JP7102376B2 - 酸性ガス除去装置及び酸性ガス除去方法 - Google Patents

酸性ガス除去装置及び酸性ガス除去方法 Download PDF

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Description

本実施形態は、二酸化炭素などの酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から、酸性ガスを分離して除去し、酸性ガス吸収剤を再生することを含む、酸性ガス除去装置及び酸性ガス除去方法に関するものである。
二酸化炭素などの酸性ガスをアミンを含む酸性ガス吸収剤に吸収させる技術は、火力発電所などのCCS(二酸化炭素吸収捕捉と貯蔵)のプラントで使用され、地球温暖化防止のために最有力候補とされている。酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤は、一般的に再生塔で加熱され、酸性ガスを放出することで再生され、繰り返し使用される。このときの一般的な温度は140℃であり、大きなエネルギーを消費することから、ヒートデューティ又はエネジーペナルティとも言われている。したがってこの加熱温度を低くして、効率よく酸性ガスを放出できれば、エネルギーが削減でき、地球温暖化防止技術として普及を促進することができる。
このほか、スイッチャブルソルベントを酸性ガス吸収剤として用いることも知られている。このスイッチャブルソルベントとして、二酸化炭素などの酸性ガスを吸収すると水溶性に転換する水不溶性アミンがある。このようなスイッチャブルソルベントを用いたときも、酸性ガス吸収剤の再生には加熱が必要で、CCSのときと同じように省エネが求められる。
一般に、酸性ガスを含んだ酸性ガス吸収剤に強酸を添加すれば、弱酸である二酸化炭素等の酸性ガスは放出される。この方法によれば加熱の必要性は少なくなるが、酸性ガス吸収剤から強酸を分離する必要が発生する。したがって、吸収剤の再生方法としては適切では無い。また、化学量論的反応によって酸性ガスが放出されるので、短時間で反応が終了し、放出は継続的に起こらない。
一方、強酸に代えて固体酸を用いる技術も検討されている。しかしながら、酸性ガスの分離除去を、低温で、かつ継続的に実施することが可能な方法は、これまでに見出されていない。
米国特許公開第2013/0108532明細書
H. Shi, A. Naami,、 R. Idem. P. Tontiwachwuthikul, Int. J. Greenhouse Gas Contr、 26(2014)39-50 X. Zhang, H. Liu, Z. Liang, Energy Procedia 114(2017) 1862-1868
再生塔において、酸性ガスを放出するときの温度が低く、酸性ガスの放出速度が大きく、さらに酸性ガスが継続的に放出される、酸性ガス除去装置及び酸性ガス除去方法を提供する。
実施形態による第1の酸性ガス除去装置は、
酸性ガス吸収剤と、
酸性ガスを含有するガスと酸性ガス吸収剤とを接触させ、前記酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去する吸収器と、
前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを脱離させて、前記酸性ガス吸収剤を再生する再生器とを有し、
再生器で再生した酸性ガス吸収剤を前記吸収器にて再利用する、酸性ガス除去装置であって、
前記酸性ガス吸収剤がアミン化合物と水溶性塩とを含み、
前記再生器において、前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤を固体酸に接触させ、酸性ガスを脱離させて酸性ガス吸収剤を再生する、装置である。
また、実施形態による第2の酸性ガス除去装置は、
酸性ガス吸収剤と、
酸性ガスを含有するガスと前記酸性ガス吸収剤とを接触させ、前記酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去する吸収器と、
前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを脱離させて、前記酸性ガス吸収剤を再生する再生器とを有し、
再生器で再生した酸性ガス吸収剤を前記吸収器にて再利用する、酸性ガス除去装置であって、
前記酸性ガス吸収剤がアミン化合物を含み、
前記再生器において、前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤を固体酸および前記固体酸に対する共役塩基を形成する難溶性塩に接触させることによって、酸性ガスを脱離させて酸性ガス吸収剤を再生する、装置である。
また、実施形態による第1の酸性ガス除去方法は、
酸性ガスを含有するガスと、アミン化合物と水溶性塩を含む酸性ガス吸収剤とを接触させ、前記酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去し、
前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤を固体酸に接触させて酸性ガスを脱離させ、前記酸性ガス吸収剤を再生し、
再生した酸性ガス吸収剤を前記吸収器にて再利用する、酸性ガス除去方法である。
また、実施形態による第2の酸性ガス除去方法は、
