JP7098576B2 - 土壌採取具及び土壌採取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圃場等の土壌を採取する土壌採取具及び土壌採取装置に関する。
従来、特許文献1に開示された土壌採取器が知られている。
特許文献1に開示の土壌採取器は、地面に押し込んで土壌を内部に収容する筒部と、筒部に回転力を伝達する伝達部とを備えている。この土壌採取装置は、筒部の下部に土壌の取入口を有しており、取入口から筒部に収容された土壌は同じ取入口から取り出される。
特開2002-286593号公報
上記特許文献1に開示の土壌採取器は、取入口とは別に土壌を排出する排出口を有していないため、土中にて所定深さを移動しながら土壌を採取する採取具として使用することは難しい。また、仮に土壌の排出口を設けたとしても、移動時に筒部が受ける土の抵抗が大きいために土壌を円滑に採取することが難しい。
本発明は、上記したような実情に鑑みて、土中にて所定深さを移動して土壌を採取する土壌採取具において、土中を移動するときの土の抵抗が小さく土壌を円滑に採取することができる土壌採取具及び土壌採取装置を提供するものである。
本発明の一態様に係る土壌採取具は、土中にて移動して土壌を採取する土壌採取具であって、移動先方向に位置する前端部に土壌を取り入れ可能な取入口を有し、後端部に前記取入口から取り入れた土壌を排出可能な排出口を有する筒状部と、前記筒状部の外面に前記筒状部の外径よりも狭い幅で突設され且つ前記前端部から前記後端部にわたって延びる突条部と、を備えている。
前記筒状部は、前記取入口の面積と前記排出口の面積とが異なっていてもよい。
前記取入口の面積は、前記排出口の面積よりも小さくてもよい。
前記取入口の面積は、前記排出口の面積よりも大きくてもよい。
前記突条部は、前記前端部よりも前方に突出する突出部を有していてもよい。
前記突出部の前端が鋭角状に尖っていてもよい。
前記突条部の下端が鋭角状に尖っていてもよい。
前記筒状部は、前記取入口を構成する第1筒状部と、前記排出口を構成する第2筒状部とを含み、前記第1筒状部の開口面積は、前記第2筒状部の開口面積よりも小さくてもよい。
前記筒状部は、前記取入口側から前記排出口側に向けて次第に内径が変化するテーパ部を有していてもよい。
前記筒状部は、前記取入口から取り入れられた土壌を取り出すための取出口を有し、前記取入口は前記移動方向前方を向いて開口し、前記取出口は前記移動方向と交差する方向を向いて開口していてもよい。
本発明の一態様に係る土壌採取装置は、上記土壌採取具を備えている。
上記土壌採取具及び土壌採取装置によれば、突条部により土を切りながら土中を移動して筒状部において土壌を採取することができるため、土中を移動するときの土の抵抗が小さく土壌を円滑に採取することができる。
土壌採取装置を備えた作業車両の一例を示す側面図である。 第1昇降機構を備えた土壌採取装置を示す側面図であって、採取管を下降位置(採取位置)とした状態を示している。 第1昇降機構を備えた土壌採取装置を示す一部断面正面図である。 第1昇降機構を備えた土壌採取装置を示す側面図であって、採取管を上昇位置(取り出し位置)とした状態を示している。 第2昇降機構を備えた土壌採取装置を示す側面図であって、採取管を下降位置(採取位置)とした状態を示している。 第2昇降機構を備えた土壌採取装置を示す一部断面正面図である。 第2昇降機構を備えた土壌採取装置を示す側面図であって、採取管を上昇位置(取り出し位置)とした状態を示している。 取入口を閉鎖する蓋部材を備えた土壌採取装置を示す側面図であって、採取管を下降位置(採取位置)とした状態を示している。 取入口を閉鎖する蓋部材を備えた土壌採取装置を示す側面図であって、採取管を待機位置とした状態を示している。 取入口を閉鎖する蓋部材を備えた土壌採取装置を示す側面図であって、採取管を上昇位置(取り出し位置)とした状態を示している。 排出口を閉鎖する蓋部材を備えた土壌採取装置を示す側面図であって、採取管を下降位置(採取位置)とした状態と待機位置とした状態を示している。 排出口を閉鎖する蓋部材を備えた土壌採取装置を示す側面図であって、採取管を上昇位置(取り出し位置)とした状態を示している。 蓋部材を揺動によって取入口を開放又は閉鎖可能な開閉板とした実施形態を示す図である。 蓋部材を揺動によって排出口を開放又は閉鎖可能な開閉板とした実施形態を示す図である。 図13に示す構成と図14に示す構成とを組み合わせた実施形態を示す図である。 押し出し具、容器、連動機構等の構成を示す土壌採取装置の側面図であって、採取管を下降位置(採取位置)とした状態を示している。 押し出し具、容器、連動機構等の構成を示す土壌採取装置の一部断面正面図である。 図17の一部を拡大した図である。 押し出し具の移動機構の構成を示す図である。 切り換え部の作用(動作)を説明する図である。 切り換え部の作用(動作)を説明する図である。 切り換え部の作用(動作)を説明する図である。 切り換え部の作用(動作)を説明する図である。 容器及び連動機構の一部を示す図である、 連動機構の一部を示す図である。 連動機構の作用(動作)を説明する図である。 連動機構の作用(動作)を説明する図である。 連動機構の作用(動作)を説明する図である。 第2実施形態の移動機構を含む土壌採取装置を備えた作業車両を示す側面図である。 押し出し具の移動機構の第2実施形態を示す側面図であって、操作レバーが後方に位置する状態を示している。 押し出し具の移動機構の第2実施形態を示す一部断面背面図である。 押し出し具の移動機構の第2実施形態を示す側面図であって、操作レバーを前方に揺動させた状態を示している。 トラクタの車体に対してロータリ耕耘機を上昇させた状態を示している。 土壌採取具(採取管)の別の実施形態を示す図である。 土壌採取具(採取管)の別の実施形態を示す図である。 土壌採取具(採取管)の別の実施形態を示す図である。 土壌採取具(採取管)の別の実施形態を示す図である。 土壌採取具(採取管)の別の実施形態を示す図である。 土壌採取具(採取管)の別の実施形態を示す図である。
図1は、本発明に係る土壌採取装置1の一実施形態を示す側面図である。
以下の説明において、図1の矢印X1方向を前方、矢印X2方向を後方、矢印X方向を前後方向という。また、前後方向Xに直交する水平方向(紙面直交方向)を装置幅方向という。
図1に示すように、土壌採取装置1は走行体2に装着される。土壌採取装置1は、走行体2と共に移動することによって土壌を採取する。本実施形態の場合、走行体2はトラクタである。走行体2はトラクタには限定されないが、以下の説明では走行体2がトラクタ2であるとして説明する。トラクタ2の車体6に搭載された運転席3に着座した運転者の前側が前方であり、運転者の後側が後方である。また、トラクタ2の幅方向が装置幅方向である。
トラクタ2には、圃場に対して作業(農作業)を行う対地作業機4が装着されている。以下、対地作業機4が装着されたトラクタ2を作業車両という。対地作業機4には土壌採取装置1が装着されている。本実施形態の場合、対地作業機4は、圃場を耕耘するロータリ耕耘機である。対地作業機4はロータリ耕耘機には限定されないが、以下の説明では対地作業機4がロータリ耕耘機4であるとして説明する。本実施形態の場合、土壌採取装置1は、ロータリ耕耘機(対地作業機)4を介して間接的に走行体2に装着されているが、土壌採取装置1を直接的に走行体2に装着してもよい。
図1に示すように、ロータリ耕耘機4は、トラクタ2の車体6の後部にリンク機構5を介して装着され、トラクタ2の車体6に対して昇降可能である。ロータリ耕耘機4は、トラクタ2の車体6の後部に突設されたPTO軸9から動力を受ける入力軸10を有している。PTO軸9と入力軸10とは、ユニバーサルジョイント(図示略)により接続されている。
入力軸10に入力された動力は、伝動ケース11内に収容された歯車機構等の動力伝達機構を介して爪軸12に伝達される。爪軸12は、装置幅方向に延びる軸心回りに回転する。爪軸12には、耕耘爪13が取り付けられている。耕耘爪13は、爪軸12と共に矢印A1方向に回転することにより、後方に向けて土壌を掻き上げる。爪軸12と耕耘爪13によって耕耘部14が構成されている。
耕耘部14の上方は、上部カバー7により覆われている。耕耘部2の後方は、後部カバー(図示略)により覆われている。耕耘部2の側方(左側及び右側)は、側部カバー(図示略)により覆われている。
<採取管>
図1~図7に示すように、土壌採取装置1は、土壌を採取する土壌採取具である採取管15を有している。採取管15は、土中にて移動して土壌を採取する。
採取管15は、土壌を取り入れ可能な取入口16と、取入口16から取り入れた土壌を排出可能な排出口17とを有している。採取管15は、両端部が開口しており、一端部が取入口16を構成し、他端部が排出口17を構成している。取入口16と排出口17は、採取管15の軸心方向C1に並んで配置されている。
採取管15は、地面G1下に配置された状態(図1、図2参照)でトラクタ2の走行に伴って移動することによって、取入口16から土壌を取り入れ、排出口17から土壌を排出する。
本実施形態の場合、採取管15は、軸心方向C1が水平方向(地面G1に対して平行方向)を向いて配置されている。言い換えれば、取入口16の中心と排出口17の中心とを結ぶ中心線が水平方向に配置されている。そのため、取入口16と排出口17は、前後方向に並んで配置されている。また、採取管15は、取入口16と排出口17とがトラクタ2の移動方向(採取管15の移動方向でもある)に並んで配置されている。
採取管15は、軸心方向C1が水平方向に対して上方又は下方に傾斜していてもよい。但し、採取管15の移動に伴う取入口16からの土壌の取り入れと排出口17からの土壌の排出を円滑に行うためには、軸心方向C1が水平方向を向いて配置されていることがより好ましい。
採取管15は円筒形であって、取入口16が開口した先端部(前端部)が水平方向(軸心方向C1)に対して傾斜している。つまり、採取管15は、円筒の前部を斜めに切り欠いた形状を有している。傾斜の方向(切り欠きの方向)は、上方から下方に向かうにつれて次第に前方に移行する方向(斜め下前方)である。
また、採取管15は、取入口16から取り入れられた土壌を取り出すための取出口18を有している。取入口16が採取管15の軸心方向の一方を向いて開口しているのに対し、取出口18は採取管15の軸心方向と交差する方向を向いて開口している。具体的には、取出口18は、採取管15の軸心方向C1と直交する方向を向いて開口している。本実施形態の場合、取出口18は円形であるが、円形には限定されない。図3に示すように、取出口18は、一対の取出口18a、18bを含む。一対の取出口18a、18bは、採取管15の軸心方向C1と直交する軸方向に並んで対向して配置されている。取出口18a、18bの形状及び大きさは同じである。
尚、採取管15の形状は図1~図7に示す形状には限定されず、上述した取入口16、排出口17、取出口18の位置関係を変更しない範囲で他の形状に変更することが可能である。例えば、本実施形態の採取管15は、軸心方向に対して直角方向の断面形状が円形であるが、断面形状を角形(三角形、四角形、六角形等)としてもよい。また、後述する他の形状としてもよい。
<昇降機構>
図1~図7に示すように、土壌採取装置1は、採取管15を昇降させる昇降機構20を有している。
昇降機構20は、採取管15を地面G1下に位置する下降位置P1と地面G1上に位置する上昇位置P2とに昇降可能である(図1の実線と仮想線を参照)。下降位置P1は、土壌の採取位置(土壌を採取する深さ位置)である。上昇位置P2は、採取位置より上方であって、採取された土壌を取り出す取り出し位置(土壌を取り出す高さ位置)である。以下、下降位置P1を採取位置P1と称し、上昇位置P2を取り出し位置P2と称する場合がある。
図2に示すように、昇降機構20は、固定体21、駆動機構22、昇降体23を有している。
図1に示すように、固定体21は、トラクタ2に装着されている。より詳しくは、固定体21は、トラクタ2の後部に装着されたロータリ耕耘機4に装着されている。これにより、昇降機構20は、トラクタ2の後部に装着されたロータリ耕耘機(対地作業機)4に装着されている。
具体的には、固定体21は、上部カバー7の側面の前部にボルト等の固定具によって着脱可能に装着されている。これにより、固定体21は、トラクタ2に対する上下位置が固定されている。土壌採取装置1は、トラクタ2の後方であって耕耘部14の前方に配置される。
図2、図3に示すように、固定体21にはコロ部材24が取り付けられている。本実施形態の場合、コロ部材24はベアリングであって、内輪が支軸28に固定され外輪が回転可能である。コロ部材24は、昇降体23の昇降方向(図2の矢印A2方向)に間隔をあけて複数(2つ)配置されている。
固定体21は、上部カバー7から前方に延出する延出部21aを有している。延出部21aには、駆動機構22と昇降体23が取り付けられている。
