JP7097348B2 - 殺菌装置およびそれを用いたスカム生成抑制方法 - Google Patents

殺菌装置およびそれを用いたスカム生成抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、殺菌装置およびそれを用いたスカム生成抑制方法に関する。
今日、活性汚泥法は、下水を含めた様々な排水を処理する分野にて用いられている下水・排水処理の標準的技術となっている。その処理性能についても従来の有機成分中心の除去から、昨今では窒素・りん除去機能の促進へと機能強化が達成されており、将来ともに標準的な処理技術として位置づけられるものと思われる。一方、このような優れた処理法ではあるが、活性汚泥法にもいくつかの欠点が存在する。その1つは、発生するスカムの対応である。気泡を槽底部から散気して混合や酸素供給を行う活性汚泥法生物反応槽の水面付近や後続の沈殿池には、泡状のスカム物質が浮上することが少なくない。多様な活性汚泥微生物種の中の放線菌と称される微生物の濃度が高まると、これら放線菌が産生するミコール酸等の高分子脂肪酸を原因成分とする浮上汚泥物質(これを「スカム」という。)が水面に浮上するからである。
生物反応槽における活性汚泥濃度を高める場合、あるいは生物反応槽の各槽出口が越流構造ではなく「もぐり構造」であったりする場合には、生物反応槽にスカムが浮上堆積しやすい。特に、高濃度の活性汚泥で大きな送風量で運転する膜分離活性汚泥法については、生物反応槽にこのようなスカムが増殖しやすいことも課題となっている。また、こうしたスカムは、生物反応槽内で生成する気泡を付着させているため、沈殿池では処理水に同伴して越流してしまうケースも多く、また見た目も悪い。このため、スカムの生成は、排水処理施設の管理上、大きな問題となっている。従来から周知のスカム対策は、浮上したスカムを物理的に除去する方法、または放線菌を抑制する薬剤を生物反応槽に添加する薬剤添加方法に限られている(例えば、特許文献1,2を参照。)。
特開2016-034615号公報 特開平11-267681号公報
しかし、上記従来から公知のスカム対策は、スカムが大量に発生して問題が顕在化した後に取る手法であり、スカムの大量発生を未然に防ぐ手法ではない。このため、スカムの発生初期段階から、スカム対策をとることが望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、スカムの発生初期段階から、スカムの生成を抑制することを目的とする。
本発明者は、スカム発生の原因となる微生物である放線菌がスカムの浮上物に集積することに着目し、水面上のスカムに対して、その発生初期段階から対策を講じてスカムの生成を抑制することに成功した。具体的な課題解決手段は、次の通りである。
(1)上記目的を達成するための一実施形態に係る殺菌装置は、少なくとも一方を開口部とするカバー部材と、前記カバー部材の内側に固定されており、前記開口部に光を照射可能な光照射装置と、を少なくとも備え、前記光照射装置は、当該装置から照射される光により、汚水処理においてスカムの生成要因の放線菌を殺菌可能である。
(2)別の実施形態に係る殺菌装置において、好ましくは、前記光照射装置は、前記カバー部材の前記開口部より内方に位置する内天面に固定されていても良い。
(3)別の実施形態に係る殺菌装置において、好ましくは、前記光は、紫外線または中心波長401~410nmの可視光線であっても良い。
(4)別の実施形態に係る殺菌装置において、好ましくは、前記カバー部材は、前記開口部以外の一部若しくは全部の面に、前記カバー部材の内側から外に前記光が透過するのを抑制可能な光透過抑制シートを備えていても良い。
(5)別の実施形態に係る殺菌装置において、好ましくは、前記カバー部材の前記開口部を水面側にして前記殺菌装置を水上に配置した際に前記カバー部材を水に浮かせることのできる1または2以上のフロートを、さらに備え、前記フロートは、前記カバー部材の前記開口部の方向にあって、前記開口部の周囲の少なくとも一部が水面との間に隙間を保持可能な位置に備えられていても良い。
(6)別の実施形態に係る殺菌装置において、好ましくは、前記フロートは、前記開口部の全周囲の一部であって、前記開口部より外方向に突出するように備えられていても良い。
(7)別の実施形態に係る殺菌装置において、好ましくは、前記開口部より外方向に突出する位置に配置されている空気噴出部と、前記空気噴出部に空気を送る送気管と、をさらに備えていても良い。
