JP7100428B2 - 油焼入れ装置および熱処理設備 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークの油焼入れ処理を行う油焼入れ装置および当該油焼入れ装置を用いた熱処理設備に関する。
自動車用部品やその他機械部品等のワーク表面の硬度を高める熱処理として浸炭焼入れ処理が知られている。浸炭焼入れ処理はワークに浸炭処理を施した後にワークを急冷することで焼入れ処理を行う熱処理方法である。浸炭後の焼入れ処理にはガスを当ててワークを冷却するガス焼入れや、油槽に貯留する焼入れ油にワークを浸漬させて冷却する油焼入れといった方法がある。これらの焼入れ処理方法のうち油焼入れ処理の方法として、特許文献1には油槽内の焼入れ油を攪拌機で攪拌し、流速が付与された焼入れ油を、焼入れ油の流路となるダクトを介してワークに当てる方法が開示されている。
油焼入れ処理においては、ワークを均一に冷却して焼入れ品質のばらつきを抑えることが求められるが、ダクトを設けるだけではダクト内の油流れの乱れが大きくなり、ワークを均一に冷却することが困難である。そこで、特許文献2ではダクト内に整流板を設けることで油流れの乱れを抑制している。また、特許文献2では、ワークが載せられた台にさらに整流板を設けて油流れの乱れを抑制している。
特開2012-207239号公報 特開2010-7146号公報
特許文献2の焼入れ方法によれば、ダクトからワークまでの油流れの乱れを抑えることは可能であるが、焼入れ油がワークに接触した段階で油流れに乱れが生じてしまう。このため、依然としてワークの部位ごとの冷却速度にばらつきが生じ、焼入れ品質のばらつきが生じていた。特に、比較的整流された状態の焼入れ油が当たるワークの下部と、油流れの乱れが大きくなった状態の焼入れ油が当たるワーク上部では、焼入れ硬さや歪の品質ばらつきが大きくなる傾向にあった。また、ワークの歪のばらつきの程度によっては後加工が必要になる場合もあり、後加工を行う分、あらかじめワークに対する浸炭を深くする、すなわち浸炭処理時間を長くする必要があり、生産性を低下させる要因にもなり得る。したがって、油焼入れ処理後の焼入れ品質のばらつきを抑制するためには、ワークに当たる焼入れ油の油流れの乱れを抑制することが求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、油焼入れ処理において、流速が付与された焼入れ油の油流れの乱れを抑制することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、ワークの油焼入れ処理を行う油焼入れ装置であって、焼入れ油を貯留する油槽と、前記油槽内の前記焼入れ油を攪拌し、前記ワークに対し下方から上方に抜けるように焼入れ油の流れを形成する撹拌機と、前記油槽内において前記ワークを保持するワーク保持部材と、前記ワークが前記焼入れ油に浸漬して焼入れ処理が行われる焼入れ位置において前記ワークの側方に設けられた、前記ワークを取り囲む外周ガイド部材と、前記撹拌機から前記焼入れ位置にある前記ワークまで流れる前記焼入れ油の流路であり、該焼入れ油が前記ワークの下方から当たるように配置されたダクトと、前記ワークの下方から上方に向かって流れる前記焼入れ油を、前記焼入れ位置にある前記ワークの上方で整流する上部整流部材とを備え、前記ワーク保持部材は、前記ワークを側方から抱え込むように構成され一対のアームと、前記一対のアームの先端部にそれぞれ設けられた、前記ワークの下面を支持する支持部と、を有し、前記上部整流部材は、前記油槽の幅方向に延びる第1の仕切部材と、前記油槽の奥行き方向に延びる第2の仕切部材と、を有していることを特徴としている。
別の観点による本発明は、ワークの熱処理を行う熱処理設備であって、上記油焼入れ装置を備えていることを特徴としている。
本発明に係る油焼入れ装置は、焼入れ位置にあるワークの上方に上部整流部材が設けられていることにより、ワークの上方において焼入れ油の油流れの乱れが抑制される。これにより外周ガイド部材の内方において、整流された焼入れ油の油流れが形成され、ワーク下部への接触により乱れが生じた焼入れ油は、その整流された焼入れ油の油流れに引っ張られるようにして合流する。その結果、整流部材が設けられない場合に比べて、ワークの下方から上方に抜ける焼入れ油の油流れの乱れが抑制される。
