JP7098478B2 - 圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサ - Google Patents

圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサ Download PDF

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Description

本発明は、圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサに関する。
携帯電話等の無線端末の高周波回路用のフィルタおよびマルチプレクサとして圧電薄膜共振器を用いたフィルタおよびマルチプレクサが広く使用されている。圧電薄膜共振器は、圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する構造を有している。圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する領域が共振領域である。共振領域の周縁の圧電層を厚くすることでスプリアスを抑制することが知られている(例えば特許文献1)。共振領域内の温度補償膜の厚さを異ならせ、共振領域内での共振周波数のずれを低減するために圧電層の厚さを異ならせることが知られている(例えば特許文献2)。
特開2005-159402号公報 特開2008-219237号公報
反共振周波数を低くするため圧電薄膜共振器に並列にキャパシタを接続することがある。しかし、圧電薄膜共振器にキャパシタを設けると大型化してしまう。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、小型化することを目的とする。
本発明によれば、基板と、前記基板上に設けられた下部電極と、前記下部電極上に設けられた上部電極と、前記下部電極上に設けられ、前記下部電極と前記上部電極とが対向する共振領域内に第1領域および第2領域を有し、前記第1領域の第1厚さは前記第2領域の第2厚さと異なり、前記第2厚さは前記第1厚さの2/3倍以上かつ4/3倍以下であり、前記第2領域の平面視の面積は前記共振領域の平面視の面積の1/3倍以下である圧電膜と、を備える圧電薄膜共振器である。
上記構成において、前記第2厚さは前記第1厚さより小さい構成とすることができる。
上記構成において、前記第2厚さは前記第1厚さより大きい構成とすることができる。
上記構成において、前記圧電膜を伝搬する弾性波を反射し前記下部電極以下に位置する下部反射面と、前記弾性波を反射し前記上部電極以上に位置する上部反射面と、を備え、前記第1領域における前記下部反射面と前記上部反射面との間の第1距離と、前記第2領域における前記下部反射面と前記上部反射面との間の第2距離と、の差は、前記第1厚さと前記第2厚さとの差と等しい構成とすることができる。
本発明は、第1端子と、第2端子と、前記第1端子と前記第2端子との間の経路に直列に接続され、圧電膜の少なくとも一部を挟み一対の電極が対向する共振領域内の前記圧電膜の厚さが均一な1または複数の第1直列共振器と、前記経路に前記1または複数の第1直列共振器と直列に接続され、請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器である1または複数の第2直列共振器と、前記経路とグランドとの間に接続された1または複数の並列共振器と、を備えるフィルタである。
上記構成において、前記1または複数の第2直列共振器の少なくとも1つの反共振周波数は前記1または複数の第1直列共振器および前記1または複数の第2直列共振器の反共振周波数のなかで最も低い構成とすることができる。
本発明は、上記圧電薄膜共振器を含むフィルタである。
本発明は、上記フィルタを含むマルチプレクサである。
本発明によれば、小型化することができる。
図1(a)から図1(c)は、比較例1から3に係るフィルタの回路図である。 図2は、比較例1から3の通過特性の例を示す図である。 図3(a)および図3(b)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図および断面図である。 図4(a)および図4(b)は、実施例1の変形例1および比較例4に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図5は、実施例1、実施例1の変形例1および比較例4に係る圧電薄膜共振器の通過特性を示す図である。 図6は、圧電薄膜共振器の等価回路を示す図である。 図7(a)および図7(b)は、それぞれΔSおよびΔTに対するΔCを示す図である。 図8(a)および図8(b)は、実施例1の変形例2および3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図9は、実施例1の変形例4に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図10(a)から図10(c)は、実施例1およびその変形例における共振領域の例を示す平面図である。 図11は、実施例2に係るラダー型フィルタの平面図である。 図12は、実施例2におけるラダー型フィルタの通過特性を示す図である。 図13は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。
図1(a)から図1(c)は、比較例1から3に係るフィルタの回路図である。図1(a)に示すように、比較例1では入力端子Tinと出力端子Toutとの間に直列に直列共振器S1からS4が接続され並列に並列共振器P1からP3が接続されている。
