JP2018182455A - 弾性波フィルタおよびマルチプレクサ - Google Patents

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Tsuyoshi Yokoyama
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Abstract

【課題】弾性波フィルタにおけるフィルタ特性の劣化を抑制すること。【解決手段】本発明は、1または複数の弾性波共振器と、前記1または複数の弾性波共振器に接続され、基板10上に設けられ窒化アルミニウムを主成分とし窒素およびアルミニウム以外の添加元素を含む第1圧電膜14と、前記第1圧電膜14の少なくとも一部を挟んで対向した第1下部電極12および第1上部電極16と、を備えたキャパシタC1と、を具備する弾性波フィルタである。【選択図】図3

Description

本発明は、弾性波フィルタおよびマルチプレクサに関し、例えばキャパシタを有する弾性波フィルタおよびマルチプレクサに関する。
携帯電話等の無線端末や高周波回路用のフィルタおよびマルチプレクサとして圧電薄膜共振器等の弾性波共振器が用いられる。圧電薄膜共振器では、下部電極と上部電極とが圧電膜を挟み対向する。MIM(Metal Insulator Metal)キャパシタでは、下部電極と上部電極とが誘電体膜を挟み対向する。
圧電膜を有する圧電薄膜共振器と誘電体膜を有するMIMキャパシタを同じ基板上に設けることが知られている(例えば特許文献1)。圧電薄膜共振器の圧電膜にアルミニウムスカンジウム窒化物を用いることが知られている(例えば特許文献2)。
特開2005−136588号公報 特開2015−165659号公報
窒化アルミニウム膜を誘電体膜としたMIMキャパシタでは、共振周波数付近にノイズまたは不要応答が生成される。このようなキャパシタと弾性波共振器とを有するフィルタでは、ノイズまたは不要応答がフィルタ特性に影響し、フィルタ特性が劣化してしまう。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、フィルタ特性の劣化を抑制することを目的とする。
本発明は、1または複数の弾性波共振器と、前記1または複数の弾性波共振器に接続され、基板上に設けられ窒化アルミニウムを主成分とし窒素およびアルミニウム以外の添加元素を含む第1圧電膜と、前記第1圧電膜の少なくとも一部を挟んで対向した第1下部電極および第1上部電極と、を備えたキャパシタと、を具備する弾性波フィルタである。
上記構成において、前記添加元素は、窒化アルミニウムのアルミニウムサイトに置換されている構成とすることができる。
上記構成において、前記添加元素は、3族元素、2族元素もしくは12族元素と4族元素との組み合わせ、または、2族元素もしくは12族元素と5族元素との組み合わせである構成とすることができる。
上記構成において、前記1または複数の弾性波共振器は、各々、前記キャパシタが設けられた基板上に設けられ窒化アルミニウムを主成分とし前記第1圧電膜と同じ添加元素を含む第2圧電膜と、前記第2圧電膜の少なくとも一部を挟んで対向した第2下部電極および第2上部電極と、を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記1または複数の弾性波共振器は、入力端子と出力端子との間に直列に接続された直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された並列共振器と、を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記1または複数の弾性波共振器は、入力端子と出力端子との間に直列に接続された直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された並列共振器と、を含み、前記キャパシタは、前記第1圧電膜を挟み前記第1下部電極と前記第1上部電極とが対向するキャパシタ領域において前記第1圧電膜、前記第1下部電極および前記第1上部電極を含む第1積層膜を備え、前記直列共振器および前記並列共振器は、各々、前記キャパシタが設けられた基板上に設けられ窒化アルミニウムを主成分とし前記第1圧電膜と同じ添加元素を含む第2圧電膜と、前記第2圧電膜の少なくとも一部を挟んで対向した第2下部電極および第2上部電極と、前記第2圧電膜を挟み前記第2下部電極と前記第2上部電極とが対向する共振領域において前記第2圧電膜、前記第2下部電極および前記第2上部電極を含む第2積層膜と、を備え、前記第1積層膜の膜厚は、前記直列共振器の前記第2積層膜より薄い、または前記並列共振器の前記第2積層膜より厚い構成とすることができる。
