JP7099384B2 - バランサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バランサ装置に関する。
エンジンに設けられるバランサ装置は、バランスシャフトと、バランスシャフトに設けられたアンバランスウェイトと、を備える。バランスシャフトは、クランクシャフトの回転とともに回転する。バランスシャフトの回転により、ピストンの往復動に伴って発生する慣性力が低減され、エンジンの低振動化を図ることができる。
特許文献1に記載のバランサ装置は、エンジンの回転数に応じて重心位置が変化するアンバランスウェイトを備える。アンバランスウェイトは、油圧と遠心力のバランスで位置が変動する可動ウェイトを備える。エンジンの高回転時にはアンバランスウェイトの重心位置がバランスシャフトから離れ、バランスシャフトに作用する荷重であるアンバランス荷重が大きくなる。一方で、エンジンの低回転時にはアンバランスウェイトの重心位置がバランスシャフトに近付き、アンバランス荷重が小さくなる。これにより、エンジンの高回転時に必要となるアンバランス荷重を確保しつつ、エンジンの低回転時には機械的摩擦損失であるフリクション損失を低減することができる。
特開2014-234887号公報
ところで、エンジンの回転数とエンジンの振動とは、比例関係にならない場合があり、エンジンの回転数が低くても振動が大きい領域や、エンジンの回転数が高くても振動の小さい領域がある。従って、特許文献1では、振動が大きいにも関わらずアンバランス荷重が小さい場合があり、エンジンの回転数によっては、振動の低減を十分に行えない場合がある。
本発明の目的は、エンジンの振動を低減することができるバランサ装置を提供することにある。
上記課題を解決するバランサ装置は、エンジンのバランサ装置であって、クランクシャフトの回転力が伝達されるバランスシャフトと、前記バランスシャフトと一体回転するウェイト本体と、前記ウェイト本体の内部領域に設けられており、前記バランスシャフトの径方向に移動可能に設けられた可動ウェイトと、前記内部領域に設けられており、前記可動ウェイトの前記径方向に対する位置を変化させる可動板と、前記エンジンの回転数と前記エンジンの振動との関係に基づき、前記エンジンの振動がクライテリア以下となるアンバランス荷重が生じるように前記可動板の位置を調整する調整部と、を備える。
可動板の位置によって、バランスシャフトの径方向に対する可動ウェイトの位置が変化する。可動板及び可動ウェイトの位置が変化すると、バランスシャフトに作用する荷重であるアンバランス荷重も変化する。このため、可動板の位置を調整することでアンバランス荷重を調整することができる。調整部は、可動板の位置を調整可能であり、エンジンの振動がクライテリア以下となるアンバランス荷重が生じるように可動板の位置を調整する。従って、エンジンの回転数に合わせてエンジンの振動を低減することができる。
上記バランサ装置について、前記調整部は、前記エンジンの回転数によって供給される電流の大きさが変化する電磁石であり、前記電磁石の磁力の強弱により前記可動板の位置が調整されてもよい。
調整部として電磁石を用いることで、可動板の位置制御の応答性が良く、細かな位置制御が可能である。
上記バランサ装置について、前記調整部は、前記内部領域に設けられた流体と、前記流体を加熱するヒータと、を備え、前記流体の熱膨張により前記可動板の位置が調整されてもよい。
一般に、バランサ装置には、オイルパン内のオイルが供給される。寒冷地や冬季などの環境温度が低い場合、オイルの粘度が高く、フリクション損失が増加する場合がある。ヒータによってオイルを加熱することで、フリクション損失の増加を抑制することができる。
上記バランサ装置について、前記調整部は、前記内部領域にオイルを供給する可変容量ポンプであり、前記オイルから前記可動板に加わる圧力により前記可動板の位置が調整されてもよい。
可変容量ポンプの容量を調整することでアンバランス荷重を調整することができる。
本発明によれば、エンジンの振動を低減することができる。
クランクシャフトと、バランサ装置とを示す模式図。 バランサ装置の一部を示す斜視図。 第1実施形態におけるバランスシャフト及びアンバランスウェイトの断面図。 エンジンの回転数とエンジンの振動との対応関係の一例を示す図。 第2実施形態におけるバランスシャフト及びアンバランスウェイトの断面図。 第3実施形態におけるバランスシャフト及びアンバランスウェイトの断面図。
(第1実施形態)
以下、バランサ装置の第1実施形態について説明する。
