JP7103845B2 - 製パン装置 - Google Patents

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Description

本発明は、製パン装置に関する。
パンケース内の生地を、羽根部材によって混練し、加熱部によってパンケースを介して加熱して、パンを焼き上げる製パン装置が知られている。特許文献1には、焼成室内を大気圧よりも低圧に減圧する減圧機構を備え、減圧環境下で焼き工程を行うようにした製パン装置が開示されている。
特開平9-271314号公報
特許文献1の製パン装置では、減圧環境下で生地を膨張させて加熱するため、焼き上げまでの製パン時間を短縮できる。しかし、特許文献1の製パン装置では、生地の加熱目標温度について何も考慮されていないため、製パン処理の時間短縮について、改良の余地がある。
本発明は、焼き上げまでの製パン時間を効果的に短縮できる製パン装置を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、パンケースと、前記パンケース内に配置され、駆動部によって回転される羽根部材と、前記パンケースを加熱する加熱部と、前記パンケースの温度を検出するための温度検出部と、前記パンケース内を大気圧よりも低圧に減圧するための減圧部と、前記加熱部を制御してパンを焼き上げる製パン処理を行う制御部とを備え、前記制御部による前記製パン処理は、前記パンケース内の生地が酵母活性最大温度になるように、前記温度検出部による検出温度に基づいて前記加熱部によって前記パンケースを加熱する加熱発酵工程と、前記減圧部によって前記パンケース内を減圧しつつ、前記加熱部によって前記パンケースを加熱する焼き工程とを備える、製パン装置を提供する。
酵母活性最大温度とは、酵母菌が最も活発に活動する温度を意味し、例えば37~38℃である。制御部は、温度検出部によって検出したパンケース内の温度と、実験によって見出した補正値とによって、生地の温度を判断できる。つまり、生地が酵母活性最大温度になるようにパンケースを加熱するとは、パンケース内が酵母活性最大温度に対応する設定温度になるように、加熱部によってパンケースを加熱することを意味する。
この製パン装置によれば、加熱発酵工程で酵母菌が最も活発に活動する酵母活性最大温度に加熱するため、短時間で生地内に気泡を生成でき、生地の膨らみを促進できる。また、焼き工程ではパンケース内を減圧するため、生地内の気泡を膨張させて加熱発酵工程での気泡の生成不足を補い、生地の膨らみを促進できる。よって、加熱発酵工程の時間を大幅に短縮できるため、焼き上げまでの製パン時間を効果的に短縮できる。
前記製パン処理は、前記加熱発酵工程の前に、前記駆動部を駆動させて前記羽根部材によって前記パンケース内の生地を混練しながら、前記パンケース内の生地が酵母活性最大温度になるように、前記温度検出部による検出温度に基づいて前記加熱部によって前記パンケースを加熱する混練工程を備える。この態様によれば、生地を混練しながら加熱するため、短時間で生地全体を均一に酵母活性最大温度まで上げることができる。よって、後の加熱発酵工程の時間を更に短縮できるため、焼き上げまでの製パン時間を効果的に短縮できる。
前記製パン処理は、前記加熱発酵工程と前記焼き工程の間に、前記加熱部による加熱を停止した非加熱発酵工程を備える。この態様によれば、余熱によって気泡の生成と生地の膨らみを補うことができる。
前記非加熱発酵工程は、前記駆動部を駆動させて前記羽根部材によって生地を転動させる丸めステップを含む。この態様によれば、生地全体に気泡を分散できるとともに、生地全体の温度を均一化できる。よって、全体を均等に膨らませた良質なパンを焼き上げることができる。
前記焼き工程は、前記減圧部によって前記パンケース内を減圧する第1ステップと、前記減圧部による前記パンケース内の減圧を停止した第2ステップとを含む。つまり、減圧によって生地を適切に膨らませた後、減圧停止状態での加熱によってパンケース内を大気圧に戻しつつ生地を焼く。減圧状態では沸点が下がるため、焼き不足のパンが出来上がる可能性があるが、この態様によれば第2ステップで減圧を停止するため、焼き不足のパンが出来上がることを防止できる。
この製パン装置によれば、加熱発酵工程で酵母菌が最も活発に活動する酵母活性最大温度に加熱するため、短時間で生地内に気泡を生成でき、生地の膨らみを促進できる。また、焼き工程ではパンケース内を減圧するため、加熱発酵工程での気泡の生成不足を補うことができる。よって、加熱発酵工程の時間を大幅に短縮できるため、焼き上げまでの製パン時間を効果的に短縮できる。
