次に、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置、方法あるいはプログラムを例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[車両整備情報管理システム]
以下、本発明の一実施形態の車両整備情報管理システムを説明する。
図1は、本実施形態の車両整備情報管理システムを説明するための機能ブロック図である。本実施形態の車両整備情報管理システム1は、ディスプレイ装置11、本体13及び本体13に対してユーザが情報を入力するユーザインターフェース15を備えている。以下、車両整備情報管理システム1の各構成について説明する。
<ディスプレイ装置>
ディスプレイ装置11は、例えば一般的な液晶ディスプレイである。ディスプレイ装置11は、ディスプレイ画面110と、表示すべき画像に合わせて液晶に電圧を印加するためのディスプレイ駆動部111を備えている。ディスプレイ画面110は、後に図示するように正面視において長方形の形状を有するものとする。本実施形態による車両整備情報管理システム1は、ディスプレイ画面110上にマルチウィンドウとして、メインウィンドウ(第1ウィンドウの一例)及びサブウィンドウ(第2ウィンドウの一例)の2つのウィンドウを表示させることができる。フィッティング制御部130および作業制御部170の詳細は後述する。
<本体>
本体13は、ハードウェアとしてワーキングメモリ131、CPU(Central Processing Unit)133、プログラム用メモリ135、整備情報データベース147及び作業画面データベース149を備えている。このような本体13は、汎用的なコンピュータで構成することができる。また、図1では不図示であるが、本体13には、車両整備情報管理システム1の動作制御に用いられる設定情報が保存された設定情報ファイルが配置されている。設定情報ファイルには、基本的な設定情報が保存された基本情報設定ファイルと、後述する印刷モードにおける帳票の印刷に関する設定情報が保存された印刷情報設定ファイルとが含まれる。
整備情報データベース147は、顧客情報や車両情報と整備等の内容や履歴に関する整備情報とを対応付けて蓄積している。なお、顧客情報とは、例えば、車両の所有者の氏名や住所といった個人情報である。車両情報とは、例えば、車両の車種、製造メーカ、型式、製造年月日及びエンジン等の部品といった車両の製造時に決まる情報である。整備情報とは、例えば、車両の購入から以降に行われた整備、修理、補修、保守、点検及び車検等の内容に関する情報である。さらに、整備情報データベース147には、整備情報に加えて整備事業所において販売されている車両の情報である車両販売情報も蓄積されている。
作業画面データベース149は、車両の購入または購入以降に行われた整備、修理、補修、保守、点検及び車検等に係る情報に係る作業を行うための作業画面を表示するためのデータを保存するデータベースである。
本実施形態では、整備情報データベース147を整備事業所における車両整備情報管理システム1の管理側が用意する。作業画面データベース149は、車両整備情報管理システム1の提供側が予め用意したものであってもよいし、管理側が作成したオリジナルのものであってもよい。整備情報データベース147及び作業画面データベース149は、車両整備情報管理システム1内に保存され、CPU133によって必要に応じて読みだされ、ディスプレイ画面110に表示される。ただし、整備情報データベース147及び作業画面データベース149は、図1に示す車両整備情報管理システム1内に保存される構成に限定されるものではない。整備情報データベース147及び作業画面データベース149は、ネットワークを介して接続されたサーバ装置上に保存されるものであってもよい。
CPU133は、本体13で実行される演算処理を統括的に制御する。プログラム用メモリ135は、CPU133が実行する処理に使用されるソフトウェアとしてのプログラムを保存するメモリである。ワーキングメモリ131は、CPU133の処理に使用されるメモリである。
プログラム用メモリ135には、マルチウィンドウのフィッティングに係るフィッティング制御部130と、車両整備情報管理システム1における作業に係る作業制御部170とを備えている。なお、プログラム用メモリ135には、本実施形態の車両整備情報管理用のプログラムの他、図示しないワープロ機能や表計算、インターネットといった公知のプログラムも保存されている。
操作判定部145は、ユーザによってなされた操作を判定する。ここで、操作とは、例えばマイクやスピーカー、イヤフォンによる音声入出力、キーボード等による文字入力、マウスやペンタブレット、タッチパネル、ジョイスティック等による(画面上の)位置や方向の入力、カメラ等による画像、映像入力、及びこれらの組み合わせによって行われる。このため、ユーザインターフェース15としては、マイクやスピーカー、イヤフォン、キーボード、マウス、ペンタブレット、タッチパネル、ジョイスティック及びカメラ等が使用される。ただし、本実施形態では、マウス及びキーボードを使って車両整備情報管理システム1を操作するものとして説明をする。
フィッティング制御部130は、ウィンドウ間距離判定部137、表示画像生成部139を含んでいる。また、作業制御部170は、外部情報取得部171、情報更新部173、情報出力制御部(ファイル出力部、帳票出力制御部の一例)174、情報入力制御部175、表示制御部177及び情報抽出部(ファイル出力部の一例)179を備えている。プログラム用メモリ135に保存されている各プログラムは、CPU133が各プログラムを読み込んで実行することによって、それぞれの機能を発揮する。ただし、説明を容易にするため、図1では、プログラム用メモリ135に保存されている各プログラムを機能ブロックとして示している。
(マルチウィンドウのフィッティング)
本実施形態では、先ず、車両整備情報管理システム1のマルチウィンドウのフィッティングに係る機能について説明する。
操作判定部145は、ユーザによってドラッグ操作の指示がなされたと判定すると、判定の結果を表示画像生成部139に渡す。また、操作判定部145は、クリック等の操作によってフィッティング制御部130以外のプログラムの起動が指示されたと判定すると、起動されたプログラムに判定の結果を渡す。
表示画像生成部139は、ユーザの操作に応じてディスプレイ画面110に表示された画像を生成する。例えば、ユーザがディスプレイ画面110上に表示されたウィンドウをドラッグして移動させた場合、表示画像生成部139は、ウィンドウの移動後の画像を作成してワーキングメモリ131に展開する。また、ユーザがウィンドウの大きさを変更する操作を行った場合、表示画像生成部139は、ウィンドウの変更後の画像を作成してワーキングメモリ131に展開する。ワーキングメモリ131に展開された画像のデータは、表示画像生成部139からディスプレイ装置11にディスプレイ駆動部111に対する制御信号と共に出力される。
ディスプレイ装置11は、表示画像生成部139から出力された制御信号にしたがってディスプレイ駆動部111を駆動する。このような動作により、ディスプレイ画面110には表示画像生成部139によって生成された画像が表示される。
表示画像生成部139は、フィッティング表示部141及びウィンドウ操作部143を含んでいる。また、本実施形態では、フィッティング制御部130にウィンドウ間距離判定部137が保存されている。フィッティング表示部141、ウィンドウ操作部143及びウィンドウ間距離判定部137は、本実施形態のマルチウィンドウ表示機能に特有のプログラムである。
図2は、本実施形態の車両整備情報管理システム1においてディスプレイ画面110に表示されるマルチウィンドウ(メインウィンドウ121及びサブウィンドウ123)を示した図である。図示するように、メインウィンドウ(帳票表示部の一例)121及びサブウィンドウ123は、いずれも長方形形状の外形を有している。サブウィンドウ123はメインウィンドウ121と並んで配置される。なお、メインウィンドウ121及びサブウィンドウ123は、正方形形状の外形を有していてもよい。
メインウィンドウ121は、主に整備情報データベース147に保持される情報(以降、「整備DB情報」と称する場合がある)の入力及び情報の編集を含む作業に係る表示に用いられる。また、サブウィンドウ123は、主にメインウィンドウ121における作業に使用される情報の表示に用いられる一方で、整備DB情報の入力及び編集に係る表示には用いられない。
図2のサブウィンドウ123に示した画面は、車両整備情報管理システム1が起動されたとき最初にディスプレイ画面110に表れる初期画面の一例である。ディスプレイ画面110の初期画面ではメインウィンドウ121及びサブウィンドウ123が同時に表示されている。ただし、車両整備情報管理システム1では、プログラム内のフラグを切替えることによってサブウィンドウ123を表示するか否かをユーザが任意に選択することが可能である。
図2に示した例では、メインウィンドウ121に「顧客」、「入金」、「集計」、「帳票注文」、「分析」、「車両」、「合計請求書」、「促販」及び「申請書」といった閲覧を希望する情報を選択する情報選択ボタン125が表示されている。また、メインウィンドウ121には、車両に関する情報管理や書類作成のための作業画面を表示させるための画面表示ボタン127が表示されている。画面表示ボタン127には、「整備」「車販」「鈑金」といった選択ボタンが表示されている。画面表示ボタン127の右側領域には、選択したボタンに関する作業を選択するためのボタン(作業選択ボタン)が表示される。図2では、画面表示ボタン127のうち「整備」のボタンを選択すると「受付」、「一括処理」及び「入庫一覧表」といった整備に関する情報の管理を行うための作業や「概算見積書」、「作業指示書」、「整備請求書」及び「諸費用請求書」といった車両の整備に関する書類(帳票ともいう)を作成する作業を選択するボタンが表示される。これらの作業選択ボタンを選択すると、作業を行うための作業画面が表示される。また、画面表示ボタン127のうち「車販」や「鈑金」といったボタンを選択すると、「整備」に代わって「車販」や「鈑金」に関する情報管理や書類作成のための作業を選択する作業選択ボタンが表示される。
また、メインウィンドウ121の上部には、ヘッドライン表示部128が表示されている。ヘッドライン表示部128には、自動車に関するニュースを提供する所定のホームページ(以降、「自動車ニュースサイト」と称する場合がある)に表示されているニュース見出しの情報(ヘッドライン情報)が表示される。さらに、メインウィンドウ121には、カレンダー129が表示される。カレンダー129には、例えば現在の月のスケジュールや選択された日のスケジュールの詳細が表示される。ヘッドライン表示部128及びカレンダー129の詳細は後述する。
サブウィンドウ123には、顧客情報、車両情報及び整備情報の少なくとも1つが表示される。本実施形態では、サブウィンドウ123上で整備DB情報の編集をすることが制限されている。ユーザは、サブウィンドウ123に表示された情報の中から情報を絞り込む、あるいは表示された情報を選択して関連する情報や情報のさらに詳細な内容をメインウィンドウ121に表示させることができる。
本実施形態の車両整備情報管理システム1では、サブウィンドウ123が「検索モード」、「任意指定モード」、「集計モード」、「照会モード」、「予約モード」、「分析モード」及び「印刷モード」の7つのモードで動作することができる。図2に示したサブウィンドウ123は、「検索モード」の状態の画面である。各モードは、例えばサブウィンドウ123内の上側領域に設けられたモード選択ボタン部124に配置されている7つのボタンを押下することで切替えらえる。また、メインウィンドウ121に表示された情報に基づいて、自動的にサブウィンドウ123のモードが切替わる場合もある。各モードの詳細は後述する。なお、車両整備情報管理システム1は、初期画面におけるサブウィンドウ123のモードをユーザが任意に設定可能に構成されている。
次に、図2に示したメインウィンドウ121及びサブウィンドウ123に対してマルチウィンドウ表示機能の1つであるフィッティングに係る処理について説明する。マルチウィンドウ機能では、メインウィンドウ121とサブウィンドウ123とを隙間なく表示するフィッティングと、フィッティング後に行われるマルチウィンドウドラッグとが実現される。
<フィッティング>
図3(a)から図3(c)は、本実施形態のフィッティングを説明するための模式図である。なお、図3では、説明の簡単のため、図2に示したメインウィンドウ121及びサブウィンドウ123を簡略化して図示している。
図1に示したウィンドウ間距離判定部137は、メインウィンドウ121とサブウィンドウ123との距離を判定する。フィッティング表示部141は、表示画像生成部139において、ウィンドウ間距離判定部137によって判定されたメインウィンドウ121、サブウィンドウ123間の距離が予め定められた閾値より短くなった場合、メインウィンドウの一辺とこの一辺に平行なサブウィンドウの一辺とが一致するようにメインウィンドウ121とサブウィンドウ123とを表示する動作であるフィッティングを行う。
本実施形態では、ウィンドウ間距離判定部137が、メインウィンドウ121の頂点を基準とする予め定められた範囲内にサブウィンドウ123の一部が入ったときにメインウィンドウ121とサブウィンドウ23との距離が予め定められた閾値より短くなったと判定する。
具体的には、図3(a)に示したように、長方形形状のメインウィンドウ121は、一対の長辺121a、121bと一対の短辺121c、121dを有している。また、サブウィンドウ123は、一対の短辺123a、123bと一対の長辺123c、123dを有している。本実施形態では、図3(b)に示すように、メインウィンドウ121の長辺121aと短辺121dとの交点を中心とする仮想的な正方形aが予め設定されている。正方形aの一辺の長さは、ディスプレイ画面110のピクセルの数によって規定することができる。本実施形態では、正方形aの一辺を例えば40ピクセルに設定した。
ウィンドウ間距離判定部137は、サブウィンドウ123のいずれかの部分が正方形aの範囲内にあるか否かを監視する。そして、サブウィンドウ123の一部が正方形aの範囲内にあることを検出すると、メインウィンドウ121とサブウィンドウ123との距離が閾値より短くなったと判定する。
ウィンドウ間距離判定部137は、メインウィンドウ121とサブウィンドウ123との距離が閾値より短くなったことを表示画像生成部139のフィッティング表示部141に通知する。
このとき、図3(c)に示すように、フィッティング表示部141は、表示画像生成部139にあって、メインウィンドウ121の短辺121dとサブウィンドウ123の長辺123cとが一致するようにメインウィンドウ121とサブウィンドウ123とを表示するフィッティングを行っている。
以上の処理により、本実施形態は、ユーザがメインウィンドウ121とサブウィンドウ123とを並べて表示しようとしていることを自動的に検知する。そして、ユーザがメインウィンドウ121及びサブウィンドウ123の位置を微調整しなくても両者を隙間なく一体的に表示することができる。このため、本実施形態によれば、操作に不慣れなユーザであっても、簡易かつ短時間のうちにメインウィンドウ121及びサブウィンドウ123を間にずれや隙間がないようにディスプレイ画面110上に配置することができる。
さらに、本実施形態のフィッティング表示部141は、メインウィンドウ121の互いに平行な一対の二辺のうちのいずれかにサブウィンドウ123の一辺をフィッティングする。つまり、本実施形態では、メインウィンドウ121の互いに平行な2辺のいずれに対してもサブウィンドウ123をフィッティングすることができる。
サブウィンドウ123をメインウィンドウ121のいずれの辺にフィッティングするかは、次のようにして決定される。すなわち、フィッティング表示部141は、メインウィンドウ121の左右の中心であるメイン中心c1とサブウィンドウ123の左右の中心であるサブ中心c2とを特定する。そして、フィッティング表示部141は、サブ中心c2の位置がメイン中心c1の位置よりも右にあるときにはサブウィンドウ123の左側の一辺123cをメインウィンドウの右側の一辺121dにフィッティングする。一方、サブ中心c2の位置がメイン中心c1の位置よりも左にあるときにはサブウィンドウ123の右側の一辺123dをメインウィンドウ121の左側の一辺121cにフィッティングする。
次に、上述したフィッティングの処理をより具体的に説明する。
図4-1(a)、(b)、図4-2(c)は、メインウィンドウ121のいずれの辺にサブウィンドウ123をフィッティングするかを決定する処理を説明するための図である。本実施形態では、図4-1(a)、(b)及び図4-2(c)のいずれにおいても、x-y座標を示している。x-y座標の中心点oを基準としてx側を「左側」とする。また、x-y座標の中心点oを基準として-x側を「右側」とする。したがって、中心点oは、メインウィンドウ121及びサブウィンドウ123の左右の中心線上にある。メイン中心c1は、メインウィンドウ121の左右の中心を通る直線である。サブ中心c2は、サブウィンドウ123の左右の中心を通る直線である。
サブウィンドウ123がメインウィンドウ121の図3に示した正方形aの範囲内に入った場合、フィッティング表示部141は、サブ中心c2がメイン中心c1の左右いずれの側にあるかを判定する。そして、図4-1(a)のように、サブ中心c2がメイン中心c1の右側にあると判定した場合、フィッティング表示部141は、サブウィンドウ123の長辺123cをメインウィンドウ121の短辺121dにフィッティングする。
また、本実施形態は、メインウィンドウ121の長辺121aと短辺121cとの交点を中心として図3(b)に示した正方形aを予め設定しておくことができる。そして、サブウィンドウ123が長辺121aと短辺121cとの交点を中心とするように設定された正方形aの範囲内に入った場合、フィッティング表示部141は、サブ中心c2がメイン中心c1の左右いずれの側にあるかを判定する。そして、図4-1(b)のように、サブ中心c2がメイン中心c1の右側にあると判定した場合、フィッティング表示部141は、サブウィンドウ123の長辺123dをメインウィンドウ121の短辺121cにフィッティングする。
図4-2(c)は、サブウィンドウ123がメインウィンドウ121の左右のいずれにあるかを判定する処理を説明するための図である。図4-2(c)に示した例では、ポジションp1にあったサブウィンドウ123がポジションp2を通ってポジションp3にドラッグされたものとする。フィッティング表示部141は、ドラッグの過程でメイン中心c1とサブ中心c2の座標を順次読み込んでいる。そして、フィッティング表示部141は、サブウィンドウ123がポジションp2通過時にサブ中心c2がメイン中心c1と一致したタイミングでサブウィンドウ123がメインウィンドウ121の右側から左側に移動したと判断する。
さらに、サブウィンドウ123が正方形aの範囲内に入る条件を満たすと、フィッティング表示部141は、メインウィンドウ121とサブウィンドウ123との相対的な左右の位置関係に基づいてサブウィンドウ123をメインウィンドウ121にフィッティングする。
このような処理によれば、本実施形態は、メインウィンドウ121に対して左右いずれの方向からもサブウィンドウ123をフィッティングすることができる。このため、本実施形態は、ユーザが自身の利き手や作業環境に応じてディスプレイ画面110を操作しやすいようにメインウィンドウ121及びサブウィンドウを配置することができる。
