以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
図1は、一実施形態に係る蓄電モジュールを備えた蓄電装置を示す概略断面図である。図1に示される蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、互いに複数の蓄電モジュール4を積層してなる蓄電モジュール積層体2と、蓄電モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重を付加する拘束部材3とを備えている。
蓄電モジュール積層体2は、複数(本実施形態では3体)の蓄電モジュール4と、複数(本実施形態では4枚)の導電板5とによって構成されている。蓄電モジュール4は、例えば後述するバイポーラ電極14を備えたバイポーラ電池であり、積層方向から見て矩形状をなしている。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
積層方向に隣り合う蓄電モジュール4同士は、導電板5を介して電気的に接続されている。導電板5は、積層方向に隣り合う蓄電モジュール4間と、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側と、にそれぞれ配置されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された一方の導電板5には、正極端子6が接続されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された他方の導電板5には、負極端子7が接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向に交差する方向に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
各導電板5の内部には、空気等の冷却用ガスを流通させる複数の流路5aが設けられている。各流路5aは、例えば積層方向と、正極端子6及び負極端子7の引き出し方向とにそれぞれ交差(直交)する方向に互いに平行に延在している。これらの流路5aに冷却用ガスを流通させることで、導電板5は、蓄電モジュール4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱板としての機能を併せ持つ。なお、図1の例では、積層方向から見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さいが、放熱性の向上の観点から、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくてもよい。
拘束部材3は、蓄電モジュール積層体2を積層方向に挟む一対のエンドプレート8と、エンドプレート8同士を締結する締結ボルト9及びナット10とによって構成されている。エンドプレート8は、積層方向から見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8の内側面(蓄電モジュール積層体2側の面)には、電気絶縁性を有するフィルムFが設けられている。フィルムFにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。
エンドプレート8の縁部には、蓄電モジュール積層体2よりも外側となる位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通され、他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5がエンドプレート8によって挟持されて蓄電モジュール積層体2としてユニット化されると共に、蓄電モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重が付加される。
次に、蓄電モジュール4の構成について更に詳細に説明する。図2は、図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。同図に示すように、蓄電モジュール4は、積層方向D1(第1方向)に積層された複数の電極Eを含む電極積層体11と、積層方向D1から見て電極積層体11を取り囲むシール部材12とを備えている。電極積層体11とシール部材12との間は封止(シール)される。
電極積層体11は、セパレータ13を介して積層方向D1に積層された複数の電極Eを含む。複数の電極Eは、複数のバイポーラ電極14と、負極終端電極18と、正極終端電極19とを含む。この例では、電極積層体11の積層方向D1は蓄電モジュール積層体2の積層方向と一致している。バイポーラ電極14は、電極板15、電極板15の一方面15aに設けられた正極16、電極板15の他方面15bに設けられた負極17を含んでいる。正極16は、正極活物質が塗工されてなる正極活物質層である。負極17は、負極活物質が塗工されてなる負極活物質層である。電極積層体11において、1つのバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向D1に隣り合う一方のバイポーラ電極14の負極17と対向している。電極積層体11において、1つのバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向D1に隣り合う他方のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
