JP7101730B2 - 金型 - Google Patents

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Description

本発明は、厚みの異なる複数の板部を有する金属板材を焼入れしながら成型する熱間プレス成型用の金型および熱間プレス成型装置に関する。
車両の骨格部品を成型する技術として、熱間プレス成型法の一つであるホットスタンプ工法が知られている。このホットスタンプ工法は、高温に熱した金属板材を熱間プレス成型装置に装填し、この金属板材に対してプレス成型を行うと同時に焼入れを行う工法である。この種のホットスタンプ工法を実施するために使用する従来の熱間プレス成型装置は、例えば特許文献1に記載されている。
特許文献1に開示されている熱間プレス成型装置は、成型用の金型の温度を低温に保つために、金型を冷却する冷却装置を備えている。
ところで、プレス成型に使用する金属板材としては、例えば特許文献2に記載されているように、厚みが異なる複数の板材料からなるテーラードブランクがある。このテーラードブランクは、厚みが異なる複数の金属製の板材料を互いに突き合わせた状態で溶接して形成されている。この種の金属板材を素材として成型された成型品の表面あるいは裏面には、板材料の厚みの違いに起因する段差部が形成される。
特開2005-169394号公報 特開2010-36222号公報
厚みが異なる複数の板材料からなる金属板材を使用してホットスタンプ工法で成型された成型品は、板材料どうしの境界となる段差部において硬度が低くなるという問題があった。このように硬度が低くなる理由は、金型による冷却が不十分になり、焼入を十分に実施することできないからであると考えられる。ここで、冷却が不十分になる理由を図22を参照して説明する。
図22は、従来の熱間プレス成型用の一対の金型1,2によって金属板材3を成型している状態を示している。一対の金型1,2は、下金型(以下、単に下型という)1と、上金型(以下、単に上型という)2とによって構成されている。下型1および上型2は、図示していない冷却装置によって所定の温度に冷却されている。
金属板材3は、厚みが相対的に薄い金属製の板材料からなる第1の板部3aと、厚みが相対的に厚い金属製の板材料からなる第2の板部3bとを互いに突き合わせた状態で溶接したものである。
この金属板材3の上面、すなわち上型2によって成型される面は、平坦に形成されている。この金属板材3の下面、すなわち下型1によって成型される面には、第1の板部3aと第2の板部3bとによって段差4が形成されている。この段差4は、第2の板部3bの端面からなる第1の段差面3cを含む。
下型1は、第1の板部3aを成型する第1の成型面1aと、第2の板部3bを成型する第2の成型面1bとを有している。この第2の成型面1bは、第1の成型面1aより上型2の成型面2aから離間するように形成され、第1の成型面1aとともに段差5を形成している。この段差5は、第1の板部3aの厚み方向に延びる第2の段差面1cを含む。第2の成型面1bは、第1の成型面1aより、第1の板部3aと第2の板部3bとの厚みの差に相当する高さだけ低い。
第2の段差面1cは、第1の板部3aと第2の板部3bとの境界となる第1の段差面3cより第1の板部3a側に所定の距離だけ離れて位置付けられている。このため、第1の段差面3cと第2の段差面1cとの間に、第1の成型面1aに沿う方向(図22においては左右方向)に所定の幅を有する空間Sが形成されている。この空間Sを以下においては単に金型逃がし空間Sという。このように金型逃がし空間が形成される理由は、下型1と金属板材3には公差があり、第1の板部3aと第2の板部3bとの境界の位置に対して、第1の成型面1aと第2の成型面1bとの境界の位置が必ずしも一定にはならないからである。すなわち、下型1に相対的に高くなるように形成された第1の成型面1aが金属板材3の相対的に厚い第2の板部3bに当たることを防ぐために、金型逃がし空間Sが形成されている。
第1の板部3aの金型逃がし空間Sに露出する部分は、上述した成型品の段差部である。この段差部は、下型1から離れていて冷却され難いことから、焼入れが不十分になって強度が低くなる。
本発明の目的は、金属板材の段差部も焼入れされて硬度が高くなる熱間プレス成型用の金型および熱間プレス成型装置を提供することである。
この目的を達成するために、本発明に係る金型は、第1の金属板材からなる第1の板部と、前記第1の金属板材より厚みが厚い第2の金属板材からなる第2の板部とを互いに突き合わせた状態で溶接して形成されたテーラードブランクを加熱された状態でプレス成型する金型であって、冷媒が流れる冷媒通路と、一端が前記冷媒通路と接続し、他端が前記金型の成型面に開口する少なくとも一つの冷媒噴出路と、前記第1の板部を成型する第1の成型面と、この第1の成型面より他の金型の成型面から離間して、前記第1の成型面とともに段差を形成し、前記第2の板部を成型する第2の成型面とを備え、前記少なくとも一つの冷媒噴出路の他端は、前記第2の成型面の、前記第1の成型面と前記第2の成型面との段差の近傍であって、前記第1の板部と前記第2の成型面とによって挟まれて形成された空間に開口しているものである。
