JP7103017B2 - 撥水剤組成物、および物品 - Google Patents

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本発明は、撥水剤組成物、および物品に関する。
衣料等は、油性ペン等で文字等が記入されることがある。衣料等に記入された文字等のにじみを防ぐために、にじみ防止性を付与する技術が知られている(特許文献1)。しかし、屋外での使用が想定される衣類等は、雨水等を弾くことが求められることがあるため、にじみ防止性に加えて、撥水撥油性を衣類等に付与することがある。
繊維、紙、木材、または石材等の基材に撥水撥油性を付与する技術として、炭素数が6のペルフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートに基づく単位と、炭素数が20~30のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに基づく単位と、を有する共重合体を含む撥水撥油剤組成物が提案されている(特許文献2)。この撥水撥油剤組成物によれば、豪雨等の環境下でも十分な撥水撥油性を発揮する物品が得られる。
特開2016-141914号公報 国際公開第2008/136436号
しかしながら、特許文献2に記載の撥水撥油剤組成物を用いて基材を処理した場合、撥水性に併せて強い撥油性もが物品に付与されてしまう。そのため、油性インクの物品への浸透性が阻害され、薄い文字しか記入できない。すなわち、特許文献2に記載の撥水撥油剤組成物で処理された物品は、筆記性が充分でない。
ところが、物品に付与される撥油性を低減して、物品の筆記性を確保するために、特許文献2に記載の撥水撥油剤組成物に含まれる共重合体において、炭素数が6のペルフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートに基づく単位の割合を下げると、物品の豪雨に対する撥水性が低下してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、豪雨等に耐えられる強撥水性を具備しながら、筆記性と、インク等のにじみ防止性とのバランスに優れた物品が得られる強撥水加工剤組成物、および強撥水性並びに、筆記性及びインク等のにじみ防止性のバランスに優れた物品の提供を課題とする。
本発明は、下記の態様を有する。
[1]下記単量体aに基づく単位と、下記単量体bに基づく単位とを有する重合体を含み、前記単量体aに基づく単位の割合が、前記単量体aに基づく単位と、前記単量体bに基づく単位との合計100質量%に対して、5~26質量%である、撥水剤組成物。
単量体a:フッ素原子が結合している炭素原子の数が1または2の炭素数1~6のポリフルオロアルキル基を有する単量体。
単量体b:ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が20以上のアルキル基を有する単量体。
[2]前記単量体aに基づく単位の割合が、前記重合体を構成する全単位(100質量%)に対して、4~21質量%であり、前記単量体bに基づく単位の割合が、前記重合体を構成する全単位(100質量%)に対して、60~87質量%である、[1]の撥水剤組成物。
[3]前記単量体aが、式1で表される単量体である、[1]又は[2]の撥水剤組成物。
(Z-Y)X ・・・式1
[式1中、Zは、炭素数が1~6のポリフルオロアルキル基であって、フッ素原子が結合している炭素原子の数が1または2であるポリフルオロアルキル基を表し、Yは-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCH(CH)-、-CHCHCHCH-または-CHCH-OC(O)-φ-を表し、nは1を表し、Xは式:-CR=CH、式:-C(O)OCR=CH、式:-OC(O)CR=CH、式:-OCH-φ-CR=CH、または式:-OCH=CH(式中、Rは、水素原子、メチル基、フッ素原子または塩素原子を表す。)を表す。]
[4]前記単量体a、および前記単量体bのいずれか一方、または両方が(メタ)アクリレートである、[1]~[3]のいずれかの撥水剤組成物。
[5]前記単量体aが、CFCFCHOCOCH=CH、CFCFCHOCOC(CH)=CH、CFCHOC(O)CH=CH、CFCHOC(O)C(CH)=CH、CFHCHOC(O)CH=CHおよびCFHCHOC(O)C(CH)=CHからなる群より選ばれる1種以上である、[1]~[4]のいずれかの撥水剤組成物。
[6]前記重合体が、下記単量体cに基づく単位をさらに有する、[1]~[5]のいずれかの撥水剤組成物。
単量体c:ポリフルオロアルキル基および炭素数が20以上のアルキル基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体。
[7]前記単量体cに基づく単位の割合が、前記重合体の全単位100質量%に対して、1~20質量%である、[6]の撥水剤組成物。
[8][1]~[7]のいずれかの撥水剤組成物を用いて処理された物品。
本発明によれば、豪雨等に耐えられる強撥水性を具備しながら、筆記性と、インク等のにじみ防止性とのバランスに優れた物品が得られる。
本発明によれば、強撥水性と、筆記性及びインク等のにじみ防止性をバランスよく物品に付与できる撥水剤組成物が得られる。
本明細書においては、式1で表される化合物を化合物1と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
本明細書においては、式2-1で表される基を基2-1と記す。他の式で表される基も同様に記す。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「単量体」は、重合性不飽和基を有する化合物を意味する。
「単位」は、重合体において、単量体1分子が重合することで直接形成される原子団または、該原子団の一部を化学変換することで得られる原子団を意味する。
「単量体に基づく単位」は、特定の単量体が重合することで直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換することで得られる原子団の全てを意味する。「単量体Mに基づく単位」と記載した場合には、単量体Mが重合することで直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換することで得られる原子団の全てを意味する。
「R基」は、アルキル基の水素原子の一部またはすべてがフッ素原子に置換された基を意味する。ポリフルオロアルキル基はR基である。
「R基」は、R基の中でも、特にアルキル基の水素原子のすべてがフッ素原子に置換された基を意味する。ペルフルオロアルキル基はR基である。
