JP7102592B2 - 工作機械 - Google Patents

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Description

本発明は、主にNC(数値制御)加工機やマシニングセンタをはじめとするワーク(加工対象物、測定対象物)の加工を自動制御によって行う自動制御型の工作機械に関する。
近年、顧客の製品の仕様に対する要望が多角化され、多角化された要望に応えるべく、製品の仕向け地ごとに製品の仕様が異なる事例が増加している。それと共に、ユーザーの希望に応えるために、新たな機種が追加され、製品の種類数が益々増加している。
そのため、少品種、多量生産を行ってきた従来の設備を改造して、稼働率を下げることなく、少量、多品種の機種を製造する(多品種少量製造の)必要に迫られている。そこで、NC加工機やマシニングセンタをはじめとして加工対象物の加工を自動制御によって行うようにしたターニングセンタ、タッピングセンタなど各種の自動制御型加工機が利用されている。
NC加工機やマシニングセンタは、加工工程に従って各種工具を自動的に選択し、主軸に自動で装着して多種類の加工を行う装置である。そして、ワークを載置固定する加工用テーブルと、工具を取り付ける工具主軸を通る工具主軸の位置に装着された加工用の工具を駆動する主軸ヘッドと、主軸ヘッドに装着される加工用の工具を適宜選択して着脱する自動工具交換装置(ATC)とを備えている。
工具の交換は自動工具交換(ATC:オートツールホルダチェンジ)装置で行われる。ATC装置は、工具が取り付けられたツールホルダを、工具マガジンから自動で取り出し、主軸に自動で装着する。加工用の工具は、ATCによる装着及び脱着が可能なように、大きさや形状等が所定の規格によって定められたホルダ部に取り付けられている。また、ワークの加工途中や一応の加工処理が終了した時点で、加工対象物の形状等が所定値に加工されたか否かを測定することが望まれ、工具の代わりに寸法計測用のプローブを搭載する。
寸法計測用のプローブあるいはセンサは、測長器(電気マイクロメーターおよび光学スケール)、位置検知プローブ、温度センサ、振動センサ、気圧センサ、圧力センサ、湿度センサ、などである。そして、例えば、シリンダブロックの仕上げ加工工程では、ボア径、クランクシャフト穴の直径を加工後に自動測定してタクトタイムを短縮することが要求されている。
工作機械上では、計測用のプローブを制御装置に直接配線することが困難であり、また、マシニングセンタなどの寸法計測用のプローブは、交換可能にする必要があるなどの理由で、プローブ側にバッテリを装着して無線通信で工作機械側となる制御装置へ測定結果の伝送が行われる。そのため、加工工程の一部で自動測定するには、無線部と測定部が稼働している測定状態だけではなく、無線部が非稼働のスリープ状態を設ける必要がある。つまり、測定工程以外では、スリープ状態とすることにより、無線部を稼働してから測定部を使用するまでの時間における測定部の消費電力を無駄にしないことが必要とされる。
マシニングセンタの設置された環境は加工を主目的としているため、無線通信に対する妨害要因が多く、正しくデータを送受信することが困難である。そこで、ノイズへの耐性を強化するためにスペクトラム拡散の無線通信が用いられる。スペクトラム拡散は、狭帯域信号をとって、これを無線周波数帯域のより広い部分に拡散させる技術である。
スペクトラム拡散リンクには、周波数ホッピング方式と直接拡散方式の2種類がある。周波数ホッピング方式では、狭帯域信号を時間関数としてホッピングさせることによって信号を拡散させる。直接拡散方式では、信号を特定の符号(拡散符号)に基づいて演算することによって信号を拡散させる。
周波数ホッピング方式は、極めて短い時間(0.1秒程度が多い)ごとに信号を送信して次々に送信周波数を変更して行くため、特定周波数でノイズが発生した場合も他の周波数で通信したデータによって訂正が可能である。したがって、ノイズの少ない周波数を選択して送信することもできるので、耐障害性が高く、マシニングセンタの設置される環境には望ましい。
工作機械の無線測定システムとして、工作機械の可動部であるスピンドルにプローブを設置してプローブステーションとし、機械ステーションを工作機械構造の固定部に設置して周波数ホッピング等のスペクトラム拡散リンクを用いて相互に通信することが知られている。そして、プローブからの送信の妨害をなくすため、プローブステーションは、その信号に応答する受信確認信号を受信しないとき、その信号を再度送信することが特許文献1に記載されている。