本発明は、前記金型において、前記テーラードブランクは、前記第1の金属板材と前記第2の金属板材との間に溶接された第3の金属板材からなる第3の板部を有し、前記空間は、前記第1の板部および前記第3の板部と前記第2の成型面とによって挟まれて形成されていてもよい。
本発明に係る金型は、第1の板部と、前記第1の板部より厚みが厚い第2の板部とが一体に形成された金属板材であるテーラーロールドブランクを加熱された状態でプレス成型する金型であって、冷媒が流れる冷媒通路と、一端が前記冷媒通路と接続し、他端が前記金型の成型面に開口する少なくとも一つの冷媒噴出路と、前記第1の板部を成型する第1の成型面と、この第1の成型面より他の金型の成型面から離間して、前記第1の成型面とともに段差を形成し、前記第2の板部を成型する第2の成型面とを備え、前記少なくとも一つの冷媒噴出路の他端は、前記第2の成型面の、前記第1の成型面と前記第2の成型面との段差の近傍であって、前記第1の板部と前記第2の成型面とによって挟まれて形成された空間に開口しているものである。
本発明は、前記金型において、前記テーラーロールドブランクは、前記第1の板部と前記第2の板部との間に厚みが前記第1の板部より薄くなる第3の板部を有し、前記空間は、前記第1の板部および前記第3の板部と前記第2の成型面とによって挟まれて形成されていてもよい。
本発明に係る金型は、第1の金属板材からなる第1の板部と、前記第1の金属板材とは異なる第2の金属板材を前記第1の金属板材に重ねて溶接してなる第2の板部とを有するパッチドブランクを加熱された状態でプレス成型する金型であって、冷媒が流れる冷媒通路と、一端が前記冷媒通路と接続し、他端が前記金型の成型面に開口する少なくとも一つの冷媒噴出路と、前記第1の板部を成型する第1の成型面と、この第1の成型面より他の金型の成型面から離間して、前記第1の成型面とともに段差を形成し、前記第2の金属板材に接触して前記第2の板部を成型する第2の成型面とを備え、前記少なくとも一つの冷媒噴出路の他端は、前記第2の成型面の、前記第1の成型面と前記第2の成型面との段差の近傍であって、前記第1の板部と前記第2の成型面とによって挟まれて形成された空間に開口しているものである。
本発明は、前記金型において、前記第1の板部の厚みは、好ましくは、0.8mm以上であって2.9mm以下であり、前記第2の板部の厚みは、好ましくは0.8mmより大きく5.8mm以下であり、第2の板部の厚みは第1の厚み以上であり第1の板部と第2の板部の厚みの差は2.0mm以内、さらに好ましくは0.8mm以内であることが好ましいが、第2の板部の厚みは第1の厚み以上であればこの範囲でなくとも良い。
本発明は、前記金型において、前記冷媒噴出路の前記他端の近傍に、冷媒が吸入される少なくとも一つの吸入口が開口していてもよい。
本発明は、前記金型において、前記冷媒噴出路の前記他端の開口と、前記吸入口は、前記段差に沿って並ぶ複数の位置にそれぞれ設けられていてもよい。
本発明は、前記金型において、前記冷媒噴出路の前記他端の開口と、前記吸入口は、前記第2の板部より、前記第2の板部の製造上の公差に予め定めた長さを加えた長さだけ離れた位置に配設されていてもよい。
本発明は、前記金型において、前記第2の成型面の少なくとも一部は、多数の凸部によって形成され、前記第2の成型面の、前記多数の凸部を有する部分には、複数の前記冷媒噴出路の前記他端の開口と、複数の前記吸入口とが形成されていてもよい。
本発明に係る熱間プレス成型装置は、加熱された金属板材をプレス成型する一対の金型と、前記一対の金型のうち少なくとも一つの金型に冷媒を供給する冷却装置とを備え、前記冷媒が供給される金型は、前記発明の金型であり、前記冷却装置から前記冷媒通路に冷媒が供給されるものである。
本発明の金型および熱間プレス成型装置において、成型時に金属板材と金型との間に形成される空間には、金型の第2の成型面の、第1の成型面と第2の成型面との段差の近傍に冷媒噴出路の他端が開口している。成型時に冷媒噴出路からこの空間に冷媒が供給されることにより、この空間に露出している金属板材の段差部を冷媒によって冷却することができる。
このため、加熱された金属板材をプレス成型するにあたり、金属板材の段差部においても焼入れが施されるようになる。したがって、本発明によれば、金属板材の段差部も焼入れされて硬度が高くなる熱間プレス成型用の金型および熱間プレス成型装置を提供することができる。
本発明に係る金型を備えた熱間プレス成型装置の構成を示す正面図である。 熱間プレス成型装置の金型部分の構成を示す側面図である。 テーラードブランクの段差部を拡大して示す断面図である。 第1の実施の形態による下型の平面図である。 下型の上型側から見た斜視図である。 上型の下型側から見た斜視図である。 下型およびテーラードブランクの要部を拡大して示す断面図である。 下型の一部を破断して示す斜視図である。 下型の一部を破断して示す斜視図である。 本発明を検証した実験結果を示すグラフである。 第2の実施の形態による下型の斜視図である。 下型の成型面の一部を拡大して示す斜視図である。 下型の要部の噴出口の変形例を示す断面図である。 テーラードブランクの変形例を説明するための断面図である。 テーラードブランクの変形例を説明するための断面図である。 テーラードブランクの変形例を説明するための断面図である。 テーラードブランクの変形例を説明するための断面図である。 テーラーロールドブランクを使用する形態を説明するための断面図である。 テーラーロールドブランクを使用する形態を説明するための断面図である。 テーラーロールドブランクを使用する形態を説明するための断面図である。 パッチドブランクを使用する形態を説明するための断面図である。 従来の熱間プレス成型用金型および金属板材の一部の断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る金型および熱間プレス成型装置の一実施の形態を図1~図11を参照して詳細に説明する。