なお、本実施形態は、上記したように、サブウィンドウ123をメインウィンドウ121の左右いずれか一方にフィッティングする構成に限定されるものではない。例えば、本実施形態によれば、メインウィンドウ121の長辺121aまたは長辺121bの一方にサブウィンドウ123の短辺123bまたは短辺123aをフィッティングすることも可能である。
<マルチウィンドウドラッグ>
次に、本実施形態のマルチウィンドウドラッグについて説明する。マルチウィンドウドラッグは、図1に示した表示画像生成部139のウィンドウ操作部143によって行われる。ウィンドウ操作部143は、フィッティングが行われたメインウィンドウ121に対してドラッグ操作が行われた場合にはフィッティングを維持したままメインウィンドウ121と共にサブウィンドウ123に対してドラッグ操作を行う。一方、ウィンドウ操作部143は、フィッティングが行われたサブウィンドウに対してドラッグ操作が行われた場合には、フィッティングを解除してサブウィンドウ123に対してのみドラッグ操作を行う。このような動作を、本実施形態ではマルチウィンドウドラッグと記す。
具体的には、表示画像生成部139は、ユーザがドラッグの操作を指示すると、この操作の指示を有効としてメインウィンドウ121やサブウィンドウ123が移動されたとき、ドラッグの方向や量に応じてメインウィンドウ121やサブウィンドウ123が移動した状態の表示画像を生成する。このとき、本実施形態では、ウィンドウ操作部143が表示画像生成部139にあってメインウィンドウ121とサブウィンドウ123とがフィッティングされているか否かを判断する。そして、ユーザインターフェース15から入力されるカーソルの座標によりドラッグがメインウィンドウ121上で指示されたかサブウィンドウ123上で指示されたかを判定する。
ウィンドウ操作部143は、メインウィンドウ121上でドラッグが指示されたと判定した場合、この操作を有効としてメインウィンドウ121をドラッグの方向及び量に応じて移動する。また、ウィンドウ操作部143は、メインウィンドウ121の移動と同時に、サブウィンドウ123もメインウィンドウ121と同じ方向及び同じ量だけ移動させる。
一方、ウィンドウ操作部143は、サブウィンドウ123上でドラッグが指示されたと判定した場合、メインウィンドウ121とサブウィンドウ123とのフィッティングを解除する。そして、ウィンドウ操作部143は、サブウィンドウ123だけについてドラッグの指示を有効とし、サブウィンドウ123をドラッグの方向及び量に応じて移動する。
以上の動作により、本実施形態は、フィッティングの後にメインウィンドウ121をドラッグすればフィッティングされたメインウィンドウ121とサブウィンドウ123とを一体的にドラッグすることができる。このため、コンピュータの操作に不慣れなユーザがメインウィンドウ121を移動させたことによって意図せずにサブウィンドウ123とのフィッティングが解除され、再度フィッティングを行う煩雑さを回避できる。
また、以上の動作によれば、サブウィンドウ123上でドラッグを指示することによってメインウィンドウ121とサブウィンドウ123とのフィッティングを必要に応じて解除することができる。このような操作は、メインのディスプレイにサブディスプレイを着脱する物理的な動作と直感的に近いので、コンピュータに不慣れなユーザであっても操作を円滑に行うことができる。
[マルチウィンドウの表示方法、マルチウィンドウ表示プログラム]
図5、図6は、本実施形態による車両整備情報管理システム1におけるマルチウィンドウ表示方法及びマルチウィンドウ表示プログラムを説明するためのフローチャートである。図5は、上記したフィッティングを実行するマルチウィンドウ表示方法を説明している。図6は、マルチウィンドウドラッグを実行するマルチウィンドウ表示方法を説明している。図5及び図6に示したフローチャートは、いずれもコンピュータ上で動作するプログラムによって実現される。
図5に示すように、本実施形態では、先ず、S51において、図1に示した操作判定部145が順次ユーザインターフェース15からカーソルの座標を順次取得する。次に、操作判定部145は、ステップS52において、取得した座標、あるいは連続する座標の軌跡によってユーザによってなされたドラッグやクリック等の操作を判定する処理を実行する。図1に示した表示画像生成部139は、ステップS53において、操作に応じて変化した表示画像を生成する。
図1に示したウィンドウ間距離判定部137は、ステップS54において、生成された画像におけるサブウィンドウ123のメインウィンドウ121に対する距離を判定する。ウィンドウ間距離判定部137がメインウィンドウ121とサブウィンドウ123とが正方形aの範囲内にある(図中に「ウィンドウ間の距離<a」と記す)と判断すると(ステップS54:Yes)、ステップS55において、図1に示したフィッティング表示部141がメインウィンドウ121にサブウィンドウ123をフィッティングする。
フィッティング後、ステップS56において、フィッティング表示部141は、フィッティング表示部141として機能するプログラムにおいてフィッティングがなされていることを示すフラグをONする。また、ステップS54において、サブウィンドウ123が正方形aの範囲外にあると判断されると(ステップS54:No)、フィッティング表示部141は、ステップS57においてフィッティングフラグをOFFさせる。
以上の処理の後、図1に示した表示画像生成部139は、ステップS58において、生成された表示画像をワーキングメモリに展開する。そして、ディスプレイ駆動部111を制御して展開された表示画像をディスプレイ画面110に表示させる。なお、図6に示したフローチャートは、システムのシャットダウンがなされると割込み処理によって終了する。
図6に示したフローチャートは、図6に示したステップS52において実行される操作判定処理を説明するための図である。図1に示した操作判定部145は、ステップS61において、ユーザインターフェース15から入力された情報が特定のタスクを指示するコマンドであるか否か判定する。ステップS61においてコマンドに係る操作がされたと判定された場合(ステップS61:Yes)、図1に示したCPU133は、ステップS62においてコマンドに応じたプログラムに処理を指示する。
操作判定部145は、操作をコマンドの入力でないと判定した場合(ステップS61:No)、ステップS63においてドラッグ操作の指示がなされたか否か判定する。ドラッグ操作の指示であった場合(ステップS63:Yes)、操作判定部145は、ステップS64においてドラッグがメインウィンドウ121上において指示されたか否か判定する。ドラッグ操作がメインウィンドウ121上で行われたと判定されると(ステップS64:Yes)、ウィンドウ操作部143は、ステップS65において、フィッティングフラグのON、OFFを判定する。
フィッティングフラグがONされている場合(ステップS65:Yes)、ウィンドウ操作部143は、ステップS66においてメインウィンドウ121と同時にサブウィンドウ123についてドラッグの指示を有効とするマルチウィンドウドラッグを行う。また、ステップS63においてドラッグ操作が指示された座標がメインウィンドウ121上ではないと判定された場合(ステップS64:No)及びフィッティングフラグがOFFされていると判定された場合(ステップS65:No)、ウィンドウ操作部143は、ドラッグされた対象についてだけをドラッグの指示を有効とする(図中では通常ドラッグ処理と記す)。
さらに、操作判定部145は、ステップS63において、ユーザインターフェース15から入力された指示がドラッグ操作でないと判定した場合(ステップS63:No)、操作判定部145は、ステップS67において文字入力のための操作が指示されたか否か判定する。そして、文字入力の操作が指示されたと判定した場合(ステップS67:Yes)、操作判定部145は、マルチウィンドウ表示プログラムの文字の入力処理を行うプログラムに文字入力が指示されたことを通知する。
操作判定部145の通知により、マルチウィンドウ表示プログラムは、ステップS68において、マルチウィンドウ表示プログラムとして独立して動作する文字入力のプログラムを起動する入力処理を実行する。また、ステップS67において、操作が文字入力を指示するものでもないと判定された場合(ステップS67:No)、操作判定部145は、操作の種別が判定できないとして処理を終了する。このとき、表示画像生成部139は、操作がされていないものとして表示画像の生成に移行する。
なお、以上説明した本実施形態では、マルチウィンドウ表示プログラムが、マルチウィンドウ表示機能の実現に用いられる汎用的なプログラムのシステム画面とは独立したマルチウィンドウの画面を提供する。このため、マルチウィンドウ表示プログラムは、汎用コンピュータのプログラムとは独立して動作する。 このような本実施形態は、マルチウィンドウの処理の実行中にコンピュータのメインプログラムを動作させることができる。また、コンピュータのメイン画面の動作が制限されることがない。このため、本実施形態は、マルチウィンドウの操作中にユーザに係るストレスを軽減することができる。
(メインウィンドウにおける情報閲覧及び作業)
次に、図2に戻って、本実施形態のメインウィンドウ121において閲覧可能な情報及びメインウィンドウ121において実行可能な作業について説明する。車両整備情報管理システム1では、メインウィンドウ121及びサブウィンドウ123を利用した作業を行う際、図1に示した作業制御部170の情報抽出部179は、整備情報データベース147から車両情報や顧客情報、あるいは整備情報を抽出する。情報抽出部179は、抽出された情報を、現在を基準として定められる期間で抽出する。また、情報抽出部179は本体13に配置された設定情報ファイル(不図示)から各種の設定情報を抽出する。表示制御部177は、情報抽出部179によって抽出された整備情報等をメインウィンドウ121に自動的に表示する。また、外部情報取得部171は、インターネットを介して車両整備情報管理システム1の外部から情報を取得する。
(ヘッドライン表示)
ヘッドライン表示部128は、インターネット接続が可能な環境下において、メインウィンドウ121にヘッドライン情報を表示するための表示部である。図1に示した作業制御部170の外部情報取得部171は、車両整備情報管理システム1がインターネット接続されている場合に、自動車ニュースサイトとへ接続して当該自動車ニュースサイトの画面(例えば、トップページ)に表示されているヘッドライン情報を取得する。
また、作業制御部170の表示制御部177は、ヘッドライン情報の取得元の自動車ニュースサイト名(本例では、「自動車ニュース」と仮定する)と現在日付とともに外部情報取得部171が取得したヘッドライン情報をヘッドライン表示部128に表示する。通常、自動車ニュースサイトには複数のヘッドライン情報が表示されている。したがって、外部情報取得部171は、自動車ニュースサイトへの1度の接続時に自動車ニュースサイトに表示されている複数のニュース見出しを一括して取得する。外部情報取得部171は、取得した複数のヘッドライン情報を一定の時間間隔(ヘッドライン表示間隔)ごとに切り替えてヘッドライン表示部128に表示する。
例えば、外部情報取得部171がニュース見出しを10件取得し、ニュース表示間隔が8秒間に設定されていると仮定する。このとき、1件目のヘッドライン情報がヘッドライン表示部128に表示されてから8秒間経過すると、2件目のニュース見出しがヘッドライン表示部128に表示される。以下、同様に8秒ごとに表示されるヘッドライン情報が切替えられ、72秒間経過すると10件すべてのニュース見出しがヘッドライン表示部128に表示される。また、10件目のヘッドライン情報がヘッドライン表示部128に表示されてから8秒間経過すると、1件目のニュース見出しが再びヘッドライン表示部128に表示される。このように、外部情報取得部171が新たに自動車ニュースサイトからヘッドライン情報を新たに取得するまで外部情報取得部171が自動車ニュースサイトへの最後の接続時に取得したヘッドライン情報が繰り返しヘッドライン表示部128に表示される。
本実施形態による車両整備情報管理システム1において、ヘッドライン表示間隔、ヘッドライン情報の取得件数上限といったヘッドライン情報の表示に係る情報は、ユーザが任意に設定可能に構成されている。ただし、ヘッドライン情報の取得数上限は、ヘッドライン情報の取得元との契約等により制限される場合がある。また、外部情報取得部171が自動車ニュースサイトに接続してヘッドライン情報を取得する間隔(ヘッドライン取得間隔)は、ヘッドライン情報の取得元のサイト(本例では自動車ニュースサイト)の情報更新タイミング(例えば、1日1回)に合わせて設定されている。ただし、これに限られず、臨時の情報更新が行われる場合等を想定して、ユーザが任意にヘッドライン取得間隔を設定してもよい。
また、ヘッドライン表示部128は、ヘッドライン情報の取得元(自動車ニュースサイト)へのハイパーリンクが設定されている。このため、ユーザは、ヘッドライン表示部128に対してユーザインターフェース15の操作(例えば、マウスクリック)により自動車ニュースサイトを参照して、ヘッドライン表示部128に表示されたニュース見出しの記事内容を閲覧することができる。
このようなヘッドライン情報閲覧機能を有することにより、車両整備情報管理システム1は、ユーザが自ら自動車ニュースサイトに接続しなくても自動的に自動車に関する最新情報を提供できる。このため、ユーザは意図しなくても新たな情報を取得することができる。また、ユーザが興味のあるニュース記事を直接閲覧できるので、作業の隙間時間等におけるユーザの情報収集を効率化することができる。
(カレンダー)
カレンダー129は、6週間分の日付表示が可能なカレンダーである。カレンダー129は、当月表示部291、日付表示部293、月送り操作部295及び週送り操作部297で構成されている。また、詳しくは後述するが、カレンダー129は予約モードにおけるサブウィンドウ123の表示内容と対応付けられている。
当月表示部291は、当月を表示するための表示部である。車両整備情報管理システム1において、当月とは車両整備情報管理システム1の起動時において初期画面を表示する際にシステム側で取得した現在日付に該当する月、またはユーザが任意に選択した月が表示される表示部である。また、日付表示部293は、当月表示部291に表示された年月に該当する期間を含む6週間分の日付が表示される表示部である。作業制御部170の表示制御部177は、初期画面表示時において、現在日付に該当する月を当月として当月表示部291に表示する。さらに、表示制御部177は、当月表示部291に表示された年月に該当する期間を含む6週間分の日付を日付表示部293に表示する。図2は車両整備情報管理システム1の初期表示時の現在日付が平成28年8月18日であって、表示制御部177が当月表示部291に当月として「平成28年8月」を表示し、日付表示部293に平成28年8月を含む6週間分の日付を表示した状態を示している。
日付表示部293には、当月表示部291の前後の月の日付も合わせて表示される。図1では、当月表示部291に表示されている平成28年8月の前月である平成28年7月の日付(7月31日)と、次月である平成28年9月の日付(9月1日から9月9日)が表示されている。
また、当月表示部291における当月の表示はユーザが任意に切り替えることができる。月送り操作部295は、当月表示部291に表示される当月を切り替えて日付表示部293の表示を月単位で変更する操作に用いられる。月送り操作部295はユーザの操作を受け付ける3つのボタンmb1,mb2,mb3で構成されている。ボタンmb1には「<」が表示されている。ボタンmb1は、当月表示部291に表示される当月を、現在表示されている月よりも遡るために用いられる。また、ボタンmb2には「本日」が表示されている。ボタンmb2は、当月表示部291に表示される当月を現在日付に該当する月に一致させるとともに日付表示部293において現在日付に該当する日付欄を選択状態にするために用いられる。また、ボタンmb3には「>」が表示されている。ボタンmb3は、当月表示部291に表示される当月を、現在表示されている月よりも先送りするために用いられる。
週送り操作部297は、日付表示部293の表示を1週間単位でスクロール表示する操作に用いられる。週送り操作部297はユーザの操作を受け付ける2つのボタンwb1,wb2で構成されている。ボタンwb1には上向きの三角形が表示されており、日付表示部293の表示を1週ごとに遡る、すなわち日付表示部293をスクロールさせて新たに1行分上を表示するために用いられる。また、下側のボタンには下向きの三角形が表示されており、日付表示部293の表示を1週ごとに先送りする、すなわち日付表示部293をスクロールさせて新たに1行分下を表示するために用いられる。
例えば、図1に示す状態のカレンダー129について週送り操作部297のボタンwb1が1度押下されると、カレンダー129の日付表示部293の1行目には7月31日~8月6日の週から1週間遡った7月24日から7月30日までの週が新たに表示される。また、日付表示部293の2行目から6行目には、7月31日から9月3日の期間が1週間単位で順次繰り下げ表示される。また、例えば、図1に示す状態のカレンダー129について週送り操作部297のボタンwb2が1度押下されると、カレンダー129の日付表示部293の6行目には9月4日から9月10日までの週から1週間先の9月11日から9月17日までの週が新たに表示される。また、カレンダー129の日付表示部293の1行目から5行目には8月7日から9月10日の期間が1週間単位で順次繰り上げ表示される。週から1週間先の8月7日から8月13日までの週が表示される。また、カレンダー129の日付表示部293の6行目には9月4日から9月10日までの週から1週間先の9月11日から9月17日までの週が新たに表示される。
次に、日付表示部293の詳細について説明する。日付表示部293の各日付欄には日付を示す数字(日付数字)の下部に四角枠で囲まれた2つの数字が最大で2つ並んで表示されている。この2つの数字のうち左側は、該当日における車両の整備等の予約件数を示す数字である。また、2つの数字のうち右側は、該当日における代車の残数を示す数字である。表示制御部177は、各日付欄について予約件数が0件の場合は当該日付欄に予約件数を表示しない。例えば図1に示すカレンダー129の8月18日を示す日付欄には日付を示す数字「18」の下部の左側「2」、右側に「8」が並んで表示されている。これは、8月18日の予約件数が2件であり、代車の残数が8台であることを示している。カレンダー129の表示時において、図1に示した作業制御部170の情報抽出部179は、整備情報データベース147から当月表示部291に表示された月を含む6週間分の予約件数及び代車残数を抽出する。表示制御部177は、情報抽出部179によって抽出された予約件数及び代車残数を各日付欄に表示する。
また、ユーザインターフェース15によって各日付欄にカーソルを合わせる動作(例えばマウスオーバー)を行うと、表示制御部177はカーソルが合わされた日付欄上において、予約件数及び台車残数のツールチップ表示を行う。例えば、8月18日の日付欄上にカーソルが合わせられると、「予約 2件」「代車 1件」という内容のツールチップ表示が行われる。
