JP6560992B2 - ピストン装置及び油圧機械 - Google Patents

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Description

本開示はピストン装置及び油圧機械に関する。
シリンダと、シリンダ内を往復運動するピストンとにより構成されるピストン装置が広く用いられている。
例えば、特許文献1には、シリンダと、シリンダ内を往復運動可能に構成されたピストンとを備える油圧ポンプ(ピストン装置)が記載されている。この油圧ポンプでは、回転軸とともに回転するカムにピストンが係合しており、カムの回転に伴ってピストンがシリンダ内を往復することによって、シリンダとピストンとにより形成される作動室内の作動油を昇圧するようになっている。
特表2014−532134号公報
典型的なピストン装置では、特許文献1に記載のピストン装置と同様に、カムやクランクシャフト等を含む機械要素を介して回転軸に接続されたピストンの往復運動を利用して、回転軸の回転運動エネルギーと流体の圧力エネルギーとが変換されるようになっている。
ここで、典型的な従来のピストン装置とは異なる原理で作動するピストン装置が得られれば、より多様な製品への応用が期待できる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、従来とは異なる原理で作動するピストン装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るピストン装置は、
静止シリンダと、
前記静止シリンダ内に往復運動可能に設けられた主ピストンと、
前記主ピストンとともに動くように構成された可動シリンダと、
前記可動シリンダ内に往復運動可能に設けられた副ピストンと、
前記可動シリンダ及び前記副ピストンによって形成される副油圧室からの副作動油の流出入が規制された連通規制状態と、前記副作動油の前記副油圧室からの流出入が許容される連通許容状態と、で前記副油圧室の状態を切り替えるように構成された連通状態切替え部と、を備える。
上記(1)の構成のピストン装置において、連通許容状態では、主ピストン又は副ピストンの往復運動に伴って、主ピストンとともに動く可動シリンダと副ピストンとにより形成される副油圧室の容積が変化し、この副油圧室の容積変化に対応して副油圧室から副作動油が流出入する。この場合、主ピストンは実質的に仕事をしない。
一方、副作動油の副油圧室からの流出入が規制された連通規制状態では、副油圧室を含む油圧回路の剛性(システムばね定数)が大きくなり、主ピストン又は副ピストンの一方に作用する力が副油圧室内の副作動油を介して主ピストン又は副ピストンの他方に伝達されて、主ピストンと副ピストンとが一体的に動く。この場合、主ピストンは押しのけた油量に応じた仕事をする。
よって、上記(1)の構成によれば、連通状態切替え部によって副油圧室の連通状態を連通規制状態と連通許容状態との間で切り替えて副油圧室を含む油圧回路の剛性を調節することにより、主ピストンと副ピストンとの間で力を伝達させるか否か(主ピストンに仕事をさせるか否か)を選択することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記連通状態切替え部は、前記副油圧室に接続される副油ラインに設けられる電磁弁を含む。
上記(2)の構成によれば、電磁弁のソレノイドを励磁状態と非励磁状態との間で切り替えることで、副油圧室の連通状態を切り替えることができる。このため、電磁弁を含む簡素な構成により副油圧室の連通状態を切り替えて副油圧室を含む油圧回路の剛性を調節することにより、主ピストンに仕事をさせるか否かを選択することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記主ピストンの最大押しのけ容積は、前記副ピストンの最大押しのけ容積よりも大きい。
上記(3)の構成によれば、主ピストンの最大押しのけ容積を、副ピストンの最大押しのけ容積よりも大きくしたので、副油圧室の連通状態の切り替えにより副作動油が流通することとなる連通状態切替部(例えば電磁弁)の容量を小さくすることができる。よって、ピストン装置の大きな押しのけ容積(主ピストンの押しのけ容積)を確保しながら、連通状態切替え部を小型化できるとともに、連通状態切替え部を含むピストン装置を小型化することができる。
なお、主ピストンの最大押しのけ容積よりも副ピストンの最大押しのけ容積を小さくできるのは、次の理由による。すなわち、副油圧室の役割は、連通許容状態と連通規制状態とにおいて、副油圧室を含む油圧回路の剛性に差を持たせ、主ピストンに仕事をさせるか否かを選択可能にする点にある。このため、副油圧室のサイズには制約がなく、副油圧室の容量(および副ピストンの最大押しのけ容積)を主ピストンの最大押しのけ容積に比べて小さくすることができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の何れかの構成において、前記副ピストンの位相に応じて前記連通状態切替え部を制御するためのコントローラをさらに備える。
上記(4)の構成によれば、副ピストンの位相に応じて連通状態切替え部を制御可能であるので、副油圧室を連通規制状態とする副ピストンの位相の範囲を設定できる。これにより、連通規制状態において副ピストンとともに動く主ピストンのストロークを所期の値とすることができ、ピストン装置の押しのけ容積を任意に調節することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)の何れかの構成において、前記可動シリンダは、前記主ピストンの内部に前記主ピストンと同心に設けられる。