駆動機構22は、昇降体23を昇降させる機構である。駆動機構22は、駆動源25と、駆動源25からの動力により回転する駆動歯車26と、駆動源25からの動力を駆動歯車26に伝達する伝達機構27とを有している。本実施形態の場合、駆動源25はモータ25であって、正方向と逆方向に回転可能な出力軸を有している。伝達機構27は、第1歯車29及び第2歯車30を有している。第1歯車29は、モータ25の出力軸に取り付けられている。第2歯車30は、第1歯車29と噛み合っている。第2歯車30は減速用歯車であって、第2歯車30の歯数は第1歯車29の歯数よりも多い。駆動歯車26は、第2歯車30と同一の軸体37に取り付けられており、第2歯車30と一体的に回転する。駆動歯車26の歯数は第2歯車30の歯数よりも少ない。軸体37は、固定体21に取り付けられた支持体38により支持されている。
昇降体23は、固定体21に対して昇降可能に設けられている。昇降体23は、上下方向(昇降方向A2)に延びる薄い板状の部材であって、一方の面を左方、他方の面を右方に向けて配置されている。図3に示すように、昇降体23の厚みは採取管15の外径よりも小さい。昇降体23の一方の面は、固定体21に当接又は近接している。昇降体23の他方の面には、カバー板32が当接又は近接して設けられている。
昇降体23は、地面G1に対して傾斜して配置されている。具体的には、昇降体23は、下方に向かうにつれて前方に移行するように傾斜している。但し、昇降体23は、地面G1に対して垂直に配置してもよい。昇降体23の昇降方向A2は、昇降体23が延びる方向である。図2の場合、昇降方向A2は、斜め前下方及び斜め後上方である。昇降体23が地面G1に対して垂直に配置される場合、昇降方向A2は、地面G1に対して垂直な上方又は下方である。
昇降体23の上部は、固定体21に昇降可能に取り付けられている。昇降体23の下端部には採取管15が取り付けられている。
図2等に示すように、昇降体23は、後縁部に沿って複数の歯23aが昇降方向A2に沿って列設されている。昇降体23に列設された歯23aは、駆動歯車26の歯と噛み合っている。昇降体23には、コロ部材24を収容可能な収容穴23bが形成されている。収容穴23bは、昇降体23の移動方向(昇降方向A2)に長い長円状に形成されている。収容穴23bには、複数(2つ)のコロ部材24が収容されている。コロ部材24の外周面は、収容穴23bの内面に当接している。収容穴23bに収容されたコロ部材24は、固定体21とカバー板32に挟まれた位置に配置されている。コロ部材24は、昇降体23の昇降に伴って、収容穴23b内における位置を変更する。具体的には、昇降体23が下降位置P1にあるときは、コロ部材24は収容穴23b内の上方位置にある(図2参照)。昇降体23が上昇位置P2にあるときは、コロ部材24は収容穴23b内の下方位置にある(図4参照)。
ここで、昇降機構20の作用(動作)について説明する。
図2に示す採取管15が下降位置P1にある状態から、駆動源(モータ)25を駆動して出力軸を正方向(図2の矢印A31方向)に回転させると、第1歯車29が同方向に回転する。第1歯車29の回転は、第2歯車30を介して駆動歯車26に伝達され、駆動歯車26が矢印A41方向に回転する。この駆動歯車26の回転によって昇降体23が上昇する。これにより、昇降体23は上昇位置P2に移動し、採取管15が地面G1の上方に引き上げられる(図4参照)。
図4に示す採取管15が上昇位置P2にある状態から、駆動源25を駆動して出力軸を逆方向(図4の矢印A32方向)に回転させると、駆動歯車26が矢印A42方向に回転し、昇降体23が下降する。これにより、昇降体23は下降位置P1に移動し、採取管15が地面G1よりも下方位置(土中)に埋没する(図2参照)。
採取管15が下降位置P1にあるときの深さ(設定深さ)は、昇降体23の長さ、収容穴23bの長さ、昇降体23に列設された歯23aの数等を調整することによって任意に設定することが可能である。これにより、採取管15を下降位置P1としたときの深さを所望の深さに設定することができる。
昇降機構20を使用した採取管15による土壌の採取方法は、以下の通りである。
先ず、図2に示すように、採取管15を地面G1下の所望深さ(設定深さ)に位置する下降位置P1とした状態でトラクタ2を走行させる。すると、採取管15の取入口16と排出口17が軸心方向C1に並んで配置されているため、土壌は採取管15の取入口16から取り入れられて排出口17から排出される(矢印D1参照)。次いで、所望の土壌採取場所において、昇降機構20を駆動して昇降体23を上昇位置P2に移動し、採取管15を地面G1の上方に引き上げる。これにより、採取管15に収容された所望の深さの土壌を所望の場所で採取することができる。
引き続き、他の所望の場所の土壌を採取したい場合は、昇降機構20を駆動して昇降体23を下降位置P1に移動してトラクタ2を走行させ、他の所望の場所において昇降機構20を駆動して昇降体23を上昇位置P2に移動すればよい。これにより、採取管15に収容された所望の深さの土壌を他の所望の場所でも採取することができる。
上述した土壌の採取作業において、昇降体23の厚みが採取管15の外径よりも小さいため、昇降体23が土壌から受ける抵抗を小さくすることができ、採取管15が下降位置P1において円滑に移動させることが可能となる。尚、昇降体23は、採取管15が下降位置P1にあるときに地面下に位置する部分に、土切り刃23c(図2参照)を有していてもよい。土切り刃23cは、前方(走行方向の前側)に向かうにつれて次第に幅狭となるくさび形に形成される。このような土切り刃23cを設けることによって、昇降体23が土壌から受ける抵抗を更に小さくすることができる。
図5~図7は、昇降機構20の別の実施形態(第2実施形態)を示している。以下、説明の便宜上、第2実施形態の昇降機構20を第2昇降機構20Bと称し、上記実施形態(第1実施形態)の昇降機構20を第1昇降機構20Aと称する。
以下の説明では、第2昇降機構20Bが第1昇降機構20Aと異なる点を中心に説明する。第2昇降機構20Bの構成のうち第1昇降機構20Aと共通する構成については、一部を除いて説明を省略する。第1昇降機構20Aにおいて採用された構成は、不都合がない限り、第2昇降機構20Bにおいても採用することができる。
第2昇降機構20Bは、固定体21に取り付けられた断面非円形のパイプ33を備えている。パイプ33は、例えば、断面四角形の角パイプから構成される。パイプ33は、昇降体23の昇降方向A2に延びている。
駆動機構22は、駆動源34とねじ軸35とを有している。駆動源34はモータである。ねじ軸35は、パイプ33内に挿通されている。ねじ軸35の上端部は、駆動源(モータ)34の出力軸34aとカップリング36を介して接続されている。これにより、ねじ軸35は、駆動源34からの動力により中心軸回りに回転する。
昇降体23は、パイプ33内に中心軸回りの回転不能であって且つパイプ33に沿って移動可能に嵌め入れられている。昇降体23は、上部位231と下部位232とを有しており、上部位231がパイプ33に嵌め入れられている。上部位231は、パイプ33と同じく断面非円形である。上部位231とパイプ33とが断面非円形であることにより、昇降体23は中心軸回りに回転不能である。本実施形態の場合、昇降体23の上部位231はパイプ33より一回り小さい角パイプから構成されている。昇降体23は、ねじ軸35に噛み合う雌ねじ部233を有している。雌ねじ部233は、上部位231の上端に設けられている。
下部位232は、上部位231の下端に接続されている。下部位232は、上部位231から下方に延びる板状の部材であって、一方の面を左方、他方の面を右方に向けて配置されている。下部位232の下端部に採取管15が取り付けられている。図5に示すように、下部位232の下部は、採取管15が下方位置P1にあるとき、地面G1下に位置する。下部位232には第1昇降機構20Aと同様に土切り刃23cを設けてもよい。
ここで、第2昇降機構20Bの作用(動作)について説明する。
図5に示す採取管15が下降位置P1にある状態から、駆動源(モータ)34を駆動して出力軸34aを正方向に回転すると、ねじ軸35が同方向に回転する。ねじ軸35の回転は雌ねじ部233を介して昇降体23に伝達される。すると、パイプ33及び昇降体23の上部位231が断面非円形に形成されているため、昇降体23は中心軸回りに回転せずに上昇する。これにより、昇降体23は上昇位置P2に移動し、採取管15が地面G1の上方に引き上げられる(図7参照)。
図7に示す採取管15が上昇位置P2にある状態から、駆動源34を駆動して出力軸34aを逆方向に回転させると昇降体23が下降する。これにより、昇降体23は下降位置P1に移動し、採取管15が地面G1よりも下方位置(土中)に埋没する(図5参照)。
第2昇降機構20Bを使用した採取管15による土壌の採取方法は、上述した第1昇降機構20Aを使用した土壌の採取方法と同様であるため、説明を省略する。
上述したように、上記実施形態の土壌採取装置1によれば、採取管15を地面下の所望の深さの下降位置P1で移動させ、所望の場所で昇降機構20を駆動して採取管15を地面上の上昇位置P2に引き上げることによって、所望の場所の所望の深さの土壌を容易に採取することができる。
昇降機構20の駆動(駆動源34の駆動)は、トラクタ2の運転席3に着座した運転者が切り換えスイッチを操作することによって行うことができる。この場合、運転者が土壌を採取したい所望の場所においてスイッチを一方に切り換え操作することによって、昇降機構20を駆動して昇降体23を下降位置P1から上昇位置P2に移動させて採取管15を引き上げることができる。土壌の採取が終わると、運転者がスイッチを他方に切り換え操作することによって、昇降機構20を駆動して昇降体23を上昇位置P2から下降位置P1に移動させて採取管15を再び地面下に埋没させることができる。
昇降機構20の駆動は、運転者が切り換えスイッチを操作する方法の代わりに、別の方法で行うこともできる。例えば、タイマーや時計等の計時装置と、計時装置により計測された時間情報に基づいて駆動源34の駆動を制御する制御装置を使用し、これらの装置を土壌採取装置1又はトラクタ2に装備することによって、所定の時間間隔で自動的に昇降機構20を駆動して昇降体23を昇降するように構成してもよい。また、走行距離を計測する距離計測装置をトラクタ2に装備し、距離計測装置により計測された走行距離に基づいて駆動源34の駆動を制御する制御装置を、土壌採取装置1又はトラクタ2に装備することによって、所定の走行距離間隔で自動的に昇降機構20を駆動して昇降体23を昇降するように構成してもよい。また、トラクタ2が走行する圃場のマップを記憶する記憶装置と、測位衛星等からの測位情報に基づいてトラクタ2の走行位置を検出する位置検出装置と、圃場のマップに基づいて所望の土壌採取場所を入力する入力装置と、入力装置により入力された土壌採取位置に基づいて駆動源34の駆動を制御する制御装置を、土壌採取装置1又はトラクタ2に装備することによって、入力装置により入力された土壌採取位置にて自動的に昇降機構20を駆動して昇降体23を昇降するように構成してもよい。
<蓋部材等>
図8~図15に示すように、土壌採取装置1は、蓋部材40を備えている。蓋部材40は、採取位置(下降位置)P1と取り出し位置(上昇位置)P2との間で、取入口16からの土壌の取り入れを阻害する。採取位置P1と取り出し位置P2との間とは、採取位置P1よりも上方であって取り出し位置P2よりも下方を意味し、採取位置P1を含まない。尚、取り出し位置P2を含むことが好ましいが、含まなくてもよい。取り出し位置P2は、採取管15から土壌を取り出す位置である。
図8~図15では、第2昇降機構20Bを備えた土壌採取装置1に蓋部材40を設けた構成を示しているが、第1昇降機構20Aを備えた土壌採取装置1に蓋部材40を設けてもよい。また、図8~図15では、第2昇降機構20Bの昇降体23は、上部位231のみから構成されているが、図5等に示したように上部位231と下部位232とから構成することがより好ましい。また、図8~図10は軸心方向C1が水平方向に対して傾斜している採取管15に対して蓋部材40を適用しているが、図11、図12に示すように軸心方向C1が水平方向に配置される採取管15に対して蓋部材40を適用してもよい。
蓋部材40は、採取位置P1と取り出し位置P2との間で取入口16と排出口17の少なくとも一方の開口(以下、「開口19」という)を閉鎖する。上述したように、取入口16と排出口17は採取管15の軸心方向C1に並んで配置されているため、取入口16と排出口17の少なくとも一方の開口19を閉鎖することによって、取入口16からの土壌の取り入れを阻害することができる。
蓋部材40は、採取位置P1において開口19を開放し、少なくとも採取位置P1よりも上方の土中(採取位置P1から地面G1までの間の深さの土中)において開口19を閉鎖する。好ましくは、蓋部材40は、採取位置P1において開口19を開放し、採取位置P1と取り出し位置P2との間の全域に亘って開口を閉鎖する。
