JP7103406B2 - 保護フィルム、電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法、及び電池の製造方法 - Google Patents

保護フィルム、電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法、及び電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、保護フィルム、電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法、及び電池の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン電池などの電池が、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の様々な用途に広く使用されている。このような電池を製造する際には、電池に設けられた電解液注入口から電解液が注入された後、電解液注入口が封止部材によって封止される。
このような電池の製造過程において、電解液注入口から電解液を注入する際に、電解液注入口の周囲に電解液が付着することがある。また、電池の製造過程においては、一般に、電池の内部に電解液が注入された後、封止部材によって電池を封止する前に、高温環境下でのエージングに供されることがある。この高温環境下でのエージングにおいて、電池内部の電解液が突沸して、電解液注入口の周囲に電解液が付着することもある。電解液注入口の周囲に電解液が付着すると、その後の電池の製造過程において、様々な問題が生じる。
例えば、電解液注入口と封止部材とを溶接によって封止する場合、電解液が付着した部分においては、溶接不良が生じることが知られており、電池の密封性が低下する虞がある。このような問題を解決するために、例えば、特許文献1及び特許文献2においては、電池の電解液注入口の周囲の形状を工夫することにより、溶接部に電解液が付着することを抑制する方法が提案されている。
特開2012-169254号公報 特開2014-154282号公報
特許文献1及び特許文献2のように、電池の電解液注入口の周囲の形状を工夫することにより、溶接部に電解液が付着することを抑制することは可能と考えられるが、溶接部以外の部分に付着した電解液は、電解液注入口の周囲を腐食させるという問題があることが見出された。
このような問題を解決するために、本発明者らは、電解液注入口の周囲にフィルム裏面にアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の粘着剤層を有する粘着フィルムを貼付して、電池の電解液注入口の周囲を当該粘着フィルムで保護して、電解液の注入、その後のエージングを行うことを検討した。
このような粘着フィルムを用いる場合には、電解液が付着した後に高温環境下に晒された場合の耐電解液性に優れていることが求められるが、フィルム裏面にアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の粘着剤層を有する保護フィルムを用いた場合、粘着剤層が電解液により侵されてしまい電池製造工程で脱落したり、電解液中に粘着剤成分が溶出し電池性能の低下を招くなど、耐電解液性が不十分であり、電池の製造において電池の電解液注入口の周囲に貼付される保護フィルムとしては不適切であった。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、電池の製造において、電解液を注入する前に、電池の電解液注入口の周囲に貼付され、その後に剥離される用途に供される保護フィルムであって、ポリオレフィンを含んでいる表面層を備える保護フィルム製造においては、電解液が付着した後に高温環境下に晒された場合の耐電解液性に優れており、電解液注入口から電解液を注入する前に、当該保護フィルムの表面層を電解液注入口の周囲に貼付することにより、電解液注入口の周囲に電解液が付着することを好適に防止できるとともに、保管後に剥離することが可能であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 電池の製造において、電解液を注入する前に、電池の電解液注入口の周囲に貼付され、その後に剥離される用途に供される保護フィルムであって、
前記保護フィルムは、表面層を備えており、
前記表面層は、ポリオレフィンを含んでいる、保護フィルム。
項2. 前記表面層を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を有している、項1に記載の保護フィルム。
項3. 前記ポリオレフィンが、酸変性ポリオレフィンを含んでいる、項1または2に記載の保護フィルム。
項4. 前記表面層を赤外分光法で分析すると、無水マレイン酸に由来するピークが検出される、項1~3のいずれかに記載の仮封止フィルム。
項5. 前記保護フィルムは、以下の条件で測定される初期密着強度が、0.1N/15mm以上である、項1~4のいずれかに記載の保護フィルム。
25℃の環境下において、前記保護フィルムの表面層をアルミニウム板に接着し、前記保護フィルムと前記アルミニウム板との初期密着強度を測定する。
項6. 前記表面層は、エラストマーをさらに含んでいる、項1~5のいずれかに記載の保護フィルム。
項7. 前記保護フィルムは、さらに基材層を備えている、項1~6のいずれかに記載の保護フィルム。
項8. 前記基材層は、ポリオレフィンを含んでいる、項7に記載の保護フィルム。
項9. 前記基材層が、2層以上により構成されている、項7または8に記載の保護フィルム。
項10. 前記保護フィルムは、さらに吸収層を備えている、項1~9のいずれかに記載の保護フィルム。
項11. 前記吸収層が、不織布である、項10に記載の保護フィルム。
項12. 前記不織布の目付けが、20g/m2以上300g/m2以下である、項11に記載の保護フィルム。
項13. 前記不織布が、ポリエステル及びポリオレフィンの少なくとも一方を含んでいる、項11又は12に記載の保護フィルム。
項14. 電池の製造において、電池の電解液注入口から電解液を注入する際に、前記電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法であって、
以下の工程(A)、(B)を備える、電解液付着防止方法。
工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層を備えている保護フィルムを用意する。
工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の前記電解液注入口の周囲に貼付する。
項15. 電池の製造方法であって、少なくとも、以下の工程(A)、(B)、及び(C)をこの順に備える、電池の製造方法。
工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層を備えている保護フィルムを用意する。
工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の電解液注入口の周囲に貼付する。
工程(C):電解液注入口から電解液を注入する。
本発明によれば、電池の製造において、電解液を注入する前に、電池の電解液注入口の周囲に貼付され、その後に剥離される用途に供される保護フィルムであって、高温環境下に晒された場合の耐電解液性に優れるとともに保管後に好適に剥離することができる保護フィルムを提供することができる。電池の電解液注入口から電解液を注入する前に、本発明の保護フィルムの表面層を電解液注入口の周囲に貼付することにより、電解液注入口の周囲に電解液が付着することを好適に防止できる。
また、本発明によれば、当該保護フィルムを用いることにより、電池の電解液注入口から電解液を注入する前に、電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法を提供することができる。さらに、本発明によれば、当該保護フィルムを用いた電池の製造方法を提供することもできる。
本発明の保護フィルムの断面構造の一例を示す図である。 本発明の保護フィルムの断面構造の一例を示す図である。 本発明の保護フィルムの断面構造の一例を示す図である。 本発明の保護フィルムの断面構造の一例を示す図である。 本発明の保護フィルムを用いて、電池の電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法を説明するための模式図である。 本発明の保護フィルムを電池の電解液注入口の周囲に貼付した様子を示す模式的断面図である(電池の電解液注入口付近の模式的断面図)。 本発明の保護フィルムの一例の模式的平面図である。 本発明の保護フィルムの形状の例の模式的平面図である。