図1(b)に示すように、比較例2では直列共振器S2に並列にキャパシタCが接続されている。図1(c)に示すように、比較例3では直列共振器S2に並列に共振器Rが接続されている。共振器Rは、直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3とは共振周波数が異なり、キャパシタとして機能する。
図2は、比較例1から3の通過特性の例を示す図である。図2に示すように、比較例1から3はバンドパスフィルタとして機能する。図2に示すように、比較例2および3では比較例1に比べ通過帯域の高周波側のスカート特性が急峻になっている。これは、直列共振器S2とキャパシタCまたは共振器Rとからなる共振回路では、共振周波数は直列共振器S2とほぼ同じであり反共振周波数が直列共振器S2より低くなるためである。
比較例2および3のように、共振器に並列にキャパシタまたは共振器を接続することで、共振回路の特性を変化させることができる。しかしながら、キャパシタCまたは共振器Rを接続すると共振回路が大型化してしまう。
図3(a)および図3(b)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図および断面図である。図3(b)は、図3(a)のA-A断面図である。
図3(a)および図3(b)に示すように、基板10上に、下部電極12が設けられている。基板10と下部電極12との間に空隙30が形成されている。下部電極12上に圧電膜14が設けられている。圧電膜14上に上部電極16が設けられている。上部電極16上に周波数調整膜20が設けられている。上部電極16および下部電極12を覆うように保護膜24が設けられている。
圧電膜14の少なくとも一部を挟み下部電極12と上部電極16とが対向する領域は共振領域50である。共振領域50は厚み縦振動モードの弾性波が共振する領域である。空隙30は平面視において共振領域50を含むように設けられている。共振領域50内の下部電極12から保護膜24は弾性波が共振する積層膜18である。弾性波は積層膜18の上面と下面とで反射する。
共振領域50内には領域52と54とが設けられている。領域54の面積は領域52の面積より小さく、例えば領域54の面積は共振領域50の面積の1/3以下である。圧電膜14の上面に凸部が設けられている。領域52の圧電膜14の厚さT1は領域54の圧電膜14の厚さT2より大きい。領域52の積層膜18の厚さT3は領域54の積層膜18の厚さT4より大きい。T3-T4はほぼT1-T2である。領域52内の圧電膜14の厚さT1は略均一であり、領域54内の圧電膜14の厚さT2は略均一であることが好ましい。
基板10は、例えばシリコン基板、サファイア基板、スピネル基板、ガラス基板または水晶基板である。圧電膜14は、例えば窒化アルミニウム基板、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板または水晶基板である。圧電膜14として窒化アルミニウム層を用いる場合、圧電性を高める元素が添加されていてもよい。
下部電極12および上部電極16は、例えばRu(ルテニウム)、Cr(クロム)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)またはイリジウム(Ir)等の単層膜またはこれらの積層膜である。
周波数調整膜20は、共振周波数を調整する膜であり、例えば下部電極12および上部電極16として例示した金属膜、または酸化シリコン膜もしくは窒化シリコン膜等の絶縁膜である。保護膜24は、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化アルミニウム膜等の絶縁膜である。
2GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器の場合、下部電極12は例えば膜厚が100nmのCr膜および膜厚が210nmのRu膜である。圧電膜14は例えば膜厚が1100nmの窒化アルミニウム膜である。上部電極16は例えば膜厚が230nmのRu膜および膜厚が50nmのCr膜である。周波数調整膜20は例えば膜厚が120nmのTi膜である。保護膜24は例えば膜厚が50nmの酸化シリコン膜である。
[実施例1の変形例1]
図4(a)は、実施例1の変形例1に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図4(a)に示すように、実施例1の変形例1では、領域54の圧電膜14の厚さT2は領域52の圧電膜14の厚さT1より大きい。これにより、領域54の積層膜18の厚さT4は領域52の積層膜18の厚さT3より大きい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[比較例4]
図4(b)は、比較例4に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図4(b)に示すように、比較例4では、共振領域50内の圧電膜14の厚さT1はほぼ均一であり、積層膜18の厚さT3はほぼ均一である。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[シミュレーション1]
実施例1、実施例1の変形例1および比較例4について通過特性をシミュレーションした。
共振領域50の面積:14000μm
領域52の面積:3200μm
厚さT1:1μm