電極積層体11において、積層方向D1の一端には負極終端電極18が配置され、積層方向D1の他端には正極終端電極19が配置されている。負極終端電極18は、電極板15、及び電極板15の他方面15bに設けられた負極17を含んでいる。負極終端電極18の負極17は、セパレータ13を介して積層方向D1の一端のバイポーラ電極14の正極16と対向している。負極終端電極18の電極板15の一方面15aには、蓄電モジュール4に隣接する一方の導電板5が接触している。正極終端電極19は、電極板15、及び電極板15の一方面15aに設けられた正極16を含んでいる。正極終端電極19の電極板15の他方面15bには、蓄電モジュール4に隣接する他方の導電板5が接触している。正極終端電極19の正極16は、セパレータ13を介して積層方向D1の他端のバイポーラ電極14の負極17と対向している。
電極板15は、水平方向に延在する板形状を呈する導電体であり、可撓性を示す。このため水平方向は、電極板15の延在方向とも言える。電極板15は、例えばニッケル箔、メッキ処理が施された鋼板、またはメッキ処理が施されたステンレス鋼板である。鋼板としては、例えばJIS G 3141:2005にて規定される冷間圧延鋼板(SPCC等)が挙げられる。ステンレス鋼板としては、例えばJIS G 4305:2015にて規定されるSUS304等が挙げられる。電極板15の厚さは、例えば0.1μm以上1000μm以下である。なお、電極板15がニッケル箔である場合、当該ニッケル箔にメッキ処理が施されてもよい。電極板15の周縁部15c(バイポーラ電極14の周縁部)は、矩形枠状をなし、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、電極板15の他方面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の一方面15aにおける正極16の形成領域に対して一回り大きくなっている。
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ13は、シート状に限られず、袋状のものを用いてもよい。
シール部材12は、例えば絶縁性の樹脂によって矩形の枠状に形成されている。シール部材12を構成する樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)などが挙げられる。シール部材12は、電極積層体11を取り囲み、複数の電極板15の周縁部15cを保持するように構成されている。
シール部材12は、周縁部15cに設けられた一次シール21と、積層方向D1から見て一次シール21を取り囲む二次シール22とを備えている。一次シール21は所定の厚さ(積層方向D1の長さ)を有するフィルムである。一次シール21は、積層方向D1から見て、矩形枠状をなし、例えば超音波又は熱により、周縁部15cの全周にわたって連続的に溶着されている。一次シール21は、電極板15の他方面15b側の周縁部15cに設けられている。一次シール21は、周縁部15cを埋設した状態で、周縁部15cに設けられ、電極板15の端面を覆っている。一次シール21は、積層方向D1から見て、正極16及び負極17から離間して設けられている。積層方向D1で隣り合う一次シール21同士は、互いに当接してもよいし、互いに当接しなくてもよい。
一次シール21は、第1部分21aと第2部分21bとを有している。第1部分21aは、他方面15b上に設けられ、積層方向D1から見て電極板15と重なっている。第2部分21bは、第1部分21aと一体的に形成され、積層方向D1から見て電極板15の外側に設けられている。第1部分21aの厚さは、第2部分21bの厚さよりも薄く、負極17の厚さと同等であるが、同等以上であってもよい。第1部分21aと第2部分21bとの間には、積層方向D1に延在する段差面21cが形成されている。
第1部分21aの上面には、セパレータ13の外縁部が配置されている。積層方向D1から見て、第1部分21aとセパレータ13の外縁部とは互いに重なっている。セパレータ13の外縁部は、セパレータ13の外縁に沿って並ぶ複数箇所において、例えば溶着により第1部分21aの上面に固定されている。セパレータ13の外縁は、段差面21cに当接していてもよいし、段差面21cから離間していてもよい。本実施形態では、段差面21cの高さ(積層方向D1の長さ)は、セパレータ13の厚さと正極16の厚さとの和と同等であるが、同等以上であってもよい。