図1に示す熱間プレス成型装置11は、ホットスタンプ工法により金属板材12(図2参照)を成型するもので、一対の金型13,14を含む成型部15と、これらの金型13,14に複数の配管16~21を介して接続された冷却部22とによって構成されている。
以下において、この熱間プレス成型装置11の構成を説明するうえで方向を示すにあたっては、便宜上、図1の紙面の手前側を前側とし、図1の紙面の裏側を後側として説明する。また、図1に示す熱間プレス成型装置11を前側から見た状態で上側を熱間プレス成型装置11の上側、右側を熱間プレス成型装置11の右側として説明する。
一対の金型13,14は、下金型(以下、単に下型という)13と、上金型(以下、単に上型という)14である。下型13は、下型ホルダー23を介して成型部15の基台24に取付けられている。基台24には上下方向に延びる複数のガイドロッド25が立設されている。上型14は、上型ホルダー26に取付けられている。上型ホルダー26は、ガイドロッド25に上下方向へ移動自在に支持されている。また、上型ホルダー26は、図示していない加圧装置に接続されており、この加圧装置によって駆動されて上下方向に移動する。上型ホルダー26に取付けられた上型14は、この上型ホルダー26の昇降に伴って、図1に示す成型位置と、図2に示す退避位置との間で上下方向に移動する。
下型13と上型14は、図1に示すように、所定の形状の成型品31を成型するもので、上型14の凹部32内に下型13の突出部33が嵌合するように形成されている。成型品31は、金属板材12(図2参照)を材料として所定の形状に成型されている。
この実施の形態で使用する金属板材12は、図3に示すように、第1の金属板材からなる第1の板部34と、第1の金属板材より厚みが厚い第2の金属板材からなる第2の板部35とによって形成されている。この金属板材12は、テーラードブランク(tailor welded blank)と呼称されているものである。以下においては、第1および第2の板部34,35からなる金属板材12をテーラードブランク12Aとする。テーラードブランク12Aの第1の板部34と第2の板部35とは、端面どうしを互いに突き合わせた状態で溶接されている。この実施の形態においては、金属板材12の上面、すなわち成型時に上型14と接する面は、平坦に形成されている。この金属板材12の下面、すなわち成型時に下型13と接する面には、第1の板部34と第2の板部35との境界に位置する段差36が形成されている。この段差36は、第2の板部35の端面からなる第1の段差面37を有している。
第1の板部34の厚みは0.8mm以上であって2.9mm以下である。第2の板部35の厚みは0.8mmより大きく5.8mm以下である。第2の板部の厚みは第1の厚み以上であり、第1の板部34と第2の板部35の厚みの差は2.0mm以内、さらに好ましくは0.8mm以内に設定することが望ましい。
上型14の凹部32の表面には、図6に示すように、上型14の成型面44が形成されている。この成型面44は、上型14の前後方向において凹凸がない同一の形状に形成されている。
下型13は、図2に示すように、金属板材12の第1の板部34を成型する第1の成型面51と、金属板材12の第2の板部35を成型する第2の成型面52とを有している。第2の成型面52は、第1の成型面51より上型14の成型面44から離間して、第1の成型面51とともに段差53を形成している。この段差53は、図4に示すように、下型13を左右方向に横切るように形成されている。また、この段差53は、図7に示すように、金属板材12の厚み方向に立ち上がる第2の段差面54を含んでいる。図7は、下型13に金属板材12が載せられて成型位置に位置決めされた状態を示している。図7の破断位置は、図4中にVII-VII線で示した位置である。
第2の段差面54は、第1の板部34の厚みと第2の板部35の厚みとの差に相当する高さだけ第2の成型面52から金属板材12の厚み方向に立ち上がっており、金属板材12を下型13に位置決めしたときに第1の段差面37から所定の距離だけ前側に離れるように形成されている。このため、第1の段差面37と第2の段差面54との間に、第1の板部34と第2の成型面52とによって挟まれた金型逃がし用の空間Sが形成されている。以下においては、金型逃がし用の空間Sに露出する第1の板部34の一部を金属板材12の段差部12aという。
この金型逃がし用の空間Sの幅(第1の段差面37と第2の段差面54との間隔)は、金属板材12と下型13との公差より長くなるように形成されている。