本発明の第1実施形態に係る製パン装置の構成を示す概略図。 第1実施形態の早焼きコースの概要を示すタイムチャート。 第2実施形態の早焼きコースの概要を示すタイムチャート。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る製パン装置10を示す。この製パン装置10は、減圧機構を備える一般的な製パン装置と同様の基本構造を有する。本実施形態の製パン装置10は、後述する制御部33が、生地35を加熱する所定の工程で酵母菌(イースト菌)が最も活発に活動する温度(酵母活性最大温度)まで短時間で加熱し、生地35を焼く工程で生地35の膨張を補う点で、一般的な製パン装置と相違する。
具体的には、図1に示すように、製パン装置10は、外装体12、焼成室16、パンケース20、羽根部材22、電動モータ24、ヒータ26,27、温度センサ29、電動ポンプ31、及び制御部33を備える。
外装体12は、有底筒状の外装体本体13と、外装体本体13の上端開口を開放可能に閉塞する蓋体14を備える。蓋体14は外装体本体13に対して回転可能に取り付けられている。外装体12の外面には、製パン処理を実行する入力部、製パンメニューを選択する入力部、製パン条件を入力する入力部等が設けられている。
焼成室16は、有底筒状の収容部17と、収容部17の開口を開放可能に閉塞する蓋部18とによって画定されている。収容部17と蓋部18は、いずれも金属製である。蓋部18は、蓋体14に固定され、外装体本体13に対して蓋体14と一体に回転可能である。焼成室16は、電動ポンプ31の駆動によって大気圧よりも低圧に減圧可能な構造を有する。
パンケース20は金属製で、上端を開口とした有底筒状の容器である。パンケース20は、焼成室16内に着脱可能に収容されている。パンケース20の内部には、例えば水、強力粉、砂糖、スキムミルク、塩、バター、及びドライイースト等のパン材料が収容される。パン材料を撹拌及び混練することで生地35が作られ、この生地35を加熱することでパンが焼き上げられる。本実施形態では、焼成室16が減圧されることで、パンケース20内についても大気圧よりも低圧に減圧される。
羽根部材22は、パンケース20の底に配置された連結部材(図示せず)に着脱可能に配置され、この連結部材によって電動モータ24の出力軸に連結される。
電動モータ24は、羽根部材22を回転させる駆動部であり、焼成室16の底壁の外側に配置されている。電動モータ24は、電気的に接続された制御部33によって駆動され、印加された電圧に応じた速度で回転する。
ヒータ26,27は、焼成室16内とパンケース20を加熱する加熱部であり、例えばシーズヒータによって構成される。胴ヒータ26は、パンケース20の外周壁下部を取り囲むように、焼成室16内に配置されている。底ヒータ27は、焼成室16の底壁とパンケース20の底壁との間に配置されている。胴ヒータ26と底ヒータ27は、電気的に接続された制御部33によって個別に駆動され、通電率に応じたヒータ出力(火力)で発熱する。なお、ヒータ26,27の代わりに誘導加熱コイルを焼成室16の外側に配置し、コイルによってパンケース20を誘導加熱してもよい。
温度センサ29は、パンケース20内の温度を検出するための温度検出部である。本実施形態の温度センサ29は、胴ヒータ26よりも上側に位置するように焼成室16の外側に配置され、間接的にパンケース20の温度を検出する。温度センサ29の検出部は、焼成室16の外周壁を貫通して焼成室16内に配置してもよし、焼成室16の外周壁に当接するように配置してもよい。温度センサ29は、電気的に接続された制御部33に検出結果を送信する。
電動ポンプ31は、パンケース20内を大気圧よりも低圧に減圧するための減圧部(減圧機構)であり、例えば真空ポンプによって構成される。本実施形態の電動ポンプ31は、焼成室16内を減圧することで、パンケース20内を一緒に減圧する。電動ポンプ31は、焼成室16と外装体本体13の間に配置されている。電動ポンプ31の吸引側は焼成室16内に連通され、電動ポンプ31の吐出側は外装体12外(大気)に連通されている。電動ポンプ31は、電気的に接続された制御部33によって駆動される。