二次シール22は、電極積層体11及び一次シール21の外側に設けられ、蓄電モジュール4の外壁(筐体)を構成している。二次シール22は、例えば、後述するように樹脂の射出成形によって形成され、積層方向D1において電極積層体11の全長にわたって延在している。二次シール22は、積層方向D1を軸方向として延在する筒状部である。二次シール22は、積層方向D1に延在する一次シール21の外側面を覆っている。二次シール22は、一次シール21の外側面に接合され、一次シール21の外側面をシールしている。二次シール22は、例えば、射出成形時の熱によって一次シール21の外側面に溶着されている。一次シール21を構成する樹脂材料と二次シール22を構成する樹脂材料とは互いに相溶可能である。一次シール21は例えばPPからなり、二次シール22は例えば変性PPEからなる。
電極積層体11内には複数の内部空間Vが設けられている。各内部空間Vは、隣り合う複数の電極E間に設けられる。内部空間Vは、積層方向D1で隣り合う電極板15の間において、当該電極板15とシール部材12とにより気密及び水密に仕切られた空間である。この内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。電解液は、セパレータ13、正極16及び負極17内に含浸されている。電解液は強アルカリ性なので、シール部材12は、耐強アルカリ性を有する樹脂材料により構成されている。
図3は、図2に示された蓄電モジュール4の斜視図である。図3に示されるように、蓄電モジュール4は、複数(ここでは4つ)の圧力調整弁28をさらに備えている。圧力調整弁28は、内部空間V内のガスを蓄電モジュール4の外部に放出することによって、内部空間Vの圧力を調整できる。二次シール22の外形は、積層方向D1から見て例えば矩形枠状を有している。二次シール22は、第1側部22aと、第2側部22bと、一対の第3側部22c,22cを有する。積層方向D1から見て第1側部22a及び第2側部22bが二次シール22の短辺部分となり、一対の第3側部22c,22cが二次シール22の長辺部分となる。
各第3側部22cは、積層方向D1に交差する長手方向D3(第3方向)に延在する。各第3側部22cは、第1側部22a及び第2側部22bを互いに接続している。第1側部22a及び第2側部22bは、積層方向D1及び長手方向D3の両方に交差する短手方向D2(第2方向)に延在する。第1側部22a及び第2側部22bは、一対の第3側部22c,22cを互いに接続している。積層方向D1、短手方向D2及び長手方向D3は互いに直交し得る。第1側部22a及び第2側部22bは、長手方向D3で互いに対向している。一対の第3側部22c,22cは、短手方向D2で互いに対向している。圧力調整弁28は、第1側部22aに取り付けられているが、1つの第3側部22cに取り付けられてもよい。
図4は、図3に示された蓄電モジュール4の一部を示す斜視図である。図5は、図4に示されたV-V線に沿った断面図である。図6は、図5に示された蓄電モジュール4の断面図の一部を拡大した図である。図4及び図5では、圧力調整弁28が省略されている。
図4~図6に示されるように、二次シール22は、第1樹脂部23と第2樹脂部24とを備える。第1樹脂部23の外形は、積層方向D1から見て例えば矩形筒状を有する。第1樹脂部23は、積層方向D1から見て、一次シール21と第2樹脂部24との間に配置されている。第1樹脂部23は、積層方向D1から見て一次シール21を取り囲む。第1樹脂部23は、一次シール21の積層方向D1に延在する側面21sに設けられている。
第2樹脂部24の外形は、積層方向D1から見て例えば矩形筒状を有する。第2樹脂部24は、積層方向D1から見て第1樹脂部23を取り囲む。第2樹脂部24は、第1樹脂部23の積層方向D1に延在する側面23sに設けられている。第2樹脂部24は、長手方向D3に突出する複数の突起部24pを有する。各突起部24pは、複数(ここでは6個)の開口24hを形成する枠形状を有する。各突起部24pは、圧力調整弁28を接続するための接続用突起部として機能する。よって、突起部24pの数は、圧力調整弁28の数と同じである。第2樹脂部24のうち、第1側部22aに含まれる部分が突起部24pを有する。
図5に示されるように、第1樹脂部23及び第2樹脂部24は、長手方向D3において、一次シール21と電極積層体11とを備えるユニット積層体30の外側に位置する。ユニット積層体30は、積層方向D1に交差する矩形状の第1面30aと、第1面30aとは反対側の矩形状の第2面30bと、積層方向D1に延在する4つの矩形状の側面30cとを有する。第1面30aは正極終端電極19の表面を含む。第2面30bは負極終端電極18の表面を含む。側面30cは、積層方向D1に延在する一次シール21の側面21s(図6参照)を含む。側面30cは、第1面30aと第2面30bとの間を繋いでいる。