上記(5)の構成によれば、可動シリンダを主ピストンの内部に主ピストンと同心に設けたので、主ピストン及び可動シリンダに対して、副油圧室及び静止シリンダと主ピストンとにより形成される主油圧室のそれぞれから作用する油圧の作用点が主ピストンの中心軸上に並ぶことになり、副油圧室から受ける油圧と主油圧室から受ける油圧とに起因して主ピストン及び可動シリンダにモーメント荷重が発生することがない。このため、副ピストンが可動シリンダ内を円滑に摺動することができ、副ピストンと主ピストンとの間におけるエネルギーの伝達ロスを低減できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の何れかの構成において、
前記静止シリンダ及び前記主ピストンによって形成される主油圧室にそれぞれ連通するようにそれぞれ設けられた高圧ライン及び低圧ラインと、
前記高圧ラインに設けられた高圧弁と、
前記低圧ラインに設けられた低圧弁と、をさらに備え、
前記高圧弁又は前記低圧弁の少なくとも一方は逆止弁である。
上記(6)の構成では、高圧ライン及び低圧ラインと主油圧室との間の作動油(以降において主作動油と称する)の流出入を切り替えるための高圧弁又は低圧弁として逆止弁を用いる。よって、逆止弁を用いた簡素な構成により、上述した副油圧室を含む油圧回路の剛性を利用して、副ピストンの往復運動と主油圧室の油圧エネルギーとの変換を行うことができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の何れかの構成において、
前記ピストン装置は、前記副ピストンの往復運動を、前記静止シリンダ及び前記主ピストンによって形成される主油圧室の圧力エネルギーに変換するように構成された油圧ポンプユニットであり、
前記主ピストンを該主ピストンの上死点から下死点に向かう方向に付勢するための第1付勢部材をさらに備える。
副油圧室を含む油圧回路の剛性は、副油圧室の容積が減少する場合(圧縮行程)よりも、副油圧室の容積が増大する場合(膨張行程)の方が小さい。このため、油圧ポンプユニットにおいては、副油圧室の膨張行程において、副油圧室を含む油圧回路の剛性が比較的小さいために、連通規制状態であるにもかかわらず副油圧室の容積が変化してしまい、副ピストンの変位量よりも主ピストンの変位量が小さくなり、主ピストンが下死点まで戻らないことがあり得る。
上記(7)の構成によれば、主ピストンを上死点から下死点に向かう方向に付勢するための第1付勢部材を設けたので、主ピストン及び副ピストンが上死点に達した後に、第1付勢部材の付勢力により、主ピストンを確実に下死点に移動させることができる。よって、油圧ポンプユニットの動作を円滑なものとすることができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の何れかの構成において、
前記ピストン装置は、前記静止シリンダ及び前記主ピストンによって形成される主油圧室の圧力エネルギーを前記副ピストンの往復運動に変換するように構成された油圧モータユニットであり、
前記主ピストンを該主ピストンの下死点から上死点に向かう方向に付勢するための第2付勢部材をさらに備える。
上述したように、副油圧室を含む油圧回路の剛性は、副油圧室の容積が減少する場合(圧縮行程)よりも、副油圧室の容積が増大する場合(膨張行程)のほうが小さい。このため、油圧モータユニットにおいては、副油圧室の膨張行程において、副油圧室を含む油圧回路の剛性が比較的小さいために、連通規制状態であるにもかかわらず副油圧室の容積が変化してしまい、副ピストンの変位量よりも主ピストンの変量が小さくなり、主ピストンが上死点まで戻らないことがあり得る。
上記(8)の構成によれば、主ピストンを下死点から上死点に向かう方向に付勢するための第2付勢部材を設けたので、主ピストン及び副ピストンが下死点に達した後に、第2付勢部材の付勢力により、主ピストンを確実に上死点に移動させることができる。よって、油圧モータユニットの動作を円滑なものとすることができる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る油圧機械は、
回転軸と、
上記(1)〜(8)の何れかに記載の少なくとも一つのピストン装置と、
各々の前記ピストン装置の前記副ピストンと前記回転軸との間に設けられ、該副ピストンの往復運動と前記回転軸の回転運動との間で運動モードを変換するように構成されたXY分離機構と、を備える。
上記(9)の構成によれば、回転軸から副ピストンに向かってXY分離機構内を伝わる力は可動シリンダ軸方向成分(X方向成分)と可動シリンダ軸直交成分(Y方向成分)とに分離されるので、副ピストンには、可動シリンダ軸方向成分(X方向成分)の力のみが伝わることになる。したがって、回転軸と副ピストンとの間に設けられるXY分離機構から副ピストンに作用するサイドフォースを低減できる。よって、サイドフォースに起因する副ピストン又は副ピストンが摺動する可動シリンダの摩擦、摩耗、発熱の発生を抑制することができ、副ピストンのシリンダ軸方向(X方向)に沿った往復運動と回転軸の回転運動との間の運動モード変換の高効率化及び副ピストンの長寿命化が図れる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る油圧機械は、
回転軸と、
上記(1)〜(8)の何れかに記載の複数のピストン装置と、
各々の前記ピストン装置の前記連通状態切替え部を制御するためのコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記複数のピストン装置のそれぞれについて、前記連通状態切替え部を互いに独立して制御可能に構成される。