厚さT2:0.667μm(実施例1)
1.333μm(実施例1の変形例1)
図5は、実施例1、実施例1の変形例1および比較例4に係る圧電薄膜共振器の通過特性を示す図である。図5に示すように、実施例1、実施例1の変形例1および比較例4とも共振周波数frはほぼ同じである。実施例1の反共振周波数fa1は比較例4の反共振周波数fa0より低い。実施例1の変形例1の反共振周波数fa2は比較例4の反共振周波数fa0より高い。
図6は、圧電薄膜共振器の等価回路を示す図である。圧電薄膜共振器を1ポート共振器とした場合、等価回路はmBVD(modified Butterworth Van Dyke)モデルが用いられる。図6に示すように、端子T01とT02との間に、インダクタL1、キャパシタC1および抵抗R1が直列に接続されたパスと、キャパシタCoと抵抗Roが直列に接続されたパスとが並列に接続されている。2つのパスと直列に抵抗Rsが接続されている。キャパシタCoは、1ポート共振器の静電容量である。抵抗Roは漏洩抵抗である。インダクタL1およびキャパシタC1は機械共振を示す。抵抗R1は機械的な共振抵抗である。抵抗Rsは、電極の抵抗である。
キャパシタCoは主に下部電極12と上部電極16との間の静電容量である。実施例1では、比較例4に比べ領域54の分キャパシタCoが大きくなる。図5のシミュレーションでは比較例4からのキャパシタCoの増加は0.2pFである。これにより、電気機械結合係数が低下し反共振周波数fa1がfa0より低くなる。実施例1の変形例1では、比較例4に比べ領域54の分キャパシタCoが小さくなる。図5のシミュレーションでは比較例4からのキャパシタCoの減少は0.2pFである。これにより、電気機械結合係数が増加し反共振周波数fa2がfa0より高くなる。
実施例1およびその変形例1における厚さT2を一定とし領域54の面積を変えた場合、領域54の面積を一定とし厚さT2を変えた場合についてシミュレーションした。共振領域50の面積S50に対する領域54の面積S54であるS54/S50×100[%]をΔS[%]とした。領域52の圧電膜14の厚さT1に対する領域54の厚さT2の変化量|T2-T1|/T1×100[%]をΔT[%]とした。領域54を設けない比較例4のCo(Co0)に対する実施例1または実施例1の変形例1のCo(Co1)の変化量|Co1-Co0|をΔC[pF]とした。
図7(a)および図7(b)は、それぞれΔSおよびΔTに対するΔCを示す図である。領域54を設けない比較例4のCo0は1.15pFである。図7(a)に示すように、ΔSが大きくなると、ΔCは大きくなる。図7(b)に示すように、ΔTが大きくなると、ΔCは大きくなる。ΔSおよびΔTが33%以下であれば、ΔCは0.2pF以下であり、比較例4のCo0である1.15pFの約20%以下である。
ΔSおよびΔTが大きすぎると、図6の等価回路のインダクタL1およびキャパシタC1にも影響してしまう。これにより、例えば共振周波数が変化するおよび/またはスプリアスが発生するなど反共振周波数特性以外にも影響してしまう。ΔCがCo0の20%程度以下であれば、Co以外への影響は小さいと考えられる。
そこで、実施例1およびその変形例1では、共振領域50内に領域52(第1領域)および領域54(第2領域)を有し、領域52の圧電膜14の厚さT1(第1厚さ)は領域54の圧電膜14の厚さT2(第2厚さ)と異なり、厚さT2は厚さT1の2/3倍以上かつ4/3倍以下である。領域54の平面視の面積は共振領域50の平面視の面積の1/3倍以下である。これにより、反共振周波数以外の共振器特性の変化を抑制し、かつ反共振周波数を変更できる。また、比較例2および3のように、共振器に並列にキャパシタまたは共振器を接続しないため、小型化が可能となる。
反共振周波数以外の特性の変化を抑制するため、T2はT1の3/4倍以上かつ5/4倍以下が好ましく、4/5倍以上かつ6/5倍以下がより好ましく。9/10倍以上かつ11/10倍以下がより好ましい。反共振周波数を変更するため、T2は、T1の99/100倍以下および101/100倍以上が好ましく、19/20倍以下および21/20倍以上がより好ましく、9/10倍以下および11/10倍以上がさらに好ましい。実施例1のように、T2はT1より小さくてもよいし、実施例1の変形例1のように、T2はT1より大きくてもよい。
反共振周波数以外の特性の変化を抑制するため、領域54の面積S54は、共振領域50の面積S50の1/4以下がより好ましく、1/5以下がさらに好ましい。Coを実質的に変化させるため、面積S54は、面積S50の1/100以上が好ましく、1/50以上がより好ましい。
領域52と54とで圧電膜14の厚さ以外の積層膜18の各層の厚さが異なると、反共振周波数特性以外の共振器特性が変化してしまう。そこで、積層膜18の下面は、下部電極12以下に位置し、空隙30に露出し、圧電膜14を伝搬する弾性波を反射する下部反射面として機能する。積層膜18の上面は、上部電極16以上に位置し、大気に露出し、弾性波を反射する上部反射面として機能する。領域52における下部反射面と上部反射面との間の第1距離(すなわち積層膜18厚さT3)と、領域54における下部反射面と上部反射面との間の第2距離(すなわち厚さT4)と、の差は、厚さT1とT2の差と略等しい。これにより、反共振周波数以外の共振器特性の変化を抑制できる。
[実施例1の変形例2]