酸性ガスを含有するガスと、アミン化合物を含む酸性ガス吸収剤とを接触させ、前記酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去し、
前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤を固体酸および前記固体酸に対する共役塩基を形成する難溶性塩に接触させて酸性ガスを脱離させ、前記酸性ガス吸収剤を再生し、
再生した酸性ガス吸収剤を前記吸収器にて再利用する、酸性ガス除去方法である。
実施形態による酸性ガス除去装置の概略図。
以下、実施形態について詳細に説明する。
<酸性ガス除去装置>
実施形態による、第1および第2の酸性ガス除去装置は、いずれも
酸性ガス吸収剤と、
酸性ガスを含有するガスと酸性ガス吸収剤とを接触させ、前記酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去する吸収器と、
前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを脱離させて、前記酸性ガス吸収剤を再生する再生器とを有し、
再生器で再生した酸性ガス吸収剤を前記吸収器にて再利用するものである。
そして、第1の酸性ガス除去装置、および第2の酸性ガス除去装置は、用いられる酸性ガス吸収剤と、再生器において前記酸性ガス吸収剤に接触させる触媒とが異なっている。
以下の実施態形態は、主として、酸性ガスが二酸化炭素である場合を例に説明するが、実施形態に係る酸性ガス吸収剤は、硫化水素等、その他の酸性ガスに関しても同様の効果を得ることができる。実施態形態よる酸性ガス吸収剤は、二酸化炭素、硫化水素等の酸化性ガスの吸収に適している。このうち、特に二酸化炭素の吸収に適しており、工場排ガスなどからの二酸化炭素回収装置に適している。
<第1の酸性ガス除去装置>
第1の酸性ガス除去装置に用いられる酸性ガス吸収剤は、酸性ガスを吸収する主剤としてアミン化合物を含む。このようなアミン化合物は、従来、酸性ガス吸収剤に一般的に用いられているものの中から任意に選択して用いることができる。
用いることができるアミン化合物として、第1級アミン、第2級アミン、及び第3級アミンが挙げられる。また、ジアミン、トリアミンなどのポリアミン化合物を用いることができる。さらには、これらのアミン化合物の水素が、ヒドロキシ等で置換された誘導体、及びこれらのアミン化合物のメチレンがオキシ、カルボニル、スルホニル等で置き換えられた誘導体も用いることができる。また、アミン化合物は一般的に水溶性であるが、水溶性の高いものが好ましい。
具体的には、以下のアミン化合物を用いることができる。
(i)アミノアルコール、
(ii)環状アミン、
(iii)第1級アミン、
(iv)第2級アミン、
(v)第3級アミン、
(vi)ポリアミン、
(vii)ポリアルキレンポリアミン
なお、これらの分類は便宜的になされたものであって、一つの材料が複数の分類に属していることもある。
さらに、酸性ガス吸収剤は、実施形態による再生方法によって処理されることで、繰り返し利用されるものであることから、化合物の安定性が高いことが好ましい。これらの観点から、アンモニア、メチルアミン、ヒドラジンなどは用いないことが好ましい。
さらに、酸性ガス除去装置に用いられる酸性ガス吸収剤は、水溶性塩を含んでいる。塩としては、一般的に、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、及び過ヨウ素酸塩、からなる群から選択される少なくとも一つの塩が挙げられる。そのほか、臭化水素塩、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、及びタングステン酸塩からなる群から選択される少なくとも一つの水溶性塩を用いることもできる。また、水溶性塩に含まれる金属イオンとしては、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、M、Ca、Sr、Al、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、及びAuからなる群から選択される少なくとも一つの金属が挙げられる。
より具体的には、MgSO、CuSO、NaSO、NaNO、NaCl、CaCl、MgCl、AgClO、Ba(ClO、KNO、Ba(NO、Ca(NO・4HO、Co(NO、NaNO、LiNO、ZnSO・2HO、PbHPO、BaHPO、ZnCl、KCl、CaCl、AuCl、AgCl、CoCl、SmCl、SnCl、SrCl、CsCl、CeCl、CuCl、PbCl、NiCl、NdCl、BaCl、PrCl、BeCl、MnCl、LiCl、RbCl、Zn(ClO、KClO、AgClO、Co(ClO、Cu(ClO、SrClO、CsClO、NaClO、Pb(ClO、Ni(ClO、Mg(ClO、Ba(ClO、LiClO、RbClO、Al(ClO、KClO、AgClO、Co(ClO、CsClO、Fe(ClO・6HO、Fe(ClO、Cu(ClO、NaClO、Pb(ClO・3HO、Ni(ClO、Ba(ClO、Be(ClO、Mg(ClO、LiClO、RbClO、Zn(MnO、KMnO、AgMnO、CsMnO、Ba(MnO、LiMnO、 KIO、NaIO、RbIO、Zn(HCO、HCOONa、CHCONa、LiBr、NaBr、Ag、KBrO、ZnC、Al(NO、KWO、AgVO、Na、NaMoO、KI、NaIO、KPO、及びZr(SO4HOからなる群から選択される少なくとも一つの水溶性塩を酸性ガス吸収液に用いることができる。