また、無線通信装置において、子機と親機から成る周波数ホッピングを用いたスペクトラム拡散であって、複数のチャネルの中から使用する一部のチャネルを使用チャネルとし、残りのチャネルを予備チャネルとする。そして、すべてのチャネルを周波数の高低によって複数のチャネル群に分割する。不良チャネルが発生した場合は、複数のチャネル群のうち、発生した不良チャネルの属していないチャネル群の予備チャネルと不良チャネルとを交換することが知られ、特許文献2に記載されている。
特開2013-101685号公報 特開2005-311931号公報
上記従来技術において、特許文献1に記載のものでは、周波数ホッピング時に通信に失敗した場合、別の周波数を使用して再度通信(リトライ)を行うので、成功するまで何度も送信を行い、通信完了までに時間が掛かる。リトライを行い送信回数が増えると消費電力が増え、電池の交換頻度が大きくなる。そのため、タクトタイム(工程作業時間)を短縮することが困難となる。
多品種少量生産においては、ワークの品種ごとに専用の測定器及びその駆動装置等が必要となる。したがって、品種が変わる度の交換段取りによる手間の増大や、多数の専用測定器を準備する必要があり、タクトタイムが長くなることは、多品種少量生産を可能にすると言うマシニングセンタの特徴を大きく損なうことになる。
また、受信データが位置検出信号の場合、検出位置のばらつきとなる。さらに、受信データが測定データの場合、時間的な変化量が通信時間のばらつきに対して無視できなくなり正確な測定ができない。
特許文献2に記載のものでは、予備チャネルを利用するので特許文献1に記載のものよりは、改善される。しかし、単にチャネルを周波数の高低によって複数のチャネル群に分割するだけなので、選択した周波数は、交換した予備チャネルが他機器に対して妨害を与えない点では良いが、リトライ回数に対しては不十分である。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、周波数ホッピングにおけるリトライ回数を低減して消費電力を抑制する。そして、工作機械の可動部に設置される測定用のプローブが送信側として移動しても通信精度を一定に保ち、通信開始から完了までの時間を短縮することにある。また、これによって、ワークの加工途中や一応の加工処理が終了した時点でワークの高精度な測定を自動で行うことを可能にすることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、プローブによる測定データを固定部に設置された機械ステーションへ無線通信による周波数ホッピングを用いて送信する工作機械であって、起動時に使用可能な周波数で通信確認を行い通信の成功割合が所定値以上の周波数の優先度が高くなるように決定し、前記優先度に従って前記使用可能な周波数を使用する周波数群と予備の周波数群に分別し、前記使用する周波数群は、前記通信確認で周波数帯別に分けた各エリアごとに通信の前記成功割合が前記所定値を超えている周波数が存在する場合は出現順に選別し、前記成功割合が前記所定値を超えている周波数が所定数を満たさない場合は、前記各エリアから前記成功割合が上位となる周波数を選別して前記所定数を選別し、合計で規定数の使用周波数とし、前記予備の周波数群は、前記通信確認で前記成功割合が高い周波数の前記優先度を高く設定して予備周波数とし、前記測定データを送信する際、前記使用する周波数群から前記使用周波数を順次決定して前記周波数ホッピングを行い、前記機械ステーションで適正に受信されなかった前記使用周波数を前記予備の周波数群へ移動し、前記優先度が高い前記予備周波数から前記受信されなかった前記使用周波数と入れ替えを行うものであり、送信要求から受信データが出力されるまでにリトライ回数に関連した一定の遅延時間が設定されたことを特徴とする工作機械である。
なお、通信の成功割合が所定値以上とは、例えば、90%以上、つまり90%から100%である成功割合であってよい。
また、上記の工作機械において、前記プローブにはバッテリが装着され、前記無線通信で前記機械ステーションへ送信されることが望ましい。
さらに、上記の工作機械において、前記プローブによる測定工程以外では、スリープ状態とすることが望ましい。
さらに、上記の工作機械において、前記使用する周波数群から前記使用周波数を決定して前記測定データを送信する際、前記プローブは、送信失敗によるリトライの送信回数を前記機械ステーションへ通知することが望ましい。
さらに、上記の工作機械において、前記プローブは自動工具交換装置により前記工作機械に着脱可能とされることが望ましい。