上記構成において、前記第1圧電膜と前記第2圧電膜との膜厚は実質的に同じである構成とすることができる。
上記構成において、前記第1圧電膜を挟み前記第1下部電極と前記第1上部電極とが対向するキャパシタ領域の面積は、前記直列共振器および前記並列共振器における、前記第2圧電膜を挟み前記第2下部電極と前記第2上部電極とが対向する共振領域の各々の面積より小さい構成とすることができる。
上記構成において、前記キャパシタ領域の面積は、前記直列共振器および前記並列共振器の共振器のうち、最も小さい共振領域の面積を1としたとき、0.5以下である構成とすることができる。
上記構成において、前記キャパシタの共振周波数は前記直列共振器の反共振周波数より高い、または前記キャパシタの反共振周波数は前記並列共振器の共振周波数より低い構成とすることができる。
上記構成において、前記第1下部電極と前記基板との間または前記第1下部電極下の前記基板内に、空隙、または音響特性の異なる少なくとも2種類の層が積層された音響反射膜、を含む音響反射層が設けられている構成とすることができる。
本発明は、上記弾性波フィルタを含むマルチプレクサである。
本発明によれば、フィルタ特性の劣化を抑制することができる。
図1(a)は、実施例1に係るフィルタの回路図、図1(b)は、実施例1の通過特性を示す模式図である。 図2は、実施例1に係るフィルタの平面図である。 図3(a)は、実施例1における直列共振器およびキャパシタの断面図、図3(b)は、実施例1における並列共振器およびキャパシタの断面図である。 図4(a)および図4(b)は、窒化アルミニウム内のMgとHfの合計濃度に対するそれぞれキャパシタの容量および面積を示す図である。 図5(a)および図5(b)は、窒化アルミニウム内のScの濃度に対するそれぞれキャパシタの容量および面積を示す図である。 図6は、実施例1におけるキャパシタの通過特性を示す図である。 図7(a)は、実施例1の変形例1に係るフィルタの回路図、図7(b)は、実施例1の変形例1の通過特性を示す模式図である。 図8は、実施例1の変形例2における直列共振器とキャパシタの断面図である。 図9(a)および図9(b)は、実施例1の変形例3および4に係る直列共振器およびキャパシタの断面図である。 図10は、実施例2に係るデュプレクサの回路図である。
以下図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1に係るフィルタの回路図、図1(b)は、実施例1の通過特性を示す模式図である。図1(a)に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に直列共振器S1からS4が直列に接続さている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に並列共振器P1からP3が並列に接続さている。キャパシタC1は直列共振器S1に並列に接続されている。インダクタL1は、並列共振器P1からP3のそれぞれのグランド側の端子とグランドとの間に接続されている。インダクタL1は、通過特性に減衰極を形成するためのインダクタである。
図1(b)において、実施例1に係るラダー型フィルタの通過特性を実線、キャパシタC1が設けられていないラダー型フィルタの通過特性を破線で示す。実施例1に係るフィルタは通過帯域Passを有するバンドパスフィルタとして機能する。直列共振器S1からS4の共振周波数frsは通過帯域Pass内、反共振周波数fasは通過帯域Passより高周波側の減衰域に位置する。並列共振器P1からP3の共振周波数frpは通過帯域Passより低周波側の減衰域に、反共振周波数fapは通過帯域Pass内に位置する。キャパシタC1を直列共振器S1からS4の少なくとも1つに並列に接続することにより、高周波側のスカート特性を急峻にできる。
図2は、実施例1に係るフィルタの平面図である。図2に示すように、直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3並びにキャパシタC1が設けられている。直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3並びにキャパシタC1の間は下部電極12および上部電極16により接続されている。入力端子Tin、出力端子Toutおよびグランド端子Tgndに対応するパッドは下部電極12および上部電極16により形成されている。
図3(a)は、実施例1における直列共振器およびキャパシタの断面図、図3(b)は、実施例1における並列共振器およびキャパシタの断面図である。図3(a)に示すように、シリコン(Si)基板10上に下部電極12が設けられている。基板10の上面には窪みが設けられ、基板10と下部電極12との間には空隙30が形成されている。下部電極12は下層12aと上層12bとを含んでいる。下層12aは例えばCr(クロム)膜であり、上層12bは例えばRu(ルテニウム)膜である。