上記(10)の構成によれば、油圧機械を構成する複数のピストン装置のそれぞれについて、連通状態切替え部を互いに独立して制御可能としたので、油圧機械全体としての押しのけ容積を細やかに調節することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、従来とは異なる原理で作動するピストン装置が提供される。
一実施形態に係る油圧機械を備えた発電装置を示す図である。 一実施形態に係る油圧機械の構成の概略を示す図である。 一実施形態に係るピストン装置(油圧ポンプユニット)の構成の概略を示す図である。 一実施形態に係るピストン装置(油圧モータユニット)の構成の概略を示す図である。 一実施形態に係るピストン装置の作動原理を説明するための図である。 一実施形態に係るピストン装置の作動原理を説明するための図である。 一実施形態に係る油圧機械の構成の概略を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
以下の実施形態では、一実施形態に係る油圧機械を備えた装置の一例として発電装置について説明する。
図1は、一実施形態に係る油圧機械を備えた発電装置を示す図である。同図に示すように、発電装置1は、原動機2と、回転シャフト3を介して原動機2に接続される油圧トランスミッション4と、回転シャフト5を介して油圧トランスミッション4に接続される発電機6とを備える。
一実施形態では、油圧トランスミッション4は、回転シャフト3を介して原動機2に連結される油圧ポンプ8と、回転シャフト5を介して発電機6に連結される油圧モータ10とを備える。油圧ポンプ8と油圧モータ10とは、高圧油ライン12及び低圧油ライン14を介して互いに接続される。具体的には、油圧ポンプ8の出口が高圧油ライン12を介して油圧モータ10の入口に接続され、油圧ポンプ8の入口が低圧油ライン14を介して油圧モータ10の出口に接続される。油圧ポンプ8は、回転シャフト3によって駆動されて作動油を昇圧し、高圧の作動油(圧油)を生成する。油圧ポンプ8で生成された圧油は高圧油ライン12を介して油圧モータ10に供給され、この圧油によって油圧モータ10が駆動される。油圧モータ10で仕事をした後の低圧の作動油は、油圧モータ10の出口と油圧ポンプ8の入口との間に設けられた低圧油ライン14を経由して、油圧ポンプ8に再び戻される。
幾つかの実施形態では、油圧ポンプ8又は油圧モータ10の少なくとも一方は、以下で説明するピストン装置を備えた油圧機械である。この場合、高圧油ライン12及び低圧油ライン14は、後述のピストン装置30における高圧ライン26及び低圧ライン28であってもよい。
図2は、一実施形態に係るピストン装置を備えた油圧機械の構成の概略を示す図であり、図3及び図4は、それぞれ、一実施形態に係るピストン装置の構成の概略を示す図である。図3及び図4に示されるピストン装置は、それぞれ、油圧ポンプユニット及び油圧モータユニットである。
図2に示すように、一実施形態に係る油圧機械20は、回転軸22(図2においてはクランクシャフト)と、少なくとも1つ(図2では2つ)のピストン装置30と、回転軸22とピストン装置30との間に設けられる変換機構24とを備える。変換機構24は、回転軸22の回転運動と、ピストン装置30における副ピストン38(後述する)の往復運動との間の変換を行うための機構である。
図2に示す油圧機械20において、変換機構24は、後で説明するXY分離機構を含む。
幾つかの実施形態では、変換機構24は、回転軸22に取り付けられ、ピストン装置30の副ピストン38に当接するカム曲面を有するカムを含んでいてもよい。このようなカムは、回転軸(クランクシャフト)22の軸中心から偏心して設けられた偏心カムであってもよく、又は、複数のローブを有する環状のマルチローブドカムであってもよい。
図2の油圧機械20に含まれる2つのピストン装置30は、いずれも、後述する油圧ポンプユニット16である。それぞれの油圧ポンプユニット16は、高圧ライン26及び低圧ライン28を含み、上述の変換機構24を介して回転軸22よりに駆動されて、低圧ライン28から供給された作動油(主作動油)を昇圧して、高圧ライン26に吐出するように構成される。
油圧機械20は、油圧ポンプユニット16に供給される主作動油を貯留するための主作動油タンク25と、低圧ライン28と主作動油タンク25とを接続する送油ライン29とを含む。また、油圧機械20は、高圧ライン26に接続され、油圧ポンプユニット16で昇圧された主作動油を外部へ送出するための高圧油送出ライン27を含む。
さらに、油圧機械20は、各油圧ポンプユニット16の連通状態切替え部60(後述する)を制御するためのコントローラ90と、回転軸(クランクシャフト)22の回転角度を計測するための回転センサ(位相センサ)92とを備える。
一実施形態では、コントローラ90は、回転センサ(位相センサ)92の計測結果によって、各油圧ポンプユニット16の連通状態切替え部60を制御するように構成されていてもよい。
図3及び図4に示すように、一実施形態に係るピストン装置30は、静止シリンダ32と、主ピストン34と、可動シリンダ36と、副ピストン38と、連通状態切替え部60と、を備える。
主ピストン34は、静止シリンダ32内に往復運動可能に設けられており、静止シリンダ32の内壁面33とともに主油圧室40を形成する。
可動シリンダ36は、主ピストン34とともに動くように構成されている。図3及び図4に示すピストン装置30においては、可動シリンダ36は、主ピストン34の内部に主ピストン34と同心に設けられている。すなわち、可動シリンダ36と主ピストン34とが一体をなしており、可動シリンダ36が主ピストン34ととともに動くようになっている。
