JP7100432B2 - 光伝送装置および光伝送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光伝送装置および光伝送方法に関する。
光通信における多値振幅変調は、複数ビットの情報を一つのシンボルで伝達するために光の強度を、3つ以上のレベルで変調する変調方法である。多値振幅変調によれば、光伝送を高速化できる(例えば、引用文献1及び2参照)。光通信における多値振幅変調は、半導体レーザの直接変調、EA(electro-absorption)変調器による外部変調、およびMZ(Mach-Zehnder)変調器による外部変調の何れかによって実行される(例えば、引用文献2参照)。
ところで、MZ変調器による多値振幅変調に、予等化を適用する技術が報告されている(例えば、引用文献2参照)。上記報告には、予等化は、EA変調器による外部変調および半導体レーザの直接変調には適用されないと記載されている。なお予等化は、MZ光変調器に印加する電気信号を調整して、群遅延時間差による光信号の波形変形を抑制する技術である。
米国特許出願公開第2015/0071651号明細書 特開2016-139976号公報
半導体レーザの直接変調で消費される電力は、EA変調器による外部変調で消費される電力より小さい。更に、半導体レーザの直接変調により得られる光信号のパワーは、EA変調器による外部変調で得られる光信号のパワーよい大きい。これらの点では、半導体レーザの直接変調は、EA変調器による外部変調より優れている。MZ変調器による外部変調に対しても同様である。
一方、半導体レーザの直接変調により得られる光信号の波長は、光信号の光強度(すなわち、光パワー)に応じて変動する。この波長変動は、光の多値信号(以下、光多値信号と呼ぶ)の伝送に好ましくない影響を及ぼす。
分散媒質である光伝送路(例えば、光ファイバ)を介して光信号を伝送すると、光信号が光伝送路に入射してから出射するまでの時間(以下、到達時間と呼ぶ)は、光信号の波長に応じて変化する。
直接変調により得られる光多値信号の値が変化すると、光多値信号の値(すなわち、光強度)の変化に応じて波長も変化する。従って、直接変調により得られる光多値信号の到達時間は、光多値信号の値に応じて変動する。その結果、光多値信号のシンボル間の間隔が変動して、光多値信号の復調に誤りが生じる。
すなわち、直接変調により得られる光多値信号には、光伝送路における到達時間の差(すなわち、群遅延時間差)により受信品質が劣化するという問題がある。そこで本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
上記の問題を解決するために、一つの実施の形態では、光伝送装置は、入力信号に応じた強度の光信号を送信するように構成された光伝送装置であって、前記入力信号が有する値に応じた強度を付加する変調マッピング部と、前記変調マッピング部から並列に出力された複数の信号に、遅延を与える複数のスキュー部と、前記遅延が与えられた前記複数の信号を和算して和信号を発生する和算部と、前記和信号を、光強度が前記和信号の強度に応じて変調され前記光強度に応じて波長が変動する前記光信号に変換して送信する電気光変換部と、前記複数のスキュー部に、前記遅延の量である遅延量を与えるスキュー制御部とを有する。
一つの側面では、本発明によれば、光強度に応じて波長が変動する光多値信号に生じる群遅延時間差による受信品質の劣化を抑制することができる。
図1は、実施の形態1の光伝送装置2の構成を示す図である。 図2は、光伝送装置2における信号の流れを示す図である。 図3は、デジタル信号14、複数の信号16、および和信号20夫々の一例を示す表である。 図4は、光信号22の波長変動の一例を示す図である。 図5は、光信号22の光パルス列33に、光伝送路30が与える影響を示す図である。 図6は、光信号22の波長が光伝送路30の異常分散領域(正分散領域)内にある場合に、光伝送路30が光パルス列33に与える影響の一例を示す図である。 図7は、実施の形態1の光伝送装置2のハードウエア構成の一例を示す図である。 図8は、図7における信号の流れの一例を示す図である。 図9は、各乗算回路に与えられる重み付け係数の一例を示す図である。 図10は、電気光変換回路44のハードウエア構成の一例を示す図である。 図11は、IEEE 802.3bsで検討されているPAM4の規格に規定された8つのレーンL0~L7夫々の中心波長を示す図である。 図12は、光多値信号のアイパターンである。 図13は、分散補償器62により群遅延時間差(すなわち、到達時間差)を抑制するシステムの一例である。 図14は、DSP72を有する光伝送装置2のハードウエア構成の一例を示す図である。 図15は、実施の形態2の光伝送装置202が適用されたシステム264の一例を示す図である。 図16は、図15における信号の流れを示す図である。 図17は、実施の形態2の光伝送装置202のハードウエア構成の一例を示す図である。 図18は、図17における信号の流れを示す図である。 図19は、光伝送装置202と光受信機76とが協働して実行する処理の流れを示すシーケンス図である。 図20は、監視部90が実行する監視プログラムのフローチャートである。 図21は、監視部90が実行する監視プログラムのフローチャートである。 図22は、光伝送装置202が実行する処理の流れを示す図である。 図23は、光伝送装置202が実行する処理の流れを示す図である。 図24は、制御回線78が光伝送路230であるシステム1264の一例を示す図である。 図25は、図24における信号の流れを示す図である。 図26は、実施の形態3の光伝送装置302のハードウエア構成の一例を示す図である。 図27は、図26における信号の流れを示す図である。 図28は、不揮発性メモリ318に記録されるルックアップテーブル142の一例を示す図である。 図29は、光伝送装置302と光受信機76とが協働して実行する処理の流れを示すシーケンス図である。 図30は、光受信機76が実行する処理の流れの一例を示す図である。 図31は、光受信機76が実行する処理の流れの一例を示す図である。 図32は、光伝送装置302が実行する処理の流れを示す図である。 図33は、光伝送装置302が実行する処理の流れを示す図である。 図34は、実施の形態4の光伝送装置402が適用されたシステム464の一例を示す図である。 図35は、実施の形態4のシステム464のハードウエア構成の一例を示す図である。 図36は、光伝送装置402が実行する処理の流れを示す図である。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。図面が異なっても同じ構造を有する部分等には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
(1)構成および動作
図1は、実施の形態1の光伝送装置2の構成を示す図である。図2は、光伝送装置2における信号の流れを示す図である。
光伝送装置2は、n値信号(nは3以上の整数)である多値信号を送信するように構成された装置である。光伝送装置2が送信する多値信号は、デジタル信号14に応じた強度を有する光信号である。デジタル信号14は例えば、外部の通信機器(図示せず)から光伝送装置2に入力される信号(以下、入力信号94と呼ぶ)である。
図1に示すように、光伝送装置2は、変調マッピング部4、複数のスキュー部6、和算部8、電気光変換部10、およびスキュー制御部12を有する。
変調マッピング部4は、複数の信号16(図2参照)のうちの一つであってデジタル信号14が有する値(例えば、3)に対応する信号(例えば、b11)に、デジタル信号14が有する値に応じた強度(すなわち、振幅)を付加する。
変調マッピング部4は例えば、複数の信号16のうちの一つの信号のみにゼロより大きい強度を与えるPAMマッパー(pulse amplitude modulation mapper)である。複数の信号16は例えば、0以上n-1以下の複数の整数(例えば、0~3)に1対1で対応する信号である。デジタル信号14は例えば、複数の2値信号である。デジタル信号14は例えば、通信機器が複数のレーンで送信する電気信号である。
デジタル信号14は、例えばOIF(The Optical Internet Forum)やIEEE(Institute Of Electrical and Electronics Engineers)といった業界団体や学会の規格に準拠した電気信号である。デジタル信号14は、国際電気通信標準化部門ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standarization Sector)G.709で定義されるOptical Transport Network(OTN)の標準規格に準拠した電気信号であってもよい。これらの電気信号は今日では2値信号であるが、将来的には4値信号の適用がOIF CEI-56G-VSR等で予定されている。
複数のスキュー部6は、変調マッピング部4から並列に出力された複数の信号16夫々に遅延を与える。複数の信号16は、デジタル信号14が有する値に応じた強度が付加された信号を含む。
和算部8は、夫々に遅延が与えられた複数の信号16を和算(すなわち、積算)して和信号20を発生する。
電気光変換部10は、和信号20を、光強度が和信号20の強度に応じて変調された光信号22に変換して送信する。光信号22の波長は、光強度に応じて変動する。光信号22は、光の多値信号(以下、光多値信号と呼ぶ)である。
スキュー制御部12は、複数のスキュー部6夫々に、上記遅延の量である遅延量を与える。
図3は、デジタル信号14、複数の信号16、および和信号20夫々の一例を示す表である。図3に示すデジタル信号14は、2つのNRZ(non return to zero)信号である。
図3の1列目には、2つのNRZ信号の一方であるNRZ-1信号の値が示されている。2列目には、2つのNRZ信号の他方であるNRZ-2信号の値が示されている。1~2列目の数字(例えば、0b)の最後に付けられた「b」は、数字が2進数であることを示している。
NRZ-1信号は、デジタル信号14のMSB(most significant bit)を示している。NRZ-2信号は、デジタル信号14のLSB(LEAST SIGNIFICANT BIT)を示している。
第3~6列目には、変調マッピング部4が並行して出力する複数の信号16の強度が示されている。第7列目には、和算部8が発生する和信号20の強度が示されている。Vは、一定の電圧(例えば、0.5V)を表している。図3の3~7行目の値は、電圧である。
複数の信号16は例えば、複数のビット(例えば、2ビット)の2進数が示す複数の整数(例えば、00b~11b)に1対1で対応している。図2~3に示す例では、複数の信号16のうちの第1信号b00は00bに対応している。同様に、複数の信号16のうちの第2信号b01は、01bに対応している。複数の信号16のうちの第3信号b10は10bに対応している。複数の信号16のうちの第4信号b11は11bに対応している。
図1~2の光伝送装置2は、具体的には、4値信号を送信するように構成されている。複数の信号16は、0以上3以下(=4-1)の整数に1対1で対応している。
変調マッピング部4は、複数の信号16を並行して出力する。変調マッピング部4は更に、複数の信号16のうちのデジタル信号14が示す値(例えば、11b)に対応する信号(例えば、b11)に、デジタル信号14の値に応じた強度(例えば、3V)を付加する。変調マッピング部4はその他の信号(例えば、b00~b10)には、振幅を与えない。
複数のスキュー部6のうちの第1スキュー部d00は、第1信号b00に遅延を与える。同様に、複数のスキュー部6のうちの第2スキュー部d01は、第2信号b01に遅延を与える。複数のスキュー部6のうちの第3スキュー部d10は、第3信号b10に遅延を与える。複数のスキュー部6のうちの第4スキュー部d11は、第4信号b11に遅延を与える。
和算部8は、夫々に遅延が与えられた複数の信号16を積算して和信号20を発生する。例えば、デジタル信号14が示す値が11bの場合、和算部8が発生する和信号20の強度(すなわち、振幅)は3V(=0+0+0+3V)である(図3の5行目参照)。