本発明によれば、油焼入れ処理において、流速が付与された焼入れ油の油流れの乱れを抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係る焼入れ装置を備えた浸炭焼入れ設備の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る焼入れ装置の概略構成を示す正面図である。 図2中のA-A断面図であり、本発明の第1の実施形態に係る焼入れ装置の概略構成を示す平面断面図である。 図2中のB-B断面図であり、本発明の第1の実施形態に係る焼入れ装置の概略構成を示す側面断面図である。 従来の焼入れ装置における油流れを模式的に示した図である。 本発明の第1の実施形態に係る焼入れ装置における油流れを模式的に示した図である。 本発明に係る上部整流部材の形状の一例を示す平面図である。 本発明に係る上部整流部材の形状の一例を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る焼入れ装置の概略構成を示す正面図である。 図9中のC-C断面図であり、本発明の第2の実施形態に係る焼入れ装置の概略構成を示す平面断面図である。 図9中のD-D断面図であり、本発明の第2の実施形態に係る焼入れ装置の概略構成を示す側面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る焼入れ装置における油流れを模式的に示した図である。 本発明に係る側部整流部材の形状の一例を示す平面図である。 本発明に係る側部整流部材の形状の一例を示す平面図である。 図2中のA-A断面図に相当する図であり、本発明の第3の実施形態に係る焼入れ装置の概略構成を示す平面断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る焼入れ装置における油流れを模式的に示した図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、説明の便宜のため、参照する図面では、紙面手前側の油槽の外壁等の油焼入れ装置の一部構成については図示を省略している。
<第1の実施形態>
第1の実施形態の油焼入れ装置1は、例えば図1のような浸炭焼入れ設備70に設置される。浸炭焼入れ設備70は、ワークWの予熱を行う予熱室71と、浸炭処理および拡散処理を行う浸炭室72と、拡散処理後の降温処理を行う降温室73を備えており、ワークWは搬送ローラ74により予熱室71、浸炭室72、降温室73の順に搬送されていく。油焼入れ装置1は降温室73に隣接するように配置されている。
予熱室71にはワークWを搬入するための搬入扉75が設けられている。予熱室71と浸炭室72との間、浸炭室72と降温室73との間、および降温室73と油焼入れ装置1の油槽2との間には、それぞれ開閉可能な仕切扉76、77、78が設けられている。また、焼入れ装置1の油槽2には、焼入れ処理を終えたワークWを搬出するための搬出扉79も設けられている。予熱室71、浸炭室72および降温室73の天井部には室内の雰囲気を攪拌するファン80が設けられている。なお、図示は省略しているが、浸炭焼入れ設備70は浸炭ガスの供給や排気等の一連の浸炭焼入れ処理を行うために必要な構成を有している。
このような構成の浸炭焼入れ設備70においては、搬入扉75、各仕切扉76~78および搬出扉79が閉じられた状態で、各室内で所定の時間、熱処理が行われる。その熱処理の終了後、搬入扉75、各仕切扉76~78および搬出扉79が適宜開放され、ワークWが搬送方向の下流側に移動する。この際、油焼入れ装置1からは焼入れ処理後のワークWが搬出され、予熱室71には新たなワークWが搬入される。なお、図1では、浸炭焼入れ設備70として、隣接する処理室にワークWが順次搬送されて熱処理される連続式の浸炭焼入れ設備を例示しているが、これに限定されることはなく、バッチ式の浸炭焼入れ設備であっても良い。
図2~図4に示すように第1の実施形態の油焼入れ装置1は、焼入れ油を貯留する油槽2と、油槽2内の焼入れ油を攪拌する攪拌機3と、油槽2内においてワークWを保持するワーク保持部材10と、ワーク保持部材10を昇降させる昇降機構20を備えている。