第1樹脂部23は、第1面30aの周縁部上に設けられた庇部23bと、各側面30c上に位置する側部23cとを有する。庇部23bは、第1樹脂部23における積層方向D1の一端から電極積層体11の内側に延びる。庇部23bは、第1面30aの周縁部を全周にわたって覆う枠形状を有する。側部23cは、積層方向D1から見てユニット積層体30を取り囲む筒形状を有する。第2樹脂部24は、第2面30bの周縁部上に設けられた庇部24bと、第1樹脂部23の側部23c上に位置する側部24cとを有する。庇部24bは、第2面30bの周縁部を全周にわたって覆う枠形状を有する。側部24cは、積層方向D1から見て第1樹脂部23の側部23cを取り囲む筒形状を有する。
一次シール21には、各内部空間Vと連通された連通孔21dが形成される(図6参照)。第1樹脂部23には、各連通孔21dと連通された連通孔23a(連通孔)が形成される。第2樹脂部24には、各連通孔23aと連通された連通孔24a(連通孔)が形成される。連通孔21dの幅(積層方向D1における連通孔21dの長さ)、連通孔23aの幅(積層方向D1における連通孔23aの長さ)、及び連通孔24aの幅(積層方向D1における連通孔24aの長さ)は例えば同じである。連通孔21dの幅は、例えば段差面21cの高さ(積層方向D1における段差面21cの長さ)と同じである。
長手方向D3から見て、突起部24pは各連通孔24aを取り囲むように配置される。各連通孔24aは、突起部24pにより形成された開口24hと連通されている。開口24hの幅(積層方向D1における開口24hの長さ)は、連通孔24aの幅(積層方向D1における連通孔24aの長さ)よりも大きい。
図7は、長手方向D3から見た第1樹脂部23を示す平面図である。図7には、第1樹脂部23のうち、第1側部22aに含まれる部分が示されている。図7に示されるように、第1樹脂部23には複数(ここでは24個)の連通孔23a(以下、連通孔23a1~23a24ともいう)が形成されている。長手方向D3から見て各連通孔23aは例えば短手方向D2に延びる長方形形状を有する。積層方向D1における連通孔23a1~23a24の位置は、互いに異なっている。これにより、連通孔23a1~23a24のそれぞれは互いに異なる内部空間Vと連通可能となる。連通孔23a1~23a24の数は、内部空間Vの数と同じである。連通孔23a1~23a24は、複数(ここでは4個)のグループに分けられる。各グループは複数(ここでは6個)の連通孔23aを含む。第1グループの連通孔23a1~23a6は、第1の圧力調整弁28に接続される。第2グループの連通孔23a7~23a12は、第2の圧力調整弁28に接続される。第3グループの連通孔23a13~23a18は、第3の圧力調整弁28に接続される。第4グループの連通孔23a19~23a24は、第4の圧力調整弁28に接続される。
連通孔23a1は、連通孔23a1~23a24のうち積層方向D1において最も端に位置する。第1樹脂部23は、連通孔23a1の外側において積層方向D1に突出する凸部23pを有する。その結果、第1樹脂部23のうち連通孔23a1の外側に位置する部分の積層方向D1における幅Lが大きくなる。連通孔23a7は、積層方向D1において連通孔23a1を除いて最も端に位置する。連通孔23a7の外側にも凸部23pが設けられている。連通孔23a13は、積層方向D1において連通孔23a1,23a7を除いて最も端に位置する。連通孔23a13の外側にも凸部23pが設けられている。連通孔23a19は、積層方向D1において連通孔23a1,23a7,23a13を除いて最も端に位置する。連通孔23a19の外側にも凸部23pが設けられている。これらの凸部23pは、第2樹脂部24(庇部24b)によって覆われる(図5参照)。凸部23pは、積層方向D1において庇部23bが設けられた一端とは反対側の他端に設けられる。本実施形態では、第1樹脂部23が複数(ここでは4個)の凸部23pを有しているが、単一の凸部23pを有してもよい。この場合、短手方向D2において隣り合う凸部23p同士が互いに繋がっている。
第1樹脂部23は、射出成形により形成された複数のゲート痕23qを有している。複数のゲート痕23qは、長手方向D3から見て短手方向D2に配列される。各ゲート痕23qは例えば積層方向D1に突出する円柱状の突起である。長手方向D3から見て、隣り合う複数のゲート痕23qの中間点を通って積層方向D1に延びる直線W1は連通孔23a1~23a24と重ならないように位置している。隣り合う複数のゲート痕23qの中間点は、短手方向D2における各ゲート痕23qの中心位置の中点である。したがって、短手方向D2における各ゲート痕23qの中心位置から直線W1までの距離は等しい。短手方向D2において、ゲート痕23qの位置は連通孔23a1~23a24の位置からずれている。図示を省略するが、第1樹脂部23のうち、第2側部22bに含まれる部分、及び一対の第3側部22c,22cに含まれる部分もゲート痕23qを有している。
