JP7101344B2 - 液体吐出ヘッド組立装置および液体吐出ヘッド組立方法 - Google Patents
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Description
図1は、液体吐出ヘッド1の概略断面図である。
液体吐出ヘッド1は、ノズル板2と、アクチュエータ部材としてのアクチュエータ基板11と、保護基板8とを積層している。アクチュエータ基板11は、液室基板3と、アクチュエータ7とで構成されており、アクチュエータ7は、振動板4、圧電素子5、引き出し配線6などで構成されている。
なお、以下の説明では、鉛直方向をZ軸方向、図中左右方向を、X軸方向、紙面と直交する方向をY軸方向として説明する。
液体吐出ヘッド組立装置たる接合装置100は、液体吐出ヘッド1が載置されるヘッド載置台114、FPC10が載置されるFPC載置台110を有している。FPC載置台110には、FPC10を吸引してFPC載置台110の載置面に密着させる吸引手段が設けられている。また、FPC載置台110は、FPC載置台110のX軸方向の位置と、Y軸方向の位置とを微調整するための微調整ステージ112に設けられている。そして、微調整ステージ112と、ヘッド載置台114は、ステージ支持部材107に固定されており、ステージ支持部材107は、X軸移動機構113にX軸方向に移動可能に支持されている。
まず、ヘッド載置台114の規定の位置に液体吐出ヘッド1をセットし、FPC載置台110の規定の位置にFPC10をセットする。次に、モニタ109に写されたカメラ108の撮影映像を見ながら、接合位置の位置合わせを行う。具体的には、アクチュエータ基板11に設けられたアライメントマークと、FPC10に設けられたアライメントマークをモニタ109で認識しながら、微調整ステージ112によりFPC載置台110をX軸方向、Y軸方向に移動させ、FPC10の位置の微調整を行うことで、接合位置を合わせる。
図4は、接合装置100の要部拡大断面図である。
図4に示すように、熱圧着部材117により電極9とFPC10との接合を行なうとき、制御部200は、吸引装置115を駆動して、チャンバー室118内の空気を吸引し、チャンバー室118を負圧にする。これにより、図4の矢印に示すように、インク供給路8aのインクが供給されるための開口から空気が取り込まれ、取り込まれた空気がノズル2aから流入孔116へ流れる。このように、引き出し配線の電極9とFPC10との接合時に、ノズル2aに空気を流すことで、接合時の熱で揮発した撥水膜の成分が、ノズル内に進入するのを抑制することができ、撥水膜の成分がノズル内周面やインク流路12などに付着するのを抑制することができる。
図5は、変形例1の接合装置を示す要部拡大断面図である。
図5に示す変形例1は、送風装置120を設け、送風装置120により空気をインク供給路8aに送り込むことで、ノズル2aに空気を流すようにしたものである。この変形例1の構成でも、撥水膜の揮発成分などの異物がノズル内に進入するのを抑制でき、かつ、圧電素子5や、ノズル2a周辺の温度上昇を抑制することができる。また、この変形例1においても、冷却媒体たる空気が流れる流路に温度センサを設け、温度センサ201に基づいて、送風装置120を制御してインク流路12に流す流量を制御することでインク流路12に流す空気の温度を適切にコントロールするのが好ましい。これにより、圧電素子5や、ノズル2a周辺の温度上昇を抑制でき、かつ、接合箇所の温度低下を抑制することができる。
図6は、変形例2の接合装置を示す要部拡大断面図である。
この変形例2の接合装置は、ワイヤボンディングによって電極9とFPC10とを接合するものである。
この変形例2の接合装置は、内部にヒータ130aを備えたヒートステージ130を有しており、液体吐出ヘッド1の電極9および電極9よりも端部側が、このヒートステージ130に載置されている。そして、このヒートステージ130によって電極9および液体吐出ヘッド1の端部に設けられたFPC10の一端とを加熱しながらワイヤ131の一端を電極9に接合し他端をFPC10に接合することで、ワイヤ131を介して電極9とFPC10とを接合する。
図7は、変形例3の接合装置を示す要部拡大断面図であり、図8は、変形例3の接合装置のヘッド載置台114と、FPC載置台110とを示す平面図である。