副ピストン38は、可動シリンダ36内に往復運動可能の設けられており、可動シリンダ36の内壁面37とともに副油圧室42を形成する。
連通状態切替え部60は、副油圧室42からの副作動油の流出入が規制された連通規制状態と、副作動油の副油圧室42からの流出入が許容される連通許容状態と、で副油圧室42の状態を切り替えるように構成されている。
連通状態切替え部60について、より詳細に説明する。図3及び図4に示すピストン装置30は、副作動油を貯留するための副作動油タンク58と、該副作動油タンク58と副油圧室42とを接続する副油ライン56をさらに備える。副油圧室42と副油ライン56とは、可動シリンダ36に設けられた可動通路54と、静止シリンダ32に設けられた油溝50及び静止通路52とを介して、接続されている。
可動シリンダ36(図3及び図4において主ピストン34と同一体)に設けられる可動通路54は、可動シリンダ36(主ピストン34)の外周面及び副油圧室42を形成する可動シリンダの内壁面37の双方に開口するように設けられている。可動通路54は、可動シリンダ軸方向において、可動シリンダ36の内壁面37のうち、該軸方向において副ピストン38と向き合う底部39付近に設けられる。可動通路54を底部39付近に設けることで、主ピストン34及び副ピストン38がそれぞれの下死点と上死点との間で往復運動する全期間にわたって、可動通路54の副油圧室42側の開口が副ピストン38によって塞がれずに、可動通路54が副油圧室42に開口した状態を維持することができる。例えば、副ピストン38が上死点付近に位置するとともに主ピストン34が下死点付近に位置するとき等、副油圧室42の容積が小さくなったときにおいても、可動通路54が副油圧室42に開口した状態を維持することができるようになっている。
油溝50は、静止シリンダ32の内壁面37に形成された溝であり、静止シリンダ32の軸方向において、少なくとも、主ピストン34が静止シリンダ32内を往復運動する際に可動通路54が位置する範囲にわたって延在するように、かつ、静止シリンダ32の周方向において、可動通路54の存在範囲の少なくとも一部に延在するように形成されている。これにより、主ピストン34が下死点と上死点との間を往復運動する全期間において、油溝50と可動通路54とが連通した状態を維持することができる。
油溝50は、静止シリンダ32の周方向の一部に形成された溝であってもよく、あるいは、該周方向の全周にわたって連続して形成された環状溝であってもよい。
静止通路52は、静止シリンダ32において、油溝50よりも外周側にて、油溝50に開口するように形成されており、油溝50と副油ライン56とを接続する。
副作動油は、上述の可動通路54、油溝50及び静止通路52を通って、副油圧室42と副油ライン56との間で、流出入可能となっている。
図3及び図4に示すピストン装置30において、副油ライン56には、連通状態切替え部60としての電磁弁61が設けられている。そして、電磁弁61の開閉状態に応じて、副油圧室42の状態を連通規制状態と連通許容状態との間で切り替えられるようになっている。
例えば、電磁弁61を閉状態とすることで、副油ライン56から副油圧室42への副作動油の流入及び副油圧室42から副油ライン56への副作動油の流出が規制され、副油圧室42が連通規制状態となる。また、電磁弁61を開状態とすることで、副油ライン56から副油圧室42への副作動油の流入及び副油圧室42から副油ライン56への副作動油の流出が許容され、副油圧室42は連通許容状態となる。
後で説明するように、電磁弁61等の連通状態切替え部60によって副油圧室42の連通状態を連通規制状態と連通許容状態との間で切り替えて副油圧室42を含む油圧回路の剛性を調節することにより、主ピストン34に仕事をさせるか否かを選択することができる。
ピストン装置30は、主油圧室40に連通するように設けられた高圧ライン26及び低圧ライン28と、高圧ライン26に設けられた高圧弁46と、低圧ライン28に設けられた低圧弁48とをさらに備える。
静止シリンダ32の内部には、高圧弁46を介して主油圧室40と高圧ライン26とを連通させるための高圧連通路43、及び、低圧弁48を介して主油圧室40と低圧ライン28とを連通させるための低圧連通路44が設けられている。
幾つかの実施形態では、高圧弁46又は低圧弁48の少なくとも一方は逆止弁である。
図3に示すピストン装置30は、図2に示す油圧機械20に含まれるピストン装置30であり、副ピストン38の往復運動を、静止シリンダ32及び主ピストン34によって形成される主油圧室40の圧力エネルギーに変換するように構成された油圧ポンプユニット16である。油圧ポンプユニット16において、高圧ライン26に設けられる高圧弁46A及び低圧ライン28に設けられる低圧弁48Aは、それぞれ逆止弁である。また、該油圧ポンプユニット16は、主ピストン34を該主ピストン34の上死点から下死点に向かう方向に付勢するための第1付勢部材62(図3においてはばね)をさらに備える。
図3に示すピストン装置30(油圧ポンプユニット16)では、回転軸(クランクシャフト)22(図2参照)が図示しない動力源により回転運動をするとともに、回転軸22の回転運動は、変換機構24によって副ピストン38の往復運動に変換される。すなわち、副ピストン38は、回転軸22の回転に応じて可動シリンダ36内にて往復運動するようになっている。
そして、副油圧室42の連通状態が連通規制状態であるとき(即ち、電磁弁61が閉状態であり副作動油の副油圧室42からの流出入が規制された状態であるとき)には、主ピストン34は、副ピストン38の往復運動に伴って、静止シリンダ32内において下死点と上死点との間で往復運動する。
油圧ポンプユニット16において、高圧弁46A及び低圧弁48Aの開閉動作と、主油圧室40における主作動油の流出入との関係は以下のようになる。