図1及び図2に示すように、エンジン10は、クランクシャフト11と、ピストン12と、コンロッド13と、クランクシャフト11に設けられたクランクギヤ14と、を備える。コンロッド13は、ピストン12とクランクシャフト11とを連結している。ピストン12はシリンダ内を往復動し、ピストン12の往復動がコンロッド13を介してクランクシャフト11に伝達されることでクランクシャフト11は回転する。エンジン10は、レシプロエンジンである。
エンジン10は、クランクシャフト11の回転力により作動するバランサ装置20を備える。バランサ装置20は、例えば、クランクケースの内部やオイルパンの内部等のオイルパンに貯留されたオイルを供給可能な位置に配置されている。
バランサ装置20は、第1バランスシャフト21と、第2バランスシャフト22と、アンバランスウェイト30と、第1従動ギヤ23と、カウンタギヤ24と、第2従動ギヤ25と、バランスシャフトハウジング26と、軸受27と、を備える。
第1バランスシャフト21及び第2バランスシャフト22は、互いに平行、あるいは、略平行に設けられている。アンバランスウェイト30は、各バランスシャフトに2つずつ設けられている。各バランスシャフト21,22に設けられた2つのアンバランスウェイト30は、バランスシャフト21,22の軸線方向に間隔を空けて配置されている。第1従動ギヤ23及びカウンタギヤ24は、第1バランスシャフト21に設けられている。第1従動ギヤ23及びカウンタギヤ24は、第1バランスシャフト21と一体回転する。第1従動ギヤ23は、クランクギヤ14と噛み合っている。第2従動ギヤ25は、第2バランスシャフト22に設けられている。第2従動ギヤ25は、第2バランスシャフト22と一体回転する。第2従動ギヤ25は、カウンタギヤ24と噛み合っている。
バランスシャフトハウジング26は、第1バランスシャフト21及び第2バランスシャフト22を支持する。なお、両バランスシャフト21,22を支持する構造は同一であるため、図1では第1バランスシャフト21のみを示している。バランスシャフトハウジング26は、軸受27を保持している。軸受27は、バランスシャフト21,22毎に2つ設けられている。軸受27としては、滑り軸受を用いてもよいし、転がり軸受を用いてもよい。軸受27によって各バランスシャフト21,22は、回転可能な状態で支持されている。
このバランサ装置20では、クランクシャフト11の回転力がクランクギヤ14、第1従動ギヤ23を通じて第1バランスシャフト21に伝達され、カウンタギヤ24の回転が第2従動ギヤ25を通じて第2バランスシャフト22に伝達される。互いに反対方向に回転する両バランスシャフト21,22の回転により、ピストン12の往復動に伴って発生する慣性力を低減し、エンジン10の振動を低減している。
バランサ装置20は、アンバランスウェイト30のアンバランス荷重を調整することができる。アンバランス荷重とは、アンバランスウェイト30によってバランスシャフト21,22に作用する荷重である。以下、詳細に説明を行う。なお、各アンバランスウェイト30は、同一の構成である。アンバランスウェイト30は、各バランスシャフト21,22の回転中心に対して偏心した重心位置を有している。本実施形態のアンバランスウェイト30は、重心位置を変更可能であり、これにより、アンバランス荷重を変更することができる。
図3に示すように、アンバランスウェイト30は、外郭を構成するウェイト本体31を備える。ウェイト本体31は、バランスシャフト21,22と一体回転する。ウェイト本体31は、バランスシャフト21,22の軸線方向から見て円弧状である。ウェイト本体31は、内部領域S1と、第1配線領域S2と、を備える。また、クランクシャフト11は、油路28と、第2配線領域S3と、を備える。内部領域S1は、ウェイト本体31内をバランスシャフト21,22の軸線方向に直交する方向であるバランスシャフト21,22の径方向に延びる空間である。バランスシャフト21,22の径方向は、バランスシャフト21,22の回転により遠心力が作用する方向である。以下の説明において、径方向とは、バランスシャフト21,22の径方向を示す。
第1配線領域S2は、内部領域S1と、バランスシャフト21,22に設けられた第2配線領域S3とを連通させる空間である。第2配線領域S3は、バランスシャフト21,22の軸線方向に延びる空間である。第2配線領域S3は、バランスシャフト21,22の外部に連通している。油路28は、オイルパンに貯留されたオイルが流れる領域である。油路28は、バランスシャフト21,22のうち軸受27に支持される部分や、その近傍まで延びている。オイルは、油路28を通って軸受27に供給される。