制御部33は、単一又は複数のマイクロコンピュータ、及びその他の電子デバイスにより構成されており、製パン装置10の全体の動作を制御する。制御部33は、電動モータ24、ヒータ26,27、及び電動ポンプ31を制御して、標準コース及び早焼きコースを含む製パン処理を実行する。製パン処理のプログラムは、制御部33が備える記憶部(図示せず)に記憶されている。また、記憶部には、各コースでの電動モータ24、ヒータ26,27、及び電動ポンプ31の制御パターン(通電時間、通電間隔、制御温度や回転速度等)が記憶されている。
製パン処理において制御部33は、温度センサ29による検出温度Taと定められた設定温度Tbとに基づいて、ヒータ26,27を制御する。設定温度Tbは、生地35の加熱目標温度Tcと、実験によって見出した補正値Cとに基づいて設定されている。言い換えれば、制御部33は、温度センサ29によって温度Taを検出することで、生地35の温度を判断できる(判断部)。温度センサ29によって焼成室16内の温度を直接検出する場合、補正値Cは、温度センサ29、ヒータ26,27、及びパンケース20それぞれの位置等の諸条件によって設定される。温度センサ29によって焼成室16の外周壁の温度を検出する場合、補正値Cには焼成室16を構成する材料の熱伝導率が条件として更に含まれる。
標準コースは、温度判別工程、ねかし工程、撹拌工程、混練工程、発酵工程、及び焼き工程を備える。ねかし工程と混練工程には、電動モータ24とヒータ26,27のうちの少なくとも1つが異なる制御パターンで駆動される第1ステップと第2ステップがそれぞれ含まれている。発酵工程には、電動モータ24とヒータ26,27のうちの少なくとも1つが異なる制御パターンで駆動される第1ステップから第3ステップが含まれている。
早焼きコースは、標準コースと比較して、可能な限り品質を落とすことなく、短時間でパンを焼き上げるために設けられている。以下、本実施形態の早焼きコースについて詳細に説明する。
(早焼きコースの概要)
図2は、水を含む総重量が400~600gのパン材料をパンケース20に収容し、早焼きコースを行う場合のタイムチャートである。この図2には、早焼きコースで実行される工程、各工程の実行時間、各工程での電動モータ24、ヒータ26,27、及び電動ポンプ31の動作状態が示されている。
図2に示すように、早焼きコースは、製パン装置10が設置された室内の温度を検出する温度判別工程、粉状のパン材料と水を混ぜ合わせる撹拌工程、ペースト状の生地35を混練する混練工程、生地35を発酵させる発酵工程、及びパンを焼き上げる焼き工程を備え、標準コースにおけるねかし工程は備えていない。また、混練工程は、制御パターンが1つのステップのみで構成されている。発酵工程は、制御パターンが異なる第1ステップ(加熱発酵工程)と第2ステップ(非加熱発酵工程)とで構成されている。
本実施形態では、撹拌工程の実行時間、混練工程での電動モータ24(羽根部材22)の回転速度、発酵工程での加熱温度、及び焼き工程での加熱状態を見直し、焼き上がりまでの製パン時間を大幅に短縮する。
まず、パン作りの前提となる生地35の発酵と温度の関係について説明する。パン作りの分野では、酵母菌(イースト菌)が最も活発に活動する酵母活性最大温度と、失敗なく製パンできる製パン最適温度とが知られている。酵母活性最大温度は製パン最適温度よりも高い。酵母活性最大温度は例えば37~38℃であり、製パン最適温度は例えば35度である。
生地35は、酵母活性最大温度まで加熱されると、酵母菌の活発な活動によって発酵が急激に進む。但し、酵母活性最大温度を長時間維持すると、生地35は過発酵状態になり、内部の気泡が抜けて膨らみが小さくなるうえ、焼き上げたパンの味も落ちる。一方、製パン最適温度では、酵母菌は活性しているが、酵母活性最大温度の場合よりも活発ではない。よって、周囲の温度の影響を受けても生地35が過発酵状態になり難いため、従来の製パン装置では、生地35を製パン最適温度までしか加熱していなかった。
これに対して本実施形態では、加熱発酵工程において、生地35の加熱目標温度Tcを酵母活性最大温度にして生地35の発酵を促進しつつ、生地35の過発酵を抑えるために実行時間を大幅に短縮する。また、非加熱発酵工程において、ヒータ26,27による加熱を停止することで、余熱によって生地35の発酵不足を補う。そして、焼き工程では、減圧環境下で加熱することで、発酵工程での生地35の発酵不足を補ったうえで、焼き上げるようにしている。以下、各工程の詳細を説明する。