本発明の保護フィルムは、電池の製造において、電解液を注入する前に、電池の電解液注入口の周囲に貼付され、その後に剥離される用途に供される保護フィルムである。本発明の保護フィルムは、表面層を備えており、表面層が、ポリオレフィンを含んでいることを特徴とする。以下、本発明の保護フィルムについて、さらに、当該保護フィルムを用いる電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法について、また、当該保護フィルムを用いる電池の製造方法について、詳述する。
なお、本明細書において、「~」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2~15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。
1.保護フィルム
本発明の保護フィルムは、電池の製造において電池の電解液注入口の周囲に貼付することにより、電池に電解液を注入する前(際)に、電解液注入口の周囲に電解液が付着することを抑制し、その後(電解液の注入後)に剥離するために使用されるものである。
本発明の保護フィルムは、例えば、図1~4に示されるように、単層または複数層により構成することができる。例えば、図1においては、保護フィルムは表面層2(単層)により構成されており、表面層2にポリオレフィンが含まれている。また、図2~図4に示す保護フィルムは、基材層1及び表面層2を備えている。基材層1は、単層及び複層(2層以上)のいずれであってもよい。例えば、図2において、基材層1は単層により構成されている。また、図3において、基材層1は、第1の基材層11及び第2の基材層12の2層により構成されている。また、図4において、基材層1は、第1の基材層11、第2の基材層12及び第3の基材層13の3層により構成されている。基材層1が複層である場合、その層数については特に制限されないが、好ましくは2層又は3層程度が挙げられる。また、表面層2についても、単層及び複層のいずれであってもよいが、表面層2は、通常、単層とすればよい。
また、後述の通り、本発明の保護フィルムにおいて、基材層1と表面層2とは、同じ樹脂により構成されていてもよい。この場合、本発明の保護フィルムの基材層1及び表面層2が、共にポリオレフィンを含んでいることが好ましい。
また、表面層2は、基材層1の上の少なくとも一部に設けられていればよい。例えば、図7に示される保護フィルム10においては、着色された領域4にのみ表面層2を設けることができる。
基材層1は、電解液注入口の周囲に電解液が付着することを抑制し、さらに、保護フィルムの保形性を高める機能を発揮するために、必要に応じて設けられる層である。保護フィルムが基材層1を有することにより、保護フィルムの保形性が向上し、保護フィルムを電解液注入口の周囲に貼付及び剥離する際の取扱性を向上させることができる。
基材層1は、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等の少なくとも1種の樹脂によって構成することができる。これらの中でも、基材層1は、ポリオレフィンを含んでいることが好ましい。ポリオレフィンは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。ポリオレフィンは、耐電解液性が高く、電池の製造において電池の電解液注入口の周囲に貼付した後の電解液注入工程及び高温環境下でのエージング工程においても、基材層1が電解液により侵されることを防止できる。
基材層1は、樹脂フィルムによって形成することもできるし、後述の吸収層のように紙や不織布によって構成することもできる。基材層1が吸収層を構成することもできる。
ポリオレフィンの具体例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン;エチレン-ブテン-プロピレンのターポリマー等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレン、より好ましくはポリプロピレンが挙げられる。また、ポリプロピレンとしては、ポリプロピレンのランダムコポリマーが好ましい。なお、ポリプロピレンに含まれるプロピレン単位の割合としては、通常、50質量%以上が挙げられる。
また、ポリオレフィンは、環状ポリオレフィンであってもよい。環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4-メチル-1-ペンテン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。また、環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、更に好ましくはノルボルネンが挙げられる。また、モノマーとしては、スチレンも挙げられる。
ポリオレフィンは、酸変性ポリオレフィンであってもよい。酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンをカルボン酸またはカルボン酸無水物でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。ポリオレフィンを変性する、カルボン酸またはカルボン酸無水物としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。また、変性されるポリオレフィンとしては、前述のポリオレフィンが挙げられ、好ましくはポリプロピレン及びポリエチレンが挙げられる。
ポリオレフィンは、酸変性環状ポリオレフィンであってもよい。酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β-不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β-不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、環状ポリオレフィンを変性するカルボン酸またはカルボン酸無水物としては、前述のものと同様のものが挙げられる。
基材層1に含まれるポリオレフィンの割合としては、特に制限されないが、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65~100質量%程度、さらに好ましくは70~100質量%程度が挙げられる。
基材層1は、ポリオレフィンのみにより構成されていることが好ましく、ポリエチレンまたはポリプロピレンのみにより構成されていることがより好ましく、ポリプロピレンのみにより構成されていることがさらに好ましい。
基材層1は、ポリオレフィン以外の樹脂を含んでいてもよく、このような樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
なお、基材層1が、複層により構成されている場合、少なくとも、最も表面層2側に位置している層が、ポリオレフィンを含んでいることが好ましく、他の層は、ポリオレフィンを含んでいなくてもよい。当該他の層がポリオレフィンを含まない場合、他の層は、例えば、前述のポリオレフィン以外の樹脂により構成することができる。基材層1が、複層により構成されている場合、全ての層が、ポリオレフィンを含んでいることが好ましく、全ての層がポリオレフィンにより構成されていることがさらに好ましい。
基材層1の厚みとしては、特に制限されないが、保護フィルムを電解液注入口の周囲に貼付及び剥離する際の取扱性を向上させる観点からは、好ましくは27μm以上が挙げられる。さらに、取扱性に加えて、耐電解液性、電解液注入口の周囲への初期密着性、電解液注入口の周囲の形状への追従性、高温環境下のエージングに供された後に適切に剥離される剥離性などの特性を高める観点からは、好ましくは25~80μm程度、より好ましくは27~50μm程度、さらに好ましくは27~40μm程度が挙げられる。
なお、基材層1が複層により構成されている場合、各層の厚みとしては、同様の観点から、好ましくは7~35μm程度、より好ましくは7~20μm程度、さらに好ましくは9~18μm程度が挙げられる。
本発明において、表面層2は、ポリオレフィンを含んでいる。さらに、本発明の保護フィルムの基材層1及び表面層2が、共にポリオレフィンを含んでいる場合、両層の密着性に優れており、電解液が付着した後に高温環境下に晒された場合の耐電解液性を特に高めることが可能である。また、前記の通り、基材層1を有することによって取扱性も向上する。