実施形態による酸性ガス吸収剤は、溶媒として水を含み、前記したアミン化合物及び水溶性塩が溶解した水溶液となっている。
酸性ガス吸収剤に含まれるアミン化合物の含有量は、酸性ガス吸収剤の総質量を基準として3~80質量%であることが好ましく、5~75質量%であることがより好ましい。
一般に、アミン成分の濃度が高い方が単位容量当たりの二酸化炭素の吸収量、脱離量が多く、また二酸化炭素の吸収速度、脱離速度が速いため、エネルギー消費の面やプラント設備の大きさ、処理効率の面においては好ましい。
しかし、アミン成分の濃度が高すぎると、吸収剤の粘度の上昇などが起こることがある。また、アミン化合物の含有量を5質量%以上とすることで、十分な二酸化炭素の吸収量、吸収速度を得ることができ、優れた処理効率を得ることができる。
アミン化合物の含有量が上記の範囲にある酸性ガス吸収剤は、二酸化炭素回収用として用いた場合、二酸化炭素吸収量及び二酸化炭素吸収速度が高いだけでなく、二酸化炭素脱離量が多く、かつ二酸化炭素脱離速度(反応速度)も高いため、二酸化炭素の回収を効率的に行える点で有利である。
また、酸性ガス吸収剤に含まれる水溶性塩の含有量は、酸性ガス吸収剤の総質量を基準として0.1~5質量%であることが好ましく、1~2質量%であることがより好ましい。
実施形態による酸性ガス吸収剤は、前記アミン化合物と前記水溶性塩とを含むが、必要に応じてその他の任意成分を含むことができる。
任意成分には、例えば、酸化防止剤、pH調整剤、消泡剤、防食剤等が包含される。
酸化防止剤の好ましい具体例としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、エリソルビン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、二酸化硫黄、2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプトベンズイミダゾール等を挙げることができる。酸化防止剤を用いる場合、その含有量は、好ましくは0.01~1質量%、特に好ましくは0.1~0.5質量%、である(酸性ガス吸収剤の全量を100質量%とする)。酸化防止剤は、酸性ガス吸収剤の劣化を防止し、その寿命を向上させることができる。
消泡剤の好ましい具体例としては、例えばシリコーン系消泡剤、有機系消泡剤を挙げることができる。消泡剤を用いる場合、その含有量は、好ましくは0.00001~0.001質量%、特に好ましくは0.0005~0.001質量%、である(酸性ガス吸収剤の全量を100質量%とする)。消泡剤は、酸性ガス吸収剤の泡立ちを防止し、酸性ガスの吸収効率や脱離効率の低下を抑制し、酸性ガス吸収剤の流動性ないし循環効率の低下等を防止することができる。
防食剤の好ましい具体例としては、例えばリン酸エステル類、トリルトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類を挙げることができる。防食剤を用いる場合、その含有量は、好ましくは0.00003~0.0008質量%、特に好ましくは0.00005~0.005質量%、である(酸性ガス吸収剤の全量を100質量%とする)。このような防食剤は、プラント設備の腐蝕を防止し、その寿命を向上させることができる。
図1は、実施形態による第1の酸性ガス除去装置の概略図である。なお、装置の概略図は後述する第2の酸性ガス除去装置でも同様である。
この酸性ガス除去装置1は、酸性ガスを含むガス(例えば、排気ガス)と、装置内を流通している酸性ガス吸収剤とを接触させ、この酸性ガスを含むガスから酸性ガスを吸収させて除去する吸収器2と、酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを分離し、酸性ガス吸収剤を再生する再生器3と、を備えている。以下、酸性ガスが二酸化炭素である場合を例に説明する。
図1に示すように、火力発電所等から排出される燃焼排ガス等の、二酸化炭素を含む排気ガスが、ガス供給口4を通って吸収器2下部へ導かれる。この排気ガスは、吸収器2に押し込められ、吸収器2上部の酸性ガス吸収剤供給口5から供給された酸性ガス吸収剤と接触する。酸性ガス吸収剤としては、前記した酸性ガス吸収剤を使用する。
また、この酸性ガス吸収剤には、上記のアミン系化合物、水溶性塩、及び水などの溶媒の他に、二酸化炭素の吸収性能を向上させる含窒素化合物、酸化防止剤、pH調整剤等、その他化合物を任意の割合で含有していてもよい。
このように、排気ガスが酸性ガス吸収剤と接触することで、この排気ガス中の二酸化炭素が酸性ガス吸収剤に吸収され、理想的には完全に除去される。二酸化炭素が除去された後の排気ガスは、ガス排出口6から吸収器2外部に排出される。
二酸化炭素を吸収した酸性ガス吸収剤は、リッチ液ポンプ8により熱交換器7に送液され、さらに再生器3に送液される。再生器3内部に送液された酸性ガス吸収剤は、再生器3の上部から下部に移動し、この間に加熱され、酸性ガス吸収剤中の酸性ガスが脱離し、酸性ガス吸収剤が再生される。
再生器3で再生した酸性ガス吸収剤は、リーン液ポンプ9によって熱交換器7、吸収剤冷却器10に送液され、酸性ガス吸収剤供給口5から吸収器2に戻される。
一方、酸性ガス吸収剤から分離された酸性ガスは、再生器3上部において、還流ドラム11から供給された還流水と接触し、再生器3外部に排出される。