電気光変換部10は、和信号20を、光強度が和信号20の強度(例えば、3V)に応じて変調された光信号22に変換して送信する。光信号22の波長は、光信号22の光強度に応じて変動する。光信号22は例えば、2ビットの情報を一つのシンボルで示すPAM4(4-level Pulse Amplitude Modulation)信号である。
スキュー制御部12は、複数のスキュー部6夫々に、夫々が複数の信号16の一つに与える上記遅延の量(第1遅延量τ00~第4遅延量τ11)を与える。
スキュー制御部12は例えば、第1スキュー部d00に第1遅延量τ00を与える。スキュー制御部12は更に、第2スキュー部d01に第2遅延量τ01を与える。スキュー制御部12は更に、第3スキュー部d10に第3遅延量τ10を与える。スキュー制御部12は更に、第4スキュー部d11に第4遅延量τ11を与える。第1遅延量τ00~第4遅延量τ11は、互いに異なる遅延量である。
スキュー制御部12には、フィードバック制御のための制御回線が接続されてもよい。
光伝送装置2は以上の構成により、多値信号である光信号22を送信する。
図3に示す例では、変調マッピング部4が複数の信号16に与える強度(すなわち、0~3V)はデジタル信号14の値に比例している。しかし、変調マッピング部4が複数の信号16に与える強度は、デジタル信号14の値に比例しなくてもよい。例えば、変調マッピング部4が複数の信号16に与える強度は、グレイコードに従った強度であってもよい。
―受信品質劣化の抑制―
図4は、光信号22の波長変動の一例を示す図である。電気光変換部10の光源は、例えば分布帰還型半導体レーザまたは面発光レーザである。図4中のグラフ24は、電気光変換部10の光源である分布帰還型半導体レーザ(以下、半導体レーザと呼ぶ)の駆動電流とレーザ光(すなわち、光信号22)の波長の関係の一例を示す図である。グラフ24の横軸は、駆動電流である。グラフ24の縦軸は波長である。グラフ24中の「T」は、半導体レーザの温度である。
図4中のグラフ26は、半導体レーザの駆動電流の時間変化の一例を示す図である。グラフ26の横軸は、駆動電流である。グラフ26の縦軸は時間である。
図4中のグラフ28は、光信号22の波長と光強度の関係の一例を示す図である。グラフ28の横軸は光強度である。グラフ28の縦軸は波長である。
グラフ26の駆動電流I11は、2進数で表した値が11bであるデジタル信号14に対応する和信号20に応答して、電気光変換部10が発生する駆動電流である。駆動電流I00~I10についても同様である。
グラフ28の光強度L11は、駆動電流I11に応答して、半導体レーザが出力する光信号22の光強度である。光強度L00~L10についても同様である。グラフ28の波長λ11は、駆動電流I11に応答して、半導体レーザが出力する光信号22の波長である。波長λ00~λ10についても同様である。
デジタル信号14が示す値が増加すると、図3に示すように、和信号20の強度が増加する。その結果、駆動電流が増加して、光信号22の光強度と波長が増加する。
例えば、デジタル信号14の値が01bから10bに増加すると、和信号20の強度がVから2Vに増加する。その結果、駆動電流の強度がI01からI10に増加して、光信号22の光強度はL01からL10に増加する。この光強度の増加に伴い、光信号22の波長は、λ01からλ10に増加する。すなわち、電気光変換部10が出力する光信号22は、和信号20に応じて変調され、光強度に波長が応じて変動する光である。
図5は、光信号22の光パルス列33に、光伝送路30が与える影響を示す図である。図5の左側のグラフ32は、光伝送路30に入射する前の光パルス列33の一例を示す。図5の右側のグラフ34は、光伝送路30から出射する光パルス列33の一例を示す。光伝送路30から出射する光パルス列33の波形は、光伝送路30の波長分散により崩される。しかし、図の簡素化のため、グラフ34には波形が崩れていないパルス列が示されている(後述する図6についても同様)。
グラフ32および34の横軸は、時間である。グラフ32および34の縦軸は、光信号22の光強度である。ここでは先ず、複数のスキュー部6が複数の信号16に遅延を与えない場合を考える。
グラフ32および34に示された光パルスP11は、2進数で表した値が11bであるデジタル信号14に応答して、光伝送装置2が出力する光信号22である。光パルスP00~P10についても同様である。光パルスP00~P11は夫々、一シンボルの光信号22である。
図5に示す例は、光信号22の波長が光伝送路30の正常分散領域(すなわち、負分散領域)内にある場合に、光伝送路30が光パルス列33に与える影響を示している。
図5に示す光伝送路30は、例えば、単一モード光ファイバである。δ1は、光パルスP10が光伝送路30に入射する時刻t10と光パルスP11が光伝送路30に入射する時刻t11との差(=t10-t11、以下、入射時間差と呼ぶ)である。δ2は、光パルスP01と光パルスP10との入射時刻差(=t01-t10)である。δ3は、光パルスP00と光パルスP01との入射時間差(=t00-t01)である。t01は、光パルスP01が光伝送路30に入射する時刻である。t00は、光パルスP00が光伝送路30に入射する時刻である。
Δ1は、光パルスP10が光伝送路30から出射する時刻T10と光パルスP11が光伝送路30から出射する時刻T11との差(=T10-T11、以下、出射時間差と呼ぶ)である。Δ2は、光パルスP01と光パルスP10との出射時間差(=T01-T10)である。Δ3は、光パルスP00と光パルスP01との出射時間差(=T00-T01)である。T01は、光パルスP01が光伝送路30から出射する時刻である。T00は、光パルスP00が光伝送路30から出射する時刻である。
図4のグラフ28に示すように、光強度がL11である光パルスP11の波長λ11は、光強度がL10である光パルスP10の波長λ10より長い。従って、光パルスP11が光伝送路30に入射してから出射するまでの時間AT11(すなわち、到達時間)は、光伝送路30の負の波長分散により、光パルスP10の到達時間AT10より短くなる(すなわち、AT11<AT10)。
このため、下記の式(1)~(2)から明らかなように、出射時間差Δ1は入射時間差δ1より長い(図5参照)。出射時間差Δ2~Δ3についても同様である。
Δ1=T10-T11
=(t10+AT10)-(t11+AT11
=(t10-t11)+(AT10-AT11
=δ1+D1 ・・・ (1)
D1=AT10-AT11>0 ・・・ (2)
D1は、光パルスP10と光パルスP11との到達時間の差(すなわり、群遅延時間差)である。以下、「到達時間の差」を到達時間差と呼ぶ。
図6は、光信号22の波長が光伝送路30の異常分散領域(正分散領域)内にある場合に、光伝送路30が光パルス列33に与える影響の一例を示す図である。図6に示す例では、光パルスP11の到達時間は、光伝送路30の正の波長分散により、光パルスP10の到達時間より長くなる。このため、出射時間差Δ1は入射時間差δ1より短い(図6参照)。出射時間差Δ2~Δ3についても同様である。
以上のように、波長が互いに異なる光信号22が光伝送路30を通過すると、光伝送路30の波長分散により、出射時間差Δが入射時間差δからずれる。
今、変調マッピング部4が出力する複数の信号16に、複数のスキュー部6が遅延を与えない場合(すなわち、図5~6に示す場合)を考える。この場合の入射時間差δ1~δ3は、変調マッピング部4が複数の信号16を出力する周期(以下、変調周期MPと呼ぶ)である。光パルス列33は、出射時間差Δ1~Δ3が、変調周期MPからずれる事で乱れる。
光パルス列33の乱れは、波長が互いに異なる光パルス間の到達時間の差(すなわち、群遅延時間差)Dを打ち消す方向に、入射時間差δを変化させることで抑制できる。
例えば、到達時間差D1(=AT10-AT11)がゼロより大きい場合には、入射時間差δ1(=t10-t11)を変調周期MPより小さくする。すると、到達時間差D1による出射時間差Δ1の増加が抑制(または、相殺)される。その結果、光パルス列33の乱れが抑制される。同様に、入射時間差δ2~δ3を減少させる事で、光パルス列33の乱れを更に抑制できる。
入射時間差δ1(=t10-t11)の減少は、第3スキュー部d10に与える第3遅延量τ10を第4スキュー部d11に与える第4遅延量τ11より小さくすることで実現可能である。入射時間差δ2~δ3の減少についても同様である。
従って、実施の形態1によれば、互いにレベルが異なる光パルス間に生じる群遅延時間差による受信品質の劣化を抑制することができる。すなわち、実施の形態1によれば、直接変調により得られる光多値信号の群遅延時間差による受信品質の劣化を抑制できる。
ところで、複数の信号16に互いに異なる遅延を与えて光信号22の入射時間差δを変化させると、送信側(すなわち、光伝送装置2の側)では光信号22の端部が互いに重なって、ヒゲのような波形が発生することがある。しかし複数の信号16に与えられる遅延は、図12(a)のような開いたアイパターンに受信側の光信号22の中央のピークを合わせるような遅延(すなわち、光信号22の受信側のアイパターンを開かせるような遅延)である。従って、送信側における光信号22の端部の重なりは、光信号22の受信品質には影響を及ぼさない。
(2)ハードウエア
図7は、実施の形態1の光伝送装置2のハードウエア構成の一例を示す図である。図8は、図7における信号の流れの一例を示す図である。
光伝送装置2は例えば、第1集積回路36a、複数の乗算回路38、複数の遅延回路40、加算回路42、電気光変換回路44、および第2集積回路36bを有する。
第1集積回路36aは、複数の信号線46を介して複数の乗算回路38に接続される。各信号線46a~46dの一端には第1集積回路36aされ、各信号線46a~46dの他端には複数の乗算回路38の一つが接続される。
―第1集積回路36a―
第1集積回路36aは例えば、ASIC(application specific integrated circuit)である。第1集積回路36aは、FPGA(field-programmable gate array)であってもよい。
第1集積回路36aは、デジタル信号14(図8参照)に応答して、複数の電気信号50を複数の信号線46(図7参照)に並行して出力する。デジタル信号14は、Nビット(Nは、2以上の整数)の情報が示す複数の整数(例えば、00b~11b)の一つを示す信号である。複数の電気信号50は、Nビットの2進数が示す複数の整数(例えば、00b~11b)に1対1対応で対応している。同様に、複数の信号線46(図7参照)は、Nビットの2進数が示す複数の整数(例えば、00b~11b)に1対1対応で対応している。
第1集積回路36aは更に、複数の電気信号50のうちデジタル信号14が示す値(例えば、11b)に対応する信号のみに一定の強度(すなわち、振幅)を与えて出力する。与えられる強度は例えば、V(V)である(図3参照)。Vは例えば、0V以外の電圧である。強度が与えられた電気信号50は例えば、矩形パルスである。パルスオンしている間の電気信号50の電圧はV(V)である。パルスオフしている間の電気信号50の電圧は、例えば0Vである。複数の電気信号50のうち強度が与えられない信号は例えば、0Vの定電圧である。
具体的には、図8に示す第1電気信号50a(複数の電気信号50の一つ、以下同様)は例えば、00bに対応する信号である。第2電気信号50bは、01bに対応する信号である。第3電気信号50cは、10bに対応する信号である。第4電気信号50dは、11bに対応する信号である。
同様に、第1信号線46a(複数の信号線46の一つ、以下同様)は例えば、00bに対応する信号線である。第2信号線46bは、01bに対応する信号線である。第3信号線46cは、10bに対応する信号線である。第4信号線46dは、11bに対応する信号線である。
第1電気信号50aは、第1信号線46aに出力される。第2電気信号50bは、第2信号線46bに出力される。第3電気信号50cは、第3信号線46cに出力される。第4電気信号50dは、第4信号線46dに出力される。そして第1集積回路36aは、複数の電気信号50のうちデジタル信号14が示す値(例えば、11b)に対応する信号(例えば、第4電気信号50d)のみに一定の強度(例えば、V)を与えて出力する。
―乗算回路38―
複数の乗算回路38は例えば、バイポーラトランジスタの特性を利用したアナログ乗算回路である。複数の乗算回路38は例えば、オペアンプ(operational amplifier)を利用した乗算回路であってもよい。