図8~図10は、蓋部材40を用いて取入口16からの土壌の取り入れを阻害する機構(以下、「阻害機構41」という)の第1実施形態を示している。第1実施形態の阻害機構41(以下、「第1阻害機構41A」という)は、蓋部材40が採取管15の取入口16を閉鎖する。尚、図8~図10は、軸心が水平方向に対して傾斜している採取管15に対して第1阻害機構41Aを適用した例を示しているが、軸心が水平方向に配置される採取管15に対して第1阻害機構41Aを適用してもよい。但し、蓋部材40により閉鎖される側の開口19(取入口16及び/又は排出口17)を構成する採取管15の端面は、昇降方向A2と平行な向きに配置される。
第1阻害機構41Aは、蓋部材40と、蓋部材40を移動可能に支持する支持機構42とを有している。蓋部材40及び支持機構42は、昇降体23の前方に配置されている。
蓋部材40は、遮蔽部40aと基部40bとを有している。
遮蔽部40aは、板状であって、採取管15の取入口16を覆うことが可能な大きさ及び形状に形成されている。遮蔽部40aは、一方の面(後面)が後方(取入口16側)を向き、他方の面が前方(取入口16と反対側)を向いて配置されている。遮蔽部40aの一方の面(後面)は、昇降機構20の昇降方向A2と平行な面である。遮蔽部40aの一方の面(後面)は、採取管15の取入口16を構成する面に当接又は近接可能である。遮蔽部40aが取入口16を構成する面に当接又は近接する(取入口16を覆う)ことによって、採取管15の取入口16が閉鎖される。以下、説明の便宜上、蓋部材40の遮蔽部40aのうち、取入口16を構成する面に当接又は近接する(取入口16を覆う)領域を「取入口遮蔽領域」という。
基部40bは、遮蔽部40aと一体に形成されている。基部40bは、遮蔽部40aの上端部から屈曲して後方(昇降体23側)に延びている。基部40bと遮蔽部40aとは、1枚の板材を屈曲して形成されている。
支持機構42は、支持棒43、固定部材44、付勢手段45を有している。
支持棒43は、昇降体23及びパイプ33の前方に配置されている。支持棒43は、蓋部材40の基部40bから上方に延びている。支持棒43が延びる方向は、昇降方向A2と平行な方向である。固定部材44は、パイプ33の前側の外面に固定されており、当該外面から前方に突出している。固定部材44には貫通孔が形成されており、この貫通孔に支持棒43が挿通されている。付勢手段45はコイルばねから構成されており、このコイルばねの内部を支持棒43が貫通している。付勢手段45は、一端側が固定部材44に当接し、他端側が支持棒43の下部に設けられた鍔部43aに当接している。これにより、支持棒43は、付勢手段45によって下方に向けて付勢されている。そのため、支持棒43に取り付けられた蓋部材40も、付勢手段45によって下方に向けて付勢されている。
支持棒43の上部には、保持部材46が設けられている。保持部材46は、支持棒43を当該支持棒43の直交方向に貫通する棒体である。支持棒43は、保持部材46が固定部材44の上面に当たるまで下降することができる。保持部材46が固定部材44に当たる位置(高さ)によって、支持棒43及び蓋部材40の最下降位置(深さ)が定まる。
蓋部材40は、付勢手段45による付勢力によって下降する。図8は、蓋部材40が最下降位置(以下、「待機位置P3」という)にある状態を示している。待機位置P3は、採取位置P1よりも上方であって且つ取り出し位置P2よりも下方にある。付勢手段45は、蓋部材40に対して待機位置P3まで下降させる付勢力を付与している。蓋部材40が待機位置P3にあるとき、遮蔽部40aの取入口遮蔽領域は、地面G1よりも下方であって、採取管15の採取位置(下降位置)P1よりも上方に位置する。また、蓋部材40が待機位置P3にあるとき、蓋部材40の下端部は、採取管15の取入口16の上端部と略一致する位置(深さ)にある。
昇降体23は、当該昇降体23が上昇するときに蓋部材40に当接する当接板47を有している。当接板47は、昇降体23の前側の外面に固定されており、当該外面から前方に突出している。当接板47は、昇降体23の下部(下端部の近傍)に固定されている。当接板47は、蓋部材40の基部40bよりも下方に位置する。当接板47の昇降体23の外面からの突出長さは、昇降体23と遮蔽部40aとの間の隙間(前後距離)よりも短く、昇降体23と基部40bとの間の隙間(前後距離)よりも長い。これにより、当接板47は、昇降体23が上昇したとき、基部40bに当接するが、遮蔽部40aには当接しない。
以下、第1阻害機構41Aの作用(動作)について説明する。
図8に示すように、採取管15が採取位置(下降位置)P1にある状態では、蓋部材40は付勢手段45の付勢力によって下降しており、待機位置P3で待機している。この状態では、採取管15の取入口16は蓋部材40によって閉鎖されていない。そのため、トラクタ2の走行に伴う採取管15の移動によって、土壌は採取管15の取入口16から取り入れられて排出口17から排出される。
次いで、所望の採取場所で昇降機構20を駆動して昇降体23と共に採取管15を上昇させると、採取管15の取入口16が待機位置P3に位置する蓋部材40によって覆われて閉鎖される(図9参照)。これにより、取入口16からの土壌の取り入れが阻害される。そのため、採取位置P1よりも浅い位置(所望深さよりも浅い位置)の土壌が採取管15の取入口16から取り入れられることを防止できる。このとき、昇降体23の当接板47が蓋部材40の基部40bの下面に当接する。
図9に示す状態から、昇降機構20の駆動を継続して、更に昇降体23と共に採取管15を上昇させると、当接板47が上昇することによって蓋部材40を押し上げる。つまり、蓋部材40は、採取管15が採取位置P1から取り出し位置P2に向けて上昇するとき、採取管15と共に上昇する。採取管15と共に蓋部材40が上昇することによって、付勢手段45を構成するコイルばねが圧縮される。言い換えれば、昇降機構20は、付勢手段45の付勢力に抗して採取管15と共に蓋部材40を上昇させる。採取管15と蓋部材40が共に上昇する間、採取管15の取入口16は蓋部材40によって閉鎖された状態が維持される。
採取管15及び蓋部材40の上昇は、昇降体23の雌ねじ部233がパイプ33の上端部に設けられた上限設定部材52に当たることによって停止する(図10参照)。このとき、採取管15は、取り出し位置(上昇位置)P2にある。つまり、採取管15及び蓋部材40の上昇は、採取管15が取り出し位置P2に到達したときに停止する。
上限設定部材52は、雄ねじから構成されている。この雄ねじは、パイプ33の上端部に固定された上蓋48に形成された雌ねじに螺合されてロックナットで固定されている。この雄ねじを回転させて、上蓋48からの下方(雌ねじ部233に向かう方向)への突出量を変化させることによって、雌ねじ部233の上限高さを設定して取り出し位置P2の高さを調整することが可能である。
上述したように、第1阻害機構41Aによれば、蓋部材40は、採取位置P1において取入口16を開放し、採取位置P1と取り出し位置P2との間の全域(採取位置P1を含まない)に亘って取入口16を閉鎖する。これにより、採取位置P1以外の深さで土壌が採取されることを防止できる。また、採取管15が採取位置P1から取り出し位置P2に移動する過程で、土壌が取入口16からこぼれ落ちることを確実に防止できる。
図11、図12は、阻害機構41の第2実施形態を示している。第2実施形態の阻害機構41(以下、「第2阻害機構41B」という)は、蓋部材40が採取管15の排出口17を閉鎖する。
以下の説明では、第2阻害機構41Bが第1阻害機構41Aと異なる点を中心に説明する。第2阻害機構41Bの構成のうち第1阻害機構41Aと共通する構成については、一部を除いて説明を省略する。第1阻害機構41Aにおいて採用された構成は、不都合がない限り、第2阻害機構41Bにおいても採用することができる。
第2阻害機構41Bは、蓋部材40及び支持機構42が昇降体23の後方に配置されている。
蓋部材40の遮蔽部40aは、板状であって、採取管15の排出口17を覆うことが可能な大きさ及び形状に形成されている。遮蔽部40aは、一方の面が前方(排出口17側)を向き、他方の面が後方(排出口17と反対側)を向いて配置されている。遮蔽部40aの一方の面は、昇降機構20の昇降方向A2と平行な面である。遮蔽部40aの一方の面(前面)は、採取管15の排出口17を構成する面に当接又は近接可能である。遮蔽部40aが排出口17を構成する面に当接又は近接する(排出口17を覆う)ことによって、採取管15の排出口17が閉鎖される。以下、説明の便宜上、蓋部材40の遮蔽部40aのうち、排出口17を構成する面に当接又は近接する(排出口17を覆う)領域を「排出口遮蔽領域」という。基部40bは、遮蔽部40aの上端部から屈曲して前方(昇降体23側)に延びている。
支持棒43は、昇降体23及びパイプ33の後方に配置されている。固定部材44は、パイプ33の後側の外面に固定されており、当該外面から後方に突出している。
蓋部材40は、付勢手段45による付勢力によって下降する。図11は、蓋部材40が待機位置P3にある状態を示している。蓋部材40が待機位置P3にあるとき、遮蔽部40aの排出口遮蔽領域は、地面G1よりも下方であって、採取管15の採取位置(下降位置)P1よりも上方に位置する。また、蓋部材40が待機位置P3にあるとき、蓋部材40の下端部は、採取管15の排出口17の上端部と略一致する位置(深さ)にある。
昇降体23の当接板47は、昇降体23の後側の外面に固定されており、当該外面から後方に突出している。また、昇降体23の後側の外面には、ガイド部材49が設けられている。ガイド部材49は、蓋部材40の昇降を案内する部材である。ガイド部材49は、昇降体23の外面から後方に突出した後、前方に屈曲したL字状の板材であって、前方に屈曲した部分49aが蓋部材40の遮蔽部40aの外面(後面)に当接している。尚、図示していないが、第1阻害機構41Aにも同様のガイド部材49を設けることができる。
以下、第2阻害機構41Bの作用(動作)について説明する。
図11に示すように、採取管15が採取位置(下降位置)P1にある状態では、蓋部材40は付勢手段45の付勢力によって下降しており、待機位置P3で待機している。この状態では、採取管15の排出口17は蓋部材40によって閉鎖されていない。そのため、トラクタ2の走行に伴う採取管15の移動によって、土壌は採取管15の取入口16から取り入れられて排出口17から排出される。
次いで、所望の採取場所で昇降機構20を駆動して昇降体23と共に採取管15を上昇させると、採取管15の排出口17が待機位置P3に位置する蓋部材40によって覆われて閉鎖される(図11の仮想線参照)。これにより、取入口16からの土壌の取り入れが阻害される。そのため、採取位置P1よりも浅い位置(所望深さよりも浅い位置)の土壌が採取管15に取り入れられることを防止できる。このとき、昇降体23の当接板47が蓋部材40の基部40bの下面に当接する。
図11の仮想線に示す状態から、昇降機構20の駆動を継続して、更に昇降体23と共に採取管15を上昇させると、当接板47が上昇することによって蓋部材40を押し上げる。つまり、蓋部材40は、採取管15が採取位置P1から取り出し位置P2に向けて上昇するとき、採取管15と共に上昇する。採取管15と蓋部材40が共に上昇する間、採取管15の排出口17は蓋部材40によって閉鎖された状態が維持される。
採取管15及び蓋部材40の上昇は、昇降体23の雌ねじ部233がパイプ33の上端部に設けられた上限設定部材52に当たることによって停止する(図12参照)。このとき、採取管15は、取り出し位置(上昇位置)P2にある。
上述したように、第2阻害機構41Bによれば、蓋部材40は、採取位置P1において排出口17を開放し、採取位置P1と取り出し位置P2との間の全域(採取位置P1を含まない)に亘って排出口17を閉鎖する。これにより、採取位置P1以外の深さで土壌が採取されることを防止できる。また、採取管15が採取位置P1から取り出し位置P2に移動する過程で、土壌が排出口17からこぼれ落ちることを確実に防止できる。
また、図示していないが、第1阻害機構41Aと第2阻害機構41Bとを組み合わせた構成を採用することもできる。この場合、蓋部材40及び支持機構42は、昇降体23の前方と後方の両方に配置される。そして、蓋部材40は、採取位置P1と取り出し位置P2との間で取入口16と排出口17の両方の開口を閉鎖することによって、取入口16からの土壌の取り入れを阻害する。
この構成によっても、採取位置P1以外の深さで土壌が採取されることを防止できる。また、この構成によれば、採取管15が採取位置P1から取り出し位置P2に移動する過程で、土壌が取入口16及び排出口17からこぼれ落ちることを確実に防止できる。
図13~図15は、阻害機構41の更に別の実施形態を示す図である。
図13~図15に示す実施形態の阻害機構41(以下、纏めて「第3阻害機構41C」という)は、蓋部材40が採取管15に取り付けられている。蓋部材40は、揺動によって開口19を開放又は閉鎖可能な開閉板40C1,40C2である。第3阻害機構41Cは、蓋部材40を移動可能に支持する支持機構42を備えていない。