「φ」は、フェニレン基である。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
「数平均分子量」、および「質量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によってポリメチルメタクリレート換算で測定される値である。
「重合体中のフッ素原子の含有割合」は、重合体を構成する全単位中のフッ素原子の含有割合である。単量体の反応率が100%である場合は、全単位中のフッ素原子の含有割合は、重合体の合成に用いた全単量体中のフッ素原子の含有割合と同じである。
「固形分濃度」は、加熱前の試料の質量を試料質量、120℃の対流式乾燥機で試料を4時間乾燥した後の質量を固形分質量として、(固形分質量/試料質量)×100により計算される。
〔撥水剤組成物〕
本発明の撥水剤組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、特定の重合体(以下、「重合体A」と記す。)を含む。本組成物は、媒体、界面活性剤、または添加剤を含んでいてもよい。
<重合体A>
重合体Aは、単量体aに基づく単位と、単量体bに基づく単位とを有する。
重合体Aは、単量体cに基づく単位をさらに有していてもよい。
重合体Aは、後述の単量体dに基づく単位をさらに有していてもよい。
重合体Aが単量体aに基づく単位を有することにより、豪雨にも耐えうる強撥水性を物品に付与できる撥水剤組成物が得られる。重合体Aは単量体aを1種以上含んでいてもよい。
単量体aは、フッ素原子が結合している炭素原子の数が1または2の炭素数1~6のR基を有する単量体である。単量体aにおけるフッ素原子が結合している炭素原子の数は1が好ましい。
上記R基の炭素数としては、1~6が好ましく、1~4がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。
基としては、例えば、CFCHCHCHCHCF-、CFCHCHCHCHCFH-、CFCHCHCF-、CFCHCHCFH-、CFCHCF-、CFCHCFH-、(CFCF-、(CF)(CH)CF-、CFCF-、CFHCF-、CFCFH-、(CF)(CH)CH-、CF-、CFH-、CFH-が挙げられ、強撥水性が得られるため、CF-、CFH-、CFH-またはC-が好ましく、CF-またはC-がより好ましい。
単量体aとしては、例えば、化合物1が挙げられる。
(Z-Y)X ・・・式1。
Zは、フッ素原子が結合している炭素原子の数が1または2の炭素数1~6のR基である。なお、式1において、Zの炭素数は、フッ素原子が結合している炭素原子の全部を含む最小の値である。ZにおけるR基の炭素数としては、1~6がより好ましく、1~4がさらに好ましく、1又は2が特に好ましい。
基としては、例えば、CFCHCHCHCHCF-、CFCHCHCHCHCFH-、CFCHCHCF-、CFCHCHCFH-、CFCHCF-、CFCHCFH-、(CFCF-、(CF)(CH)CF-、CFCF-、CFHCF-、CFCFH-、(CF)(CH)CH-、CF-、CFH-、CFH-が挙げられ、強撥水性が得られるため、CF-、CFH-、CFH-またはC-が好ましく、CF-またはC-がより好ましい。
基としては、R基が好ましい。R基を有するZとしては、強撥水性並びに筆記性及び油性インク等のにじみ防止性のバランスに優れるため、CF-またはC-が好ましい。
Yは、フッ素原子を有しない2価有機基または単結合である。
2価有機基としては、アルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。アルキレン基は、炭素-炭素結合間または末端部分に、-O-、-NH-、-CO-、-SO-、-S-、-CD=CD-(ただし、D、Dは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基である。)、-φ-OC(O)-を有していてもよい。なお、これらの2価有機基が非対称の場合には、結合の向きは一方に限定されない。また、フェニレン基の結合位置は特に限定されないが、パラ位が好ましい。
Yとしては、例えば、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCH(CH)-、-CHCHCHCH-、-CHCHCH(CH)-、-CH=CH-CH-、-CHCH-OC(O)-φ-が挙げられる。これらの中でも、強撥水性並びに筆記性及び油性インク等のにじみ防止性のバランスの点から、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCH(CH)-、-CHCHCHCH-および-CHCH-OC(O)-φ-が好ましく、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCH(CH)-および-CHCHCHCH-がさらに好ましい。
nは、1または2である。
Xは、nが1の場合は、基2-1~基2-5のいずれかであり、nが2の場合は、基3-1~基3-4のいずれかである。
-CR=CH ・・・式2-1、
-C(O)OCR=CH ・・・式2-2、
-OC(O)CR=CH ・・・式2-3、
-OCH-φ-CR=CH ・・・式2-4、
-OCH=CH ・・・式2-5。
ただし、Rは、水素原子、メチル基、フッ素原子または塩素原子である。
-CH[-(CHCR=CH]- ・・・式3-1、
-CH[-(CHC(O)OCR=CH]- ・・・式3-2、
-CH[-(CHOC(O)CR=CH]- ・・・式3-3、
-OC(O)CH=CHC(O)O- ・・・式3-4。
ただし、Rは、水素原子、メチル基、フッ素原子または塩素原子であり、mは0~4の整数である。
化合物1としては、他の単量体との重合性、基材に対する重合体Aの接着性、媒体に対する溶解性、乳化重合の容易性等の点から、(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が1または2のR基を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。
化合物1としては、Zが炭素数1または2のR基であり、Yが炭素数1~3のアルキレン基、-CH-OC(O)-φ-または-CHCH-OC(O)-φ-であり、nが1であり、Xが基2-3である化合物がより好ましい。
化合物1の好ましい具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
CFCHOC(O)CH=CH
CFHCHOC(O)CH=CH
CFCHOC(O)C(CH)=CH