図8は、長手方向D3から見た第2樹脂部24を示す平面図である。図8には、第2樹脂部24のうち、第1側部22aに含まれる部分が示されている。図8に示されるように、第2樹脂部24には複数(ここでは24個)の連通孔24a(以下、連通孔24a1~24a24ともいう)が形成されている。長手方向D3から見て各連通孔24aは例えば短手方向D2に延びる長方形形状を有する。連通孔24a1~24a24の数は、連通孔23a1~23a24の数と同じである。長手方向D3から見て、連通孔24a1~24a24は、連通孔23a1~23a24とそれぞれ重なるように位置している。長手方向D3から見て、連通孔24a1~24a24のそれぞれは、突起部24pの各開口24h内に位置している。
第2樹脂部24は、射出成形により形成された複数のゲート痕24qを有している。複数のゲート痕24qは、長手方向D3から見て短手方向D2に配列される。各ゲート痕24qは例えば積層方向D1に突出する円柱状の突起である。長手方向D3から見て、隣り合う複数のゲート痕24qの中間点を通って積層方向D1に延びる直線W2は突起部24pと重ならないように位置している。隣り合う複数のゲート痕24qの中間点は、短手方向D2における各ゲート痕24qの中心位置の中点である。したがって、短手方向D2における各ゲート痕24qの中心位置から直線W2までの距離は等しい。短手方向D2において、ゲート痕24qの位置は突起部24pの位置からずれている。図示を省略するが、第2樹脂部24のうち、第2側部22bに含まれる部分、及び一対の第3側部22cに含まれる部分もゲート痕24qを有している。
次に、図9~図14を参照しながら蓄電モジュール4の製造装置100について説明する。図9及び図10は、一実施形態に係る蓄電モジュールの製造装置を示す上面図である。図11及び図12は、入れ子型を示す斜視図である。図13は、図9のXIII-XIII線に沿っての断面図である。図14は、図10のXIV-XIV線に沿っての断面図である。
図9~図14に示されるように、製造装置100は、二次シール22を射出成形により形成するための金型本体Mと、金型本体Mに取り付けられる入れ子型42,52と、入れ子型42,52を引っ張る引張機構60とを備える。製造装置100は、二次シール22を射出成形により形成する射出成形機である。図9には、金型本体Mに対して入れ子型42及び入れ子型41が取り付けられた状態が示されている。入れ子型41,42は、積層方向D1から見て、金型本体Mの内側に位置する枠を構成する。図10には、金型本体Mに対して入れ子型52及び入れ子型51が取り付けられた状態が示されている。入れ子型51,52は、積層方向D1から見て、金型本体Mの内側に位置する枠を構成する。金型本体Mは、互いに対向する一対の型M1,M2を有している。一対の型M1,M2の対向方向は、積層方向D1と一致している。一対の型M1,M2のうち一方が固定型であり、他方が可動型である。図9及び図10では、型M2の図示が省略されている。
入れ子型41,42は、第1樹脂部23を射出成形により形成するために用いられる。入れ子型41,42は、例えば金属製の入れ子型である。図9に示されるように入れ子型41,42は、型M1に取り付けられる。入れ子型41,42が取り付けられた型M1と、型M2とが互いに組み合わされた型閉状態において、一対の型M1,M2の内部には空間S1が形成される。入れ子型41,42は、第1樹脂部23の外形に対応する形状を有している。入れ子型41は、第1樹脂部23のうち、第2側部22b及び一対の第3側部22c,22cに含まれる部分を形成するために用いられる。入れ子型41は、連通孔形成部を有していない。
入れ子型42は、第1樹脂部23のうち、第1側部22aに含まれる部分を形成するために用いられる。入れ子型42は、短手方向D2に延在している。入れ子型42は、図11に示されるように、本体43と、連通孔23aを形成するための複数の連通孔形成部44と、突条部45と、を有する。本体43は、空間S1に臨む矩形状の側面43aを有している。側面43aは、短手方向D2及び積層方向D1に延在している。複数の連通孔形成部44は、長手方向D3に沿って、側面43aから空間S1に突出する。複数の連通孔形成部44は、積層方向D1から見て、短手方向D2に並んでいる。連通孔形成部44の少なくとも一部は、連通孔21d内に配置される。連通孔形成部44は、例えば金属プレートである。連通孔形成部44の形状は、連通孔21dの形状と、連通孔23aの形状とに対応している。突条部45は、側面43aの積層方向D1の一端において短手方向D2に沿って延在している。突条部45は、長手方向D3に沿って、空間S1に突出している。
入れ子型51,52は、第2樹脂部24を射出成形により形成するために用いられる。入れ子型51,52は、例えば金属製の入れ子型である。図10に示されるように入れ子型51,52は、型M1に取り付けられる。入れ子型51,52が取り付けられた型M1と、型M2とが互いに組み合わされた型閉状態において、一対の型M1,M2の内部には空間S2が形成される。入れ子型51,52は、第2樹脂部24の外形に対応する形状を有している。空間S2は空間S1よりも広い。入れ子型51は、第2樹脂部24のうち、第2側部22b及び一対の第3側部22c,22cに含まれる部分を形成するために用いられる。入れ子型51は、連通孔形成部を有していない。