表示制御部177は、日付表示部293に各日付欄を表示する際に、当月表示部291に表示されている当月の前後の日付をグレーアウト表示する。これにより、カレンダー129では当月表示部291に表示されている当月に該当する日付と、当月の前後の日付との区別が視覚的に容易である。また、日付表示部293においてグレーアウトされていない日付欄は、上述のツールチップ表示等が有効な状態(有効状態)であり、グレーアウトされている日付欄はツールチップ表示等が無効な状態(無効状態)である。ただし、ユーザインターフェース15によってグレーアウトされた日付欄を選択(例えば、マウスによるクリック)すると、その日付を含む月が当月表示部291に表示される当月となり、新たな当月に含まれる期間の日付欄のグレーアウト表示が解除されて有効状態となる。このように、当月表示部291の表示は日付欄の選択によって切替えることもできる。
このように、カレンダー129によれば、日付表示部293において各日付の予約件数や台車残数を6週間分まとめて確認することができるので、ユーザは長期のスケジュールを容易に確認できるとともに、新たなスケジュール作成も円滑に進めることができる。また、カレンダー129は、週送り操作部297のボタン操作によって日付表示部293の表示を1週間単位でスクロール表示することができる。これによりに、コンピュータ操作に不慣れなユーザであっても、画面を切り替える等の面倒な操作をすることなく、当月の予約状況と併せて翌月の予約状況を容易に確認することができる。
(情報受渡し機能)
次に、図7から図9を用いて本実施形態による車両整備情報管理システム1における情報受け渡し機能について説明する。まず、情報受渡し機能の概要について説明する。情報受渡し機能は、車両整備情報管理システム1と同じ構成を有する車両整備情報管理システムを導入している整備事業所間で伝票情報の受渡しを行うための機能である。ここで伝票情報とは、車両に対応する顧客情報と当該車両を対象とした作業(整備、修理、補修、保守、点検、車検及び販売等)に関する作業情報をいう。伝票情報は、これらの作業情報の内容に応じて複数種類の種別に分類される。ただし、伝票情報の受渡しの対象となる伝票情報には作業情報のみが含まれ、顧客情報は一切含まれない。
整備事業所で行われる作業は多岐に亘るため、顧客から依頼された作業を協力関係にある整備事業所や下請けの整備事業所等の他の事業所に依頼することが常態となっている。このため、例えば元請の整備事業所と下請けの整備事業所との間で依頼対象の作業に関する伝票情報の受渡しを行う必要がある。従来は、ファクシミリ送信等による紙資料の受渡しにより伝票情報の受渡しを行っていた。しかしながら、従来の方法では伝票情報の受領側の整備事業所では紙に印刷された資料を手入力でコンピュータ等に記録することになるため、項目の多い伝票情報(例えば、見積書や請求書等の作成用の伝票情報)を入力する際には、打ち間違えや作業効率の低下という問題があった。また、紙資料による伝票情報の受渡しでは、紙資料の破損・紛失や印刷状態の不良により情報が失われることもあった。
本実施形態による車両整備情報管理システム1における情報受渡し機能では、伝票情報は、受渡し可能な形式(例えば、ファイル)で電子メールへの添付や電子媒体(例えば、USBメモリDVD-R等)への書き込みによって提供される。このため、伝票情報の受領者は、伝票情報を含むファイル(伝票情報ファイル)から伝票情報を容易に読み込むことができる。このように、情報受渡し機能を利用することで整備事業所間における伝票情報の受渡しを効率的に行うことができる。以降、情報受渡し機能の詳細を説明する。
図7は、整備情報を編集する作業画面である整備情報画面が表示されたメインウィンドウ(伝票情報表示画面の一例)121と選択ダイアログ画面600とを例示した図である。図7に示す整備情報画面は、例えばユーザが図2に示した初期画面の画面表示ボタン127のうち、「整備受付」を選択することによってメインウィンドウ121に表示される。整備情報画面を表示したメインウィンドウ121には、車両ナンバ「宮崎33ぬ××××」の車両と当該車両に対応する顧客「A川 B夫」の顧客情報と、当該車両を対象とした整備情報が読み込まれている。
整備情報画面を表示している状態のメインウィンドウ121の右上領域には、情報受渡し機能の種別をユーザに選択させるための受渡し種別選択画像121rが表示されている。車両整備情報管理システム1における譲歩受渡し機能には、伝票情報ファイルを出力する情報出力処理と伝票情報ファイルからの伝票情報の入力を行う情報入力処理の2つの種別がある。ユーザが受渡し種別選択画像121rを押下すると図7に示す選択ダイアログ画面600が表示される。選択ダイアログ画面600は、情報受渡しの種別を選択するためのダイアログ画面である。選択ダイアログ画面600には、情報出力処理を選択するための情報出力ボタンeb1と、情報入力処理を選択するための情報入力ボタンeb2と、情報出力処理を実行せずに元画面(本例では、整備情報画面)の処理に戻るための戻るボタンtb1とが設けられている。ユーザが情報出力ボタンeb1を押下すると、情報出力処理を実行するための出力実行ダイアログ画面610(図8(a)参照)が表示される。また、ユーザが情報入力ボタンeb2を押下すると、情報入力処理を実行するための入力実行ダイアログ画面630(図8(b))が表示される。戻るボタンtb1を押すと選択ダイアログ画面600はディスプレイ画面110において非表示となる。
受渡し種別選択画像121rは、整備情報画面に限られず、画面表示ボタン127(図2参照)である「整備」「車販」「鈑金」の各ボタンを選択することでメインウィンドウ121に表示される各作業画面において表示される。また、情報選択ボタン125(図2参照)のうち「車両」ボタンを選択することでメインウィンドウ121に表示される作業画面(車両情報画面)にも受渡し種別選択画像121rが表示される。このように、情報受渡し機能の受渡し対象となる伝票情報には、「整備」「車販」「鈑金」「車両」の各作業に関するいずれかの作業情報が含まれる。ただし、ここでは整備に関する作業情報を含む伝票情報の受渡しを例にとって説明する。
次に、図8及び図9を用いて情報受渡し機能における情報出力処理及び情報入力処理について説明する。図8(a)は、出力実行ダイアログ画面610の概略構成を示す図である。また、図8(b)は、入力実行ダイアログ画面630の概略構成を示す図である。また、図9は、車両整備情報管理システム1の情報受渡し機能における情報出力処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、本実施形態による車両整備情報管理システム1のユーザが所属する整備事業所(例えば、「○×自動車」)と、協力関係にある整備事業所(例えば、「××整備工場」)との間で伝票情報の受渡しを行う場合を例にとって情報出力処理及び情報入力処理を説明する。伝票情報の受渡しの相手先となる整備事業所(本例では「××整備工場」)では、車両整備情報管理システム1の情報出力制御部174と同じ構成の情報出力制御部を少なくとも備える別の車両整備情報システム(相手先システム)が導入されている。情報出力制御部174については後述する。
まず、図8(a)を用いて、出力実行ダイアログ画面610の概略構成を説明する。出力実行ダイアログ画面610には、送信情報表示部611と送信メッセージ入力部613と、保存ボタンeb3と、戻るボタンeb4とが設けられている。送信情報表示部611には、出力実行ダイアログ画面610の初期表示時において、伝票情報ファイルの送信者すなわち伝票情報の提供者である提供側事業所の名称、伝票情報ファイルの作成日付、伝票情報に含まれる作業情報に対応する車両の車両ナンバー、当該車両のメーカー・車名、伝票種類、出力される伝票情報ファイルの既定の保存先といった情報が表示される。これらの情報のうち、送信者、作成日付、ファイルの保存先についてはユーザによる入力が可能である。また、送信情報表示部611のファイル名表示入力部611aには、伝票情報ファイルの名称が表示される。出力実行ダイアログ画面610の初期表示時において、ファイル名表示入力部611aには、伝票情報の内容に基づいて作成された既定のファイル名と拡張子とが併せて表示される。また、送信メッセージ入力部613は、ユーザが受領側事業所への伝達事項等の任意のメッセージを入力可能な入力部である。初期表示時には、送信メッセージ入力部613は、空欄で表示される。
次に、情報受渡し機能における情報出力処理について、図7及び図8(a)を参照しながら図9を用いて説明する。以下、車両整備情報管理システム1のユーザが所属する整備事業所(○×自動車)が提供側事業所として、受領側事業所(××整備工場)に提供する伝票情報ファイルを出力する例を説明する。
ステップS31において、情報抽出部179は、操作判定部145が整備情報画面において受渡し種別選択画像121rが押下されたと判定したことに基づいて、整備情報データベース147から整備に関する作業情報を含む伝票情報を抽出する。具体的には、情報抽出部179は、整備情報データベース147から図7に示す情報表示部(伝票情報表示部の一例)121jに表示される情報を抽出する。情報表示部121jに表示されている情報は、編集中の情報であってユーザにより確定処理(整備情報データベース147への保存処理)が行われていない不確定の情報の場合がある。したがって、情報抽出部179は、情報出力処理の開始時点において確定されている情報すなわち整備情報データベース147に保存されている情報を抽出する。なお、図7に示すメインウィンドウ121の情報表示部121jに表示されている情報は、整備情報データベース147に保存されている情報と一致している状態である。また、ステップS31において、情報抽出部179は、伝票情報と併せて出力実行ダイアログ画面610の送信情報表示部611に表示するための情報(提供側事業所の名称、伝票情報ファイルの作成日付、伝票情報ファイルの既定の保存先等)も取得する。
ステップS31における伝票情報の抽出にあたり、情報抽出部179は、顧客情報以外の伝票情報、すなわち作業情報のみを抽出する。このため、情報出力処理において出力される伝票情報ファイルには、顧客情報が含まれることはない。顧客情報は、各整備事業所の整備情報データベースにおいて個別に管理されており、他の整備事業所における顧客情報と必ずしも一致するものではない。例えば、同じ顧客であっても提供側事業所と受領側事業所とでは顧客を識別する番号が異なっている(001と005等)場合や、提供側事業所と受領側事業所の双方に氏名が同一の顧客の顧客情報があってもそれぞれ別人である場合がある。また、顧客情報には車両の所有者の氏名や住所といった個人情報が含まれるため、個人情報保護の観点からも受渡し対象の伝票情報に顧客情報を含まないことが望ましい。
次に、ステップS31の次のステップS32(ファイル名設定手段の一例)において、情報抽出部179は、ステップS31で抽出された伝票情報の内容に基づいて、図8(a)に示す出力実行ダイアログ画面610のファイル名表示入力部611aに表示する既定のファイル名を作成する。既定のファイル名には、車両を識別する情報と伝票情報の種別を表す情報とが含まれる。具体的には、既定ファイル名は「車両を識別する情報+伝票情報の種別を表す情報」となる。ただし、車両整備情報管理システム1では、既定ファイル名のパターンが伝票情報に含まれる作業情報の種類によって異なる。
ここで、作業情報の種類に応じた既定ファイル名のパターンについて説明する。作業情報の種類が車両情報に係る作業(車両作業)の場合の既定ファイル名のパターンは、「車両ナンバー+車台番号」となる。なお、車台番号とは車両の車台部分に打刻された番号をいう。車両ナンバーも車台番号も車両を識別する情報であるが、車両ナンバーと車台番号とが組み合わされた既定ファイル名により、ユーザは車両を識別するとともに、車両作業に関する伝票情報であることが判定できる。また、作業情報の種類が車両の整備係る作業(整備作業)又は鈑金に係る作業(鈑金作業)である場合の既定ファイル名のパターンは、「車両ナンバー+伝票番号」となる。車両ナンバーと伝票番号とが組み合わされた既定ファイル名によりユーザは、車両ナンバーにより車両を識別するとともに、整備作業又は鈑金作業に関する伝票情報であることが判定できる。さらに、作業情報の種類が車両の販売に係る作業(車販作業)である場合の既定ファイル名のパターンは、「車台番号+伝票番号」となる。車台番号と伝票番号とが組み合わされた既定ファイル名によりユーザは、車台番号により車両を識別するとともに車販作業に関する伝票情報であることが判定できる。
例えば、情報抽出部179は、整備作業の情報を含む伝票情報ファイルの既定ファイル名として図7の情報表示部121jに表示されている車両ナンバーと伝票番号で構成された既定ファイル名「宮崎33ぬ××××(12922)」を作成する。なお、「宮崎33ぬ××××」が車両ナンバーを表し、「12922」が伝票番号を表している。
このように、作業情報の種類によって既定ファイル名のパターンが異なることで、車両整備情報管理システム1及びこれと同じ構成を備える車両整備情報管理システムのユーザは、既定ファイル名から伝票情報ファイルに含まれる作業情報の種類を判定することができる。また、車両を識別する情報が既定ファイル名に含まれていることで、ユーザは伝票情報ファイルに含まれる伝票情報の対象車両を識別することができる。なお、伝票情報ファイルに含まれる作業情報の種類が整備作業又は板金作業の場合、既定ファイル名のみではこの2つの作業の区別はできないが、後述する既定拡張子と組み合わされることで各作業の区別が可能になっている。
図9に戻って、ステップS32の次のステップS33(拡張子設定手段の一例)において情報抽出部179は、出力実行ダイアログ画面610のファイル名表示入力部611aに既定ファイル名と併せて表示する既定の拡張子の設定を行う。既定の拡張子は、伝票情報の種別を表す情報、すなわち作業情報の種類に1対1で対応している。本実施形態による車両整備情報管理システム1では、作業情報の種類に対応する既定の拡張子が予め登録されている。例えば、車両作業と対応する拡張子として「xxxSR」、整備作業と対応する拡張子として「xxxSB」、車販作業と対応する拡張子として「xxxSH」、板金に対応する拡張子として「xxxBK」が登録されている。なお、既定の拡張子における「xxx」は、車両整備情報管理システム1の販売時におけるシステム名称の仮称である。情報抽出部179は、ステップS31において抽出した伝票情報の内容に基づいて、既定の拡張子を設定する。例えば、伝票情報ファイルに含まれる作業情報の種類が整備作業であるとき、情報抽出部179は、整備作業と対応する拡張子「xxxSB」を既定の拡張子として設定する。ステップS32において既定ファイル名が作成され、ステップS33において規定拡張子が設定されることで、図8(a)に示すファイル名表示入力部611aに既定ファイル名と規定拡張子とが併せて表示される。既定ファイル名と規定拡張子との組合せによるファイル名(システム設定ファイル名)によれば、ユーザは伝票情報の対象車両と伝票情報の種別とを判別することができる。
図9に戻って、ステップS33の次のステップS34において表示制御部177は、ステップS31において抽出された伝票情報に基づいて出力実行ダイアログ画面610をディスプレイ画面110に表示する。
ステップS34において出力実行ダイアログ画面610が表示されてから、操作判定部145により保存ボタンeb3が押下されていない旨の判定(ステップS35のNo)かつ戻るボタンeb4が押下されていない旨の判定(ステップS37のNo)がされている間、ユーザは出力実行ダイアログ画面610において送信情報表示部611、ファイル名表示入力部611a、送信メッセージ入力部613への入力を行うことができる。例えば、ユーザは送信者の名称や伝票情報ファイルの作成日付、伝票情報ファイルの保存先等を変更することができる。また、ファイル名表示入力部611aにおいて伝票情報ファイルの名称を既定の名称から変更することができる。ただし、拡張子を変更すると伝票情報ファイルの入力処理に支障をきたすおそれがあるので、既定の拡張子の変更は推奨されない。また、送信メッセージ入力部613には、図8(a)に示すように、受領側事業所へのメッセージを任意に入力できる。
図9に戻って、ステップS34の次のステップS35において操作判定部145は、図8(a)に示す保存ボタンeb3が押下されたと判定すると、保存ボタンeb3が押下されたことを情報出力制御部174に通知する。
ステップS35の次のステップS36において情報出力制御部174は、情報抽出部179が抽出した伝票情報をバイナリー形式のデータに変換した上でファイル出力する。情報出力制御部174は、車両整備情報管理システム1におけるファイル出力や印刷等の情報出力に関する処理を制御する。ステップS36において情報出力制御部174が伝票情報ファイルの出力を実行すると、次のステップS38において表示制御部177は出力実行ダイアログ画面610を閉じる。これにより、情報出力処理は終了してユーザは図7に示すメインウィンドウ121の整備情報画面での作業に戻る。
また、ステップS35において操作判定部145により保存ボタンeb3が押下されていないと判定されると(ステップS35のNo)、ステップS37において図8(a)に示す戻るボタンeb4が押下されたか否かが判定される(ステップS37)。ステップS37において戻るボタンeb4が押下されたと判定されると(ステップS37のYes)、次のステップS38において、表示制御部177が出力実行ダイアログ画面610を閉じる。これにより、情報出力制御部174による伝票情報ファイルの出力が行われることなく、情報出力処理が終了し、ユーザは図7に示すメインウィンドウ121の整備情報画面での作業に戻る。ステップS37において戻るボタンeb4が押下されていないと判定されると(ステップS37のNo)出力実行ダイアログ画面610の表示が継続される。
以上説明した情報出力処理により、情報受渡し機能を有する本実施形態による車両整備情報管理システム1は、伝票情報を電子メールへの添付や情報の書き込みが可能な電子媒体によって受渡し可能なファイル形式で出力することができる。これにより、伝票情報の提供側事業所と受領側事業所とは、メール送受信や電子媒体(例えば、USBメモリDVD-R等)の受渡し等の方法によって、車両整備情報管理システム1において出力されたファイル(伝票情報ファイル)の受渡しを行うことができる。また、伝票情報ファイルは電子データであるので、破損・紛失や印刷状態の不良により情報が失われるおそれが大幅に低減される。また、上述のように出力実行ダイアログ画面610への簡単な操作により伝票情報ファイルを出力することができるので、コンピュータの操作に不慣れなユーザであっても、短時間で伝票情報ファイルを出力することができる。
本例では、伝票情報ファイルが出力されると、車両整備情報管理システム1のユーザ(本例では、「○×自動車」の社員)は、例えば出力された伝票情報ファイルを電子メールへ添付することにより、受領側事業所(本例では「××整備工場」)へ容易に伝票情報ファイルを提供することができる。
次に、図8(b)を用いて、入力実行ダイアログ画面630の概略構成と情報受渡し機能における情報入力処理とを説明する。以下、車両整備情報管理システム1のユーザが所属する整備事業所(本例では、○×自動車)が提供側事業所(本例では、××整備工場)により提供された伝票情報ファイルを受領側事業所として読み込む例を説明する。
入力実行ダイアログ画面630には、保存場所選択部631と伝票情報ファイル選択部633と、伝票情報概要表示部635と、送信元メッセージ表示部637とが設けられている。また、入力実行ダイアログ画面630の下部には、確定ボタンeb5と、戻るボタンeb6が設けられている。ユーザが受渡し種別選択画像121r(図7参照)を押下し、表示された選択ダイアログ画面600(図7参照)において情報入力ボタンeb2を押下すると、表示制御部177によって入力実行ダイアログ画面630が表示される。