また、本発明の保護フィルムにおいて、基材層1と表面層2とは、同じ樹脂により構成されていてもよい。この場合、本発明の保護フィルムの基材層1及び表面層2が、共にポリオレフィンを含んでいることが好ましい。基材層1には、後述の表面層2で例示するエラストマーが含まれていてもよい。
本発明の保護フィルムは、表面層2のみにより構成されていてもよい。すなわち、本発明の保護フィルムが単層により構成されている場合、当該層が、表面層としての機能を発揮する。
電解液注入口の周囲に対する適切な初期密着性や、高温環境下のエージングに供された後に適切に剥離される適切な剥離性を備える観点から、本発明の保護フィルムにおいては、表面層2の表面に、ポリオレフィンが存在していることが好ましい。
表面層2に含まれるポリオレフィンとしては、基材層1で例示したものと同じものが挙げられる。
ポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、酸変性ポリエチレンが挙げられる。また、ポリプロピレンとしては、ポリプロピレンのランダムコポリマーが好ましい。なお、ポリプロピレンに含まれるプロピレン単位の割合としては、通常、50質量%以上が挙げられる。ポリオレフィンは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
表面層2は、ポリオレフィン以外の樹脂を含んでいてもよい。ポリオレフィン以外の樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
表面層2に含まれるポリオレフィンの割合としては、特に制限されないが、好ましくは50質量%以上、より好ましくは50~90質量%程度、さらに好ましくは60~90質量%程度が挙げられる。
表面層2の表面は、電解液注入口の周囲に対する適切な初期密着性や、高温環境下のエージングに供された後に適切に剥離される適切な剥離性を備えることが好ましい。このような観点から、表面層2は、ポリオレフィンに加えて、エラストマーを含んでいることが好ましく、特に、表面層2の表面には、ポリオレフィンに加えて、エラストマーが存在していることが好ましい。また、酸変性ポリオレフィンは、エラストマーと共に用いられることが特に好ましい。
エラストマーとしては、ポリオレフィンと共に配合されて、粘着性を発揮するものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂により構成されたエラストマー(熱可塑性エラストマー)が好ましい。
エラストマーとしては、好ましくはスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、アクリル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ゴム系エラストマーなどが挙げられる。エラストマーは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
スチレン系エラストマーの種類としては、特に制限されないが、具体例としては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、及びスチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロックコポリマーなどが挙げられる。
オレフィン系エラストマーとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチルーペンテン等の炭素数2~20のα-オレフィンの共重合体が挙げられ、例えば、エチレン-プロピレン共重合体(EPR)、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)等が好適に挙げられる。また、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等の炭素数2~20の非共役ジエンとα-オレフィンとの共重合体が挙げられる。さらには、ブタジエン-アクリロニトリル共重合体にメタクリル酸を共重合したカルボキシ変性ニトリルゴムなどが挙げられる。
アクリル系エラストマーは、アクリル酸エステルを主成分とするもので、具体的には、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート等が好適に用いられる。また、架橋点モノマーとして、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が用いられる。さらに、アクリロニトリルやエチレンを共重合することもできる。具体的には、アクリロニトリル-ブチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
シリコーン系エラストマーとしては、オルガノポリシロキサンを主成分したものであり、ポリジメチルシロキサン系、ポリメチルフェニルシロキサン系、ポリジフェニルシロキサン系の各エラストマーが挙げられる。
ウレタン系エラストマーは、低分子のエチレングリコールとジイソシアネートからなるハードセグメントと、高分子(長鎖)ジオールとジイソシアネートからなるソフトセグメントとの構造単位からなり、高分子(長鎖)ジオールとして、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリ(1,4-ブチレンアジペート)、ポリ(エチレン-1,4-ブチレンアジペート)、ポリカプロラクトン、ポリ(1,6-ヘキシレンカーボネート)、ポリ(1,6-へキシレン・ネオペンチレンアジペート)等が挙げられる。
ポリエステル系エラストマーは、ジカルボン酸又はその誘導体とジオール化合物又はその誘導体を重縮合して得られる。ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの芳香核の水素原子がメチル基、エチル基、フェニル基等で置換された芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数2~20の脂肪族ジカルボン酸、及びシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。これらの化合物は1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール等の脂肪族ジオール及び脂環式ジオールが挙げられ、さらに、ビスフェノールA、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン、ビス-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-プロパン、レゾルシン等が挙げられる。これらの化合物は1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリアミド系エラストマーとしては、ポリアミドをハードセグメント成分、ポリブタジエン、ブタジエン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリエーテル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタン又はシリコーンゴム等をソフトセグメント成分としたブロック共重合体が挙げられる。
ゴム系エラストマーとしては、例えば、ポリイソブチレンなどが挙げられる。
電解液注入口の周囲への電解液の付着を効果的に抑制し、電解液が付着した後に高温環境下に晒された場合の耐電解液性を高め、さらに、電解液注入口の周囲への初期密着性、電解液注入口の周囲の形状への追従性、高温環境下のエージングに供された後に適切に剥離される剥離性などの特性を効果的に高める観点からは、エラストマーの中でも、スチレン系エラストマー及びオレフィン系エラストマーが好ましく、スチレン系エラストマーが特に好ましい。
表面層2に含まれるエラストマーの割合としては、特に制限されないが、前述の各特性を効果的に高める観点からは、好ましくは約50質量%以下、より好ましくは10~50質量%程度、さらに好ましくは10~40質量%程度が挙げられる。
表面層2の厚みとしては、特に制限されないが、電解液の付着を効果的に抑制しつつ、電解液が付着した後に高温環境下に晒された場合の耐電解液性を高める観点からは、好ましくは3μm以上が挙げられる。さらに、耐電解液性に加えて、電解液注入口の周囲への初期密着性、電解液注入口の周囲の形状への追従性、高温環境下のエージングに供された後に適切に剥離される剥離性などの特性を高める観点からは、好ましくは3~55μm程度、より好ましくは3~35μm程度、さらに好ましくは3~25μm程度が挙げられる。