入れ子型52は、第1樹脂部23のうち、第1側部22aに含まれる部分を形成するために用いられる。入れ子型52は、短手方向D2に延在している。入れ子型52は、図12に示されるように、本体53と、連通孔24aを形成するための複数の連通孔形成部54と、突条部55と、を有する。本体53は、空間S2に臨む矩形状の側面53aを有している。複数の連通孔形成部54は、長手方向D3に沿って、側面53aから空間S2に突出する。複数の連通孔形成部54は、積層方向D1から見て、短手方向D2に並んでいる。連通孔形成部54の少なくとも一部は、連通孔23a内に配置される。連通孔形成部54の少なくとも一部は、連通孔21d内に配置されてもよい。連通孔形成部54は、例えば金属プレートである。連通孔形成部54の形状は、連通孔23aの形状と、連通孔24aの形状とに対応している。突条部55は、側面53aの積層方向D1の一端において短手方向D2に沿って延在している。突条部55は、長手方向D3に沿って、空間S2に突出している。図12では図示を省略するが、側面53aには、突起部24p(図5参照)を形成するための凹部が形成されている。
引張機構60は、長手方向D3に入れ子型42,52を引っ張る。引張機構60は、図9に示されるように、短手方向D2における入れ子型42の中心軸(長手方向D3に延びる軸)に関して対称な位置において入れ子型42を引っ張る。引張機構60は、図10に示されるように、短手方向D2における入れ子型52の中心軸(長手方向D3に延びる軸)に関して対称な位置において入れ子型52を引っ張る。
引張機構60は、壁部61とボルト62とを備える。壁部61は、型M1に固定されている。壁部61は、積層方向D1において型M1から突出しており、長手方向D3において入れ子型42,52と対向配置される。壁部61には、開口61aが設けられる。開口61aは、長手方向D3において壁部61を貫通する。ボルト62は、軸部62aと頭部62bとを有する。軸部62aは、開口61aを貫通すると共に開口61a内において回転可能である。軸部62aは、開口61aの内面から離間しており、開口61aと螺合していない。軸部62aは、長手方向D3に沿って延びる回転軸Ax1の周りに回転可能である。頭部62bは、開口61aを貫通しない。頭部62bの径は、開口61aの径よりも大きい。
引張機構60は、壁部63とボルト64とを備える。壁部63は、型M1に固定されている。壁部63は、積層方向D1において型M1から突出しており、長手方向D3において入れ子型42,52と対向配置される。壁部63には、開口63aが設けられる。開口63aは、長手方向D3において壁部63を貫通する。ボルト64は、軸部64aと頭部64bとを有する。軸部64aは、開口63aを貫通すると共に開口63a内において回転可能である。軸部64aは、開口63aの内面から離間しており、開口63aと螺合していない。軸部64aは、長手方向D3に沿って延びる回転軸Ax2の周りに回転可能である。頭部64bは、開口63aを貫通しない。頭部64bの径は、開口63aの径よりも大きい。
入れ子型42は、図9に示されるように、軸部62aの先端が螺合されるボルト穴43bと、軸部64aの先端が螺合されるボルト穴43cとを有している。ボルト穴43b,43cの深さ方向は、長手方向D3に沿っている。軸部62a,64aが回転軸Ax1,Ax2の周りにそれぞれ回転することによって、軸部62a,64aの先端が、ボルト穴43b,43cの深さ方向においてそれぞれ前進又は後退可能である。よって、ボルト62,64は、入れ子型42に対して取り外し可能である。例えば、六角レンチ等の器具を用いてボルト62,64を回転軸Ax1,Ax2の周りに時計回りに回転させることによって、軸部62a,64aの先端をボルト穴43b,43cの奥にそれぞれ前進させることができる。その際に、ボルト62,64の頭部62b,64bの移動は壁部61,63によって規制されるので、入れ子型42が壁部61,63に近づくように移動することになる。よって、入れ子型42を長手方向D3に引っ張ることができる。
入れ子型52は、図10に示されるように、軸部62aの先端が螺合されるボルト穴53bと、軸部64aの先端が螺合されるボルト穴53cとを有している。ボルト穴53b,53cの深さ方向は、長手方向D3に沿っている。軸部62a,64aが回転軸Ax1,Ax2の周りにそれぞれ回転することによって、軸部62a,64aの先端が、ボルト穴53b,53cの深さ方向においてそれぞれ前進又は後退可能である。よって、ボルト62,64は、入れ子型52に対して取り外し可能である。例えば、六角レンチ等の器具を用いてボルト62,64を回転軸Ax1,Ax2の周りに時計回りに回転させることによって、軸部62a,64aの先端をボルト穴53b,53cの奥にそれぞれ前進させることができる。その際に、ボルト62,64の頭部62b,64bの移動は壁部61,63によって規制されるので、入れ子型52が壁部61,63に近づくように移動することになる。よって、入れ子型52を長手方向D3に引っ張ることができる。