下部電極12上に、(002)方向を主軸とする窒化アルミニウム(AlN)を主成分とし添加元素を含む圧電膜14が設けられている。圧電膜14を挟み下部電極12と対向するように圧電膜14上に上部電極16が設けられている。上部電極16は下層16aおよび上層16bを含んでいる。下層16aは例えばRu膜であり、上層16bは例えばCr膜である。上部電極16上に配線層22が形成されている。配線層22は例えばAu(金)膜である。
直列共振器Sにおいて圧電膜14の少なくとも一部を挟み下部電極12と上部電極16とが対向する領域が共振領域50である。キャパシタC1において圧電膜14の少なくとも一部を挟み下部電極12と上部電極16とが対向する領域がキャパシタ領域52である。キャパシタ領域52内の圧電膜14はMIMキャパシタの誘電体膜として機能する。共振領域50およびキャパシタ領域52はそれぞれ平面視において空隙30に含まれる。
直列共振器Sでは共振領域50に配線層22が設けられていない。キャパシタC1ではキャパシタ領域52に配線層22が設けられている。直列共振器Sの共振領域50における積層膜18は下部電極12、圧電膜14および上部電極16であり、キャパシタC1のキャパシタ領域52における積層膜18は、下部電極12、圧電膜14、上部電極16および配線層22となる。共振領域50内の積層膜18は、厚み縦振動モードの弾性波が共振する。積層膜18は、上部電極16上に保護膜または周波数調整膜を含んでもよい。
図3(b)に示すように、並列共振器Pでは、直列共振器Sと比較し、上部電極16の下層16aと上層16bとの間に質量負荷膜20が設けられている。質量負荷膜20は例えばTi(チタン)膜である。よって、積層膜18は直列共振器Sの積層膜に加え、共振領域50内の全面に形成された質量負荷膜20を含む。直列共振器Sと並列共振器Pとの共振周波数の差は、質量負荷膜20の膜厚を用い調整する。その他の構成は直列共振器Sの図3(a)と同じであり説明を省略する。
2GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器の場合、下部電極12の下層12aおよび上層12bは、それぞれ膜厚が100nmのCr膜および膜厚が250nmのRu膜である。圧電膜14は膜厚が1100nmのAlN膜である。上部電極16の下層16aおよび上層16bは、膜厚が250nmのRu膜および膜厚が50nmのCr膜である。質量負荷膜20は膜厚が120nmのTi膜である。配線層22は膜厚が600nmのAu膜である。各層の膜厚は、所望の共振特性を得るため適宜設定することができる。
基板10としては、Si基板以外に、サファイア基板、スピネル基板、アルミナ基板、石英基板、ガラス基板、セラミック基板またはGaAs基板等を用いることができる。下部電極12および上部電極16としては、RuおよびCr以外にもAl(アルミニウム)、Ti、Cu(銅)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Pt(白金)、Rh(ロジウム)またはIr(イリジウム)等の単層膜またはこれらの積層膜を用いることができる。例えば、上部電極16の下層16aをRu、上層16bをMoとしてもよい。
質量負荷膜20は、上部電極16の層間(下層16aと上層16bとの間)以外にも、下部電極12の下、下部電極12の層間、上部電極16の上、下部電極12と圧電膜14との間または圧電膜14と上部電極16との間に形成することができる。質量負荷膜20は、共振領域50を含むように形成されていれば、共振領域50より大きくてもよい。
圧電膜14の窒化アルミニウムに含まれる添加元素としては、例えば3族元素、2族元素もしくは12族元素と4族元素、または2族元素もしくは12族元素と5族元素である。3族元素は例えばSc(スカンジウム)、2族元素は例えばCa(カルシウム)、Mg(マグネシウム)またはSr(ストロンチウム)、12族元素は例えばZn(亜鉛)、4族の元素は、例えばTi、Zr(ジルコニウム)またはHf(ハフニウム)、5族の元素は、例えばTa、Nb(ニオブ)またはV(バナジウム)である。なお族名はIUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)の表記による。
これらの元素が窒化アルミニウム内でアルミニウムに置換すると、窒化アルミニウムは圧電性および誘電率が向上する。よって、圧電薄膜共振器の電気機械結合係数が向上する。また、キャパシタの静電容量が向上する。
MgとHgを原子組成比1:1で添加した窒化アルミニウムおよびScを添加した窒化アルミニウムを作製し誘電率を測定した。窒化アルミニウムはスパッタリング法を用い形成し、(002)方向に配向した多結晶である。測定した誘電率からキャパシタの静電容量およびキャパシタ面積を算出した。