複数の乗算回路38は夫々、複数の信号線46の一つを介して入力された電気信号に重み付け係数を乗じて出力する。例えば第1乗算回路38a(図7参照)は、第1電気信号50a(図8参照)に重み付け係数を乗じて出力する。各乗算回路の重み付け係数は、第1集積回路36aにより第1制御線52a(図7参照)を介して各乗算回路に与えられる。第1制御線52aは、信号線(すなわち、電気信号を伝達する配線)である。
各乗算回路の重み付け係数は、各乗算回路に接続された信号線が対応する値に応じた係数である。例えば、第1乗算回路38aの重み付け係数は、第1乗算回路38aに接続された第1信号線46aが対応する値である00bに応じた値(例えば、0)である。
図9は、各乗算回路に与えられる重み付け係数の一例を示す図である。
00は、00bに対応する第1信号線46aに接続された第1乗算回路38aの重み付け係数である。C01は、01bに対応する第2信号線46bに接続された第2乗算回路38bの重み付け係数である。C10は、10bに対応する第3信号線46cに接続された第3乗算回路38cの重み付け係数である。C11は、11bに対応する第4信号線46dに接続された第4乗算回路38dの重み付け係数である。
図2を参照して説明した複数の信号16は、重み付け係数が乗じられた複数の電気信号50により実現される。
―遅延回路40―
複数の遅延回路40は例えば、可変同軸線と可変同軸線の駆動回路とを有する回路である。
複数の遅延回路40は夫々、抵抗素子、インダクタ、およびキャパシタを有する受動回路であってもよい。抵抗素子、インダクタ、およびキャパシタの少なくとも一つは、可変素子である。複数の遅延回路40は更に、この可変素子の駆動回路を有する。
複数の遅延回路40は夫々、ADC(analog to digital converter)、ADCに接続されたDSP(digital signal processor)、およびDSPに接続されたDAC(digital to analog converter)を有する回路であってもよい。
複数の遅延回路40は、複数の乗算回路38から出力される電気信号(すなわち、重み付け係数が乗じられた電気信号50)に遅延を与える。
具体的には第1遅延回路40a(図7参照)は、重み付け係数C00が乗じられた第1電気信号50a(第1信号b00に相当)に遅延を与える。第2遅延回路40bは、重み付け係数C01が乗じられた第2電気信号50b(第2信号b01に相当)に遅延を与える。第3遅延回路40cは、重み付け係数C10が乗じられた第3電気信号50c(第3信号b10に相当)に遅延を与える。第4遅延回路40dは、重み付け係数C11が乗じられた第4電気信号50d(第4信号b11に相当)に遅延を与える。
複数の遅延回路40は夫々、第2制御線52bを介して、夫々の遅延量が与えられる。
―加算回路42―
加算回路42は例えば、オペアンプと複数の抵抗素子を有するアナログ加算回路である。
加算回路42は、複数の遅延回路40から出力された複数の電気信号50を積算して、和信号20を発生する。加算回路42が発生する和信号20は、電気信号である。
―電気光変換回路44―
図10は、電気光変換回路44のハードウエア構成の一例を示す図である。電気光変換回路44は例えば、レーザドライバ54と半導体レーザ(例えば、分布帰還型半導体レーザ)56とを有する。
電気光変換回路44は、和信号20(図8参照)を、光強度が和信号20の強度に応じて変調され、波長が光強度に応じて変動する光信号22に変換する。光信号22は、光伝送路30に送出される。具体的には、レーザドライバ54が、和信号20を駆動電流に変換して、半導体レーザ56に供給する。駆動電流は例えば、半導体レーザ56の閾値より僅かに大きいバイアス電流に、和信号20の強度に略比例した電流を重畳した電流である。
―第2集積回路36b―
第2集積回路36bは例えば、ASICである。第2集積回路36bは、FPGAであってもよい。
第2集積回路36bは、複数の遅延回路40夫々に夫々の遅延量を与える。第2集積回路36bには、フィードバック制御のための制御回線(図示せず)が接続されてもよい。
具体的には、第2集積回路36bは、第1遅延回路40aに第1電気信号50aの第1遅延量τ00を与える。第2集積回路36bは更に、第2遅延回路40bに第2電気信号50bの第2遅延量τ01を与える。第2集積回路36bは更に、第3遅延回路40cに第3電気信号50cの第3遅延量τ10を与える。第2集積回路36bは更に、第4遅延回路40dに第4電気信号50dの第4遅延量τ11を与える。
変調マッピング部4(図1参照)は例えば、第1集積回路36aと複数の乗算回路38とにより実現される。複数のスキュー部6は例えば、複数の遅延回路40により実現される。和算部8は例えば、加算回路42により実現される。電気光変換部10は例えば、電気光変換回路44により実現される。スキュー制御部12は例えば、第2集積回路36bにより実現される。
(3)使用例
実施の形態1の光伝送装置2は例えば、光送信機(図示せず)と共に一つの光送受信装置に実装される。光伝送装置(すなわち、光送信機)2は例えば、光ファイバ対の一方に接続される。光受信機は、この光ファイバ対の他方に接続される。
実施の形態1の光伝送装置2は例えば、IEEE 802.3bs作業部会で検討が進められている4値振幅変調(すなわち、PAM4)の規格に適応できる装置である。IEEE 802.3bsで検討されているPAM4の規格には、8つのレーンが規定されている。
図11は、IEEE 802.3bsで検討されているPAM4の規格に規定された8つのレーンL0~L7夫々の中心波長を示す図である。各レーンの波長幅は、約2nmである。図11には、IEEE 802.3bsで検討されているPAM4の規格に規定された光ファイバの波長分散58の一例も示されている。波長分散は、波長が単位波長(例えば、1nm)異なる2つの光が、単位長(例えば、1km)伝搬したときに生ずる群遅延時間差である。横軸は波長である。縦軸は波長分散である。
図11に示す波長分散58の零分散波長は、1324nmである。IEEE 802.3bsで検討されているPAM4の伝送距離は、2~10kmである。1324nmは、IEEE 802.3bsで検討されているPAM4の規格に規定された最も長い零分散波長である。
図11の波長分散58が光多値信号に与える影響を評価する。光ファイバの長さは、10kmとする。評価する光多値信号は、4値信号である。伝送速度は53.125Gb/s(26.5626 GB/s)とする。従って、シンボル間の時間差は37.6psである。評価する光多値信号の波長は、図4に示した波長λ00~λ11である。図4の波長λ00~λ11は、最も零分散波長から離れたレーンL0の波長範囲内の波長である。
00bに対応する光多値信号の波長λ00と01bに対応する光多値信号の波長λ01の差は0.4nmである。同様に、01bに対応する光多値信号の波長λ01と10bに対応する光多値信号の波長λ10の差は0.4nmである。10bに対応する光多値信号の波長λ10と11bに対応する光多値信号の波長λ11の差も0.4nmである。
図12は、以上の条件で評価した光多値信号のアイパターンである。図12(a)は光ファイバに入射する前の光多値信号のアイパターンである。図12(b)は光ファイバから出射した光多値信号のアイパターンである。図12(a)および図12(b)の横軸は時間である。縦軸は光強度である。白抜きの矢印は、光多値信号の光強度を示している。例えば、11bの左側の矢印は、11bに対応するシンボルの光強度L11の位置を示している。
図12(a)に示すように、光ファイバに入射する前のアイパターンは綺麗に開いておる。すなわち、各シンボルの位相は揃っている。シンボルの間隔(すなわち、光多値信号の周期)は、37.6psである。
図12(b)の第1破線60aは、11bに対応するシンボルの立ち上がり位置(または、立下り位置)を示している。第2破線60bは、10bに対応するシンボルの立ち上がり位置(または、立下り位置)を示している。第3破線60cは、01bに対応するシンボルの立ち上がり位置(または、立下り位置)を示している。
11bに対応するシンボルは、10bに対応するシンボルに対し約20ps進む。一方、01bに対応するシンボルは、10bに対応するシンボルに対し約20ps遅れる。すなわち、11bに対応するシンボルは、01bに対応するシンボルに対して略1周期進む。その結果、符号間干渉が発生し、符号誤りが発生する。
実施の形態1によれば、変調マッピング部4が出力する複数の信号16に互いに異なる遅延を与える事で、レベルが異なるシンボル(例えば、光パルスP00~P11)間に生じる群遅延時間差を補償できる(「(1)構成および動作」参照)。従って光伝送装置2によれば、レベルが異なるシンボル間に生じる群遅延時間差による符号誤りを抑制できる。
(4)分散補償器による符号誤りの抑制
群遅延時間差は、分散補償器によっても抑制することができる。図13は、分散補償器62により群遅延時間差(すなわち、到達時間差)を抑制するシステムの一例である。
分散補償器62は例えば、分散補償ファイバまたはチャープファイバーブラッググレーティング(chirped fiber bragg grating)により実現できる。分散補償器62は、補償量の変更が可能な可変分散補償器(virtually imaged phase array: VIPA)であってもよい。
図13のシステム64は、PAM変調器66、電気光変換回路44、光伝送路30、分散補償器62、光電気変換回路68、およびPAM復調器70を有する。
PAM変調器66は、デジタル信号(例えば、2つのNRZ信号)を電気の多値信号に変換する。電気光変換回路44は、半導体レーザの直接変調により、PAM変調器66が出力した電気の多値信号を光多値信号に変換する。分散補償器62は、光伝送路30を通過した光多値信号に群遅延時間差とは逆の時間差を与える。この逆の時間差により、レベルが異なるシンボル間に生じる群遅延時間差が補償される。
群遅延時間差が補償された光多値信号は、光電気変換回路68により電気の多値信号に変換される。変換された電気の多値信号はその後、PAM復調器70により電気の2値信号(例えば、2つのNRZ信号)に変換される。
図13のシステム64によれば、レベルが異なるシンボル間に生じる群遅延時間差は分散補償器62により補償される。従って、PAM復調器70における符号誤りの発生を抑制することができる。
しかし、分散補償器62の挿入損失は、光伝送路30による損失と略同じである。例えば、10kmの単一モード光ファイバの群遅延時間差を補償するための分散補償器62(例えば、分散補償ファイバ)の損失は6.3dBである。このように大きな損失は、光多値信号のSNR(Signal-to-Noise Ratio)を劣化させて、符号誤り率を増加させる。
実施の形態1の光伝送装置2を用いるシステムでは、光伝送路30は光電気変換回路68に直接接続される。従って、実施の形態1の光伝送装置2を用いるシステムの符号誤り率は、分散補償器62を用いるシステム64の符号誤り率より低い。
(5)変形例
(5-1)変形例1
図7の光伝送装置2は、遅延回路40により複数のスキュー部6(図1参照)を実現する。しかし複数のスキュー部6は、DSP(digital signal processor)により実現されてもよい。
図14は、DSP72を有する光伝送装置2のハードウエア構成の一例を示す図である。図14の光伝送装置2は、DSP72、DAC(digital to analog converter)74、電気光変換回路44、および第2集積回路36bを有する。電気光変換回路44および第2集積回路36bは、図7および8を参照して説明した回路である。
変調マッピング部4(図1参照)、複数のスキュー部6、および和算部8は、DSP72により実現される。電気光変換部10は、DAC(digital to analog converter)74および電気光変換回路44により実現される。スキュー制御部12は、第2集積回路36bにより実現される。
DSP72は、デジタル信号14(図2参照)に応答して、和信号20を出力する。図14の光伝送装置2における複数の信号16(図2参照)は、数値化された複数の信号(すなわち、データ)である。同様に、図14の光伝送装置2における和信号20も、数値化された信号である。
DAC74は、数値化された和信号20を電気信号に変換する。電気光変換回路44は、この電気信号を光信号22に変換して送信する。