ワーク保持部材10は、ワークWを側方から抱え込むように構成されたアーム10aであり、アーム10aの先端部には上方に突出する爪部10bが形成され、この爪部10bによりワークW下面の幅方向Cの両端部が支持されている。図3に示すようにワーク保持部材10の上面部には、複数の梁部材11aからなる矩形状の梁11が設けられている。図2、図4に示すように梁部材11aには昇降機構20のフック21が取り付けられている。このフック21はチェーン等により昇降するように構成され、このフック21の昇降動作に伴い、ワーク保持部材10が昇降するように構成されている。すなわち、本実施形態においてはワークWの昇降機構20として、いわゆるエレベータラック方式が採用されており、ワーク保持部材10の梁部材11aの吊り上げ及び吊り下げを行う吊り機構が設けられている。これにより、図2の紙面垂直方向から搬入されたワークWを焼入れ油内の所定の位置(以下、“焼入れ位置”)まで下降させ、焼入れ処理を行うことが可能となる。
なお、焼入れ位置は油焼入れ装置1の構造に応じて適宜変更される。また、ワーク保持部材10の構造や昇降機構20の構造は本実施形態で説明したものに限定されず、油槽2内に搬入されたワークWを焼入れ油内に浸漬させるように昇降することができれば他の構造であっても良い。また、本明細書に添付する図面では、図面の簡略化のためにワークWを模式的に示しているが、実操業においては例えば下面が網目状の治具に複数のワークWが載せられる。この場合、ワークWの下面とは治具の下面のことを指す。
油槽2の底部には、攪拌機3の攪拌により流速が付与された焼入れ油を、焼入れ位置にあるワーク保持部材10まで案内するダクト4が設けられている。ダクト4の一端は攪拌機3の攪拌羽根3aに対向するように上方を向いた状態で固定され、他端は焼入れ位置まで下降したワークWの下面に対向するように上方を向いた状態で固定されている。すなわち、ダクト4は、攪拌機3から焼入れ位置にあるワークWまでの流路となる。また、ダクト4内には、ダクト4の長手方向に沿った形状の整流板4aが間隔をおいて複数設けられている。
焼入れ位置にあるワークWの側方にはワークWを取り囲む外周ガイド部材30が設けられている。第1の実施形態の外周ガイド部材30は、ワークWの側部四方を覆う平板部材である。この外周ガイド部材30が設けられていることにより、ワークWの下方から上方に流れる焼入れ油がワークWに接触しやすくなる。なお、外周ガイド部材30は第1の実施形態で説明した構造に限定されず、ダクト4からの焼入れ油がワークWに接触しやすくなるようにワークWの側部を取り囲むようなものであれば良い。
図3に示すように第1の実施形態の梁部材11aには、幅方向Cに延びる第1の仕切部材40aや奥行き方向Dに延びる第2の仕切部材40bが複数組み合わされて取り付けられている。ワークWの下方から上方に抜ける焼入れ油は、各仕切部材40a、40bと梁部材11aとの間を通過することになり、この際に焼入れ油の油流れの方向がある程度揃うことになる。すなわち、梁部材11aに取り付けられた、各仕切部材40a、40bは焼入れ油の油流れを整流する整流部材として機能する。なお、第1の仕切部材40aは奥行き方向Dの間隔が均等となるように配置されることが好ましい。また、第2の仕切部材40bは幅方向Cの間隔が均等となるように配置されることが好ましい。以降の説明では、焼入れ位置にあるワークWの上方に設けられたそのような整流部材を“上部整流部材40”と称す。
図5は上部整流部材40が設けられていない従来の油焼入れ装置の油流れを示した模式図である。従来の油焼入れ装置においては、ダクト4からワークWに向かう焼入れ油の油流れがワークWの下面に接触した際に乱れることになり、ワークWの下面よりも上方では油流れの乱れが生じた状態のままとなる。一方、第1の実施形態の油焼入れ装置1では、図6のように上部整流部材40によりワークWの上方に抜けていく焼入れ油の油流れが整流され、ワーク上方の油流れの乱れが抑制される。また、整流された焼入れ油の油流れがワークWの上方に形成されることにより、後続の焼入れ油は流体の性質上、整流された焼入れ油の油流れに引っ張られるように合流することになる。このため、ワークW下方の油流れの乱れも抑制されると推察される。その結果、従前よりも焼入れ位置にあるワークW周囲の油流れの乱れが抑制され、ワークWの冷却ばらつきが小さくなる。
このように、第1の実施形態の油焼入れ装置1においては、ワーク保持部材10の上面部に上部整流部材40が設けられていることにより、ワークWの冷却ばらつきを抑えることができる。これにより、焼入れ品質のばらつきを抑えることができる。