このように金型逃がし用の空間Sが形成されていることにより、公差の範囲内で金属板材12の第1の段差面37が下型13の第2の段差面54に近づくようなことがあったとしても、これら第1の段差面37と第2の段差面54との間隔が0になることはない。このため、成型時に下型13の相対的に高い第1の成型面51が金属板材12の相対的に厚い第2の板部35と重なって成型不良を起こすことを防ぐことができる。
金型逃がし用の空間Sに露出する第2の成型面52、言い換えると、第2の成型面52の、第1の成型面51と前記第2の成型面52との段差53の近傍には、少なくとも一つの噴出口61と、少なくとも一つの吸入口62とがそれぞれ開口している。この実施の形態による噴出口61と吸入口62は、図4に示すように、第1の成型面51と第2の成型面52とによって形成される段差53に沿って並ぶ複数の位置にそれぞれ設けられている。この実施の形態による吸入口62と、噴出口61とは、左右方向および前後方向に互いに離間するように配設されている。また、噴出口61と吸入口62は、図7に示すように、第2の板部35より、第2の板部35の製造上の公差に予め定めた長さを加えた長さだけ離れた位置に配設されている。
下型13には、冷媒分配用の冷媒通路63と、この冷媒通路63に一端が接続された冷媒噴出路64とが設けられている。
噴出口61は、図8に示すように、噴出口61毎に形成された冷媒噴出路64の他端である。分配用の冷媒通路63は、下型13の下面に開口する冷媒入口65を有し、この冷媒入口65には、供給用の配管20(図1参照)の一端が接続されて後述する冷却部22から冷媒が供給される。図8は、図4中のVIII-VIII線で切断した下型13の斜視図である。冷媒噴出路64は、噴出口61から下型13内に直線的に延びている。冷媒噴出路64の他端が第2の成型面52の、段差53の近傍に噴出口61として開口している。
冷媒通路63は、冷媒入口65と前後方向の同一位置に設けられている分配部66と、この分配部66から前方に延びる複数の連通部67とによって構成されている。分配部66は、冷媒入口65から上下方向の複数箇所と、左右方向の複数箇所とに延びている。連通部67は、分配部の複数の先端部分にそれぞれ接続されている。冷媒噴出路64の一端は、これらの連通部67に接続されている。
また、下型13には、図9に示すように、冷媒を集めるための集合通路71と、この集合通路71に一端が接続された吸入路72とが設けられている。
吸入口62は、吸入口62毎に形成された吸入路72の他端である。集合通路71は、下型13の下面に開口する冷媒出口73を有し、この冷媒出口73には、吸入用の配管21(図1参照)の一端が接続されて、後述する冷却部22から負圧が伝播される。図9は、図4中のIX-IX線で切断した下型13の斜視図である。吸入路72は、吸入口62から下型13内に直線的に延びている。
集合通路71は、冷媒出口73から上方に延びる縦通路71aと、この縦通路71aの上端から左右方向に延びる横通路71bとによってT字状に形成されている。吸入路72は、この集合通路71の横通路71bに接続されている。
下型13に形成されているこれらの通路(冷媒通路63と、冷媒噴出路64と、集合通路71および吸入路72)は、詳細には図示してはいないが、それぞれ下型13にドリル加工を施して穿設された孔によって形成されている。冷媒通路63と集合通路71のドリル挿入口となる開口は、冷媒入口65と冷媒出口73とを除いて栓部材(図示せず)によって閉塞されている。この実施の形態においては、下型13が本発明でいう「冷媒が供給される金型」に相当する。
冷却部22は、図1に示すように、第1および第2の冷却装置81,82と、吸入装置83とを備えている。
第1の冷却装置81は、成型時に噴出口61から冷媒が噴出するように供給用の配管20に液状の冷媒を供給する。この液状の冷媒としては、水や、薬剤を含む冷却液などを用いることができる。この第1の冷却装置81は、冷媒を成型時に供給用の配管20に送る機能の他に、冷媒を所定の温度に冷却する機能を有している。この実施の形態においては、この第1の冷却装置81が本発明でいう「冷却装置」に相当する。
第2の冷却装置82は、図2に示すように、下型13内の熱交換用の通路84と送り側配管18および戻り側配管19とからなる下型13の循環流路85と、上型14内の熱交換用の通路86と送り側配管16および戻り側配管17とからなる上型14の循環流路87とにそれぞれ接続されている。下型13内の熱交換用の通路84は、図8および図9に示すように、冷媒供給用の通路(冷媒噴出路64および冷媒通路63)と吸入用の通路(吸入路72および集合通路71)とは上下方向および左右方向に離れた位置に形成されている。
この第2の冷却装置82は、下型13の循環流路85と上型14の循環流路87とにそれぞれ冷媒を通す機能と、この冷媒を所定の温度に冷却する機能とを有している。下型13の循環流路85に所定の温度の冷媒が流れることにより、下型13が冷媒によって冷却される。また、上型14の循環流路87に所定の温度の冷媒が流れることにより、上型14が冷媒によって冷却される。
吸入装置83は、下型13の吸入用の配管21から冷媒を吸入し、図示していない排液タンクに排出する。