図13に示す第3阻害機構41Cは、蓋部材40が開閉板40C1である。開閉板40C1は、揺動によって取入口16を開放又は閉鎖可能である。開閉板40C1は、上端部が取入口16の上部に取り付けられており、当該上端部を支点として揺動可能である。開閉板40C1は、付勢部材50の付勢力によって取入口16を開放する方向(矢印A5参照)に付勢されている。付勢部材50は、ねじりコイルばねであって、一端部が取入口16の上部に当接し、他端部が開閉板40C1の上部に当接している。
図13に示す第3阻害機構41Cによれば、採取管15が採取位置(下降位置)にあるとき、開閉板40C1は付勢部材50の付勢力によって上方に揺動しており取入口16は開放されている(仮想線参照)。そのため、取入口16から土壌を採取管15内に取り入れることができる。そして、所望の土壌採取場所において昇降機構20により採取管15を採取位置から上昇させると、開閉板40C1は土の抵抗を受けて付勢部材50の付勢力に抗して揺動し、取入口16を閉鎖する(矢印A6参照)。これにより、採取位置以外の深さで土壌が採取されることを防止できる。
尚、図13に示す例では、採取管15の取入口16の下部分が塞ぎ板51によって塞がれており、開閉板40C1は取入口16の塞ぎ板51よりも上部分のみを閉鎖するように構成されているが、塞ぎ板51を設けずに開閉板40C1が取入口16の全体を閉鎖するように構成してもよい。
図14に示す第3阻害機構41Cは、蓋部材40が開閉板40C2である。開閉板40C2は、揺動によって排出口17を開放又は閉鎖可能である。開閉板40C2は、上端部が排出口17の上部に取り付けられており、当該上端部を支点として揺動可能である。開閉板40C2は、付勢部材50の付勢力によって排出口17を開放する方向(矢印A7参照)に付勢されている。付勢部材50は、ねじりコイルばねであって、一端部が排出口17の上部に当接し、他端部が開閉板40C2の上部に当接している。
図14に示す第3阻害機構41Cによれば、採取管15が採取位置(下降位置)にあるとき、開閉板40C2は付勢部材50の付勢力によって上方に揺動しており排出口17は開放されている(仮想線参照)。そのため、取入口16から土壌を採取管15内に取り入れて排出口17から排出することができる。そして、所望の土壌採取場所において昇降機構20により採取管15を採取位置から上昇させると、開閉板40C2は土の抵抗を受けて付勢部材50の付勢力に抗して揺動し、排出口17を閉鎖する(矢印A8参照)。これにより、採取位置以外の深さで土壌が採取されることを防止できる。
図15に示す第3阻害機構41Cは、蓋部材40が、揺動によって取入口16を開放又は閉鎖可能な開閉板40C1と、揺動によって排出口17を開放又は閉鎖可能な開閉板40C2とから構成されている。つまり、図15に示す第3阻害機構41Cは、図13に示す第3阻害機構41Cと図14に示す第3阻害機構41Cとを組み合わせた構成を備えている。
図15に示す第3阻害機構41Cによれば、採取管15が採取位置(下降位置)にあるとき、開閉板40C1、40C2は付勢部材50の付勢力によって上方に揺動しており取入口16及び排出口17は開放されている(仮想線参照)。そのため、取入口16から土壌を採取管15内に取り入れて排出口17から排出することができる。そして、所望の土壌採取場所において昇降機構20により採取管15を採取位置から上昇させると、開閉板40C1、40C2は土の抵抗を受けて付勢部材50の付勢力に抗して揺動し、取入口16及び排出口17を閉鎖する(矢印A9、A10参照)。これにより、採取位置以外の深さで土壌が採取されることを防止できる。
尚、図13~図15に示す例では、採取管15は、軸心方向が水平方向に対して傾斜しており、前端部が後端部よりも低くなるように配置されているが、軸心方向が水平方向に配置された採取管15に対して上述した第3阻害機構41Cを適用してもよい。
また、阻害機構の更に別の実施形態(図示略)として、蓋部材40が土壌の採取完了時に採取位置P1にある開口19を閉鎖可能である構成としてもよい。この場合、第1阻害機構41Aの蓋部材40又は第2阻害機構41Bの蓋部材40を、エアシリンダ等の任意の昇降機構によって上記昇降方向に昇降可能に構成し、土壌の採取完了時に蓋部材40を採取位置P1まで下降させて開口19(取入口16及び/又は排出口17)を閉鎖し、開口19を閉鎖した状態で採取管15と共に蓋部材40を取り出し位置まで上昇させる構成を採用することができる。
この構成によっても、採取位置以外の深さで土壌が採取されることを防止できる。また、採取管15が採取位置から取り出し位置に移動する過程で、土壌が開口19からこぼれ落ちることを確実に防止できる。
<押し出し具>
図16~図19に示すように、土壌採取装置1は、採取管15に採取された土壌を押し出す押し出し具60を備えている。押し出し具60は、上述した取り出し位置P2において採取管15に採取された土壌を押し出す。
押し出し具60は、採取管15の取出口18から土壌を押し出す。より詳しくは、押し出し具60は、棒状の部材であって、一対の取出口18a、18bの一方(取出口18a)から他方(取出口18b)に向けて移動して土壌を押し出す。
土壌採取装置1は、押し出し具60を移動させる移動機構61を備えている。図18に示すように、移動機構61は、押し出し具60を、取出口18から土壌を押し出す第1位置(実線で示す位置)と、取出口18から離脱する第2位置(仮想線で示す位置)とに移動させる。
図17~図19に示すように、移動機構61は、案内筒62と、付勢部材63と、切り換え部64とを有している。
案内筒62は、一端部と他端部が開口した筒である。案内筒62の一端部は、昇降機構20のパイプ33の外面に接続されている。図18、図19に示すように、パイプ33は、案内筒62が接続された部位と、当該部位と対向する位置に、それぞれ貫通孔33a、33bが形成されている。案内筒62の他端部には、切り換え部64の一部を構成する円筒体65が接続されている。案内筒62の中心軸方向は、パイプ33の中心軸方向に対して直角である。案内筒62は、押し出し具60を収容している。押し出し具60は、案内筒62に沿って移動可能である。押し出し具60は、第1位置(図18の実線位置)にあるとき案内筒62の一端部から突出し、第2位置(図18の仮想線位置)にあるとき案内筒62の他端部から突出する。また、押し出し具60は、第1位置にあるとき、パイプ33の貫通孔33a、33bを貫通し、先端が後述する容器90内に侵入する。
付勢部材63は、案内筒62の内部に収容されている。付勢部材63は、押し出し具60を第1位置に移動する方向(図18の矢印A11参照)に付勢している。付勢部材63は、コイルばねから構成されている。押し出し具60の基端側(案内筒62の他端部側)は、付勢部材63を構成するコイルばねに挿通されている。
切り換え部64は、付勢部材63の付勢力に抗して押し出し具60を第2位置に保持する保持状態とこの保持を解除する解除状態とを交互に切り換える。切り換え部64が保持状態にあるとき、押し出し具60は第2位置に保持される。切り換え部64が解除状態となったとき、押し出し具60は付勢部材63の付勢力によって第1位置に移動する。
図18~図23に示すように、切り換え部64は、駆動源66、円筒体65、動力伝達機構67、カム板68を有している。
駆動源66はモータである。図19に示すように、駆動源66は、支持部材69により支持されている。支持部材69は、パイプ33の外面に突設された突設板70に取り付けられている。図18、図19等に示すように、円筒体65は、案内筒62の他端部に支軸71を介して回転可能に取り付けられている。円筒体65は、ベアリングであって、内輪が支軸71に取り付けられ、外輪が支軸71回りに回転する。図18に示すように、支軸71は、案内筒62の他端部に設けられた筒部72から突設されている。支軸71は、案内筒62の中心軸に対して直交する方向(パイプ33の中心軸方向に対して平行方向)に突出している。
動力伝達機構67は、駆動源(モータ)66の回転動力をカム板68に伝達してカム板68を回転させる。図18~図20等に示すように、動力伝達機構67は、小歯車73、中歯車74、大歯車75を有している。小歯車73は、駆動源(モータ)66の出力軸に取り付けられている。中歯車74は、小歯車73よりも歯数が多い歯車であって、小歯車73に噛み合っている。中歯車74は、第1ブラケット76に突設された第1支軸77に第1ベアリング78を介して回転可能に支持されている。第1ブラケット76は、支持部材69に取り付けられている。大歯車75は、中歯車74よりも歯数が多い歯車であって、中歯車74に噛み合っている。大歯車75は、第2ブラケット79に突設された第2支軸80に第2ベアリング81を介して回転可能に支持されている。第2ブラケット79は、支持部材69に取り付けられている。
図20に示すように、駆動源66を駆動すると出力軸と共に小歯車73が矢印A12方向に回転し、小歯車73の回転に伴って中歯車74が矢印A13方向に回転し、中歯車74の回転に伴って大歯車75が矢印A14方向に回転する。
大歯車75には、カム板68が取り付けられている。そのため、駆動源66を駆動することによって、カム板68は大歯車75と共に矢印A14方向に回転する。
図18、図20等に示すように、カム板68は、取付板68aと受け板68bとを有している。取付板68aは、大歯車75の一方の面(円筒体65側の面)に取り付けられている。取付板68aは、円弧状部68a1と張り出し部68a2とを有している。円弧状部68a1は、大歯車75の周方向に沿って延びる円弧状の部分である。円弧状部68a1の長さは、大歯車75の全周長さの3分の1よりも長く2分の1よりも短い長さである。張り出し部68a2は、円弧状部68a1から外側(大歯車75の中心から離れる方向)に張り出した部分である。張り出し部68a2は、大歯車75の外縁よりも外側に張り出している。
受け板68bは、取付板68aに取り付けられている。受け板68bは、取付板68aの円筒体65側の面に対して直角に取り付けられており、当該円筒体65側の面から円筒体65側に起立している。図20に示すように、受け板68bは、第1部分68b1と第2部分68b2とを有している。第1部分68b1は、円弧状部68a1に沿って延びている。第2部分68b2は、張り出し部68a2に沿って延びている。第1部分68b1と第2部分68b2は連続している。第1部分68b1は、大歯車75の外周に沿った円弧状に形成されており、大歯車75の中心からの距離は一定である。第2部分68b2は、第1部分68b1から離れるにつれて大歯車75の外周から離れる(大歯車75の中心からの距離が長くなる)円弧状に形成されている。
カム板68は、第1カム板68Aと第2カム板68Bとを含む。第1カム板68Aと第2カム板68Bとは同じ形状であって、大歯車75の中心に対して点対象となる位置に配置されている。言い換えれば、第1カム板68Aと第2カム板68Bは、大歯車75の周方向に180°離れて配置されている。尚、図19~図23において、第2カム板68Bは、取付板68aを省略して受け板68bのみを示している。また、図19~図23において、カム板68の移動の最外軌跡を仮想円E1で示している。
ここで、図20~図23を参照して、切り換え部64の作用(動作)について説明する。
図20は、押し出し具60が付勢部材63の付勢力によって第1位置に移動した状態を示している。この状態において、カム板68が矢印A14方向に回転すると、カム板68の受け板68bの第2部分68b2が円筒体65の外周面に当接する。
図20に示す状態から、カム板68が大歯車75と共に矢印A14方向に更に回転すると、受け板68bの第2部分68b2が円筒体65を掬い上げるように動作する。そのため、円筒体65は受け板68bの第2部分68b2に沿って支軸71回りに回転しながら、図21に示すように矢印A15方向に移動し、押し出し具60が付勢部材63の付勢力に抗して矢印A15方向に移動する。
図21に示す状態から、カム板68が矢印A14方向に更に回転すると、円筒体65は受け板68bに沿って回転しながら更に矢印A15方向に移動し、押し出し具60が付勢部材63の付勢力に抗して更に矢印A15方向に移動する。そして、円筒体65が第1部分68b1と第2部分68b2の境界に達したときに、押し出し具60は第2位置となり、採取管15の取出口18から離脱する(図22参照)。
図22に示す状態から、カム板68が矢印A14方向に更に回転すると、円筒体65は受け板68bの第1部分68b1に対して相対的に移動する。このとき、第1部分68b1は大歯車75の中心からの距離が一定であるため、円筒体65は第1部分68b1に対する相対的な位置が変化するだけで、円筒体65の実際の位置は変化しない。そのため、押し出し具60が第2位置に保持された保持状態となる。そして、カム板68が更に回転して円筒体65が第1部分68b1の端部を越えると、カム板68による保持が解除された解除状態となり、押し出し具60は付勢部材63の付勢力によって矢印A11方向に移動する(図23参照)。解除状態となった押し出し具60は、第1位置まで移動し、採取管15の取出口18を貫通して取出口18から土壌を押し出す。