本発明によれば、周波数ホッピングを用いて送信する工作機械において、予め通信の成功割合が高い周波数の優先度を高くし、プローブによる測定データを送信して適正に受信されないとき、使用周波数を予備の周波数と入れ替えるので、可動部に設置されたプローブが移動してもリトライ回数を低減して消費電力を抑制することができる。その結果、通信精度を一定に保ち、ワークの加工途中や一応の加工処理が終了した時点でワークの高精度な測定を行うことができる。
本発明の一実施の形態に係るマシニングセンタを示す正面図 本発明の一実施の形態に係るマシニングセンタを示す側面図 本発明の一実施の形態による送受信の状態と周波数の入れ替えを行う前の周波数ホッピングを示す説明図 本発明の一実施の形態による送受信の状態と周波数の入れ替えを行った後の周波数ホッピングを示す説明図 一実施形態における周波数の入れ替えを行うフローチャート 従来の送受信と遅延時間の関係を示すタイムチャート 一実施形態における送受信と遅延時間の関係を示すタイムチャート 一実施形態及び従来技術における測定データと受信される測定結果を示すタイムチャート
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。例えば、自動車の生産には、自動車に対する消費者のニーズの多様化に応えるため、多機種少量生産が望まれている。このような多機種少量生産の下では、生産効率、ラインの全長、付帯設備に係るコスト及びラインの稼働率などの観点から、機種ごとの専用ラインで製品を組み立てるよりも、多機種に対応できる多機種混合ラインで製品を組み立てる方が好ましい。
例えば、自動車のエンジンの製造工場にはシリンダブロックの搬送ラインがあり、この搬送ラインにはワークとして複数種類のシリンダブロックが混在して流れる場合が多い。そして、シリンダブロックは一般的には鋳鉄、あるいはアルミニウム合金の鋳造品が用いられる。シリンダブロックの仕上げ加工工程では、ボア径、クランクシャフト穴の直径を加工後に自動測定してタクトタイムを短縮することが要求されている。
マシニングセンタはワークの取り付けを変えずに、フライス・穴あけ・中ぐり・ねじ立てなど種々の加工を行う数値制御工作機械である。工具マガジンには多数の切削工具を格納している。そして、コンピュータ数値制御の指令によって工具を自動的に交換して加工を行う。したがって、加工を主目的としているため、マシニングセンタの設置された環境は、微粒子であるオイルミスト、粉塵があり、さらに、ワーク及びスピンドル周辺にはゴミ、切粉が存在する。
図1は、本発明の実施の形態に係る無線測定システムを設けたマシニングセンタの外観を示す正面図、図2は側面図である。図1及び図2において、ワーク(加工時には加工対象物となり、測定時には測定対象物となる。)24は、マシニングセンタ20の可動テーブル21の上面に載置した状態で固定具23によって固定される。ワーク24の上方に加工用の工具(例えば切削工具)25が装着される主軸ヘッド26が配設されている。
主軸ヘッド26は、工具25を取り付ける工具主軸29を通る所定位置に工具25を装着し、工具主軸29の方向に移動制御される。主軸ヘッド26は、工具25を垂直方向に送る機構と水平面内で回転動作を与える機構とを備え、工具主軸29は工具25が回転する回転軸となる。
自動工具交換装置(ATC)27により、工具25は個々にホルダ11に取り付けられて、ホルダ11が主軸ヘッド26へ自動的に装着及び脱着される。また、自動工具交換装置(ATC)27は、制御装置22の制御の下でアーム17を用いて、工具25を収納する工具マガジン28からホルダ11を介して工具25を取り出す。そして、主軸ヘッド26への装着及び脱着、工具マガジン28への収納を行う機構を備えている。
ワークの寸法を測定可能にされたプローブ9は、工具25と同様に、制御装置22がプログラムを実行することによって、自動工具交換装置(ATC)27により自動で主軸ヘッド26に着脱できるように構成されている。つまり、測定部であるプローブ9は、工具25の規格に準じた形状や寸法を有するホルダ11に一体的に装着可能とされる。さらに、プローブ9には測定データの送信側となるプローブステーション1が接続されている。受信側となる機械ステーション2は、マシニングセンタ20に固定され、かつ制御装置22に接続されている。
可動テーブル21のX軸及びY軸方向への移動制御、主軸ヘッド26のZ軸方向への移動制御、工具25の交換制御等、切削等の加工、ワークの形状や加工誤差の測定に係わるこれらの一連の制御は、制御装置22がその内部に記憶している加工用及び測定用プログラムを実行することによって行われる。