CFHCHOC(O)C(CH)=CH
CFCHOC(O)C(Cl)=CH
CHOC(O)C(CH)=CH
CHOC(O)CH=CH
CHOC(O)C(Cl)=CH
CFCHCHOC(O)CH=CH
CFCHCHOC(O)C(CH)=CH
CFCHCHOC(O)C(Cl)=CH
CHCHOC(O)C(CH)=CH
CHCHOC(O)CH=CH
CHCHOC(O)C(Cl)=CH
CFCHOC(O)-φ-OC(O)CH=CH
CFCHOC(O)-φ-OC(O)C(CH)=CH
CHOC(O)-φ-OC(O)CH=CH
CHOC(O)-φ-OC(O)C(CH)=CH
CFCHCHOC(O)-φ-OC(O)CH=CH
CFCHCHOC(O)-φ-OC(O)C(CH)=CH
CHCHOC(O)-φ-OC(O)CH=CH
CHCHOC(O)-φ-OC(O)C(CH)=CH
これらの中でも、強撥水性並びに筆記性及び油性インク等のにじみ防止性のバランスの点から、CFCFCHOCOCH=CH、CFCFCHOCOC(CH)=CH、CFCHOC(O)CH=CH、CFCHOC(O)C(CH)=CH、CFHCHOC(O)CH=CHまたはCFHCHOC(O)C(CH)=CHがより好ましく、CFCFCHOCOCH=CH、CFCFCHOCOC(CH)=CH、CFCHOC(O)CH=CHまたはCFCHOC(O)C(CH)=CHがさらに好ましい。
重合体Aにおける単量体aとしては、強撥水性並びに筆記性及び油性インク等のにじみ防止性のバランスの点から、CFCFCHOCOCH=CH、CFCFCHOCOC(CH)=CH、CFCHOC(O)CH=CH、CFCHOC(O)C(CH)=CH、CFHCHOC(O)CH=CHおよびCFHCHOC(O)C(CH)=CHからなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、CFCFCHOCOCH=CH、CFCFCHOCOC(CH)=CH、CFCHOC(O)CH=CHおよびCFCHOC(O)C(CH)=CHからなる群より選ばれる1種以上がさらに好ましい。
単量体bは、上記R基を有さず、炭素数が20以上のアルキル基を有する単量体である。
重合体Aが単量体bに基づく単位を有することによって、豪雨にも耐えうる強撥水性を物品に付与できる撥水剤組成物が得られる。単量体bのアルキル基の炭素数は、融点による取り扱いの容易性の点と、物品の豪雨に対する撥水性がさらに向上する点から、30以下が好ましく、24以下がより好ましく、22が特に好ましい。
単量体bの具体例としては、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテル、またはビニルエステルが挙げられる。これらの中でも他の単量体との重合性等の点から(メタ)アクリレートが好ましい。
単量体bの好ましい具体例としては、ベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
単量体cは、R基および炭素数が20以上のアルキル基を有さず、架橋し得る官能基を有する単量体である。
重合体Aが単量体cに基づく単位を有する場合、本組成物と基材との間で架橋反応が起き、本組成物で処理された物品の長時間の豪雨に対する耐久性が向上する。また、本組成物で処理された物品を洗濯等で洗浄する際の耐久性も向上する。
架橋し得る官能基としては、重合体内の自己架橋構造、重合体と他の重合体との分子間の架橋構造、または基材表面の反応基との架橋構造を形成できる官能基が好ましい。
該官能基としては、豪雨等に対する物品の耐久性が優れる点から、ヒドロキシ基、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アクリルアミド基、エポキシ基、オキサゾリン基、カルボジイミド基等が好ましく、ヒドロキシ基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基またはアクリルアミド基がより好ましい。
単量体cとしては、(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ビニルエーテル、またはビニルエステルが好ましい。
単量体cとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート;2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの2-ブタノンオキシム付加体、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3,5-ジメチルピラゾール付加体、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3-メチルピラゾール付加体、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのε-カプロラクタム付加体等のブロックドイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート;γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレート;N-メチロール(メタ)アクリルアミド等の水酸基を有するアクリルアミド;メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアルコキシメチルアミド基を有するアクリルアミド;ダイアセトンアクリルアミド、グリセロール(メタ)アクリレート、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-(2-ビニルオキサゾリン)等の他の架橋し得る基を有する単量体;トリ(メタ)アリルイソシアヌレート(T(M)AIC、日本化成社製)、トリアリルシアヌレート(TAC、日本化成社製)、3-(メチルエチルケトオキシム)イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)シアナート(テックコートHE-6P、京絹化成社製)が挙げられる。
これらの中でも、単量体cとしては、耐久性の点から、1個の水酸基を有する炭素数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリルアミド、1個又は2個の水酸基で置換された炭素数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、又は2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのブロックドイソシアネート付加体が好ましく、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、または2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3,5-ジメチルピラゾール付加体がより好ましい。