主ピストン34が上死点から下死点へ向かって移動する膨張行程(吸入行程)では、主ピストン34の移動に伴い主油圧室40の容積が増加して主油圧室40内の圧力が低下する。そして、主油圧室40内の圧力が低圧ライン28の圧力よりも低くなると、逆止弁である低圧弁48Aが開き、低圧ライン28から主油圧室40内へ低圧の主作動油が流入する。主ピストン34が下死点付近に到達すると、主油圧室40内の圧力と低圧ライン28の圧力とがほぼ等しくなり、低圧弁48Aは閉じる。
主ピストン34が下死点から上死点へ向かって移動する圧縮行程(吐出行程)では、主ピストン34の移動に伴い主油圧室の容積が減少して主作動油が昇圧される。そして、主油圧室40内の圧力が高圧ライン26の圧力よりも高くなると、逆止弁である高圧弁46Aが開き、主油圧室40内から高圧ライン26へ高圧となった主作動油が流出する。主ピストン34が上死点付近に到達すると、主油圧室40内の圧力と高圧ライン26の圧力とがほぼ等しくなり、高圧弁46Aは閉じる。
このようにして、油圧ポンプユニット16では、主ピストン34の往復運動に伴って、低圧ライン28から主油圧室40へ主作動油が流入し、主油圧室40内で主作動油が昇圧され、昇圧された主作動油が高圧ライン26に送り出されるようになっている。
なお、油圧ポンプユニット16の高圧ライン26に設けられる高圧弁46A及び低圧ライン28に設けられる低圧弁48Aとして、逆止弁に替えて、能動的に制御可能なバルブ(例えば電子制御弁)を用いて、これらのバルブの開閉を能動的に制御することによって、主油圧室40からの主作動油の流出入を制御するようにしてもよい。
また、油圧ポンプユニット16では、主ピストン34を上死点から下死点に向かう方向に付勢するための第1付勢部材62によって、主ピストン34及び副ピストン38が上死点に達した後に、第1付勢部材62の付勢力により、主ピストン34を確実に下死点に移動させることができる。よって、油圧ポンプユニット16の動作を円滑なものとすることができる。
図4に示すピストン装置30は、静止シリンダ32及び主ピストン34によって形成される主油圧室40の圧力エネルギーを副ピストン38の往復運動に変換するように構成された油圧モータユニット18である。このピストン装置30(油圧モータユニット)において、高圧ライン26に設けられる高圧弁46B及び低圧ライン28に設けられる低圧弁48Bは、それぞれ能動的に制御可能なバルブ(例えば電子制御弁)である。また、油圧モータユニット18は、主ピストン34を該主ピストン34の下死点から上死点に向かう方向に付勢するための第2付勢部材63(図4においてはばね)をさらに備える。
図4に示す油圧モータユニット18は、上述の油圧ポンプユニット16と同様に、例えば図2に示す油圧機械20を構成することができる。この場合、油圧モータユニット18の副ピストン38と回転軸22(例えばクランクシャフト)とが、変換機構24を介して接続される。
油圧モータユニット18では、主ピストン34は、主油圧室40に流入する高圧油(主作動油)から力を受けることにより静止シリンダ32内を往復運動する。そして、副油圧室42の連通状態が連通規制状態であるとき(即ち、電磁弁61が閉状態であり副作動油の副油圧室42からの流出入が規制された状態であるとき)には、副ピストン38は、主ピストン34の往復運動に伴って、可動シリンダ36内を往復運動する。そして、副ピストン38の往復運動が変換機構24によって回転軸22の回転運動に変換される。
油圧モータユニット18において、高圧弁46B及び低圧弁48Bの開閉動作と、主油圧室40における主作動油の流出入との関係は以下のようになる。
主ピストン34が上死点から下死点へ向かって移動する膨張行程(吸入行程)では、高圧弁46Bが能動的な制御により開かれて高圧ライン26から高圧の主作動油が主油圧室40内へ流入し、主ピストン34が主作動油からの力を受けて下死点へ向かって移動する。そして、主ピストン34が下死点付近に到達すると、高圧弁46Bが能動的な制御により閉じられて、主油圧室40の中にそれ以上主作動油は供給されなくなる。
次に、主ピストン34が下死点から上死点に向かって移動する圧縮行程(吐出行程)では、低圧弁48Bが能動的な制御により開かれて、主ピストン34に対して仕事を行うことにより圧力が低下した主作動油が、主油圧室40内から低圧ライン28へと吐出される。そして、主ピストン34が上死点付近に到達すると、低圧弁48Bが閉じられて、それ以上、主作動油は主油圧室40から低圧ライン28へ吐出されなくなる。
このようにして、油圧モータユニット18では、主ピストン34の往復運動に伴って、高圧ライン26から主油圧室40へ主作動油が流入し、主作動油が主油圧室40内で仕事をすることにより主作動油の圧力が低下し、圧力が低下した該主作動油が低圧ライン28に送り出されるようになっている。
なお、油圧モータユニット18の低圧ライン28設けられる低圧弁48Bとして、能動的に制御可能なバルブに替えて、逆止弁を用いて主油圧室40からの主作動油の流出を制御するようにしてもよい。
また、油圧モータユニット18では、主ピストン34を下死点から上死点に向かう方向に付勢するための第2付勢部材63によって、主ピストン34及び副ピストン38が下死点に達した後に、第2付勢部材63の付勢力により、主ピストン34を確実に下死点に移動させることができる。よって、油圧モータユニット18の動作を円滑なものとすることができる。