このように構成された熱間プレス成型装置11を使用して金属板材12から成型品31を製造するためには、先ず、上型14を図2に示すように退避位置に位置付け、この上型14と下型13との間に所定の温度に加熱された金属板材12を挿入する。そして、図1に示すように、上型14を下げて上型14と下型13とによって金属板材12を成型する。このとき、下型13と上型14が冷媒によって冷却されているために、金属板材12が成型と同時に急速に冷却されて焼入れされる。また、この成型時には、第1の冷却装置81が供給用の配管20に冷媒を供給するために、下型13の噴出口61から冷媒が噴出する。この冷媒は、金型逃がし用の空間Sを満たし、金型逃がし用の空間Sに露出している金属板材12の段差部12aを冷却する。
その結果、加熱された金属板材12をプレス成型するにあたり、金属板材12の段差部12aにおいても焼入れが施されるようになる。したがって、この実施の形態によれば、金属板材12の段差部12aも焼入れされて硬度が高くなる熱間プレス成型用の金型および熱間プレス成型装置を提供することができる。
この実施の形態による一対の金型13,14を試作して実験を行ったところ、図10に示すような結果が得られた。この実験に使用した金属板材12の第1の板部34の厚みは1.2mmで、第2の板部35の厚みは1.6mmである。この第1の板部34における金型逃がし用空間Sに露出する部分の硬度を測定した。硬度の基準値は400Hvである。実験は2枚の金属板材12について行い、硬度の測定は、各々の金属板材12について、金型の左右方向に延びる金型逃がし用空間Sの長手方向の5箇所で行った。
この実験によれば、硬度が基準値を大きく上回るとともに、金属板材12毎に硬度が安定することが判る。
この実施の形態においては、噴出口61(冷媒噴出路64の他端の開口)の近傍に複数の吸入口62が開口している。このため、金型逃がし用の空間Sで第1の板部34に当たって戻った冷媒、すなわち温度が上昇した冷媒を吸入口62から吸い出すことができる。したがって、第1の板部34を常に低温な冷媒で冷却することができるから、冷却効率が高く、焼入れを十分に行うことができる。
この実施の形態による噴出口61と吸入口62は、第1の成型面51と第2の成型面52とによって形成された段差53に沿って並ぶ複数の位置にそれぞれ設けられている。このため、金型逃がし用の空間Sの全域に冷媒を供給することができるから、金属板材12の段差部12aの全域に焼入れを均等に施すことができ、品質が高い成型品31を成型することができる。
(第2の実施の形態)
下型13の第1の成型面51と第2の成型面52は図11~図13に示すように形成することができる。これらの図において、図1~図9によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図11に示す下型13の第1の成型面51と第2の成型面52とには、それぞれ多数の噴出口61と多数の吸入口62とが形成されている。図11に示す噴出口61と吸入口62は、下型の前後方向に所定の間隔をおいて離間する位置に互いに離間するように設けられており、第1の成型面51と第2の成型面52の全域に設けられている。なお、噴出口61と吸入口62は、このように第1の成型面51と第2の成型面52の全域に設ける他に、第1の成型面51と第2の成型面52の特に冷却性を高くする部位にのみ形成することができる。すなわち、噴出口61と吸入口62は、第1の成型面51と第2の成型面52の少なくとも一部に形成される。
これらの噴出口61は、図8に示した冷媒噴出路64と同等の冷媒噴出路(図示せず)の他端に形成されている。この冷媒噴出路は、下型13の前後方向において噴出口61の形成ピッチで前後方向に並ぶように設けられている。これらの冷媒噴出路は、図8に示した連通部67を前後方向に延長した形状の連通路(図示せず)に接続されている。また、これらの連通路は、図8に示した分配部66と同等の形状の分配通路(図示せず)によって、下型13の下面の二つの冷媒入口65に接続されている。二つの冷媒入口65は、それぞれ供給用の配管20によって第1の冷却装置81(図2参照)に接続されている。二つの冷媒入口65のうち、下型13の前側に位置する冷媒入口65は、下型13の前側の半部に設けられている多数の噴出口61に接続されている。下型13の後側に位置する冷媒入口65は、下型13の後側の半部に設けられている多数の噴出口61に接続されている。
複数の吸入口62は、図9に示した吸入路72と同等の吸入路(図示せず)の他端に形成されている。この吸入路は、下型13の前後方向において吸入口62の形成ピッチで前後方向に並ぶように設けられている。これらの吸入路は、下型13の前後方向に延びる複数の連通路に接続されている。これらの複数の連通路は、図9に示した集合通路71と同等の集合通路(図示せず)によって下型13の下面の冷媒出口73に接続されている。この冷媒出口73は、吸入用の配管21によって吸入装置83(図2参照)に接続されている。