(8)別の実施形態に係る殺菌装置において、好ましくは、前記開口部より外方向に突出する位置に配置されている空気噴出部と、前記空気噴出部に空気を送る送気管と、をさらに備え、前記フロートは、前記開口部の開口面と前記空気噴出部との間に位置していても良い。
(9)別の実施形態に係る殺菌装置は、好ましくは、前記殺菌装置を前記水面の上方にて吊り下げるための吊り下げ手段を、さらに備えても良い。
(10)上記目的を達成するための一実施形態に係るスカム生成抑制方法は、汚水処理において、上記いずれかの殺菌装置を用いてスカムの生成要因の放線菌を殺菌してスカムの生成の抑制を行う方法である。
(11)別の実施形態に係るスカム生成抑制方法は、好ましくは、汚水処理施設の生物反応槽における汚水処理において、前記カバー部材の前記開口部より外方向に突出する位置に配置されている空気噴出部と前記空気噴出部に空気を送る送気管とを備える殺菌装置を用いる方法でも良い。
本発明によれば、スカムの発生初期段階から、スカムの生成を抑制することができる。
図1は、第1実施形態に係る殺菌装置の斜視図を示す。 図2は、図1の殺菌装置を用いてスカム生成抑制方法を実施している状況を当該殺菌装置の側面方向から見た図を示す。 図3は、図1の殺菌装置の変形例1を用いてスカム生成抑制方法を実施している状況を当該殺菌装置の側面方向から見た図を示す。 図4は、第1実施形態の変形例2に係る殺菌装置の斜視図を示す。 図5は、第2実施形態に係る殺菌装置の斜視図を示す。 図6は、図5の殺菌装置の側面図を示す。 図7は、図5の殺菌装置のドーム下方の構成を天板側から見た平面図を示す。 図8は、図5の殺菌装置を用いてスカム生成抑制方法を実施している状況を当該殺菌装置の側面方向から見た図を示す。 図9は、第3実施形態に係る殺菌装置の斜視図を示す。
次に、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る殺菌装置およびそれを用いたスカム生成抑制方法について説明する。
図1は、第1実施形態に係る殺菌装置の斜視図を示す。
第1実施形態に係る殺菌装置1は、好ましくは、天板5と、当該天板5の周囲から拡径しながら天板5の片面方向に延びる4本の支柱10と、4本の支柱10の各先端を連結して天板5と略平行の開口部7を形成する枠形状の支柱11と、天板5の外周縁と支柱10と支柱11とで囲まれた面を構成するカバー部材15と、を備える。すなわち、この実施形態に係る殺菌装置1は、天板5から徐々に開口面積を拡げるドーム形状の装置である。支柱10、支柱11およびカバー部材15は、ドーム形状の殺菌装置1における外側面を構成する。殺菌装置1の外側面の内側には空間がある。
殺菌装置1は、天板5の上記片面(すなわち、ドームの内側の面)に、複数の光照射装置20を備える。光照射装置20は、好ましくは、天板5の上記片面に固定された保持部材18に保持されている。なお、光照射装置20は、1個でも良い。光照射装置20の形状は、管状、板状などの如何なる形状でも良い。この実施形態では、カバー部材15は、一方を開口したドーム型の部材であり、光照射装置20は、ドーム型の部材の内天面に固定されている。しかし、変形例として、1または2以上の光照射装置20は、ドーム型の部材の内天面(天板5)ではなく、カバー部材15の内側の任意の面に固定されていても良い。光照射装置20の固定場所は、殺菌装置1の開口部7に光を照射可能であれば制約されない。
光照射装置20は、当該装置20から照射される光により、汚水処理(下水処理、排水処理と称しても良い。)においてスカムの生成要因となる放線菌を殺菌可能である。ここで、下水は汚水の一例であり、汚水は排水の一例である。光は、好ましくは、波長253.7nmの紫外線である。また、光は、波長401~410nmの可視光線、より好ましくは波長405nmの可視光でも良い。波長405nmの光は、人体への影響が少なく、かつ消毒効果もある、いわゆる「日光消毒効果」を有するので、汚水処理の場所に人がいる環境では、より好ましく使用できる。ここでいう「波長」は、特筆しない限り、その光の波長分布において最多の波長(中心波長)を意味する。したがって、紫外線または可視光は、必ずしも単一の波長を有するものとは限らない。
なお、殺菌装置1は、開口部7以外に、別の開口部を備えていても良い。当該別の開口部は、開口部7と隣接して設けられていても、またはカバー部材15若しくは天板5に設けられていても良い。カバー部材15は、透明であるか、半透明であるか、あるいは不透明であるかを問わない。しかし、光照射装置20から照射される光が紫外線である場合には、カバー部材15の外側にいる人への悪影響を少なくする観点から、カバー部材15は紫外線を遮蔽可能な部材である方が好ましい。より具体的には、カバー部材15は、好ましくは、開口部7以外の一部若しくは全部の面に、カバー部材15の内側から外に光が透過するのを抑制可能な光透過抑制シートを備える。カバー部材15の一部を光透過抑制シートとし、あるいはカバー部材15の全部を光透過抑制シートとしても良い。また、カバー部材15を金属にて構成しても良い。