上述の構成を有するピストン装置30においては、上述したように、電磁弁61等の連通状態切替え部60によって副油圧室42の連通状態を連通規制状態と連通許容状態との間で切り替えて副油圧室42を含む油圧回路の剛性を調節することにより、主ピストン34に仕事をさせるか否かを選択することができる。これについて、図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6は、それぞれ、一実施形態に係るピストン装置の作動原理を説明するための図である。
なお、以下においては、ピストン装置30の一例として上述の油圧ポンプユニット16の作動原理について説明するが、油圧モータユニット18を含む他のピストン装置30の作動原理についても同様に説明できる。
図5は、副油圧室42の連通状態が連通規制状態である場合における主ピストン34の動作例を示す図であり、図5の(a)は主ピストン34が下死点に位置するときのピストン装置30を示し、図5の(b)は主ピストン34が上死点に位置するときのピストン装置30を示す。
ピストン装置30において、電磁弁61が閉状態となり、副作動油の副油圧室42からの流出入が規制された連通規制状態では、副油圧室42を含む油圧回路の剛性(システムばね定数)が大きくなり、主ピストン34又は副ピストン38の一方に作用する力が副油圧室42内の副作動油を介して主ピストン34又は副ピストン38の他方に伝達されて、主ピストン34と副ピストン38とが一体的に動く。
例えば、図5(a)に示すように、油圧ポンプユニット16の主ピストン34が下死点に位置し、かつ、副ピストン38が下死点に位置する場合において、電磁弁61が閉状態となって副油圧室42の状態が連通規制状態となると、副油圧室42を含む油圧回路の剛性が大きくなる。このため、回転軸22の回転に伴って副ピストン38が副ピストン38の下死点(BDC_S)から上死点(TDC_S)に向かって移動しようとすると、副ピストン38に作用する力が副油圧室42内の副作動油を介して主ピストン34に伝達される。このため、主ピストン34は、副ピストン38と一体的に、主ピストンの下死点(BDC_M)から上死点(TDC_M)に向かって移動し、図5(b)に示すように、副ピストン38及び主ピストン34は、ともにそれぞれの下死点(BDC_S,BDC_M)に到達する。このように、主ピストン34が下死点から上死点に移動する過程において、主ピストン34は、主油圧室40内の主作動油を昇圧して、高圧ライン26に吐出させる。すなわち、主ピストン34は、主油圧室40内から押しのけた主作動油の油量に応じた仕事をする。
一方、図6は、副油圧室42の連通状態が連通許容状態である場合における主ピストン34の動作例を示す図であり、図6の(a)は副ピストン38が下死点に位置するときのピストン装置30を示し、図6の(b)は副ピストン38が上死点に位置するときのピストン装置30を示す。
ピストン装置30において、電磁弁61が開状態となり、副作動油の副油圧室42からの流出入が許容された連通許容状態では、主ピストン34又は副ピストン38の往復運動に伴って、主ピストン34とともに動く可動シリンダ36と副ピストン38とにより形成される副油圧室42の容積が変化し、この副油圧室42の容積変化に対応して副油圧室42から副作動油が流出入する。
例えば、図6(a)に示すように、油圧ポンプユニット16の主ピストン34が下死点に位置し、かつ、副ピストン38が下死点に位置する場合において、電磁弁61が開状態となり副油圧室42の状態が連通許容状態であるときには、副油ライン56及び電磁弁61を介して副油圧室42から副作動油が自由に流出入可能となる。このため、副ピストン38の下死点(BDC_S)と上死点(TDC_S)との間における往復運動に伴って、副油圧室42の容積が変化し、副油圧室42の容積変化に対応して副油圧室42から副作動油が流出入する。一方、副ピストン38に作用する力は副油圧室42内の副作動油を介して主ピストン34に伝達されないため、可動シリンダ36及び主ピストン34は、静止シリンダ32内を往復運動しない。よって、図6(b)に示すように、副ピストン38が上死点(TDC_S)まで移動しても、主ピストン34は下死点(TDC_M)に位置したままである。すなわち、主ピストン34は実質的に仕事をしない。
したがって、ピストン装置30では、電磁弁61等の連通状態切替え部60によって副油圧室42の連通状態を連通規制状態と連通許容状態との間で切り替えて副油圧室42を含む油圧回路の剛性を調節することにより、主ピストン34に仕事をさせるか否かを選択することができる。
幾つかの実施形態では、油圧ポンプユニット16や油圧モータユニット18等のピストン装置30は、副ピストン38の位相に応じて連通状態切替え部60(例えば電磁弁61)を制御するためのコントローラ90(図2参照)をさらに備える。
この場合、コントローラ90を用いて副ピストン38の位相に応じて連通状態切替え部60(例えば電磁弁61)を制御可能であるので、副油圧室42を連通規制状態とする副ピストン38の位相の範囲を、下死点と上死点との間で任意に設定できる。これにより、連通規制状態において副ピストン38とともに動く主ピストン34のストロークを所期の値とすることができ、ピストン装置30の押しのけ容積を任意に調節することができる。
なお、副ピストン38の位相は、副ピストン38の位置を計測するためのセンサ(不図示)により取得してもよく、あるいは、回転軸22の位相を計測するための回転センサ(図2の回転センサ92参照)により取得してもよい。
また、幾つかの実施形態では、ピストン装置30において、主ピストン34の最大押しのけ容積は、副ピストン38の最大押しのけ容積よりも大きい。
主ピストン34の最大押しのけ容積が、副ピストン38の最大押しのけ容積よりも大きいため、副油圧室42の連通状態の切り替えにより副作動油が流通することとなる連通状態切替え部60(例えば電磁弁61)の容量を小さくすることができる。よって、ピストン装置30の大きな押しのけ容積(主ピストン34による押しのけ容積)を確保しながら、連通状態切替え部60を小型化できるとともに、連通状態切替え部60を含むピストン装置30を小型化することができる。