この変形例3は、ヘッド載置台114に液体吐出ヘッド1を吸引する吸引孔141を設けたものである。吸引孔141は、ノズル2aとFPC10との接合部である電極9との間の部分と対向するヘッド載置台114のエリアに設けられている。吸引孔141は、流入孔116の並び方向(図中上下方向)に延びる長孔形状である。吸引孔141から空気を吸引する吸引装置は、インク流路12に空気を流すための吸引装置115とは、別でもよいし、吸引孔141を、連通路119またはチャンバー室118に接続して、インク流路12に空気を流すための吸引装置115を用いてもよい。
図9は、変形例4の接合装置を示す要部拡大断面図である。
この変形例4の接合装置は、接合時に冷却液を流して、ノズル内の異物進入と、インク流路周辺の温度上昇とを抑制するものである。
この変形例4の接合装置には、送液ポンプ151、ラジエータ153、リザーブタンク152、冷却液を通す管路であるチューブ155、ラジエータ153の放熱効率を高めるためのファン154などで構成された液冷装置150を有している。
(態様1)
部材間の接合(本実施形態では、電極9とFPC10との接合)を行なって液体吐出ヘッドを組み立てる接合装置100などの液体吐出ヘッド組立装置において、液体吐出ヘッド1のノズル2aなどの液体吐出孔に流体(本実施形態では、空気または冷却液)を流しながら、部材間の接合を行なう。
態様1は、液体吐出孔に流体を流すことで、部材間の接合時に液体吐出孔内に異物が付着するのを抑制することができる。
また、液体吐出孔に流体を流すことで、液体吐出ヘッド1の液体流路たるインク流路12にも空気などの流体が流れ、この流体の流れにより液体吐出ヘッド1の液体流路周辺の温度上昇を抑制することができる。これにより、液体流路近傍に配置された圧電素子5などの部材の接合時の熱によるダメージを抑制することができる。
態様1において、液体吐出ヘッド1が載置されるヘッド載置台114などの載置台を備え、載置台のノズル2aなどの液体吐出孔と対向するエリアに流体が流れる流入孔116などの孔部を有する。
これによれば、実施形態で説明したように、ノズル2aなどの液体吐出孔から流入孔116などの孔部へ流体を流すことができ、良好に液体吐出孔に流体を流すことができる。
態様2において、流入孔116などの孔部から流体を吸引する。
これによれば、実施形態で説明したように、流入孔116などの孔部から流体を吸引することで、ノズル2aなどの液体吐出孔に流体を流すことができる。
態様2または3において、液体吐出ヘッドの電極9とFPC10との接合部などの部材間の接合部とノズル2aなどの液体吐出孔との間の部分に対向する載置台のエリアに液体吐出ヘッド1を吸引する吸引孔141を設けた。
これによれば、変形例3で説明したように、液体吐出ヘッド1をヘッド載置台114などの載置台に吸着固定することができ、接合時に液体吐出ヘッド1の位置がずれてしまうのを抑制することができる。また、吸引孔141を接合部とノズル2aとの間に設けることで、接合時に載置台に伝導した熱が載置台のノズル2aなどの液体吐出孔周辺に対向するエリアへ移動するのを抑制することができる。これにより、液体吐出孔周辺の温度上昇を抑制することができ、液体吐出孔周辺の撥水膜の成分が揮発するのを抑制することができる。また、接合時に載置台に伝導した熱の移動が抑制されることで、載置台の接合部と対向する領域の温度低下を抑制することができ、良好に部材間の接合を行なうことができる。
態様4において、吸引孔141は、長孔形状である。
これによれば、変形例3を用いて説明したように、吸引孔141により、載置台を液体吐出孔側と接合部側とに分断することができ、接合時に載置台に伝導した熱が、載置台の液体吐出孔側へ移動するのを良好に抑制することができる。
態様4または5において、吸引孔141は、接合部と対向するエリアには及ばない。
これによれば、変形例3で説明したように、接合部に均一に圧力をかけることができ、良好に部材同士を接合することができる。
態様1乃至6いずれかにおいて、ノズル2aなどの液体吐出孔に通じる液体吐出ヘッド1の液体流路などのインク流路(本実施形態では、加圧液室3aやインク供給路8aにより構成)に流体を流し込む。
これによれば、変形例1で説明したように、液体流路などのインク流路に流し込まれた流体が、液体流路を経てノズル2aなどの液体吐出孔に流すことができる。
態様1乃至7いずれかにおいて、流体の温度を制御する制御部200などの温度制御手段を備える。
これによれば、実施形態で説明したように、インク流路などの液体流路周辺の温度上昇を抑制することができ、液体流路近傍に設けられた圧電素子5などの部材の接合時の熱によるダメージを抑制することができる。また、冷やしすぎによる接合部の温度低下は抑制することができる。
態様1乃至8いずれかにおいて、流体の流量を制御する制御部200などの流量制御手段を備える。