図11に示す第1の成型面51と第2の成型面52は、拡大すると図12に示すように多数の凸部91によって形成されている。これらの凸部91は、円柱状または円錐台状に形成されている。この凸部91の円形の先端面が実質的に第1の成型面51や第2の成型面52として機能する。これらの凸部91どうしの間には、第1および第2の成型面51,52に沿う平面92が形成されている。この平面92は、成型時には金属板材12から離間する。このため、この下型13においては、成型時に金属板材12と平面92との間に隙間が形成される。この隙間には、成型時に噴出口61から冷媒が供給される。この冷媒は、金属板材12の下面に広く濡れ拡がるようになって金属板材12を冷却する。このように金属板材12の熱を奪って温度が上昇した冷媒は、吸入口62に吸い込まれて下型13内から排出される。
このため、金型逃がし用の空間Sに大量に供給された冷媒が滞ることなく金型逃がし用の空間Sから第1の成型面51側や第2の成型面52側に排出されるようになり、金型逃がし用の空間S内が常に低温の冷媒で満たされるようになって冷却の効率が向上する。一方、金型逃がし用の空間Sに供給される冷媒の量が周囲より少なくなった場合には、第1の成型面51側と第2の成型面52側とから金型逃がし用の空間Sに冷媒が補充されるようになり、金型逃がし用の空間Sに供給される冷媒の量を増やすことができる。
このように冷媒による冷却の効率が向上したり、冷媒の量が増えることにより、金属板材12の段差部12aの焼入れがより一層確実になる。
第1の成型面51と第2の成型面52にそれぞれ多数の凸部91が形成される場合は、図13に示すように、噴出口61に連なる冷媒噴出路64にそれぞれノズル101を設けることができる。図13は、金型逃がし用の空間Sに開口する冷媒噴出路64にノズル101を取付ける例を示している。しかし、ノズル101は、下型13の全ての冷媒噴出路64に取付けることができる。
図13に示す冷媒噴出路64の噴出口61を含む下流部(他端側)は、ねじ孔102によって形成されている。
ノズル101は、冷媒が噴出する噴出通路103を有し、ねじ孔102に螺着されている。噴出通路103は、三つの機能部を有している。第1の機能部は、噴出通路103の上流側端部を構成するテーパー部104である。テーパー部104は、ノズル101の上流端に位置する開口105から下流側に向かうにしたがって孔径が次第に小さくなるテーパー状に形成されている。ノズル101の上流端の開口105は、ねじ孔102と連なる冷媒噴出路64の内径より大きい。
第2の機能部は、ノズル101の軸線方向の中央部に位置する通路孔106である。通路孔106は、テーパー部104の下流端と、後述する第3の機能部となる6角穴107とを接続している。通路孔106の孔形状は円形である。通路孔106の孔径は、上流端から下流端まで一定である。この孔径は、ノズル101を通過する冷媒の量と関連している。通路孔106の孔径が大きくなればノズル101を通過する冷媒の量が増える。一方、通路孔106の孔径が小さくなれば、ノズル101を通過する冷媒の量が減少する。
通路孔106の長さは、冷媒の流れる方向を整える作用を得るために、ある程度の長さが必要である。この実施の形態による通路孔106の長さは、孔径と同等の長さである。なお、通路孔106の長さは、孔径より長くてもよい。この実施の形態による通路孔106の長さは、テーパー部104の軸線方向の長さより短い。
この実施の形態を採る場合は、通路孔106の孔径が異なる複数種類のノズル101が予め形成される。これらのノズル101は、冷媒噴出路64から噴出する冷媒の量が目標量となるような孔径のものが選択され、冷媒噴出路64に取付けられる。
第3の機能部は、噴出通路103の下流側の開口となる6角穴107である。この6角穴107は、6角レンチ(図示せず)が嵌合する形状に形成されている。ノズル101をねじ孔102にねじ込む作業や、ノズル101をねじ孔102から外す作業は、この6角穴107に嵌合した6角レンチを回すことによって行われる。
この実施の形態によれば、金型逃がし用の空間Sに冷媒を噴出する噴出口61に冷媒の流量が相対的に多くなるノズル101を取付けることにより、金属板材12の段差部12aをより一層効率よく冷却することが可能になる。
(第3の実施の形態)
本発明に係る金型は、図14~図17に示すような金属板材を成型することができる。図14~図17において、図1~図13によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図14~図17に示す金属板材12は、第1の板部34と第2の板部35との間に第3の板部111を有するテーラードブランク12Bである。
第3の板部111は、第1の板部34を構成する第1の金属板材と、第2の板部35を構成する第2の金属板材との間に溶接された第3の金属板材によって構成されている。第3の板部111の一端は、第1の板部34に突き合わせた状態で溶接され、第3の板部111の他端は、第2の板部35に突き合わせた状態で溶接されている。
図14~図17に示すテーラードブランク12Bを下型13に重ねることにより生じる金型逃がし空間Sは、第1の板部34および第3の板部111と第2の成型面52とによって挟まれて形成されている。
図14に示す第3の板部111は、一端から他端まで厚みが一定で、第1の板部34より薄く形成されている。
図15に示す第3の板部111は、一端から他端まで厚みが一定で、第1の板部34より厚くかつ第2の板部35より薄く形成されている。