実施形態において、再生器3は、酸性ガス吸収液を固体酸に接触させることにより、酸性ガス吸収剤から酸性ガスを、理想的には完全に脱離させて、酸性ガス吸収液を再生する。言い換えれば、実施形態による酸性ガス除去装置は、アミン化合物と水溶性塩と酸性ガスと水とを含む水溶液を、固体酸に接触させて、前記水溶液から酸性ガスを分離させる、酸性ガス分離装置を含んでいる。
実施形態において、従来知られている任意の固体酸のうち、水不溶性のものを用いることができる。たとえば、
(i)粘土鉱物、たとえば、モンモリロナイト、カオリナイト、サポナイト、天然ゼオライト、酸性白土、硫酸化ジルコニア層間架橋粘土(PILC)、酸性多孔性粘土ヘテロ構造体(PCH)、
(ii)ゼオライト、例えば、Y、H-Y、H-X、ZSM-5、HZSM-5、モリデナイト、ベータ、
(iii)陽イオン交換樹脂、例えばナフィオン、シリカ担持されたナフィオン(SAC-13)、
(iv)活性炭、
(v)金属酸化物、例えばZnO、Al、ZrO、SiO、非晶質シリカアルミナ、非晶質シリカアルミナモレキュラーシーブ、メソポーラスアルミノシリカ(M41S、MCM-41、SBA-15、MCF)、
(vi)金属硫化物、例えばCdS、ZnS、
(vii)金属塩、例えばFeSO、AlPO、AlCl、FeCl、リン酸バナジウム、アルミノリン酸、塩フッ化アルミニウム(ACF: AlCl3-x、x=約0.05~約0.25)、臭フッ化アルミニウム(ABF: AlBr3-x、xx=約0.05~約0.25))、
(viii)複合酸化物、SiO-Al、SiO-TiO、SiO-MgO、SiO-ZrO、TiO-ZrO、CaO-ZrO、Sm-ZrO、Yb-ZrO、CrO/ZrO、Al-B、TiO-B
(ix)ヘテロポリ酸(HPA)、例えばHPW1240、HPMo1240、(x)水和酸化物、TiO-nHO、ZrO-nHO、(xi)酸素酸担持金属酸化物、SO 2-/ZrO、SO 2-/TiO、WO/ZrO、WO/Al3、
が挙げられる。なお、これらの分類は便宜的になされたものであって、一つの材料が複数の分類に属していることもある。
また、これらを組み合わせた複合体や、グラファイトなどの支持体にこれらの固体酸化物を担持させたものを用いることもできる。例えば、黒鉛に担持されたSbF及びAlCl、黒鉛に担持されたSbF、黒鉛に担持されたAlCl、黒鉛に担持されたFeCl、メソポーラスシリカに担持されたAlCl、Alに担持されたAlCl、酸性白土に担持されたZnClなどを用いることもできる。
固体酸は、任意の形状に成形して用いることができる。具体的には、棒状、板状、粒状、網目状。糸状、綿状などに成形した固体酸を用いることができる。また、例えばテフロン(商品名)製のネットに入れて再生塔内部につるしておくこともできるし、ナフィオンの板状材料は再生器内にそのまま沈めておくこともできる。金属やガラスのプレートに何らかの方法で接着することもできる。なお、酸性ガスの脱離は固体酸の表面で起こるため、表面積が大きい形状とすることが好ましい。ただし、形状を微細にすると再生器の外部に固体酸が流出しやすくなるので注意が必要である。また、固体酸は装置の運用に伴って劣化していく傾向にあるので、必要に応じて固体酸を再生器から取り外し、再生することもできる。例えば、ナフィオンは10%程度の硝酸に数時間浸漬した後、水洗することで再生することができる。したがって、取り付け及び取り外しが容易な形状とすることが好ましく、板状や網目状の形状とすることが好ましい。
二酸化炭素が溶解した還流水は、還流冷却器12で冷却された後、還流ドラム11において、二酸化炭素を伴う水蒸気が凝縮した液体成分と分離される。この液体成分は、回収酸性ガスライン13により酸性ガス回収工程に導かれる。一方、酸性ガスが分離された還流水は再生器3に送液される。
本実施形態の酸性ガス除去装置1によれば、酸性ガスの吸収特性及び脱離特性に優れた酸性ガス吸収剤を用いることで、効率の高い酸性ガスの吸収除去を行うことが可能となる。
<第2の酸性ガス除去装置>
実施形態による、第2の酸性ガス除去装置は、酸性ガス吸収剤と、吸収器と、再生器とを有しており、再生器で再生した酸性ガス吸収剤を前記吸収器にて再利用することにおいて、第1の酸性ガス除去装置と共通する。
(i)酸性ガス吸収剤がアミン化合物を含むが、水溶性塩を含む必要が無いこと、および
(ii)再生器において、酸性ガス吸収剤に、固体酸だけではなく、その固体酸に対する共役塩基を形成する難溶性塩にも接触させること
が異なっている。
第2の酸性ガス除去装置において用いられる酸性ガス吸収剤は、水溶性塩を含まないが、その機能は、再生器に配置される難溶性塩が代替えする。したがって、第2の酸性ガス除去装置において採用される、アミン化合物の種類、濃度、任意成分などは、すべて第1の酸性ガス吸収剤で説明したものと同じものを採用することができる。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、あるいは本発明の効果を強化するために、酸性ガス吸収剤に水溶性塩を組み合わせることは可能である。
また、第2の酸性ガス除去装置は、再生器において、酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤を固体酸および前記固体酸に対する共役塩基を形成する難溶性塩に接触させる。ここで採用される固体酸は、第1の酸性ガス吸収剤で説明したものと同じものを採用することができる。