図2に示すように、温度判別工程では、製パン装置10が設置された室内の温度を判断するために、制御部33は、非加熱状態かつ大気圧状態で、温度センサ29によって焼成室16内の温度Taを検出する。ヒータ26,27、電動モータ24、及び電動ポンプ31は、停止状態に維持されている。制御部33は、この温度判別工程で判断した室温を、後工程でのヒータ26,27の出力調整に用いる。この温度判別工程は、定められた実行時間t1が経過すると終了する。この実行時間t1は、1~5分の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では1分としている。
撹拌工程は、温度判別工程の終了後、引き続いて行われる。撹拌工程では、羽根部材22によって粉状のパン材料と水を飛散させることなくゆっくり混ぜ合わせるために、制御部33は、非加熱状態かつ大気圧状態で、電動モータ24を第1回転速度(低速)で駆動する。詳しくは、ヒータ26,27及び電動ポンプ31は停止状態に維持され、電動モータ24のみが駆動される。この撹拌工程は、定められた実行時間t2が経過すると終了する。この実行時間t2は、1~4分の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では2分としている。
混練工程は、撹拌工程の終了後、引き続いて行われる。混練工程では、よく伸びるペースト状の生地35を短時間で作るために、制御部33は、低温状態かつ大気圧状態で、電動モータ24を第2回転速度で駆動する。詳しくは、底ヒータ27と電動ポンプ31は停止状態に維持され、胴ヒータ26と電動モータ24が駆動される。この混練工程は、定められた実行時間t3が経過すると終了する。この実行時間t3は、5~11分の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では8分としている。
混練工程での電動モータ24の第2回転速度は、撹拌工程での第1回転速度よりも高速である。電動モータ24の単位時間当たりの回転数は、撹拌工程の実行時の3~4倍の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では3.8倍としている。このように、混練工程で電動モータ24を高速で回転させることによって、混練工程の実行時間t3を短縮できる。なお、この回転速度で撹拌工程を実行した場合、粉状のパン材料は羽根部材22によって飛散する。
混練工程で胴ヒータ26は、定められたヒータ出力H1で駆動され、焼成室16内が設定温度Tb1に維持(温調)されるように、オンオフ制御される。胴ヒータ26の単位時間当たりの出力H1は、5~10Whの範囲に設定することが好ましく、本実施形態では8Whとしている。生地35の加熱目標温度Tc1に相当する設定温度Tb1は、酵母活性最大温度及び製パン最適温度よりも低い。設定温度Tb1は、0~10℃の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では5℃としている。よって、製パン装置10を日本で使用する場合、混練工程で胴ヒータ26は停止状態を維持することが多い。
加熱発酵工程は、混練工程の終了後、引き続いて行われる。加熱発酵工程では、生地35を酵母活性最大温度(加熱目標温度Tc2)まで加熱するために、制御部33は、高温状態かつ大気圧状態で、ヒータ26,27を駆動する。詳しくは、電動モータ24と電動ポンプ31が停止され、胴ヒータ26と底ヒータ27が駆動される。この加熱発酵工程は、定められた実行時間t4が経過すると終了する。この実行時間t4は、2~10分の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では3分としている。
加熱発酵工程では、胴ヒータ26は定められたヒータ出力H2aで駆動され、底ヒータ27は定められたヒータ出力H2bで駆動される。また、ヒータ26,27は、焼成室16内が設定温度Tb2に温調されるように、制御部33によってオンオフ制御される。胴ヒータ26の単位時間当たりの出力H2aは、15~25Whの範囲に設定することが好ましく、本実施形態では18Whとしている。底ヒータ27の単位時間当たりの出力H2bは、3~10Whの範囲に設定することが好ましく、本実施形態では5Whとしている。生地35の加熱目標温度Tc2に相当する設定温度Tb2は、酵母活性最大温度と同程度になるように35~45℃の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では42℃としている。
