JP7097705B2 - ワイピングシートの製造方法 - Google Patents

ワイピングシートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7097705B2
JP7097705B2 JP2018009909A JP2018009909A JP7097705B2 JP 7097705 B2 JP7097705 B2 JP 7097705B2 JP 2018009909 A JP2018009909 A JP 2018009909A JP 2018009909 A JP2018009909 A JP 2018009909A JP 7097705 B2 JP7097705 B2 JP 7097705B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
roll
suction
entanglement
shaft portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018009909A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019127667A (ja
Inventor
行人 成田
学 金田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2018009909A priority Critical patent/JP7097705B2/ja
Publication of JP2019127667A publication Critical patent/JP2019127667A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7097705B2 publication Critical patent/JP7097705B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

本発明は、ワイピングシートの製造方法に関する。
不織布は、吸収性物品や清掃用シート等といった製品の構成材料として用いられており、その製造効率の向上が望まれている。不織布の用途に応じた風合いや強度を実現するために、不織布の製造方法として、高圧水流の吹き付けによって構成繊維を交絡させる水流交絡法がしばしば用いられる。水流交絡法で製造された不織布は、該不織布から水を除去する工程が更に必要となるので、製造効率の向上のためには、該不織布から水を効率的に除去することが重要となる。
特許文献1及び2には、対象物に存在する液体を除去する回転ロールが開示されている。これらの回転ロールは、鋼板、樹脂板又はフィルム状の対象物に付着した水や油等の液体を吸収又は吸引して除去可能であることが同文献に記載されている。
特開2012-250177号公報 特開2013-202542号公報
しかし、特許文献1及び2に開示されている回転ロールは、鋼板等の硬質表面上に付着している液体を除去するためのものであり、不織布に保持された水分を除去するためのものではない。また同文献には、不織布等の柔軟性を有する素材に回転ロールを適用した場合の性能に関しては何ら言及されていない。
したがって本発明の課題は、ワイピングシート製造時の乾燥効率を高めて、該シートの製造効率を高めるワイピングシートの製造方法を提供することにある。
本発明は、第1の繊維と、該第1の繊維よりも細径の第2の繊維とを少なくとも含み、これらの繊維が交絡してなる繊維集合体を備え、第1面と、該第1面の反対側に位置する第2面とを有し、第2の繊維の存在割合が、第2面よりも、第1面で高くなっているワイピングシートの製造方法であって、
前記第1の繊維及び前記第2の繊維を含むウェブを水流交絡させて交絡体を形成し、
前記交絡体を吸引ロールに巻き掛けた状態で、該吸引ロールの周面から内部に向けて吸引することで、該交絡体の水分を吸引除去して、然る後に、該交絡体を乾燥して前記繊維集合体を形成する工程を有し、
前記吸引ロールは、その周面に複数の孔部が形成された中空のロール軸部と、
前記ロール軸部の一端に連設されており、且つ中空であるロール台座部と、
前記ロール軸部の周面に、透水性材料からなる円環状のロール片が該ロール軸部の軸方向に沿って複数枚配されたロール外周部とを備えており、
前記孔部を介して前記ロール軸部の内部と外部とが連通しており、且つ前記ロール軸部と前記ロール台座部とが連通している、ワイピングシートの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、ワイピングシートの製造時の乾燥効率を高めて、該シートの製造効率を高めることができる。