保存場所選択部631は、車両整備情報管理システム1の本体13として起動しているコンピュータの所定の記憶領域における伝票情報ファイルの保存場所を選択するための領域である。ユーザは、提供側事業所(本例では、××整備工場)から例えば電子メールでの添付によって受領した伝票情報ファイルを予めコンピュータの所定の記憶領域に保存している。本例では、ユーザは、伝票情報ファイルの保存領域として保存場所選択部631に表示されている「インポート」フォルダを用いるとする。ユーザは、保存場所選択部631において「インポート」フォルダを選択する。伝票情報ファイル選択部633には、保存場所選択部631において選択したフォルダ内に保存されている伝票情報が表形式で表示される。伝票情報ファイル選択部633は、「ファイル名」「日付時刻」「サイズ」の3つの項目に大別されている。「ファイル名」は伝票情報ファイルの名称を表している。「日付時刻」は伝票情報ファイルが作成された日時を表している。また、「サイズ」は伝票情報ファイルのファイルサイズを表している。図8(b)では、伝票情報ファイル選択部633に「インポート」フォルダ内に保存されている伝票情報ファイルの「ファイル名」「日付時刻」「サイズ」が表示されている。
具体的には、操作判定部145は、保存場所選択部631においてフォルダ(本例では、「インポート」フォルダ)が選択されたと判定すると、情報入力制御部(ファイル読込み部の一例)175に選択されたフォルダの場所(フォルダアドレス)を通知する。車両整備情報管理システム1におけるファイル読込み等の情報入力に関する処理を制御する情報入力制御部175は、通知されたフォルダアドレスに基づいてフォルダにアクセスし、選択されたフォルダ内の伝票情報ファイルの情報を取得する。このとき、情報入力制御部175は、例えば上述するステップS33で設定された既定拡張子によって伝票情報ファイルとその他のファイルとを判別する。表示制御部177は、情報入力制御部175によって取得された伝票情報ファイルの情報を受け取り伝票情報ファイル選択部633に表示する。これにより、保存場所選択部631において選択されたフォルダ内の伝票情報ファイルの情報が伝票情報ファイル選択部633に表示される。保存場所選択部631において選択されたフォルダ内に複数の伝票情報ファイルが存在すれば、伝票情報ファイル選択部633に複数の伝票情報ファイルの情報が一覧で表示される。また、選択されたフォルダ内に伝票情報ファイルが存在しなければ、伝票情報ファイル選択部633には伝票情報ファイルの情報は表示されない。
伝票情報ファイル選択部633においてユーザが伝票情報ファイルを選択すると、伝票情報概要表示部635に選択された伝票情報ファイルの概要が表示される。伝票情報ファイル選択部633に表示される伝票情報ファイルのファイル名が上述した伝票情報ファイルのシステム設定ファイル名(既定ファイル名と既定拡張子との組み合わせ)を含むファイル名であれば、ユーザはシステム設定ファイル名から車両の識別や伝票情報の種別を判別することが可能である。本例では、伝票情報ファイル選択部633及び伝票情報概要表示部635に表示されるファイル名は「宮崎45え××××(13955).xxxSB」である。これは、「車両ナンバー+伝票番号」の既定ファイル名と整備作業と対応する既定拡張子「xxxSB」の組合せによるシステム設定ファイル名であるので、ユーザは、車両ナンバーから車両を識別できるとともに、既定ファイル名と既定拡張子とによって伝票情報に含まれる作業情報が整備作業であることが判別できる。このため、ユーザは情報入力処理の対象とする伝票情報ファイルを選択することができる。また、伝票情報概要表示部635には、伝票情報ファイルのファイル名の他に、提供側事業所名を示す送信者(本例では、××整備工場)、作成日付、車両ナンバー、メーカー・車名、伝票種類といった情報が表示される。これにより、ユーザはより確実に情報入力処理の対象となる伝票情報ファイルを選択することができる。
また、送信元メッセージ表示部637には、伝票情報ファイルを作成した提供側事業所からのメッセージが表示される。このメッセージは、提供側事業所が出力実行ダイアログ画面610の送信メッセージ入力部613(図8(a)参照)において入力したメッセージである。提供側事業所において伝票情報ファイルを作成する際に、送信メッセージ入力部613に受領側事業所へ伝達したい事項を入力しておくと、受領側事業所において伝票情報ファイルを読み込む際に、メッセージを確認することができる。本例では、送信元メッセージ表示部637に「A野様の整備車両です」と記載されている。このように、例えば提供側事業所が伝票情報ファイルの内容や車両、作業等に関して付随的な情報を送信メッセージ入力部613に入力しておくと、受領側事業所が伝票情報ファイルを読み込む際に参考とすることができる。
確定ボタンeb5は、伝票情報ファイル選択部633において選択されている伝票情報ファイルに含まれる伝票情報を、車両整備情報管理システム1へ読み込む情報入力処理を実行するためのボタンである。確定ボタンeb5を押下すると、選択されている伝票情報ファイルに含まれる伝票情報における作業情報に関する作業を行う作業画面がメインウィンドウ121へ表示され、当該作業画面に伝票情報が反映される。
具体的には、ユーザが確定ボタンeb5を押下すると、操作判定部145は確定ボタンeb5が押下されたと判定し、情報入力制御部175に確定ボタンeb5が押下されたことを通知する。情報入力制御部175は、伝票情報ファイル選択部633において選択されている伝票情報ファイルの内容をバイナリー形式のデータからバイナリー形式変換前の伝票情報のデータ形式(例えばテキストデータ)に復元し、復元済みの伝票情報を表示制御部177に送る。これにより、メインウィンドウ121において伝票情報の内容が反映された作業画面が表示される。本例では、選択されている伝票情報ファイル(宮崎え××××(13955).xxxSB)には、整備作業に関する作業情報を含む伝票情報が含まれているため、確定ボタンeb5を押下すると、表示制御部177によってメインウィンドウ121に図7に示すような整備作業画面が表示される。このようにして、情報入力制御部175による伝票情報ファイルの読み込みが行われる。
ただし、伝票情報ファイルの読み込み時に表示される整備作業画面(ファイル読込み時整備作業画面)に反映されている伝票情報の内容は、図7に示すメインウィンドウ121の情報表示部121jに表示されている内容とは異なる。具体的には、ファイル読込み時整備作業画面には、確定ボタンeb5の押下時における入力実行ダイアログ画面630の伝票情報概要表示部635に表示されている伝票情報ファイルに含まれる伝票情報(車両ナンバー「宮崎45え××××」に関する整備請求書の伝票情報)が反映されている。また、ファイル読込み時整備作業画面において、顧客情報に関する項目は空欄となっている。
確定ボタンeb5が押下されたことに基づく情報入力処理が終了すると、入力実行ダイアログ画面630は表示制御部177によって閉じられて、ユーザは伝票情報が反映された整備作業画面における作業に移行する。上述したように、伝票情報ファイルに含まれる伝票情報には、顧客情報が一切含まれていない。このため、ユーザは、伝票情報ファイルの読込み処理(情報入力処理)が終了すると、伝票情報と顧客情報とを対応付ける作業を行った上で、伝票情報を整備情報データベース147に保存する。これにより、顧客情報が補完された伝票情報が受領側事業所において新たな伝票情報として登録される。
一方、ユーザが戻るボタンeb6を押下すると、情報入力制御部175による伝票情報ファイルの読み込みが行われることなく、情報入力処理が終了して入力実行ダイアログ画面630が非表示となる。
以上説明した情報入力処理により、情報受渡し機能を有する本実施形態による車両整備情報管理システム1は、伝票情報ファイルから顧客情報以外の伝票情報を容易に読み込むことができる。これにより、受領側事業所で入力する内容は顧客情報のみとなり、効率的に新たな伝票情報を作成することができる。また、上述のように入力実行ダイアログ画面630への簡単な操作により伝票情報ファイルを読み込むことができるので、コンピュータの操作に不慣れなユーザであっても、短時間で伝票情報ファイルを読み込むことができる。
(サブウィンドウを利用した情報閲覧及び作業)
次に、本実施形態のサブウィンドウ123を利用した情報の閲覧及び作業について図2及び図10から図17を用いて説明する。上述したように、サブウィンドウ123は、7つのモードで動作する。ここで、7つのモードのうち「検索モード」「照会モード」「予約モード」「分析モード」及び「印刷モード」の5つのモードの詳細を説明する。
(i)検索モード
まず、本実施形態の検索モードについて図2及び図10、図11を用いて説明する。
図2に示すように、検索モードにおいてサブウィンドウ123には、「顧客検索」「車両検索」「明細検索」「伝票検索」「在庫車検索」の5つのタブが表示可能である。検索モードにおいて、表示制御部177は、各タブにおいてユーザが入力した条件に基づいて整備情報データベース147から抽出された整備DB情報をサブウィンドウ123に表示する。例えば、表示制御部177は、顧客検索タブにおいて顧客情報をサブウィンドウ123に表示し、車両検索タブにおいて車両情報をサブウィンドウ123に表示し、在庫車検索タブにおいて在庫車に関する情報をサブウィンドウ123に表示する。ここで在庫車とは、車両の整備に係る事業所において顧客への販売の対象として管理されている車両をいう。また、表示制御部177は、抽出された整備DB情報を使って行われる作業を行うための作業画面を、抽出された整備DB情報を反映させた状態でメインウィンドウ121に表示する。
ここで、検索モードの5つのタブのうち在庫車検索タブについて図2および図10を用いて説明する。図2に示すように、検索モードにおける在庫車検索タブには、在庫車検索条件入力部351と、検索結果表示部352とが設けられている。在庫車検索条件入力部351は、在庫車の情報を検索するための条件(在庫車検索条件)を入力するための入力部である。検索結果表示部352は、在庫車の検索結果を一覧表示するための表示部である。
在庫車検索条件入力部351には条件表示切替部353が設けられている。条件表示切替部353をユーザインターフェース15により選択(例えばマウスクリック)することで、在庫車検索条件入力部351は在庫車検索タブの上部に折り畳まれた縮小状態と、図2に示すような伸長状態とに可逆的に切り替えられる。在庫車検索条件入力部351が伸長状態であると、検索結果表示部352は一部のみが視認可能な状態となる。また、在庫車検索条件入力部351が縮小状態となると、検索結果表示部352の全体が視認可能な状態となる(図10(a)参照)。
図2に示すように、在庫車検索条件入力部351において入力可能な条件の一例として新車または中古車を示す区分である新古区分、在庫車の状況を示す区分である状況区分、車両のメーカーや車名、走行距離等が設定されている。ユーザは、在庫車検索条件入力部351の任意の入力欄に条件を入力して在庫車検索条件入力部351の右下に設けられた「検索」ボタンを押下する。これにより、情報抽出部179は、整備情報データベース147からユーザが入力した在庫車検索条件に合致する在庫車情報を抽出する。本例では、ユーザは状況区分(未売却、商談中、売却済)のうち売却済以外を在庫車検索の条件としているので、情報抽出部179は、整備情報データベース147から状況区分が売却済以外に該当する在庫車情報を抽出する。
図10(a)は表示制御部177によって検索結果表示部352に在庫車の検索結果(情報抽出部179によって抽出された在庫車情報)が一覧表示された状態のサブウィンドウ123を示す図である。なお、図10(a)ではメインウィンドウ121の図示は省略している。本例では、検索結果表示部352に3件の検索結果すなわち3台分の在庫車情報が表示されている。在庫車情報の検索結果がサブウィンドウ123に一覧表示されると在庫車検索条件入力部351は自動的に縮小状態となるので、図10(a)に示すような検索結果表示部352は全体が視認可能な状態となっている。
検索結果表示部352に表示される在庫車検索結果の一覧は、各行が在庫車画像表示部521と在庫車情報表示部523とで構成されている。在庫車画像表示部521は、在庫車の写真画像が表示される表示部である。また、在庫車情報表示部523は、在庫車の車名や価格、年式、走行距離といった在庫車の概要を表す情報が表示される表示部である。また、一覧の上から2行目に示すように、商談中の在庫車については在庫車画像表示部521に商談中アイコン画像524が表示されている。商談中アイコン画像524は、商談が進行中であることを示すアイコン画像である。図10(a)では商談中アイコン画像524は星のイラスト画像であるが、これに限られない。商談中アイコン画像524は、在庫車画像表示部521における在庫車画像の視認を妨げない大きさであればどのような画像でもよい。本実施形態では、在庫車が商談中であることを示す情報が文字ではなくアイコンとして在庫車画像表示部521に表示されるため、例えば在庫車情報表示部523に表示される情報等と混在しにくくなっている。このため、ユーザが検索結果表示部352に表示される在庫車のうち商談中である在庫車を見逃すことを防止することができる。また、図10(a)では図示しないが、顧客に売却済みとなっている在庫車は、検索結果表示部352においてグレーアウト表示される。
検索結果表示部352において在庫車検索結果の一覧の上側には表示順設定部527が設けられている。表示順設定部527は、管理番号、メーカー・車名、車両価格、走行距離または年式といった情報から1つを選択して在庫車検索結果の一覧の表示順に設定できる。本実施形態では表示順設定部527はコンボボックスであるが、選択及び入力操作が可能な構成であればよく、コンボボックスに限られない。表示制御部177は、例えば表示順設定部527で設定された情報の昇順で、検索結果表示部352に在庫車の検索結果を一覧表示する。本例では、表示順に係る情報として在庫車を管理するために在庫車ごとに割り振られた番号である管理番号が設定されている。このため、検索結果表示部352には、管理番号の昇順(「000019」「000020」「000021」の順)で在庫車の検索結果が一覧表示されている。なお、検索結果表示部352における在庫車の検索結果の表示順は昇順に限られず、降順でもよい。また、車両整備情報管理システム1では、表示順設定部527で設定された情報の内容に応じて表示順が降順又は昇順に切り替えられるように構成されていてもよい。
このように、本実施形態による車両整備情報管理システム1では、検索結果表示部352に在庫車の検索結果が一覧表示される。このため、ユーザは例えば顧客の希望する条件を満たす複数の在庫車の情報を比較しながらのセールス等、業務を円滑に進めることができる。また、在庫車検索結果の一覧が在庫車画像表示部521と在庫車情報表示部523とで構成されていることでユーザは在庫車の見た目(外観等)と在庫車の概要情報とを合わせて確認することができる。
図10(b)は図10(a)に示した在庫車の検索結果の一覧から任意に選択された在庫車についての詳細情報を表示するダイアログ画面である在庫車詳細ダイアログ530を示す図である。ユーザが図10(a)の検索結果の一覧から任意の行に表示されている在庫車情報を選択(例えば、マウスクリック)して、在庫車情報表示部523の下部に設けられている在庫車詳細ボタン529を押下すると、表示制御部177により図10(b)に示す在庫車詳細ダイアログ530がディスプレイ画面110に表示される。
在庫車詳細ダイアログ530の左側領域下部には、在庫車の外観や内観を撮影した写真画像等の複数(本例では10個)の画像がサムネイル表示されるサムネイル表示部531が設けられている。図10(b)では、サムネイル表示部531には、10個のサムネイル画像が表示されている。なお、図10(b)では10個サムネイル画像のうち、上段右端のサムネイル画像のみに車を表す画像を表示し、他の9個のサムネイル画像については画像の表示を省略して枠のみを表示している。
また、サムネイル表示部531の上側にはサムネイル表示部531においてユーザにより選択(例えば、マウスクリック)されたサムネイル画像を拡大して表示する選択画像拡大表示部533が設けられている。本例では、サムネイル表示部531においてサムネイル画像I1が選択され、サムネイル画像I1が拡大表示されている。また、図10(a)に示す検索結果表示部352の在庫車画像表示部521には、サムネイル表示部531に表示される複数のサムネイル画像のうち検索結果一覧表示用の画像として設定された画像が表示される。本例では、サムネイル画像I1が検索結果一覧表示用の画像として設定されている。在庫車詳細ダイアログ530では、サムネイル表示部531において在庫車に関する複数の画像を1度に視認できるとともに、選択したサムネイル画像を選択画像拡大表示部533に表示できる。このため、ユーザが効率的に在庫車の外観・内観等を確認することができる。
また、在庫車詳細ダイアログ530の右側領域には、在庫車の性能や状態、セールスポイント、販売価格等、詳細な情報が表示される詳細情報表示部535が設けられている。在庫車詳細ダイアログ530では、在庫車の画像と詳細情報とを併せて確認できるとともに業者が顧客に在庫車について説明する際に必要な情報が集約されている。このため、顧客への在庫車の説明を円滑に進めることができる。
在庫車詳細ダイアログ530の左下領域には印刷ボタン537が設けられている。ユーザが印刷ボタンを押下することで、在庫車詳細ダイアログ530に表示されている情報に基づいた帳票(在庫車両管理票)が車両整備情報管理システム1と接続された印刷機で印刷される。図示は省略するが、在庫車両管理票には、選択画像拡大表示部533に表示された車両詳細画像と管理番号と詳細情報表示部535に表示された情報のうち少なくともメーカー・車名及び車両価格が含まれる。また、在庫車詳細ダイアログ530の下部の中央から右側領域に設けられた関連業務ボタン部539には、在庫車詳細ダイアログ530に表示された在庫車に関する業務を行うダイアログ画面を表示するためのボタンが複数(本例では、4つ)表示されている。関連業務ボタン部539が設けられていることで、コンピュータの操作に不慣れなユーザであっても、簡易な操作で在庫車に関する業務を効率的に進めることができる。
(ジャンプ機能)
次に本実施形態のサブウィンドウ123におけるジャンプ機能について説明する。ジャンプ機能は、サブウィンドウ123から作業画面を呼び出す機能である。ここでは、サブウィンドウ123が検索モードであって顧客検索タブが表示されている状態を例にとって説明する。図11は、メインウィンドウ121に初期画面が表示されており、サブウィンドウ123に検索モードにおける顧客検索タブが表示されている状態を示している。顧客検索タブには、顧客情報を検索するための条件(顧客検索条件)を入力する複数の入力欄が設けられた顧客検索条件入力部341と、顧客の検索結果が表示される顧客検索結果表示部342とが設けられている。顧客検索条件入力部341の何れかの入力欄に条件を入力して顧客検索条件入力部341の右下に設けられた「検索」ボタンを押下すると、ユーザが入力した顧客検索条件に合致する顧客情報が情報抽出部179によって抽出され、表示制御部177によって顧客検索結果表示部342に一覧表示される。本例では、顧客検索結果表示部342に4件の顧客情報が一覧表示されている。
