JP7103406B2 - 保護フィルム、電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法、及び電池の製造方法 - Google Patents
保護フィルム、電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法、及び電池の製造方法 Download PDFInfo
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Description
項1. 電池の製造において、電解液を注入する前に、電池の電解液注入口の周囲に貼付され、その後に剥離される用途に供される保護フィルムであって、
前記保護フィルムは、表面層を備えており、
前記表面層は、ポリオレフィンを含んでいる、保護フィルム。
項2. 前記表面層を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を有している、項1に記載の保護フィルム。
項3. 前記ポリオレフィンが、酸変性ポリオレフィンを含んでいる、項1または2に記載の保護フィルム。
項4. 前記表面層を赤外分光法で分析すると、無水マレイン酸に由来するピークが検出される、項1~3のいずれかに記載の仮封止フィルム。
項5. 前記保護フィルムは、以下の条件で測定される初期密着強度が、0.1N/15mm以上である、項1~4のいずれかに記載の保護フィルム。
25℃の環境下において、前記保護フィルムの表面層をアルミニウム板に接着し、前記保護フィルムと前記アルミニウム板との初期密着強度を測定する。
項6. 前記表面層は、エラストマーをさらに含んでいる、項1~5のいずれかに記載の保護フィルム。
項7. 前記保護フィルムは、さらに基材層を備えている、項1~6のいずれかに記載の保護フィルム。
項8. 前記基材層は、ポリオレフィンを含んでいる、項7に記載の保護フィルム。
項9. 前記基材層が、2層以上により構成されている、項7または8に記載の保護フィルム。
項10. 前記保護フィルムは、さらに吸収層を備えている、項1~9のいずれかに記載の保護フィルム。
項11. 前記吸収層が、不織布である、項10に記載の保護フィルム。
項12. 前記不織布の目付けが、20g/m2以上300g/m2以下である、項11に記載の保護フィルム。
項13. 前記不織布が、ポリエステル及びポリオレフィンの少なくとも一方を含んでいる、項11又は12に記載の保護フィルム。
項14. 電池の製造において、電池の電解液注入口から電解液を注入する際に、前記電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法であって、
以下の工程(A)、(B)を備える、電解液付着防止方法。
工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層を備えている保護フィルムを用意する。
工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の前記電解液注入口の周囲に貼付する。
項15. 電池の製造方法であって、少なくとも、以下の工程(A)、(B)、及び(C)をこの順に備える、電池の製造方法。
工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層を備えている保護フィルムを用意する。
工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の電解液注入口の周囲に貼付する。
工程(C):電解液注入口から電解液を注入する。
本発明の保護フィルムは、電池の製造において電池の電解液注入口の周囲に貼付することにより、電池に電解液を注入する前(際)に、電解液注入口の周囲に電解液が付着することを抑制し、その後(電解液の注入後)に剥離するために使用されるものである。
初期密着強度の測定方法においては、まず、保護フィルムを裁断して、長さ120mm、幅15mmの短冊形状の試験片を作製する。次に、25℃の環境下において、試験片の表面層をアルミニウム板に荷重2kgfで接着し(アルミニウム板に接着させる部分は、試験片の長さ50mm、幅15mmの部分である)、試験片のアルミニウム板と接着されていない端部と、アルミニウム板とを、引張試験機(島津製作所製、AG-X Plus)で50mm/分の速度、引張り角度180°で引張り、試験片とアルミニウム板との初期密着強度を測定する。なお、サンプルが小さい等の事情により、上記の試験片の形状を用意できないときは、測定が可能なサイズで測定し、15mm幅に換算して初期密着強度を算出する。
高温保管後の密着強度の測定方法においては、まず、保護フィルムを裁断して、長さ120mm、幅15mmの短冊形状の試験片を作製する。次に、25℃の環境下において、試験片の表面層をアルミニウム板に荷重2kgfで接着する(アルミニウム板に接着させる部分は、試験片の長さ50mm、幅15mmの部分である)。次に、各温度及び貼付時間の条件(60℃で7時間、120℃で8時間、または120℃で48時間)で保管する。次に、試験片のアルミニウム板と接着されていない端部と、アルミニウム板とを、引張試験機(島津製作所製、AG-X Plus)で50mm/分の速度、引張り角度180°で引張り、試験片とアルミニウム板との高温保管後の密着強度を測定する。なお、サンプルが小さい等の事情により、上記の試験片の形状を用意できないときは、測定が可能なサイズで測定し、15mm幅に換算して密着強度を算出する。