非加熱発酵工程は、加熱発酵工程の終了後、引き続いて行われる。非加熱発酵工程では、生地35の過発酵を抑制しつつ、生地35の発酵不足を補うために、制御部33は、ヒータ26,27による加熱を停止し、電動ポンプ31を停止状態に維持する。また、非加熱発酵工程には、生地35を転動させて、生地35全体に気泡を分散させるとともに、生地35全体の温度を均一にする、丸めステップが含まれている。
具体的には、非加熱発酵工程では、電動モータ24(羽根部材22)は最初の一定時間(丸めステップ)のみ駆動される。この非加熱発酵工程は、定められた実行時間t5が経過すると終了する。この実行時間t5は、0~5分の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では1分としている。
丸めステップは、非加熱発酵工程と同時に開始され、定められた実行時間t5aが経過すると終了する。この実行時間t5aは、10~20秒の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では15秒としている。丸めステップでは、電動モータ24は定められた第3回転速度で駆動される。この第3回転速度は、混練工程で回転される第2回転速度よりも遅く設定され、本実施形態では撹拌工程で回転される第1回転速度と同じ速さに設定されている。なお、生地35の目標温度Tcに相当する非加熱発酵工程での設定温度Tb3は、30~40℃の範囲であり、本実施形態では35℃である。
ここで、非加熱発酵工程の実行時間t5には、0(ゼロ)分が含まれている。これは、室温が高い場合等、条件によっては非加熱発酵工程を実行することなく、スキップすることを意味する。非加熱発酵工程を実行しない場合、丸めステップも実行されない。制御部33による非加熱発酵工程の要否を判断は、最初の温度判別工程で行われる。
焼き工程は、非加熱発酵工程の終了後、引き続いて行われる。発酵工程での発酵不足を補いつつ、標準コースと同等の焼き色のパンを焼き上げるために、制御部33は、電動ポンプ31とヒータ26,27を駆動し、電動モータ24を停止状態に維持する。詳しくは、焼き工程には、電動ポンプ31によって焼成室16内を減圧する第1ステップと、焼成室16内の減圧を停止した第2ステップとが含まれている。また、ヒータ26,27は、焼成室16内が設定温度Tb4に温調されるようにオンオフ制御される。
焼き工程は、定められた実行時間t6が経過すると終了する。この実行時間t6は、40~50分の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では45分としている。そのうち、焼成室16内を減圧する第1ステップは、焼き工程と同時に開始され、定められた実行時間t6aが経過すると終了する。この実行時間t6aは、5~20分の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では10分としている。残りの時間(第2ステップ)、電動ポンプ31は停止される。
焼き工程の第1ステップでは、電動ポンプ31は、生地35内の気泡の膨張に適するように、焼成室16内を大気圧よりも90kPa程度減圧する。この減圧状態は、実行時間t6aが経過されるまで継続される。第2ステップに移行し、電動ポンプ31が停止されると、焼成室16内の圧力は、ヒータ26,27の加熱によって徐々に大気圧に戻る。
焼き工程では、焼成室16内を温調する設定温度Tb4を、上限と下限を有する定められた範囲としている。上限値Tb4aは、120~160℃の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では140℃としている。下限値Tb4bは、上限値Tb4a未満、かつ、105~145℃の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では125℃としている。
焼き工程で胴ヒータ26は、焼成室16内が設定温度Tb4の範囲内であるか否かによって、駆動状態が切り換えられる。具体的には、胴ヒータ26は、焼成室16内の温度が上限値Tb4aを超えている場合には停止され、設定温度Tb4の範囲内である場合には第1ヒータ出力H3a1で駆動され、下限値Tb4b未満である場合には第2ヒータ出力H3a2で駆動される。第1ヒータ出力H3a1は、120~150Whの範囲に設定することが好ましく、本実施形態では130Whとしている。第2ヒータ出力H3a2は、250~300Whの範囲に設定することが好ましく、本実施形態では260Whとしている。