表面層2は、粘着性(タック性)を備えていることが好ましい。表面層2が粘着性を備えることで、本発明の保護フィルムの位置決めが容易になる。また、表面層2は、粘着成分を含んでおり、粘着性を備える層であることが好ましい。なお、本発明において、粘着又は粘着性とは、複数の物体同士を接合する性質を意味し、広義の接着に含まれる概念であり、粘り着く性質(タック性)を意味している。
本発明の保護フィルムにおいては、基材層1の表面層2とは反対側に、支持体が積層されていてもよい。本発明において、支持体は、例えば、本発明の保護フィルムを電解液注入口の周囲に貼付する際に、保護フィルムから剥離されるものが使用できる。支持体としては、フィルム、紙、不織布などが挙げられる。支持体の厚みとしては、特に制限されず、通常、10~100μm程度とすることができる。支持体の両側の表面は、離形性を備えることが好ましい。また、限定的ではないが、本発明の保護フィルムが巻取体の場合には、支持体を備えることが好ましい。
本発明の保護フィルムにおいては、電解液注入口の周囲に貼付される側とは反対側(本発明の保護フィルムが基材層1と表面層2を有する場合であれば、基材層1の表面層2とは反対側)に、電解液を吸収可能な吸収層が積層されていてもよい。前記の通り、基材層1が吸収層を構成していてもよい。保護フィルムの表面(電解液注入口の周囲に貼付される側)に吸収層が設けられていることにより、電解液注入ノズルなどから電解液が滴下して、保護フィルムに付着した場合であっても、電解液が保護フィルムの周辺に流れ出たり、飛び散ることを抑制することができる。このため、電池の製造効率を高めることができる。吸収層としては、紙、不織布などが挙げられる。
不織布を構成する素材としては、特に制限されず、好ましくは、前述の基材層1で例示した樹脂と同じ樹脂が例示される。不織布は、ポリエステル及びポリレフィンの少なくとも一方により構成されていることが好ましく、耐熱性に優れることから、ポリエステルを含んでいることがより好ましい。ポリエステルとしては、好ましくはポリエチレンテレフタレートが好ましく、ポリオレフィンとしてはポリプロピレンが好ましい。
不織布の目付けとしては、下限については、好ましくは約20g/m2以上、より好ましくは約30g/m2以上が挙げられ、上限については、好ましくは約300g/m2以下、より好ましくは約200g/m2以下が挙げられ、好ましい範囲としては、20~300g/m2程度、20~200g/m2程度、30~300g/m2程度、30~200g/m2程度が挙げられる。
不織布を構成している繊維の繊維径としては、下限については、好ましくは約5μm以上、より好ましくは約15μm以上が挙げられ、上限については、好ましくは60μm以下、より好ましくは約40μm以下が挙げられ、好ましい範囲としては、5~60μm程度、5~40μm程度、15~60μm程度、15~40μm程度が挙げられる。
なお、本発明の保護フィルムを製造する際に、不織布と表面層とは、表面層を構成する樹脂の溶融押出しによって製造することが好ましい。この観点から、不織布は、溶融押出しによっても不織布の構造(すなわち、電解液を吸収する構造)の少なくとも一部が保持される耐熱性を備えていることが好ましい。また、表面層を構成する樹脂を不織布に溶融押出する際には、不織布の空隙に樹脂が含浸されてもよい。不織布の厚み方向における樹脂の含浸割合は、65%未満であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることがさらに好ましい。なお、当該含浸割合の下限は、例えば0%である。当該含浸割合が65%以上になると、不織布内の空隙が埋まりすぎてしまい、電解液の吸収性が低下しやすくなる。不織布の厚み方向における樹脂の含浸割合を65%未満に好適に設定し、不織布と表面層の積層に伴う電解液の吸水性の低下をより効果的に抑制する観点から、不織布を構成する樹脂の融解ピーク温度は、下限については、好ましくは130℃以上、上限については、好ましくは300℃以下が挙げられる。
また、本発明の保護フィルムにおいて、電解液注入口の周囲に貼付される側(本発明の保護フィルムが基材層1と表面層2を有する場合であれば、表面層2の基材層1とは反対側)に、離型フィルムを備えていてもよい。
本発明の保護フィルムの厚みとしては、特に制限されないが、電解液の付着を効果的に抑制しつつ、電解液が付着した後に高温環境下に晒された場合の耐電解液性を高める観点からは、好ましくは30μm以上が挙げられる。さらに、耐電解液性に加えて、電解液注入口の周囲への初期密着性、電解液注入口の周囲の形状への追従性、高温環境下のエージングに供された後に適切に剥離される剥離性などの特性を高める観点からは、例えば25~120μm程度、好ましくは30~120μm程度、より好ましくは30~105μm程度、さらに好ましくは30~90μm程度が挙げられる。
また、本発明の保護フィルムの面積としては、特に制限されず、電池の大きさによって異なるが、通常、0.07~10cm2程度である。さらに、本発明の保護フィルムは、電池の電解液注入口の形状に対応した開口を備えていることが好ましい。なお、図5,6は、電池の電解液注入口の形状に対応した開口を備えている本発明の保護フィルムを、電解液注入口の周囲に貼り付ける様子を示す模式図である。
本発明の保護フィルムの当該開口の直径としては、後述の電池20の電解液注入口21の開口の直径Waに対応する。本発明の保護フィルムの形状は、特に制限されないが、通常、平面視した場合に、略矩形状または略円形状である。また、図7に示されるように、保護フィルムの形状は、取手部6を備えているものであってもよい。また、保護フィルムには、取扱の観点などから、別部材の取っ手を有していてもよい。
本発明の保護フィルムは、以下の条件で測定される初期密着強度が、0.1N/15mm以上であることが好ましく、0.1~4.0N/15mm程度であることがより好ましい。
<初期密着強度の測定条件>
初期密着強度の測定方法においては、まず、保護フィルムを裁断して、長さ120mm、幅15mmの短冊形状の試験片を作製する。次に、25℃の環境下において、試験片の表面層をアルミニウム板に荷重2kgfで接着し(アルミニウム板に接着させる部分は、試験片の長さ50mm、幅15mmの部分である)、試験片のアルミニウム板と接着されていない端部と、アルミニウム板とを、引張試験機(島津製作所製、AG-X Plus)で50mm/分の速度、引張り角度180°で引張り、試験片とアルミニウム板との初期密着強度を測定する。なお、サンプルが小さい等の事情により、上記の試験片の形状を用意できないときは、測定が可能なサイズで測定し、15mm幅に換算して初期密着強度を算出する。
本発明の保護フィルムは、60℃で7時間保管した後、以下の条件で測定される高温保管後の密着強度としては、好ましくは、0.1~13.0N/15mm程度、0.1~12.2N/15mm程度、0.1~10.9N/15mm程度、0.2~13.0N/15mm程度、0.2~12.2N/15mm程度、0.2~10.9N/15mm程度、0.3~13.0N/15mm程度、0.3~12.2N/15mm程度、0.3~10.9N/15mm程度が挙げられる。また、120℃で8時間保管した後、以下の条件で測定される高温保管後の密着強度が、0.3N/15mm以上であることが好ましく、0.3~7.3N/15mm程度、0.4~7.3N/15mm程度であることがより好ましい。さらに、120℃で48時間保管した後、以下の条件で測定される高温保管後の密着強度が、0.3N/15mm以上であることが好ましく、0.3~5.0N/15mm程度、1.5~5.0N/15mm程度であることがより好ましい。
<高温保管後の密着強度の測定条件>
高温保管後の密着強度の測定方法においては、まず、保護フィルムを裁断して、長さ120mm、幅15mmの短冊形状の試験片を作製する。次に、25℃の環境下において、試験片の表面層をアルミニウム板に荷重2kgfで接着する(アルミニウム板に接着させる部分は、試験片の長さ50mm、幅15mmの部分である)。次に、各温度及び貼付時間の条件(60℃で7時間、120℃で8時間、または120℃で48時間)で保管する。次に、試験片のアルミニウム板と接着されていない端部と、アルミニウム板とを、引張試験機(島津製作所製、AG-X Plus)で50mm/分の速度、引張り角度180°で引張り、試験片とアルミニウム板との高温保管後の密着強度を測定する。なお、サンプルが小さい等の事情により、上記の試験片の形状を用意できないときは、測定が可能なサイズで測定し、15mm幅に換算して密着強度を算出する。