本発明において、電池の製造において電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法(本発明の電解液付着防止方法)は、電池の電解液注入口から電解液を注入する前に、前記「1.保護フィルム」の欄で説明した本発明の保護フィルムを用いることを特徴とする。
工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層を備えている保護フィルムを用意する。
工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の電解液注入口の周囲に貼付する。
本発明の電池の製造方法は、電池の電解液注入口から電解液を注入する前に、前記「1.保護フィルム」の欄で説明した本発明の保護フィルムを用いることを特徴とする。
工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層を備えている保護フィルムを用意する。
工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の電解液注入口の周囲に貼付する。
工程(C):電解液注入口から電解液を注入する。
実施例1
オレフィン系エラストマー(添加量10質量%)が添加された酸変性ポリエチレン樹脂をフィルム状に押出成形して、保護フィルム(厚さ40μm)を得た。
それぞれ、3種類のポリプロピレン樹脂組成物を共押出成形に供して、3層構成の保護フィルムを製造した。一方側の最外層は、第1の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。また、中間層は、第2の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。さらに、他方側の最外層は、表面層であり、具体的には、ポリプロピレンとスチレン系エラストマーとを含む樹脂組成物により構成されている。得られた3層保護フィルムを二軸延伸して、二軸延伸積層フィルム(保護フィルム)を得た。得られた二軸延伸積層フィルムにおいて、第1の基材層の厚みは9μm、第2の基材層の厚みは18μm、表面層の厚みは3μmであった(総厚みは30μm)。なお、表面層におけるスチレン系エラストマーの添加量は40質量%である。
それぞれ、3種類のポリプロピレン樹脂組成物を共押出成形に供して、3層構成の保護フィルムを製造した。一方側の最外層は、第1の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。また、中間層は、第2の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。さらに、他方側の最外層は、表面層であり、具体的には、ポリプロピレンとスチレン系エラストマーとを含む樹脂組成物により構成されている。得られた3層保護フィルムを二軸延伸して、二軸延伸積層フィルム(保護フィルム)を得た。得られた二軸延伸積層フィルムにおいて、第1の基材層の厚みは9μm、第2の基材層の厚みは18μm、表面層の厚みは3μmであった(総厚みは30μm)。なお、表面層におけるスチレン系エラストマーの添加量は20質量%である。
それぞれ、3種類のポリプロピレン樹脂組成物を共押出成形に供して、3層構成の保護フィルムを製造した。一方側の最外層は、第1の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。また、中間層は、第2の基材層であり、具体的にはポリプロピレンにより構成されている。さらに、他方側の最外層は、表面層であり、具体的には、ポリプロピレンとスチレン系エラストマーとを含む樹脂組成物により構成されている。得られた3層保護フィルムを二軸延伸して、二軸延伸積層フィルム(保護フィルム)を得た。得られた二軸延伸積層フィルムにおいて、第1の基材層の厚みは9μm、第2の基材層の厚みは18μm、表面層の厚みは3μmであった(総厚みは30μm)。なお、表面層におけるスチレン系エラストマーの添加量は10質量%である。
ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)の一方の面に、酸変性ポリプロピレン樹脂を溶融押出した後、ポリエチレンナフタレートフィルムの溶融押出しをしていない反対の面にも、酸変性ポリプロピレン樹脂を溶融押出して、最初に酸変性ポリプロピレン樹脂を溶融押出した面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量20質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、酸変性ポリプロピレン樹脂層(厚さ30μm)/ポリエチレンナフタレートフィルム(厚さ12μm)/酸変性ポリプロピレン樹脂層(厚さ30μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ33μm)から構成される保護フィルムを得た。