図4(a)および図4(b)は、窒化アルミニウム内のMgとHfの合計濃度に対するそれぞれキャパシタの容量および面積を示す図である。キャパシタの容量は、同じ面積のキャパシタについて算出し、MgとHfの合計濃度が0重量%のときを1とした。キャパシタの面積は、同じ静電容量を有するキャパシタについて算出し、MgとHfの合計濃度が0重量%のときを1とした。
図4(a)に示すように、MgとHfの合計濃度が大きくなるとキャパシタの静電容量が大きくなる。図4(b)に示すように、MgとHfの合計濃度が大きくなるとキャパシタの面積が小さくなる。MgとHfの合計濃度が5重量%および10重量%以上となるとキャパシタの面積はそれぞれ5%および10%以上小さくなる。
図5(a)および図5(b)は、窒化アルミニウム内のScの濃度に対するそれぞれキャパシタの容量および面積を示す図である。キャパシタの容量および面積の算出方法はMgとHfの合計濃度の場合と同じである。
図5(a)に示すように、Scの濃度が大きくなるとキャパシタの静電容量が大きくなる。図5(b)に示すように、Scの濃度が大きくなるとキャパシタの面積が小さくなる。Siの濃度が5重量%、10重量%および15重量%以上となるとキャパシタの面積はそれぞれ10%、20%および30%以上小さくなる。
以上のように、窒化アルミニウムに添加元素を添加することにより、窒化アルミニウムの誘電率が高くなり、キャパシタの面積を小さくできる。
2GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器として例示した材料等を用い作製した窒化アルミニウムを誘電体膜としたキャパシタについて、平面視においてキャパシタ領域52が空隙30に含まれるキャパシタと、下部電極12下に空隙30が設けられていないキャパシタについて通過特性を測定した。
図6は、実施例1におけるキャパシタの通過特性を示す図である。frおよびfaはそれぞれ空隙30を有するキャパシタの共振周波数および反共振周波数である。図6に示すように、空隙30を有さないキャパシタでは共振周波数frおよび反共振周波数fa付近で大きなノイズが観測される。空隙30を有するキャパシタでは共振周波数frおよび反共振周波数fa付近に不要応答が観察される。
実施例1に係る弾性波フィルタは、1または複数の弾性波共振器(直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3)と弾性波共振器に電気的に接続されたキャパシタC1とを備えている。キャパシタC1は、基板10上に設けられ窒化アルミニウムを主成分とし窒素およびアルミニウム以外の添加元素を含む圧電膜14(第1圧電膜)と、圧電膜14の少なくとも一部を挟んで対向した下部電極12(第1下部電極)および上部電極16(第1上部電極)と、を備える。
窒化アルミニウムを主成分とする圧電膜14を誘電体膜とするMIMキャパシタは、図6のように、ノイズまたは不要応答が生じる。このようなノイズはフィルタ特性を劣化させる。そこで、窒化アルミニウムに添加元素を添加する。これにより、キャパシタC1の面積を小さくできる。よって、キャパシタC1に起因したノイズまたは不要応答が小さくなり、フィルタ特性の劣化を抑制できる。
添加元素は、窒化アルミニウムのアルミニウムサイトに置換されていることが好ましい。これにより、窒化アルミニウムの誘電率を向上できる。窒化アルミニウムは、結晶化していることが好ましく、(002)方向に配向していることが好ましい。
添加元素は、3族元素、2族元素もしくは12族元素と4族元素との組み合わせ、または、2族元素もしくは12族元素と5族元素との組み合わせであることが好ましい。これにより、窒化アルミニウムの誘電率を向上できる。
キャパシタC1に電気的に接続される弾性波共振器は弾性表面波共振器でもよいが、弾性波共振器は、キャパシタC1が形成された基板10上に形成された圧電薄膜共振器であることが好ましい。さらに、弾性波共振器とキャパシタC1とは同時に形成された圧電膜14を有することが好ましい。すなわち、弾性波共振器は、各々、キャパシタC1が設けられた基板10上に設けられ窒化アルミニウムを主成分とし第1圧電膜と同じ添加元素を同じ濃度に含む圧電膜14(第2圧電膜)と、圧電膜14の少なくとも一部を挟んで対向した下部電極12(第2下部電極)および上部電極16(第2上部電極)と、を備える。
これにより、弾性波共振器とキャパシタC1との圧電膜14を同時に形成できるため、製造工程を削減できる。弾性波共振器の圧電膜14として用いられる窒化アルミニウムをキャパシタC1の誘電体膜として用いると、図6のようにノイズまたは不要応答が生じる。窒化アルミニウムに添加元素を添加することで、キャパシタC1の面積を小さくでき、図6のようなノイズおよび不要応答を抑制できる。