図14の光伝送装置2によれば、DSP72のプログラムを変更するだけで、スキュー部6の遅延量の制御方法(実施の形態2~4参照)を変更できる。更に、図14の光伝送装置2によれば、光伝送装置2の小型化が容易になる。
(5-2)変形例2
以上の例では、複数のスキュー部6は、変調マッピング部4から出力された複数の信号16の全部に遅延を与える。しかし複数のスキュー部6は、変調マッピング部4から出力された複数の信号16の一部だけに遅延を与えてもよい。
図3に示す例では、第1信号b00に与えられる強度は、デジタル信号14が示す全ての値(00b~11b)に対して0である。従って、第1信号b00に遅延を与えなかった場合の和信号20と、第1信号b00に遅延を与えた場合の和信号20との間に差異はない。従って、複数のスキュー部6は、複数の信号16のうちの第2信号b01~第4信号b11だけに遅延を与えてもよい。
具体的には、複数のスキュー部6は例えば、第2スキュー部d01~第4スキュー部d11(図2)だけを有してもよい。変形例2によれば、複数のスキュー部6の数を削減できる。
(5-3)変形例3
以上の例では、和算部8は、複数のスキュー部6から出力された複数の信号16の全部を積算して和信号20を発生する。しかし和算部8は、複数のスキュー部6から出力された複数の信号16の一部を積算して、和信号20を発生してもよい。
具体的には和算部8は、複数のスキュー部6から出力された複数の信号16のうちの第2信号b01~第4信号b11だけを積算してもよい。第1信号b00の強度は0なので、複数の信号16全てを積算して得られる和信号20と、第2信号b01~第4信号b11だけを積算して得られる和信号20との間に差異はない。従って和算部8は、遅延が与えられた複数の信号16のうちの第2信号b01~第4信号b11だけを積算してもよい。
変形例3によれば、和算部8の構成を簡略化できる。
(5-4)変形例4
以上の例では、光伝送装置2が送信する光多値信号がn値信号(nは3以上の整数)の場合、変調マッピング部4が出力する複数の信号16は、0以上n-1以下の複数の整数に1対1で対応する。しかし複数の信号16は、0以上n-1以下の複数の整数の一部だけに1対1で対応する信号であってもよい。
例えば図1~3に示す例では、複数の信号16は、1以上3以下の整数(0以上3以下の整数の一部)に1対1で対応する信号(すなわち、第2信号b01~第4信号b11)であってもよい。
第1信号b00に付加される強度は0なので、第1信号b00~第4信号b11を積算して得られる和信号20と、第2信号b01~第4信号b11を積算して得られる和信号20との間に差異はない。従って複数の信号16は、1以上3以下の整数に1対1で対応する第2信号b01~第4信号b11であってもよい。
変形例4によれば、複数のスキュー部6の数を削減できると共に、変調マッピング部4および和算部8の構成を簡素化できる。
(6)光伝送方法
以上のように実施の形態1では、デジタル信号14(すなわち、入力信号94)が有する値に対応する信号に、この値に応じた強度を付加する。実施の形態1では更に、この信号を含む複数の信号16に遅延を与える。実施の形態1では更に、強度が付加され更に遅延が与えられた複数の信号16を和算して、和信号20を発生する。実施の形態1では更に、和信号20を、光強度が和信号20の強度に応じて変調され光強度に応じて波長が変動する光信号22に変換して送信する。
実施の形態1によれば、変調マッピング部4が出力する複数の信号16に遅延を与える事が可能なので、光信号22のシンボル間に生じる群遅延時間差を補償できる。従って実施の形態1によれば、光強度に応じて波長が変動する光多値信号(すなわち、直接変調による光多値信号)の群遅延時間差による受信品質の劣化を抑制できる。
(実施の形態2)
実施の形態2の光伝送装置202(図15参照)は、複数の信号16に与える遅延量をフィードバック制御する装置である。その他の構成等は、実施の形態1の光伝送装置2の構成等と略同じである。従って、実施の形態1と同じ構成等については、説明を省略または簡単にする。
(1)構成および動作
図15は、実施の形態2の光伝送装置202が適用されたシステム264の一例を示す図である。図16は、図15における信号の流れを示す図である。
システム264は、光伝送装置202、光伝送路30、および光伝送路30を介して光伝送装置202に接続された光受信機76を有する。光伝送路30は例えば、単一モード光ファイバである。
(1-1)光伝送装置
光伝送装置202のスキュー制御部212は例えば、制御回線(例えば、メタルケーブル)78を介して光受信機76に接続される。この点を除き、光伝送装置202の構成は、実施の形態1の光伝送装置2の構成と実質的に同じである。
図15に示す例では、スキュー制御部212には、入力部82と表示部80とが接続される。入力部82と表示部80は例えば、実施の形態3で説明するフィードフォワード制御のためのデータ入力に使用できる。入力部82と表示部80は省略されてもよい。
(1-2)光受信機
光受信機76は、光電気変換部84、多値復調部86、測定部88、および監視部90を有する。光電気変換部84は、光伝送路30を介して光伝送装置202の電気光変換部10に接続される。光電気変換部84は、光伝送路30を介して受信した光信号22(図16参照)を電気信号である受信信号92に変換する。
多値復調部86は例えば、受信信号92を復調してデジタル信号15に出力する。
測定部88は、受信信号92の符号誤り率(すなわち、bit error rate)を測定する。監視部90は、測定部88が測定した符号誤り率96を監視して、符号誤り率96の変化に基づいてスキュー制御部212にコマンドを送出する。監視部90には、入力部98と表示部100とが接続されてもよい。
多値復調部86(図15参照)が出力するデジタル信号15(図16参照)は、受信信号92から再生された光伝送装置202の入力信号94である。入力信号94は所謂、実信号である。
測定部88が測定する符号誤り率は、多値復調部86により再生されるデジタル信号14の符号誤り率である。具体的には、測定部88が測定する符号誤り率は例えば、デジタル信号14に含まれる2つの2値信号の一方の符号誤り率である。
デジタル信号14は例えば、「遅延量の調整の間」(下記「―制御―」参照)は試験信号17であり、運用開始後(下記「―運用開始(ステップS128)―)」参照)は入力信号94である。入力信号94は、外部の通信機器から光伝送装置202に入力する信号である。
図16に示す例では、試験信号17は、光伝送装置202の外部から光伝送装置202に供給される外部信号である。しかし試験信号17は、光伝送装置264の内部で発生する内部信号であってもよい。
―制御―
スキュー制御部212は、光受信機76が受信する光信号22の受信品質(例えば、受信信号92の符号誤り率)に基づいて、複数のスキュー部6夫々に与えた遅延量を調整する。すなわちスキュー制御部12は、フィードバック制御を実行する。
各スキュー部6に与えられる遅延量は、例えば0psである。与えられた遅延量の調整(以下、遅延量の調整と呼ぶ)は、受信信号92の信号雑音比 (signal-noise ratio)に基づいて行われてもよい。
具体的には、スキュー制御部212は例えば、監視部90からのコマンドに応答して、複数の信号16に与えた遅延量を調整する。
上述したように、遅延量の調整の間は、光伝送装置202は入力信号94の代わりに、試験信号17(例えば、2つの疑似ランダム信号)を光信号22に変換して送信する。
実施の形態2のスキュー制御部212は、複数のスキュー部6に与えた遅延量を、フィードバック制御により調整する。従って実施の形態2によれば、光強度に応じて波長が変動する光多値信号の群遅延時間差による受信品質の劣化を、抑制することができる。
以下に示す例では、試験信号が内部信号である場合の光伝送装置202の構成および処理を説明する。
(2)ハードウエア
図17は、実施の形態2の光伝送装置202のハードウエア構成の一例を示す図である。図17には、光受信機76のハードウエア構成も示されている。図18は、図17における信号の流れを示す図である。
(2-1)光伝送装置202
光伝送装置202の第2集積回路236bは、例えば制御回線78を介して光受信機76の第1インターフェイス回路106aに接続される。第2集積回路236bは更に、第5信号線46eを介して第1集積回路236aに接続される。第2集積回路236bは更に、第6信号線46fを介して入力信号94を送信する通信機器(図示せず)に接続される。
第2集積回路236bは、表示装置108と入力装置110に接続されてもよい。以上の点を除き、光伝送装置202のハードウエア構成は、実施の形態1の光伝送装置2のハードウエア構成と実質的に同じである。表示装置108と入力装置110は省略されてもよい。
入力装置110は例えば、マウス等のポインティング・デバイスおよびキーボードを含む装置である(後述する入力装置124についても同様)。表示装置108は例えば、液晶ディスプレイである(後述する表示装置122についても同様)。
スキュー制御部212は、第2集積回路236bにより実現される。表示部80(図15参照)は、表示装置108により実現される(後述する表示部100についても同様)。入力部82は、入力装置110により実現される(後述する入力装置124についても同様)。
図17に示す例では、光伝送装置202は第1集積回路236a等により実現される。光伝送装置202は、実施の形態1の変形例1(図14参照)と同様、DSP72等により実現されてもよい。
(2-2)光受信機76
光受信機76は例えば、光電気変換回路112、第3集積回路36c、CPU(central processing unit)114、メモリ115、および不揮発性メモリ118を有する。光受信機76は更に、第1インターフェイス回路106a、第2インターフェイス回路106b、およびバス121を有する。CPU114(プロセッサ)は、ハードウエアである。
光電気変換回路112は例えば、フォトダイオードとTIA(trans-impedance amplifier)とを有する回路である。第3集積回路36c、CPU114、メモリ115、不揮発性メモリ118、第1インターフェイス回路106a、および第2インターフェイス回路106bは、バス121を介して互いに接続される。光受信機76は、第2インターフェイス回路106bを介して、入力装置124および表示装置122に接続されてもよい。
第3集積回路36cは例えば、ASICまたはFPGAである。メモリ115は例えば、RAM(random access memory)である。不揮発性メモリ118は例えば、フラッシュメモリである。不揮発性メモリ118には、後述する監視プログラムが記録される。
光電気変換部84(図15参照)は例えば、光電気変換回路112により実現される。多値復調部86および測定部88は例えば、第3集積回路36cにより実現される。監視部90は例えば、CPU114とメモリ115とにより実現される。
(3)処理
(3-1)光受信機の処理
図19は、光伝送装置202と光受信機76とが協働して実行する処理の流れを示すシーケンス図である。図19には、制御回線78を介して送受信されるコマンド等の流れが示されている。エコー要求128、エコー応答130、第1コマンド132a~第5コマンド132eは、制御回線78を介して送受信される。
図20~21は、監視部90が実行する監視プログラムのフローチャートである。監視プログラムは例えば、不揮発性メモリ118に記録されている。
―監視プログラムの起動―
CPU114は、起動指示操作に応答して、不揮発性メモリ118から監視プログラムを読み出してメモリ115に展開する。その後、CPU114は、監視プログラムが有するプロセスを順次実行する。起動指示操作は例えば、入力装置124に対する操作である。
―応答時間の測定(ステップS2)―
CPU114は、光伝送装置202の応答時間を測定する(図20参照)。
具体的には、例えばpingツールを用いてエコー要求128(図19参照)を送信して、エコー要求128の送信からエコー応答130の受信までの時間を測定する。エコー応答130は、制御回線78を介して返信される。
ステップS2は、監視部90により実行される。
―待機時間の決定(ステップS4)―
ステップS2の後、CPU114は、ステップS2で測定した応答時間に基づいて、ステップS16等で用いる待機時間を決定する。