二軸延伸ポリプロピレン(OPP)の一方の面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、二軸延伸ポリプロピレン(厚さ40μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ50μm)から構成される保護フィルムを得た。
二軸延伸ポリプロピレン(OPP)の一方の面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量20質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、二軸延伸ポリプロピレン(厚さ30μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ50μm)から構成される保護フィルムを得た。
二軸延伸ポリプロピレン(OPP)の一方の面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量15質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、二軸延伸ポリプロピレン(厚さ40μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ35μm)から構成される保護フィルムを得た。
未延伸ポリプロピレン(CPP)の一方の面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量15質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、未延伸ポリプロピレン(厚さ40μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ35μm)から構成される保護フィルムを得た。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)の一方の面に、酸変性ポリプロピレン樹脂を溶融押出し、酸変性ポリプロピレン樹脂上にさらにポリプロピレンとスチレン系エラストマーとを含む樹脂組成物により構成されている樹脂を溶融押出して、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(厚さ24μm)/酸変性ポリプロピレン樹脂層(厚さ30μm)/表面層(厚さ26μm)から構成される保護フィルムを得た。表面層におけるスチレン系エラストマーの添加量は40質量%である。
二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)の一方の面に、酸変性ポリプロピレン樹脂を溶融押出し、酸変性ポリプロピレン樹脂上にさらにポリプロピレンとスチレン系エラストマーとを含む樹脂組成物により構成されている樹脂を溶融押出して、二軸延伸ポリエチレンナフタレート(厚さ16μm)/酸変性ポリプロピレン樹脂層(厚さ30μm)/表面層(厚さ26μm)から構成される保護フィルムを得た。表面層におけるスチレン系エラストマーの添加量は40質量%である。
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:631S 透明 メーカー:(株)寺岡製作所)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:631S 黒 メーカー:(株)寺岡製作所)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:50600 緑 メーカー:テサSE)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:642 青 メーカー:(株)寺岡製作所)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:ACH-6100、白、メーカー:中興化成工業株式会社)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:ACH-5001FR 白、メーカー:中興化成工業株式会社)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:635F メーカー:(株)寺岡製作所)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
保護フィルムとして、市販の粘着フィルム(型番:51108 メーカー:テサSE)を用いた。保護フィルムの構成は表2に記載の通りである。
ポリエステル系の不織布(厚み210μm、繊維径約20μm、目付け30g/m2)の一方の面に、オレフィン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を溶融押出して、不織布(厚さ210μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