単量体dは、単量体a、単量体bおよび単量体cを除く単量体である。重合体Aが単量体dに基づく単位を有する場合、単量体dはフッ素原子が結合している炭素原子の数が3以上であるR基を有しない。重合体Aは、1種以上の単量体dに基づく単位を有していてもよい。
単量体dとしては、単量体a、単量体b、および単量体cを除くオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン;スチレン等の芳香族ビニル;ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;酢酸ビニル等の(メタ)アクリレート以外のビニルエステル;ビニルエーテル;ビニルアルキルケトン;ジエンが挙げられる。単量体dとしては、基材との密着性が良好であるため、ハロゲン化オレフィンが好ましく、塩化ビニルまたは塩化ビニリデンのいずれか一方又は両方が好ましい。
単量体aに基づく単位の割合は、単量体aに基づく単位と、単量体bに基づく単位との合計100質量%に対して、5~26質量%であり、8~23質量%であることが好ましい。単量体aに基づく単位の割合が、前記下限値以上であれば、本組成物で処理された物品のインク等のにじみ防止性、および豪雨に対する撥水性が優れる。単量体aに基づく単位の割合が、前記上限値以下であれば、本組成物で処理された物品の筆記性、および豪雨に対する撥水性が優れる。
単量体aに基づく単位の割合は、豪雨に対する撥水性、および筆記性と、インク等のにじみ防止性とのバランスの点から、重合体Aを構成する全単位(100質量%)に対して、4~21質量%が好ましく、6~20質量%がより好ましい。
単量体bに基づく単位の割合は、豪雨に対する撥水性の点から、重合体Aを構成する全単位(100質量%)に対して、60~87質量%が好ましく、61~77質量%がより好ましい。
単量体cに基づく単位の割合は、長時間の豪雨に対する耐久性の点から、重合体Aを構成する全単位(100質量%)に対して、1~20質量%が好ましく、2~10質量%がより好ましく、2~8質量%が特に好ましい。
単量体dに基づく単位の割合は、多すぎると発明の効果が十分に発揮されないため、重合体Aを構成する全単位(100質量%)に対して、0~30質量%が好ましく、0~20質量%がより好ましい。
重合体Aを構成する全単位に対して、単量体a、単量体b、および単量体cに基づく単位の合計量の割合は、豪雨に対する撥水性、筆記性、インク等のにじみ防止性、および豪雨耐久性の点から、70~100質量%が好ましく、80~100質量%がより好ましく、90~100質量%が特に好ましい。
本発明における各単量体に基づく単位の割合は、重合体Aの製造時の単量体の仕込み量に基づいて算出できる。
重合体Aの数平均分子量(Mn)は、3000~100000が好ましく、5000~60000がより好ましく、10000~40000が特に好ましい。重合体Aの数平均分子量(Mn)が前記範囲内であれば、本組成物で処理された物品の豪雨に対する撥水性、筆記性、およびインク等のにじみ防止性が優れやすくなる。
重合体Aの質量平均分子量(Mw)は、6000~300000が好ましく、10000~200000がより好ましく、20000~100000が特に好ましい。重合体Aの質量平均分子量(Mw)が前記範囲内であれば、本組成物で処理された物品の豪雨に対する撥水性、筆記性、およびインク等のにじみ防止性が優れやすくなる。
重合体Aは、例えば、下記の方法で製造できる。
重合開始剤、重合媒体の存在下、単量体a、および単量体bを含む単量体成分を重合して、重合体Aの溶液、分散液またはエマルションを得る方法。単量体成分は、必要に応じて単量体cおよび単量体dのいずれか一方、または両方を含んでもよい。単量体成分を重合する際に、必要に応じて分子量調整剤、界面活性剤、または分散剤を用いてもよい。
重合法としては、溶液重合、分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法が挙げられる。また、一括重合であってもよく、連添重合、または多段重合であってもよい。
重合体Aの製造方法としては、重合開始剤の存在下、有機溶剤からなる重合媒体中で単量体成分を溶液重合して、重合体Aの溶液を得る方法、または、界面活性剤、重合開始剤の存在下、水系の重合媒体中で単量体成分を乳化重合して重合体Aのエマルションを得る方法が好ましい。
乳化重合して重合体Aのエマルションを得る場合は、重合体Aの収率が向上する点から、乳化重合の前に、単量体、界面活性剤、および水系の重合媒体からなる混合物を前乳化することが好ましい。例えば、単量体、界面活性剤、および水性重合媒体からなる混合物を、ホモミキサー、または高圧乳化機で混合分散する方法が挙げられる。
重合媒体としては、水、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、ハロゲン化合物、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、窒素化合物、硫黄化合物、無機溶剤、有機酸、フッ素系溶剤が挙げられる。これらの中でも、溶解性、取扱いの容易さの点から、乳化重合の場合は、水、アルコール、グリコール、グリコールエーテルおよびグリコールエステルからなる群から選ばれた1種以上の重合媒体が好ましく、溶液重合の場合は、エーテル、フッ素系溶剤、ケトン、アルコールからなる群から選ばれた1種以上の重合媒体が好ましく、少なくともフッ素系溶媒を含む重合媒体がより好ましい。
重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤、放射線重合開始剤、ラジカル重合開始剤、イオン性重合開始剤等が挙げられ、水溶性または油溶性のラジカル重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系開始剤等の汎用の開始剤が、重合温度に応じて用いられる。これらの中でも、アゾ系化合物が好ましく、水系媒体中で重合を行う場合、アゾ系化合物の塩がより好ましい。重合温度は20~150℃が好ましい。
重合開始剤の添加量は、単量体成分100質量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.1~3質量部がより好ましい。