アンバランスウェイト30は、可動ウェイト32と、可動板33と、バネ34と、電磁石35と、を備える。可動ウェイト32、可動板33、バネ34及び電磁石35は、内部領域S1に収容されている。可動ウェイト32、可動板33、バネ34及び電磁石35は、径方向内側から径方向外側に向かって可動ウェイト32、可動板33、バネ34、電磁石35の順に配置されている。
可動ウェイト32は、例えば、金属製である。可動ウェイト32は、内部領域S1を径方向に移動可能な状態で設けられている。可動板33は、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性体で構成されている。可動板33は、内部領域S1を径方向に移動可能な状態で設けられている。可動板33は、可動ウェイト32が可動板33よりも径方向外側に移動するのを規制している。バネ34は、可動板33の移動を規制している。可動板33の可動域は、バネ34の長さに依存しており、バネ34の長さが短いほど可動板33は径方向に移動することができる。バネ34は、バランスシャフト21,22の回転による遠心力によって可動板33から受ける力のみでは圧縮しないものが用いられている。電磁石35は、通電により磁力を生じさせる。電磁石35は、流れる電流の大きさによって磁力の強弱が変化する。
電磁石35に電流が流れると、可動板33はバネ34を圧縮させながら電磁石35に近付く。図3に二点鎖線で示すように、可動板33は、径方向外側に移動するため、可動ウェイト32もバランスシャフト21,22から径方向外側に離れることができる。可動板33の位置の変化により、可動ウェイト32の位置も変化する。電磁石35に流れる電流を大きくし電磁石35の磁力を強めるほど、可動板33は電磁石35に近付く。電磁石35に流れる電流を小さくし電磁石35の磁力を弱めるほど、バネ34の付勢力により可動板33は電磁石35から離れる。可動板33の位置は電磁石35の磁力の強弱によって変化する。電磁石35は、可動板33の位置を調整する調整部として機能している。また、可動板33には遠心力も作用するため、エンジン10の回転数が多いほど、可動板33は電磁石35に近付きやすい。可動ウェイト32がバランスシャフト21,22の回転中心から離れるほどアンバランス荷重は大きくなる。電磁石35により可動板33の位置を調整することで、アンバランス荷重を調整することができる。
電磁石35には、正負の電源線36が接続されている。電源線36は、第1配線領域S2及び第2配線領域S3を通って、電流制御部41に接続されている。電源線36と、電流制御部41とは、回転体と静止体とを接続することができる接続部材42によって接続されている。接続部材42は、電源線36側に設けられた接続端子と、電流制御部41側に設けられ、接続端子と摺動接触する接触部と、を備える。
電流制御部41としては、例えば、DC/DCコンバータを用いることができる。DC/DCコンバータは、入力された直流電圧を変圧して出力する。DC/DCコンバータは、目標電流が出力されるように変圧を行うことで出力される電流を調整することができる。なお、電流制御部41に入力される直流電圧は、車載バッテリや、車載バッテリの直流電圧を降圧させる降圧部から供給される。
電流制御部41は、制御装置43によって制御される。制御装置43は、処理部44及び記憶部45を備える。制御装置43は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア、例えば、特定用途向け集積回路:ASICを備えていてもよい。制御装置43は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU、並びに、RAM及びROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆるものを含む。
制御装置43は、エンジン10の回転数=クランクシャフト11の回転数に応じて電流制御部41から出力される電流を調整する。制御装置43は、エンジン10の回転数に応じて、エンジン10の振動がクライテリア以下となるように電流制御部41を制御する。なお、エンジン10の回転数は、エンジン10の回転数を検出するセンサや、制御装置43とは異なる制御装置から取得することができる。