図8(a)は、実施例1の変形例2に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図8(a)に示すように、実施例1の変形例2では、圧電膜14の下面に凹部が設けられている。これにより、領域54の圧電膜14の厚さT2が領域52の圧電膜14の厚さT1より小さくなっている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。圧電膜14の下面に凸部が設けられることによりT2をT1より大きくしてもよい。
[実施例1の変形例3]
図8(b)は、実施例1の変形例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図8(b)に示すように、実施例1の変形例3では、圧電膜14内に挿入膜28が設けられている。挿入膜28は、共振領域50の中央領域には設けられておらず。中央領域を囲むように共振領域50の外周に沿って設けられている。挿入膜28のヤング率および/または音響インピーダンスは圧電膜14より小さいことが好ましい。例えば圧電膜14が窒化アルミニウム膜のとき挿入膜28は酸化シリコン膜である。これにより、共振領域50から弾性波エネルギーが外部に漏洩することを抑制できる。よって、圧電薄膜共振器のQ値が向上する。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例1およびその変形例1および2に挿入膜28を設けてもよい。
[実施例1の変形例4]
図9は、実施例1の変形例4に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図9に示すように、実施例1の変形例4では、共振領域50の下部電極12下に音響反射膜31が形成されている。音響反射膜31は、音響インピーダンスの低い膜31aと音響インピーダンスの高い膜31bとが交互に設けられている。膜31aおよび31bの膜厚は例えばそれぞれほぼλ/4(λは弾性波の波長)である。膜31aと膜31bの積層数は任意に設定できる。音響反射膜31は、音響特性の異なる少なくとも2種類の層が間隔をあけて積層されていればよい。また、基板10が音響反射膜31の音響特性の異なる少なくとも2種類の層のうちの1層であってもよい。例えば、音響反射膜31は、基板10中に音響インピーダンスの異なる膜が一層設けられている構成でもよい。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1およびその変形例1から3において、実施例1の変形例4と同様に空隙30の代わりに音響反射膜31を形成してもよい。また、空隙30はドーム状でもよい。基板10の上面に窪みが形成され、窪みにより空隙30が形成されていてもよい。
実施例1およびその変形例1から3のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において空隙30が基板10と下部電極12との間に形成されているFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)でもよい。また、実施例1の変形例4のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において下部電極12下に圧電膜14を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜31を備えるSMR(Solidly Mounted Resonator)でもよい。共振領域50を含む音響反射層は、空隙30または音響反射膜31を含めばよい。
図10(a)から図10(c)は、実施例1およびその変形例における共振領域の例を示す平面図である。図10(a)に示すように、共振領域50の平面形状は楕円形状であり、領域54の平面形状は5角形状である。領域54は共振領域50の中心56(例えば重心)を含む。図10(b)に示すように、共振領域50の平面形状は四角形状であり、領域54の平面形状は楕円形状である。領域54は共振領域50の中心56を含まない。図10(c)に示すように、共振領域50の平面形状は五角形状であり、領域54の平面形状は四角形状である。領域54は共振領域50の中心56を含まない。
共振領域50および領域54の平面形状は楕円形状または多角形状でもよい。領域54は平面視において共振領域50の中心56を含んでもよいし含まなくてもよい。
図11は、実施例2に係るラダー型フィルタの平面図である。図11に示すように、基板10上に圧電薄膜共振器および配線22が設けられている。圧電薄膜共振器は、直列共振器S1からS6および並列共振器P1からP3を含む。配線22は、圧電薄膜共振器を接続する。また、配線22は入力パッドPin、出力パッドPoutおよびグランドパッドPgndを含む。入力パッドPin、出力パッドPoutおよびグランドパッドPgndは、それぞれ入力端子、出力端子およびグランド端子に電気的に接続されている。直列共振器S1からS6は、入力パッドPinと出力パッドPoutとの間の経路に直列に接続されている。並列共振器P1からP3は、一端が入力パッドPinと出力パッドPoutとの間の経路に配線22を介し電気的に接続され、他端がグランドパッドPgndと配線22を介し電気的に接続されている。
直列共振器S4以外の共振器の共振領域50には領域54は設けられておらず、比較例4の圧電薄膜共振器である。直列共振器S4の共振領域50には領域54が設けられた実施例1または実施例1の変形例1の圧電薄膜共振器である。なお、直列共振器および並列共振器の個数は適宜設定できる。
[シミュレーション2]