ここで、ユーザが顧客検索結果表示部342において顧客情報を選択した状態で右クリックをすると、図11に示すようにプルダウンメニュー343が表示される。プルダウンメニュー343には、車両情報や顧客情報の入力・編集に係る作業、図2に示した画面表示ボタン127が示す整備に係る作業(整備受付、概算見積書、作業指示書、部品見積依頼書、整備請求書、諸費用請求書)、車販に係る作業及び板金に係る作業が表示される。ユーザは、図11に示したプルダウンメニュー343からいずれかの作業を選択する。図1に示した操作判定部145は、選択された作業の種類を判定して情報抽出部179に通知する。情報抽出部179は、選択された作業に該当する作業画面を表示するためのデータを作業画面データベース149から抽出して表示制御部177に送る。表示制御部177は、作業が作業画面データベース149から抽出されたデータを使ってメインウィンドウ121に作業画面を表示する。
例えば、ユーザが図11に示す顧客検索結果表示部342に表示されている任意の顧客情報を選択した上で右クリックしてプルダウンメニュー343から「車両」の作業を選択したとする。この場合、操作判定部145は、選択された作業が「車両」であると判定して情報抽出部179に通知し、情報抽出部179は車両情報を編集・入力するための作業画面(車両情報編集画面)を表示するためのデータを作業画面データベース149から抽出して表示制御部177に送る。このようにして、メインウィンドウ121は、図11に示す初期画面から後述する図12に示す車両情報を編集する作業画面(車両情報画面)に切替わる。この作業画面の切替えを本実施形態では画面のジャンプという。
以上の処理により、任意に指定された顧客に係る作業画面を初期画面に戻ることなく表示させるジャンプ機能を実現することができる。なお、本実施形態では、顧客情報から作業画面にジャンプした例を示したが、ジャンプ機能は、顧客情報を選択するものに限定されるものではなく、サブウィンドウ123で表示される情報であれば、どのような情報でも選択することができる。すなわち、サブウィンドウ123において7つのモードにおけるいずれのタブ画面が表示されている状態であっても、サブウィンドウ123においてプルダウンメニュー343からジャンプ機能を使用することができる。ただし、プルダウンメニュー343に表示される作業内容は、サブウィンドウ123に表示されている情報に関連する作業となる。したがって、サブウィンドウ123に表示されている情報によって、プルダウンメニュー343に表示される作業内容は異なる場合がある。
さらに、本実施形態では、ジャンプ機能によってメインウィンドウ121に作業画面(例えば、車両情報画面)が表示された後、検索モードと同様に、サブウィンドウ123上で選択された情報をメインウィンドウ121の作業画面に自動的に反映させるようにしてもよい。このような動作は、以下の処理によって実現できる。
図11に示したように、操作判定部145は、特定の顧客情報が選択されたことを判定し、情報抽出部179に選択された顧客情報を通知する。情報抽出部179は、通知された顧客情報及び顧客情報に対応する情報を整備情報データベース147から抽出して表示制御部177に送る。表示制御部177は、メインウィンドウ121に表示されている作業画面の該当する個所に、抽出された顧客情報及び顧客情報に対応付けられた情報を反映させる。これにより、サブウィンドウ123において顧客情報の選択に基づくジャンプ機能を利用した場合、メインウィンドウ121に表示される作業画面(例えば、車両情報画面)には、サブウィンドウ123において選択した顧客情報に対応付けられた情報が反映される。
具体的には、ユーザがユーザインターフェース15を使って図11に示すサブウィンドウ123に表示された顧客情報のうち、2行目の顧客情報(顧客名 A川B夫)を選択してジャンプ機能のプルダウンメニュー343を表示させる。操作判定部145は、このとき選択されている顧客情報を判定して情報抽出部179に通知し、情報抽出部179は通知された顧客情報を検索して該当する顧客に関する車両情報を整備情報データベース147から取得する。表示制御部177は、取得された車両情報を作業画面の該当する欄に表示させ、作業画面(ここでは、車両情報画面)に反映させる。これにより、ジャンプ機能によって車両情報画面にジャンプした場合に、サブウィンドウ123に表示された2行目の顧客情報(顧客名 A川B夫)に関する車両情報が車両情報画面に表示される。
このようなジャンプ機能によれば、ユーザは、サブウィンドウ123において抽出された複数の顧客情報から任意の情報を選択するだけで選択した情報を反映した書類を作成することができる。このため、ジャンプ機能は、コンピュータの操作に不慣れなユーザであっても、簡易かつ効率的に書類作成の作業を行うことができる。なお、ジャンプ機能はメインウィンドウ121の初期画面に表示されるカレンダー129(図2参照)にも適用されている。図示は省略するが、ユーザがカレンダー129の任意の日付を選択して右クリックすることで、図11に示すようなプルダウンメニューが表示される。このとき、プルダウンメニューに表示される作業内容は、例えばカレンダー129において選択した日付における整備の予約やスケジュールの管理等の作業である。カレンダー129に係るジャンプ機能では、プルダウンメニューで作業を選択すると、当該作業を行うためのダイアログ画面が表示される。
(ii)照会モード
図12は、サブウィンドウ123が照会モードで動作する際にディスプレイ画面110に表示される表示画像を例示した図である。
図1に示した情報抽出部179は、作業画面データベース149から作業画面を表示するための作業画面表示情報を抽出する。抽出された作業画面表示情報は、メインウィンドウ121に出力されて作業画面を表示する。情報抽出部179は、表示された作業画面において指定されたキーワードに予め対応付けられている車両情報、顧客情報及び整備情報の少なくともいずれかを整備情報データベース147から抽出する。図1に示した表示制御部177は、作業画面表示情報によって作成された作業画面をメインウィンドウ121に表示する一方、情報抽出部179によって抽出された車両情報、顧客情報及び整備情報の少なくとも1つを作業画面表示情報の表示中にサブウィンドウ123に表示する。
図12に示すメインウィンドウ121に表示された作業画面は、車両情報画面であってユーザが図2に示した初期画面の情報選択ボタン125のうち、「車両」を選択することによってメインウィンドウ121に表示される。
車両情報画面がメインウィンドウ121に表示されると、ユーザは、メインウィンドウ121の入力欄121pに顧客情報として顧客の氏名(A田B夫)、車両情報として車両ナンバ(宮崎33ぬ××××)及び車種(A社abc)を入力する。図1に示した情報抽出部179は、入力された顧客情報及び車両情報に対応付けられている車両情報を整備情報データベース147から抽出する。表示制御部177は、顧客「A川B夫」の車両情報に関する作業画面である車両情報画面がメインウィンドウ121に表示されている間、抽出された整備情報を照会モードのサブウィンドウ123における車両タブに表示する。こうして、図12に示すように、照会モードにおいて顧客「A川B夫」の車両情報を入力・編集作成する車両情報画面をメインウィンドウ121に表示している間、顧客「A川B夫」の整備情報の履歴がサブウィンドウ123に表示される。
なお、車両情報画面は、図11に示したように、サブウィンドウ123においてジャンプ機能におけるプルダウンメニュー343の「車両」を選択することでもメインウィンドウ121に表示される。サブウィンドウ123で顧客情報を選択した状態からジャンプ機能によって車両情報画面がメインウィンドウ121に表示される場合、車両情報画面の表示時において顧客情報に対応する車両情報が反映されているため、上述のような入力作業は不要である。また、このとき、サブウィンドウ123は、メインウィンドウ121が車両情報画面にジャンプするのと同時に照会モードに切り替わる。
また、図12に示すメインウィンドウ121には、複数のボタンが表示されたジャンプボタン表示部121qが設けられている。ジャンプボタン表示部121qに設けられた各ボタンには、メインウィンドウ121における作業が対応付けられており、これらのボタンを押下することでもサブウィンドウ123におけるのと同様のジャンプ機能を利用することができる。また、サブウィンドウ123におけるジャンプ機能にかかるプルダウンメニュー343と同様に、ジャンプボタン表示部121qに表示されるボタンに対応付けられた作業やボタンの数はメインウィンドウ121において表示されている作業画面の種類によって異なる。
(リコール情報検索機能)
次に、照会モードにおけるサブウィンドウ123で提供されるリコール情報検索機能について説明する。リコール情報検索機能は、インターネットを介して外部のホームページと接続し、車両のメーカーによるリコール届出(道路運送車両法において定められた自動車の構造・装置について安全確保及び環境保全上の技術基準に適合していない旨の届出)の対象車両の情報を検索するための機能である。図12に示す車両タブの下部に設けられたリコール情報ボタンib1は、国土交通省により運営されている「リコール情報検索」ホームページとリンクされている。ユーザがリコール情報ボタンib1を押下すると、「リコール情報検索」ホームページに接続され、例えば車両タブに表示されている車両(表示対象車両)についてのリコール情報が表示される。
具体的には、リコール情報ボタンib1の押下操作に基づいて接続された「リコール情報検索」ホームページのトップ画面において、外部情報取得部171は、検索対象車両の型式を検索条件に設定する。さらに、外部情報取得部171は「リコール情報検索」ホームページにおいて提供されているリコール情報の検索機能を起動する。これにより、車両タブにおける表示対象車両についてのリコール情報検索結果が表示された「リコール情報検索」ホームページのリコール届出情報一覧画面がディスプレイ画面110に表示される。なお、検索対象車両の型式は、サブウィンドウ123においてリコール情報ボタンib1の右上領域に設けられている車両型式表示部328に表示されている。また、型式は、車種を特定するための情報の一種である。図12では車両型式表示部328には型式として「○○○-×1」が表示されている。このため、ユーザがリコール情報ボタンib1を押下すると、型式「○○○-×1」に対応する車種に関する「リコール情報検索」ホームページのリコール届出情報一覧画面が表示される。
以上のようなリコール情報検索機能が提供されることで、車両整備情報管理システム1ではコンピュータの操作に不慣れなユーザであっても、リコール情報ボタンib1を押下するという容易な方法により、例えば整備のために整備事業所に入庫された車両がリコールの対象車両であるか否かを検索することができる。また、「リコール情報検索」ホームページにおいてユーザ自らがリコール情報の検索を行う場合には、検索条件を手入力する必要があるが、車両整備情報管理システム1おけるリコール情報検索連携を利用すれば、検索条件を手入力することなく速やかにリコール情報の検索結果を閲覧することができる。さらに、サブウィンドウ123においてリコール情報検索機能が提供されることで、メインウィンドウ121における車両登録や整備に関する作業画面を表示しながら、リコール情報を利用することができる。
(整備関連外部情報閲覧機能)
次に、照会モードにおけるサブウィンドウ123で提供される整備関連外部情報連携機能について説明する。整備関連外部情報連携機能は、インターネットを介して外部のホームページと接続し、当該ホームページが提供する車両の整備に関する情報(整備関連外部情報)を閲覧するための機能である。図12に示す車両タブの下部に設けられた外部整備情報ボタンib2は、整備関連外部情報を提供するホームページとリンクされている。整備関連外部情報には、車両の分解図や車両整備の見積の基礎となる作業指標情報などが含まれる。ここで、外部のホームページの一例としては「社団法人 日本整備振興会連合会」の運営する整備情報提供システム(FAINES)が挙げられる。ユーザが外部整備情報ボタンib2を押下すると、「FAINES」ホームページに接続され、例えば車両タブに表示されている車両(表示対象車両)についてのリコール情報が表示される。具体的には、外部整備情報ボタンib2の押下操作に基づいて「FAINES」ホームページに接続されると、外部情報取得部171は、「FAINES」ホームページにおいて提供されている整備関連情報の検索機能を起動する。これにより、車両タブにおける表示対象車両についての整備関連情報検索結果が表示された「FAINES」ホームページの画面がディスプレイ画面110に表示される。図12では車両型式表示部328には型式として「○○○-×1」が表示されている。このため、ユーザが外部整備情報ボタンib2を押下すると、型式「○○○-×1」に対応する車種に関する「FAINES」ホームページの整備関連情報検索結果が表示される。なお、「FAINES」ホームページは会員制のホームページであるので車両整備情報管理システム1のユーザまたはユーザの属する組織が会員でない場合、「FAINES」ホームページにおいて整備関連情報の検索等の機能は利用できない。
以上のような整備関連外部情報閲覧機能が提供されることで、車両整備情報管理システム1ではコンピュータの操作に不慣れなユーザであっても、顧客の車両情報の登録や車両整備に関する見積書等を作成する際に有用な外部ホームページの情報を取得することができる。また、詳細な車両整備情報を取得することで、作業効率を向上させることができる。
以上のような照会モードによれば、書類作成の作業中に使用される可能性のある整備情報を先読みして自動的に抽出し、作業画面と共に表示することができる。このような処理は、ユーザが初期画面に戻って作業画面に入力すべき情報を取得する必要がなく、サブウィンドウ123を視認しながらメインウィンドウ121に情報を入力することができる。このため、履歴照会モードは、ユーザがコンピュータの操作に不慣れであったとしても簡易かつ効率的に書類を作成することができる。なお、本例では、照会モードにおいてサブウィンドウ123の車両タブに整備情報が表示される場合を説明したが、例えばメインウィンドウ121において顧客情報の入力・編集に係る作業を行う顧客情報画面が表示される際には、照会モードにおけるサブウィンドウ123には顧客タブにおいて顧客情報が表示される。
(iii)予約モード
図13は、サブウィンドウ123が予約モードで動作する際にディスプレイ画面110に表示される表示画像を例示した図である。図13においてメインウィンドウ121には初期画面が表示され、サブウィンドウには予約モードにおける予約タブが表示されている。予約モードのサブウィンドウ123の予約タブには、車両の整備等の予約状況を表示する予約状況表示部310と、整備事業所が管理している代車の貸出状況を表示する代車状況表示部320とが設けられている。予約状況表示部310には、対象日付選択部311と、予約一覧表示部313と、選択予約詳細表示部315とが設けられている。
対象日付選択部311は、予約タブに表示する予約の対象年月日をそれぞれボタンまたはカレンダーアイコンによって選択できるようになっている。対象日付選択部311においてユーザが選択した日付の予約の状況が予約一覧表示部313に一覧形式で表示される。すなわち、対象日付選択部311に表示されている日付は、予約一覧表示部313に表示されている予約の対象日である。図13は、対象日付選択部311において平成28年8月18日が選択されたことにより、情報抽出部179により整備情報データベース147から抽出した平成28年8月18日の3件分の予約が表示制御部177によって予約一覧表示部313に一覧表示されている状態を示している。
対象日付選択部311はメインウィンドウ121の初期画面におけるカレンダー129上の日付と連動するように構成されている。カレンダー129の日付表示部293の任意の日付をユーザがユーザインターフェース15によって選択すると、選択された日付が対象日付選択部311においても選択された状態となる。またこのとき、予約一覧表示部313に表示される予約状況及び代車状況表示部320に表示される代車状況も対象日付選択部311と合わせて変更される。これにより、コンピュータの操作が不慣れなユーザであっても、容易に所望の日付の予約状況及び代車状況を次々と確認することができる。
予約一覧表示部313には、対象日付選択部311で選択されている日付における予約の状況が一覧表示されている。具体的には、予約一覧表示部313は「時間」「整備大分類」「車名」「顧客名」「入庫状態」の5つの項目に大別されている。「時間」は整備の対象車が整備事業所に入庫される予定の時間(入庫予定時間)を示している。また、「整備大分類」は予約されている整備の大まかな内容を示している。「車名」は整備対象車両の名称であり、「顧客名」は、予約を依頼した顧客の氏名、又は組織名である。「入庫状態」は整備対象の車両の入庫状態(入庫されているか否かの状態)を示している。すでに整備対象の車両が入庫された状態(入庫済み)である予約については、「入庫状態」欄において「済」が設定されている。また、入庫予定の時間になっていない等の理由により整備対象の車両が入庫されていない状態(未入庫)の予約は、「入庫状態」欄において「予約」が設定されている。図13では図示しないが、予約一覧表示部313において、入庫済みの予約は、未入庫の予約と異なる表示色で表示されている。例えば、入庫済みの予約は表示色「青」、未入庫の予約は表示色「青」で表示されている。
予約一覧表示部313は行ごとに選択可能に構成されている。予約一覧表示部313で任意の行を選択すると、選択された予約の詳細な情報が選択予約詳細表示部315に表示される。選択予約詳細表示部315には選択された予約に関して、予約一覧表示部313よりも詳細な情報が表示される。また、予約一覧表示部313で任意の行(予約)をダブルクリックすることで選択予約詳細表示部315に表示されている情報が閲覧・編集可能な予約詳細ダイアログ画面(不図示)が表示される。予約詳細ダイアログ画面では、予約の対象である整備車両が入庫された場合に、当該予約の入庫状態を入庫済みで登録する入庫処理も行われる。
図13では、予約一覧表示部313において1行目(顧客名「A山B博」)の予約が選択されて、選択予約詳細表示部315に1行目の予約の詳細な情報が表示されている状態を例示している。予約一覧表示部313には、選択された予約の車両ナンバーや、顧客の電話番号、予約を受け付けた受付担当者、代車の利用の有無が表示される。選択予約詳細表示部315の右上領域において「代車利用」の文字列の隣に車を表すイラストのアイコン画像(車アイコン)の表示色「青」は、当該予約をした顧客が代車を利用することを示し、車アイコンの表示色「黒」は、当該予約をした顧客が代車を利用しないことを示す。図13では、選択予約詳細表示部315の右上領域に車アイコンが青色で表示され、顧客「A山B博」が代車を利用することを示している。なお、図13では車アイコンの表示色「青」を薄い灰色の網掛け表示で表している。