また、第2の酸性ガス除去装置で採用される難溶性塩は、水に対する溶解度が低いものである。この難溶性塩は20℃における水に対する溶解度が0.2g/(100g水)以下であることが好ましい。このように水や酸性ガス吸収剤に対する溶解度が低いことで、難溶性塩は再生器内に拘束することが容易となる。具体的には再生器における、酸性ガス吸収剤の出入り口にフィルターを設けたり、再生器の底部に沈降または堆積させておくなどの方法を採用できる。このような態様とすることで、例えば酸性ガス吸収剤が装置内を循環したとしても、固体酸と難溶性塩は再生器に留めることができる。また、再生器に固体酸と難溶性塩とを留めておくだけで固体酸と難溶性塩とが混合した状態となり、酸性ガス吸収剤の再生反応が起こりやすくなる。
また、再生器内に配置される難溶性塩の量は、再生器内に収容されている酸性ガス吸収液の量に応じて調整することが好ましい。すなわち、装置内に循環している酸性ガスを基準とするのではなく、装置を運転している状態の一時点において、再生器内に存在する酸性ガス吸収液を基準とすることが好ましい。具体的には、再生器に収容されている酸性ガス吸収剤100gあたりに対して、難溶性塩が1~10gとなることが好ましい。
このような難溶性塩の具体例としては、硫酸カルシウムや硫酸バリウムなどの無機塩のほか、塩基性陰イオン交換樹脂などを挙げることができる。適切な塩基性陰イオン交換樹脂の一例として、アンバーライト(商標名)IRAシリーズ(オルガノ株式会社製)などが上市されている。なお、本発明においてはイオン交換樹脂も、難溶性塩に包含されるものとする。
難溶性塩は、任意の形状に成形して用いることができる。具体的には、棒状、板状、粒状、網目状、糸状、綿状などに成形した難溶性塩を用いることができる。ただし、酸性ガス吸収剤の再生処理を迅速に行うためには、上記した固体酸と、難溶性塩と、酸性ガス吸収剤とが同時に接触する必要がある。このため、再生器内に配置される固体酸と難溶性塩とが接触するように配置される必要がある。また、固体酸と難溶性塩との接触面積を大きくすることで、再生処理が迅速化できる。このような観点から、固体酸または難溶性塩の、少なくともいずれか一方を粒状とすることが好ましい。具体的には、板状の固体酸を再生器の底部に沈め、その表面状に粒状の難溶性塩を散布したり、粒状の固体酸と、粒状の難溶性塩とを混合して再生器内に配置することができる。そのような場合には、粒状の難溶性塩と固体酸との混合物を圧縮成形して、多孔性の棒状または板状材料とすることもできる。
難溶性塩を粒状とする場合には、その平均粒子径は、0.1~2mmとすることが好ましく、0.3~1mmとすることが好ましい。平均粒子径は小さいほうが、粒子の表面積が粒子の体積に対して相対的に大きくなる。つまり固体酸と接触面を増やすことができるため、後述する難溶性塩と固体酸塩の接触面で進行する強酸を形成する反応が進みやすくなるため好ましい。ここで平均粒子径は、粒状材料を顕微鏡などで観察し、粒子の投影断面積を測定し、その平均値から求められる円換算の粒子径を平均粒子径とする。
なお、本発明において難溶性塩は、固体酸に対する共役塩基を形成するものである。この作用については後述する。
<酸性ガスの除去方法>
実施形態による、第1および第2の酸性ガスの除去方法は、いずれも
酸性ガスを含有するガスと、酸性ガス吸収剤とを接触させて酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去し、
前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤を固体酸に接触させて酸性ガスを脱離させ、前記酸性ガス吸収剤を再生し、
再生した酸性ガス吸収剤を再利用する、酸性ガス除去方法である。
そして、第1の酸性ガスの除去方法、および第2の酸性ガスの除去方法は、再生器において酸性ガス吸収剤および固体酸に接触させる塩が、水溶性塩であるか、水難溶性塩であるかで異なっている。
<第1の酸性ガスの除去方法>
実施形態による酸性ガスの除去方法の基本的な構成は、酸性ガス吸収剤に、酸性ガスを含有するガス(例えば、排ガス等)を接触させて、酸性ガス吸収剤に、酸性ガスを吸収させる工程(酸性ガス吸収工程)と、上記の酸性ガス吸収工程で得られた、酸性ガスが吸収された酸性ガス吸収剤を加熱して、酸性ガスを脱離して、除去する工程(酸性ガス分離工程)とを含む。
酸性ガスを含むガスを、上記の酸性ガス吸収剤を含む水溶液に接触させる方法は、特に限定されないが、例えば、酸性ガス吸収剤中に酸性ガスを含むガスをバブリングさせて、吸収剤に酸性ガスを吸収させる方法、酸性ガスを含むガス気流中に酸性ガス吸収剤を霧状に降らす方法(噴霧ないしスプレー方式)、又は磁製や金属網製の充填材の入った吸収器内で酸性ガスを含むガスと酸性ガス吸収剤とを向流接触させる方法などによって行うことができる。
酸性ガスを含むガスを水溶液に吸収させる時の酸性ガス吸収剤の温度は、通常、室温から60℃以下が好ましい。より好ましくは50℃以下、特に好ましくは20~45℃、である。低温度で行うほど、酸性ガスの吸収量は増加するが、処理温度の下限値は、プロセス上のガス温度や熱回収目標等によって決定することができる。酸性ガス吸収時の圧力は、通常、ほぼ大気圧である。吸収性能を高めるためより高い圧力まで加圧することもできるが、圧縮のために要するエネルギー消費を抑えるため大気圧下で行うのが好ましい。