図1は、本発明の製造方法によって製造されたワイピングシートの一実施形態である。 図2は、本発明のワイピングシートの製造方法に好適に用いられる製造装置の模式図である。 図3は、図2に示す製造装置における吸引ロールの切り欠き斜視断面図である。
以下、本発明のワイピングシートの製造方法をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明の製造方法は、繊維集合体を備えるワイピングシートを製造するためのものである。図1に示すように、本発明の製造方法によって製造されるワイピングシートは、第1の繊維と、第1の繊維よりも細径の第2の繊維とを少なくとも含む繊維集合体を備える。第1の繊維及び第2の繊維は、第1の繊維どうし、第2の繊維どうし、及び第1の繊維と第2の繊維とが交絡して前記の繊維集合体を形成している。つまり、ワイピングシートに使用する繊維集合体は、第1の繊維及び第2の繊維の交絡を主体として複合化された繊維集合体である。同図に示すように、ワイピングシート1は、第1面1Fと、第1面1Fと反対側に位置している第2面1Rとを有する。第1面1Fは、ワイピングシートの使用時におけるワイピング面(ワイピング対象面と対向する面)として用いることができる。
図1に示すとおり、ワイピングシート1は、その厚さ方向Zに沿う縦断面視において、第1の繊維11と第2の繊維12との存在箇所が偏在している。詳細には、ワイピングシート1は、厚さ方向Zの縦断面視において、第2の繊維12の存在割合が、第2面1Rよりも、第1面1Fで高くなっている。また第1面1Fでは、第2の繊維12がその存在割合が高い状態を維持しながら面方向にわたり散在している。それに対して、第1の繊維11の存在割合は、第1面1Fよりも、第2面1Rで高くなっている。また第2面1Rでは、第1の繊維11がその存在割合が高い状態を維持しながら面方向にわたり散在している。この構成を採用することによって、微粒子汚れの捕集率を高めることができる。同様の観点から、ワイピングシート1の厚さ方向Zに沿う縦断面視において、第2の繊維12の存在割合が、第1面1Fから第2面1Rに向けて、階段状に、連続的に又はその組み合わせで漸次減少していることが好ましい。
本発明のワイピングシートは、第1面1F及び第2面1Rに着目したときに、構成繊維の占める存在割合が所定の範囲となっていることが好ましい。詳細には、第1面1Fにおける第1の繊維11の占める存在割合は、面積比率で表して、3%以上50%以下であることが好ましく、4%以上45%以下であることが更に好ましい。また、第2面1Rにおける第1の繊維11の占める存在割合は、面積比率で表して、45%以上95%以下であることが好ましく、55%以上94%以下であることが更に好ましい。
同様に、第1面1Fにおける第2の繊維12の占める存在割合は、面積比率で表して、50%以上95%以下が好ましく、55%以上90%以下が更に好ましい。また、第2面1Rにおける第2の繊維12の占める存在割合は、面積比率で表して、2%以上55%以下が好ましく、5%以上50%以下が更に好ましい。
第1面1F及び第2面1Rに存在する構成繊維の存在割合は、例えば共焦点レーザー顕微鏡を用いて、面積比率として測定できる。詳細には、測定対象面の画像データをそれぞれ取得する。得られた画像をImageJなどの画像処理ソフトウェアを用いて、第1の繊維と第2の繊維との明度境界に閾値を設定し、明度を二値化する。一般的に、白色と黒色とで二値化した場合、第1の繊維は白色となり、第2の繊維は黒色となるので、それぞれの色を有する面積を計算して、各繊維の面積比率を算出する。したがって、面積比率は繊維の占める面積を測定対象となる面積で除した値となる。なお、%表示の場合は除した値の100倍となる。
ところで、直径数μm程度の細径繊維(本発明における第2の繊維12に相当)を含んで水流交絡された繊維の交絡体は、細径繊維どうしの緻密な交絡に起因して、その構成繊維間に水分が保持されやすくなっている。このような交絡体を以後の製品生産工程に供するために、該交絡体を十分に乾燥して、該交絡体の含水量を少なくする必要がある。しかし、交絡体の含水量を所望の範囲とするために、長時間又は高温での乾燥を要するので、製造効率の向上を実現することが容易でない。このような問題点を解決すべく本発明者が鋭意検討した結果、交絡体の乾燥を行う前に、該交絡体に保持された水分を吸引除去することによって、交絡体を効率的且つ十分に乾燥でき、その結果、ワイピングシートの製造効率が向上することを見出した。
図2には、上述したワイピングシートの製造に好適に用いられる製造装置10が示されている。製造装置10は、ウェブ形成部20、水流交絡部30、吸引除去部40及び乾燥部50をこの順で備えている。