例えば、連通状態切替え部60としての小型の電磁弁61を用いれば、電磁弁61自体が小型であり、また、電磁弁61の開閉制御に必要な電流が小さいため、電磁弁61において高速応答が可能となる。このため、より大きな回転数に対応可能なピストン装置30を得ることができる。
また、図3及び図4に示すピストン装置30では、上述したように、可動シリンダ36は、主ピストン34の内部において主ピストン34と同心に設けられている。これにより、主ピストン34及び可動シリンダ36に対して、副油圧室42及び主油圧室40のそれぞれから作用する油圧の作用点が主ピストン34の中心軸上に並ぶことになる。よって、副油圧室42から受ける油圧と主油圧室40から受ける油圧とに起因して主ピストン34及び可動シリンダ36にモーメント荷重が発生することがない。このため、副ピストン38が可動シリンダ36内を円滑に摺動することができ、副ピストン38と主ピストン34との間におけるエネルギーの伝達ロスを低減できる。
図7は、一実施形態に係る油圧機械の構成の概略を示す図である。図7に示す油圧機械20は、回転軸22と、上述したピストン装置30である油圧ポンプユニット16と、変換機構24としてのXY分離機構23と、を備える。XY分離機構23は、油圧ポンプユニット16の副ピストン38と回転軸22との間に設けられ、副ピストン38の往復運動と回転軸22の回転運動との間で運動モードを変換するように構成される。
XY分離機構23は、油圧機械20の静止部21に支持された移動部64と、副ピストン38と移動部64との間に設けられる中間部68と、中間部68と移動部64との間に設けられるスライド部70とを含む。
移動部64は、クランク機構72を介して回転軸22に連結される。クランク機構72は、回転軸22に一端が連結されるクランクアーム74と、クランクアーム74の他端を移動部64に連結するためのクランクピン73とを含む。
クランク機構72を介して回転軸22に連結された移動部64は、回転軸22の軸方向に対する直交平面内において、可動シリンダ軸方向のX方向成分と可動シリンダ軸直交方向のY方向成分とを合成した速度ベクトルVで回転軸22の回転に連動して移動する。すなわち、回転軸22の回転に伴って、クランクピン73は、軌跡81を描くように、回転軸22の軸中心の周りを移動する。ここで、軌跡81は、半径がクランクアーム74の長さ(回転軸22とクランクピン73との間の距離)の回転軸22を中心とする円である。そのため、クランクピン73に連結された移動部64は、クランクピン73の移動に伴って、回転軸22の軸方向に対する直交平面内において速度ベクトルVで回転軸22の回転に連動して移動することになる。
上述した移動部64、中間部68、スライド部70を備えるXY分離機構23により、副ピストン38の可動シリンダ軸方向に沿った往復運動と回転軸22の回転運動との間で運動モードが変換される。
移動部64は、移動部64と静止部21との間に設けられる第1スライダ76及び第2スライダ78を介して静止部21に支持される。第1スライダ76は移動部64の可動シリンダ軸方向の自在な移動を可能とし、第2スライダ78は移動部64の可動シリンダ軸直交方向の自在な移動を可能とする。
このように、第1スライダ76と第2スライダ78により、移動部64は回転軸22の軸方向に対する直交平面内で可動シリンダ軸方向及び可動シリンダ軸直交方向に移動可能である。したがって、移動部64は、第1スライダ76と第2スライダ78を介して静止部21に支持されながら、回転軸22の回転に連動して回転軸22の軸方向に対する直交平面内を移動することができる。
スライド部70は、移動部64に対して相対的に可動シリンダ軸直交方向に移動可能に、中間部68を移動部64に支持する。
なお、図7に示す実施形態では、スライド部70と第2スライダ78の両方の役割を、移動部64と中間部68の間に配置した1つのスライダ部材に担わせている。
静止部21は、油圧機械20において固定され静止している部材である。例えば、静止シリンダ32を囲むシリンダブロックや、シリンダブロックに固定されるように接続された部材を静止部21とすることができる。
図7に示す油圧機械20においては、回転軸22に連動する移動部64と副ピストン38との間に位置する中間部68が、スライド部70によって、移動部64に対して可動シリンダ軸直交方向に相対的に移動可能に移動部64に支持される。このため、XY分離機構23から副ピストン38に伝わる力は基本的には可動シリンダ軸方向に沿った成分のみである。すなわち、回転軸22から副ピストン38に向かってXY分離機構23内を伝わる力はスライド部70において可動シリンダ軸方向成分(X方向成分)と可動シリンダ軸直交成分(Y方向成分)とに分離されるので、副ピストン38には、中間部68を介してスライド部70から可動シリンダ軸方向成分(X方向成分)の力のみが伝わることになる。したがって、回転軸22と副ピストン38との間に設けられるXY分離機構23から副ピストン38に作用するサイドフォースを低減できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 発電装置
2 原動機
3 回転シャフト
4 油圧トランスミッション
5 回転シャフト
6 発電機
8 油圧ポンプ
10 油圧モータ
12 高圧油ライン
14 低圧油ライン
16 油圧ポンプユニット
18 油圧モータユニット
20 油圧機械
21 静止部
22 回転軸
23 XY分離機構
24 変換機構
25 主作動油タンク
26 高圧ライン
27 高圧油送出ライン