なお、上部整流部材40は第1の実施形態で説明したものに限定されず、油槽2の構造やワーク保持部材10の構造等に応じて適宜変更される。例えば図7や図8のような形状であっても良い。また、例えば第1の実施形態では上部整流部材40の奥行き方向Dの長さがワークWの奥行き方向Dの長さよりも短くなっているが、上部整流部材40の奥行き方向Dの長さはワークWの奥行き方向Dの長さよりも長いことが好ましい。その場合、さらに上部整流部材40の幅方向Cの長さがワークWの幅方向Cの長さよりも長いことが好ましい。これにより上部整流部材40でワークWの全体を覆うことができ、整流効果が向上する。
さらに、第1の実施形態では上部整流部材40をワーク保持部材10の上面部にある梁部材11aに設けることとしたが、上部整流部材40を梁部材11aに設けることは必須ではない。例えばワーク保持部材10のための昇降機構20とは異なる昇降機構(不図示)を設け、上部整流部材40をワーク保持部材10とは独立して昇降させるようにしても良い。ただし、上部整流部材40は、第1の実施形態のようにワーク保持部材10の上面部にある梁部材11aに設けることが好ましい。これにより、上部整流部材40の昇降機構20を収めるために油槽2の天井を高くするなどの対応が不要となり、油焼入れ装置1を小型化することができる。
<第2の実施形態>
図9~図11に示す第2の実施形態の油焼入れ装置1は、第1の実施形態の油焼入れ装置1に対してワーク保持部材10と外周ガイド部材30の形状が異なっている。具体的に説明すると、第2の実施形態では、ワーク保持部材10の上面部にある梁部材11aに上部整流部材40が設けられていない。
一方、第2の実施形態では、外周ガイド部材30の内面全周に、外周ガイド部材30の下端から上端まで延びる複数のリブ50aが形成されている。外周ガイド部材30の高さ方向Hの長さと、各リブ50aの高さ方向Hの長さは略同一である。また、図10に示すように各リブ50aは奥行き方向D、および幅方向Cに沿って所定の間隔で設けられており、第2の実施形態では、奥行き方向Dの外周ガイド部材30の内面と幅方向Cの外周ガイド部材30の内面で、設置されたリブ50aの間隔が異なっている。
このような構造を有する第2の実施形態の油焼入れ装置1では、図12のような油流れが形成される。すなわち、ダクト4からワークWに向かう焼入れ油は、外周ガイド部材30の各リブ50aの間を通り、ワークWの上方に抜けていく。このとき、各リブ50a間を通過する焼入れ油はリブ50aの延伸方向(第2の実施形態では高さ方向H)に沿って流れることになるため、油流れの方向は各リブ50a間で概ね同一となる。したがって、ダクト4からの焼入れ油がワークW下面に接触することで油流れに乱れが生じたとしても、外周ガイド部材30の内方を流れる焼入れ油は各リブ50aによって整流される。また、図10に示すようにリブ50aのワークW側の端部とワークWとの間には隙間が存在するが、ここを流れる焼入れ油、すなわち各リブ50a間を通過しない焼入れ油は、各リブ50a間で整流された焼入れ油に引っ張られるように上方に向かって流れていく。このため、外周ガイド部材30の内方はリブ50aを設けない場合に比べて、全体として焼入れ油の油流れが整流された状態にあり、油流れの乱れが抑制された状態となる。その結果、ワークWの冷却ばらつきを抑えることができ、焼入れ品質のばらつきを抑えることが可能となる。
なお、第2の実施形態のリブ50aのような、ワークWの側方にある外周ガイド部材30の内面に設けられた整流部材を“側部整流部材50”と称す。第2の実施形態では側部整流部材50としてリブ50aを設けたが、平板など他の部材であっても良い。また、例えば図13のように側部整流部材50の幅方向Cの間隔を変えたり、図14のように側部整流部材50の延伸方向を高さ方向に対して傾斜させたりしても良い。また、ワーク保持部材10や昇降機構20の構造によっては側部整流部材50を外周ガイド部材の内面全周に設けなくても良い。すなわち、ワークWの側部と外周ガイド部材30との間においてワークWの下方から上方に抜ける焼入れ油を整流する構成であれば、側部整流部材50の形状や配置は特に限定されない。
<第3の実施形態>