ウェブ形成部20は、第1の繊維11及び第2の繊維12のウェブをそれぞれ形成するものである。ウェブ形成部20は、ワイピングシートの構成原料である第1の繊維11のウェブを形成する第1カード機21と、第2の繊維12のウェブを形成する第2カード機22とを備えている。各繊維のウェブは、第1ガイドロール23を介して、水流交絡部30にそれぞれ搬送されるようになっている。
水流交絡部30は、第1の繊維11及び第2の繊維12を含むウェブを水流によって交絡させて、交絡体15を形成するものである。水流交絡部30は、繊維ウェブに水流を吹き付ける水流ノズル31と、無端ベルトからなる支持ベルト32とを備えている。水流ノズル31は、支持ベルト32の上方に位置しており、繊維ウェブの幅方向(搬送方向MDと直交する方向)全域にわたって高圧水流を吹き付けることができるようになっている。支持ベルト32は、水流ノズル31と対向して配されており、吹き付けられた水を透過させるために、格子状などの各種パターンで穴が空いた構造となっている(図示せず)。
吸引除去部40は、水流交絡によって形成された交絡体15の水分を吸引除去するためのものである。吸引除去部40は、交絡体15の水分を吸引除去するための吸引ロール41と、第2ガイドロール48とを備えている。図2に示すように、吸引ロール41は、その外周に交絡体15に巻き掛けられるように配されている。
図3には、吸引ロール41の構造が示されている。吸引ロール41は、ロール軸部42と、ロール台座部43と、ロール外周部44とを備えている。
吸引ロール41は、ロール軸部42を備えている。ロール軸部42は、その内部が中空の円筒形状となっている。ロール軸部42は、その周面に複数の孔部42Hが設けられており、該孔部42Hを介して、ロール軸部42の内部と外部とが連通している。図3に示すように、孔部42Hは、略円柱形の貫通孔となっている。
吸引ロール41は、ロール台座部43を備えている。ロール台座部43は、ロール軸部42の両端に連設されており、ロール台座部43は中空となっている。中空のロール台座部43は、ロール軸部42と連通している。中空となっているロール台座部43には、更に吸引装置(図示せず)が接続されており、吸引ロール41の外部から内部に向けて外気を吸引するための陰圧を発生できるようになっている。
吸引ロール41は、ロール軸部42の周面にロール外周部44を備えている。ロール外周部44は、透水性材料からなる円環状のロール片44Rが、ロール軸部42の軸方向に沿って複数枚配されて構成されている。各ロール片44Rはその径方向に沿って気体及び液体が流通可能となっており、上述の吸引装置によって生じた陰圧が吸引ロール41の周面に生じるようになっている。また、ロール軸部42の回転に伴って、ロール片44R自体が空転しないようにするために、ロール軸部42とロール片44Rとの間に、ロール片44Rをロール軸部42に係止するための係止部材(図示せず)が設けられていてもよい。なお、図3においては、説明の便宜上、隣り合うロール片44R間に空隙があるが、実際にはロール片44Rどうしは密着している。
ロール片44Rを構成する透水性材料としては、例えば合成繊維、天然繊維又はこれらの組み合わせを含む不織布が用いられる。合成繊維としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート等のポリオレフィン/ポリエステル混合繊維、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド繊維、ポリ塩化ビニルやポリスチレン等のビニル系繊維、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸メチル等のアクリル系繊維等が挙げられる。天然繊維としては各種セルロース繊維、例えばパルプ、コットン、レーヨン、キュプラ、リヨセル及びテンセル等が挙げられる。これらの繊維は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
乾燥部50は、吸引除去部40によって水分が吸引除去された交絡体15を乾燥して、繊維集合体1Aを形成するものである。乾燥部50は、乾燥装置51と、交絡体15を搬送方向へ案内するための搬送ロール52と、第3ガイドロール53とを備えている。搬送ロール52は、乾燥装置51の内部に配されており、交絡体15を巻き掛けた状態で搬送できるように配されている。乾燥装置51における乾燥の態様は特に限定されず、例えば熱風の吹き付け、乾燥気体の吹き付け、ヒーターによる加熱及び赤外線の照射等が挙げられる。