待機時間は例えば、光受信機76が第2コマンド132b~第4コマンド132dを送信してから、光信号22に変換された試験信号を受信するまでの時間より長い時間である。
ステップS4は、監視部90により実行される。
―試験信号の送信要求(ステップS6)―
ステップS4の後、CPU114は、第1コマンド132aを、制御回線78を介して光伝送装置202に送信する。第1コマンド132aは、光伝送装置202に、試験信号の送信を要求するコマンドである。
試験信号は、符号誤り率の測定のための信号である。光伝送装置202は第1コマンド132aに応答して、試験信号を光信号22に変換して光受信機76に送信する。光伝送装置202は、第5コマンド132e(図19参照)を受信するまで、試験信号の送信を継続する。
ステップS6は、監視部90により実行される。
―測定パラメータを決定(ステップS8)―
ステップS6の後、CPU114は、符号誤り率の測定のためのパラメータを決定する。
具体的には、CPU114は先ず、光電気変換回路112と第3集積回路36cを介して、光伝送装置202により送信された試験信号を取得する。すなわちCPU114は、光信号22に変換され更に光電気変換回路112により光電気変換された受信信号92である試験信号を取得する。
CPU114は更に、取得した試験信号に基づいて、符号誤り率の測定のためのパラメータを決定する。CPU114は例えば、多値信号の符号レベル(すなわち、多値信号の値)を判定するための振幅の判定レベルを決定する。CPU114は更に、位相の判定レベルを決定する。
ステップS8は、測定部88により実行される。
―符号誤り率の測定(ステップS10)―
ステップS8の後、CPU114は、ステップS8で決定した判定レベルに基づいて、受信信号92の符号誤り率を測定する(ステップS18、S28、S38についても同様)。ステップS10は、測定部88により実行される。
―符号誤り率の記録(ステップS12)―
ステップS10の後、CPU114は、測定した符号誤り率をメモリ115に記録する。ステップS12は、監視部90により実行される。
―加算要求(第2コマンド132b)の送信(ステップS14)―
CPU114は、第2コマンド132bを、制御回線78を介して第2集積回路236bに送信する。第2コマンド132bは、光伝送装置202に第2遅延量τ01の増加を要求するコマンドである。ステップS14は、監視部90により実行される。
―符号誤り率の測定および記録(ステップS16~S20)―
ステップS14の後、CPU114は暫く待機する(ステップS16)。待機する時間は、ステップS4で決定した待機時間である(ステップS26およびS36についても同様)。ステップS16は、監視部90により実行される。
ステップS16の後、CPU114は、受信信号92の符号誤り率を測定する(ステップS18)。ステップS18は、測定部88により実行される。
ステップS18の後、CPU114は、ステップS18で測定した符号誤り率をメモリ115に記録する(ステップS20)。ステップS20は、監視部90により実行される。
―判定(ステップS22)―
ステップS20の後、CPU114はメモリ115から、最後に記録された符号誤り率Eと、符号誤り率Eの一つ前に記録された符号誤り率Ef-1とを読み出す。CPU114は更に、符号誤り率Eが符号誤り率Ef-1より小さいか否かを判定する。
符号誤り率Eが符号誤り率Ef-1より小さい場合、CPU114はステップS14に戻る。符号誤り率Eが符号誤り率Ef-1以上の場合、CPU114はステップS24に進む。ステップS22は、監視部90により実行される。
―加算要求(第3コマンド132c)の送信(ステップS24)―
CPU114は、第3コマンド132cを、制御回線78を介して第2集積回路236bに送信する。第3コマンド132cは、光伝送装置202に第3遅延量τ10の増加を要求するコマンドである。ステップS24は、監視部90により実行される。
―待機(ステップS26)―
ステップS24の後、CPU114は暫く待機する。ステップS26は、監視部90により実行される。
―符号誤り率の測定(ステップS28)―
ステップS26の後、CPU114は、受信信号92の符号誤り率を測定する。ステップS28は、測定部88により実行される。
―符号誤り率の記録(ステップS30)―
ステップS28の後、CPU114は、ステップS28で測定した符号誤り率をメモリ115に記録する。ステップS30は、監視部90により実行される。
―判定(ステップS32)―
ステップS32の後、CPU114は、メモリ115から、最後に記録された符号誤り率Eと、符号誤り率Eの一つ前に記録された符号誤り率Ef-1とを読み出す。CPU114は更に、符号誤り率Eが符号誤り率Ef-1より小さいか否かを判定する。
符号誤り率Eが符号誤り率Ef-1より小さい場合、CPU114はステップS24に戻る。符号誤り率Eが符号誤り率Ef-1以上の場合、CPU114はステップS34に進む。ステップS32は、監視部90により実行される。
―加算要求(第4コマンド132d)の送信(ステップS34)―
CPU114は、第4コマンド132dを、制御回線78を介して第2集積回路236bに送信する。第4コマンド132dは、光伝送装置202に第4遅延量τ11の増加を要求するコマンドである。ステップS34は、監視部90により実行される。
―待機(ステップS36)―
ステップS34の後、CPU114は暫く待機する。ステップS36は、監視部90により実行される。
―符号誤り率の測定(ステップS38)―
ステップS36の後、CPU114は、受信信号92の符号誤り率を測定する。ステップS38は、測定部88により実行される。
―符号誤り率の記録(ステップS40)―
ステップS38の後、CPU114は、ステップS38で測定した符号誤り率をメモリ115に記録する。ステップS40は、監視部90により実行される。
―判定(ステップS42)―
CPU114は、メモリ115から、最後に記録された符号誤り率Eと、符号誤り率Eの一つ前に記録された符号誤り率Ef-1とを読み出す。CPU114は、符号誤り率Eが符号誤り率Ef-1より小さいか否かを判定する。符号誤り率Eが符号誤り率Ef-1より小さい場合、CPU114はステップS34に戻る。符号誤り率Eが符号誤り率Ef-1以上の場合、CPU114はステップS44に進む。ステップS42は、監視部90により実行される。
―運用開始要求の送信(ステップS44)―
CPU114は、第5コマンド132eを、制御回線78を介して第2集積回路236bに送信する。第5コマンド132eは、光伝送装置202に、試験信号の送信の終了および入力信号94の送信の開始を要求するコマンドである。
入力信号94は例えば、通信機器により送信され変調マッピング部204(図15参照)により受信されるデジタル信号14である。入力信号94は、試験信号とは異なる信号である。ステップS44は、監視部90により実行される。
以上により、監視プログラムは終了する。
第5コマンド132eの送信により、運用期間136(図19参照)が開始する。
ステップS14~S22、ステップS24~S32、およびステップS34~S42夫々を実行する順番は、互いに入れ替えられてもよい。
(3-2)光伝送装置の処理
図22~23は、光伝送装置202が実行する処理の流れを示す図である。
―遅延量の初期化(ステップS102)―
第2集積回路236b(すなわち、スキュー制御部212)は、複数の遅延回路40夫々に所定の遅延量を与える。第2集積回路236bは例えば、複数の遅延回路40夫々に0psの遅延量を与える。
具体的には例えば、第2集積回路236bは、第2制御線52b(図17参照)を介して複数の遅延回路40夫々にリセット信号を送信して、複数の遅延回路40夫々の遅延量を0psに設定する。第2制御線52bは、信号線である。
ステップS102は、スキュー制御部212により実行される。
―エコー要求の受信(ステップS104)―
ステップS102の後、第2集積回路236bは、エコー要求128を受信するまで待機する。ステップS102は、スキュー制御部212により実行される。
―エコー応答の送信(ステップS106)―
ステップS104の後、第2集積回路236bは、制御回線78を介してエコー応答130を監視部90に送信する。ステップS106は、スキュー制御部212により実行される。
―試験信号の送信要求の受信(ステップS108)―
ステップS106の後、第2集積回路236bは、第1コマンド132aを受信するまで待機する。第1コマンド132aは、光伝送装置202に、光信号22に変換された試験信号の送信を要求するコマンドである。第1コマンド132aの受信により、調整期間134(図19参照)が開始する。
ステップS108は、スキュー制御部212により実行される。
―試験信号の送信(ステップS110)―
ステップS108の後、第2集積回路236bは第1集積回路236a等と協働して、試験信号を光信号22に変換して、光伝送路30を介して光受信機76に送信する。
具体的には例えば、第2集積回路236bは、第1コマンド132aに応答して、第6コマンド132f(図18参照)を第1集積回路236aに送出する。第2集積回路236bは更に、光伝送装置202に接続された通信機器に、デジタル信号14の送信を禁止する信号138(例えば、disable信号)を送信する。
第1集積回路236aは、第6コマンド132fに応答して、内部メモリ(第1集積回路236a内部のメモリ)に記録された2つの疑似ランダム(Pseudo Random Binary Sequence)信号を読み出す。第1集積回路236aは、読み出した2つの疑似ランダム信号を複数の電気信号50に変換して、並行して出力する。具体的には、2つの疑似ランダム信号の一方をMSBとし他方をLSBとする2ビット信号を、電気信号50に変換する。この2ビット信号が、試験信号の一例である。
複数の乗算回路38、複数の遅延回路40、加算回路42、および電気光変換回路44は協働して、複数の電気信号50を光信号22に変換して送信する。
以上の例では試験信号は、第1集積回路236aが発生する2つの疑似ランダム信号である。試験信号17(図16参照)は、第1集積回路236aに光伝送装置202の外部から入力される2つの疑似ランダム信号であってもよい。
ステップS108は、スキュー制御部212、変調マッピング部204、複数のスキュー部6、和算部8、および電気光変換部10により実行される。
―コマンド受信の判定(ステップS112)―
ステップS110の後、第2集積回路236bは、監視部90からコマンドを受信するまで待機する。第2集積回路236bは、コマンドを受信するとステップS114に進む。
ステップS112は、スキュー制御部212により実行される。
―コマンドの判定(S114)―
ステップS112の後、第2集積回路236bは、ステップS112で受信したコマンドが第2コマンド132bであるか否か判定する。第2コマンド132bは、第2遅延量τ01の加算を要求するコマンドである。
ステップS112で受信したコマンドが第2コマンド132bである場合、第2集積回路236bはステップS116に進む。ステップS112で受信したコマンドが第2コマンド132bでない場合、第2集積回路236bはステップS118に進む。
ステップS114は、スキュー制御部212により実行される。
―第2遅延量τ01の加算(S116)―
第2集積回路236bは第2遅延回路40bと協働して、複数の乗算回路38から出力された複数の電気信号50のうちの第2電気信号50b(第2信号b01に相当)に与える第2遅延量τ01にΔτを加算する。加算後の第2遅延量τ01は、τ01+Δτである。ステップS116の後、第2集積回路236bはステップS114に戻る。遅延量の増分Δτは例えば、0.01~0.1psである。
具体的には、第2集積回路236bは例えば、第2制御信号41bを第2遅延回路40bに送出する。第2遅延回路40bは、第2制御信号41bに応答して、第2遅延量τ01にΔτを加算する。
ステップS116は、スキュー制御部212(図15参照)と第2スキュー部d01とにより実行される。
―コマンドの判定(S118)―
第2集積回路236bは、ステップS112で受信したコマンドが第3コマンド132cであるか否か判定する。第3コマンド132cは、第3遅延量τ10の加算を要求するコマンドである。