シミュレーション1と同様の条件を用い実施例2のラダー型フィルタの通過特性をシミュレーションした。図12は、実施例2におけるラダー型フィルタの通過特性を示す図である。太い実線は実施例2のフィルタの通過特性である。細い実線は直列共振器S4の通過特性であり、その他の線はS4以外の直列共振器S1からS3、S5およびS6の通過特性である。図12に示すように、直列共振器S1からS6の中で直列共振器S4の反共振周波数が最も低い。フィルタの通過帯域の高周波側のスカートは直列共振器S4の共振周波数と反共振周波数との間の通過特性に主に依存する。そこで、直列共振器S4に領域54を設けることで、高周波側のスカート特性を所望の特性とすることができる。直列共振器S4以外の共振器はスカート特性に寄与しない。そこで、直列共振器S4以外の共振器には領域54を設けない。これにより、共振領域50の面積が小さくなりフィルタを小型化できる。
実施例2によれば、1または複数の直列共振器S1からS3、S5およびS6(第1直列共振器)は、入力端子(第1端子)と出力端子(第2端子)との間の経路に直列に接続され、圧電膜14の少なくとも一部を挟み下部電極12と上部電極16(一対の電極)が対向する共振領域50内の圧電膜14の厚さT1が略均一である。1または複数の直列共振器S4(第2直列共振器)は、直列共振器S1からS3、S5およびS6と直列に接続され、実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器である。これにより、領域54の面積および/または圧電膜14の厚さを適宜選択することによりフィルタ特性を所望の特性とすることができる。
1または複数の直列共振器S4の少なくとも1つの反共振周波数は直列共振器S1からS6の反共振周波数のなかで最も低い。これにより、通過帯域の高周波側のスカートの急峻性を所望の特性とすることができる。
実施例2では、ラダー型フィルタを例に説明したが、実施例1およびその変形例を用いるフィルタは他のタイプのフィルタでもよい。
[実施例2の変形例1]
図13は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。図13に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例2のフィルタとすることができる。
送信フィルタ40および受信フィルタ42のうち通過帯域の低い方のフィルタに実施例2のフィルタを用いることが好ましい。これにより、ガードバンド側のスカート特性を急峻にできる。マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したがトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 下部電極
14 圧電膜
16 上部電極
18 積層膜
20 周波数調整膜
22 配線
24 保護膜
28 挿入膜
30 空隙
40 送信フィルタ
42 受信フィルタ
50 共振領域
52、54 領域

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた下部電極と、
    前記下部電極上に設けられた上部電極と、
    前記下部電極上に設けられ、前記下部電極と前記上部電極とが対向する共振領域内に第1領域および第2領域を有し、前記第1領域の第1厚さは前記第2領域の第2厚さと異なり、前記第2厚さは前記第1厚さの2/3倍以上かつ4/3倍以下であり、前記第2領域の平面視の面積は前記共振領域の平面視の面積の1/3倍以下である圧電膜と、
    を備える圧電薄膜共振器。
  2. 前記第2厚さは前記第1厚さより小さい請求項1に記載の圧電薄膜共振器。
  3. 前記第2厚さは前記第1厚さより大きい請求項1に記載の圧電薄膜共振器。
  4. 前記圧電膜を伝搬する弾性波を反射し前記下部電極以下に位置する下部反射面と、
    前記弾性波を反射し前記上部電極以上に位置する上部反射面と、を備え、
    前記第1領域における前記下部反射面と前記上部反射面との間の第1距離と、前記第2領域における前記下部反射面と前記上部反射面との間の第2距離と、の差は、前記第1厚さと前記第2厚さとの差と等しい請求項1から3のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
  5. 第1端子と、
    第2端子と、
    前記第1端子と前記第2端子との間の経路に直列に接続され、圧電膜の少なくとも一部を挟み一対の電極が対向する共振領域内の前記圧電膜の厚さが均一な1または複数の第1直列共振器と、
    前記経路に前記1または複数の第1直列共振器と直列に接続され、請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器である1または複数の第2直列共振器と、
    前記経路とグランドとの間に接続された1または複数の並列共振器と、
    を備えるフィルタ。
  6. 前記1または複数の第2直列共振器の少なくとも1つの反共振周波数は前記1または複数の第1直列共振器および前記1または複数の第2直列共振器の反共振周波数のなかで最も低い請求項5に記載のフィルタ。
  7. 請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器を含むフィルタ。
  8. 請求項5から7のいずれか一項に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
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