図2及び図3に示す製造装置10を用いたワイピングシートの製造方法は以下に述べるとおりである。本製造方法は、第1の繊維11及び第2の繊維12を含むウェブを水流交絡させて交絡体15を形成する工程と、交絡体15を吸引ロール41に巻き掛けた状態で交絡体15の水分を吸引除去する工程と、交絡体15を乾燥して繊維集合体1Aを形成する工程との3工程に大別される。
まず、ウェブ形成部20において、各カード機21,22から第1の繊維11及び第2の繊維12を含むウェブがそれぞれ繰り出される。
次いで、水流交絡部30において、第1の繊維11を含むウェブ及び第2の繊維12を含むウェブが積層された状態で、支持ベルト32によってMD方向に搬送されながら、水流ノズル31から噴出する高圧水流によって水流交絡される(交絡工程)。この工程を経ることによって、第1の繊維どうし、第2の繊維どうし、並びに第1及び第2の繊維が交絡して交絡体15が形成される。
ワイピングシートとしての十分な強度を繊維集合体に発現させるとともに、製造効率を高める観点から、本工程におけるMD方向の搬送速度は、3m/min以上が好ましく、10m/min以上がより好ましく、30m/min以上が更に好ましく、またその上限は60m/min以下が好ましく、55m/min以下がより好ましく、50m/min以下が更に好ましい。具体的には、MD方向の搬送速度は、3m/min以上60m/min以下が好ましく、10m/min以上55m/min以下がより好ましく、30m/min以上50m/min以下が更に好ましい。
同様の観点から、水流ノズル31から吹き付ける水圧は、上述の搬送速度の範囲であることを条件として、1.2MPa以上20MPa以下が好ましく、1.4MPa以上15MPa以下がより好ましく、1.7MPa以上12MPa以下が更に好ましい。
続いて、吸引除去部40において、交絡体15を吸引ロール41に巻き掛けた状態で交絡体15の水分を吸引除去する(吸引除去工程)。水分が保持されている交絡体15が吸引除去部40に搬送され、吸引ロール41におけるロール外周部44に巻き掛けられた状態になると、交絡体15の水分が透水性材料からなるロール片44Rに透過する。これとともに、吸引ロール41の周面から内部に向けて発生している陰圧によって、交絡体15を吸引ロール41の周面から内部に向けて吸引して、交絡体15の水分を吸引除去する。特に、図2に示す製造装置10では、交絡体15は吸引ロール41の外周に巻き掛けられた状態で搬送されるので、吸引ロール41を交絡体15の一方の面に線接触させる場合と比較して、交絡体15と吸引ロール41との接触面積が大きくなる。その結果、細径の繊維を含む交絡体15の水分の吸引除去性能を高くすることができる。
また、搬送されている交絡体15を吸引ロール41の外周面に密着させて、交絡体15の水分の吸引除去性能を高くする観点から、少なくとも本工程においては、交絡体15に張力を付与しておくことが好ましい。詳細には、交絡体15の搬送速度に対する吸引ロール41の周速の比を0.5以上1未満とすることが好ましい。交絡体15に張力を付与することによって、交絡体15の吸引ロール41の周面への押し付けに起因する水分の除去も同時に行うことができ、交絡体15の水分の吸引除去性能を一層高くすることができる。
最後に、乾燥部50において、吸引除去工程を経た交絡体15を乾燥して繊維集合体1Aを形成する(乾燥工程)。図2に示すように、交絡体15は、搬送ロール52の周面に巻き掛けられた状態で乾燥装置51内に案内され、該乾燥装置51内で交絡体15の水分を蒸発させて乾燥する。本工程における乾燥温度は、第1の繊維及び第2の繊維の原料によって適宜変更することができるが、構成繊維の溶融や変性等の防止と、製造効率の向上とを両立する観点から、100℃以上150℃以下とすることが好ましく、105℃以上145℃以下とすることが更に好ましい。また、乾燥時間は、交絡体の搬送速度によるが、0.5分以上2分以下とすることが好ましい。なお、本工程における交絡体15の搬送速度は、交絡工程及び吸引除去工程における上述の範囲と同様に設定することができる。
例えば、第1の繊維の原料としてポリエチレンテレフタレートを用い、第2の繊維の原料としてポリプロピレンを用いた場合、搬送速度を5m/minとしたときに、乾燥温度を105℃以上125℃以下とし、乾燥時間を1分以上2分以下とすることができる。