図4には、アンバランスウェイト30の重心位置を固定位置とした場合のエンジン10の回転数と、エンジン10の振動との関係の一例を破線で示している。なお、アンバランスウェイト30の重心位置を固定位置とした場合のエンジン10の回転数と、エンジン10の振動との関係は車種によって異なる。クライテリアは、エンジン10の回転数に応じて異なり、エンジン10の回転数が多いほど大きくなる。図4から把握できるように、エンジン10の回転数と、エンジン10の振動との関係は比例関係にならない場合もあり、回転数が低くても振動の大きい領域や、回転数が多くても振動数の少ない領域がある。
アンバランスウェイト30のアンバランス荷重を大きくすると、振動を大きく低減できる一方で、フリクション損失が増加する原因となる。このため、エンジン10の振動の低減とフリクション損失との均衡を図るためには、クライテリア以下の振動を保つことに加えて、エンジン10の振動を極力クライテリアに近付ける必要がある。即ち、エンジン10の振動をクライテリアよりも僅かに小さい状態にすることが求められる。このため、制御装置43は、エンジン10の振動がクライテリアから所定値未満に収まるように電磁石35の位置を調整する。所定値は、クライテリアからの許容差であり、可動板33の位置制御の応答性等に応じた値とされる。
アンバランスウェイト30の重心位置を固定位置とした場合のエンジン10の回転数とエンジン10の振動との対応関係から、アンバランス荷重を調整しない場合にエンジン10の振動がクライテリアを上回る領域を把握できる。エンジン10の振動がクライテリアを上回る領域では、制御装置43はエンジン10の振動とクライテリアとの差が大きいほどアンバランス荷重を大きくすることで、エンジン10の振動を低減する。一方で、アンバランス荷重を調整しない場合にエンジン10の振動がクライテリアを下回る領域では、エンジン10の振動とクライテリアとの差が大きいほどアンバランス荷重を小さくすることでフリクション損失を低減する。
詳細にいえば、制御装置43の記憶部45には、エンジン10の回転数と電磁石35に流す電流の大きさとの関係を示すマップが記憶されている。このマップは、上記したように、アンバランス荷重を調整しない場合のエンジン10の振動とクライテリアとの差に基づいて、エンジン10の振動をクライテリア以下に収めることができるように設定されている。エンジン10の振動をクライテリア以下にできるアンバランス荷重が生じる位置に可動板33を位置させる電流の大きさと、エンジン10の回転数とがマップとして記憶されているといえる。なお、前述したように、可動板33には遠心力も作用する。このため、マップは、エンジン10の回転数に応じた遠心力を考慮したものとされている。例えば、同一の位置に可動板33を移動させる場合であっても、エンジン10の回転数が多いほど遠心力が強くなるため、電流は小さな値にされる。
第1実施形態の作用について説明する。
電磁石35の磁力により可動板33の径方向に対する位置は変化する。可動板33は、可動ウェイト32の径方向に対する位置を変化させる。可動板33の位置がバランスシャフト21,22から離れるほど、可動ウェイト32もバランスシャフト21,22から離れる。可動板33及び可動ウェイト32の径方向に対する位置が変化すると、アンバランス荷重も変化し、可動板33及び可動ウェイト32がバランスシャフト21,22から離れるほどアンバランス荷重は大きくなる。このため、可動板33の位置を調整することでアンバランス荷重を調整することができる。電磁石35の磁力は、流れる電流の大きさによって調整される。電磁石35の磁力が調整されることで、電磁石35は可動板33の位置を調整可能である。電磁石35は、エンジン10の振動がクライテリア以下となるアンバランス荷重が生じるように可動板33の位置を調整する。
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)可動板33の位置を調整することで、アンバランス荷重を調整できるようにしている。アンバランス荷重は、エンジン10の振動がクライテリア以下となるように調整される。従って、エンジン10の回転数に応じてエンジン10の振動を低減することができる。
(1-2)可動板33の位置の調整に電磁石35を用いている。電磁石35を用いることで、可動板33の位置制御の応答性が良く、細かな位置制御が可能である。
(第2実施形態)
次に、バランサ装置の第2実施形態について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同様な部分については第1実施形態と同一の符号を付すことで説明を省略する。