図16に示す第3の板部111は、第1の板部34に溶接される一端が第1の板部34より薄く、第2の板部35に溶接される他端が第2の板部35より僅かに薄くなるように形成されているとともに、厚みが一端から他端まで漸次増大するように形成されている。
図17に示す第3の板部111は、第1の板部34に溶接される一端の厚みが第1の板部34と同等で、第2の板部35に溶接される他端の厚みが第1の板部34より薄くなるように形成されているとともに、厚みが一端から他端まで漸次減少するように形成されている。
(第4の実施の形態)
本発明に係る金型は、図18(A),(B)~図20(A),(B)に示すような金属板材を成型することができる。図18(A),(B)~図20(A),(B)において、図1~図13によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図18~図20に示す金属板材12は、テーラーロールドブランク(tailor rolled blank)と呼称されているもので、第1の板部34と、第1の板部34より厚みが厚い第2の板部35とが一体に形成されている。図18(A),(B)~図20(A),(B)においては、テーラーロールドブランクを符号12Cで示す。図18(A)、図19(A)、図20(A)は、テーラーロールドブランク12Cの厚みが変わる段差部の断面図、図18(B)、図19(B)、図20(B)は、テーラーロールドブランク12Cが下型13と上型14とに挟まれている状態を示す断面図である。
図18(A)に示すテーラーロールドブランク12Cは、第1の板部34と第2の板部35との境界となる部分に厚みが漸次変化する段差部112を有している。図18(A)に示すテーラーロールドブランク12Cを下型13に重ねることにより生じる金型逃がし空間Sは、図18(B)に示すように、第1の板部34および段差部112と第2の成型面52とによって挟まれて形成される。
図19(A)に示すテーラーロールドブランク12Cは、第1の板部34と第2の板部35との間に厚みが第1の板部34より薄くなる第3の板部113を有している。すなわち、第1の板部34と第2の板部35との間の段差部112に、厚みが部分的に薄くなる第3の板部113が形成されている。
図19(A)に示すテーラーロールドブランク12Cを下型13に重ねることにより生じる金型逃がし空間Sは、図19(B)に示すように、第3の板部113を含む段差部112と第2の成型面52とによって挟まれて形成される。
図20(A)に示すテーラーロールドブランク12Cは、第2の板部35の両側に第1の板部34を有している。第2の板部35と第1の板部34との境界となる部分には、厚みが漸次変化する段差部112が形成されている。図20(A)に示すテーラーロールドブランク12Cを成型する下型13には、第2の成型面52の両側に第1の成型面51が設けられている。この場合、金型逃がし空間Sは、図20(B)に示すように、第2の板部35の両側に位置する第1の板部34および段差部112と、第2の成型面52とによって挟まれて形成される。
(第5の実施の形態)
本発明に係る金型は、図21(A),(B)に示すような金属板材を成型することができる。図21(A),(B)において、図1~図13によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図21に示す金属板材12は、パッチドブランク(Patchd blank)と呼称されているもので、1枚の金属板材のみによって形成された第1の板部34と、2枚の金属板材によって形成された第2の板部35とを有している。図21(A),(B)においては、パッチドブランクを符号12Dで示す。
第2の板部35は、第1の板部34を構成する第1の金属板材34aに、この第1の金属板材34aとは異なる第2の金属板材35aを重ねて溶接することによって構成されている。図21(A)に示す第1の金属板材34aと第2の金属板材35aは、厚みが同等のものである。しかし、本発明に係る金型においては、図示してはいないが、厚みの異なる2枚の金属板材によって形成されたパッチドブランク12Dを使用することができる。
パッチドブランク12Dを下型13に重ねることにより生じる金型逃がし空間Sは、図21(B)に示すように、第1の板部34と第2の成型面52とによって挟まれて形成される。
上述した各実施の形態においては下型13に噴出口61を形成する例を示した。しかし、本発明は、このような限定にとらわれることはない。金属板材12の上面に段差36が形成される場合は、上型14に噴出口61が形成される。また、金属板材12の上面と下面とにそれぞれ段差36が形成される場合には、上型14と下型13とにそれぞれ噴出口61が形成される。
さらに、上述した実施の形態においては、複数の吸入口62が設けられている例を示した。しかし、吸入口62は設けなくてもよいし、金型逃がし用の空間Sと対応する位置に一つだけ設けてもよい。
上述した実施の形態においては、金属板材12の段差36が下型13側に形成されている場合の一例を示した。しかし、本発明は、このような限定にとらわれることはなく、金属板材12の段差36が上型14側に形成されている場合であっても実施可能である。この場合は、上型14と金属板材12との間に金型逃がし用の空間Sが形成されるように、上型14に段差53が形成されるとともに、噴出口61と吸入口62とが形成される。