ステップS112で受信したコマンドが第3コマンド132cである場合、第2集積回路236bはステップS120に進む。ステップS112で受信したコマンドが第3コマンド132cでない場合、第2集積回路236bはステップS122に進む。
ステップS118は、スキュー制御部212により実行される。
―第3遅延量τ10の加算(S120)―
第2集積回路236bは第3遅延回路40cと協働して、複数の乗算回路38から出力された複数の電気信号50のうちの第3電気信号50c(第3信号b10に相当)に与える第3遅延量τ10にΔτを加算する。加算後の第3遅延量τ10は、τ10+Δτである。
ステップS120の後、第2集積回路236bはステップS118に戻る。遅延量の増分Δτは例えば、0.01~0.1psである。
具体的には、第2集積回路236bは例えば、第3制御信号41cを第3遅延回路40cに送出する。第3遅延回路40cは、第3制御信号41cに応答して、第3遅延量τ10にΔτを加算する。
ステップS120は、スキュー制御部212と第3スキュー部d10とにより実行される。
―コマンドの判定(S122)―
第2集積回路236bは、ステップS112で受信したコマンドが第4コマンド132dであるか否か判定する。第4コマンド132dは、第4遅延量τ11の加算を要求するコマンドである。
ステップS112で受信したコマンドが第4コマンド132dである場合、第2集積回路236bはステップS124に進む。ステップS112で受信したコマンドが第4コマンド132dでない場合、第2集積回路236bはステップS126に進む。
ステップS122は、スキュー制御部212により実行される。
―第4遅延量τ11の加算(S124)―
第2集積回路236bは第4遅延回路40dと協働して、乗算回路38から出力された複数の電気信号50のうちの第4電気信号50d(第4信号b11に相当)に与える第4遅延量τ11にΔτを加算する。加算後の第4遅延量τ11は、τ11+Δτである。
ステップS124の後、第2集積回路236bはステップS122に戻る。遅延量の増分Δτは例えば、0.01~0.1psである。
具体的には、第2集積回路236bは例えば、第4制御信号41dを第4遅延回路40dに送出する。第4遅延回路40dは、第4制御信号41dに応答して、第4遅延量τ11にΔτを加算する。
ステップS124は、スキュー制御部212と第4スキュー部d11とにより実行される。
―コマンドの判定(S126)―
第2集積回路236bは、ステップS112で受信したコマンドが第5コマンド132eであるか否か判定する。第5コマンド132eは、光伝送装置202の運用開始を要求するコマンドである。
ステップS112で受信したコマンドが第5コマンド132eである場合、第2集積回路236bはステップS128に進む。ステップS112で受信したコマンドが第5コマンド132eでない場合、第2集積回路236bはステップS112に戻る。
ステップS122は、スキュー制御部212により実行される。
―運用開始(ステップS128)―
第2集積回路236bは、第1集積回路236aに試験信号の出力を終了させる。第2集積回路236bは更に、光伝送装置202に接続された装置に、デジタル信号14の送信を許可する。第1集積回路236aは、このデジタル信号14に応答して複数の電気信号50を出力する。
具体的には、第2集積回路236bは例えば、第1集積回路236aに第7コマンド132gを送出する。第1集積回路236aは、第7コマンド132gに応答して、試験信号の出力を終了する。
第2集積回路236bは更に、光伝送装置202に接続された通信機器に、デジタル信号14の送信を許可する信号140(例えば、enable信号)を送信する。第1集積回路236aは、通信機器からのデジタル信号14に応答して、複数の電気信号50を出力する。
ステップS128は、スキュー制御部212により実行される。
ステップS114~S116、ステップS118~S120、ステップS122~S124、およびステップS126~S128夫々を実行する順番は互いに入れ替えられてもよい。
第2集積回路236bは、ステップS112~S126(特に、ステップS114~S116)により、受信信号92の符号誤り率の減少が止むまで、第2遅延量τ01を増加し続ける。すなわちスキュー制御部212は、光信号22の受信品質に基づいて、第2スキュー部d01に与えた所定の第2遅延量τ01(例えば、0ps)を調整する。
同様に、スキュー制御部212は、光信号22の受信品質(例えば、符号誤り率)に基づいて、第3スキュー部d10に与えた所定の第3遅延量τ10(0ps)を調整する。スキュー制御部212は更に、光信号22の受信品質に基づいて、第4スキュー部d11に与えた所定の第4遅延量τ11(0ps)を調整する。
各遅延量の調整は、光信号22の受信品質に基づくフィードバック制御である。このフィードバック制御により、互いに光強度が異なるシンボル(すなわち、光信号22の最小単位)間の群遅延時間差が補償され、光信号22の受信品質の劣化が抑制される。
(4)変形例
(4-1)変形例1
図15に示す例では、制御回線78はメタルケーブルである。しかし、制御回線78は光伝送路であってもよい。図24は、制御回線78が光伝送路230であるシステム1264の一例を示す図である。図25は、図24における信号の流れを示す図である。
監視部90から送出された第1コマンド132a等(図25参照)は、電気光変換部213により光信号222に変換される。光信号222に変換された第1コマンド132a等は、光伝送路230(図24参照)を介して、光伝送装置202の光電気変換部214に送信される。
変形例1では、CPU114は、ステップS2~S4(図20参照)の代わりに、ステップS16等で使用する待機時間を入力部98から取得する。ステップS104~S106(図22参照)は省略される。
第1コマンド132a等は、光電気変換部214により電気信号に変換されて、スキュー制御部212に送出される。スキュー制御部212は、第1コマンド132a等に応答して、複数のスキュー部6等(図24参照)を制御する。
電気光変換部213は例えば、光伝送装置202の電気光変換部10と実質的に同じ構造を有する。光電気変換部214は例えば、光受信機76の光電気変換部84と実質的に同じ構造を有する。
図24のシステム1264によれば、光伝送装置202と光受信機76の距離が長い場合でも、遅延量の調整を短時間で完了できる。
(4-2)変形例2
以上の例では、スキュー制御部212は、第1遅延量τ00を調整しない。しかしスキュー制御部212は、第1遅延量τ00を調整してもよい。第1信号b00に強度を与える場合には、第1遅延量τ00を第2遅延量τ01~第4遅延量τ11と共に調整することで、群遅延時間差の補償の精度が向上する。
(4-3)変形例3
以上の例では、監視部90は光受信機76に設けられる。しかし監視部90は、光伝送装置202に設けられてもよい。この場合、符号誤り率は制御回線78を介して、測定部88から監視部90に送信される。監視部90を光伝送装置202に設けることにより、光受信機76の構造を簡素化できる。
(4-4)変形例4
以上の例では、第2遅延量τ01~第4遅延量τ11に加算するΔτの符号は正である。しかし、Δτの符号は負であってよい。
この場合、第2集積回路236b(すなわち、スキュー制御部212)は、ステップS102(図22参照)において、0psより十分に大きい所定の遅延量(遅延量の初期値)を複数の遅延回路40夫々に与える。ステップS102で与えられる所定の遅延量は、具体的には、光伝送路30における光信号22の群遅延時間差の最大値(例えば、40ps)より長い時間である。
この場合、第2集積回路236bは、例えばステップS110とステップS112の間で、Δτの符号を取得してもよい。第2集積回路236bは、ステップS116では、取得した符号のΔτを第2遅延量τ01に加算する。ステップS120およびS124においても同様である。
変形例4によれば、光信号22の波長が光伝送路30の正常分散領域内の波長および異常分散領域内の波長のいずれの波長であっても、遅延量の調整が可能である。
(4-5)変形例5
以上の例では、複数の信号16に与えられる遅延量は夫々、試験信号に含まれる2つの疑似ランダム信号の一方に基づいて調整される。しかし、複数の信号16に与えられる遅延量は、試験信号に含まれる2つの疑似ランダム信号の両方に基づいて調整されてもよい。
この場合まず、試験信号に含まれる2つの疑似ランダム信号の一方に基づいて、ステップS14~S42(図20参照)が実行される。その後、試験信号に含まれる2つの疑似ランダム信号の他方に基づいて、ステップS14~S42が再度実行される。
或いは、試験信号に含まれる2つの疑似ランダム信号の一方に基づいて、ステップS14~S22(図20~21参照)が実行される。その後、試験信号に含まれる2つの疑似ランダム信号の他方に基づいて、ステップS14~S22(図20参照)が再度実行される。同様、ステップS24~S32(図21参照)が、一方の疑似ランダム信号に基づいて実行され更に、他方の疑似ランダム信号に基づいて再度実行される。最後に、ステップS34~S42(図21参照)が、一方の疑似ランダム信号に基づいて実行され更に、他方の疑似ランダム信号に基づいて再度実行される。
或いは、試験信号に含まれる2つの疑似ランダム信号の合計に基づいて、ステップS14~S42(図20~21参照)が実行される。
変形例5によれば、2つの疑似ランダム信号に基づいて遅延量が調整されるので、遅延量の調整の精度が向上する。
実施の形態2のスキュー制御部212は、複数のスキュー部6に与える遅延量を、フィードバック制御により調整する。従って実施の形態2によれば、実施の形態1の利点に加え、光強度に応じて波長が変動する光多値信号の群遅延時間差による受信品質の劣化を、適応的に抑制することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3の光伝送装置302(図15参照)は、実施の形態2の光伝送装置202において、複数のスキュー部6に互いに異なる所定の遅延量(フィードバック制御の初期値)が与えられる装置である。その他の構成等は、実施の形態2の構成等と略同じである。従って、実施の形態2と同じ構成等については、説明を省略または簡単にする。
(1)構成および動作
実施の形態3のスキュー制御部312(図15参照)は、複数のスキュー部6に互い異なる所定の遅延量を与える装置である。以上の点を除き、実施の形態3の光伝送装置302の構成および動作は、図15~23を参照して説明した光伝送装置202の構成および動作と略同じである。
複数のスキュー部6に与えられる所定の遅延量は例えば、互いに光強度が異なるシンボル(すなわち、光信号22のシンボル)間の群遅延時間差が補償されるように予め定められた遅延量である。従って実施の形態3によれば、遅延量の調整(すなわち、フィードバック制御)のための時間を短縮できる。
(2)ハードウエア
図26は、実施の形態3の光伝送装置302のハードウエア構成の一例を示す図である。図26には、光受信機76のハードウエア構成も示されている。図27は、図26における信号の流れを示す図である。
実施の形態3の光伝送装置302は例えば、第2集積回路336bに接続された不揮発性メモリ318を有する。不揮発性メモリ318は例えば、フラッシュメモリまたはROM(read only memory)である。
不揮発性メモリ318には、光伝送路30の波長分散等に基づいて予め定められた遅延量の候補(以下、遅延量の候補と呼ぶ)が記録される。遅延量の候補は、互いに光強度が異なるシンボル(光信号22のシンボル)間の光伝送路30における群遅延時間差が補償されるように定められた遅延量である。
不揮発性メモリ318には更に、電気光変換回路44が出力する光信号22の波長を波長範囲に含むレーンの識別子(以下、レーン識別子と呼ぶ)が記録される。例えば、電気光変換回路44が出力する光信号22の波長が図4に示すλ00~λ11の場合、不揮発性メモリ318には、レーン識別子L0が記録される。レーン識別子L0に対応するレーンの波長範囲は、中心波長λcが1273.54nmで幅が約2nmの波長範囲である。
具体的には、不揮発性メモリ318には、遅延量の候補が記録されたルックアップテーブルが記録される。不揮発性メモリ318には更に、レーン識別子が記録されたファイル(例えば1行1列のテーブル、以下、レーンファイルと呼ぶ)が記録される。
実施の形態3のスキュー制御部312(図15参照)は例えば、第2集積回路336b(図26参照)と不揮発性メモリ318とにより実現される。