型M2は、図13に示されるように、第1樹脂部23を形成するための第1樹脂材料が注入される複数のゲートG1を有している。第1樹脂材料は、溶融状態で各ゲートG1を通って空間S3(空間S1のうちユニット積層体30によって占有されない部分であって、第1樹脂部23を形成するための空間)に注入される。ゲートG1は、積層方向D1から見て、空間S3と重なるように、空間S3の全周にわたって並んで設けられている。ゲートG1の形状は、図7のゲート痕23qに対応している。
型M2は、図14に示されるように、第2樹脂部24を形成するための第2樹脂材料が注入される複数のゲートG2を有している。第2樹脂材料は、溶融状態で各ゲートG2を通って空間S4(空間S2のうちユニット積層体30及び第1樹脂部23によって占有されない部分であって、第2樹脂部24を形成するための空間)に注入される。ゲートG2は、積層方向D1から見て、空間S4と重なるように、空間S4の全周にわたって並んで設けられている。ゲートG2の形状は、図8のゲート痕24qに対応している。
続いて、図15~図20を参照しながら蓄電モジュール4の製造方法について説明する。蓄電モジュール4は、上述の製造装置100を用いて以下のように製造され得る。
(ユニット積層体の準備工程)
まず、電極積層体11と一次シール21とを含むユニット積層体30を準備する。この工程では、バイポーラ電極14に一次シール21及びセパレータ13を取り付けてユニットを作製する。負極終端電極18にも同様に一次シール21及びセパレータ13を取り付けてユニットを作製する。正極終端電極19には一次シール21を取り付けてユニットを作製する。これらのユニットを積層することによってユニット積層体30を得る。
(二次シールの形成工程)
次に、金型本体Mを用いた射出成形により、積層方向D1から見て一次シール21を取り囲む二次シール22を形成する。この工程は、第1樹脂部23を形成する工程と、第2樹脂部24を形成する工程と、を含む。第1樹脂部23を形成する工程と、第2樹脂部24を形成する工程とは、この順に行われる。
<第1樹脂部の形成工程>
図15に示されるように、連通孔形成部44を有する入れ子型42が取り付けられた型M1を用いて、射出成形により第1樹脂部23を形成する。まず、入れ子型41を型M1に取り付け、ユニット積層体30を入れ子型41内に配置する。次に、連通孔形成部44の少なくとも一部が連通孔21d内に配置されるように、入れ子型42を型M1に取り付ける。入れ子型42は、入れ子型41に嵌め合わされる。その後、型M1に型M2を組み合わせる。その結果、金型本体M、入れ子型41,42、及びユニット積層体30によって囲まれた空間S3が形成される。
このように金型本体M内にユニット積層体30を収容した状態で、第1樹脂部23(図5参照)を形成するための溶融した第1樹脂材料を所定の射出圧で空間S3内に供給する。溶融した第1樹脂材料は、型M2に形成されたゲートG1から積層方向D1に向かって空間S3に注入される。空間S3の形状は、第1樹脂部23の形状に対応している。第1樹脂材料が冷却されて固化することによって、第1樹脂部23が形成される。
<入れ子型の引張工程>
第1樹脂部23を形成した後、型M2を取り外す。連通孔形成部44は第1樹脂部23の連通孔23a内に埋め込まれている。第1樹脂部23を形成した後、図16及び図17に示されるように、引張機構60により、連通孔形成部44を連通孔23aから引き抜くように入れ子型42を引っ張る。例えば、六角レンチ等の器具を用いてボルト62,64を回転軸Ax1,Ax2の周りに回転させることによって、軸部62a,64aの先端をボルト穴43b,43cの奥にそれぞれ前進させることができる。その際に、ボルト62,64の頭部62b,64bの移動は壁部61,63によって規制されるので、入れ子型42が壁部61,63に近づくように移動することになる。よって、入れ子型42を長手方向D3に引っ張ることができる。その後、ボルト62,64をボルト穴43b,43cから取り外し、入れ子型41,42を型M1から取り外す。ボルト62,64の軸部62a,64aの先端は、第1樹脂部23が形成される前にボルト穴43b,43cに螺合されてもよいし、第1樹脂部23が形成された後にボルト穴43b,43cに螺合されてもよい。
<第2樹脂部の形成工程>
図18に示されるように、連通孔形成部54を有する入れ子型52が取り付けられた型M1を用いて、射出成形により第2樹脂部24を形成する。まず、入れ子型51を型M1に取り付け、ユニット積層体30及び第1樹脂部23を入れ子型51内に配置する。次に、連通孔形成部54の少なくとも一部が連通孔23a内に配置されるように、入れ子型52を型M1に取り付ける。入れ子型52は、入れ子型51に嵌め合わされる。その後、型M1に型M2を組み合わせる。その結果、金型本体M、入れ子型51,52、ユニット積層体30及び第1樹脂部23によって囲まれた空間S4が形成される。