単量体成分を重合する際には、分子量調整剤を用いてもよい。分子量調整剤としては、芳香族系化合物、メルカプトアルコール、メルカプトカルボン酸またはメルカプタンが好ましく、メルカプトカルボン酸またはアルキルメルカプタンがより好ましい。分子量調整剤としては、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、α-メチルスチレンダイマ(CH=C(Ph)CHC(CHPh、Phはフェニル基である。)が挙げられる。
分子量調整剤の添加量は、単量体成分100質量部に対して、0~5質量部が好ましく、0~2質量部がより好ましい。
単量体成分に含まれる各単量体の含有割合は、重合後に残存する単量体がほとんど検出されないことから、それぞれ上述した各単量体に基づく単位の含有割合と同様であり、好ましい態様も同様である。
<媒体>
本発明の組成物は媒体を含んでもよい。本組成物が媒体を含む場合、1種の媒体を単独で含んでもよく、2種以上の媒体を含んでもよい。媒体としては、前記重合媒体と同様の媒体が挙げられる。媒体としては、重合体Aの重合に使用した重合媒体を、そのまま本発明の組成物の媒体として含むことが好ましい。この場合、本組成物は、重合に使用した重合媒体と異なる媒体をさらに含んでもよい。
媒体の具体例としては、特開2009-215370号公報の段落[0057]~[0063]に記載の媒体と同様の媒体が挙げられる。
本組成物が2種以上の媒体を含む場合、重合体Aの溶解性、分散性の制御がしやすく、加工処理時における基材に対する本組成物の浸透性、濡れ性、溶媒乾燥速度等の制御がしやすくなる。本組成物が2種以上の媒体を含み、かつ、重合体Aを乳化重合で得ている場合、本組成物が媒体として水を含むことが好ましい。本組成物が2種以上の媒体を含み、かつ、重合体Aを溶液重合で得ている場合、本組成物が媒体としてフッ素系溶剤を含むことが好ましい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、炭化水素系界面活性剤、またはフッ素系界面活性剤が挙げられる。さらに、炭化水素系界面活性剤、またはフッ素系界面活性剤のそれぞれについて、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、または両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、分散安定性の点から、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤または両性界面活性剤との併用、または、アニオン性界面活性剤の単独使用が好ましく、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との併用がより好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との比(ノニオン性界面活性剤/カチオン性界面活性剤)は、97/3~40/60(質量比)が好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との特定の組み合わせにおいては、重合体A(100質量%)に対する界面活性剤の合計量を、5質量%以下にできるため、界面活性剤に起因する本組成物で処理された物品の撥水性への悪影響を低減できる。
ノニオン性界面活性剤の例としては、特開2009-215370号公報の段落[0067]~[0095]に記載の界面活性剤s~sが挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤sは、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルカポリエニルエーテル、またはポリオキシアルキレンモノポリフルオロアルキルエーテルである。界面活性剤sとしては、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテルが好ましい。
界面活性剤sは、分子中に1個以上の炭素-炭素三重結合および1個以上の水酸基を有する化合物からなるノニオン性界面活性剤である。界面活性剤sとしては、例えばアセチレングリコールエチレンオキシド付加物が好ましい。
界面活性剤sは、ポリオキシエチレン鎖と、炭素数が3以上のオキシアルキレンが2個以上連続して連なったポリオキシアルキレン鎖とが連結し、かつ、両末端が水酸基である化合物からなるノニオン性界面活性剤である。界面活性剤sとしては、例えばエチレンオキシドプロピレンオキシド重合物が好ましい。
カチオン性界面活性剤の例としては、特開2009-215370号公報の段落[0096]~[0100]に記載の界面活性剤sが挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤sは、置換アンモニウム塩形のカチオン性界面活性剤である。
界面活性剤sとしては、窒素原子に結合する水素原子の1個以上が、アルキル基、アルケニル基または末端が水酸基であるポリオキシアルキレン鎖で置換されたアンモニウム塩が好ましく、化合物s71がより好ましい。
[(R21]・X ・・・式s71
21は、水素原子、炭素数が1~22のアルキル基、炭素数が2~22のアルケニル基、炭素数が1~9のフルオロアルキル基、または末端が水酸基であるポリオキシアルキレン鎖である。4つのR21は、同一であってもよく、異なっていてもよいが、4つのR21は同時に水素原子ではない。Xは、対イオンである。
としては、塩素イオン、エチル硫酸イオン、または酢酸イオンが好ましい。
化合物s71としては、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、モノステアリルジメチルモノエチルアンモニウムエチル硫酸塩、モノ(ステアリル)モノメチルジ(ポリエチレングリコール)アンモニウムクロリド、モノフルオロヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジ(牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルモノココナッツアミン酢酸塩が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、特開2009-215370号公報の段落[0101]~[0102]に記載の界面活性剤sが挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤sは、アラニン、イミダゾリニウムベタイン、アミドベタインまたは酢酸ベタインである。