第3の実施形態の油焼入れ装置1は、図15に示すように第1の実施形態の上部整流部材40と第2の実施形態の側部整流部材50を組み合わせた構成を有している。すなわち、ワーク保持部材10の上面部にある梁部材11aに上部整流部材40が設けられ、外周ガイド部材30の内面に側部整流部材50が設けられている。
図16に示すように第3の実施形態の油焼入れ装置1においては、ワークWの下面に接触することで油流れに乱れが生じた焼入れ油が、ワークWの側方で整流され、さらにワークWの上方でも整流される。これにより、ワークWの下方から上方に抜ける焼入れ油の油流れの乱れを更に抑制することができ、焼入れ品質のばらつきを抑制する効果が高まる。なお、第1の実施形態および第2の実施形態と同様、上部整流部材40と側部整流部材50の構造は第3の実施形態で説明したものに限定されない。
以上の第1~第3の実施形態で説明したように、ワークWを冷却する焼入れ油の乱れを抑制するためには、上部整流部材40だけであっても良いし、側部整流部材50だけであっても良いし、それらの組み合わせであっても良い。すなわち、ダクト4からワークWに向かう焼入れ油の整流構造として、焼入れ位置にあるワークWの上方および側方の少なくともいずれか一方で焼入れ油を整流できる構造であれば、油流れの乱れを抑制することができる。
なお、上記実施形態ではワーク保持部材10を昇降させる昇降機構20を設けることとしたが、油焼入れ装置1の構造によっては昇降機構20を設けずにワーク保持部材10を焼入れ位置まで移動させることができるため、この場合には昇降機構20は不要である。また、上記実施形態のような油焼入れ装置1は、浸炭焼入れ設備に設置される焼入れ装置としてだけではなく、焼入れ処理を要する、ワークWの熱処理を行うための熱処理設備全般に適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、ワークの油焼入れ処理に適用することができる。
1 油焼入れ装置
2 油槽
3 撹拌機
3a 攪拌羽根
4 ダクト
4a 整流板
10 ワーク保持部材
10a アーム
10b 爪部
11 梁
11a 梁部材
20 昇降機構
21 フック
30 外周ガイド部材
40 上部整流部材
40a 第1の仕切部材
40b 第2の仕切部材
50 側部整流部材
50a リブ
70 浸炭焼入れ設備
71 予熱室
72 浸炭室
73 降温室
74 搬送ローラ
75 搬入扉
76 仕切扉
77 仕切扉
78 仕切扉
79 搬出扉
80 ファン
C 幅方向
D 奥行き方向
H 高さ方向
W ワーク

Claims (4)

  1. ワークの油焼入れ処理を行う油焼入れ装置であって、
    焼入れ油を貯留する油槽と、
    前記油槽内の前記焼入れ油を攪拌し、前記ワークに対し下方から上方に抜けるように焼入れ油の流れを形成する撹拌機と、
    前記油槽内において前記ワークを保持するワーク保持部材と、
    前記ワークが前記焼入れ油に浸漬して焼入れ処理が行われる焼入れ位置において前記ワークの側方に設けられた、前記ワークを取り囲む外周ガイド部材と、
    前記撹拌機から前記焼入れ位置にある前記ワークまで流れる前記焼入れ油の流路であり、該焼入れ油が前記ワークの下方から当たるように配置されたダクトと、
    前記ワークの下方から上方に向かって流れる前記焼入れ油を、前記焼入れ位置にある前記ワークの上方で整流する上部整流部材とを備え、
    前記ワーク保持部材は、
    前記ワークを側方から抱え込むように構成され一対のアームと、
    前記一対のアームの先端部にそれぞれ設けられた、前記ワークの下面を支持する支持部と、を有し、
    前記上部整流部材は、
    前記油槽の幅方向に延びる第1の仕切部材と、
    前記油槽の奥行き方向に延びる第2の仕切部材と、を有している、油焼入れ装置。
  2. 前記ワーク保持部材の上面部にある梁部材の吊り上げ及び吊り下げを行う吊り機構により前記ワーク保持部材を昇降させる昇降機構が設けられ、
    前記上部整流部材は、前記梁部材に設けられている、請求項1に記載の油焼入れ装置。
  3. 前記外周ガイド部材の内面に設けられた側部整流部材を有している、請求項1または2に記載の油焼入れ装置。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の油焼入れ装置を備えた、ワークの熱処理を行う熱処理設備。
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