28 低圧ライン
29 送油ライン
30 ピストン装置
32 静止シリンダ
33 内壁面
34 主ピストン
36 可動シリンダ
37 内壁面
38 副ピストン
39 底部
40 主油圧室
42 副油圧室
43 高圧連通路
44 低圧連通路
46 高圧弁
48 低圧弁
50 油溝
52 静止通路
54 可動通路
56 副油ライン
58 副作動油タンク
60 連通状態切替え部
61 電磁弁
62 第1付勢部材
63 第2付勢部材
64 移動部
68 中間部
70 スライド部
72 クランク機構
73 クランクピン
74 クランクアーム
76 第1スライダ
78 第2スライダ
81 軌跡
90 コントローラ
92 回転センサ

Claims (10)

  1. 静止シリンダと、
    前記静止シリンダ内に往復運動可能に設けられた主ピストンと、
    前記主ピストンとともに動くように構成された可動シリンダと、
    前記可動シリンダ内に往復運動可能に設けられた副ピストンと、
    前記可動シリンダ及び前記副ピストンによって形成される副油圧室からの副作動油の流出入が規制された連通規制状態と、前記副作動油の前記副油圧室からの流出入が許容される連通許容状態と、で前記副油圧室の状態を切り替えるように構成された連通状態切替え部と、
    を備え
    前記可動シリンダは、前記主ピストンの内部に前記主ピストンと同心に設けられた
    ことを特徴とするピストン装置。
  2. 前記連通状態切替え部は、前記副油圧室に接続される副油ラインに設けられる電磁弁を含むことを特徴とする請求項1に記載のピストン装置。
  3. 静止シリンダと、
    前記静止シリンダ内に往復運動可能に設けられた主ピストンと、
    前記主ピストンとともに動くように構成された可動シリンダと、
    前記可動シリンダ内に往復運動可能に設けられた副ピストンと、
    前記可動シリンダ及び前記副ピストンによって形成される副油圧室からの副作動油の流出入が規制された連通規制状態と、前記副作動油の前記副油圧室からの流出入が許容される連通許容状態と、で前記副油圧室の状態を切り替えるように構成された連通状態切替え部と、
    を備え、
    前記主ピストンの最大押しのけ容積は、前記副ピストンの最大押しのけ容積よりも大きいことを特徴とするピストン装置。
  4. 静止シリンダと、
    前記静止シリンダ内に往復運動可能に設けられた主ピストンと、
    前記主ピストンとともに動くように構成された可動シリンダと、
    前記可動シリンダ内に往復運動可能に設けられた副ピストンと、
    前記可動シリンダ及び前記副ピストンによって形成される副油圧室からの副作動油の流出入が規制された連通規制状態と、前記副作動油の前記副油圧室からの流出入が許容される連通許容状態と、で前記副油圧室の状態を切り替えるように構成された連通状態切替え部と、
    を備え、
    前記副ピストンの位相に応じて前記連通状態切替え部を制御するためのコントローラをさらに備えることを特徴とするピストン装置。
  5. 前記可動シリンダは、前記主ピストンの内部に前記主ピストンと同心に設けられたことを特徴とする請求項3又は4に記載のピストン装置。
  6. 前記静止シリンダ及び前記主ピストンによって形成される主油圧室にそれぞれ連通するようにそれぞれ設けられた高圧ライン及び低圧ラインと、
    前記高圧ラインに設けられた高圧弁と、
    前記低圧ラインに設けられた低圧弁と、をさらに備え、
    前記高圧弁又は前記低圧弁の少なくとも一方は逆止弁であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のピストン装置。
  7. 前記ピストン装置は、前記副ピストンの往復運動を、前記静止シリンダ及び前記主ピストンによって形成される主油圧室の圧力エネルギーに変換するように構成された油圧ポンプユニットであり、
    前記主ピストンを該主ピストンの上死点から下死点に向かう方向に付勢するための第1付勢部材をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のピストン装置。
  8. 前記ピストン装置は、前記静止シリンダ及び前記主ピストンによって形成される主油圧室の圧力エネルギーを前記副ピストンの往復運動に変換するように構成された油圧モータユニットであり、
    前記主ピストンを該主ピストンの下死点から上死点に向かう方向に付勢するための第2付勢部材をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のピストン装置。
  9. 回転軸と、
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の少なくとも一つのピストン装置と、
    各々の前記ピストン装置の前記副ピストンと前記回転軸との間に設けられ、該副ピストンの往復運動と前記回転軸の回転運動との間で運動モードを変換するように構成されたXY分離機構と、を備えることを特徴とする油圧機械。
  10. 回転軸と、
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の複数のピストン装置と、
    各々の前記ピストン装置の前記連通状態切替え部を制御するためのコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記複数のピストン装置のそれぞれについて、前記連通状態切替え部を互いに独立して制御可能に構成されたことを特徴とする油圧機械。
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