本発明の保護フィルムは、電池の電解液注入口の周囲に貼付され、その後(電解液の注入後)に剥離される保護フィルムである。例えば、図5の模式図A及びBに示されるように、電池20の電解液注入口21の周囲22に、本発明の保護フィルム10が貼付される。この際の模式的断面図を、図6のA及びBに示す。
図6のAに示すように、電池20の電解液注入口21の開口の直径Waとしては、特に制限されず、電池の大きさによって異なるが、通常、φ2~6mm程度である。また、当該開口の端部から、電解液注入口の周囲の端部(周縁部であり、少なくとも当該端部までは、保護フィルムが貼付される)までの距離Wbとしては、特に制限されず、電池の大きさによって異なるが、通常、0.5~50mm程度である。なお、図6に示されるように、電解液注入口の周囲は、その外側よりも低く、段差tが形成された形状を有していてもよい。段差tとしては、特に制限されず、電池の大きさによって異なるが、通常、0.1~10mm程度である。その他、本発明の保護フィルムが貼付される部分には、1箇所以上の段差が存在していてもよい。
本発明の保護フィルム10は、予め成形されて、電解液注入口の周囲の段差tに対応した形状を有していてもよい。また、前述の通り、例えば図6のB及び図7の模式図に示すように、本発明の保護フィルム10には、電解液注入口21の開口に対応する開口部3が設けられていてもよい。さらに、本発明の保護フィルム10は、少なくとも一部が着色されていてもよい。
例えば図7は、本発明の保護フィルム10の一例の模式的平面図である。図7に示される保護フィルム10においては、電解液注入口21の開口に対応する開口部3に加えて、当該開口部3の周囲に着色された領域4を備えている。領域4のみに、表面層2を設けてもよい。領域4の周囲には、透明な領域5が設けられており、電解液注入口の周囲に保護フィルム10を貼付する際の位置合わせが容易になっている。例えば、着色された領域4と、透明な領域5とを、電解液注入口の周囲の段差の形状に対応させることにより、電解液注入口の周囲に保護フィルム10を貼付する際の位置合わせが特に容易になる。さらに、図7に示される保護フィルム10においては、取手部6が設けられており、電解液注入口の周囲への保護フィルム10の貼り付け作業が容易になっている。
本発明の保護フィルムの形状としては、電解液注入口の周囲に貼付できる形状であれば、特に制限されず、図8に例示するような各種の平面形状とすることができる。本発明の保護フィルムの平面形状は、線対称であることが好ましい。また、本発明の保護フィルムは、図8に例示するような各種の形状においても、前記のように着色された領域4と透明な領域5を備えていてもよい。
本発明の保護フィルムが貼付される電解液注入口の周囲の材質としては、特に制限されず、金属、プラスチックなどが挙げられる。特に、電解液注入口の周囲が金属により構成されている場合、電解液の付着による腐食の問題などが生じやすいが、本発明の保護フィルムを用いることによって、このような問題を好適に解消することができる。すなわち、本発明の保護フィルムは、金属製ケースを用いた電池に対して、特に好適に使用することができる。
電解液注入口の周囲を構成する金属としては、特に制限されないが、好ましくはアルミニウム合金、銅、ステンレス鋼などが挙げられる。これらの中でも、アルミニウム合金が好ましい。
電解液注入口の周囲(電解液注入口の周辺部)の表面粗さ(Ra)としては、特に制限されないが、好ましくは0.1~1.0μm程度、より好ましくは0.3~0.5μm程度が挙げられる。なお、当該表面粗さ(Ra)は、JIS B 0601:2013に規定された方法により測定された値である。
本発明の保護フィルムが適用される電池としては、電解液を用いるものであれば、特に制限されず、一次電池、二次電池のいずれであってもよい。例えば、二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの電池の中でも、本発明の保護フィルムの好適な適用対象として、リチウムイオン電池が挙げられる。
本発明の保護フィルムは、例えば、次のようにして用いられる。すなわち、電池の製造工程において、電池の電解液注入口から電解液を注入する前に、本発明の保護フィルムを電解液注入口の周囲を覆うように貼付する。この状態で、電解液注入口から電解液を注入する。次に、電解液注入口を別部材にて封止して、電池をエージング工程に供する。エージング条件は、40~150℃で、1~72時間程度が挙げられる。エージングが完了した後、本発明の保護フィルムを電解液注入口の周囲から剥離し、電解液注入口を封止部材により封止することにより、電池が製造される。
本発明の保護フィルムの製造方法としては、特に制限されず、公知のフィルムの製造方法を採用することができる。本発明の保護フィルムの製造方法としては、例えば、保護フィルムを構成する樹脂を押出してフィルム状に成形することにより製造する方法が挙げられる。また、本発明の保護フィルムが基材層1及び表面層2を有する場合であれば、基材層1及び表面層2を構成する樹脂を共押出ししてフィルム状に成形することにより製造する方法や、基材層1及び表面層2のうち、いずれか一方を形成する樹脂フィルムの上に、他方を形成する樹脂フィルムを積層する方法などが挙げられる。また、保護フィルム10は、少なくとも一部が透明であってもよい。保護フィルム10が透明な部分を有する場合には、保護フィルム10を電解液注入口に貼付する際に、位置合わせが容易であり、確実に保護し易くなる。
2.電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法
本発明において、電池の製造において電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法(本発明の電解液付着防止方法)は、電池の電解液注入口から電解液を注入する前に、前記「1.保護フィルム」の欄で説明した本発明の保護フィルムを用いることを特徴とする。
具体的には、本発明の電解液付着防止方法は、電池の製造において、前記電池の電解液注入口から電解液を注入する際に、前記電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法であって、以下の工程(A)、(B)を備えることを特徴としている。
工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層を備えている保護フィルムを用意する。
工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の電解液注入口の周囲に貼付する。
本発明の電解液付着防止方法においては、まず、本発明の保護フィルムを用意する。次に、当該保護フィルムの表面層2を、電池の電解液注入口の周囲に貼付する工程を行う。電池の電解液注入口の周囲に本発明の保護フィルムが貼付された状態で、電解液注入口から電解液を注入することにより、電解液注入口の周囲に電解液が付着することが防止される。
さらに、本発明の電解液付着防止方法においては、前述のように、電解液注入口を封止して、電池をエージング工程に供してもよい。エージング条件は、前述の通りである。本発明の保護フィルムが電解液注入口の周囲に貼付された状態でエージングを行うことにより、エージング中に電解液が突沸して、電解液注入口から電解液が吹き出した場合にも、電解液注入口の周囲に電解液が付着することが防止される。
さらに、本発明の保護フィルムを電解液注入口の周囲から剥離し、電解液注入口を封止部材により封止することにより、電池が製造される。
3.電池の製造方法
本発明の電池の製造方法は、電池の電解液注入口から電解液を注入する前に、前記「1.保護フィルム」の欄で説明した本発明の保護フィルムを用いることを特徴とする。
具体的には、本発明の電池の製造方法は、少なくとも、以下の工程(A)、(B)、及び(C)をこの順に備えることを特徴としている。
工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層を備えている保護フィルムを用意する。
工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の電解液注入口の周囲に貼付する。
工程(C):電解液注入口から電解液を注入する。