(3)処理
(3-1)ルックアップテーブル
図28は、不揮発性メモリ318に記録されるルックアップテーブル142の一例を示す図である。ルックアップテーブル142の行(1行目以外の行)は、IEEE 802.3bsで検討されているPAM4のレーンに1対1で対応している。
各行の第1列目には、レーン識別子(例えば、L0)が記録される。第2列目には、レーン識別子に対応するレーンの中心波長が記録されている。第3列目には、各レーンの中心波長における波長分散が記録されている。第4~7列目には、複数の信号16に与えられる遅延量の候補が記録されている。例えば第4列目には、第1遅延量τ00の候補が記録されている。第5~第7列目についても、同様である。
図28のルックアップテーブル142には、零分散波長が1324nmであってファイバ長(すなわち、光伝送路の長さ)が10kmの単一モード光ファイバを伝搬する光信号22のための遅延量(すなわち、第1~第4遅延量)の候補が記録される。
不揮発性メモリ318には例えば、複数のルックアップテーブル144が記録される。複数のルックアップテーブル144は夫々、互いに異なる複数のファイバ長(例えば、2、4、6、8、および10km)に1対1で対応している。
各ルックアップテーブル144には例えば、光伝送装置302が適用されるシステム364の光伝送路30のゼロ分散波長および各ルックアップテーブルが対応するファイバ長に基づいて、定められた第1遅延量τ00~第4遅延量τ11の候補が記録される。第1遅延量τ00~第4遅延量τ11の候補は、各ルックアップテーブル144が対応するファイバ長と同じ長さを有する光伝送路30が、光信号22の各シンボルに与える群遅延時間差を補償するように定められた遅延量である。
以下の説明では、システムに用いる光伝送路30のゼロ分散波長は、予め与えられているものとする。ゼロ分散波長が与えられていない場合には、図28のルックアップテーブル144の代わりに、ファイバ長およびゼロ分散波長の複数の組合せに1対1で対応する複数のルックアップテーブルを用いることができる。
(3-2)光受信機の処理
図29は、光伝送装置302と光受信機76とが協働して実行する処理の流れを示すシーケンス図である。図29のシーケンス図は、図19に示す実施の形態2のシーケンス図に類似している。従って、図19に示す手順と類似する手順の説明は省略または簡単にする。図30~31は、光受信機76が実行する処理の流れの一例を示す図である。
図30~31に破線で示されたステップは、図20~21を参照して説明したステップである。従って、図30~31に破線で示されたステップの説明は省略または簡単にする。
―基準誤り率の送信要求(ステップS302)―
ステップS2~S4の後、CPU114は、第8コマンド132hを、制御回線78を介して光伝送装置202に送信する。第8コマンド132hは、ステップS310(図31参照)の判定に用いる基準誤り率の送信を要求するコマンドである。
ステップS302は、監視部90(図15参照)により実行される。
―基準誤り率の受信(ステップS304)―
CPU114は、基準誤り率(以下、基準BERと呼ぶ)を受信するまで待機する。CPU114は、基準BERを受信すると、ステップS6に進む。ステップS302は、監視部90により実行される。
―試験信号の送信要求(ステップS6)―
ステップS304の後、CPU114は、第1コマンド132a(すなわち、試験信号の送信要求)を、制御回線78を介して光伝送装置302に送信する。ステップS6は、図20を参照して説明したステップである。
―測定パラメータを決定(ステップS8)―
ステップS6の後、CPU114は、符号誤り率の測定パラメータを決定する。ステップS8は、図20を参照して説明したステップである。
―符号誤り率の測定(ステップS306)―
ステップS8の後、CPU114は、受信信号92(図16参照)の符号誤り率を測定する。ステップS306は、測定部88により実行される。
―符号誤り率の記録(ステップS308)―
ステップS306の後、CPU114は、測定した符号誤り率をメモリ115に記録する。ステップS308は、監視部90により実行される。
―判定(ステップS310)―
ステップS308の後、CPU114は、メモリ115からステップS306で測定した符号誤り率を読み出して、ステップS304で受信した基準BERと比較する。
CPU114は、ステップS306で測定した符号誤り率が基準BERより小さい場合は、ステップS44に進む。CPU114は、ステップS306で測定した符号誤り率が、ステップS304で受信した基準BER以上の場合には、ステップS14-S42に進む。
ステップS310は、監視部90により実行される。
―遅延量の調整(ステップS14~S42)―
CPU114は、光信号22の符号誤り率が減少するように、第1遅延量τ00~第4遅延量τ11をフィードバック制御する。ステップS14~S42は、図20~21を参照して説明したステップである。CPU114は、ステップS14~S42の後、ステップS306に戻る。
ステップS14~S42は、測定部88および監視部90により実行される。
(3-3)光伝送装置の処理
図32~33は、光伝送装置302が実行する処理の流れを示す図である。
図32~33に破線で示されたステップは、図22~23を参照して説明したステップである。従って、図32~33に破線で示されたステップの説明は省略または簡単にする。
―制御情報の取得(ステップS402)―
第2集積回路336b(図27参照)は、制御情報を取得する。第2集積回路336bが取得する制御情報は、第1遅延量τ00~第4遅延量τ11の制御のための情報である。
具体的には、第2集積回路336bは例えば、起動指示操作に応答して、複数のルックアップテーブル144夫々の識別子(以下、テーブル識別子と呼ぶ)を、表示装置108に表示する。起動指示操作は例えば、入力装置110に対してオペレータが行う操作である。
第2集積回路336bは更に、表示したテーブ識別子に関連付けて、各ルックアップテーブル144のファイバ長を、表示装置108に表示する。この表示は、オペレータに複数のルックアップテーブル144のいずれかを選択するように促すための表示である。
第2集積回路336bは、この表示に応答して、オペレータが選択したテーブル識別子を取得する。テーブル識別の選択は例えば、入力装置110に対する操作である。オペレータは例えば、システム364の実際の光伝送路30の長さ(以下、実ファイバ長と呼ぶ)に基づいて、ルックアップテーブル144のテーブル識別子を選択する。具体的にはオペレータは、実ファイバ長(例えば、8.1km)に最も近いファイバ長(例えば、8km)に対応するルックアップテーブル144のテーブル識別子を選択する。
第2集積回路336bはテーブル識別子を取得すると、表示装置108に、コメントを表示する。このコメントは、オペレータに基準誤り率の入力を促すためのコメントである。第2集積回路336bは、この表示に応答してオペレータが入力した基準誤り率を取得する。基準誤り率の入力は、入力装置110に対する操作である。
基準誤り率は、ステップS310(図31参照)の判定に用いられる基準値である。基準誤り率は例えば、IEEE 802.3bsで検討されているPAM4のための符号誤り率の許容値である。基準誤り率は例えば、ファイバ長が10kmの場合、1×10-4または2×10-4である。
ステップS402は、スキュー制御部312(図15参照)により実行される。
―遅延量の候補の読出し(ステップS404)―
ステップS402の後、第2集積回路336bは先ず、不揮発性メモリ318から、レーン識別子を読み出す。第2集積回路336bは更に、読み出したレーン識別子とステップS402で取得したテーブル識別子に基づいて、不揮発性メモリ318から遅延量の候補を読み出す。
具体的には、第2集積回路336bは先ず、不揮発性メモリ318に記録された複数のルックアップテーブル144(図28参照)から、ステップS402で取得したテーブル識別子に対応するルックアップテーブル144を選択する。第2集積回路336bは、選択したルックアップテーブル144の複数の行から、不揮発性メモリ318から読み出したレーン識別子(例えば、L0)に対応する行(例えば、2行目)を選択する。第2集積回路336bは、選択した行に記録された遅延量の候補(例えば、0.0ps、15ps、30.1ps、45.1ps)を読み出す。
ステップS404は、スキュー制御部312(図15参照)により実行される。
―遅延量の設定(ステップS406)―
ステップS404の後、第2集積回路336bは、ステップS404で読み出した遅延量の候補を、複数の遅延回路40(図27参照)に与える。換言するならば、スキュー制御部312(すなわち、第2集積回路336b)は、複数のスキュー部6(すなわち、複数の遅延回路40)に、所定の遅延量(すなわち、遅延量の候補)を与える。
例えば、第2集積回路336bは、第1データ310a(図27参照)を第1遅延回路40aに送出する。第1データ310aは、ステップS404で読み出した第1遅延量τ00の候補(例えば、0ps)である。
第1遅延回路40aは、第1データ310aに応答して、第1電気信号50aに与える第1遅延量τ00を、第1データ310aが示す第1遅延量τ00の候補(例えば、0ps)に設定する。
同様に、第2遅延回路40b~第4遅延回路40dは、第2集積回路336bが送出する第2データ310b~第4データ310dに応答して、第2遅延量τ01~第4遅延量τ11を夫々の候補(例えば、15ps、30.1ps、45.1ps)に設定する。
ステップS406は、スキュー制御部312により実行される。
―エコー要求の受信~エコー応答の送信(ステップS104~S106)―
ステップS406の後、第2集積回路336bは、ステップS104~S106を実行する。ステップS104~S106は、図22を参照して説明したステップである。
―基準BER送信要求の受信(ステップS408)―
ステップS106の後、第2集積回路336bは、第8コマンド132hを受信するまで待機する。第8コマンド132hは、基準BERの送信を要求するコマンドである。
ステップS408は、スキュー制御部312により実行される。
―基準BERの送信(ステップS410)―
ステップS408の後、第2集積回路336bは、ステップS402で取得した基準BERを、制御回線78を介して光受信機76に送信する。
ステップS410は、スキュー制御部312により実行される。
―試験信号の送信要求の受信~運用開始(ステップS108~S128)―
ステップS410の後、第2集積回路336bはステップS108~S128を実行する。ステップS108~S128は、図22~23を参照して説明したステップである。
以上のように、光伝送装置302は、ルックアップテーブル144に記録された遅延量の候補を、複数の遅延回路40に与える。光伝送装置302は更に、光受信機376と協働して、複数の遅延回路40の遅延量を調整する。複数の遅延回路40に与えられた遅延量の候補は、遅延量の調整のための初期値である。
遅延量の調整(ステップS108~S126)では、受信信号の符号誤り率が基準値(すなわち、基準BER)未満になるまで、遅延量が調整される。従って、図29~33に示す処理によれば、光信号22の符号誤り率を所望の値(すなわち、基準BER)未満に抑制できる。
(4)変形例
以上の例では、遅延量の候補の全体が互い異なっている。しかし、遅延量の候補の一部だけが互いに異なっていてもよい。遅延量の候補の一部が同じ値であっても、遅延量の調整のための時間は短縮される。
実施の形態3によれば、光伝送路30における光信号22の群遅延時間差を補償するように予め定められた遅延量を、遅延量の初期値として複数のスキュー部6に与えることができる。従って実施の形態3によれば、実施の形態1~2の利点に加え、遅延量の調整のための時間を短縮できる。
(実施の形態4)
実施の形態4の光伝送装置は、変調マッピング部4(図1参照)が出力する複数の信号16(図2参照)に与える遅延量をフィードフォワード制御する装置である。その他の構成等は、実施の形態1の構成等と略同じである。従って、実施の形態1と同じ構成等については、説明を省略または簡単にする。
(1)構成および動作
図34は、実施の形態4の光伝送装置402が適用されたシステム464の一例を示す図である。
―光伝送装置―