実施例1では、1または複数の弾性波共振器が、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に直列に接続された1または複数の直列共振器S1からS4と、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に並列に接続された並列共振器P1からP3と、を含む。このようなラダー型フィルタでは、図1(b)の通過帯域Pass内にキャパシタC1のノイズまたは不要応答が重なるとフィルタ特性が劣化する。
図1(b)のように、直列共振器S1からS4は通過帯域Passの高周波側に反共振周波数fasを有する。そこで、キャパシタC1の積層膜18(第1積層膜)を、直列共振器S1からS4の積層膜18(第2積層膜)より薄くする。これにより、キャパシタC1の共振周波数frおよび反共振周波数faは通過帯域Passより外側に位置する可能性が高くなる。例えばキャパシタC1の共振周波数frを直列共振器S1からS4の反共振周波数fasより高くすると、キャパシタC1の共振周波数frおよび反共振周波数faは通過帯域Passの外側となる。以上により、通過帯域PassにキャパシタC1で生成されるノイズまたは不要応答が重なることを抑制できる。
または、並列共振器P1からP3は通過帯域Passの低周波側に共振周波数frpおよび反共振周波数fapを有する。よって、キャパシタC1の積層膜18を、並列共振器P1からP3の積層膜18より厚くする。これにより、キャパシタC1の共振周波数frおよび反共振周波数faは通過帯域Passより外側に位置する可能性が高くなる。例えばキャパシタC1の反共振周波数faを並列共振器P1からP3の共振周波数frより低くする。これにより、キャパシタC1の共振周波数frおよび反共振周波数faは通過帯域Passの外側となる。以上により、通過帯域PassにキャパシタC1で生成されたノイズまたは不要応答が重なることを抑制できる。
直列共振器S1からS4の積層膜18の厚さは、直列共振器S1からS4の積層膜18の厚さの平均でもよい。キャパシタC1の積層膜18の膜厚は直列共振器S1からS4の積層膜18の膜厚の0.9倍以下が好ましく、0.8倍以下がより好ましい。キャパシタC1の積層膜18の膜厚は並列共振器P1からP4の積層膜18の膜厚の1.1倍以上が好ましく、1.2倍以上がより好ましい。キャパシタC1の共振周波数frは直列共振器S1からS4の反共振周波数fasの1.1倍以上が好ましく1.2倍以上がより好ましく、2倍以上がさらに好ましい。キャパシタC1の反共振周波数faは並列共振器P1からP3の共振周波数frの0.9倍以下が好ましく0.8倍以下がより好ましく、0.5倍以下がさらに好ましい。
キャパシタC1と弾性波共振器とで圧電膜14の膜厚を異ならせようとすると、圧電膜14をエッチングすることになり、圧電膜14の膜質が劣化しやすくなる。そこで、キャパシタC1の圧電膜14と弾性波共振器の圧電膜14との膜厚を製造ばらつき程度に実質的に同じとする。実施例1のように、キャパシタC1のキャパシタ領域52内の上部電極16上に付加膜として配線層22を設ける。これにより、圧電膜14の劣化を抑制しかつ通過帯域Passにノイズまたは不要応答が重なることを抑制できる。付加膜は、上部電極16の上、上部電極16内、上部電極16と圧電膜14との間、圧電膜14と下部電極12との間、下部電極12内、および下部電極12下の少なくとも一か所に設けることができる。付加膜の材料は、下部電極12および上部電極16内の少なくとも一層と同じ材料でもよい。
キャパシタ領域52の面積は、直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3における、共振領域50の各々の面積より小さいことが好ましい。これにより、通過帯域Passに重なるノイズまたは不要応答をより抑制できる。キャパシタ領域52の面積は、直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3の最も小さい共振領域50の面積の0.5倍以下が好ましく、0.1倍以下がより好ましい。
[実施例1の変形例1]
図7(a)は、実施例1の変形例1に係るフィルタの回路図、図7(b)は、実施例1の変形例1の通過特性を示す模式図である。図7(a)に示すように、キャパシタC1は並列共振器P1に並列に接続されている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
図7(b)に示すように、キャパシタC1を並列共振器P1からP3の少なくとも1つに並列に接続することにより、低周波側のスカート特性を急峻にできる。