第1カム板68Aが上記の如く動作した後、第2カム板68Bも同様に動作する。つまり、第2カム板68Bは、第2押し出し具60を第1位置から第2位置まで移動させて第2位置に保持した後、保持を解除して第1位置まで移動させることにより、採取管15の取出口18から土壌を押し出す。その後、第1カム板68Aと第2カム板68Bとが交互に上記動作を繰り返す。これによって、押し出し具60は第1位置と第2位置との往復移動を繰り返し、押し出し具60による採取管15の取出口18からの土壌の押し出しが一定の周期で間欠的に行われる。
<容器>
図16~図18に示すように、土壌採取装置1は、押し出し具60により押し出された土壌を受け入れる容器90を備えている。図24に示すように、容器90は、複数の収容部91を有している。図18、図24に示すように、容器90は扁平な円筒形に形成されている。容器90の中心は、パイプ33の外面(案内筒62が接続された側と反対側の外面)に突設された中心軸92にベアリング93を介して回転可能に支持されている。中心軸92は、押し出し具60の移動方向(案内筒62の中心軸方向と同じ)と平行に延びている。
容器90は、底体94と蓋体95とを有している。
底体94は、円板状の底板94aと、底板94aの一方の面から起立する内周壁94b及び外周壁94cとを有している。底板94aの他方の面は、パイプ33の外面(案内筒62が接続された側と反対側の外面)に当接している。底板94aには、複数の貫通孔94eが形成されている。複数の貫通孔94eは、中心軸92回りの周方向に一定間隔をあけて配置されている。内周壁94bは、円筒状に形成されている。内周壁94bは、ベアリング93の外周面に嵌合されている。これにより、底体94は、ベアリング93の外輪と共に中心軸92回りに回転可能である。外周壁94cは、内周壁94bよりも大径の円筒状に形成されている。
内周壁94bには、ねじ軸94dが固定されている。ねじ軸94dは、中心軸92と平行に延びている。ねじ軸94dは、中心軸92を挟んで対称位置に2つ配置されている。
蓋体95は、蓋板96と、複数の収容部91を有している。蓋板96は、円板状であって、底板94aと平行に配置されている。図24では、蓋板96を透明な板(例えば、アクリル板等)から構成して容器90の内部を視認可能とした例を示しているが、蓋板96は不透明であってもよい。図18に示すように、蓋板96には、2つの貫通孔96a、96bが形成されている。2つの貫通孔96a、96bにはそれぞれねじ軸94dが貫通している。ねじ軸94dは、蓋板96から突出している。
ねじ軸94dにはナット(蝶ナット)97が螺合されている。ねじ軸94dにナット97を螺合することによって、底体94に対して蓋体95が固定される。また、ナット97の螺合を解除することによって、底体94から蓋体95を取り外すことができる。つまり、蓋体95は、底体94に対して着脱可能である。
複数の収容部91は、中心軸92回りの周方向に並んで円環状に配置されている。本実施形態の場合、収容部91の数は12個であるが、収容部91の数は特に限定されない。複数の収容部91は、隔壁98により仕切られている。収容部91は、内壁91aと外壁91bと底壁91cとを有している。内壁91aは、底体94の内周壁94b側に配置されている。外壁91bは、底体94の外周壁94c側に配置されている。内壁91a及び外壁91bは、蓋板96に固定されている。底壁91cは、底体94の底板94aに当接している。底壁91cには、複数の貫通孔91dが形成されている。複数の貫通孔91dは、中心軸92回りの周方向に一定間隔をあけて配置されている。底壁91cの貫通孔91dの位置は、底板94aの貫通孔94eの位置と対応している(重なっている)。収容部91は、隔壁98、内壁91a、外壁91b、底壁91c、蓋板96によって囲まれる空間に土壌を収容する。
底壁91cの貫通孔91d及び底板94aの貫通孔94eは、容器90に土壌を受け入れる受入口99である。そのため、複数の収容部91は、それぞれ受入口99を有している。図18に示すように、押し出し具60は、採取管15の取出口18を貫通して受入口99(貫通孔91d、貫通孔94e)に挿入される。これにより、受入口99に土壌を導くことができ、採取管15に採取された土壌が収容部91に収容される。
容器90は、ベアリング93の外輪と共に中心軸92回りに回転可能である。容器90は、図24に矢印A16で示す方向に回転可能である。容器90が中心軸92回りに回転することによって、複数の受入口99(収容部91の貫通孔91d、底板94aの貫通孔94e)が、押し出し具60が挿入可能な挿入位置P4に順次移動する。本実施形態の場合、挿入位置P4は、容器90の下部に位置する1つの収容部(図16、図24の場合、収容部91A)に対応する位置であって、中心軸92の軸心方向から見て昇降体23と重なる位置にある。
<連動機構>
図16~図19に示すように、土壌採取装置1は、採取管15の採取位置P1から取り出し位置P2への上昇に連動して受入口99を挿入位置P4に移動させる連動機構100を備えている。連動機構100は、採取管15の採取位置P1から取り出し位置P2への上昇に連動して容器90を中心軸92回りに回転させることによって、受入口99を挿入位置P4に移動させる。
図16等に示すように、連動機構100は、押し上げ部材101と受け部材102とを有している。
図16、図25に示すように、押し上げ部材101は、パイプ33の下部に取り付けられている。図25に示すように、押し上げ部材101は、第1部位101a、第2部位101b、第3部位101cを有している。第1部位101aは、昇降体23の昇降方向(矢印A2方向)に沿って直線状に延びている。第2部位101bは、第1部位101aの上端部から屈曲して下方に延びている。第3部位101cは、第2部位101bの下端部から屈曲して水平方向(図25の紙面垂直方向)に延びている。第1部位101aの上端部には、鍔部101dが設けられている。
押し上げ部材101の第1部位101aは、支持筒103に挿通されている。支持筒103は、パイプ33の外面の下部に固定されている。押し上げ部材101は、第1部位101aが支持筒103に挿通されることによって、支持筒103に支持されている。第1部位101aは、支持筒103に沿って摺動することによって、押し上げ部材101が昇降体23の昇降方向(矢印A2方向)に沿って昇降可能である。押し上げ部材101は、鍔部101dが支持筒103の上面に当接することによって最下降位置が規定される。
支持筒103の穴は、断面が非円形(例えば、小判形)である。押し上げ部材101の第1部位101aは、少なくとも支持筒103に沿って摺動する部分が、支持筒103の穴の形と対応する断面非円形である。これにより、押し上げ部材101が支持筒103の軸心回りに回転して第3部位101cの向きが変わることを防止できる。
図18、図24に示すように、受け部材102は、容器90に取り付けられている。詳しくは、受け部材102は、底体94の外周壁94cに取り付けられている。受け部材102は、容器90の外周に沿って複数設けられている。複数の受け部材102は、容器90の外周に沿って中心軸92回りの周方向に一定間隔をあけて配置されている。受け部材102の数は、収容部91の数と同じである。各受け部材102は、各収容部91に対応する位置に配置されている。受け部材102は、基部104、支軸105、回動体106、付勢ばね107を有している。基部104は、外周壁94cに固定されている。支軸105は、基部104を貫通して設けられている。支軸105は、中心軸92と平行に延びている。回動体106は、基部104に対して支軸105回りの一方向及び他方向に回動可能である。付勢ばね107は、ねじりコイルばねであって、一端部が排出口17の外周壁94cに当接し、他端部が回動体106に当接している。付勢ばね107は、回動体106が支軸105回りの一方向に回動するように付勢している。支軸105回りの一方向は、容器90の回転方向(矢印A16で示す方向)と同じ方向である。
図18、図24、図25に示すように、土壌採取装置1は、容器90の回転を規制する規制機構110を備えている。規制機構110は、振動等によって容器90が意図しないときに回転することを防ぐ。また、規制機構110は、容器90の回転の基準位置を規定する。尚、図では1つの規制機構110により1箇所で容器90の回転を規制する構成を示しているが、規制機構110を複数(例えば、2つ)設けて複数箇所で容器90の回転を規制する構成としてもよい。
規制機構110は、ボール111とコイルばね112とを有している。ボール111の一部は、容器90が基準位置にあるとき、容器90の底板94aに形成された凹み部94fに嵌まっている。ボール111は、コイルばね112の先端部に取り付けられている。ボール111は、コイルばね112の付勢力によって底板94a側に押し付けられている。コイルばね112の基端部は、ボルト113の軸部に当接している。ボルト113の軸部は、底板94aに対して垂直方向(中心軸92と平行方向)に延びている。ボルト113は、筒体114に螺合されている。筒体114は、パイプ33の外面から突出する突出板115に固定されている。規制機構110は、ボール111がコイルばね112の付勢力によって底板94a側に押し付けられることによって、容器90が意図しないときに回転することを防ぐ。
規制機構110による規制は、以下に説明する連動機構100の動作によって容器90に回転力が作用したときに解除される。具体的には、連動機構100の動作によって容器90に回転力が作用すると、コイルばね112が短縮してボール111が凹み部94fから離脱し、底板94aがボール111に対して滑り移動することにより、容器90の回転が可能となる。
ここで、連動機構100の作用(動作)について説明する。
図26は、容器90が回転の基準位置にあり、採取管15が採取位置P1にある状態を示している。このとき、押し上げ部材101は、最下降位置にあり、受け部材102から離れている。また、複数の収容部91のうちの1つの収容部91Aの受入口99が、押し出し具60が挿入可能な挿入位置P4にある。
図26に示す状態から、土壌を採取した採取管15が上昇すると、図27に示すように、採取管15が押し上げ部材101の第1部位101aの下端に当たり、押し上げ部材101を押し上げる(矢印A17参照)。
図27に示す状態から、土壌を採取した採取管15が更に上昇すると、押し上げ部材101が更に押し上げられる。これにより、押し上げ部材101の第3部位101cが受け部材102の回動体106に当たる(図28に仮想線で示す第3部位101cを参照)。その後、採取管15が更に取り出し位置P2まで上昇して押し上げ部材101が押し上げられることにより、押し上げ部材101の第3部位101cは仮想線位置から実線位置に移動する。これによって、受け部材102が押し上げられるため、容器90が中心軸92回りに回転する(矢印A16参照)。このときの容器90の回転角度は、収容部91の1つ分に相当する回転角度である。例えば、収容部91が12個ある場合、回転角度は360°/12=30°である。このときの容器90の回転角度を正確に規定するために、一定回転角度ずつ(例えば30°ずつ)の回転を可能とする機構を設けることが好ましい。この機構は、ラチェット機構であってもよいし、上記規制機構110と同様のコイルばね112、ボール111、凹み部94fを利用した機構であってもよい。この容器90の回転によって、収容部91Aに隣接する収容部91Bの受入口99が、押し出し具60が挿入可能な挿入位置P4に移動する。
図28に示す状態で、押し出し具60が採取管15に採取された土壌を押し出す動作を行うことにより、押し出し具60の先端が容器90に侵入し(図18に示す押し出し具60の実線位置参照)、土壌が容器90の収容部91(91B)に収容される。
その後、押し出し具60が後退して容器90及び採取管15から離脱した後、昇降体23が採取管15と共に下降する。昇降体23が下降する過程で、押し上げ部材101が下方にある受け部材102の回動体106に当たる(干渉する)が、回動体106が付勢ばね107の付勢力に抗して下方に回動するため、受け部材102が昇降体23の下降の妨げにはならない。また、回動体106は、下方に回動した後、付勢ばね107の付勢力によって上方に回動して元の位置(姿勢)に復帰する。
採取管15が採取位置P1と取り出し位置P2とを往復移動することによって、上述した容器90の回転と押し出し具60による採取管15から容器90への土壌の押し出しが繰り返される。これによって、容器90を回転させながら複数の収容部91に順番に土壌を収容することができる。全ての収容部91への土壌の収容が完了した後、底体94から蓋体95を取り外すことによって、蓋体95と共に収容部91を取り外すことができる。
図16、図27等に示すように、土壌採取装置1は、受入口99に対する取出口18の位置を調整するための調整ボルト116を有している。調整ボルト116は、パイプ33の外面に固定されたナット117に螺合されている。調整ボルト116の軸部は、パイプ33の壁を貫通してパイプ33の内部にある昇降体23の外面に当接している。調整ボルト116を回転させることにより、調整ボルト116の軸部により昇降体23が押され、パイプ33の内部で昇降体23が傾く。これにより、採取管15が取り出し位置P2に移動したときの取出口18の位置を微調整することができる。その結果、採取管15が取り出し位置P2に移動したときに取出口18と確実に重なるようにすることができる。