殺菌装置1は、好ましくは、天板5の外側の面にボックス25を備える。ボックス25は、好ましくは、さらに外方向に延びる管若しくは軸(以下、「管等」という。)26を備える。ボックス25および/または管等26は、殺菌装置1を汚水処理槽の上方に吊るす場合に利用可能な吊り下げ手段である。汚水処理槽の上方に配置される固定部位に管等26を接続すると、開口部7を水面に対向させた状態にて、殺菌装置1を汚水処理槽の上方から吊るすことができる。スカムが生成している場合、殺菌装置1の固定されている場所にスカムを移動させて、殺菌処理を行うことができる。
管等26は、光照射装置20に電力を供給するためのケーブルを入れる部分でも良い。管等26は、上記固定部位に対して可動自在に接続されていても良い。例えば、汚水処理槽の上方において、水面に対して一方向(X軸方向)、二方向(X軸方向とY軸方向)または三方向(X軸方向、Y軸方向に加え、水面に対する高さ方向:Z軸方向)に殺菌装置1を移動可能なレールを備えることも可能である。管等26を当該レールに接続することによって、汚水処理槽のスカムの生成場所に殺菌装置1を移動自在に構成できる。なお、ボックス25は、光照射装置20の制御用の回路基板などを入れる部分でも良い。
殺菌装置1は、ドーム型の装置ではなく、天板5側を閉じた円筒若しくは角筒等の箱型の装置でも良い。カバー部材15が十分な剛性を有する場合(例えば、カバー部材15を金属で構成する場合)には、殺菌装置1は、支柱10および/または支柱11を備えていなくとも良い。
以上のように、殺菌装置1は、少なくとも一方を開口部7とするカバー部材15と、カバー部材15の内側に固定されており、開口部7に光を照射可能な光照射装置20と、を少なくとも備える。光照射装置20は、当該装置20から照射される光により、汚水処理においてスカムの生成要因の放線菌を殺菌可能である。
図2は、図1の殺菌装置を用いてスカム生成抑制方法を実施している状況を当該殺菌装置の側面方向から見た図を示す。図2、図3および図8に基づく説明では、光を「光L」、スカムを「スカムS」または「スカムS’」と、水面を「水面W」と、称する場合がある。
殺菌装置1は、スカムSが浮いている領域に開口部7を近づけた状態で、汚水処理槽の水面Wの上方に保持されている。開口部7の面は、水面Wから距離H1だけ離れている。距離H1は、殺菌装置1の開口部7の端部がスカムSに接触しない距離であれば制約されない。光照射装置20をオンにすると、当該装置20からの光Lは、天板5からカバー部材15の内側の空間を介して開口部7近傍に位置するスカムSに照射される。この結果、スカムSに存在する放線菌が殺菌され、それ以上のスカムSの生成を抑制できる。
(第1実施形態の変形例1)
図3は、図1の殺菌装置の変形例1を用いてスカム生成抑制方法を実施している状況を当該殺菌装置の側面方向から見た図を示す。
変形例1に係る殺菌装置1aは、カバー部材15、支柱10,11にて構成されるドームの深さが前述の殺菌装置1のドームの深さに比べて小さい点で殺菌装置1と異なり、それ以外の構成を殺菌装置1の構成と共通している。開口部7の面は、水面Wから距離H2(>H1)だけ離れている。このため、スカムS’が比較的多く生成して水面Wから比較的高い位置まで膨らんでいる場合でも、開口部7をスカムS’に接触させずに殺菌装置1aを使用できる。
殺菌装置1aは、殺菌装置1と比べて、浅いドームを有する。このため、光Lが外に漏れる確率が高くなる。しかし、汚水処理の環境が汚水処理槽に人が近づかない環境の場合、あるいは光Lに可視光領域の光を用いている場合には、光Lがドームの外方向に漏れても支障はない。また、光Lに可視光領域の光を用いている場合には、カバー部材15の材料に、紫外線遮蔽効果の低い若しくは無い材料を用いても良い。
(第1実施形態の変形例2)
図4は、第1実施形態の変形例2に係る殺菌装置の斜視図を示す。