実施例1およびその変形例1のように、キャパシタC1は、直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3の少なくとも1つに並列および/または直列に接続されていればよい。ラダー型フィルタの直列共振器および並列共振器の数は任意に設定できる。さらに、フィルタは多重モードフィルタを含んでもよい。
[実施例1の変形例2]
図8は、実施例1の変形例2における直列共振器とキャパシタの断面図である。図8に示すように、キャパシタC1のキャパシタ領域52に配線層22は設けられていない。キャパシタ領域52における圧電膜14の膜厚は共振領域50における圧電膜14の膜厚より小さい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1の変形例2のように、キャパシタおよび弾性波共振器の積層膜18の膜厚を異ならせるため、圧電膜14の膜厚を異ならせてもよい。
[実施例1の変形例3]
図9(a)は、実施例1の変形例3に係る直列共振器およびキャパシタの断面図である。図9(a)に示すように、基板10の上面は平坦であり、共振領域50およびキャパシタ領域52において基板10と下部電極12との間にドーム状の空隙30が形成されている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。空隙30は、基板10を貫通するように形成されていてもよい。
[実施例1の変形例4]
図9(b)は、実施例1の変形例4に係る直列共振器およびキャパシタの断面図である。図9(b)に示すように、共振領域50およびキャパシタ領域52の下部電極12下に音響反射膜31が形成されている。音響反射膜31は、音響インピーダンスの低い膜30aと音響インピーダンスの高い膜30bとが交互に設けられている。膜30aおよび30bの膜厚は例えばそれぞれほぼλ/4(λは弾性波の波長)である。膜30aと膜30bの積層数は任意に設定できる。音響反射膜31は、音響特性の異なる少なくとも2種類の層が間隔をあけて積層されていればよい。また、基板10が音響反射膜31の音響特性の異なる少なくとも2種類の層のうちの1層であってもよい。例えば、音響反射膜31は、基板10中に音響インピーダンスの異なる膜が一層設けられている構成でもよい。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1およびその変形例1および2において、実施例1の変形例3と同様に空隙30を形成してもよく、実施例1の変形例4と同様に空隙30の代わりに音響反射膜31を形成してもよい。
実施例1およびその変形例1から3のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において空隙30が基板10と下部電極12との間、または下部電極12下の基板10内に形成されているFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)でもよい。また、実施例1の変形例4のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において下部電極12下に圧電膜14を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜31を備えるSMR(Solidly Mounted Resonator)でもよい。
キャパシタ領域52において下部電極12と基板10との間または下部電極12下の基板10内に、空隙30、または音響特性の異なる少なくとも2種類の層が積層された音響反射膜31、を含む音響反射層が設けられていることが好ましい。これにより、図6の空隙ありのキャパシタのように、ノイズを小さくできる。
実施例1およびその変形例において、共振領域50およびキャパシタ領域52が楕円形状の例を説明したが、他の形状でもよい。例えば、共振領域50およびキャパシタ領域52は、正方形以外の四角形または五角形等の多角形でもよい。共振領域50内の圧電膜14に酸化シリコン膜等の絶縁膜または金属膜が挿入されていてもよい。
実施例2はデュプレクサの例である。図10は、実施例2に係るデュプレクサの回路図である。図10に示すように、デュプレクサは、送信フィルタ40および受信フィルタ42を備えている。送信フィルタ40は、共通端子Antと送信端子Txとの間に接続されている。受信フィルタ42は、共通端子Antと受信端子Rxとの間に接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。