胴ヒータ26と同様に、焼き工程で底ヒータ27は、焼成室16内が設定温度Tb4の範囲内であるか否かによって、駆動状態が切り換えられる。具体的には、底ヒータ27は、焼成室16内の温度が下限値Tb4b以上である場合には停止され、下限値Tb4b未満である場合にはヒータ出力H3bで駆動される。ヒータ出力H3bは、50~100Whの範囲に設定することが好ましく、本実施形態では75Whとしている。
以上のように、本実施形態の製パン装置10では、加熱発酵工程で酵母活性最大温度まで焼成室16内とパンケース20を加熱するため、短時間で生地35内に気泡を生成でき、生地35の膨らみを促進できる。また、焼き工程では焼成室16内を減圧するため、生地35内の気泡を膨張させて加熱発酵工程での気泡の生成不足を補い、生地35の膨らみを促進できる。よって、発酵工程全体の実行時間t4,t5を大幅に短縮できるため、焼き上げまでの製パン時間(t1~t6)を効果的に短縮できる。
加熱発酵工程の後に非加熱発酵工程を備えるため、余熱によって気泡の生成と生地35の膨らみを補うことができる。しかも、非加熱発酵工程は、生地35を転動させる丸めステップを含むため、生地35全体に気泡を分散できるとともに、生地35全体の温度を均一化できる。よって、全体を均等に膨らませた良質なパンを焼き上げることができる。
焼き工程では、減圧(第1ステップ)によって生地35を適切に膨らませた後、減圧停止(第2ステップ)によって焼成室16内を大気圧に戻しつつ生地35を焼くため、焼き不足のパンが出来上がることを防止できる。つまり、ヒータ26,27の出力が同じ場合、減圧状態では沸点が下がるため、焼き不足のパンが出来上がる可能性があるが、適正な時間t6aの経過後には減圧が解除されるため、生地35を適切に加熱でき、良質なパンを焼き上げることができる。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態の製パン装置10の早焼きコースを示すタイムチャートである。この第2実施形態では、混練工程と加熱発酵工程が第1実施形態と異なる。その他の温度判別工程、撹拌工程、非加熱発酵工程、及び焼き工程は第1実施形態と同一であり、製パン装置10の構造も図1と同一であるため、これらの詳細な説明は省略する。
混練工程については、ヒータ26,27の出力H1a,H1b、及び焼成室16内を温調する設定温度Tb1が第1実施形態と異なっており、実行時間t3は第1実施形態と同一である。
具体的には、混練工程では、よく伸びるペースト状の生地35を第1実施形態よりも更に短時間で作るために、電動モータ24、胴ヒータ26、及び底ヒータ27が駆動され、電動ポンプ31は停止状態に維持される。詳しくは、電動モータ24は、第1実施形態と同様の第2回転速度で駆動され、ヒータ26,27は、生地35を酵母活性最大温度まで加熱できるように、第1実施形態よりもヒータ出力H1a,H1bを上げて駆動される。
ヒータ26,27は、焼成室16内が設定温度Tb1に温調されるように、オンオフ制御される。胴ヒータ26の出力H1aは、10~20Whの範囲に設定することが好ましく、本実施形態では13Whとしている。底ヒータ27の出力H1bは、3~10Whの範囲に設定することが好ましく、本実施形態では4Whとしている。設定温度Tb1は、酵母活性最大温度と同程度になるように30~40℃の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では35℃としている。
ここで、生地35を酵母活性最大温度まで加熱するための設定温度Tbは、第2実施形態のように混練工程で昇温させる場合、第1実施形態のように加熱発酵工程で昇温させる場合よりも低い。これは、加熱発酵工程では羽根部材22は回転されないのに対して、混練工程では羽根部材22が回転されるためである。混練工程では、羽根部材22の回転によって、生地35にはパンケース20との間で生じる摩擦熱と、電動モータ24の熱が加わる。よって、酵母活性最大温度まで加熱する場合の設定温度Tbは、加熱発酵工程で昇温させる場合よりも混練工程で昇温させる場合の方が、低く設定される。
加熱発酵工程については、実行時間t4、胴ヒータ26の出力H2a、及び焼成室16内を温調する設定温度Tb2が第1実施形態と異なっており、底ヒータ27の出力H2bは第1実施形態と同一である。