また、特開2009-215370号公報の段落[0103]~[0107]に記載の界面活性剤sを用いてもよい。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤sは、親水性単量体と炭化水素系疎水性単量体、およびフッ素系疎水性単量体のいずれか一方または両方との、ブロック共重合体、ランダム共重合体、または親水性共重合体の疎水性変性物からなる高分子界面活性剤である。
界面活性剤の組み合わせとしては、撥水剤組成物の撥水性、耐久性に優れる点、得られる乳化液の安定性の点から、界面活性剤sと界面活性剤sと界面活性剤sとの組み合わせ、または界面活性剤sと界面活性剤sと界面活性剤sとの組み合わせ、または界面活性剤sと界面活性剤sと界面活性剤sと界面活性剤sとの組み合わせが好ましく、界面活性剤sが化合物s71である前記の組み合わせがより好ましい。
界面活性剤の合計量は、重合体A(100質量部)に対して1~6質量部が好ましい。
<添加剤>
添加剤としては、重合体A以外のフッ素系重合体、非フッ素系重合体ブレンダー、非フッ素系撥水撥油剤、水溶性高分子樹脂(例えば親水性ポリエステル、およびその誘導体、または親水性ポリエチレングリコールおよびその誘導体)、架橋剤、浸透剤(例えば、アセチレン基を中央に持ち左右対称の構造をした非イオン性界面活性剤、日油製ディスパノールシリーズ)、コロイダルシリカ(例えば、日産化学製スノーテックスシリーズ、ADEKA製アデライトシリーズ)、消泡剤(例えば、日信化学製オルフィンシリーズ、東レダウコーニング製FSアンチフォームシリーズ)、造膜助剤、防虫剤、難燃剤、帯電防止剤(例えば、明成化学製ディレクトールシリーズ)、防しわ剤、柔軟剤、pH調整剤(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、酢酸、クエン酸)が挙げられる。
本組成物が添加剤として、架橋剤を含む場合、基材との接着性が向上しやすい。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、およびオキサゾリン系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤が好ましい。
イソシアネート系架橋剤の具体例としては、芳香族ブロックタイプイソシアネート系架橋剤、脂肪族ブロックタイプイソシアネート系架橋剤、芳香族非ブロックタイプイソシアネート系架橋剤、脂肪族非ブロックタイプイソシアネート系架橋剤等が挙げられる。これらのイソシアネート系架橋剤は、水媒体にて加工する場合は、界面活性剤により乳化された水分散型か、または親水基を有した自己水分散型等が好ましい。
メラミン系架橋剤の具体例としては、尿素またはメラミンホルムアルデヒドの縮合物または予備縮合物、メチロール-ジヒドロキシエチレン-尿素およびその誘導体、ウロン、メチロール-エチレン-尿素、メチロール-プロピレン-尿素、メチロール-トリアゾン、ジシアンジアミド-ホルムアルデヒドの縮合物、メチロール-カルバメート、メチロール-(メタ)アクリルアミド、これらの重合体が挙げられる。
カルボジイミド系架橋剤は、分子中にカルボジイミド基を有するポリマーであり、基材または撥水剤組成物中のカルボキシ基、アミノ基、活性水素基と優れた反応性を示す架橋剤である。
オキサゾリン系架橋剤は、分子中にオキサゾリン基を有するポリマーであり、基材または撥水剤組成物中のカルボキシ基と優れた反応性を示す架橋剤である。
また、その他の架橋剤としては、ジビニルスルホン、ポリアミドおよびそのカチオン誘導体、ポリアミンおよびそのカチオン誘導体、ジグリシジルグリセロール等のエポキシ誘導体、(エポキシ-2,3-プロピル)トリメチルアンモニウムクロライド、N-メチル-N-(エポキシ-2,3-プロピル)モルホリニウムクロライド等のハライド誘導体、エチレングリコールのクロロメチルエーテルのピリジニウム塩、ポリアミン-ポリアミド-エピクロヒドリン樹脂、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリアクリルアミドまたはその誘導体、グリオキサール樹脂系防しわ剤が挙げられる。
本組成物が、メラミン系架橋剤、またはグリオキサール樹脂系防しわ剤を含む場合、添加剤として、触媒を含むことが好ましい。好ましい触媒としては、無機アミン塩、および有機アミン塩が挙げられる。無機アミン塩としては、塩化アンモニウムが挙げられる。有機アミン塩としては、アミノアルコール塩酸塩、セミカルバジド塩酸塩が挙げられる。アミノアルコール塩酸塩としては、モノエタノールアミン塩酸塩、ジエタノールアミン塩酸塩、トリエタノール塩酸塩、2-アミノ-2-メチルプロパノール塩酸塩が挙げられる。
<撥水剤組成物の調製方法>
前記重合体Aの製造方法により得られる重合体Aの溶液、重合体Aの分散液、または重合体Aのエマルションは、そのまま撥水剤組成物としてもよい。重合体Aの溶液等は、上述した媒体で希釈して、固形分濃度を調整してから、撥水剤組成物としてもよい。また、重合体Aの溶液等には、上述の添加剤を添加してから、撥水剤組成物としてもよい。本組成物(100質量%)に対する固形分濃度は、重合体Aが安定に分散していれば特に限定されないが、0.1~50質量%が好ましく、0.2~40質量%がより好ましい。本組成物を基材の加工処理に適用する場合、本組成物(100質量%)に対する固形分濃度は、0.1~10質量%が好ましく、0.2~5質量%がより好ましく、0.5~3質量%がさらに好ましい。
<作用機序>
以上説明した本発明の撥水剤組成物にあっては、単量体aに基づく単位と、単量体bに基づく単位とを有する重合体Aを含み、単量体aに基づく単位の割合が、単量体aに基づく単位と、単量体bに基づく単位との合計100質量%に対して、5~26質量%であるから、筆記性と、インク等のにじみ防止性とのバランスに優れた撥油性と、豪雨にも耐えうる強撥水性とを具備する物品が得られる。また、本発明の撥水剤組成物は、重合体Aが単量体cに基づく単位をさらに有すれば、耐久性にも優れる物品が得られる。
〔物品〕
本発明の物品は、本発明の撥水剤組成物を用いて処理された物品である。本発明の物品は、基材と、重合体Aとを有し、重合体Aが、基材に付着した状態で存在することが好ましい。
基材としては、例えば、繊維、繊維織物、繊維編物、不織布、ガラス、紙、木、皮革、人工皮革、石、コンクリート、セラミックス、金属および金属酸化物、窯業製品、プラスチックス、フィルター、多孔質樹脂、多孔質繊維が挙げられる。多孔質樹脂の素材としてはポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。特に、本発明の効果が優れる点から、繊維、不織布、紙、木等の多孔質性の基材が好ましい。
本発明の物品は、塗料や顔料が液体に溶解または分散しているインク、例えば、油性マジック、万年筆、水性マジック、油性ボールペン、蛍光ペン、パステル、ペンキ、油絵具、水彩絵の具等、または塗料や顔料が任意の添加剤と一緒に半固体または固体を形成しているクレヨンや鉛筆による筆記性およびにじみ防止性に優れる。