測定データは、プローブステーション1と機械ステーション2の間にて、シリアルバイナリデータの個別のパッケージを送るスペクトラム拡散リンク、本例においては周波数ホッピングを用いた無線通信により送信される。測定を行うプローブステーション1がマシニングセンタ20内部で移動をするため、送信側と受信側との位置関係が変化する。そのため、リトライ回数が少ない場所やリトライ回数が多い場所など位置関係によって通信環境が異なる。
無線通信では、マルチパスや電波干渉などにより通信失敗することがあり、送信側と受信側のそれぞれで予め決められたパターンの周波数に切り替えて、通信失敗しない周波数を使用するまで周波数ホッピングを行う。そのため、成功するまで何度も送信を行い、通信完了までに時間が掛かる場合がある。
周波数ホッピングで使用する周波数を選別することでリトライ回数を減らし、消費電力を抑制する。また、測定を行う送信側が工作機械内部で移動を行っても、少ないリトライ回数を維持し、通信開始から完了までの時間を短縮及びばらつきを小さくして一定とする。
初回起動時に使用可能なすべての周波数で通信確認を行い、通信の成功割合が高い周波数の優先度が高くなるように周波数の優先度を決定する。通信の成功割合が高いとは、試行回数に対して、通信に成功する回数が良い状態を言う。具体的には、通信の成功割合が高いとは、90%以上、つまり90%から100%である成功割合を意味する。また、選択した周波数での受信電界強度が高い周波数の優先度が高くなるように決定しても良い。
実際に通信する際、優先度が高い周波数を使用する周波数群、優先度がより低い周波数を予備の周波数群として分別する。図3は、プローブステーション1と機械ステーション2との間で行われる送受信の状態と周波数ホッピングを示す説明図であり、周波数の入れ替えを行う前の状態である。通信に使用する周波数群がf1からfn(例:n=20)、予備の周波数群がfn+1からfn+m(例:m=60)を示している。実際にデータをやり取りする際に通信失敗が少なくなるように、決定された優先度に応じて周波数を順次選別して行く。
また、実際に通信で使用する周波数は、初回起動時の通信確認で周波数帯別に分けたエリア内で通信の成功割合が高い周波数から選別して使用する周波数群とする。これにより、使用する周波数群は、個々の周波数の周波数帯を分散させたことになり、同じ周波数帯を使用して、電波干渉により使用する周波数群のすべての周波数が通信失敗することを避けることができる。例えば、すべての周波数が80種、使用する周波数20種、周波数帯別に分けたエリアが5帯域とすると、使用可能なすべての周波数で通信確認を行う。そして、周波数帯別に分けたエリアごとに通信の成功割合が高い上位の周波数から実際に通信で使用する周波数を選別する。各エリアから成功割合が上位となる4つの周波数を選別し、合計で使用する周波数の規定数である20となるようにする。ここで、成功割合が90%を超えている周波数が存在する場合は、出現順に選別する。その結果、成功割合が90%を超えている周波数が規定数を満たさない場合でも、各エリア内から成功割合が上位となる周波数を選別し、規定数の周波数を選別する。
使用する周波数群から使用周波数を順次決定し、周波数ホッピングを行う。図3では、通信を行ったとき、f1、f2、f3を使用周波数としたときは、通信が適正に受信されないで失敗したためリトライを行い、使用周波数f4で通信が成功したことを表している。
図4は、プローブステーション1と機械ステーション2との間で行われる送受信の状態と周波数ホッピングを示す説明図であり、周波数の入れ替えを行った後の状態である。図3でf1、f2、f3が通信失敗したため、図4ではf1~f3を予備の周波数群に移動し、予備の周波数群に属する予備周波数fn+1~fn+3を使用周波数と入れ替えて使用する周波数群へ移動したことを表している。
ここで、通信で使用する周波数以外は予備周波数とし、初回起動時の通信確認で通信の成功割合が高い予備周波数の優先度を高く設定する。周波数の入れ替えをする際は優先度が高い予備周波数から入れ替えを行う。これにより、通信の成功割合が高い周波数が優先的に使用されるので、リトライ回数を減らすことができる。
優先度を付けた予備周波数は、予備の周波数群の中で優先度の高い順に周波数パターンとして順位付ける。つまり、周波数パターンは、予備の周波数群の中において優先度を示す情報となる。周波数パターンの情報は、送信側と受信側で同じ周波数を使用して周波数ホッピングを行う必要があるため、送信側と受信側で共有できるようにプローブステーション1と機械ステーション2とで記憶される。