これによれば、適切な流体の流量をコントロールすることができ、インク流路周辺の温度上昇を抑制することができ、かつ、冷やしすぎによる接合部の温度低下は抑制することができる。
態様1乃至9いずれかにおいて、流体が、液体または気体である。
これによれば、良好に流体をノズル2aなどの液体吐出孔に流すことができる。
部材間の接合を行なう工程を有する液体吐出ヘッド組立方法において、液体吐出ヘッドの液体吐出孔に流体を流しながら、部材間の接合をおこなう。
これによれば、実施形態で説明したように、液体吐出孔に流体を流すことで、部材間の接合時に液体吐出孔内にノズル面の撥水膜の揮発成分などの異物が付着するのを抑制することができる。
また、液体吐出孔に流体を流すことで、液体吐出ヘッド1の液体流路たるインク流路12にも空気などの流体が流れ、流体の流れにより液体吐出ヘッド1の液体流路周辺の温度上昇を抑制することができる。これにより、液体流路近傍に配置された圧電素子5などの部材の接合時の熱によるダメージを抑制することができる。
2 :ノズル板
2a :ノズル
3 :液室基板
3a :加圧液室
4 :振動板
5 :圧電素子
6 :引き出し配線
7 :アクチュエータ
8 :保護基板
8a :インク供給路
8b :圧電素子保護空間
9 :電極
10 :FPC
11 :アクチュエータ基板
12 :インク流路
100 :接合装置
101 :支柱
102 :Z軸移動機構
103 :圧着支持部材
104 :ヒータ
105 :緩衝材送り機構
105a :供給リール
105b :巻き取りリール
106 :緩衝材
107 :ステージ支持部材
108 :カメラ
109 :モニタ
110 :FPC載置台
112 :微調整ステージ
113 :X軸移動機構
114 :ヘッド載置台
115 :吸引装置
116 :流入孔
117 :熱圧着部材
118 :チャンバー室
119 :連通路
120 :送付装置
130 :ヒートステージ
130a :ヒータ
131 :ワイヤ
141 :吸引孔
150 :液冷装置
151 :送液ポンプ
152 :リザーブタンク
153 :ラジエータ
154 :ファン
155 :チューブ
156 :温度センサ
200 :制御部
201 :温度センサ
Claims (10)
- 部材間の接合を行なって液体吐出ヘッドを組み立てる液体吐出ヘッド組立装置において、
前記液体吐出ヘッドが載置される載置台を備え、
前記載置台の前記液体吐出ヘッドの液体吐出孔と対向するエリアに流体が流れる孔部を有し、
前記液体吐出孔に前記流体を流しながら、部材間の接合を行なうことを特徴とする液体吐出ヘッド組立装置。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッド組立装置において、
前記孔部から前記流体を吸引することを特徴とする液体吐出ヘッド組立装置。 - 請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド組立装置において、
前記液体吐出ヘッドの部材間の接合部と前記液体吐出孔との間の部分に対向する前記載置台のエリアに前記液体吐出ヘッドを吸引する吸引孔を設けたことを特徴とする液体吐出ヘッド組立装置。 - 請求項3に記載の液体吐出ヘッド組立装置において、
前記吸引孔は、長孔形状であることを特徴とする液体吐出ヘッド組立装置。 - 請求項3または4に記載の液体吐出ヘッド組立装置において、
前記吸引孔は、前記接合部と対向するエリアには及ばないことを特徴とする液体吐出ヘッド組立装置。 - 請求項1乃至5いずれか一項に記載の液体吐出ヘッド組立装置において、
前記液体吐出孔に通じる液体吐出ヘッドの液体流路に前記流体を流し込むことを特徴とする液体吐出ヘッド組立装置。 - 請求項1乃至6いずれか一項に記載の液体吐出ヘッド組立装置において、
前記流体の温度を制御する温度制御手段を備えることを特徴とする液体吐出ヘッド組立装置。 - 請求項1乃至7いずれか一項に記載の液体吐出ヘッド組立装置において、
前記流体の流量を制御する流量制御手段を備えることを特徴とする液体吐出ヘッド組立装置。 - 請求項1乃至8いずれか一項に記載の液体吐出ヘッド組立装置において、
前記流体が、液体または気体であることを特徴とする液体吐出ヘッド組立装置。 - 部材間の接合を行なう工程を有する液体吐出ヘッド組立方法において、
液体吐出ヘッドが載置される載置台の前記液体吐出ヘッドの液体吐出孔と対向するエリアに流体が流れる孔部を設け、
前記液体吐出孔に前記流体を流しながら、部材間の接合をおこなうことを特徴とする液体吐出ヘッド組立方法。
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