このように金型本体M内にユニット積層体30及び第1樹脂部23を収容した状態で、第2樹脂部24(図5参照)を形成するための溶融した第2樹脂材料を所定の射出圧で空間S4内に供給する。溶融した第2樹脂材料は、型M2に形成されたゲートG2から積層方向D1に向かって空間S4に注入される。空間S4の形状は、第2樹脂部24の形状に対応している。第2樹脂材料が冷却されて固化することによって、第2樹脂部24が形成される。
<入れ子型の引張工程>
第2樹脂部24を形成した後、型M2を取り外す。連通孔形成部54は第2樹脂部24の連通孔24a内に埋め込まれている。第2樹脂部24を形成した後、図19及び図20に示されるように、引張機構60により、連通孔形成部54を連通孔24aから引き抜くように入れ子型52を引っ張る。例えば、六角レンチ等の器具を用いてボルト62,64を回転軸Ax1,Ax2の周りに回転させることによって、軸部62a,64aの先端をボルト穴53b,53cの奥にそれぞれ前進させることができる。その際に、ボルト62,64の頭部62b,64bの移動は壁部61,63によって規制されるので、入れ子型52が壁部61,63に近づくように移動することになる。よって、入れ子型52を長手方向D3に引っ張ることができる。その後、ボルト62,64をボルト穴53b,53cから取り外し、入れ子型51,52を型M1から取り外す。ボルト62,64の軸部62a,64aの先端は、第2樹脂部24が形成される前にボルト穴53b,53cに螺合されてもよいし、第2樹脂部24が形成された後にボルト穴53b,53cに螺合されてもよい。
上述のように二次シール22を形成した後、連通孔24a1~24a24のそれぞれから電解液を各内部空間Vに注入する。その後、圧力調整弁28を突起部24pに接続することによって連通孔24a1~24a24を封止する。このようにして、蓄電モジュール4が製造される。
以上説明したように、蓄電モジュール4の製造装置100は、入れ子型42,52を引っ張る引張機構60を備えている。そのため、引張機構60により入れ子型42を引っ張ることによって、連通孔形成部44を連通孔23aから引き抜くことができる。そのため、手で連通孔形成部44の引き抜きを行う場合に比べて、連通孔形成部44を短時間で引き抜くことができる。同様に、引張機構60により入れ子型52を引っ張ることによって、連通孔形成部54を連通孔24aから引き抜くことができる。そのため、手で連通孔形成部54の引き抜きを行う場合に比べて、連通孔形成部54を短時間で引き抜くことができる。したがって、蓄電モジュール4の製造時間が短縮される。さらに、引張機構60を用いると、入れ子型42,52の引張方向(長手方向D3)が所望の方向からずれることを抑制できる。
引張機構60が壁部61,63とボルト62,64とを有し、入れ子型42がボルト穴43b,43cを有している場合、軸部62a,64aの先端がボルト穴43b,43cに螺合され、軸部62a,64aが開口61a,63aを貫通する。この状態で軸部62a,64aを回転させると、軸部62a,64aの先端をボルト穴43b,43cの奥に前進させることができる。その際に、ボルト62,64の頭部62b,64bの移動は壁部61,63によって規制されるので、入れ子型42が壁部61,63に近づくように移動することになる。よって、入れ子型42を引っ張ることができる。入れ子型52がボルト穴53b,53cを有している場合、同様に、入れ子型52を引っ張ることができる。
引張機構60が、短手方向D2における入れ子型42の中心軸に関して対称な位置において入れ子型42を引っ張る場合、長手方向D3において入れ子型42をバランスよく引っ張ることができる。同様に、引張機構60が、短手方向D2における入れ子型52の中心軸に関して対称な位置において入れ子型52を引っ張る場合、長手方向D3において入れ子型52をバランスよく引っ張ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態において、引張機構60は入れ子型42,52の両方を引っ張っているが、入れ子型42,52の一方のみを引っ張ってもよい。
引張機構60は、更なる壁部及びボルトを備えてもよいし、壁部63及びボルト64を備えなくてもよい。この場合、入れ子型42,52のボルト穴43c、53cは不要になる。すなわち、壁部及びボルトの位置及び個数を変えてもよい。
引張機構60は、例えばエアシリンダ又は1軸ロボット等の他の引張機構であってもよい。その場合、入れ子型42,52は、ボルト穴43b,43c,53b,53cに代えて、引張機構に接続される接続部を有してもよい。
二次シール22は、第2樹脂部24の側面24sに設けられた一又は複数の樹脂部を更に備えてもよい。これに対して、製造装置100は、金型本体Mに取り付けられ、1つの樹脂部の連通孔を形成するための連通孔形成部を有する入れ子型を備えてもよい。引張機構60は、当該入れ子型を引っ張ることができる。