上記各保護フィルムについて、以下の条件によって、初期密着強度を測定した。測定結果を表1及び表2に示す。初期密着強度の測定方法においては、まず、各保護フィルムを裁断して、長さ120mm、幅15mmの短冊形状の試験片を作製した。次に、25℃の環境下において、試験片の表面層をアルミニウム板(1000番台(純アルミニウム系)、長さ100mm、幅25mm、厚さ2mm、表面粗さRaは0.5μm)に荷重2kgfで接着した(アルミニウム板に接着させる部分は、試験片の長さ50mm、幅15mmの部分である)。次に、試験片のアルミニウム板と接着されていない端部と、アルミニウム板とを、引張試験機(島津製作所製、AG-X Plus)で50mm/分の速度、引張り角度180°で引張り、試験片とアルミニウム板との剥離時の荷重を測定することにより初期密着強度を測定した。なお、初期密着強度は、3回測定した平均値とした。
上記各保護フィルムについて、以下の条件によって、高温保管後の密着強度を測定した。測定結果を表1及び表2に示す。高温保管後の密着強度の測定方法においては、まず、各保護フィルムを裁断して、長さ120mm、幅15mmの短冊形状の試験片を作製した。次に、25℃の環境下において、試験片の表面層をアルミニウム板(1000番台(純アルミニウム系)、長さ100mm、幅25mm、厚さ2mm、表面粗さRaは0.5μm)に荷重2kgfで接着した(アルミニウム板に接着させる部分は、試験片の長さ50mm、幅15mmの部分である)。次に、表1及び表2に記載の各温度及び貼付時間の条件(60℃で7時間、120℃で8時間、または120℃で48時間)で保管した。次に、試験片のアルミニウム板と接着されていない端部と、アルミニウム板とを、引張試験機(島津製作所製、AG-X Plus)で50mm/分の速度、引張り角度180°で引張り、試験片とアルミニウム板との剥離時の荷重を測定することにより高温保管後の密着強度を測定した。なお、密着強度は、3回測定した平均値とした。
前記の高温保管後の密着強度の測定の際に、剥離した表面層がアルミニウム板の表面に残存しているかを、以下の観点から剥離性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
A:表面層がアルミニウム板に残存しておらず、剥離性に優れている
B:表面層がアルミニウム板に残存しており、剥離性に劣っている
上記各保護フィルムについて、それぞれ、25℃の環境下において、保護フィルムの表面層を、0.5mmの段差tを有するアルミニウム板に貼付した。次に、これを120℃で48時間保管して、段差部での保護フィルムの剥がれや、保護フィルムのシワなどの外観に問題がないか、目視で確認し、以下の基準により評価した。結果を表1及び表2に示す。
A:保護フィルムによって段差部が埋められており、シワも形成されていない
B:保護フィルムが段差部で剥がれ、段差部が埋められていないか、または、保護フィルムにシワが発生している
上記各保護フィルムを、それぞれ、電解液(1M LiPF6の溶液(エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート:ジエチルカーボネート=1:1:1、体積比)に浸漬し、60℃で7時間保管した。次に取り出した保護フィルムを目視で確認し、以下の基準により評価した。結果を表1及び表2に示す。
A:保護フィルムの表面層が溶解していない
C:保護フィルムの表面層が溶解しているか、または、基材層から剥がれている
実施例13
ポリエチレンテレフタレート系の不織布(目付け30g/m2、繊維径約20μm、厚み210μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ210μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。なお、不織布に酸変性ポリエチレン樹脂を積層する際の温度を、それぞれ、80℃、120℃、及び150℃とした3種の保護フィルムを作製して、それぞれ、後述の電解液吸収特性を評価した。以下の実施例14~20についても、同様とした。
ポリエチレンテレフタレート系の不織布(目付け260g/m2、繊維径約20μm、厚み670μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ670μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン系の不織布(目付け30g/m2、繊維径約20μm、厚み230μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ230μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン系の不織布(目付け15g/m2、繊維径約20μm、厚み100μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ100μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン系の不織布(目付け20g/m2、繊維径約20μm、厚み120μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ120μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
ポリエチレン系の不織布(目付け30g/m2、繊維径約20μm、厚み220μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ220μm)/オレフィン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