押し出し具60を移動させる移動機構61は、採取管15が取り出し位置P2にあるときに押し出し具60が第1位置(図18に実線で示す位置)に移動するように、押し出し具60の移動のタイミング(周期、速度等)が調整される。
<押し出し具の移動機構の別の実施形態>
図29~図33は、押し出し具60の移動機構61の別の実施形態(以下、第2実施形態という)を示している。上述した実施形態(以下、第1実施形態という)の押し出し具60の移動機構61は駆動源(モータ)66を備えているものであったが、第2実施形態の移動機構61(以下、「第2移動機構61B」という)は駆動源66を備えていない。第2移動機構61Bは、手動で押し出し具60を移動させる機構である。
上述した全ての土壌採取装置1(一例として、図16~図28に示した土壌採取装置1、図8~図12に示した土壌採取装置1等)において、第1実施形態の移動機構61に代えて第2移動機構61Bを採用することができる。この場合、土壌採取装置1の移動機構61以外の構成は、以下に説明する点を除いて、上述した土壌採取装置1と同じとすることができる。図29~図33では、土壌採取装置1の一部の構成のみを示している。図29は、第2移動機構61Bを含む土壌採取装置1を備えた作業車両を示しているが、移動機構61B以外の構成は省略している。また、図示の都合上、図30、図32では、容器90等を上から見たときの断面図で描いている。
以下の説明では、第2移動機構61Bが第1実施形態の移動機構61と異なる点を中心に説明する。第2移動機構61Bの構成のうち第1実施形態の移動機構61と共通する構成については、一部を除いて説明を省略する。第1実施形態の移動機構61において採用された構成は、不都合がない限り、第2移動機構61Bにおいても採用することができる。
図29~図31等に示すように、第2移動機構61Bは、揺動可能な操作レバー120と、操作レバー120の揺動を押し出し具60の第1位置と第2位置との往復移動に変換する変換機構121とを備えている。上述した通り、第1位置は採取管15の取出口18から土壌を押し出す位置であり、第2位置は取出口18から離脱する位置である。図31において、第1位置にある押し出し具60を仮想線で示し、第2位置にある押し出し具60を実線で示している。
採取管15の位置は、設定部122によって所定位置に設定されている。所定位置は、上述した取り出し位置P2である。図31に示す例では、設定部122は、上述した構成の昇降機構20から構成されている。昇降機構20は、採取管15を、土中で土壌を採取する採取位置P1と所定位置(取り出し位置P2)とに移動させる。つまり、昇降機構20は、昇降体23を上昇させることによって、採取管15の位置を所定位置(取り出し位置P2)に設定することができる。押し出し具60は、設定部122により所定位置(取り出し位置P2)に設定された採取管15内の土壌を採取管15外へと押し出す。
尚、第2移動機構61Bの設定部122を構成する昇降機構20は、第1昇降機構20Aであっても第2昇降機構20Bであってもよい。また、昇降機構20による昇降体23の昇降方向(地面に対する角度)は、上述した昇降機構20と同じであってもよいし変更してもよい。
図29に示すように、操作レバー120は、取付ブラケット123を介してロータリ耕耘機4に取り付けられている。取付ブラケット123は、ロータリ耕耘機4のトップマスト8にボルト等によって固定されている。図30に示すように、取付ブラケット123は、第1板部123aと第2板部123bとを有している、第1板部123aは、トップマスト8の側面に取り付けられている。第2板部123bは、第1板部123aの上部から水平方向に延出されている。第2板部123bの後端には、上方に向けて起立する起立部123cが形成されている。第2板部123bには、前後方向に長く延びる溝穴123dが形成されている。操作レバー120の基端部は、第1板部123aに取り付けられた横軸124に回動可能に枢支されている。横軸124は、装置幅方向に延びている。操作レバー120は、溝穴123dを貫通して延びている。操作レバー120の上端には、操作者が操作時に握るための握り部125が設けられている。操作レバー120は、横軸124を支点として溝穴123dに沿って前後方向に揺動可能である。
取付ブラケット123の前部には、係止片126が下方に突出して設けられている。係止片126には、引っ張りばね127の一端部が係止されている。引っ張りばね127の他端部は、操作レバー120に形成された貫通孔120aに係止されている。引っ張りばね127は、操作レバー120を後方に揺動する方向に引っ張っている。図30は、操作レバー120が、引っ張りばね127によって引っ張られて操作レバー120が後方に揺動している状態を示している。
操作レバー120の貫通孔120aよりも上方位置には、ケーブル128の一端側が取り付けられた取付部129が設けられている。ケーブル128は、取付ブラケット123の起立部123cに取り付けられた第1ガイド筒130を貫通して後方に延びている。
押し出し具60が挿通された案内筒62の外面には、支持体131が固定されている。支持体131には、第2ガイド筒132が取り付けられている。第1ガイド筒130を貫通したケーブル128は、第2ガイド筒132を貫通して更に後方に延びている。
押し出し具60の基端部には、押圧体133が当接している。押圧体133は、L字形に屈曲したアーム材134の一端部に固定されている。アーム材134の屈曲部には、軸体135が突設されている。軸体135は、ステー136の一端部に固定されたボス137に挿入されている。ステー136の他端部は、案内筒62の外面に固定されている。ボス137内で軸体135が軸心回りに回動することによって、アーム材134は軸体135の軸心回りに回動する。アーム材134の他端部には、ケーブル128の他端部が係止されている。
上述したケーブル128、アーム材134、押圧体133は、操作レバー120の揺動を押し出し具60の第1位置と第2位置との往復移動に変換する変換機構121を構成している。
以下、第2移動機構61Bの作用(動作)について説明する。
図30は、操作レバー120を操作していない状態を示している。この状態では、操作レバー120は、引っ張りばね127により引っ張られて後方位置にある。また、押し出し具60は、取出口18から離脱した第2位置にある。
図30に示す状態から、操作レバー120を引っ張りばね127の引っ張り力に抗して前方に揺動させると、ケーブル128が前方に移動し、アーム材134は他端部が前方に移動するように軸体135の軸心回りに回動する(図30の矢印A18参照)。これにより、押圧体133が押し出し具60の基端部を押圧し、押し出し具60が第1位置に移動して採取管15の取出口18から容器90内に土壌を押し出す(図31の仮想線、図32参照)。別の言い方をすれば、押し出し具60は、採取管15の一対の取出口18a,18bを貫通して容器90内に侵入することにより、土壌を容器90に収容する。
第2移動機構61Bによれば、操作レバーを手動で操作することによって、採取管15の取出口18から容器90内への土壌の押し出しを強い力で行うことができる。そのため、採取管15に採取された土壌が固まって容易に押し出せない場合であっても、確実に採取管15から土壌を押し出すことが可能である。
図33は、トラクタ2の車体6に対してロータリ耕耘機4を上昇させた状態を示している。操作レバー120は、トラクタ2の車体6に対してロータリ耕耘機4が上昇したときに運転席3から操作可能な位置に配置されている。言い換えれば、操作レバー120は、運転席3に着座した運転者の手HDが操作レバー120の握り部125に届く位置に配置されている。これにより、運転者は、運転席3から降りずに操作レバー120を操作することができて作業性が良い。但し、操作レバー120の長さを長くして前方に延長する等して、車体6に対してロータリ耕耘機4を上昇させずとも操作レバー120を操作できるように構成してもよい。
上述した第2移動機構61Bを使用する場合、土壌が収容された採取管15を手動で(昇降機構20を使用せずに)取り出し位置に保持させるように構成してもよい。この場合、設定部122は、押し出し具60によって土壌を取り出して容器90に移動させることが可能な位置に採取管15を保持可能な保持具とし、この保持具に手動で採取管15を保持させた後、操作レバー120を操作して押し出し具60により採取管15から土壌を取り出して容器90に収容する構成とすることができる。
<採取管の別の実施形態>
図34~図39は、採取管(土壌採取具)15の別の実施形態を示している。図34~図39に示す採取管15は、上述した採取管15と同様に、土中にて移動して土壌を採取する。図34~図39に示す採取管15は、上述した採取管15に代えて土壌採取装置1に適用することができる。言い換えれば、以下に説明する採取管15は、上述した全ての実施形態の土壌採取装置1の採取管として適用することができる。
図34において、(a)は採取管15を軸心方向C1と直交する面で切断した断面図、(b)は採取管15を軸心方向C1と平行な面で上下方向に切断した断面図である。図35~図38において、(a)は採取管15を取入口16側から見た図、(b)は採取管15を軸心方向C1と平行な面で上下方向に切断した断面図である。図39において、(a)は採取管15を軸心方向C1と直交する面で切断した断面図、(b)は採取管15を軸心方向C1と平行な面で上下方向に切断した断面図、(c)は採取管15を軸心方向C1と平行な面で水平方向に切断した断面図である。
図34~図39に示す採取管15は、上述した採取管15と同じく、両端部が開口しており、一端部が取入口16を構成し、他端部が排出口17を構成している。取入口16と排出口17は、採取管15の軸心方向C1に並んで配置されている。
図34に示す採取管15は、取入口16が開口した先端部(前端部)及び排出口17が開口した基端部(後端部)は、軸心方向C1に対して直角である。また、採取管15の先端部と後端部が平行である。この採取管15は、直線状に延びる円筒状であって、軸心方向C1の全長に亘って外径及び内径が一定である。この採取管15は、取入口16から取り入れられた土壌を取り出すための取出口18を有している。取入口16は移動方向前方を向いて開口し、取出口18は移動方向と交差する方向(具体的には、直交する方向)を向いて開口している。取出口18は、一対の取出口18a、18bを含む。一対の取出口18a、18bは、採取管15の軸心方向C1と直交する軸方向に並んで対向して配置されている。取出口18a、18bの形状及び大きさは同じである。尚、図34に示す採取管15は、軸心方向C1と直交する面で切断した断面形状が円形であるが、断面形状を角形(三角形、四角形、六角形等)としてもよい。
図35~図38に示す採取管15は、筒状部15aと突条部15bとを有している。
筒状部15aは、移動方向前方に配置される前端部に土壌を取り入れ可能な取入口16を有し、後端部に取入口16から取り入れた土壌を排出可能な排出口17を有している。筒状部15aは、取入口16から取り入れられた土壌を取り出すための取出口18を有している。取入口16は移動方向前方を向いて開口し、取出口18は移動方向と交差する方向(具体的には、直交する方向)を向いて開口している。取出口18は、一対の取出口18a、18bを含む。一対の取出口18a、18bは、筒状部15aの軸心方向C1と直交する軸方向に並んで対向して配置されている。取出口18a、18bの形状及び大きさは同じである。
図35(b)~図38(b)に示すように、突条部15bは、筒状部15aの外面に突設されており、筒状部15aの前端部から後端部にわたって延びている。図35(a)~図38(a)に示すように、突条部15bは、筒状部15aの外径よりも狭い幅で突設されている。好ましくは、突条部15bの幅は、筒状部15aの外径の半分以下に設定される。尚、図35(b)~図38(b)において、突条部15bは断面を現すハッチングを省略している。
図35~図38に示す採取管15は、突条部15bに硬化処理が施された硬化部15dが設けられている。硬化部15dは、突条部15bの効果処理が施されていない部分や筒状部15aに比べて硬度が高い。硬化処理は、例えば、高周波焼き入れ等である。図35~図38において、クロスハッチングを施した部分が硬化部15dである。硬化部15dは、突条部15bの下端を含む下部に設けられている。但し、硬化部15dは、突条部15bの全体に設けてもよい。
図35に示す採取管15は、取入口16の面積と排出口17の面積とが異なっている。具体的には、取入口16の面積は、排出口17の面積よりも大きい。取入口16及び排出口17は、共に円形である。筒状部15aは、取入口16側から排出口17側に向けて次第に内径及び外径が変化するテーパ部15cを有している。テーパ部15cでは、取入口16側から排出口17側に向けて次第に内径及び外径が小さくなっている。突条部15bは、下方に向かうにつれて(筒状部15aから離れるにつれて)次第に幅が狭くなっている。突条部15bは、取入口16側からみて逆三角形状である。突条部15bの下端は鋭角状に尖っている。