以上の工程を経て形成された繊維集合体1A(乾燥工程後の交絡体15)は、乾燥状態での含水率が好ましくは3.5質量%以下であり、より好ましくは2.5質量%以下であり、更に好ましくは2.0質量%以下であるものである。繊維集合体の含水率は、吸引除去工程及び乾燥工程における交絡体の搬送速度や、乾燥工程における乾燥温度及び乾燥時間を調整することによって適宜調整することができる。繊維集合体の含水率を上述の範囲に調整することによって、自然乾燥を行う場合よりも、以後の製造工程に迅速に移行させることができ、シートの生産効率を一層向上することができる。以後の製造工程とは、例えば必要に応じて行われるスリット工程、梱包工程及び輸送工程等が挙げられるが、これらに限られない。含水率は、後述する実施例の方法に従って測定することができる。
また、ワイピングシートの製造効率の向上の観点から、上述の工程を経て形成された繊維集合体1Aは、その軸方向に沿う幅が2000mm以上であることが好ましく、2500mm以上であることがより好ましく、3000mm以上であることが更に好ましく、またその上限は3400mm以下であることが好ましく、3300mm以下であることがより好ましく、3200mm以下であることが更に好ましい。具体的には、繊維集合体1Aは、その軸方向に沿う幅が2000mm以上3400mm以下であることが好ましく、2500mm以上3300mm以下であることがより好ましく、3000mm以上3200mm以下であることが更に好ましい。
特に、交絡体15と繊維集合体1Aとは、その構成材料が実質的に同一であるので、上述の幅を有する繊維集合体を形成するためには、交絡工程における交絡体15の軸方向に沿う幅が上述の範囲となるように形成すればよい。また、吸引除去工程を首尾よく行う観点から、吸引ロール41におけるロール軸部42及びロール外周部44の軸方向に沿う幅寸法は、形成する繊維集合体の幅以上となっていることが好ましい。
ワイピングシート1に実用上十分な強度を持たせる観点から、繊維集合体1Aの坪量は、40g/m以上が好ましく、50g/m以上が更に好ましく、またその上限は、110g/m以下が好ましく、80g/m以下が更に好ましい。具体的には、繊維集合体1Aの坪量は、40g/m以上110g/m以下が好ましく、50g/m以上80g/m以下が更に好ましい。このような繊維集合体1Aの坪量は、第1の繊維11及び第2の繊維12の使用量を調整することで適宜調整することができる。
繊維集合体1Aは、これをそのままで乾式のワイピングシート1として用いてもよく、繊維集合体1Aに洗浄液を更に担持させて(担持工程)、湿式のワイピングシート1として用いることもできる。
繊維集合体1Aを構成する第1の繊維11及び第2の繊維12は、合成繊維及び天然繊維のいずれであってもよい。合成繊維としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート等のポリオレフィン/ポリエステル混合繊維、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド繊維、ポリ塩化ビニルやポリスチレン等のビニル系繊維、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸メチル等のアクリル系繊維等が挙げられる。天然繊維としては各種セルロース繊維、例えばパルプ、コットン、レーヨン、キュプラ、リヨセル及びテンセル等が挙げられる。これらの繊維は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
微粒子汚れの捕集性を高める観点から、第1の繊維11の繊維径(直径)は、10μm以上30μm以下が好ましく、15μm以上25μm以下がより好ましい。一方、第2の繊維12の直径は、0.1μm以上9μm以下が好ましく、0.5μm以上5μm以下がより好ましい。これらの繊維の繊維径は、例えば観察対象面を走査型電子顕微鏡(SEM)観察して、その二次元画像から繊維の塊、繊維の交差部分を除いた繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引いたときの長さを繊維径としたときに、これらの測定値の平均値を繊維径とすることができる。
ワイピングシート1は、ワイピング対象面の清掃及び清拭に用いることができる。ワイピング対象面としては、床面、壁面等の建物、戸棚、窓ガラス、鏡、ドア、ドアノブ等の建具、ラグ、カーペット、机食卓等の家具、キッチン、トイレ、ヒト又は動物の身体などが挙げられる。
ワイピングシート1は、その使用時において、乾式の態様で使用してもよく、洗浄液を塗布、噴霧、供給、担持又は含浸させた態様(湿式の態様)で使用してもよい。これらの態様は、ワイピング対象面に付着している汚れの種類や、ワイピング対象物の物性に応じて選択することができる。