図5は、図4で示した周波数の入れ替えを行ったフローチャートである。図5では、1回の通信で失敗した周波数を確認して予備の周波数と入れ替えている。入れ替えを確認するまでに複数回通信を行えば冗長性は増すがより確実なものとすることができる。まず、通信を開始し、周波数f1でプローブステーション1から送信する。f1で通信が成功した場合は、この通信を終了し、周波数ホッピングを続ける。
f1で通信が失敗した場合、周波数f2で同じデータの送信を行う。f2で通信が成功した場合、f1では通信を失敗しているので、f1を予備の周波数とする。そして、初回起動時あるいは先の通信で予備の周波数として分類されたfn+1を予備の周波数群から取り出しf1と入れ替える。
f2でも通信が失敗した場合、周波数f3で同じデータの送信を行う。f3で通信が成功した場合、f1、f2では通信を失敗しているので、f1、f2を予備の周波数とする。そして、初回起動時あるいは先の通信で予備の周波数として分類されたfn+1、fn+2を予備の周波数群からそれぞれ取り出しf1、f2と入れ替える。
f3でも通信が失敗した場合、周波数f4で同じデータの送信を行う。f4で通信が成功した場合、f1、f2、f3では通信を失敗しているので、f1、f2、f3を予備の周波数とする。そして、初回起動時あるいは先の通信で予備の周波数として分類されたfn+1、fn+2、fn+3を予備の周波数群からそれぞれ取り出しf1、f2、f3と入れ替える。図4は、この状態を示している。以下、同様に周波数ホッピングを続行する。
また、送信側となるプローブステーション1は、リトライによる送信回数を受信側となる機械ステーション2へ通知する。これにより、受信側でもリトライ回数の多い周波数あるいは通信失敗した周波数を把握できるので、逆に機械ステーション2からプローブステーション1へ測定の指示データなどを送信する場合に、通信失敗した周波数を利用しないようにすることができる。
したがって、使用周波数と予備周波数との入れ替えは送信側と受信側共に行う。そして、送信側と受信側で同じ周波数を使用して周波数ホッピングを行うため、同じ周波数を入れ替える。これにより、プローブステーション1、機械ステーション2のどちらからの送信においてもリトライ回数を低減できる。
プローブステーション1が測定の起動時と異なる位置に移動して通信を行うと、通信環境が変化する。しかし、周波数の入れ替えを繰り返し、周波数ホッピングで使用する周波数を動的に選別するので、少ないリトライ回数で通信を確立できる。また、通信失敗した周波数は、その環境では通信成功する可能性が低いが、環境が変化すれば通信成功する可能性が高いので、予備の周波数として保存する。
図6は、周波数の入れ替えを行わない従来の通信における送受信と遅延時間の関係を示すタイムチャートである。上図はリトライ回数が3回の場合、下図は、6回の場合を示している。送信要求(図で最左側の入力)から受信データが出力(図で右側の出力)されるまでの時間が遅延時間であり、高精度な測定を行うためには一定にする必要がある。そのためには想定される最大リトライ回数に掛かる時間を考慮した遅延時間の設定が必要になる。
f1からf8が周波数ホッピングで使用される周波数であり、その周波数ホッピングの間で通信が成功すると仮定している。従来の通信では、上図のようにf1、f2で通信が失敗してf3で成功しても、そのままf1、f2を2回目以降の通信で使用する。したがって、下図のように、リトライ回数が多くなる可能性がある。そのため、遅延時間t1としてはリトライ8回分に相当する時間を設定せざるを得ない。
図7は、一実施例による通信における送受信と遅延時間の関係を示すタイムチャートである。上図はリトライ回数が3回の場合、下図は、2回の場合を示している。送信要求(図で最左側の入力)から受信データが出力(図で右側の出力)されるまでの時間が遅延時間である。例えば、上図で通信失敗した周波数を下図では使用しないことでリトライ回数を少なくすることができ、遅延時間t2を図6のt1より短い、リトライ4回分の遅延時間として設定が可能となる。
図8は、外部から一定間隔で測定データの取得要求があり、測定データと通信により受信される測定結果を示すタイムチャートである。遅延時間の設定がある場合とない場合の比較をしている。横軸は時間であり、縦破線が時間間隔を示している。上図は測定対象の実際の測定値1、2、3、4がそれぞれの時間間隔で得られたことを示している。中図は、遅延時間を設けたときの受信データを示している。
送信要求から受信データが出力されるまでの時間が一定な遅延時間を設定しているので、その間で、つまりデータ取得要求までに測定データを受信できている。したがって、受信データは、その時点での正確な測定結果となる。