実施の形態4のスキュー制御部412(図34参照)は、複数のスキュー部6に互い異なる所定の遅延量を与える装置である。スキュー制御部412には、入力部82および表示部80が接続されてもよい。入力部82および表示部80は、複数のスキュー部6に与える所定の遅延量の選択のために使用できる。
以上の点を除き、実施の形態4の光伝送装置402の構成および動作は、図1~2を参照して説明した実施の形態1の光伝送装置2の構成および動作と略同じである。
―光受信機―
実施の形態4の光受信機476は、光電気変換部84および多値復調部486を有する装置である。光電気変換部84は、実施の形態2で説明した。多値復調部486は、測定部88(図15参照)に接続されない事以外は、実施の形態2の多値復調部86と実質的に同じである。
―制御―
複数のスキュー部6に与えられる所定の遅延量は例えば、実施の形態3のスキュー制御部312(図15参照)が複数のスキュー部6に与える所定の遅延量と実質的に同じである。すなわち、複数のスキュー部6に与えられる所定の遅延量は例えば、互いに光強度が異なるシンボル(すなわち、光信号22のシンボル)間の光伝送路30における群遅延時間差が補償されるように予め定められた遅延量である。
すなわち、実施の形態4の光伝送装置402は、複数の信号16に与える遅延量をフィードフォワード制御する装置である。従って、実施の形態4によれば、フィードバック制御のための構成(例えば、測定部88、監視部90および制御回線78)を省略できる。
(2)ハードウエア
図35は、実施の形態4のシステム464のハードウエア構成の一例を示す図である。
―光送信機―
図35に示すように、第2集積回路436bは、制御回線78(図26参照)に接続されなくてもよい。第2集積回路436bは、第1集積回路236aに接続されない。これらの点を除き、実施の形態4の光伝送装置402のハードウエア構成は、実施の形態3の光伝送装置302(図26参照)のハードウエア構成と実質的に同じである。
不揮発性メモリ318には、遅延量の候補(例えば、ルックアップテーブル144)が記録される。不揮発性メモリ318には更に、電気光変換回路44が出力する光信号22の波長を波長範囲に含むレーンの識別子が記録される。
実施の形態4のスキュー制御部412は、第2集積回路436bおよび不揮発性メモリ318により実現される。
―光受信機―
実施の形態4の光受信機476は、光電気変換回路112および第3集積回路436cを有する。光電気変換回路112は、実施の形態2で説明した回路である。第3集積回路436cは、CPU114等(図17参照)に接続されない事以外は、実施の形態2の第3集積回路36cと実質的に同じ回路である。
多値復調部486は、第3集積回路436cにより実現される。
(3)処理
(3-1)ルックアップテーブル
実施の形態4のルックアップテーブルは例えば、実施の形態3で説明したルックアップテーブル144である。
(3-2)光伝送装置の処理
図36は、光伝送装置402が実行する処理の流れを示す図である。
―制御情報の取得(ステップS1402)―
第2集積回路436b(図35参照)は、制御情報を取得する。第2集積回路436bが取得する制御情報は、第1遅延量τ00~第4遅延量τ11の制御のための情報である。ステップS1402は、取得する制御情報に基準符号誤り率が含まれない事以外は、図32を参照して説明したステップS402と略同じステップである。
第2集積回路436bは例えば、光伝送路30の実際の長さに最も近いファイバ長に対応するルックアップテーブル144のテーブル識別子を取得する。
ステップS1402は、スキュー制御部412(図34参照)により実行される。
―遅延量の候補の読出し(ステップS404)―
ステップS1402の後、第2集積回路436bは、ステップS1402で取得したテーブル識別子に基づいて、不揮発性メモリ318から遅延量の候補を読み出すS1402。ステップS404は、図32を参照して説明したステップである。
ステップS404は、スキュー制御部412により実行される。
―遅延量の設定(ステップS406)―
ステップS404の後、第2集積回路436bは、ステップS404で読み出した遅延量の候補を、複数の遅延回路40に与える。ステップS404は、図32を参照して説明したステップである。
ステップS406は、スキュー制御部412により実行される。
―運用開始(ステップS128)―
ステップS406の後、第2集積回路436bは、光伝送装置402に接続された装置に、デジタル信号14の送信を許可する。ステップS128は、図23を参照して説明したステップである(実施の形態2参照)。
ステップS128は、スキュー制御部412により実行される。
実施の形態4によれば、光伝送路による群遅延時間差を補償できるので、光強度に応じて波長が変動する光多値信号の群遅延時間差による受信品質の劣化を抑制することができる。更に実施の形態4によれば、フィードフォワード制御により群遅延時間差を補償できるので、フィードバック制御のための構成を省略できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、実施の形態1~4は、例示であって制限的なものではない。
例えば、実施の形態1~4のデジタル信号14は、2つの並行した2値信号である。しかし、デジタル信号14は、3つ以上の2値信号であってもよい。或いは、デジタル信号14は、多値信号であってもよい。
以上の例では、第1集積回路と加算回路の間の信号線が複数の信号16夫々に与える遅延の量は同じである。しかし、第1集積回路と加算回路の間の信号線は、複数の信号16に互いに異なる遅延を与えてもよい。この場合には、複数の遅延回路40は、光伝送路の群遅延時間差に加え、第1集積回路と加算回路の間の信号線が複数の信号16に与える遅延の時間差を補償する。
以上の例では、第1遅延回路40aに与えられる所定の遅延量は0psである。しかし、第1遅延回路40aに与えられる所定の遅延量は0psより大きい遅延量であってもよい。この場合、第2遅延回路40b~第4遅延回路40dに与えられる所定の遅延量は、第1遅延回路40aに与えられる所定の遅延量に応じて増加する。
以上の例では、光信号22の波長は光伝送路30の正常分散領域内の波長である。しかし、光信号22の波長は光伝送路30の異常分散領域内の波長であってもよい。この場合でも、光伝送路の群遅延時間差による受信品質の劣化は抑制できる。
以上の実施の形態1~4に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
入力信号に応じた強度の光信号を送信するように構成された光伝送装置であって、
前記入力信号が有する値に応じた強度を付加する変調マッピング部と、
前記変調マッピング部から並列に出力された複数の信号に、遅延を与える複数のスキュー部と、
前記遅延が与えられた前記複数の信号を和算して、和信号を発生する和算部と、
前記和信号を、光強度が前記和信号の強度に応じて変調され前記光強度に応じて波長が変動する前記光信号に変換して送信する電気光変換部と、
前記複数のスキュー部に、前記遅延の量である遅延量を与えるスキュー制御部とを有する
光伝送装置。
(付記2)
前記スキュー制御部は更に、前記電気光変換部に光伝送路を介して接続された装置が受信する光信号の受信品質に基づいて、前記複数のスキュー部に与えた前記遅延量を調整することを
特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
(付記3)
前記受信品質は、前記装置が受信する光信号の符号誤り率であり、
前記スキュー制御部は、前記符号誤り率が減少するように、前記複数のスキュー部に与えた前記遅延量を調整することを
特徴とする付記2に記載の光伝送装置。
(付記4)
前記遅延量は互いに異なることを
特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の光伝送装置。
(付記5)
前記入力信号は、n値信号(nは3以上の整数)であり、
前記複数の信号は、0以上n-1以下の複数の整数に1対1で対応することを
特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の光伝送装置。
(付記6)
前記複数の信号は、複数の電気信号または数値化された複数の信号であり、
前記入力信号は、複数の2値信号または多値信号であることを
特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の光伝送装置。
(付記7)
前記変調マッピング部は、前記複数の信号のうちの一つの信号のみにゼロより大きい強度を与えることを
特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の光伝送装置。
(付記8)
入力信号が有する値に対応する信号に、前記値に応じた強度を付加し、
前記信号を含む複数の信号に遅延を与え、
前記強度が付加され更に前記遅延が与えられた前記複数の信号を和算して、和信号を発生し、
前記和信号を、光強度が前記和信号の強度に応じて変調され前記光強度に応じて波長が変動する光信号に変換して送信する
多値信号の光伝送方法。
2 ・・・ 光伝送装置
4 ・・・ 変調マッピング部
6 ・・・ スキュー部
8 ・・・ 和算部
10 ・・・ 電気光変換部
12 ・・・ スキュー制御部
14 ・・・ デジタル信号
15 ・・・ デジタル信号
20 ・・・ 和信号
22 ・・・ 光信号
30 ・・・ 光伝送路
202 ・・・ 光伝送装置
204 ・・・ 変調マッピング部
212 ・・・ スキュー制御部
213 ・・・ 電気光変換部
222 ・・・ 光信号
230 ・・・ 光伝送路
302 ・・・ 光伝送装置
312 ・・・ スキュー制御部
402 ・・・ 光伝送装置
412 ・・・ スキュー制御部

Claims (4)

  1. デジタル信号が入力され、入力された前記デジタル信号に応じた強度の光信号を送信するように構成された光伝送装置であって、
    複数の整数に1対1で対応する複数の信号のうちの一つであって前記デジタル信号が有する値に対応する信号に、前記値に応じた強度を付加する変調マッピング部と、
    前記変調マッピング部から並列に出力された前記複数の信号に、遅延を与える複数のスキュー部と、
    前記遅延が与えられた前記複数の信号を和算して、和信号を発生する和算部と、
    前記和信号を、光強度が前記和信号の強度に応じて変調され前記光強度に応じて波長が変動する前記光信号に変換して送信する電気光変換部と、
    前記複数のスキュー部に前記遅延の量である遅延量を与え更に、前記電気光変換部に光伝送路を介して接続された装置が受信する光信号の受信品質に基づいて、前記複数のスキュー部に与えた前記遅延量を調整するスキュー制御部とを有し、
    前記変調マッピング部による前記付加は、ゼロより大きい強度は、前記複数の信号のうちの一つの信号のみに付加される処理である
    伝送装置。
  2. 前記受信品質は、前記装置が受信する光信号の符号誤り率であり、
    前記スキュー制御部は、前記符号誤り率が減少するように、前記複数のスキュー部に与えた前記遅延量を調整することを
    特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
  3. 前記遅延量は互いに異なることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の光伝送装置。
  4. デジタル信号に応じた強度の光信号を送信する光伝送方法であって、
    複数の整数に1対1で対応する複数の信号のうちの一つであって前記デジタル信号が有する値に対応する信号に、前記値に応じた強度を付加し、
    前記複数の信号に遅延を与え、
    前記信号に前記付加が行われ更に前記遅延が与えられた前記複数の信号を和算して、和信号を発生し、
    前記和信号を、光強度が前記和信号の強度に応じて変調され前記光強度に応じて波長が変動する前記光信号に変換して送信し、
    前記光信号を送信する光伝送装置に光伝送路を介して接続された装置が受信する光信号の受信品質に基づいて、前記遅延の量を調整し、
    前記付加は、ゼロより大きい強度は、前記複数の信号のうちの一つの信号のみに付加される処理である
    値信号の光伝送方法。
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