本発明の物品の表面における水に対する動的後退接触角は、90度以上180度未満が好ましい。前記動的後退接触角が90度以上であれば、本発明の物品が豪雨にも耐えうるような非常に優れた撥水性を具備しやすい。
本発明の物品の表面は、撥油性が低すぎない、かつ高すぎないことが好ましい。すなわち、本発明の物品の表面におけるノルマルヘキサデカンに対する静的接触角は、35度以上45度未満が好ましい。前記静的接触角が35度以上であれば、本発明の物品がインク等のにじみ防止性を具備しやすい。前記静的接触角が45度未満であれば、油性インク等が本発明の物品に浸透しやすく、本発明の物品が筆記性を具備しやすい。よって、上記静的接触角が、35度以上45度未満であれば、本発明の物品は、油性インク等のにじみ防止と、筆記性とのバランスが優れやすい。
本発明の物品は、上述した本発明の撥水剤組成物を用いて基材を処理することで得られる。例えば、基材に、上述した本発明の撥水剤組成物を付着させることによって本発明の物品を製造できる。
基材に本発明の撥水剤組成物を付着させる方法は特に限定されない。例えば、塗布、含浸、浸漬、スプレー、ブラッシング、パディング、サイズプレス、ローラー等の被覆加工法により基材の表面に付着させて乾燥する方法が好ましい。乾燥は常温で行ってもよく、加熱して行ってもよいが、加熱することが好ましい。加熱する場合には、40~200℃程度に加熱することが好ましい。また、撥水剤組成物が架橋剤を含有する場合、必要に応じて、該架橋剤の架橋温度以上に加熱してキュアリングを行うことが好ましい。
<作用機序>
以上説明した本発明の物品にあっては、本発明の撥水剤組成物を用いて処理されている。よって、本発明の物品は、豪雨にも耐えうる強撥水性を具備しながら、インク等のにじみ防止性と、筆記性とのバランスに優れている。また、本発明の物品は、本発明の撥水剤組成物に含まれる重合体Aが単量体cに基づく単位をさらに有すれば、耐久性にも優れる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されない。なお、例1~4は実施例であり、例5~17は比較例である。
<試験ガラス板の評価>
(豪雨撥水性)
試験ガラス板について、DCAT21(DataPhysics社製)を用い、ウィルヘルミー法にて、水に対する動的後退接触角を25℃で測定した。動的後退接触角の実測値を基に、以下の基準に従って豪雨に対する動的撥水性(豪雨撥水性)を予想した。
○:動的後退接触角の実測値が90度以上である。この場合、試験ガラス板は、豪雨に対する撥水性(豪雨撥水性)に優れると予想される。
△:動的後退接触角の実測値が85度以上90度未満である。この場合、試験ガラス板は、豪雨に対する動的撥水性を有すると予想される。
×:動的後退接触角の実測値が85度未満である。この場合、試験ガラス板は、豪雨に対する動的撥水性が不十分であると予想される。
(にじみ防止性、筆記性)
試験ガラス板について、CA-X(協和界面科学社製)を用いて、ノルマルヘキサデカンに対する静的接触角を25℃で測定した。試験ガラス板の油性インクに対するにじみ防止性、および筆記性は、静的接触角の実測値を基に、以下の基準に従って予想される。
○:静的接触角の実測値が35度以上45度未満である。この場合、試験ガラス板は、油性インクに対するにじみ防止性に優れ、筆記性も良好と予想される。
△:静的接触角の実測値が45度以上である。この場合、試験ガラス板は、油性インクに対するにじみ防止性を具備するが、筆記性が不十分であると予想される。
×:静的接触角の実測値が35度未満である。この場合、試験ガラス板は、筆記性を具備するが、油性インクに対するにじみ防止性が不十分であると予想され、にじみが発生すると予想される。
<試験綿基材の評価>
(豪雨撥水性)
試験綿基材について、JIS L1092(C)法記載の方法(ブンデスマン試験)にしたがって、降雨量を100cc/分、降雨水温を20℃、降雨時間10分とする条件で降雨させた。降雨直後(初期)の撥水性を評価した。撥水性は、1~5の5段階の等級で表した。点数が大きいほど撥水性が良好であることを示す。等級に+(-)を記したものは、それぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。
(にじみ防止性、筆記性)
試験綿基材について、黒色油性インク(サクラクレパス社製の「マイネーム」、ペン先端の直径:7.0mm)を用いて5mm×5mmの正方形を塗りつぶすようにして筆記を行った。試験綿基材の油性インクに対するにじみ防止性、および筆記性は以下の記載に従って評価される。
油性インクに対するにじみ防止性は試験綿基材に対して塗りつぶされた5mm×5mmの正方形からインクが外側ににじみ出るかを基準として2段階評価する。
○:5mm×5mmの正方形の外側にインクのにじみが無い。
×:5mm×5mmの正方形の外側にインクのにじみが有る。
油性インクに対する筆記性は試験綿基材に対して塗りつぶされた5mm×5mmの正方形内部の色濃度L(文字濃度)を、JIS Z 8730:2009 色の表示方法に従って測定し、L値の35を基準として2段階評価する。なお、Lの値は100が白色であり0が黒色を示す。
○:L値が35未満であり十分に油性インクの黒色を示す。
×:L値が35以上であり油性インクの黒色が薄くなっている。
<略号>
(単量体a)
C1FMA:CFCHOCOC(CH)=CH
C1FA:CFCHOCOCH=CH
C2FMA:CFCFCHOCOC(CH)=CH
(単量体b)
BeA:ベヘニルアクリレート。
(単量体c)
NMAM:N-メチロールアクリルアミド。
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタアクリレート。
MOIBP:2-イソシアナトエチルメタアクリレートのブロックドイソシアネート付加体。
(比較単量体)
C6FMA:C13CHCHOCOC(CH)=CH
C6FA:C13CHCHOCOCH=CH
(重合開始剤)
V-65:2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製、V-65)。
(連鎖移動剤)
DoSH:n-ドデシルメルカプタン。
(媒体)
THF:テトラヒドロフラン。
AK-225:ジクロロペンタフルオロプロパン(旭硝子社製、アサヒクリンAK-225)。
<例1>