実施形態において、酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを分離し、純粋な又は高濃度の二酸化炭素を回収する方法ために、前記した固体酸を含む再生塔内で液界面を広げて、吸収液の温度を酸性ガス吸収時よりも高い温度に加熱する方法が挙げられる。
実施形態において、酸性ガス分離時の酸性ガス吸収剤の温度は、一般的に知られている再生器よりも低い温度とすることができる。一般的な酸性ガス除去装置においては、100~140℃に加熱されるのが一般的である。火力発電所における酸性ガス除去装置においては、一般的に加熱エネルギーは火力発電所で発生するスチームの熱エネルギーを利用するが、このような場合、その熱エネルギーは火力発電所で発電により得られるエネルギーの10%程度に相当している。実施形態では、再生器における加熱温度は、例えば100℃未満であり、好ましくは90℃以下、より好ましくは85℃以下、である。温度が高いほど、酸性ガスの脱離量は増加するが、温度を上げると吸収剤の加熱に要するエネルギーが増すため、その温度はプロセス上のガス温度や熱回収目標等によって決定することができる。酸性ガス脱離時の圧力は、通常、1~3気圧程度とすることができる。
実施形態において、酸性ガスの分離が効率的に進行する理由は以下の通りと考えられる。固体酸の表面には酸性部分があるが、固体酸を水の中に入れただけでは化学的には何も起こらない。例えば固体酸の一つの例であるナフィオンを水に入れても水のpHは7である。しかし、水溶性塩を共存させることでpHが低くなる。これらの現象をまとめると、以下の表1の通りとなる。
Figure 0007102376000001
この現象は、固体酸の表面でイオン交換の平衡が起こり、水溶性塩に由来する寿命の短い強酸が現れるためと考えられる。すなわち、水溶性塩から形成されるイオンが共役塩基として固体酸から放出されるプロトンを受容して強酸を形成する。この結果、強酸が現れたとき、その強酸に遭遇した二酸化炭素等の酸性ガスが系から追い出され、酸性ガスが放出されたあと、化学平衡は元にもどるので、酸性ガスの分離が継続的かつ非化学量論的に進行するものと考えられる。したがって、固体酸と水溶性塩の組み合わせは触媒として機能すると考えられる。
酸性ガスを分離した後の酸性ガス吸収剤は、再び酸性ガス吸収工程に送られて循環使用(リサイクル)することができる。また、酸性ガス吸収の際に生じた熱は、一般的には水溶液のリサイクル過程において再生器に注入される水溶液の予熱のために熱交換器で熱交換されて冷却される。
このようにして回収された酸性ガスの純度は、通常、95~99体積%程度と極めて純度が高い。この純粋な酸性ガス又は高濃度の酸性ガスは、化学品、又は高分子物質の合成原料、食品冷凍用の冷剤等として用いることができる。その他、回収した酸性ガスを、現在技術開発されつつある地下等へ隔離貯蔵することも可能である。
上述した工程のうち、酸性ガス吸収剤から酸性ガスを分離して酸性ガス吸収剤を再生する工程が最も多量のエネルギーを消費する部分であり、一般的には、この工程で全体工程の約50~80%程度のエネルギーが消費されることがある。従って、酸性ガス吸収剤の再生工程における消費エネルギーを低減することにより、酸性ガスの吸収分離工程のコストを低減でき、排気ガスからの酸性ガス除去を、経済的に有利に効率良く行うことができる。
本実施形態によれば、上記の実施形態の酸性ガス吸収剤を用いることで、酸性ガス脱離(再生工程)のために必要なエネルギーを低減することができる。このため、二酸化炭素の吸収分離工程を、経済的に有利な条件で効率良く行うことができる。
<第2の酸性ガスの除去方法>
第2の酸性ガスの除去方法は、酸性ガス吸収剤として水溶性塩が含まれないものを用い、一方で酸性ガス吸収剤の再生工程において、難溶性塩を共存させる点で、第1の酸性ガスの除去方法とは異なっている。それ以外の条件は、第1の酸性ガス除去方法と同様の条件を採用することができる。
第2の酸性ガスの除去方法の再生工程において、塩として水溶性塩に代えて難溶性塩を用いたときに、効率的な再生処理が行われる理由は以下の通りと考えられる。
ブレンステッドの酸塩基理論に基づけば、固体酸は共役塩基にプロトンを供与して、塩基となり、共役塩基はプロトンを受容することで酸となる。ここで、実施形態においては、難溶性塩は水に対する溶解性が非常に低いものであるが、わずかにイオン化するので、イオン化した状態で固体酸からのプロトンを受容することができる。すなわち難溶性塩から生じるイオンが共役塩基として作用する。
Figure 0007102376000002
この反応が連続的に起こりえるので、難溶性塩そのものの溶解度が低くても、酸塩基反応が継続するので、酸性ガス吸収剤の再生反応も継続するのである。このような反応は、難溶性塩の溶解度が低いことを考えると予想外のことである。そして一方で、難溶性塩を用いることで、装置内を塩が循環すること無く、再生器内に拘束されるので、塩が装置内部にダメージを与えることを抑制することができるという効果も得られる。
<参考例101A~101C>
特許文献1に準じて、水溶性塩が存在しないときの酸性ガスの回収効率を測定した。
酸性ガス吸収剤として5Mモノエタノールアミン(MEA)水溶液を用い、それに二酸化炭素を吸収させた後、90℃で50分、又は10分加熱したときの二酸化炭素放出量を測定した(参考例101A)。また、加熱時に固体酸としてAl(参考例101B)又はZSM-5(参考例101C)を共存させて、同様の測定を行った。以下に、参考例1Aにおける二酸化炭素放出量を基準とした参考例1B及び1Cの二酸化炭素放出量の比を示す。