また、上述した実施の形態においては成型品31の断面形状がいわゆるハット状である場合の例を示した。しかし、本発明は、このような限定にとらわれることはなく、その他の形状の成型品を成型する金型であっても適用可能である。
11…熱間プレス成型装置、12…金属板材、12A,12B…テーラードブランク、12C…テーラーロールドブランク、12D…パッチドブランク、13…下金型、14…上金型、51…第1の成型面、52…第2の成型面、53…段差、61…噴出口、62…吸入口、63…冷媒通路、64…冷媒噴出路、81…第1の冷却装置(冷却装置)、83…吸入装置、91…凸部、111,113…第3の板部。

Claims (12)

  1. 第1の板部と、板部段差を介し前記第1の板部より厚みが厚い第2の板部とを含むブランクを加熱された状態でプレス成型する金型であって、
    冷媒が流れる冷媒通路と、
    一端が前記冷媒通路と接続し、他端が前記金型の成型面に開口する少なくとも一つの冷媒噴出路と、
    前記第1の板部を成型する第1の成型面と、
    前記第1の成型面とともに金型段差を形成し、前記第2の板部を成型する第2の成型面と
    を備え、
    前記少なくとも一つの冷媒噴出路の他端(噴出口)は、前記板部段差と、これに連続する第1の板部、該第1の板部に対峙する前記第2の成型面、この第2の成型面に連続し前記板部段差と対峙する金型段差とに囲まれる冷却空間に臨み、前記金型段差側の第2の成型面に開口し、
    前記冷媒噴出路からの冷媒を吸入する吸入口を、前記第2の板部側の前記第2の成型面に開口し、前記冷媒を前記冷媒噴出路から噴出し、前記金型段差で堰き止め、前記第1の板部に沿って流動し、前記板部段差に当てて排出することを特徴とする金型。
  2. 請求項1記載の金型において、
    前記冷媒噴出路の前記他端の開口と、前記吸入口は、前記段差に沿って並ぶ複数の位置に千鳥状にそれぞれ設けられていることを特徴とする金型。
  3. 請求項1または請求項2に記載の金型において、
    前記下型の前記第2の成型面の少なくとも一部は、多数の凸部によって形成され、
    前記下型の前記第2の成型面の、前記多数の凸部を有する部分には、前記冷却空間に連通する吸入口が形成されていることを特徴とする金型。
  4. 請求項3記載の金型において、
    前記下型の前記第2の成型面の少なくとも一部は、多数の凸部によって形成され、
    前記第2の成型面の、前記多数の凸部を有する部分には、前記冷却空間に連通する噴出口および吸入口が形成されていることを特徴とする金型。
  5. 請求項4記載の金型において、
    前記下型の前記第1の成型面の少なくとも一部は、多数の凸部によって形成され、
    前記第1の成型面の、前記多数の凸部を有する部分には、前記冷却空間に連通する噴出口または吸入口が形成されていることを特徴とする金型。
  6. 請求項1記載の金型において、
    前記第1、2の板部は第1、2の金属板材から構成され、互いに突き合わせた状態で溶接して形成されたテーラードブランクであることを特徴とする金型。
  7. 請求項4記載の金型において、
    前記テーラードブランクは、前記第1の金属板材と前記第2の金属板材との間に溶接された第3の金属板材からなる第3の板部を有し、
    前記空間は、前記第1の板部および前記第3の板部と前記第2の成型面とによって挟まれて形成されていることを特徴とする金型。
  8. 請求項1記載の金型において、
    前記第1の板部と、前記第1の板部より厚みが厚い第2の板部とが一体に形成された金属板材であるテーラーロールドブランクを加熱された状態でプレス成型する金型。
  9. 請求項1記載の金型において
    前記第1の板部と、重ねて溶接してなる第2の板部とを有するパッチドブランクを加熱された状態でプレス成型する金型。
  10. 請求項1記載の金型において
    前記金型は、金属板材のブランクを加熱された状態でプレス成型して断面形状がハット状の長尺部材を形成し、急冷する熱間プレス成型する金型であって、
    前記長尺部材は、ハット状の断面の突出側(外面)を同一の金属板材で平坦に形成、裏面側(内面)はハット状の断面を横切る方向に他の金属板材を重ねて形成される段差部または1の金属板材の板厚を変化させて形成される傾斜部を境に長手方向の一方の厚板部の第2の板部と他方の薄板部の第1の板部とから構成されていることを特徴とする金型。
  11. 請求項1記載の金型において、
    前記冷媒噴出路の開口の近傍に、冷媒が吸入される少なくとも一つの吸入口が開口していることを特徴とする金型。
  12. 請求項11記載の金型において、
    前記冷媒噴出路の前記他端の開口と、前記吸入口は、前記段差部または傾斜部に沿って並ぶ複数の位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする金型。
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