本発明の電池の製造方法においては、まず、本発明の保護フィルムを用意する。次に、当該保護フィルムの表面層2を、電池の電解液注入口の周囲に貼付する工程を行う。次に、電池の電解液注入口の周囲に本発明の保護フィルムが貼付された状態で、電解液注入口から電解液を注入する工程を行うことにより、電池が製造される。前述の本発明の電解液付着防止方法と同様、本発明の電池の製造方法においても、電解液注入口の周囲に電解液が付着することが防止される。
さらに、本発明の電解の製造方法においても、前述のように、電解液注入口を封止して、電池をエージング工程に供してもよい。エージング条件は、前述の通りである。本発明の保護フィルムが電解液注入口の周囲に貼付された状態でエージングを行うことにより、エージング中に電解液が突沸して、電解液注入口から吹き出した場合にも、電解液注入口の周囲に電解液が付着することが防止される。
さらに、本発明の保護フィルムを電解液注入口の周囲から剥離し、電解液注入口を封止部材により封止することにより、電池が製造される。すなわち、本発明の電池の製造方法において、工程(C)の後、保護フィルムを剥離する工程(D)をさらに備えることができる。また、工程(D)の後、電解液注入口を本封止する工程(E)をさらに備えることができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
<保護フィルムの製造>
実施例1
オレフィン系エラストマー(添加量10質量%)が添加された酸変性ポリエチレン樹脂をフィルム状に押出成形して、保護フィルム(厚さ40μm)を得た。
実施例2
それぞれ、3種類のポリプロピレン樹脂組成物を共押出成形に供して、3層構成の保護フィルムを製造した。一方側の最外層は、第1の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。また、中間層は、第2の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。さらに、他方側の最外層は、表面層であり、具体的には、ポリプロピレンとスチレン系エラストマーとを含む樹脂組成物により構成されている。得られた3層保護フィルムを二軸延伸して、二軸延伸積層フィルム(保護フィルム)を得た。得られた二軸延伸積層フィルムにおいて、第1の基材層の厚みは9μm、第2の基材層の厚みは18μm、表面層の厚みは3μmであった(総厚みは30μm)。なお、表面層におけるスチレン系エラストマーの添加量は40質量%である。
実施例3
それぞれ、3種類のポリプロピレン樹脂組成物を共押出成形に供して、3層構成の保護フィルムを製造した。一方側の最外層は、第1の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。また、中間層は、第2の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。さらに、他方側の最外層は、表面層であり、具体的には、ポリプロピレンとスチレン系エラストマーとを含む樹脂組成物により構成されている。得られた3層保護フィルムを二軸延伸して、二軸延伸積層フィルム(保護フィルム)を得た。得られた二軸延伸積層フィルムにおいて、第1の基材層の厚みは9μm、第2の基材層の厚みは18μm、表面層の厚みは3μmであった(総厚みは30μm)。なお、表面層におけるスチレン系エラストマーの添加量は20質量%である。
実施例4
それぞれ、3種類のポリプロピレン樹脂組成物を共押出成形に供して、3層構成の保護フィルムを製造した。一方側の最外層は、第1の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。また、中間層は、第2の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。さらに、他方側の最外層は、表面層であり、具体的には、ポリプロピレンとスチレン系エラストマーとを含む樹脂組成物により構成されている。得られた3層保護フィルムを二軸延伸して、二軸延伸積層フィルム(保護フィルム)を得た。得られた二軸延伸積層フィルムにおいて、第1の基材層の厚みは9μm、第2の基材層の厚みは18μm、表面層の厚みは3μmであった(総厚みは30μm)。なお、表面層におけるスチレン系エラストマーの添加量は10質量%である。
実施例5
ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)の一方の面に、酸変性ポリプロピレン樹脂を溶融押出した後、ポリエチレンナフタレートフィルムの溶融押出しをしていない反対の面にも、酸変性ポリプロピレン樹脂を溶融押出して、最初に酸変性ポリプロピレン樹脂を溶融押出した面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量20質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、酸変性ポリプロピレン樹脂層(厚さ30μm)/ポリエチレンナフタレートフィルム(厚さ12μm)/酸変性ポリプロピレン樹脂層(厚さ30μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ33μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例6
二軸延伸ポリプロピレン(OPP)の一方の面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、二軸延伸ポリプロピレン(厚さ40μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ50μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例7
二軸延伸ポリプロピレン(OPP)の一方の面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量20質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、二軸延伸ポリプロピレン(厚さ30μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ50μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例8
二軸延伸ポリプロピレン(OPP)の一方の面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量15質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、二軸延伸ポリプロピレン(厚さ40μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ35μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例9
未延伸ポリプロピレン(CPP)の一方の面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量15質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、未延伸ポリプロピレン(厚さ40μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ35μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例10
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)の一方の面に、酸変性ポリプロピレン樹脂を溶融押出し、酸変性ポリプロピレン樹脂上にさらにポリプロピレンとスチレン系エラストマーとを含む樹脂組成物により構成されている樹脂を溶融押出して、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(厚さ24μm)/酸変性ポリプロピレン樹脂層(厚さ30μm)/表面層(厚さ26μm)から構成される保護フィルムを得た。表面層におけるスチレン系エラストマーの添加量は40質量%である。
実施例11
二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)の一方の面に、酸変性ポリプロピレン樹脂を溶融押出し、酸変性ポリプロピレン樹脂上にさらにポリプロピレンとスチレン系エラストマーとを含む樹脂組成物により構成されている樹脂を溶融押出して、二軸延伸ポリエチレンナフタレート(厚さ16μm)/酸変性ポリプロピレン樹脂層(厚さ30μm)/表面層(厚さ26μm)から構成される保護フィルムを得た。表面層におけるスチレン系エラストマーの添加量は40質量%である。
