2-1~2-7, 比較実施例1-1~1-2, 2-1~2-2にて調製した医科歯科用コンポジットレジンをISO4049に従い、硬化体を作製しインストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用い曲げ強度を求めた。なお、光重合は株式会社松風製GriplightIIにて30秒間光照射することで行った。
シランカップリング剤の色調安定性試験
合成例1~7、比較合成例1にて合成したシランカップリング剤および信越化学工業株式会社より市販されている重合性シランカップリング剤2種類[KBM-503:3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、KBE-503:3-(トリエトキシシリル)プロピルメタクリレート]を10mL容積無色透明ガラスバイアルに9.0mL移液し、ハーゼン色数を測定した。また、同一サンプルを50℃恒温器にて1カ月遮光保存した後のハーゼン色数を測定した。
調製した医科歯科用コンポジットレジン硬化体の色調安定性試験
調製した医科歯科用コンポジットレジンをISO4049に従い、硬化体(直径15mmφ‐厚さ1.0mmの円形ディスク)を作製し、硬化体の色調安定性を耐光試験機(アトラス・サンテストCPS+、株式会社東洋精機製作所製)にて求めた。なお、光重合は株式会社松風製Griplight2にて30秒間光照射することで行った。
評価結果
評価結果表2-1に実施例に基づいて作製された医科歯科用コンポジットレジンの曲げ強度試験結果を示す。これらの結果より明らかなように、本発明により合成(合成例1~7)されたシランカップリング剤を用いて調製した微粒子を含有する医科歯科用コンポジットレジンは従来より使用されているシランカップリング剤(比較実施例1-2~2-2)を使用した医科歯科用コンポジットレジンと比べて明らかに高い曲げ強度特性を有していた。特に破断エネルギー特性が著しく向上している事が分かる。つまり、本発明のシランカップリング剤にて無機充填剤を表面処理することで、医科歯科用コンポジットレジン硬化体に靭性が発現し、それに起因して医科歯科用コンポジットレジンに高い機械的強度を与える結果となった。これは、長鎖アルキレン基および複数のウレタン基が付与された結果と推測される。以上の評価結果(曲げ強度試験結果)より明らかなように、本発明の長鎖アルキレン基および複数のウレタン基有するシランカップリング剤は従来技術では達し得なかった高い機械的強度を有する医科歯科用硬化性組成物やスマートフォンを含む電子部品材料基盤接着や自動車素材等への接着など一般工業界への応用・提供を可能とした。次に、色調安定性試験にて求めたハーゼン色数の測定結果を表2-2に示す。これらの測定結果より明らかなように、合成例1~7にて合成した白金錯体を含有しない重合性シランカップリング剤および信越化学工業株式会社より市販されている重合性シランカップリング剤2種類 [3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3-(トリエトキシシリル)プロピルメタクリレート]のハーゼン色数は合成直後および購入直後と50℃‐1カ月遮光保存後に大きな差異は認められなかった。これに対して、比較合成例1にて合成した白金錯体を含有する重合性シランカップリング剤のハーゼン色数は合成直後と50℃‐1カ月遮光保存後に大きな差異が認められた。この大きな色調変化は残存する白金錯体によるものと考えられる。次に、硬化体の色調安定性に関する測定結果を表2-3に示す。これらの測定結果より明らかなように、合成例1~7にて合成した白金錯体を含有しない重合性シランカップリング剤および信越化学工業株式会社より市販されている重合性シランカップリング剤2種類 [3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3-(トリエトキシシリル)プロピルメタクリレート]を用いて表面改質を行った無機充填材を含有する医科歯科用コンポジットレジン硬化体は色調の変化に大きな差異は認められなかった。これに対して、比較合成例1にて合成した白金錯体を含有する重合性シランカップリング剤を用いて表面改質を行った無機充填材を含有する医科歯科用コンポジットレジン硬化体は色調の変化に大きな差異が生じ、黄変が著しかった。これらの試験結果から明らかなように、医科歯科用硬化性組成物において審美的に重要な貴金属による変色が一切認められない点は画期的であるまた、合成時にヒドロシリル化触媒である貴金属を一切使用しないため、製造コストの低減化が可能となった。
Figure 0007104488000013
Figure 0007104488000014
Figure 0007104488000015

Figure 0007104488000016
Figure 0007104488000017
現在使用されているシランカップリング剤は医科歯科分野、一般工業分野に限らず、低分子の3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート等が一般的である。また、さらに諸物性を向上させるためにアルキレン鎖の長いシランカップリング剤が使用されている。しかしながら、それらのアルキレン鎖の長いシランカップリング剤は低分子シランカップリング剤(アルキレン鎖数:3など)に比べては諸物性向上への効果は認められたものの、合成時に貴金属触媒を用いるヒドロシリル化反応を必要としているため、変色等の点で著しく劣っていた。本発明によるシランカップリング剤はそれらの課題を全て克服しており、産業上の利用の可能性は大きいと言える。

Claims (2)

  1. 以下の式で表わされる重合性基を有するシランカップリング剤で表面処理された無機充填材。
    Figure 0007104488000018
    Aは、H2C=CH-, H2C=C(CH3)-, H2C=CH-C6H4- 基を表し(C6H4はフェニレン基を示す)、Bは、-C(O)-O-, -C(O)-S-, -C(O)-NH-, -NH-C(O)-NH-, -NH-C(O)-S-, -NH-C(O)-O- 基を表し、
    R1は、C2~C100の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、当該アルキレン基中の1個又は2個以上の-CH2-は-O-で置換されてもよいが酸素原子同士が直接結合することはなく、
    Zは、C2~C100の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、鎖中に他の原子や置換基を有さず、
    R2 は、C2~C100の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、当該アルキレン基中の1個又は2個以上の-CH2-は-S-, -NH-, -NR4-(R4はアルキレン基を示す),-CH2-C6H4-(C6H4はフェニレン基を示す), -C(O)-O-, -O- 基で置換されていてもよく、
    R3はC1~C6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、鎖中に他の原子や置換基を有さず、
    R4は、鎖中に他の原子や置換基を有さないC1~C16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子のうちから選択されるいずれかを表し、nが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する。
    aは1~6, nは0~3である。
  2. 請求項記載の無機充填剤、ラジカル重合性モノマーを含み、また少なくとも重合開始剤または重合促進剤のいずれか一方を含む医科歯科用硬化性組成物。
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