Figure 0007102376000003
<参考例102A~102D>
特許文献2に準じて、水溶性塩が存在しないときの酸性ガスの回収効率を測定した。
酸性ガス吸収剤として5Mモノエタノールアミン(MEA)水溶液を用い、それに二酸化炭素を吸収させた後、90℃で50分、又は10分加熱したときの二酸化炭素放出量を測定した(参考例102A)。また、加熱時に固体酸としてH-ZSM-5(参考例102B)、MCM-41(参考例102C)、又はSO 2-/ZrO(参考例102D)を共存させて、同様の測定を行った。以下に、参考例102Aにおける二酸化炭素放出量を基準とした参考例102B~102Dの二酸化炭素放出量の比を示す。
Figure 0007102376000004
<比較例103A及び103Bならびに実施例103A~103E>
20ccのサンプル管に3gの33質量%(7.8mmol)のジメチルシクロヘキシルアミン(DCHA)を含む酸性ガス吸収液を入れて、飽和するまで二酸化炭素を吸収させた。この酸性ガス吸収液には7.8mmolのDCHAが含まれている。DCHAは水に難溶性であるが、二酸化炭素を吸収すると水溶性になるという、いわゆるスイッチャブルソルベントの特徴を持っている。このため、二酸化炭素を十分に吸収しているこの酸性ガス吸収液は、完全に溶解した、均一な状態となっている。80℃の水浴中にサンプル管を置き、25分加熱する。この間に酸性ガス吸収剤は二酸化炭素を放出すると、DCHA相が水性相と分離した。上部のDCHA相を回収して定量することで、二酸化炭素放出量に対応する回収率を測定した(比較例103A)。
また、比較例103Aに対して、加熱時に固体酸としてナフィオン0.36g(約11%)を共存させて同様の測定を行った(比較例103B)。さらに、加熱時にナフィオンと水溶性塩を共存させて同様の測定を行った(実施例103A~103E)。以下に、比較例103Aにおける二酸化炭素放出量を基準とした比較例103B及び実施例103A~103Eの二酸化炭素放出量の比を示す。
Figure 0007102376000005
表4より、ナフィオンと水溶性塩を共存させることで二酸化炭素放出量が多くなることが確認できた。これら実施例は、参考例に比較して低温かつ短時間で、二酸化炭素放出量の増加比率がより大きくなっている。
また、実施形態による酸性ガス除去装置は、スイッチャブルソルベントにも適用できることが確認できた。このようなスイッチャブルソルベントは正浸透膜のドロー液に用いることができる。
<固体酸の再生>
固体酸の再生に関して評価を行った。ナフィオンなどの固体酸は、実施形態による酸性ガス除去装置に利用していると経時で劣化する傾向にある。ナフィオンはフッ素系の高分子に硫酸基がついた構造であるため、酸性ガス吸収剤中でアミン化合物と共存していると、アミン化合物がその硫酸基と結合する。したがって、ナフィオンとアミン化合物が結合したままであると、二酸化炭素の放出量が少なくなり易い。このため、利用した後の固体酸を酸などによって処理をすることで、固体酸の再生が可能になる。
固体酸が再生できることを確認するために、実施例103Bを基準として、固体酸の繰り返し利用を行った。
実施例103Cにおいて、二酸化炭素の放出を行った後、固体酸の再生処理を行い、さらに二酸化炭素の放出操作を行った。得られた結果は以下の通りである。なお、二酸化炭素放出量の比は、比較例103Aを基準とした。
固体酸の再生1回目及び2回目は、水洗のみを行った。再生1回目は二酸化炭素放出量の低下は認められなかったが、再生2回目で二酸化炭素放出量が減った。これは固体酸が劣化したためと考えられる。再生3回目は60%硝酸で3時間浸漬し、水洗を行い、さらに乾燥することにより行った。この結果、再生2回目に対して二酸化炭素放出量は増大し、固体酸が再生されたことが確認できた。
Figure 0007102376000006
<実施例104>
固体酸を、SO 2-/ZrOに代えて評価を行った。なお、二酸化炭素放出量の比は、比較例103Aを基準とした。固体酸を変更しても、実施形態による効果が得られた。また、実施例105Bの3回目再利用の結果より、固体酸の再生が可能であることが確認できた。
Figure 0007102376000007
<比較例203A~203Cならびに実施例103A~203F
まず、比較として比較例103Aおよび103Bを繰り返した(比較例203Aおよび203B)。
また、比較例203Aに対して、DCHA濃度を15.6mmolに変更し、加熱時に難溶性塩としてアンバーライトIRA-900(商品名)を0.063g共存させて同様の測定を行った(比較例203C)。さらに、固体酸および難溶性塩を変更して、同様の測定を行った(実施例203A~203F)。以下に、比較例203Aにおける二酸化炭素放出量を基準とした各例の二酸化炭素放出量の比を示す。
Figure 0007102376000008
表7より、固体酸と難溶性塩を共存させることで二酸化炭素放出量が多くなることが確認できた。これら実施例は、参考例に比較して低温かつ短時間で、二酸化炭素放出量の増加比率がより大きくなっている。
<固体酸の再生>