比較例1
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:631S 透明 メーカー:(株)寺岡製作所)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
比較例2
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:631S 黒 メーカー:(株)寺岡製作所)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
比較例3
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:50600 緑 メーカー:テサSE)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
比較例4
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:642 青 メーカー:(株)寺岡製作所)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
比較例5
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:ACH-6100、白、メーカー:中興化成工業株式会社)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
比較例6
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:ACH-5001FR 白、メーカー:中興化成工業株式会社)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
比較例7
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:635F メーカー:(株)寺岡製作所)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
比較例8
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:51108 メーカー:テサSE)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
実施例12
ポリエステル系の不織布(厚み210μm、繊維径約20μm、目付け30g/m2)の一方の面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、不織布(厚さ210μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
<初期密着強度の測定>
上記各保護フィルムについて、以下の条件によって、初期密着強度を測定した。測定結果を表1及び表2に示す。初期密着強度の測定方法においては、まず、各保護フィルムを裁断して、長さ120mm、幅15mmの短冊形状の試験片を作製した。次に、25℃の環境下において、試験片の表面層をアルミニウム板(1000番台(純アルミニウム系)、長さ100mm、幅25mm、厚さ2mm、表面粗さRaは0.5μm)に荷重2kgfで接着した(アルミニウム板に接着させる部分は、試験片の長さ50mm、幅15mmの部分である)。次に、試験片のアルミニウム板と接着されていない端部と、アルミニウム板とを、引張試験機(島津製作所製、AG-X Plus)で50mm/分の速度、引張り角度180°で引張り、試験片とアルミニウム板との剥離時の荷重を測定することにより初期密着強度を測定した。なお、初期密着強度は、3回測定した平均値とした。
<高温保管後の密着強度の測定>
上記各保護フィルムについて、以下の条件によって、高温保管後の密着強度を測定した。測定結果を表1及び表2に示す。高温保管後の密着強度の測定方法においては、まず、各保護フィルムを裁断して、長さ120mm、幅15mmの短冊形状の試験片を作製した。次に、25℃の環境下において、試験片の表面層をアルミニウム板(1000番台(純アルミニウム系)、長さ100mm、幅25mm、厚さ2mm、表面粗さRaは0.5μm)に荷重2kgfで接着した(アルミニウム板に接着させる部分は、試験片の長さ50mm、幅15mmの部分である)。次に、表1及び表2に記載の各温度及び貼付時間の条件(60℃で7時間、120℃で8時間、または120℃で48時間)で保管した。次に、試験片のアルミニウム板と接着されていない端部と、アルミニウム板とを、引張試験機(島津製作所製、AG-X Plus)で50mm/分の速度、引張り角度180°で引張り、試験片とアルミニウム板との剥離時の荷重を測定することにより高温保管後の密着強度を測定した。なお、密着強度は、3回測定した平均値とした。
<剥離性の評価>
前記の高温保管後の密着強度の測定の際に、剥離した表面層がアルミニウム板の表面に残存しているかを、以下の観点から剥離性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
A:表面層がアルミニウム板に残存しておらず、剥離性に優れている
B:表面層がアルミニウム板に残存しており、剥離性に劣っている
<追従性の評価>
上記各保護フィルムについて、それぞれ、25℃の環境下において、保護フィルムの表面層を、0.5mmの段差tを有するアルミニウム板に貼付した。次に、これを120℃で48時間保管して、段差部での保護フィルムの剥がれや、保護フィルムのシワなどの外観に問題がないか、目視で確認し、以下の基準により評価した。結果を表1及び表2に示す。
A:保護フィルムによって段差部が埋められており、シワも形成されていない
B:保護フィルムが段差部で剥がれ、段差部が埋められていないか、または、保護フィルムにシワが発生している
<耐電解液性の評価>
上記各保護フィルムを、それぞれ、電解液(1M LiPF6の溶液(エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート:ジエチルカーボネート=1:1:1、体積比)に浸漬し、60℃で7時間保管した。次に取り出した保護フィルムを目視で確認し、以下の基準により評価した。結果を表1及び表2に示す。
A:保護フィルムの表面層が溶解していない
C:保護フィルムの表面層が溶解しているか、または、基材層から剥がれている
Figure 0007103406000001
Figure 0007103406000002
表1及び表2中の表記は、以下の通りである。PPは、ポリプロピレンフィルムを示す。PPaは、無水マレイン酸変性ポリプロピレンを含むポリプロピレンフィルムを示す。PENは、ポリエチレンナフタレートフィルムを示す。CPPは、未延伸ポリプロピレンフィルムを示す。Nyは、二軸延伸ナイロンフィルムを示す。PETは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを示す。
表1及び表2に示される結果から、実施例1~12の保護フィルムは、初期密着強度及び高温保管後の密着強度が適切であるため、電池の製造において電池の電解液注入口の周囲に好適に貼付され、高温保管後に好適に剥離することができ、さらに、高温環境下に晒された場合の耐電解液性に優れることが分かる。
また、実施例2~12の保護フィルムは、基材層を備えていることから、保形性が高く、電解液注入口の周囲に貼付し、その後に剥離する際の取扱性に特に優れていた。
<保護フィルムの製造>
実施例13
ポリエチレンテレフタレート系の不織布(目付け30g/m2、繊維径約20μm、厚み210μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ210μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。なお、不織布に酸変性ポリエチレン樹脂を積層する際の温度を、それぞれ、80℃、120℃、及び150℃とした3種の保護フィルムを作製して、それぞれ、後述の電解液吸収特性を評価した。以下の実施例14~20についても、同様とした。
実施例14
ポリエチレンテレフタレート系の不織布(目付け260g/m2、繊維径約20μm、厚み670μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ670μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例15