代車状況表示部320には、整備事業所で管理している代車について、対象日付選択部311で選択された対象日の状況が一覧形式で表示されている。図13に示す代車状況表示部320には3件の代車の状況が表示されている。代車状況表示部320は、「車両ナンバー」、「車名」、「貸出期間」の3つの項目に大別されている。「車両ナンバー」は代車として管理されている車両の車両ナンバーを示し、「車名」は、代車として管理されている車両の名称を示し、「貸出期間」は、当該代車の顧客への貸出期間を示している。対象日付選択部311で選択された対象日において顧客に貸し出し中の代車は、「貸出期間」欄に具体的な貸出期間が表示されている。例えば、代車状況表示部の1行目の代車(車両ナンバー「新宿100は×××」)は、「貸出期間」欄に「8/18夜~8/19夜」と表示されている。これは、車両ナンバー「新宿100は×××」の代車が当該期間において貸出中であり、現時点において他の顧客に貸出しできない状態であることを示している。さらに、代車状況表示部320において貸出中の代車が表示されている行はグレーアウト表示される。これにより、ユーザは直感的に貸出中の代車の有無や件数を把握することができる。なお、図13では代車状況表示部320におけるグレーアウト表示を点状の網掛けで表している。また、対象日において顧客に貸し出されていない状態の代車は、「貸出期間」欄において「貸出可」と表示されている。
このように、代車状況表示部320において貸出状況を含む代車の状況が一覧表示されることで、ユーザは、貸出可能な代車が何台あるかを一目で確認することができる。また、貸し出し中の代車について、「貸出期間」欄に具体的な貸出期間が表示されることで、ユーザは例えば顧客からの代車の貸出に関する問い合わせに応じて、代車が貸出先から戻る日付等をスムーズに回答することができる。なお、代車状況表示部320で任意の行をダブルクリックすることでより詳細な代車情報を閲覧可能な代車ダイアログ画面(不図示)が表示される。
また、予約モードにおけるサブウィンドウ123の左下領域には、予約業務ボタンhb1と、予約未入庫ボタンhb2が設けられている。ユーザが予約業務ボタンhb1を押下することで、サブウィンドウ123を使用せずに予約を統合的に管理するための予約業務画面(不図示)がメインウィンドウ121に表示される。また、ユーザが予約未入庫ボタンhb2を押下することで、予約日を過ぎても入庫されなかった予約の閲覧や削除が可能な予約未入庫ダイアログ画面(不図示)がディスプレイ画面110に表示される
次に、予約に関する機能であるアラーム通知機能について説明する。アラーム通知機能は、予め登録されている予約の当日において、ユーザに入庫予定時刻(予約一覧表示部313の「時間」欄の時刻)を知らせる機能である。アラーム通知機能では、各予約の当日において、当該予約の入庫予定時刻が近付くとメインウィンドウ121にアラーム通知ラベルを表示する。より具体的には、表示制御部177は、予め設定されているアラーム通知時刻(例えば、予約時刻の10分前)になると、情報抽出部179によって抽出された予約概要(予約一覧表示部313に表示される内容)を含むアラーム通知ラベルをメインウィンドウ121の左端領域に設けられたアラーム通知領域Aに表示する。アラーム通知領域Aには、上から順に最大で予約9件分のアラーム通知ラベルが表示可能である。図13では、メインウィンドウ121のアラーム通知領域A内の上部に2つのアラーム通知ラベル410a,410bが表示されている状態を示している。
表示制御部177は、アラーム通知領域A内において、上部から順番にアラーム通知ラベルを表示する。表示最大数の9件のアラーム通知ラベルを表示している状態において、新たなアラーム通知ラベルを表示する場合には、表示制御部177は、表示順(入庫予定時刻の順番)の古いアラーム通知ラベルを最新のアラーム通知ラベルに差し替える。また、図13では初期画面の状態のメインウィンドウ121にアラーム通知ラベルを表示している例を示しているが、アラーム通知ラベルを表示可能な画面は初期画面に限られない。メインウィンドウ121に何れの作業画面が表示されている場合も、アラーム通知ラベルはアラーム通知領域A内に表示可能である。
次に、アラーム通知ラベルの表示内容についてアラーム通知ラベル410aを例にとって説明する。図13に示すように、アラーム通知ラベルを410aは、入庫予定時刻、顧客名、車名、整備大分類及び車両ナンバーを含む予約情報が表示される予約情報表示部411を有している。これらの予約情報は、予約一覧表示部313及び選択予約詳細表示部315に表示される内容と同一である。例えば、図13に示すメインウィンドウ121及びサブウィンドウ123を表示している際の現在日時が平成28年8月18日の14時30分と仮定する。14時30分は、予約一覧表示部313の2行目に表示されている顧客「A野 B子」の車両の入庫予定時刻(14:40)の10分前、すなわちアラーム通知時刻である。このため、アラーム通知領域Aには顧客「A野 B子」の予約情報を含むアラーム通知ラベル410aが表示される。アラーム通知ラベル410a内の左側領域には人のシルエットを模した態様のアイコン画像413が表示されている。このアイコン画像413をユーザインターフェース15で選択(例えば、マウスクリック)すると、アラーム通知ラベル410aに表示されている予約情報を閲覧・編集可能な予約詳細ダイアログ画面(不図示)がディスプレイ画面110に表示される。ユーザは、予約の対象である整備車両が入庫した場合にアラーム通知ラベルのアイコン画像413をマウスクリックすることで、スムーズに入庫処理を行うことができる。
入庫処理が行われた予約についてのアラーム通知ラベルはアラーム通知領域A内から消去される。すなわち、入庫済み状態の予約(予約一覧表示部313の「入庫」欄に「済」が設定されている予約)についてアラーム通知ラベルは表示されない。また、アラーム通知時刻前に入庫済みとなった予約については、アラーム通知時刻になってもアラーム通知ラベルは、表示されない。
また、アラーム通知ラベル410aは、メインウィンドウ121の左端部から横に長い矩形状に伸長しており予約情報の内容が視認可能な状態である。この状態をアラーム通知ラベルの最大化状態という。また。アラーム通知ラベル410bは、メインウィンドウ121の左端部に寄せるように折り畳まれており、入庫予定時刻以外の情報すなわち予約情報表示部411の表示内容が視認不可能な状態である。この状態をアラーム通知ラベルの最小化状態という。アラーム通知ラベル410a内において予約情報表示部411をユーザインターフェース15で選択(例えば、マウスクリック)すると、アラーム通知ラベル410aはアラーム通知ラベル410bと同様の最小化状態となる。最小化状態のアラーム通知ラベル410bの入庫予定時刻部分を選択すると、アラーム通知ラベルは、410aのような最大化状態となる。このように、本実施形態による車両整備情報管理システム1では、メインウィンドウ121において表示されるアラーム通知ラベルが最大化状態または最小化状態に可逆的に切り替えられる。このため、メインウィンドウ121における作業の際には、アラーム通知ラベルを最小化状態として作業をし易い状態とすることができる。また、予約情報を確認したい場合には、アラーム通知ラベルを最大化状態にすればよい。
また、予約情報表示部411内において右上部分に表示されているバツ印のボタンnb1を押下すると、アラーム通知ラベル410aはメインウィンドウ121から消去される。例えば、アラーム通知領域A内において、3件のアラーム通知ラベルが表示されている際に、2件目のアラーム通知ラベルをボタンnb1の押下によって消去したとする。このとき、1件目のアラーム通知ラベルと3件目のアラーム通知ラベルとの間に1件分の空き領域が生じる。次に、新たなアラーム通知ラベルが表示される際は、アラーム通知領域A内で3件目のアラーム通知ラベルの下方に空き領域があったとしても、1件目と2件目のアラーム通知ラベルの間のこの空き領域に優先してアラーム通知ラベルが表示される。
また、アラーム通知ラベルの表示位置は、当該ラベルが最初に表示された位置からは移動できない。整備事業所では、1台のコンピュータを複数人で使用することも多い。このため、1つのディスプレイ画面110において表示されているメインウィンドウ121における作業を複数人のユーザで交代して行う場合がある。このような場合に、アラーム通知ラベルの表示位置が変更可能であると、複数人のユーザのうちの誰かがアラーム通知ラベルをメインウィンドウ121内の見づらい位置へ移動し、他のユーザがアラーム通知ラベルを確認しづらくなるというおそれもある。車両整備情報管理システム1ではアラーム通知ラベルの表示位置を固定することで、複数人のユーザが交代でメインウィンドウ121における作業を行う場合も常にアラーム通知ラベルが確認し易いように構成されている。
アラーム通知機能は、上述のように予約の対象者の入庫予定時刻をユーザに通知する機能であるが、それ以外の目的にも使用できる。ここで、アラーム通知機能を予約メモ通知機能として利用する方法を説明する。予約詳細ダイアログ画面(不図示)での予約の登録時において車両ナンバーや車名といった車両情報や顧客名、整備大分類等を入力せず、予約時間及びユーザが任意の内容を入力可能な予約メモ欄のみを入力した場合、この予約は予約メモとして登録される。予約メモが登録されていると、アラーム通知時刻において予約メモの内容を表示するアラーム通知ラベルが表示される。この場合、アラーム通知ラベルの予約情報表示部411には予約情報に代わって予約詳細ダイアログ画面で入力したメモ欄の内容が表示される。予約情報表示部411に表示可能な文字数には制限があり、予約メモ欄の内容がすべて表示されない場合がある。例えば、予約情報表示部411には、予約メモ欄の1行24文字で3行までの範囲に記載された内容が表示される。なお、予約メモ欄の1行に記載可能な文字数は、文字の書体等によって変化する。
このように、車両整備情報管理システム1では、アラーム通知機能を利用した予約メモ通知機能が提供される。予約メモ通知機能によれば、整備事業所内での情報共有や、ユーザ自身のスケジュール管理にも利用することができる。なお、予約メモ通知機能において予約メモの内容を表示するアラーム通知ラベルは、アラーム通知機能におけるアラーム通知ラベルと異なる表示色で表示される。例えば、アラーム通知機能におけるアラーム通知ラベルは、予約情報表示部411以外の部分(予約時間やアイコン画像413の表示領域)が赤色で表示されるのに対し、予約メモ通知機能におけるアラーム通知ラベルは予約情報表示部411以外の部分が灰色で表示される。
本実施形態による車両整備情報管理システム1は、アラーム通知ラベルの表示開始時に音声ファイルを再生することができる。これにより、ユーザがメインウィンドウ121から目を離していても、アラーム通知ラベルが表示されたことすなわち入庫予定時刻やユーザ自身の予定の入っている時刻が近付いたことを知らせることができる。車両整備情報管理システム1では、ユーザが予め設定した音声ファイル(アラーム音声ファイル)がアラーム通知時刻に再生される。アラーム音声ファイルは、アラーム通知機能と予約メモ通知機能とで別の音声ファイルを設定することができる。これにより、ユーザは再生された音声ファイルの音声を聞くだけで、アラーム通知機能または予約メモ通知機能のいずれのアラーム通知ラベルが表示されたのかを判別することができる。
本実施形態による車両整備情報管理システム1において、予約メモ通知機能を含むアラーム通知機能の利用有無やアラーム通知時刻、アラーム音声ファイルの再生有無といったアラーム通知機能に係る情報はユーザが任意に設定可能に構成されている。
このようなアラーム通知機能を有することにより、車両整備情報管理システム1は、例えばユーザがメインウィンドウ121における作業に集中している場合にも、入庫予定時刻が近付いたことを通知することができる。これにより、ユーザは余裕を持って予約対象の車両の入庫準備や顧客の対応準備を行うことができる。また、アラーム通知機能を利用した予約メモ通知機能により、ユーザ自身のスケジュール管理を行うこともできる。
(iv)分析モード
図14は、サブウィンドウ123が分析モードで動作する際にディスプレイ画面110に表示される表示画像を例示した図である。図14においてメインウィンドウ121の図示は省略している。分析モードのサブウィンドウ123には、売上粗利進捗タブと担当者別進捗タブが表示可能である。図14(a)は売上粗利進捗タブを示す図であり、図14(b)は、担当者別進捗タブを示す図である。
売上粗利進捗タブ及び担当者別進捗タブには、整備事業所における月毎の売上に関する情報が表示される売上情報表示状態と、月毎の粗利益に関する情報が表示される粗利情報表示状態とがある。売上情報表示状態と粗利情報表示状態とは、ユーザによる切替えボタンkb1の押下によって相互に切替え可能である。本例では売上情報表示状態を例にとって売上粗利進捗タブ及び担当者別進捗タブについて説明する。
まず、図14(a)を用いて売上情報表示状態の売上粗利進捗タブについて説明する。図14に示すように、売上情報表示状態において、売上粗利進捗タブには月毎の整備事業所全体の売上と整備分類別の売上についての目標金額、実績金額及び達成率等の情報(月別売上情報)が表示される。なお、目標金額、実績金額はユーザによって例えば整備情報データベース147に別途入力された情報であるが、目標金額が未登録の場合もある。この場合、売上粗利進捗タブには実績金額のみが表示される
図14(a)に示すように、売上情報表示状態の売上粗利進捗タブには、対象月選択部261と、全体売上進捗表示部263と、全体売上達成グラフ265と、整備分類売上達成グラフ267と、整備分類別売上構成グラフ269と、上述した切替えボタンkb1とが設けられている。対象月選択部261は、売上情報表示状態において売上粗利進捗タブに表示する売上情報の対象月をボタンまたはカレンダーアイコンによって選択できるようになっている。売上粗利進捗タブの初期表示時には、ユーザが車両整備情報管理システム1を操作している当日の属する月が対象月として対象月選択部261において表示され、売上粗利進捗タブには対象月の売上情報が表示される。対象月選択部261において対象月を切替ることで過去の売上情報(売上実績等)が売上粗利進捗タブに表示される。売上粗利進捗タブの初期表示時及び対象月の切替え時において、情報抽出部179は、整備情報データベース147において保存されている対象月に応じた目標金額及び実績金額の情報を抽出し、抽出した目標金額と実績金額とから達成率を算出する。表示制御部177は、情報抽出部179によって抽出された目標金額及び実績金額と情報抽出部179によって算出された達成率を売上粗利進捗タブに表示する。
全体売上進捗表示部263には、対象月の整備事業所全体の売上進捗情報が表示される。具体的には、売上進捗情報として売上目標金額、売上実績金額及び売上目標金額に対する売上実績金額の達成率が表示される。また、全体売上進捗表示部263に表示されている達成率がグラフ化された画像が全体売上達成グラフ265に表示される。達成率を一目で認識できるグラフとして表示することにより、ユーザに対して達成率を視覚的にアピールすることができる。整備分類売上達成グラフ267には、整備分類ごとの目標金額、実績金額及び達成率が表示されている。整備分類売上達成グラフ267は整備の分類を示す「整備大分類」、整備分類ごとの目標金額及び実績金額を示す「目標・実績」、整備分類ごとの整備対象車両の台数を示す「台数」及び整備分類ごとの達成率を示す「達成率」の4つの項目に大別されている。「整備大分類」欄には「車検整備」、「一般整備」といった整備の分類を表す情報が設定されている。また、「目標・実績」欄には、整備分類ごとの目標金額及び実績金額が棒グラフ画像と数値とで表示されている。「台数」欄には整備対象車両の台数が数値で表示され、「達成率」欄には整備分類ごとの達成率がパーセント表示されている。
「目標・実績」欄に棒グラフ画像が表示されていることで、ユーザは整備分類ごとの目標金額と実績金額との差を直感的に認識することができる。これにより、ユーザは対象月においてどの整備分類に注力すべきかを的確に判断することができる。また、目標金額を達成した整備分類に対応する「達成率」欄、すなわち達成率が100%以上の「達成率」欄には目標金額を達成したことを示すアイコン画像(目標達成アイコン画像268)が表示されている。本例では、目標達成アイコン画像268として二重丸の画像が整備分類「車検整備」に対応する「達成率」欄と整備分類「新車販売」に対応する「達成率」欄に表示されている。達成率が100%以上となったときに「達成率」欄に目標達成アイコン画像268が表示されることで、ユーザは達成感を得ることができる。
整備分類別売上構成グラフ269には、整備事業所全体の売上に対する整備分類それぞれの売上の割合が円グラフ画像で表示される。これにより、ユーザは、直感的に整備事業所全体の売上における各整備分類の売上の割合を認識することができる。
売上情報表示状態において切替えボタンkb1には「粗利」と表示される。これは、切替えボタンkb1を押下することにより、売上粗利進捗タブの表示内容が売上情報表示状態から粗利情報表示状態に切り替わることを示している。売上粗利進捗タブは、売上情報表示状態から粗利情報表示状態に切り替わることにより、全体売上進捗表示部263、全体売上達成グラフ265、整備分類売上達成グラフ267及び整備分類別売上構成グラフ269に代えて全体粗利進捗表示部、全体粗利達成グラフ、整備分類粗利達成グラフ及び整備分類別粗利構成グラフによって粗利情報を表示する構成となる。
次に、図14(b)を用いて、売上情報表示状態の担当者別進捗タブについて説明する。売上情報表示状態において担当者別進捗タブには、整備事業所における月毎の売上に関する情報が担当者別に表示される。図14(b)に示すように、担当者別進捗タブには、対象月選択部271と、担当者別売上進捗グラフ273と、担当者別売上構成グラフ275と切替えボタンkb2とが設けられている。担当者別進捗タブにおいても切替えボタンkb2によって売上情報表示状態と粗利情報表示状態とが切り替えられる。
担当者別進捗タブの対象月選択部271は、売上粗利進捗タブの対象月選択部261と同様に対象月を選択可能に構成されている。担当者別進捗タブにおいても初期表示時には、ユーザが車両整備情報管理システム1を操作している当日の属する月が対象月として対象月選択部261において表示される。また、対象月選択部271において対象月を切替ることで過去の担当者別売上情報(担当者別の売上実績等)が担当者別進捗タブに表示される。
担当者別売上進捗グラフ273には、担当者ごとの目標金額、実績金額及び達成率が表示されている。担当者別売上進捗グラフ273は整備事業所の各担当者を示す「担当者」、担当者ごとの目標金額及び実績金額を示す「目標・実績」、担当者ごとの整備対象車両の台数を示す「台数」及び担当者ごとの達成率を示す「達成率」の4つの項目に大別されている。「担当者」欄には担当者を示す情報(氏名等)が設定され、「目標・実績」欄には、担当者ごとの目標金額及び実績金額が棒グラフ画像と数値とで表示されている。「台数」欄には各担当者が担当する整備車両の台数が数値で表示され、「達成率」欄には担当者ごとの達成率がパーセント表示されている。
「目標・実績」欄に棒グラフ画像が表示されていることで、例えば整備事業所において各担当者を管理する立場にあるユーザ(管理ユーザ)は、担当者ごとの目標金額と実績金額との差を直感的に認識することができる。これにより、管理ユーザは例えば整備事業所の売上に貢献にしている担当者を認識することができる。また、目標金額を達成した担当者に対応する「達成率」欄すなわち達成率が100%以上である「達成率」欄には整備分類売上達成グラフ267に表示されているのと同じ目標達成アイコン画像268が表示されている。「達成率」欄に目標達成アイコン画像268が表示されると、整備担当者であるユーザ(担当ユーザ)は、自分が目標金額を達成したという達成感を得ることができる。