図5に示すように、バランサ装置20は、ヒータ51と、流体52と、可動板33と、可動ウェイト32と、バネ53と、を備える。ヒータ51、流体52、可動板33、可動ウェイト32及びバネ53は、径方向内側から径方向外側に向かってヒータ51、流体52、可動板33、可動ウェイト32及びバネ53の順に配置されている。
流体52としては、熱膨張率の高い流体52が用いられ、例えば、パラフィン油が用いられる。流体52は、封入部材に封入されている。第1実施形態では、可動板33が可動ウェイト32よりも径方向外側に位置していたのに対し、第2実施形態では、可動板33が可動ウェイト32よりも径方向内側に位置している。バネ53は、可動ウェイト32及び可動板33の径方向外側への移動を規制している。バネ53としては、バランスシャフト21,22の回転による遠心力によって可動ウェイト32から受ける力のみでは圧縮しないものが用いられている。バネ53は可動ウェイト32に付勢力を加えており、これにより可動ウェイト32及び可動板33は流体52に押し付けられている。
ヒータ51は、油路28と流体52との間に配置されている。ヒータ51は、電流が流れることで発熱する。ヒータ51の発熱により流体52が膨張すると、流体52によって径方向外側に可動板33は押されることになる。流体52は、温度が高くなるほど膨張量が多くなる。可動板33が流体52に押されることで、可動ウェイト32はバネ53を圧縮させる。これにより、可動板33及び可動ウェイト32は径方向外側に移動し、アンバランス荷重が増加する。第2実施形態では、ヒータ51及び流体52が調整部として機能する。また、ヒータ51が発熱することで、油路28内のオイルが加熱される。
ヒータ51には、正負の電源線54が接続されている。電源線54は、バランスシャフト21,22に設けられた配線領域S4を通って、スイッチング素子55に接続されている。配線領域S4は、バランスシャフト21,22の外部まで延びる空間である。スイッチング素子55は、車載バッテリの電圧を降圧して出力する降圧部に接続されている。スイッチング素子55がオンされることでヒータ51は発熱し、スイッチング素子55がオフされることでヒータ51の発熱は停止する。スイッチング素子55のオンとオフとの切り替えは、制御装置43によって制御される。
制御装置43は、スイッチング素子55を制御することで、流体52の温度を調整する。制御装置43の記憶部45には、エンジン10の回転数に対応して、流体52の温度が記憶されている。制御装置43は、流体52の温度を温度センサでセンシングしながら、流体52の温度がエンジン10の回転数に対応した温度となるようにスイッチング素子55を制御する。これにより、流体52の膨張量はエンジン10の回転数に対応したものとなり、アンバランス荷重はエンジン10の回転数に対応したものになる。なお、スイッチング素子55に代えて、ヒータ51に供給される電流の大きさを制御することで、ヒータ51の発熱量が変わるようにしてもよい。
第2実施形態の効果について説明する。第2実施形態では、第1実施形態の(1-1)に加えて以下の効果を得ることができる。
(2-1)ヒータ51により流体52を膨張させて可動板33の位置を調整することで、アンバランス荷重を調整することができる。ヒータ51を油路28内のオイルを加熱できるように配置することで、オイルを加熱することができる。寒冷地や冬季などの環境温度が低い場合、オイルの粘度が高く、フリクション損失が増加する場合がある。オイルを加熱することで、フリクション損失の増加を抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のバランサ装置について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同様な部分については第1実施形態と同一の符号を付すことで説明を省略する。
図6に示すように、ウェイト本体31は、内部領域S1と、油路28とを繋げる接続路S5を備える。内部領域S1には、可動ウェイト32及び可動板33が収容されている。可動ウェイト32及び可動板33は、径方向内側から径方向外側に向かって可動ウェイト32、可動板33の順に配置されている。接続路S5は、可動板33よりも径方向外側にオイルを供給できるように設けられている。