ワイピングシート1を湿式の態様で用いる場合、該シートに担持される洗浄液としては、水単独や、添加剤を含む水溶液など、湿式ワイピングシートに用いられる一般的な組成のものを用いることができる。洗浄液に用いられる添加剤としては、例えば界面活性剤、殺菌剤、香料、芳香剤、消臭剤、pH調整剤、アルコール及び研磨粒子などが挙げられる。洗浄液の担持量は、17g/m以上が好ましく、117g/m以上が更に好ましく、690g/m以下が好ましく、430g/m以下が更に好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、交絡工程、吸引除去工程及び乾燥工程における交絡体15の搬送速度はそれぞれ同じでもよく、異なっていてもよい。
また、ロール軸部42の周面に設けられた孔部42Hは、略円柱状の貫通孔として説明したが、ロール軸部42の内部と外部とが連通していればその形状は制限されない。例えば、三角形や四角形等の多角形状の貫通孔であってもよい。また、孔部42Hに代えて、又は孔部42Hに加えて、ロール軸部42の軸方向及び/又は周方向に沿って延び、且つロール軸部42の内部と外部とが連通するスリットが設けられていてもよい。
また、中空のロール台座部43はロール軸部42の両端に連設されている態様で説明したが、該ロール台座部43はロール軸部42の一端にのみ連設されていてもよい。この場合、吸引ロール41において陰圧を効果的に発生させる観点から、ロール軸部42の他端には中実の台座部が連設されていることが好ましい。
また、吸引除去部40として吸引ロール41を用いた態様で説明したが、本発明の効果が奏される限りにおいて、吸引除去部40の構造等は特に限定されない。吸引除去部40としては、例えばサクションボックス等の態様であってもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
上述した製造方法に従って、交絡体を乾燥して、乾式のワイピングシートを製造した。第1の繊維11としてPET:アクリル:レーヨン=7:1.5:1.5を質量割合で含む平均繊維径11.4μmの混合ステープルファイバ(繊維長50mm)を用いた。第2の繊維12としてメルトブローン法で得られた平均繊維径1.5μmのポリプロピレン繊維を用いた。繊維集合体の坪量は、67g/mであった。本実施例では、交絡体の搬送速度を5m/minとして吸引除去工程及び乾燥工程を実施し、乾燥工程における乾燥温度を115℃、乾燥時間を1分とした。
〔実施例2〕
乾燥工程における乾燥温度を125℃としたほかは、実施例1と同様にワイピングシートを製造した。
〔実施例3〕
交絡体の搬送速度を10m/minとし、乾燥工程における乾燥温度を125℃としたほかは、実施例1と同様にワイピングシートを製造した。
〔実施例4〕
乾燥工程における乾燥温度を105℃としたほかは、実施例1と同様にワイピングシートを製造した。
〔比較例1〕
吸引除去工程を行わなかったほかは、実施例1と同様にワイピングシートを製造した。
〔比較例2〕
本比較例では、第1の繊維のみから構成される交絡体を形成し、吸引除去工程を行わずに乾燥工程のみを行ったほかは、実施例1と同様に乾式のワイピングシートを製造した。
〔含水率の測定〕
実施例及び比較例について、乾燥工程前の交絡体の含水率と、乾燥工程後の交絡体(繊維集合体)の含水率とをそれぞれ測定した。詳細には、交絡工程後、乾燥工程に供される直前の交絡体を取り出して、該交絡体の含水量を含水量測定装置(株式会社エー・アンド・デイ社製、MS-70)を用いて測定して、以下の式から乾燥工程前の交絡体の含水率(%)を算出した。同様に、乾燥工程直後の交絡体(繊維集合体)の含水量を上述の含水量測定装置を用いて測定して、以下の式から乾燥工程後の交絡体の含水率(%)を算出した。結果を表1に示す。
乾燥工程前の交絡体の含水率(%)=100×(乾燥工程前の交絡体の含水量(g))/(乾燥工程前の交絡体の全質量(g))
乾燥工程後の交絡体の含水率(%)=100×(繊維集合体の含水量(g))/(繊維集合体の全質量(g))
Figure 0007097705000001
表1に示すように、細径の第2の繊維を含む実施例1ないし4の交絡体の含水率は、吸水工程を行うことによって、乾燥工程前後ともに、太径の第1の繊維のみからなる比較例1の交絡体の含水率と同等以下になっていることが判る。また、細径の第2の繊維を含む実施例1ないし4の交絡体の含水率と、比較例2の交絡体の含水率とを比較すると、吸水工程を行うことによって、乾燥工程前後ともに交絡体の含水率が顕著に低下していることが判る。
特に、交絡体の搬送速度を速くした実施例3や、乾燥工程における乾燥温度を低くした実施例4においても、乾燥工程前後の交絡体の含水率は、比較例2と比較して低いものとなっていることが判る。このように、本発明の製造方法は、細径の繊維を含むワイピングシートの生産効率の向上や製造コストの低下に一層寄与できることも判る。