ポリエチレンテレフタレート系の不織布(目付け70g/m2、繊維径約20μm、厚み420μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ420μm)/スチレン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ400μm)から構成される保護フィルムを得た。
ポリエチレンテレフタレート系の不織布(目付け90g/m2、繊維径約30μm、厚み410μm)の一方の面に、スチレン系エラストマーが添加(添加量10質量%)された酸変性ポリエチレン樹脂を積層して、不織布(基材層、厚さ410μm)/スチレン系エラストマーが添加された酸変性ポリエチレン樹脂層(表面層、厚さ40μm)から構成される保護フィルムを得た。
実施例13~20で得られた各保護フィルム(それぞれ、基材層と表面層の積層温度が異なる3種類)基材層(不織布)の表面に、電解液2mlをスポイトで1滴滴下し、基材層が電解液を吸収して保護フィルムの表面に電解液の液滴が形成されるか否かを目視で確認した。保護フィルムの表面に電解液の液滴が形成されると、電解液を電池に注入する際に液滴を布で拭き取る必要があるなど、作業効率が低下することから、以下の基準に基づく評価を行った。評価結果を表3に示す。
A:液滴下、2秒以内に保護フィルムの表面に液滴が吸収される
B:液滴下、5秒以内に保護フィルムの表面に液滴が吸収される
C:保護フィルムの表面に液滴が形成される
実施例19で得られた保護フィルムを、トリミングナイフを用いて厚み方向に裁断し、光学顕微鏡(キーエンス製VK9510)で基材層(不織布)の断面を観察した。不織布内の厚み方向に樹脂が含浸している割合を、不織布の厚みと樹脂の含浸している厚みから算出し、不織布の樹脂の含浸割合とした。その結果、基材層と表面層の積層温度が80℃であった場合には、樹脂の含浸割合は38%、積層温度が120℃であった場合には56%、積層温度が150℃であった場合には65%であった。
10 保護フィルム
11 第1の基材層
12 第2の基材層
13 第3の基材層
2 表面層
20 電池
21 電解液注入口
22 電解液注入口の周囲
3 開口部
4 着色された領域
5 透明な領域
6 取手部
t 段差
Wa 電解液注入口の開口の直径
Wb 電解液注入口の開口の端部から、電解液注入口の周囲の端部までの距離
Claims (14)
- 電池の製造において、電解液を注入する前に、電池の電解液注入口の周囲に貼付され、その後に剥離される用途に供される保護フィルムであって、
前記保護フィルムは、表面層と、吸収層とを備えており、
前記表面層は、ポリオレフィンを含んでいる、保護フィルム。 - 前記表面層を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を有している、請求項1に記載の保護フィルム。
- 前記ポリオレフィンが、酸変性ポリオレフィンを含んでいる、請求項1または2に記載の保護フィルム。
- 前記表面層を赤外分光法で分析すると、無水マレイン酸に由来するピークが検出される、請求項1~3のいずれかに記載の仮封止フィルム。
- 前記保護フィルムは、以下の条件で測定される初期密着強度が、0.1N/15mm以上である、請求項1~4のいずれかに記載の保護フィルム。
25℃の環境下において、前記保護フィルムの表面層をアルミニウム板に接着し、前記保護フィルムと前記アルミニウム板との初期密着強度を測定する。 - 前記表面層は、エラストマーをさらに含んでいる、請求項1~5のいずれかに記載の保護フィルム。
- 前記保護フィルムは、さらに基材層を備えている、請求項1~6のいずれかに記載の保護フィルム。
- 前記基材層は、ポリオレフィンを含んでいる、請求項7に記載の保護フィルム。
- 前記基材層が、2層以上により構成されている、請求項7または8に記載の保護フィルム。
- 前記吸収層が、不織布である、請求項1~9のいずれかに記載の保護フィルム。
- 前記不織布の目付けが、20g/m2以上300g/m2以下である、請求項10に記載の保護フィルム。
- 前記不織布が、ポリエステル及びポリオレフィンの少なくとも一方を含んでいる、請求項10又は11に記載の保護フィルム。
- 電池の製造において、電池の電解液注入口から電解液を注入する際に、前記電解液注入口の周囲に電解液が付着することを防止する方法であって、
以下の工程(A)、(B)を備える、電解液付着防止方法。
工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層と、吸収層とを備えている保護フィルムを用意する。
工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の前記電解液注入口の周囲に貼付する。 - 電池の製造方法であって、少なくとも、以下の工程(A)、(B)、及び(C)をこの順に備える、電池の製造方法。
工程(A):ポリオレフィンを含んでいる表面層と、吸収層とを備えている保護フィルムを用意する。
工程(B):前記保護フィルムの前記表面層を、電解液を注入する前の電池の電解液注入口の周囲に貼付する。
工程(C):電解液注入口から電解液を注入する。
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