油路28には、可変容量ポンプ61が接続されている。可変容量ポンプ61は、モータ62によって駆動する。制御装置43は、モータ62を駆動させることで油路28にオイルを供給する。制御装置43は、可変容量ポンプ61の容量を変更することでオイルの吐出量を変更することができる。可変容量ポンプ61の容量を変更することで、内部領域S1に供給されるオイルの量が調整される。これにより、オイルから可動板33に加わる圧力が変化し、可動板33の位置を調整することができる。本実施形態では、可変容量ポンプ61が調整部として機能する。
制御装置43の記憶部45には、エンジン10の回転数に対応して、可変容量ポンプ61の容量が記憶されている。制御装置43は、可変容量ポンプ61の容量がエンジン10の回転数に対応するように制御を行う。これにより、アンバランス荷重はエンジン10の回転数に対応したものになる。
第3実施形態の効果について説明する。第3実施形態では、第1実施形態の(1-1)に加えて以下の効果を得ることができる。
(3-1)可変容量ポンプ61の容量を調整することでアンバランス荷重を調整することができる。油路28にオイルを供給するポンプを可変容量ポンプ61とすることでアンバランス荷重を調整できるため、電磁石35やヒータ51を設ける場合に比べて製造コストの増加を抑えることができる。
各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○第1実施形態において、電磁石35は、可動板33に反発力を作用させることで、電磁石35の磁力が強いほど可動板33を径方向内側に移動させてもよい。この場合、バランサ装置20はバネ34を備えない。
○第1実施形態において、可動ウェイト32、可動板33、及び電磁石35は、径方向内側から径方向外側に向けて、電磁石35、可動ウェイト32、可動板33の順に配置されていてもよい。電磁石35は可動板33を引き寄せることで、可動板33をバランスシャフト21,22に近付けることが可能である。この場合、バランサ装置20はバネ34を備えない。
○第2実施形態において、ヒータ51、流体52、可動ウェイト32、及び可動板33は、径方向内側から径方向外側に向けて、可動ウェイト32、可動板33、流体52、ヒータ51の順に配置されていてもよい。流体52の熱膨張により可動板33は径方向内側に移動する。この場合、バランサ装置20はバネ53を備えない。
○第2実施形態において、内部領域S1のシール性を確保することができれば、流体52は封入部材に封入されていなくてもよい。
○第2実施形態において、制御装置43は、流体52の温度をセンシングすることなく、流体52の温度を調整してもよい。例えば、スイッチング素子55のオン時間とオフ時間との割合をエンジン10の回転数に応じて変更することで流体52の温度を調整してもよい。流体52の温度は、スイッチング素子55のオン時間が長くなるほど高くなる。このため、スイッチング素子55のオン時間とオフ時間との割合を変更することで、流体52の温度を調整することができる。
○第2実施形態及び第3実施形態において、可動板33は、磁性体以外の材料で構成されていてもよい。
○各実施形態において、可動板33の位置は、エンジン10の回転数及び負荷に応じて変更されてもよい。
○各実施形態において、アンバランスウェイト30の数を変更してもよい。アンバランスウェイト30の数は、単数であってもよいし、複数であってもよい。
S1…内部領域、10…エンジン、11…クランクシャフト、20…バランサ装置、21,22…バランスシャフト、30…アンバランスウェイト、31…ウェイト本体、32…可動ウェイト、33…可動板、35…調整部としての電磁石、51…調整部としてのヒータ、52…調整部としての流体、61…調整部としての可変容量ポンプ。

Claims (1)

  1. エンジンのバランサ装置であって、
    クランクシャフトの回転力が伝達されるバランスシャフトと、
    前記バランスシャフトと一体回転するウェイト本体と、
    前記ウェイト本体の内部領域に設けられており、前記バランスシャフトの径方向に移動可能に設けられた可動ウェイトと、
    前記内部領域に設けられており、前記可動ウェイトの前記径方向に対する位置を変化させる可動板と、
    前記エンジンの回転数と前記エンジンの振動との関係に基づき、前記エンジンの振動がクライテリア以下となるアンバランス荷重が生じるように前記可動板の位置を調整する調整部と、を備え
    前記調整部は、
    前記内部領域に設けられた流体と、
    前記流体を加熱するヒータと、を備え、
    前記流体の熱膨張により前記可動板の位置が調整されるバランサ装置。
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