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン系の不織布(目付け30g/m2、繊維径約20μm、厚み230μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ230μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例16
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン系の不織布(目付け15g/m2、繊維径約20μm、厚み100μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ100μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例17
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン系の不織布(目付け20g/m2、繊維径約20μm、厚み120μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ120μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例18
ポリエチレン系の不織布(目付け30g/m2、繊維径約20μm、厚み220μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ220μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例19
ポリエチレンテレフタレート系の不織布(目付け70g/m2、繊維径約20μm、厚み420μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ420μm)/スチレン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ400μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例20
ポリエチレンテレフタレート系の不織布(目付け90g/m2、繊維径約30μm、厚み410μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ410μm)/スチレン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
<電解液吸収特性>
実施例13~20で得られた各保護フィルム(それぞれ、基材層と表面層の積層温度が異なる3種類)基材層(不織布)の表面に、電解液2mlをスポイトで1滴滴下し、基材層が電解液を吸収して保護フィルムの表面に電解液の液滴が形成されるか否かを目視で確認した。保護フィルムの表面に電解液の液滴が形成されると、電解液を電池に注入する際に液滴を布で拭き取る必要があるなど、作業効率が低下することから、以下の基準に基づく評価を行った。評価結果を表3に示す。
A:液滴下、2秒以内に保護フィルムの表面に液滴が吸収される
B:液滴下、5秒以内に保護フィルムの表面に液滴が吸収される
C:保護フィルムの表面に液滴が形成される
<樹脂の含浸割合>
実施例19で得られた保護フィルムを、トリミングナイフを用いて厚み方向に裁断し、光学顕微鏡(キーエンス製VK9510)で基材層(不織布)の断面を観察した。不織布内の厚み方向に樹脂が含浸している割合を、不織布の厚みと樹脂の含浸している厚みから算出し、不織布の樹脂の含浸割合とした。その結果、基材層と表面層の積層温度が80℃であった場合には、樹脂の含浸割合は38%、積層温度が120℃であった場合には56%、積層温度が150℃であった場合には65%であった。
Figure 0007103406000003
表3中の表記は、以下の通りである。PEは、ポリエチレンを示す。PETは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートを示す。
表3に示されるように、実施例13~20の保護フィルムは、基材層が不織布により構成されていることから、電解液の吸収層として機能し、保護フィルムの表面に電解液を滴下した場合にも、電解液が不織布に吸収されて、表面に液滴が形成されず、電解液を電池に注入する際に液滴を布で拭き取る必要がなく、電池製造の作業効率を向上できることが分かる。また、例えば実施例13~15では、保護フィルムを製造する際の基材層と表面層の積層工程の温度が高温であっても、電解液吸収特性に優れることから、基材層と表面層の積層に溶融押出(高温で溶融された樹脂が不織布に積層される)を採用できるという利点がある。また、実施例19の結果から、保護フィルムにおいて、不織布の樹脂の含浸率を65%未満に設定することにより、電解液がより迅速に吸収されて、作業効率の低下を効率的に抑制できることが分かる。
1 基材層
10 保護フィルム
11 第1の基材層
12 第2の基材層
13 第3の基材層
2 表面層
20 電池
21 電解液注入口
22 電解液注入口の周囲
3 開口部
4 着色された領域
5 透明な領域
6 取手部
t 段差
Wa 電解液注入口の開口の直径
Wb 電解液注入口の開口の端部から、電解液注入口の周囲の端部までの距離

Claims (14)

  1. 電池の製造において、電解液を注入する前に、電池の電解液注入口の周囲に貼付され、その後に剥離される用途に供される保護フィルムであって、
    前記保護フィルムは、表面層と、吸収層とを備えており、
    前記表面層は、ポリオレフィンを含んでいる、保護フィルム。
  2. 前記表面層を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を有している、請求項1に記載の保護フィルム。
  3. 前記ポリオレフィンが、酸変性ポリオレフィンを含んでいる、請求項1または2に記載の保護フィルム。
  4. 前記表面層を赤外分光法で分析すると、無水マレイン酸に由来するピークが検出される、請求項1~3のいずれかに記載の仮封止フィルム。
  5. 前記保護フィルムは、以下の条件で測定される初期密着強度が、0.1N/15mm以上である、請求項1~4のいずれかに記載の保護フィルム。
    25℃の環境下において、前記保護フィルムの表面層をアルミニウム板に接着し、前記保護フィルムと前記アルミニウム板との初期密着強度を測定する。
  6. 前記表面層は、エラストマーをさらに含んでいる、請求項1~5のいずれかに記載の保護フィルム。
  7. 前記保護フィルムは、さらに基材層を備えている、請求項1~6のいずれかに記載の保護フィルム。
  8. 前記基材層は、ポリオレフィンを含んでいる、請求項7に記載の保護フィルム。
  9. 前記基材層が、2層以上により構成されている、請求項7または8に記載の保護フィルム。
  10. 前記吸収層が、不織布である、請求項1~9のいずれかに記載の保護フィルム。
  11. 前記不織布の目付けが、20g/m2以上300g/m2以下である、請求項10に記載の保護フィルム。
  12. 前記不織布が、ポリエステル及びポリオレフィンの少なくとも一方を含んでいる、請求項10又は11に記載の保護フィルム。
  13. 電池の製造において、電池の電解液注入口から電解液を注入する際に、前記電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法であって、
    以下の工程(A)、(B)を備える、電解液付着防止方法。
    工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層と、吸収層とを備えている保護フィルムを用意する。
    工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の前記電解液注入口の周囲に貼付する。
  14. 電池の製造方法であって、少なくとも、以下の工程(A)、(B)、及び(C)をこの順に備える、電池の製造方法。
    工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層と、吸収層とを備えている保護フィルムを用意する。
    工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の電解液注入口の周囲に貼付する。
    工程(C):電解液注入口から電解液を注入する。
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