具体的には、加熱発酵工程では、生地35を酵母活性最大温度に維持するために、電動モータ24と電動ポンプ31は停止され、胴ヒータ26と底ヒータ27が駆動される。この加熱発酵工程は、定められた実行時間t4が経過すると終了する。この実行時間t4は、1~6分の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では2分としている。
加熱発酵工程では、胴ヒータ26は定められたヒータ出力H2aで駆動され、底ヒータ27は定められたヒータ出力H2bで駆動される。また、ヒータ26,27は、焼成室16内が設定温度Tb2に温調されるように、制御部33によってオンオフ制御される。胴ヒータ26のヒータ出力H2aは、5~10Whの範囲に設定することが好ましく、本実施形態では6Whとしている。このヒータ出力H2aは、第1実施形態の加熱発酵工程の場合よりも低い。底ヒータ27のヒータ出力H2bは、第1実施形態と同一である。生地35の加熱目標温度Tc2に相当する設定温度Tb2は、第2実施形態の混練工程と同様に、30~40℃の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では35℃としている。
以上のように、第2実施形態では、混練工程において、生地35を混練しながら酵母活性最大温度まで加熱するため、短時間で生地35全体を均一に昇温できる。よって、後の加熱発酵工程の実行時間t4を更に短縮できるため、焼き上げまでの製パン時間を効果的に短縮できる。また、加熱発酵工程では、ヒータ26,27の出力H2a,H2bが抑えられているため、適正な発酵温度で生地を発酵させることができる。
なお、本発明の製パン装置10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、温度センサ(温度検出部)29は、検出部をパンケース20に接触させて、パンケース20の温度を直接検出できるように配置してもよい。焼き工程では、実行時間の全てで電動ポンプ(減圧部)31による減圧を行ってもよい。発酵工程においても、電動ポンプ31による減圧を行ってもよい。パンケース20に蓋を設け、電動ポンプ31によってパンケース20内を直接減圧してもよい。
10…製パン装置
12…外装体
13…外装体本体
14…蓋体
16…焼成室
17…収容部
18…蓋部
20…パンケース
22…羽根部材
24…電動モータ(駆動部)
26…胴ヒータ(加熱部)
27…底ヒータ(加熱部)
29…温度センサ(温度検出部)
31…電動ポンプ(減圧部)
33…制御部
35…生地

Claims (4)

  1. パンケースと、
    前記パンケース内に配置され、駆動部によって回転される羽根部材と、
    前記パンケースを加熱する加熱部と、
    前記パンケースの温度を検出するための温度検出部と、
    前記パンケース内を大気圧よりも低圧に減圧するための減圧部と、
    前記加熱部を制御してパンを焼き上げる製パン処理を行う制御部と
    を備え、
    前記制御部による前記製パン処理は、
    前記駆動部を駆動させて前記羽根部材によって前記パンケース内の生地を混練しながら、前記パンケース内の生地が酵母活性最大温度になるように、前記温度検出部による検出温度に基づいて前記加熱部によって前記パンケースを加熱する混練工程と、
    前記パンケース内の生地が酵母活性最大温度を維持するように、前記温度検出部による検出温度に基づいて前記加熱部によって前記パンケースを加熱する加熱発酵工程と、
    前記減圧部によって前記パンケース内を減圧しつつ、前記加熱部によって前記パンケースを加熱する焼き工程と
    を備える、製パン装置。
  2. 前記製パン処理は、前記加熱発酵工程と前記焼き工程の間に、前記加熱部による加熱を停止した非加熱発酵工程を備える、請求項1に記載の製パン装置。
  3. 前記非加熱発酵工程は、前記駆動部を駆動させて前記羽根部材によって生地を転動させる丸めステップを含む、請求項に記載の製パン装置。
  4. 前記焼き工程は、前記減圧部によって前記パンケース内を減圧する第1ステップと、前記減圧部による前記パンケース内の減圧を停止した第2ステップとを含む、請求項1からのいずれか1項に記載の製パン装置。
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