担当者別売上構成グラフ275には、整備事業所全体の売上に対する担当者それぞれの売上の割合が円グラフ画像で表示される。このため、管理ユーザは、直感的に整備事業所全体の売上における各担当者の売上の割合を認識することができる。これにより、管理ユーザは、各担当者の目標金額の設定や業務内容の見直し等を計画することができる。また、担当ユーザは、直感的に整備事業所全体の売上における自分の売上の割合を認識することができる。これにより、担当ユーザは、目標金額の設定や業務内容の見直し等を自ら行うことができる。
担当者別進捗タブは、「粗利」と表示された切替えボタンkb2が押下されて売上情報表示状態から粗利情報表示状態に切り替わることにより、担当者別売上進捗グラフ273及び担当者別売上構成グラフ275に代えて担当者別粗利進捗グラフ及び担当者別粗利構成グラフとして担当者ごとの粗利情報を表示する構成となる。
分析モードのサブウィンドウ123の下部には、情報更新ボタンub1が設けられている。情報更新ボタンub1を押下することにより、売上粗利進捗タブ及び担当者別進捗タブに表示される情報が整備情報データベース147に保存されている最新の情報に更新される。
以上説明したように、分析モードのサブウィンドウ123では、整備事業所の売上・粗利に関する情報が視覚的に分かり易く表示される。これにより、分析モードにおける売上・粗利に関する情報は、主に管理ユーザによる整備事業所の過去及び現在の売上・粗利情報の分析や、売上の向上のための営業方針の決定等の際の参考とすることができる。また、車両整備情報管理システム1では、サブウィンドウ123における分析モードを管理ユーザのみを閲覧可能とし、担当ユーザには閲覧が不可能であるように閲覧権限を制限する設定を行うこともできる。
(v)印刷モード
図15は、サブウィンドウ123が印刷モードで動作する際にディスプレイ画面110に表示される表示画像を例示した図である。整備事業所では、公的機関(運輸局、警察等)に提出する書類や、顧客に送付する書類(見積書、請求書等)といった様々な書類を印刷する必要がある。印刷モードは、主に公的機関に提出する書類(以下、「申請書類」と称する場合がある)の印刷を効率的かつ容易に行うための機能を提供するモードである。申請書類の様式は提出先の公的機関等により詳細に定められている。印刷モードでは、サブウィンドウ123においてユーザが申請書の様式を選択すると、操作判定部145が選択された申請書の様式の種類を判定して情報抽出部179に通知し、情報抽出部179が通知された申請書の様式が適用された作業画面を表示するためのデータを作業画面データベース149から抽出して表示制御部177に送る。これにより、サブウィンドウ123で選択された申請書の様式が適用された申請書画面がメインウィンドウ121に表示される。
図15に示すように、印刷モードで動作するサブウィンドウ123の申請書タブには、申請書の対象となる車両の情報を表示するための申請車情報表示部(車両情報表示部の一例)360と、車両検索ボタンsb1と、作成する申請書を選択するための申請書選択部370とが設けられている。申請車情報表示部360には、予めユーザに指定された車両情報が表示される。車両検索ボタンsb1は、申請書の作成対象となる車両(申請対象車)の検索を行う検索部(例えば、ダイアログ画面)を表示するボタンである。ユーザは、申請書の印刷に係る業務を開始するに当たり、車両検索ボタンsb1を押下して申請対象車を特定する処理を行う。当該検索部においてユーザが車両を特定するための条件(例えば、顧客名や車両ナンバー)を入力すると、情報抽出部179によって整備情報データベース147から条件に対応する車両情報が抽出される。ユーザが抽出された車両情報を確認し、申請対象車を決定する操作(所定のボタン押下等)を行うと、表示制御部177は検索部を非表示にするとともに当該車両情報を申請車情報表示部360に反映する。図15は、申請車情報表示部360に車両ナンバー「宮崎41た××××」に対応する申請対象車の情報が表示されている状態を示している。
ただし、申請車情報表示部360に申請書対象車を反映する方法としては、車両検索ボタンsb1を押下して表示される検索部を用いる方法に限られない。例えば、車両情報編集画面がメインウィンドウ121に表示されている状態(図12参照)において、サブウィンドウ123のモード選択ボタン部124に配置されている「印刷」ボタンを押下すると、サブウィンドウ123が印刷モードとなり申請車情報表示部360に車両情報編集画面上の車両情報が反映された状態で申請書タブが初期表示される。
申請書選択部370には、申請書グループ選択部371と、選択画像表示部373と、車検証ボタンsb2とが設けられている。申請書グループ選択部371は、登録されている申請書グループを表示するとともにユーザに申請書グループの選択操作を行わせるように構成されている。具体的には、申請書グループ選択部371をユーザインターフェース15により選択するとプルダウンメニューが表示され、当該プルダウンメニューに申請書グループが複数表示される。申請書グループに関する情報は、本体13に配置されている印刷情報設定ファイル(不図示)に登録されている。
ここで、申請書グループについて説明する。自動車に関する申請書類は種類が膨大であり、自動車及び公的手続の専門知識を有する担当者でないと手続処理と必要な申請書類との対応付けが困難である。このため、本実施形態による車両整備情報管理システム1では、申請書類の様式が手続処理や申請対象車の車両区分に応じたグループ(申請書グループ)に対応付けて管理されている。ここで、車両区分とは、車両総重量に基づいて法律上で規定された車両の区分をいう。車両区分は、申請車情報表示部360の車両区分表示部361に表示される。車両区分表示部361には、車両区分画像361a,361bが表示されている。車両区分画像361aは「普」という文字が表示される画像であり、「普通車」を表している。また、車両区分画像361bは「軽」という文字が表示される画像であり、「軽自動車」を表している。申請対象車に該当する車両区分画像は、該当しない車両区分よりも濃い色の表示色で表示される。図15では、車両区分表示部361は、車両区分画像361bを車両区分画像361aよりも濃い色の表示色で表示している。これにより、申請対象車の車両区分が「軽自動車」であることが示される。申請書グループは複数設定可能であり、各申請書グループには少なくとも1つの申請書様式が含まれる。また、申請書グループと申請書様式の対応付けはユーザが任意に設定することができる。申請書グループの設定に係る処理の詳細は後述する。
選択画像表示部373は、複数(本例では、10個)の選択画像が表示可能な表示部である。選択画像は、申請書の様式と対応付けられた画像であって、複数種類の帳票の中からメインウィンドウ121に表示する申請書の様式をユーザに選択させるための画像である。本実施形態の車両整備情報管理システム1において、選択画像表示部373はユーザの押下操作を受け付けるボタン画像である。本例では、10個の選択画像(選択画像fb1からfb10)が選択画像表示部373に表示されている。選択画像表示部373には選択画像が少なくとも1つ表示される。選択画像表示部373に表示される選択画像のそれぞれは、申請書グループ選択部371において選択されている申請書グループに含まれる申請書様式と対応付けられている。これにより、申請書グループ選択部371において申請書グループ選択すると、選択されたグループに含まれる申請書様式と対応付けられた選択画像が選択画像表示部373に表示される。
また、申請車情報表示部360に申請対象車情報が反映された状態であるとき、メインウィンドウ121に表示される申請書の様式には、車両番号(車両ナンバー)や使用者名といった申請対象車情報が反映される。したがって、例えば、図15に示すサブウィンドウ123において選択画像fb1を選択すると、「OCR第1号様式/軽」に該当する様式が適用された申請書画面がメインウィンドウ121に表示されるとともに、申請書画面に車両ナンバー「宮崎41た××××」に対応する申請対象車の情報が反映される。このため、ユーザは申請書の印刷にあたって申請書の様式に申請対象車情報を手入力する手間を低減することができる。このように、車両整備情報管理システム1では、コンピュータの操作に不慣れなユーザであっても、複雑な入力作業を行わずに申請書の作成・印刷を行うことができる。
各選択画像上には、当該選択画像に対応付けられている申請書様式を示す名称(表示名称)が表示されている。表示名称は、印刷情報設定ファイルに予め登録されている申請書様式の登録名称と対応付けて整備情報データベース147に保存されている。申請書様式の登録名称としては、例えば当該様式の正式な名称が登録されている。しかしながら、様式の正式な名称は、長い文字列であったり、専門用語やローマ字、数字が盛り込まれているものも多い。このため、直感的に申請書様式の内容が分かりづらかったり、申請書に関する業務を行う頻度が低いユーザにとっては覚えづらい場合がある。また、例えば通常は申請書に関する業務を行わないユーザに申請書の作成や印刷作業を依頼するときに、作業対象の申請書の取り違え等が生じるおそれがある。そこで、車両整備情報管理システム1では、正式名称と対応付けて専門知識を有さないユーザでも分かり易い内容の表示名称を設定し、選択画像に表示させることができる。表示名称の設定については後述する。
例えば、選択画像fb1には、表示名称として「(1) OCR第1号様式/軽」が表示されている。このように、正式名称に番号を付した名称を表示名称として設定すると、専門知識を有しないユーザに申請書の印刷業務を依頼する際には、「軽自動車グループの(1)の様式を印刷して」というように、番号で指示をすることができる。依頼されたユーザは、選択画像表示部373から「(1) OCR第1号様式/軽」の表示名称が表示された選択画像fb1を選択することでメインウィンドウ121に申請書画面を表示し、当該申請書画面の下部に表示される印刷ボタン(不図示)を押下して「OCR第1号様式/軽」に該当する様式の申請書を印刷することができる。ユーザが当該印刷ボタンを押下すると印刷に関する設定を行うダイアログ画面や印刷機への専用用紙のセットを促すダイアログ画面が展開された後に、申請書の印刷が実行される。また、選択画像を選択するだけで申請書様式をメインウィンドウ121に表示することができるので、コンピュータに不慣れなユーザでもスムーズに申請書に係る業務を行うことができる。
なお、申請書画面の表示内容を印刷する際には、車両整備情報管理システム1に接続された印刷機に申請書の様式が予め印刷された申請書専用用紙をセットし、当該専用用紙にメインウィンドウ121に表示された申請書画面の表示内容を印刷する。申請書画面には、各申請書の専用用紙の様式の各項目に対応する場所に申請対象車情報が反映されている。このため、専用用紙における各項目に対応する位置に正しく申請対象車情報を印刷することができる。
なお、各申請書の様式を適用した申請書画面をメインウィンドウ121に表示する方法は、申請書選択部370において選択画像を選択する方法に限られない。初期画面において情報選択ボタン125(図2参照)のうちの申請書ボタンを押下して表示される申請書画面において、メインウィンドウ121の右端領域に表示される申請書ボタン部210の各ボタンを押下することでも、各申請書の様式を適用した申請書画面をメインウィンドウ121に表示することができる。
車検証ボタンsb2は、車検証の様式を適用した申請書画面をメインウィンドウ121に表示するボタンである。車検証は、整備事業所において作成頻度の高い申請書である。このため、車検証ボタンは申請書選択部370において選択画像表示部373に含まれない領域に表示され、申請書グループに関係なく常に申請書選択部370に表示されるようになっている。
次に、ユーザによる申請書グループに係る情報設定方法について図16及び図17を用いて説明する。図16は、設定ダイアログ画面700を示す図である。設定ダイアログ画面700は、図15に示す印刷モードのサブウィンドウ123の最下部右領域に表示される設定ボタン379を押下することでディスプレイ画面110に表示される。また、図17は、ユーザによる申請書グループに係る情報設定方法の一例を示すフローチャートである。
まず、図16を参照して設定ダイアログ画面700の概略構成を説明する。設定ダイアログ画面700の上側領域には、グループ一覧表示部701と、グループ名称入力部703と、初期表示設定部705とが設けられている。また、設定ダイアログ画面700の下側領域には、申請書対応付け設定部707が設けられている。グループ一覧表示部701には、印刷情報設定ファイルに保存されている申請書グループの名称等の申請書グループ情報が一覧表示される。グループ一覧表示部701においてユーザが選択したグループ名称がグループ名称入力部703に表示される。また、グループ名称入力部703は申請書グループの名称を表示したり入力したりできるように構成されている。
具体的には、ユーザは図16に示すグループ一覧表示部701から1つの申請書グループを選択する。グループ一覧表示部701は、「セットタイトル」、「普通車」および「軽自動車」の3つの項目に大別されている。「セットタイトル」は、申請書グループの名称を示している。また、「普通車」および「軽自動車」はそれぞれ車両区分を示している。また、グループ一覧表示部701の左端の欄には、1から10までの申請書番号がグループ名称と対応して表示されている。申請書番号は申請書グループ選択部371(図15参照)のプルダウンメニューにおける各申請書グループの表示順を示す。また、申請書番号が1から10までであることからも分かるように、本実施形態による車両整備情報管理システム1において設定できる申請書グループの最大数は10である。「セットタイトル」欄には、各申請書グループの名称が表示されている。
グループ一覧表示部701の「普通車」欄において丸印が設定されている申請書グループは、申請車情報表示部360(図15参照)に表示される申請対象車の車両区分が「普通車」であるときに初期表示される申請書グループである。また、「軽自動車」欄において丸印が設定されている申請書グループは、申請車情報表示部360(図15参照)に表示される申請対象車の車両区分が「軽自動車」であるときに初期表示される申請書グループである。車両区分ごとの初期表示設定については後述する。
また、初期表示設定部705は、車両区分ごとに申請書タブの初期表示時において選択状態となる申請書グループを設定できる。また、申請書対応付け設定部707には、選択画像表示部373(図15参照)に表示される選択画像と申請書様式との対応付け及び申請書様式と表示名称との対応付けが一覧表示される。情報抽出部179は、ユーザにより設定ボタン379(図15参照)が押下されたことに基づいて、印刷情報設定ファイルから申請書グループに関する情報を取得して表示制御部177に送る。このようにして、設定ダイアログ画面700が表示される。
ここで、図16を参照しつつ、図17のフローチャートを用いてユーザによる申請書グループに係る情報の設定方法の流れを説明する。
図17に示すように、ステップS71においてユーザは、設定ダイアログ画面700における設定処理の対象となる設定対象申請書グループを決定する。例えば、ステップS71においてユーザがグループ一覧表示部701の7行目のグループ名称「申請書7」を選択すると、グループ名称入力部703には「申請書7」が表示される。これにより、名称「申請書7」である申請書グループが設定対象申請書グループとして決定される。
ステップS71の次のステップS72においてユーザは、申請書グループ名称を変更する。申請書グループ名称は、図16に示すグループ名称入力部703へ新たなグループ名称を入力することで変更される。例えば、ステップS72においてユーザは、グループ名称入力部703に新たなグループ名称「軽自動車2」を入力する。これにより、グループ名称が変更される。ただし、設定ダイアログ画面700における入力・設定内容は、設定ダイアログ画面700の保存ボタンrb1が押下されたことに基づいて印刷情報設定ファイルに保存される。すなわち、保存ボタンrb1が押下されることで入力・設定内容の変更が確定する。したがって、保存ボタンrb1が押下されるまでは入力・設定内容は印刷情報設定ファイルに保存されない。このため、ステップS72の時点では、ユーザによりグループ名称入力部703に新たに入力されたグループ名称「軽自動車2」は、印刷情報設定ファイルに保存されている情報を表示するグループ一覧表示部701には表示されない。印刷情報設定ファイルに新たに保存された内容は、例えば車両整備情報管理システム1の次回の起動時に読み込まれて印刷モードにおけるサブウィンドウ123の表示に反映される。
ステップS72の次のステップS73においてユーザは、初期表示設定部705において車両区分ごとに申請書グループの初期表示設定を行う。ここで、申請書グループの初期表示設定について説明する。
サブウィンドウ123の申請書タブの初期表示時や車両検索ボタンsb1による申請対象車の決定時において、表示制御部177は、印刷情報設定ファイルに登録されている申請書グループ情報の一つである初期表示設定情報に基づいて、車両区分(普通車または軽自動車)ごとに特定の申請書グループを申請書グループ選択部371に初期表示する。ここで、申請書グループの初期表示とは、サブウィンドウ123の申請書タブの初期表示時や車両検索ボタンsb1(図15参照)による申請対象車の決定時において申請書グループ選択部371において所定の申請書グループを選択状態することをいう。
例えば、申請対象車の車両区分が「普通車」であれば、グループ一覧表示部701の「普通車」欄において丸印が設定された申請書グループを初期表示する。また例えば、申請対象車情報の車両区分が「軽自動車」であれば、グループ一覧表示部701の「軽自動車」欄において丸印が設定された申請書グループを初期表示する。車両整備情報管理システム1では、車両区分のそれぞれに対して1つの申請書グループが初期表示対象として対応付けられる。ステップS73では、申請書グループの初期表示設定として、車両区分ごとに初期表示対象となる申請書グループの設定を行う。
図16に示す初期表示設定部705には、初期表示選択部715a及び初期表示選択部715bが設けられている。初期表示選択部715aは、車両区分「普通車」についての初期表示設定に用いられる。また、初期表示選択部715bは、車両区分「軽自動車」についての初期表示設定に用いられる。初期表示選択部715a及び初期表示選択部715bは何れもチェックボックスである。ユーザが初期表示選択部715aのチェックボックスを選択状態(チェックを入れた状態)にすると、設定対象申請書グループが車両区分「普通車」に対応する初期表示対象の申請書グループに設定される。また、ユーザが初期表示選択部715bのチェックボックスを選択状態にすると、設定対象申請書グループが車両区分「軽自動車」に対応する初期表示対象の申請書グループに設定される。なお、設定対象申請書グループを車両区分に関わらず初期表示の対象としたい場合は、初期表示選択部715a及び初期表示選択部715bの両方のチェックボックスを選択状態にすればよい。
このようにして、車両区分ごとに初期表示対象となる申請書グループの設定を行うことで、選択画像表示部373(図15参照)において車両区分に対応する申請書グループに含まれる申請書様式を選択するための選択画像が表示される。これにより、サブウィンドウ123の申請書タブの初期表示時や申請対象車の決定時においてユーザは、申請書グループ選択部371での申請書グループの選択を行うことなくスムーズに各車両区分に対応する申請書の印刷に係る業務を行うことができる。例えば、S72でグループ名称を「軽自動車2」に変更した設定対象申請書グループについて、ステップS73においてユーザが初期表示選択部715bのチェックボックスのみを選択状態にしたとする。その状態で保存ボタンrb1が押下されると、車両区分「軽自動車」に対応する初期表示対象の申請書グループの設定変更が確定される。これにより、申請車情報表示部360に表示される申請対象車の車両区分が「軽自動車」であるときには、初期表示対象の申請書グループとしてグループ名称「軽自動車2」の申請書グループが初期表示される(申請書グループ選択部371で選択状態となる)。こうして、選択画像表示部373において、車両区分「軽自動車」に対応する申請書グループ(ここでは、グループ名称「軽自動車2」)に含まれる申請書様式を選択するための選択画像が表示される。このように、ユーザは申請書グループ選択部371での申請書グループの選択を行うことなくスムーズに各車両区分に対応する申請書の印刷に係る業務を行うことができる。