図36に示す採取管15は、取入口16の面積と排出口17の面積とが異なっている。具体的には、取入口16の面積は、排出口17の面積よりも小さい。取入口16及び排出口17は、共に円形である。筒状部15aは、取入口16側から排出口17側に向けて次第に内径及び外径が変化するテーパ部15cを有している。テーパ部15cでは、取入口16側から排出口17側に向けて次第に内径及び外径が大きくなっている。突条部15bは、下方に向けて同じ幅で突出する上部位15b1と、下方に向かうにつれて(筒状部15aから離れるにつれて)次第に幅が狭くなる下部位15b2とを有している。下部位15b2は、取入口16側からみて逆三角形状である。突条部15bの下端(下部位15b2の下端)は鋭角状に尖っている。
図37に示す採取管15は、筒状部15aが、取入口16を構成する第1筒状部15a1と、排出口17を構成する第2筒状部15a2とを含む。第1筒状部15a1の開口面積は、第2筒状部15a2の開口面積よりも小さい。これにより、取入口16の面積と排出口17の面積とが異なっている。具体的には、取入口16の面積は、排出口17の面積よりも小さい。取入口16及び排出口17は、共に円形である。第1筒状部15a1は、第2筒状部15a2の前部に内嵌されており、第2筒状部15a2の前端から前方に突出している。突条部15bは、第2筒状部15a2の外面に突設されており、第2筒状部15a2の前端部から後端部にわたって延びている。突条部15bは、下方に向かうにつれて(筒状部15aから離れるにつれて)次第に幅が狭くなっている。突条部15bは、取入口16側からみて逆三角形状である。突条部15bの下端は鋭角状に尖っている。突条部15bは、筒状部15aの前端部よりも前方(第1筒状部15a1の前端部よりも前方)に突出する突出部15b3を有している。突出部15b3の前縁は、上方から下方に向かうにつれて前方に移行するように傾斜している。突出部15b3の前端は、鋭角状に尖っている。
図38に示す採取管15は、取入口16の面積と排出口17の面積とが異なっている。具体的には、取入口16の面積は、排出口17の面積よりも小さい。また、取入口16と排出口17の形状が異なっている。詳しくは、取入口16が円形であり、排出口17が四角形である。具体的には、排出口17は、幅方向(左右方向)に比べて上下方向が長い長方形である。筒状部15aは、取入口16側から排出口17側に向けて次第に開口面積が変化するテーパ部15cを有している。テーパ部15cでは、取入口16側から排出口17側に向けて次第に上端と下端との距離が拡がっている。突条部15bは、下方に向けて同じ幅で突出する上部位15b1と、下方に向かうにつれて(筒状部15aから離れるにつれて)次第に幅が狭くなる下部位15b2とを有している。下部位15b2は、取入口16側からみて逆三角形状である。突条部15bの下端(下部位15b2の下端)は鋭角状に尖っている。突条部15bは、筒状部15aの前端部よりも前方に突出する突出部15b3を有している。突出部15b3の前縁は、上方から下方に向かうにつれて前方に移行するように傾斜している。突出部15b3の前端は、鋭角状に尖っている。
尚、図35~図38に示す採取管15の筒状部15aは、図38に示す採取管14の筒状部15aの排出口17側を除き、軸心方向C1と直交する面で切断した断面形状が円形であるが、断面形状を角形(三角形、四角形、六角形等)としてもよい。また、取出口18を必要としない使用方法を採る場合は、取出口18を省略することもできる。
また、図35~図38に示す採取管15の突条部15bを、図34に示す採取管15や図1~図5等に示す採取管15に設けてもよい。
図39に示す採取管15は、取入口16が開口した先端部(前端部)及び排出口17が開口した基端部(後端部)は、軸心方向C1に対して直角である。また、先端部と後端部が平行である。この採取管15は、直線状に延びる円筒状であって、軸心方向C1の全長に亘って外径及び内径が一定である。この採取管15は、取入口16から取り入れられた土壌を取り出すための取出口18を有している。取入口16は移動方向前方を向いて開口し、取出口18は移動方向と交差する方向(具体的には、直交する方向)を向いて開口している。取出口18は、対向して配置された取出口18の対(取出口18a、18b)を含む。取出口18a、18bは、採取管15の軸心方向C1と直交する軸方向に並んで対向して配置されている。取出口18aと取出口18bの形状及び大きさは同じである。取出口18の対は、複数設けられている。複数の取出口18の対は、軸心方向C1に間隔をあけて並んで設けられている。尚、図39では、取出口18の対の数は5対であるが、2対~4対であってもよいし、6対以上であってもよい。また、図39に示す採取管15は、軸心方向C1と直交する面で切断した断面形状が円形であるが、断面形状を角形(三角形、四角形、六角形等)としてもよい。
図39に示す採取管15を使用した場合、土壌を採取した採取管15を軸心方向C1に移動させながら、複数対の取出口18に対して上述した押し出し具60を1対ずつ順番に挿入していくことにより、採取管15に採取された土壌を各対の取出口18から順番に押し出すことが可能である。
<効果>
上記実施形態の土壌採取装置1、土壌採取具(採取管15)、土壌採取装置1を備えた作業車両によれば、以下の効果を奏する。
土壌採取装置1は、走行体2に装着される土壌採取装置1であって、土壌を取り入れ可能な取入口16と、取入口6から取り入れた土壌を排出可能な排出口17とを有する採取管15と、採取管18を、地面下に位置する下降位置P1と地面上に位置する上昇位置P2とに昇降可能な昇降機構20とを備え、採取管15は、取入口16と排出口17とが軸心方向C1に並んで配置されている。
この構成によれば、採取管15の取入口16と排出口17とが軸心方向C1に並んで配置されているため、走行体2の走行に伴って土壌を採取管15の取入口16から排出口17へと流通させることが可能となる。そのため、採取管15を地面下の所望深さに配置して所望の場所で上昇させることによって、所望の深さの土壌を効率的に採取することができる。
また、採取管15は、取入口16と排出口17とが走行体2の移動方向に並んで配置されている。
この構成によれば、走行体2の走行に伴って土壌を採取管15の取入口16から排出口17へと円滑に流通させることができる。そのため、所望の深さの土壌を効率的に採取することができる。
また、昇降機構20は、走行体2に装着された固定体21と、固定体21に対して昇降可能に設けられ且つ採取管15が取り付けられた昇降体23と、昇降体23を昇降させる駆動機構22とを有している。
この構成によれば、駆動機構22を駆動して昇降体23を昇降させることによって、走行体2に対して採取管15を昇降させることができる。そのため、走行体2の高さを基準として採取管15の高さ(深さ)を変更して設定することができる。
また、駆動機構22は、駆動源25と、駆動源25からの動力により回転する駆動歯車26とを有し、昇降体23は、駆動歯車26に噛み合う歯23aが昇降方向に沿って列設されている。
この構成によれば、駆動歯車26と昇降体23の歯23aの噛み合いを利用して昇降体23を昇降させることができるため、複雑な構造を必要とせずに昇降体23を確実に且つ迅速に昇降させることができる。
また、昇降機構20は、固定体21に取り付けられた断面非円形のパイプ33を備え、駆動機構22は、駆動源34と、パイプ33内に挿通され且つ駆動源34からの動力により中心軸回りに回転するねじ軸35とを有し、昇降体23は、パイプ33内に中心軸回りの回転不能であって且つパイプ33に沿って移動可能に嵌め入れられるとともに、ねじ軸35に噛み合う雌ねじ部233を有している。
この構成によれば、ねじ軸35の回転を利用して昇降体23を昇降させることができるため、複雑な構造を必要とせずに昇降体23を確実に且つ強い力で昇降させることができる。また、昇降体23が中心軸回りに回転不能であるため、昇降体23が中心軸回りに回転して採取管15の向きが変わることを防止することができる。
また、昇降体23は、採取管15が下降位置P1にあるときに地面下に位置する部分に、走行方向の前側に向かうにつれて次第に幅狭となる土切り刃23cを有している。
この構成によれば、昇降体23が地面下で採取管15と共に移動するときに、土切り刃23cによって土を切りながら移動することができる。そのため、土の抵抗を減少させて昇降体23を円滑に移動させることができる。
また、採取管15は、取入口16の中心と排出口17の中心とを結ぶ中心線が水平方向に配置されている。
この構成によれば、走行体2の移動に伴って採取管15を土中で移動させたときに、取入口16から排出口17に向けて土壌を円滑に流通させることができる。そのため、採取管15が土から受ける抵抗を減少させて土壌の採取を円滑に行うことができる。
また、走行体2がトラクタ2であって、昇降機構20は、トラクタ2の後部に装着された対地作業機4に装着されている。
この構成によれば、トラクタ2を走行させて対地作業機4により対地作業を行いながら並行して土壌採取も行うことができる。
また、土壌採取装置1は、土壌を採取する採取管15と、採取管15に採取された土壌を押し出す押し出し具60と、を備え、採取管15は、土壌を取り入れるための取入口16と、取入口16から取り入れられた土壌を取り出すための取出口18と、を有し、取入口16は採取管15の軸心方向C1の一方を向いて開口し、取出口18は軸心方向C1と交差する方向を向いて開口し、押し出し具60は、取出口18から土壌を押し出す。
この構成によれば、取入口16から採取管15に取り入れられた土壌のうち取出口18に面した位置にある土壌のみを押し出し具60にて押し出して取り出すことができる。そのため、採取管15内に土壌が十分に充填されていない場合であっても、一定量の土壌を正確に採取することが可能となる。
また、取出口18は、対向して配置された一対の取出口18a,18bを含み、押し出し具60は、一対の取出口18a,18bの一方から他方に向けて移動して土壌を押し出す。
この構成によれば、採取管15に取り入れられた土壌を押し出し具60によって確実に押し出して取り出すことができる。
また、採取管15を昇降させる昇降機構20を備え、昇降機構20は、採取管15を、土中で土壌を採取する採取位置P1と、押し出し具60により土壌が押し出される取り出し位置P2とに移動させる。
この構成によれば、昇降機構20によって採取具15を採取位置P1から取り出し位置P2に移動させ、取り出し位置P2に移動した採取管15内の土壌を押し出し具60により押し出すことができるため、土壌の採取及び取り出しを一連の動作で効率良く行うことができる。
また、土壌採取装置1は、押し出し具60により押し出された土壌を受け入れる容器90を備え、容器90は、土壌を受け入れる受入口99を有し、押し出し具60は、取出口18を貫通して受入口99に挿入されることにより受入口99に土壌を導く。
この構成によれば、採取管15により採取された土壌を、押し出し具60によって受入口99を介して容器90に収容することができる。そのため、採取管15に採取された土壌を容器90へと移す作業を効率良く円滑に行うことができる。
また、容器90は、隔壁98により仕切られた複数の収容部91を有し、複数の収容部91はそれぞれ受入口99を有するとともに、各受入口99は押し出し具60が挿入可能な挿入位置P4に順次移動する。
この構成によれば、複数の異なる場所で採取された土壌を、隔壁98により仕切られた複数の収容部91に分けて収容することができる。そのため、複数の異なる場所で採取された土壌を1つの容器90に混じり合うことなく収容することができる。また、複数の収容部91に土壌を連続的に効率良く収容することができる。
また、土壌採取装置1は、採取管15の採取位置P1から取り出し位置P2への上昇に連動して受入口99を挿入位置P4に移動させる連動機構100を備えている。
この構成によれば、採取管15が上昇するタイミングに合わせて容器90の受入口99を挿入位置P4に移動させることが可能となるため、採取管15にて採取された土壌を速やかに押し出し具60により押し出して容器90に収容することができる。
また、容器90は、押し出し具60の移動方向と平行な中心軸92回りに回転可能であり、複数の収容部91は、中心軸92の周囲に周方向に並んで配置され、中心軸92回りに回転することにより挿入位置P1に順次移動する。
この構成によれば、複数の収容部91を有する容器90を小スペースで配置することができるとともに、収容部91を挿入位置P1に移動させるための機構を小型化することができる。
また、土壌採取装置1は、押し出し具60を、取出口18から土壌を押し出す第1位置と、取出口18から離脱する第2位置と、に移動させる移動機構61を備え、移動機構61は、押し出し具60を第1位置に移動する方向に付勢する付勢部材63と、付勢部材63の付勢力に抗して押し出し具60を第2位置に保持する保持状態と保持を解除する解除状態とを交互に切り換える切り換え部64と、を有している。