100mLのSUS製容器に、C1FMAの1.50g(10質量部)、BeAの13.05g(87質量部)、NMAMの0.45g(3質量部)、重合溶媒としてTHF25.3g、およびAK-225の25.3g、V-65の0.04g(0.3質量部)、およびDoSHの0.15g(1質量部)を仕込み、窒素雰囲気下で振とうしつつ、60℃で12時間重合を行い、重合体A1を含む淡黄色溶液を得た。
得られた重合体A1の分子量をGPCで確認した。本測定で単量体由来のピークが存在しないことも確認した。固形分濃度、数平均分子量、および質量平均分子量を表1に示す。
得られた重合体A1を、THFで固形分濃度が1.8質量%となるようにそれぞれ希釈して、例1の撥水剤組成物である処理液を得た。
例1の撥水剤組成物である処理液の15gを50℃に加温後、該処理液に対して基材であるガラス板を3回繰り返し浸漬した。次に150℃で10分間キュアリング熱処理を行い、例1の試験ガラス板を得た。基材のガラス板としては、大きさ18×32mm 厚さ0.12~0.17mmのマイクロカバーガラスを用いた。
得られた試験ガラス板について、動的後退接触角、および静的接触角を測定し、その実測値に基いて、豪雨撥水性、にじみ防止性、および筆記性を予想した。結果を表1に示す。
例1の撥水剤組成物である処理液の100gを50℃に加温後、該処理液に対して未加工の綿基材を1回浸漬した。次いで常温乾燥で基材中の有機溶剤を乾燥後、150℃で3分間キュアリング熱処理を行い、試験綿基材を得た。未加工綿基材としては、無染色(白色)ブロードクロスの綿を用いた。
得られた試験綿基材について、豪雨撥水性、にじみ防止性、および筆記性を評価した。結果を表1に示す。
<例2~23>
表1~3に示す質量部の割合となるように、各単量体の仕込み量、および媒体の使用量を変更した以外は、例1と同様にして、各例の重合体A2~A23を得た。得られた重合体A2~A23の分子量をGPCで確認した。本測定で単量体由来のピークが存在しないことも確認した。重合体A2~A23の固形分濃度、数平均分子量、および質量平均分子量を表1~3に示す。
例2~4、例9および例18~23で得られた重合体A2~4、重合体A9および重合体A18~23を例1と同様に希釈して、例2~4の撥水剤組成物である処理液、および例9の撥水剤組成物である処理液をそれぞれ得た。
例5~8、および例10~17で得られた重合体A5~A8、および重合体A10~A17を、THF/AK-225=1/1である質量比の混合液で固形分濃度が1.8質量%となるようそれぞれ希釈して、例5~例8の撥水剤組成物である処理液、および例10~17の撥水剤組成物である処理液をそれぞれ得た。
例2~17の撥水剤組成物である処理液を用いて、例1と同様にして、豪雨撥水性、にじみ防止性、および筆記性を予想した。また、例2~17の撥水剤組成物である処理液を用いて、例1と同様にして、豪雨撥水性、にじみ防止性、および筆記性を評価した。結果を表1~3に示す。
Figure 0007103017000001
Figure 0007103017000002
Figure 0007103017000003
表1、3に示すように、例1~4及び19~23の撥水剤組成物で処理された試験ガラス板は、豪雨に対する撥水性、および油性インクに対するにじみ防止性、および筆記性のすべてに優れると予想された。一方、表1~3に示すように、例5~18の撥水剤組成物で処理された試験ガラス板は、豪雨に対する撥水性、にじみ防止性、筆記性のいずれか少なくとも一つを具備しないと予想された。
表1、3に示すように、例1~4及び19~23の撥水剤組成物で処理された試験綿基材は、豪雨に対する撥水性、および油性インクに対するにじみ防止性、および筆記性のすべてに優れていた。一方、表1~3に示すように、例5~18の撥水剤組成物で処理された試験綿基材は、豪雨に対する撥水性、にじみ防止性、筆記性のいずれか少なくとも一つに劣っていた。

Claims (7)

  1. 下記単量体aに基づく単位と、下記単量体bに基づく単位とを有する重合体を含み、
    前記単量体aに基づく単位の割合が、前記単量体aに基づく単位と、前記単量体bに基づく単位との合計100質量%に対して、5~26質量%である、撥水剤組成物。
    単量体a:フッ素原子が結合している炭素原子の数が1または2の炭素数1~6のポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート
    単量体b:ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が20以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレート
  2. 前記単量体aに基づく単位の割合が、前記重合体を構成する全単位(100質量%)に対して、4~21質量%であり、
    前記単量体bに基づく単位の割合が、前記重合体を構成する全単位(100質量%)に対して、60~87質量%である、請求項1に記載の撥水剤組成物。
  3. 前記単量体aが、式1で表される単量体である、請求項1又は2に記載の撥水剤組成物。
    (Z-Y)X ・・・式1
    [式1中、Zは、炭素数が1~6のポリフルオロアルキル基であって、フッ素原子が結合している炭素原子の数が1または2であるポリフルオロアルキル基を表し、Yは-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCH(CH)-、-CHCHCHCH-または-CHCH-OC(O)-φ-を表し、nは1を表し、Xは式:-OC(O)CR=CH 式中、Rは、水素原子、メチル基、フッ素原子または塩素原子を表す。)を表す。]
  4. 前記単量体aが、CFCFCHOCOCH=CH、CFCFCHOCOC(CH)=CH、CFCHOC(O)CH=CH、CFCHOC(O)C(CH)=CH、CFHCHOC(O)CH=CHおよびCFHCHOC(O)C(CH)=CHからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の撥水剤組成物。
  5. 前記重合体が、下記単量体cに基づく単位をさらに有する、請求項1~のいずれか一項に記載の撥水剤組成物。
    単量体c:ポリフルオロアルキル基および炭素数が20以上のアルキル基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体。
  6. 前記単量体cに基づく単位の割合が、前記重合体の全単位100質量%に対して、1~20質量%である、請求項に記載の撥水剤組成物。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の撥水剤組成物を用いて処理された物品。
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