固体酸の再生に関して評価を行った。実施例203Dにおいて、二酸化炭素の放出を行った後、固体酸の再生処理を行い、さらに二酸化炭素の放出操作を行った。得られた結果は以下の通りである。固体酸の洗浄には塩酸または硫酸を用い、洗浄によって流出したCaSO4を追加した上で二酸化炭素の放出量を測定した。二酸化炭素放出量の比は、比較例203Aを基準とした。得られた結果は表8に示す通りであった。
Figure 0007102376000009
以上の通り、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…酸性ガス除去装置、2…吸収器、3…再生器、4…ガス供給口、5…酸性ガス吸収剤供給口、6…ガス排出口、7…熱交換器、8…リッチ液ポンプ、9…リーン液ポンプ、10…吸収剤冷却器、11…還流ドラム、12…還流冷却器、13…回収酸性ガス炭素ライン

Claims (7)

  1. 酸性ガス吸収剤と、
    酸性ガスを含有するガスと前記酸性ガス吸収剤とを接触させ、前記酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去する吸収器と、
    前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを脱離させて、前記酸性ガス吸収剤を再生する再生器とを有し、
    再生器で再生した酸性ガス吸収剤を前記吸収器にて再利用する、酸性ガス除去装置であって
    前記再生器において、前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤を固体酸に接触させることによって、酸性ガスを脱離させて酸性ガス吸収剤を再生するものであり、
    前記酸性ガス吸収剤が第3級アミン類と、MgSO 、CuSO 、Na SO 、CH COONa、NaCl、またはZr(SO とを含み、
    前記第3級アミン類の含有量が、酸性ガス吸収剤の総質量を基準として3~80質量%であり、
    前記固体酸が、陽イオン交換樹脂または酸素酸担持金属酸化物である、装置。
  2. 前記水溶性塩の含有量が、酸性ガス吸収剤の総質量を基準として0.1~5質量%である、請求項に記載の装置。
  3. 酸性ガス吸収剤と、
    酸性ガスを含有するガスと前記酸性ガス吸収剤とを接触させ、前記酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去する吸収器と、
    前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを脱離させて、前記酸性ガス吸収剤を再生する再生器とを有し、
    再生器で再生した酸性ガス吸収剤を前記吸収器にて再利用する、酸性ガス除去装置であって
    前記再生器において、前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤を固体酸および前記固体酸に対する共役塩基を形成する難溶性塩に接触させることによって、酸性ガスを脱離させて酸性ガス吸収剤を再生するものであり、
    前記酸性ガス吸収剤が第3級アミン類を含み、
    前記第3級アミン類の含有量が、酸性ガス吸収剤の総質量を基準として3~80質量%であり、
    前記難溶性塩が塩基性陰イオン交換樹脂またはCa SO であり、
    前記固体酸が、陽イオン交換樹脂または酸素酸担持金属酸化物である、装置。
  4. 前記難溶性塩が、前記再生器に収容されている前記酸性ガス吸収剤100gあたり1~10gである、請求項に記載の装置。
  5. 酸性ガスを含有するガスと酸性ガス吸収剤とを接触させ、前記酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去し、
    前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤を固体酸に接触させて酸性ガスを脱離させ、前記酸性ガス吸収剤を再生し、
    再生した酸性ガス吸収剤を前記吸収器にて再利用する、酸性ガス除去方法であって、
    前記酸性ガス吸収剤が第3級アミン類と、MgSO 、CuSO 、Na SO 、CH COONa、NaCl、またはZr(SO とを含み、
    前記第3級アミン類の含有量が、酸性ガス吸収剤の総質量を基準として3~80質量%であり、
    前記固体酸が、陽イオン交換樹脂または酸素酸担持金属酸化物である、方法。
  6. 酸性ガスを含有するガスと酸性ガス吸収剤とを接触させ、前記酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去し、
    前記酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤を固体酸および前記固体酸に対する共役塩基を形成する難溶性塩に接触させて酸性ガスを脱離させ、前記酸性ガス吸収剤を再生し、
    再生した酸性ガス吸収剤を前記吸収器にて再利用する、酸性ガス除去方法であって、
    前記酸性ガス吸収剤が第3級アミン類を含み、
    前記第3級アミン類の含有量が、酸性ガス吸収剤の総質量を基準として3~80質量%であり、
    前記難溶性塩が塩基性陰イオン交換樹脂またはCa SO であり、
    前記固体酸が、陽イオン交換樹脂または酸素酸担持金属酸化物である、方法
  7. 100℃未満の温度条件下で、前記酸性ガス吸収剤を前記固体酸に接触させる、請求項5または6に記載の方法。
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