1 ワイピングシート
1A 繊維集合体
10 製造装置
11 第1の繊維
12 第2の繊維
15 交絡体
20 ウェブ形成部
30 水流交絡部
40 吸引除去部
41 吸引ロール
42 ロール軸部
42H 孔部
43 ロール台座部
44 ロール外周部
44R ロール片
50 乾燥部
51 乾燥装置
MD 搬送方向

Claims (2)

  1. 第1の繊維と、該第1の繊維よりも細径の第2の繊維とを少なくとも含み、これらの繊維が交絡してなる繊維集合体を備え、第1面と、該第1面の反対側に位置する第2面とを有し、第2の繊維の存在割合が、第2面よりも、第1面で高くなっているワイピングシートの製造方法であって、
    前記第1の繊維を含むウエブ及び前記第2の繊維を含むウェブを積層した状態で水流交絡させて交絡体を形成し、
    前記交絡体における前記第2の繊維を含むウェブが吸引ロールに対向するように、該交絡体を該吸引ロールに巻き掛けた状態で張力を付与し、該吸引ロールの周面から内部に向けて吸引することで、該交絡体の水分を吸引除去して、然る後に、該交絡体を乾燥して前記繊維集合体を形成する工程を有し、
    前記張力は、前記交絡体の搬送速度に対する前記吸引ロールの周速の比を0.5以上1未満することで付与され、
    前記吸引ロールは、その周面に複数の孔部が形成された中空のロール軸部と、
    前記ロール軸部の一端に連設されており、且つ中空であるロール台座部と、
    前記ロール軸部の周面に、透水性材料からなる円環状のロール片が該ロール軸部の軸方向に沿って複数枚配されたロール外周部とを備えており、
    前記孔部を介して前記ロール軸部の内部と外部とが連通しており、且つ前記ロール軸部と前記ロール台座部とが連通している、ワイピングシートの製造方法。
  2. 前記交絡体を3m/min以上60m/min以下の搬送速度で搬送して、
    軸方向に沿う幅が2000mm以上3400mm以下であり、且つ乾燥状態での含水率が3.5質量%以下である前記繊維集合体を形成する、請求項1に記載のワイピングシートの製造方法。
JP2018009909A 2018-01-24 2018-01-24 ワイピングシートの製造方法 Active JP7097705B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018009909A JP7097705B2 (ja) 2018-01-24 2018-01-24 ワイピングシートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018009909A JP7097705B2 (ja) 2018-01-24 2018-01-24 ワイピングシートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019127667A JP2019127667A (ja) 2019-08-01
JP7097705B2 true JP7097705B2 (ja) 2022-07-08

Family

ID=67473062

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018009909A Active JP7097705B2 (ja) 2018-01-24 2018-01-24 ワイピングシートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7097705B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003336160A (ja) 2002-05-17 2003-11-28 Chisso Corp 起毛様不織布、その製造方法及びそれを用いた繊維製品
JP2004028162A (ja) 2002-06-24 2004-01-29 Toray Ind Inc 不織布ロール
US20060185134A1 (en) 2004-11-30 2006-08-24 Carter Nick M Method of making a filamentary laminate and the products thereof
JP2017153890A (ja) 2016-03-04 2017-09-07 ユニ・チャーム株式会社 ウェットワイプス用不織布及びその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0126794Y2 (ja) * 1985-11-18 1989-08-10