この構成によれば、移動機構61によって、押し出し具60の第1位置と第2位置との往復移動を確実に且つ円滑に行うことができる。
また、土壌採取装置1は、一端部に土壌を取り入れ可能な取入口16を有する採取管15と、採取管15を、土壌の採取位置P1と、採取位置P1より上方であって且つ採取された土壌を取り出す取り出し位置P2とに昇降可能な昇降機構20と、採取位置P1と取り出し位置P2との間で取入口16からの土壌の取り入れを阻害する蓋部材40と、を備えている。
この構成によれば、蓋部材40により採取位置P1と取り出し位置P1との間で採取管15への土壌の取り入れを阻害することによって、採取位置P1と異なる深さの土壌が採取されることを防止することができ、所望の深さの土壌を確実に且つ効率的に採取することができる。
また、採取管15は、他端部に取入口16から排出された土壌を排出する排出口17を備え、蓋部材40は、採取位置P1と取り出し位置P2との間で取入口16と排出口17の少なくとも一方の開口19を閉鎖する。
この構成によれば、蓋部材40が採取位置P1と取り出し位置P2との間で開口19を閉鎖することによって、採取位置P1と異なる深さの土壌が採取されることを防止することができるとともに、採取管15に採取された土壌が採取位置P1と取り出し位置P2との間で開口19からこぼれ落ちることを防止することができる。
また、蓋部材40は、採取位置P1において開口19を開放し、少なくとも採取位置P1よりも上方の土中において開口19を閉鎖する。
この構成によれば、採取位置P1において採取管15に土壌を取り入れることができるとともに、採取位置P1よりも上方の土中において採取管15に土壌が取り入れられることを防止することができる。
また、蓋部材40は、採取位置P1において開口19を開放し、採取位置P1と取り出し位置P2との間の全域に亘って開口19を閉鎖する。
この構成によれば、採取位置P1において採取管15に土壌を取り入れることができるとともに、採取位置P1と取り出し位置P2との間で採取管15から土壌がこぼれ落ちることを防止することができる。
また、蓋部材40は、採取管15が採取位置P1にあるとき、採取位置P1よりも上方であって且つ取り出し位置P2よりも下方にある待機位置P3で待機し、採取管15が採取位置P1から取り出し位置P3に向けて上昇するとき、採取管15と共に上昇する。
この構成によれば、採取管15が採取位置P1から取り出し位置P2まで上昇するときに、蓋部材40を待機位置P3から取り出し位置P2まで採取管15に付随させて上昇させることができる。
また、土壌採取装置1は、蓋部材40に対して待機位置P3まで下降させる付勢力を付与する付勢手段45を備え、昇降機構20は、付勢手段45の付勢力に抗して採取管15と共に蓋部材40を上昇させる。
この構成によれば、付勢手段45の付勢力によって蓋部材40を確実に待機位置P3で待機させることができる。
また、昇降機構20は、上下位置が固定された固定体21と、固定体21に対して昇降可能であって且つ採取管15が取り付けられた昇降体23と、を有し、昇降体23は当該昇降体23が上昇するときに蓋部材40に当接する当接板47を有している。
この構成によれば、昇降体23の上昇に付随して蓋部材40を確実に上昇させることができる。
また、蓋部材40は、採取管15に取り付けられ、揺動によって開口19を開放又は閉鎖可能な開閉板40C1,40C2であり、開閉板40C1,40C2は、付勢部材50の付勢力によって開口19を開放する方向に付勢されており、採取位置P1から上昇するときに土の抵抗を受けて付勢力に抗して揺動して開口19を閉鎖する。
この構成によれば、大掛かりな構造を必要とせずに蓋部材40によって開口19の開放又は閉鎖を行うことができる。
また、土壌採取装置1は、土壌を採取する採取管15と、採取管15の位置を所定位置に設定する設定部122と、設定部122により所定位置に設定された採取管15内の土壌を採取管15外へと押し出す押し出し具60と、を備えている。
この構成によれば、設定部122により所定位置に設定された採取管15内の土壌を押し出し具60によって採取管15外へと押し出すことができるため、複雑な構造の採取管を必要とせずに採取された土壌を簡単に取り出すことができる。
また、押し出し具60により押し出された土壌を受け入れる容器90を備え、押し出し具60は、採取管15を貫通して容器90内に侵入する。
この構成によれば、採取管15に採取された土壌を押し出し具60によって容器90内へと押し出すことができる。そのため、採取管15に採取された土壌を容器90に移す作業を簡単に効率良く行うことができる。
また、採取管18は、対向して配置された一対の取出口18a,18bを有し、容器90は、土壌を受け入れる受入口99を有し、押し出し具60は、一対の取出口18a,18bを貫通して受入口99に挿入される。
この構成によれば、採取管18に採取された土壌を押し出し具60により確実に押し出して受入口99から容器90へと移すことができる。
また、押し出し具60を、一対の取出口18a,18bを貫通する第1位置と、取出口18から離脱する第2位置と、に移動させる移動機構61を備えている。
この構成によれば、移動機構61によって押し出し具60を移動させることにより、押し出し具60による採取管15からの土壌の押し出し作業を容易に行うことができる。
また、移動機構61(第2移動機構61B)は、揺動可能な操作レバー120と、操作レバー120の揺動を押し出し具60の第1位置と第2位置との往復移動に変換する変換機構121と、を備えている。
この構成によれば、操作レバー120を手動で操作することによって、採取管15の取出口18から容器90内に土壌を強い力で押し出すことができる。そのため、採取管15に採取された土壌が固まって容易に押し出せない場合であっても、確実に採取管15から土壌を押し出すことが可能である。
また、容器90は、隔壁98により仕切られた複数の収容部91を有し、複数の収容部91はそれぞれ受入口99を有するとともに、各受入口99は押し出し具60が挿入可能な挿入位置P4に順次移動する。
この構成によれば、複数の異なる場所で採取された土壌を1つの容器90に混ざることなく収容することができるとともに、それぞれの収容部91に収容された土壌を押し出し具60によって順番に押し出すことができる。
また、土壌採取装置1は、採取管15を昇降させる昇降機構20を備え、昇降機構20は、採取管15を、土中で土壌を採取する採取位置P1と所定位置(取り出し位置)P2とに移動させる。
この構成によれば、昇降機構20によって採取管15を採取位置P1と所定位置(取り出し位置)P2とに移動させることができるため、土壌の採取と土壌の取り出しとを連続的に効率良く行うことができる。
また、作業車両は、運転席3を備えた車体6と、車体6に対して昇降可能であって圃場に対して作業を行う対地作業機4と、上記土壌採取装置1と、を備え、操作レバー120は、車体に対して対地作業機4が上昇したときに運転席3から操作可能な位置に配置されている。
この構成によれば、作業車両の運転者は、運転席3から降りずに操作レバー120を操作することができるため作業性に優れている。
また、対地作業機4は、圃場を耕耘するロータリ耕耘機4である。
この構成によれば、トラクタ2を走行させてロータリ耕耘機4により土壌を耕耘しながら並行して土壌採取も行うことができる。
また、土壌採取具(採取管)15は、土中にて移動して土壌を採取する土壌採取具であって、移動方向前方に配置される前端部に土壌を取り入れ可能な取入口16を有し、後端部に取入口16から取り入れた土壌を排出可能な排出口17を有する筒状部15aと、筒状部15aの外面に筒状部15aの外径よりも狭い幅で突設され且つ前端部から後端部にわたって延びる突条部15bと、を備えている。
この構成によれば、突条部15bにより土を切りながら土中を移動して筒状部15aにおいて土壌を採取することができるため、土中を移動するときの土の抵抗が小さく土壌を円滑に採取することができる。
また、筒状部15aは、取入口16の面積と排出口17の面積とが異なっている。
この構成によれば、取入口16からの土壌の取り入れと排出口17からの土壌の排出のバランスを調整することができる。
また、取入口16の面積は排出口17の面積よりも小さい。
この構成によれば、排出口17から土壌が円滑に排出されるため、筒状部15a内に土壌が詰まることを効果的に防ぐことができる。
また、取入口16の面積は排出口17の面積よりも大きい。
この構成によれば、取入口16から筒状部15a内に土壌を円滑に取り入れることができる。
また、突条部15bは、前端部よりも前方に突出する突出部15b3を有している。
この構成によれば、土壌採取具(採取管)15が土中を移動するときに、筒状部15aの前方で突出部15b3により土を切りながら移動することができるため、土の抵抗を減少させて円滑に移動することが可能となる。
また、突出部15b3の前端が鋭角状に尖っている。
この構成によれば、突出部15b3の前端を土壌に食い込ませながら移動することができるため、土の抵抗を大きく減少させて円滑に移動することが可能となる。
また、突条部15bの下端が鋭角状に尖っている。
この構成によれば、突条部15bの下端で土壌を切りながら移動することができるため、土の抵抗を大きく減少させて円滑に移動することが可能となる。
また、筒状部15aは、取入口16を構成する第1筒状部15a1と、排出口17を構成する第2筒状部15a2とを含み、第1筒状部15a1の開口面積は第2筒状部15a2の開口面積よりも小さい。
この構成によれば、排出口17から土壌が円滑に排出されるため、筒状部15a内に土壌が詰まることを効果的に防ぐことができる。また、筒状部15aが2つの筒状部から構成されることによって強度が向上する。
また、筒状部15aは、取入口16側から排出口17側に向けて次第に内径が変化するテーパ部15cを有している。
この構成によれば、取入口16と排出口17の内径を異ならせることができるとともに、内径が異なる取入口16から排出口17への土壌の流通を円滑化することができる。
また、筒状部15aは、取入口16から取り入れられた土壌を取り出すための取出口18を有し、取入口16は移動方向前方を向いて開口し、取出口18は移動方向と交差する方向を向いて開口している。
この構成によれば、取入口16から筒状部15aに取り入れられた土壌のうち取出口18に面した位置にある土壌のみを押し出し具60にて押し出して取り出すことができる。そのため、筒状部15a内に土壌が十分に充填されていない場合であっても、一定量の土壌を正確に採取することが可能となる。
また、上記土壌採取具15を備えた土壌採取装置1によれば、土壌採取具15が土中を移動するときの土の抵抗を減少させて土壌を円滑に採取することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 土壌採取装置
15 土壌採取具(採取管)
15a 筒状部
15a1 第1筒状部
15a2 第2筒状部
15b 突条部
15b3 突出部
15c テーパ部
16 取入口
17 排出口
18 取出口

Claims (11)

  1. 土中にて移動して土壌を採取する土壌採取具であって、
    移動方向前方に配置される前端部に土壌を取り入れ可能な取入口を有し、後端部に前記取入口から取り入れた土壌を排出可能な排出口を有する筒状部と、
    前記筒状部の外面に前記筒状部の外径よりも狭い幅で突設され且つ前記前端部から前記後端部にわたって延びる突条部と、
    を備えている土壌採取具。
  2. 前記筒状部は、前記取入口の面積と前記排出口の面積とが異なっている請求項1に記載の土壌採取具。
  3. 前記取入口の面積は、前記排出口の面積よりも小さい請求項2に記載の土壌採取具。
  4. 前記取入口の面積は、前記排出口の面積よりも大きい請求項2に記載の土壌採取具。
  5. 前記突条部は、前記前端部よりも前方に突出する突出部を有している請求項1~4のいずれか1項に記載の土壌採取具。
  6. 前記突出部の前端が鋭角状に尖っている請求項5に記載の土壌採取具。
  7. 前記突条部の下端が鋭角状に尖っている請求項1~5のいずれか1項に記載の土壌採取具。
  8. 前記筒状部は、前記取入口を構成する第1筒状部と、前記排出口を構成する第2筒状部とを含み、
    前記第1筒状部の開口面積は、前記第2筒状部の開口面積よりも小さい請求項2又は3に記載の土壌採取具。
  9. 前記筒状部は、前記取入口側から前記排出口側に向けて次第に内径が変化するテーパ部を有している請求項2又は3に記載の土壌採取具。
  10. 前記筒状部は、前記取入口から取り入れられた土壌を取り出すための取出口を有し、
    前記取入口は前記移動方向前方を向いて開口し、前記取出口は前記移動方向と交差する方向を向いて開口している請求項1~9のいずれか1項に記載の土壌採取具。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の土壌採取具を備えた土壌採取装置。
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