図17に戻って、ステップS73の次のステップS74においてユーザは、選択画像と申請書様式との対応付けを設定する。選択画像と申請書様式との対応付けは、図16に示す申請書対応付け設定部707において行う。申請書対応付け設定部707には、選択画像番号表示部717と、申請書名選択部727と、表示名称入力部737とが設けられている。選択画像番号表示部717には1から10までの選択画像番号が表示されている。選択画像番号は、図15に示す選択画像表示部373に表示される選択画像と対応しており、選択画像の表示位置を示している。例えば、選択番号1は図15に示す選択画像fb1を表し、選択番号2は選択画像fb2を表す。以下同様に、選択番号3から選択番号10は、選択画像fb3から選択画像fb10のそれぞれを表す。また、申請書名選択部727の各欄には、車両整備情報管理システム1において予め登録されている申請書様式の登録名称がプルダウンメニュー728として表示される。
選択画像番号表示部717の各画像選択番号のそれぞれに対応する申請書名選択部727の各欄のプルダウンメニューから、ユーザが申請書様式の登録名称を選択することで、選択画像表示部373に表示される選択画像と申請書様式とが対応付けられる。同時に、設定対象申請書グループと各申請書様式が対応付けられて設定対象申請書グループに含まれる申請書様式が決定される。選択画像に対応付けられる申請書様式は、申請書名選択部727の各欄のプルダウンメニュー728からユーザが任意に変更することができる。また、選択画像fb1からfb10の全てを申請書様式と対応付ける必要はない。例えば、選択画像番号1から3(選択画像fb1から選択画像fb3)にそれぞれ申請書様式を対応付けた場合、選択画像表示部373には選択画像fb1からfb3の3つの選択画像が表示される。また、選択画像番号1,4にそれぞれ申請書様式を対応付けた場合、選択画像表示部373には選択画像fb1,fb4の2つの選択画像が表示される。
例えば、ステップ74においてユーザが選択画像番号表示部717の選択画像番号1に対応する申請書名選択部727のプルダウンメニュー728から「自賠責契約書」を選択し、選択画像番号2に対応する申請書名選択部727のプルダウンメニュー728から「自動車税・取得税申告書」を選択したとする。この場合、選択画像fb1には登録名称「自賠責契約書」の申請書様式が対応付けられ、選択画像fb2には登録名称「自動車税・取得税申告書」の申請書様式が対応付けられる。選択画像と申請書様式とが対応付けられることで、登録名称「自賠責契約書」の申請書様式と登録名称「自動車税・取得税申告書」の2つの申請書様式が設定対象申請書グループに対応付けられる。
図17に戻って、ステップS74の次のステップS75においてユーザは、申請書様式に対応する表示名称を設定する。具体的には、ユーザは図16に示す申請書名選択部727で選択された申請書様式の登録名称に対応する表示名称を、表示名称入力部737に入力する。これにより、表示名称が変更される。例えば、ユーザは選択画像番号表示部717の選択画像番号1に対応する申請書名選択部727で選択された申請書様式「自賠責契約書」の表示名称として、選択画像番号1に対応する表示名称入力部737に「(1)自賠責契約書」と記載する。これにより、登録名称「自動車税・取得税申告書」の申請書様式と対応付けられた選択画像fb1には表示名称として「(1)自賠責契約書」が表示される。また、ユーザは選択画像番号表示部717の選択画像番号2に対応する申請書名選択部727で選択された申請書様式「自動車税・取得税申告書」の表示名称として、選択画像番号2に対応する表示名称入力部737に「(2)自動車税・取得税申告書」と記載する。これにより、登録名称「自動車税・取得税申告書」の申請書様式と対応付けられた選択画像fb2には表示名称として「(2)自動車税・取得税申告書」が表示される。
このように、本実施形態による車両整備情報管理システム1では各申請書様式の登録名に対応付けられた表示名称をユーザが任意に変更できる。このため、簡略で分かり易い表示名称や事業所内で慣例的に使用されている申請書様式の通称を表示名称として設定することで、専門知識を有さないユーザでも的確に申請書の印刷を行うことができる。例えば、「(2)自動車税・取得税申告書」のように「番号+登録名称」で構成された表示名称であれば、専門知識を有するユーザは、正式名称から申請書の様式を想定して印刷する申請書様式を選択することができる。また、専門知識を有さないユーザであれば申請書グループの名称と申請書様式の表示名称(例えば、「普通車」グループの「(1)」等)から、作業対象の申請書様式を判別することができる。
ユーザは、ステップS72からステップS75において設定ダイアログ画面700で設定可能な情報を全て設定し、ステップS75の次のステップS76において保存ボタンrb1を押下する。このとき、操作判定部145は、保存ボタンrb1が押下されたと判定して図1に示す作業制御部170の情報更新部(表示名称変更部、対応帳票変更部の一例)173に通知する。通知を受けた情報更新部173は、ステップS76の次のステップS77において、ステップS72からステップS75において設定ダイアログ画面700でユーザにより設定された設定情報を取得して、印刷情報設定ファイルに保存する。これにより、ユーザによる設定ダイアログ画面700での設定処理が確定する。
具体的には、情報更新部173によって、複数種類の申請書様式の少なくとも1つを含む複数の帳票グループのうち一の帳票グループと申請書様式との関連付けの設定が保存される。また、情報更新部173によって選択画像表示部373に表示される選択画像に対応付けられた申請書様式を示す表示名称が変更される。さらに、情報更新部173によって初期表示対象の申請書グループの設定及び申請書グループと申請書様式の対応付けの設定が設定ダイアログ画面700においてユーザが設定した内容に変更される。なお、ユーザにより設定された申請書グループ設定情報には、グループ名称入力部703に入力されたグループ名称、初期表示設定部705で設定された車両区分ごとの初期表示設定、申請書対応付け設定部707における選択画像と申請書様式、及び表示名称の対応付け設定の内容が含まれる。ステップS76において保存ボタンrb1が押下されたことに基づくステップS77での入力内容の保存処理が終了すると、設定ダイアログ画面700は表示制御部177によって閉じられて、ユーザは図15に示すサブウィンドウ123の申請書タブでの作業に戻る。
一方、ユーザがステップS76において保存ボタンrb1を押下せずに、ステップS78において戻るボタンrb2を押下したとする。このとき、操作判定部145は、戻るボタンrb2が押下されたと判定して作業制御部170の情報更新部173への通知は行わない。このため、設定ダイアログ画面700においてユーザにより設定された設定情報は印刷情報設定ファイルに保存されることなく破棄される。さらに、設定ダイアログ画面700は表示制御部177によって閉じられて、ユーザは図15に示すサブウィンドウの申請書タブでの作業に戻る。
保存ボタンrb1及び戻るボタンrb2の何れも押下しない間は、ユーザはステップS71からステップS75に示す処理を設定ダイアログ画面700において繰り返し実行できる。なお、本例では、申請書グループ情報の設定に係る処理の説明を分かり易くするため、設定ダイアログ画面700の上側の設定項目から順に下側の設定項目へ設定処理を進めるように説明した。しかしながら、ステップS72からステップS75に示す処理の実行順は、図17に示す順番に限られない。ステップS71において設定対象申請書グループを設定した後は、どの様な順番でステップS72からステップS75に示す処理を行っても、一度設定した項目を修正するなど各項目の設定処理を繰り返して行ってもよい。
以上説明したように、サブウィンドウ123の印刷モードでは、申請対象車に関する申請書様式を容易にメインウィンドウ121へ表示させることができる。また、手続処理や申請対象車の車両区分に応じた申請書グループを設定することで、膨大な申請書様式の中からユーザが所望する申請書様式を速やかに選択することができる。また、申請書様式を表す表示名称を設定ダイアログ画面700において設定・変更可能であり、この表示名称が申請書様式と対応付けられた選択画像上に表示されるので、専門知識を有しないユーザであっても的確に、選択画像表示部373において印刷対象の申請書を判別することができる。
(宛名印刷機能)
次に、本実施形態による宛名印刷機能ついて、図18を用いて説明する。図18(a)は、本実施形態による車両整備情報管理システム1において作成された帳票3の一例を示す図である。図18(b)は、図18(a)に示す帳票3の裏面側を示す図である。また、図18(c)は三つ折りされた状態の帳票3の裏面側を示す図であり、図18(d)は図18(c)に示す三つ折りされた状態の帳票3が封入された窓付き封筒5を示す図である。
図18(a)に示す帳票3は、顧客宛てに送付される帳票であって、本例では見積書である。帳票3は、帳票の印刷時において印刷レイアウトを確認する画面(例えば、図7に示すメインウィンドウ121に表示された整備情報画面の「確認タブ」)において横向きのレイアウトを選択した場合に印刷される。図1に示す情報出力制御部174は、帳票3の印刷時に整備情報画面の「確認タブ」において、横向きの帳票レイアウトが選択されたことに基づいて、車両整備情報管理システム1に接続された印刷機(不図示)に対して横向きのレイアウトで帳票3を印刷するよう内容の指示情報を出力する。情報出力制御部174が行う印刷機への指示情報の出力を帳票出力制御という。情報出力制御部174は、帳票出力制御により帳票3を印刷用紙に出力させる。これにより印刷機において図18(a)に示す印刷態様の帳票3が出力される。
帳票3の表面3aには、見積書の内容が印刷されている。具体的には、表面3aには顧客情報330a、帳票名331、事業所情報332a、見積金額335が印刷されている。顧客情報330aには、顧客の氏名(顧客が組織であれば組織名)や顧客の住所、連絡先(電話番号、FAX番号等)が印刷されている。図18(a)では、顧客情報330aとして「A山 B子 様」の情報が印刷されている。また、帳票名331には帳票の名称(図18(a)では「概算見積書」)が表示されている。事業所情報332aには、帳票3を発行した事業所の名称や住所が印刷されている。図18(a)では、事業所情報332aとして「○×自動車整備工場」の情報が印刷されている。また、見積金額335には、顧客に提示する見積金額が印刷されている。さらに、表面3aには、項目別費用欄333、付随情報334、明細情報336及び任意画像337が印刷されている。項目別費用欄333には、見積対象の作業にかかる費用等が複数(本例では5つ)の項目ごとに印刷されている。図18(a)では、項目別費用欄333における項目として、車両整備費用、車検手続手数料、法定費用、ご入金額、お見積金額が設定されている。また、付随情報334には、備考やメッセージ等の付随的な情報が印刷されている。さらに、明細情報336には、見積対象の作業に関する明細情報が印刷されている。また、任意画像337には、事業所が指定した任意の画像(例えば、見積担当者の顔写真や会社ロゴマーク等)が印刷されている。なお、図18(a)に示す帳票3の表面3aにおける印刷レイアウトは一例であって、帳票3の表面3aにおける印刷レイアウトはこれに限られない。
従来、帳票のレイアウトとしては縦向きのものが多かった。しかし、最近では情報の視認性やデザイン性の向上等の理由により横向きレイアウトの帳票も増えている。特に自動車関連の帳票は、費用の分類が手数料や税金など多岐に亘るため、項目別費用欄333のように項目ごとに分類された費用を明細情報とは別に表記できる横向きレイアウトに適している。しかしながら、横向きレイアウトの帳票では、顧客情報330aの位置が一般的な窓付き封筒の窓の位置と一致しないという課題があった。本実施形態による車両整備情報管理システム1では、横向きレイアウトの帳票3の裏面側において窓付き封筒の窓に一致する位置に、縦向きレイアウトで顧客情報(顧客名、顧客住所)を印刷する。これにより、横向きレイアウトの帳票においても窓付き封筒を利用可能となる。
具体的には、図18(b)に示すように、帳票3の裏面3bには縦向きレイアウトによって顧客情報330b、整備事業所メッセージ381、自由イメージ383、及び整備事業所情報332bが印刷されている。本実施形態による車両整備情報管理システム1は、横向きレイアウトの帳票3が印刷される際には、印刷選択ダイアログ(不図示)を表示する。ユーザは、この印刷選択ダイアログにおいて、裏面3bに縦向きレイアウトによる顧客情報330b、整備事業所メッセージ381、自由イメージ383、及び整備事業所情報332b(以下、これらの情報を総称して「裏面縦向き印刷情報」と称する場合がある)を印刷するか否かを選択することができる。
顧客情報(宛先情報の一例)330bには、表面3aに印刷されている顧客情報330aと同内容の顧客氏名(本例では、「A山 B子 様」)及び顧客住所が印刷されている。ただし、各顧客情報の印刷態様は同じでなくともよい。顧客情報330bに印刷されている情報は、帳票の宛先として使用される情報である。また、顧客情報330bの下側に配置された整備事業所メッセージ381には、整備事業所から顧客に向けたメッセージが印刷されている。整備事業所メッセージ381の内容は帳票作成時においてメインウィンドウ121に表示される帳票の基本設定を入力する画面(不図示)で任意に入力することができる。ユーザは帳票の作成時において、例えば顧客への感謝を表すメッセージ等を整備事業所メッセージ381の内容として設定する。また、整備事業所メッセージ381の下側であって裏面3bの中央領域に配置された自由イメージ383には、ユーザが設定した任意の画像イメージが印刷される。自由イメージ383に印刷される画像(自由イメージ画像)は、車両整備情報管理システム1に予め登録された画像でもよいし、ユーザが別途用意した画像でもよい。また、自由イメージ383の下側には整備事業所情報332bが印刷されている。整備事業所情報332bには、表面3aに印刷されている事業所情報332aと同内容の情報(「○×自動車整備工場」の情報)が印刷されている。ただし、各事業所情報の印刷態様は同じでなくともよい。
また、帳票3の裏面3bには、窓付き封筒への封入時において帳票3を3つ折りする際に用いられる三つ折りガイド線L1a,L1b,L2a,L2bが印刷されている。図18(b)に示すように、三つ折りガイド線L1a,L2aは矩形状の帳票3の同じ長辺と直交して印刷され、三つ折りガイド線L1b,L2bは三つ折りガイド線L1a,L2aが印刷されているのとは逆側の長辺と直交して印刷されている。また、三つ折りガイド線L1a,L1bは対向して設けられている。同様に、三つ折りガイド線L2a,L2bも対向して設けられている。例えば、ユーザは、帳票3を窓付き封筒へ封入する際に、まず三つ折りガイド線L2a,L2bを結ぶ仮想直線に沿って山折りし、さらに三つ折りガイド線L1a,L1bを結ぶ仮想直線に沿って山折りする。図18(b)は、このようにして三つ折りされた帳票3を示す図である。
図18(c)に示す領域αは図18(b)に示す三つ折りガイド線L1aとL1bを結ぶ仮想直線で区切られた裏面3bの上側領域である。図18(c)に示すように、領域αは、顧客情報330b及び整備事業所メッセージ381の印刷領域に該当する。ユーザは、領域αに印刷された顧客情報330bが窓から視認できるように、帳票3を窓付き封筒へ封入する。帳票3を窓付き封筒へ封入すると、図18(d)に示すように、窓付き封筒5の窓部5aから、帳票3の裏面3bに縦向きレイアウトで印刷された顧客情報330bが顧客名、顧客住所等の詳細情報まで視認可能な状態となる。また、領域αに整備事業所メッセージ381が印刷されていることで、帳票3を郵送された顧客が窓付き封筒から帳票3を取り出す際に、整備事業所メッセージ381が顧客に視認され易い。これにより、車両整備情報管理システム1により設定された裏面縦向き印刷情報を印刷した帳票3によれば、整備事業所が顧客に与える印象を向上させることができる。
このように、車両整備情報管理システム1において情報出力制御部174は、帳票3が出力された面(表面3a)の裏面3bにおいて帳票3の向きとは異なる向きに、少なくとも帳票3の顧客情報330bを含む裏面縦向き印刷情報(帳票関連情報の一例)が印刷されるように帳票出力制御を行う。すなわち、車両整備情報管理システム1では、横向きレイアウトの帳票3の裏面3bにおいて少なくとも顧客情報330bを縦向きレイアウトに設定する。このため、車両整備情報管理システム1は情報の視認性及びデザイン性に優れた横向き帳票においても、一般的な窓付き封筒による帳票の顧客への送付が可能となる。これにより、横向きレイアウトの帳票の送付時において、別途顧客情報を印字した宛名シールを用意する等の追加作業を行う必要がなく、ユーザは効率的に横向きレイアウトの帳票の送付作業を行うことができる。
ただし、整備事業所においては、車両整備情報管理システム1に接続されている印刷機(不図示)が両面印刷に対応していない場合もある。このため、車両整備情報管理システム1では、接続されている印刷機が両面印刷非対応であるときは帳票3の印刷に続いて裏面縦向き印刷情報を印刷するように印刷機へ対する指示を出力する。例えば帳票3が印刷された用紙と裏面縦向き印刷情報が印刷された用紙とを非印刷面同士を対面させて、これらの用紙を図18(c)に示すように折り畳むことで、窓部5aから顧客情報330bが視認可能な状態で窓付き封筒5に封入することができる。このように、印刷機が両面印刷非対応であっても、ユーザは効率的に横向きレイアウトの帳票の送付作業を行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明した。 本発明の一部または全ては、ハードウェアまたはソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード、ステートマシン、ゲートアレイ等を含む)に組み入れることができる。さらに、本発明は、コンピュータによって使用可能な、またはコンピュータ可読の記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとることができ、この媒体には、コンピュータによって使用可能な、またはコンピュータ可読のプログラムコードが組み入れられる。コンピュータによって使用可能な、またはコンピュータ可読の媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスによって、またはそれらとともに使用されるプログラムを、収録する、記憶する、通信する、伝搬する、または搬送することのできる、任意の媒体とすることができる。
また、本発明はかかる実施形態等に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。