下図は、送信要求から受信データが出力されるまでの時間が一定ではない場合、つまり遅延時間が設定されていない場合の受信データを示している。実際の測定値1の場合は受信が成功し正しい値が得られている。しかし、実際の測定値2の場合は、通信が失敗してデータ取得要求時までに測定データの受信が完了していない。そのため、出力される測定データが前回、つまり測定値1の受信データと同じものになり、その時点での正確な測定結果が得られない。
以下、同様に実際の測定値3のタイミングで実際の測定値2の受信がやっと完了するような状態となる。実際の測定値2の受信は実際の測定値1に対する送信要求から受信データが出力されるまでの遅延時間に比べリトライ回数が増えた分だけ長くなる。また、測定値2の受信を開始するときは、既に次の実際の測定値4の時間となってしまうので、実際の測定値3は、受信不可能となる。以上のように、測定対象の実際の測定値の時間的な変化量が通信時間のばらつきに対して無視できないほど大きくなる場合、正確な測定ができない。そのため、正確な測定を行うには遅延時間の設定が必要であり、その遅延時間を本発明では短縮することが可能である。
なお、以上の説明では、工作機械としてマシニングセンタを例示して説明したが、寸法計測用のプローブあるいはセンサが移動して測定データを固定部に送信する測定装置であれば、本発明を適用するのに適している。また、寸法計測用のプローブあるいはセンサは、測長器(電気マイクロメーターおよび光学スケール)、位置検知プローブ、温度センサ、振動センサ、気圧センサ、圧力センサ、湿度センサ、などでも一実施の形態と同様である。特に、例えば、シリンダブロックの仕上げ加工工程において、ボア径、クランクシャフト穴の直径を加工後に自動測定するものに本発明は好適である。
また、本発明の無線測定システムは、リトライ回数が少なくなるので、バッテリ消費も少なくてすみ、バッテリでの使用に適したものである。
1 プローブステーション
2 機械ステーション
9 プローブ
11 ホルダ
17 アーム
20 マシニングセンタ
21 可動テーブル
22 制御装置
23 固定具
24 ワーク
25 工具
26 主軸ヘッド
29 工具主軸
27 自動工具交換装置(ATC)
28 工具マガジン

Claims (5)

  1. プローブによる測定データを固定部に設置された機械ステーションへ無線通信による周波数ホッピングを用いて送信する工作機械であって、
    起動時に使用可能な周波数で通信確認を行い通信の成功割合が所定値以上の周波数の優先度が高くなるように決定し、前記優先度に従って前記使用可能な周波数を使用する周波数群と予備の周波数群に分別し、
    前記使用する周波数群は、前記通信確認で周波数帯別に分けた各エリアごとに通信の前記成功割合が前記所定値を超えている周波数が存在する場合は出現順に選別し、前記成功割合が前記所定値を超えている周波数が所定数を満たさない場合は、前記各エリアから前記成功割合が上位となる周波数を選別して前記所定数を選別し、合計で規定数の使用周波数とし、
    前記予備の周波数群は、前記通信確認で前記成功割合が高い周波数の前記優先度を高く設定して予備周波数とし、
    前記測定データを送信する際、前記使用する周波数群から前記使用周波数を順次決定して前記周波数ホッピングを行い、前記機械ステーションで適正に受信されなかった前記使用周波数を前記予備の周波数群へ移動し、前記優先度が高い前記予備周波数から前記受信されなかった前記使用周波数と入れ替えを行うものであり、
    送信要求から受信データが出力されるまでにリトライ回数に関連した一定の遅延時間が設定されたことを特徴とする工作機械。
  2. 前記プローブにはバッテリが装着され、前記無線通信で前記機械ステーションへ送信されることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記プローブによる測定工程以外では、スリープ状態とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械。
  4. 前記使用する周波数群から前記使用周波数を決定して前記測定データを送信する際、前記プローブは、送信失敗によるリトライの送信回数を前記機械ステーションへ通知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の工作機械。
  5. 前記プローブは自動工具交換装置により前記工作機械に着脱可能とされたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の工作機械。
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