送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方に実施例1およびその変形例のフィルタを用いる。これにより、窒化アルミウムを主成分とする誘電体膜を用いたキャパシタC1を用いてもキャパシタC1に起因するノイズまたは不要応答の影響を小さくし、フィルタ特性の劣化を抑制できる。マルチプレクサの例としてデュプレクサを説明したが、マルチプレクサは、トライプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 下部電極
14 圧電膜
16 上部電極
20 質量負荷膜
22 配線層
30 空隙
31 音響反射膜
40 送信フィルタ
42 受信フィルタ
50 共振領域
52 キャパシタ領域

Claims (12)

  1. 1または複数の弾性波共振器と、
    前記1または複数の弾性波共振器に接続され、基板上に設けられ窒化アルミニウムを主成分とし窒素およびアルミニウム以外の添加元素を含む第1圧電膜と、前記第1圧電膜の少なくとも一部を挟んで対向した第1下部電極および第1上部電極と、を備えたキャパシタと、
    を具備する弾性波フィルタ。
  2. 前記添加元素は、窒化アルミニウムのアルミニウムサイトに置換されている請求項1記載の弾性波フィルタ。
  3. 前記添加元素は、3族元素、2族元素もしくは12族元素と4族元素との組み合わせ、または、2族元素もしくは12族元素と5族元素との組み合わせである請求項1または2記載の弾性波フィルタ。
  4. 前記1または複数の弾性波共振器は、各々、前記キャパシタが設けられた基板上に設けられ窒化アルミニウムを主成分とし前記第1圧電膜と同じ添加元素を含む第2圧電膜と、前記第2圧電膜の少なくとも一部を挟んで対向した第2下部電極および第2上部電極と、を備える請求項1から3のいずれか一項記載の弾性波フィルタ。
  5. 前記1または複数の弾性波共振器は、入力端子と出力端子との間に直列に接続された直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された並列共振器と、を含む請求項1から4のいずれか一項記載の弾性波フィルタ。
  6. 前記1または複数の弾性波共振器は、入力端子と出力端子との間に直列に接続された直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された並列共振器と、を含み、
    前記キャパシタは、前記第1圧電膜を挟み前記第1下部電極と前記第1上部電極とが対向するキャパシタ領域において前記第1圧電膜、前記第1下部電極および前記第1上部電極を含む第1積層膜を備え、
    前記直列共振器および前記並列共振器は、各々、前記キャパシタが設けられた基板上に設けられ窒化アルミニウムを主成分とし前記第1圧電膜と同じ添加元素を含む第2圧電膜と、前記第2圧電膜の少なくとも一部を挟んで対向した第2下部電極および第2上部電極と、前記第2圧電膜を挟み前記第2下部電極と前記第2上部電極とが対向する共振領域において前記第2圧電膜、前記第2下部電極および前記第2上部電極を含む第2積層膜と、を備え、
    前記第1積層膜の膜厚は、前記直列共振器の前記第2積層膜より薄い、または前記並列共振器の前記第2積層膜より厚い請求項1から3のいずれか一項記載の弾性波フィルタ。
  7. 前記第1圧電膜と前記第2圧電膜との膜厚は実質的に同じである請求項6記載の弾性波フィルタ。
  8. 前記第1圧電膜を挟み前記第1下部電極と前記第1上部電極とが対向するキャパシタ領域の面積は、前記直列共振器および前記並列共振器における、前記第2圧電膜を挟み前記第2下部電極と前記第2上部電極とが対向する共振領域の各々の面積より小さい請求項6または7記載の弾性波フィルタ。
  9. 前記キャパシタ領域の面積は、前記直列共振器および前記並列共振器の共振器のうち、最も小さい共振領域の面積を1としたとき、0.5以下である請求項8記載の弾性波フィルタ。
  10. 前記キャパシタの共振周波数は前記直列共振器の反共振周波数より高い、または前記キャパシタの反共振周波数は前記並列共振器の共振周波数より低い請求項5から9のいずれか一項記載の弾性波フィルタ。
  11. 前記第1下部電極と前記基板との間または前記第1下部電極下の前記基板内に、空隙、または音響特性の異なる少なくとも2種類の層が積層された音響反射膜、を含む音響反射層が設けられている請求項1から10のいずれか一項記載の弾性波フィルタ。
  12. 請求項1から11のいずれか一項記載の弾性波フィルタを含むマルチプレクサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109309485A (zh) * 2018-11-27 2019-02-05 中电科技德清华莹电子有限公司 采用畴反转区的声表面波谐振结构滤波器

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