JPH0733846B2 (ja) * 1989-08-22 1995-04-12 株式会社増田製作所 弾性機能を有する不織布、ポーラスなゴムシート等のシート状物を重畳して構成されるポーラスな積層ロールの製作方法及びポーラスな積層ロール
JPH10219555A (ja) * 1996-12-04 1998-08-18 Unitika Ltd 積層不織布およびその製造方法
JP3816171B2 (ja) * 1996-12-29 2006-08-30 株式会社ブリヂストン 防水シ−ト及びその施工法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003336160A (ja) 2002-05-17 2003-11-28 Chisso Corp 起毛様不織布、その製造方法及びそれを用いた繊維製品
JP2004028162A (ja) 2002-06-24 2004-01-29 Toray Ind Inc 不織布ロール
US20060185134A1 (en) 2004-11-30 2006-08-24 Carter Nick M Method of making a filamentary laminate and the products thereof
JP2017153890A (ja) 2016-03-04 2017-09-07 ユニ・チャーム株式会社 ウェットワイプス用不織布及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019127667A (ja) 2019-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5596688B2 (ja) ティッシュ、タオルおよび不織物製造のための流体透過性ベルト
EP2692924B1 (en) Process of making nonwoven calendered fabrics and calender
JP2002161462A (ja) 不織布の製造方法および製造装置
JPH0268345A (ja) 使い捨て半永久的不織布とそれに関連する製造方法
ES2829877T3 (es) Material no tejido con patrón
JP7097705B2 (ja) ワイピングシートの製造方法
JP2002369782A (ja) 清掃用シート及びその製造方法
JP6104550B2 (ja) 不織布を製造する方法
RU2751707C1 (ru) Композиционный нетканый листовой материал
JP7055009B2 (ja) ワイピングシート及び清掃具
JP2019154526A (ja) 清掃用シート
JP4958447B2 (ja) 抄紙搬送フェルト
JP2019208949A (ja) ワイピングシート
JP6091134B2 (ja) 不織布を製造する方法
JPWO2020071250A1 (ja) ワイピングシート
TWI839394B (zh) 擦拭片材
WO2013095241A1 (en) Method of producing a hydroentangled nonwoven material and a hydroentangled nonwoven material
JP6128788B2 (ja) 不織布を製造する方法
EP3359379B1 (en) Method for fabricating cleaning cloths for printing cylinders
WO2019239921A1 (ja) ワイピングシート
JP2021090659A (ja) 湿式ワイピングシート
TWM627347U (zh) 熔噴擦拭布及其製造設備
JP2021090660A (ja) 湿式ワイピングシート
JP2022138532A (ja) 複合型不織布の製造装置
KR20210097036A (ko) 부직포 구조체 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211026

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20211221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220628

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7097705

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151