変形例2に係る殺菌装置1bは、前述の殺菌装置1の開口部7の周囲にフロート30を備える点で殺菌装置1と異なり、それ以外の構成を殺菌装置1の構成と共通している。フロート30は、ここでは、開口部7の周縁の4つの角部に設けられている。すなわち、殺菌装置1bは、殺菌装置1の構成に加え、カバー部材15の開口部7を水面側にして殺菌装置1bを水上に配置した際にカバー部材15を水に浮かせることのできるフロート30を、さらに備える。フロート30は、カバー部材15の開口部7の方向にあって、開口部7の周囲の少なくとも一部が水面との間に隙間を保持可能な位置に備えられている。
フロート30の設置位置および個数は、当該角部および4つにそれぞれ限定されない。フロート30を開口部7の周縁における角部以外の位置(例えば、四角い開口部7の各辺)に備えても良い。フロート30は、ここでは、球形状であるが、直方体、円柱、板状などの他の形状でも良い。フロート30は、開口部7を水面から一定の距離だけ離した状態で、殺菌装置1bを水面上に安定して浮かせることのできる個数および形態であれば良い。この変形例では、フロート30は、開口部7の全周囲の一部であって、開口部7より外方向に突出するように備えられている。このように、殺菌装置1bの開口部7の一部のみを水面に接触させるようにフロート30を設けると、スカムを、フロート30以外の位置から開口部7の対向位置へと移動させることができる。仮に、開口部7の周囲を全てフロート30で塞いでしまうと、スカムが開口部7の対向面へと導くことが困難になるからである。
また、フロート30によって殺菌装置1bを水面から一定距離だけ離した状態で安定的に浮かせると、汚水処理槽の上方に殺菌装置1bを固定せず、水面上を移動自在にできる。殺菌装置1bは、完全にフリーの状態で汚水処理槽の水面に浮くものでも良い。その場合、管等26を備えずに、ボックス25内外にバッテリーを備えて、光照射装置20にバッテリーを通じて給電可能に構成することもできる。一方、殺菌装置1bは、完全にフリーの状態で水面に浮くものではなく、汚水処理槽の水面上方にて水面上を移動自在に吊るされていても良い。
第1実施形態(変形例1,2も含む)に係る殺菌装置を用いたスカム生成抑制方法は、汚水処理において、上述のいずれかの殺菌装置1,1a,1bを用いてスカムの生成要因の放線菌を殺菌してスカムの生成の抑制を行う方法である。放線菌が密集しているスカムに対して光照射装置20からの光を照射するには、スカムを開口部7へと集める方法か、あるいは殺菌装置1,1a,1bをスカムの生成場所に移動させる方法か、あるいはそれら両方法を実行するのが好ましい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る殺菌装置およびそれを用いたスカム生成抑制方法について説明する。第2実施形態において、第1実施形態(各変形例も含む。)の構成と共通する構成についてはその説明を省略する場合がある。
図5は、第2実施形態に係る殺菌装置の斜視図を示す。図6は、図5の殺菌装置の側面図を示す。図7は、図5の殺菌装置のドーム下方の構成を天板側から見た平面図を示す。
第2実施形態に係る殺菌装置1cは、第1実施形態に係る殺菌装置1に、フロート30と、空気噴出部38およびその関連機器とを備える点で殺菌装置1と異なり、それ以外の構成では殺菌装置1と共通する。
殺菌装置1cのフロート30は、殺菌装置1bと同様、開口部7の全周囲の一部であって、開口部7より外方向に突出するように備えられている。この実施形態では、フロート30の形状は直方体である。また、フロート30の数は2つである。フロート30は、開口部7より外方向に離れた位置に固定されている。フロート30は、4つの支柱10にそれぞれ接続されて開口部7の方向に延出する4本の支柱32に固定されている。4本の支柱10の各全長の途中の位置(好ましくは、全長の中間位置)には、支柱11と平行に支柱31が接続されている。すなわち、殺菌装置1cのドームの部分は、開口部7を構成する4本の支柱11以外に、開口部7と平行な面を構成する別の支柱31で構成される枠を備える。フロート30を支柱10のみで支えると、ドームが変形あるいは破損するリスクが高くなるため、そのようなリスクを低減する必要からである。ただし、フロート30は、支柱11の途中から吊るのではなく、開口部7の辺縁に固定し、あるいは殺菌装置1bと同様に開口部7の角部に固定されていても良い。また、フロート30は、3個以上でも良い。
殺菌装置1cは、開口部7より外方向に突出する位置に配置されている空気噴出部38と、空気噴出部38に空気を送る送気管40と、をさらに備える。この実施形態では、フロート30は、開口部7の開口面と空気噴出部38との間に位置する。殺菌装置1cを水に浮かせると、空気噴出部38は、水面下に位置する。このため、水面に浮くスカムに対して下方から空気をバブリングさせて、スカムの内部を攪乱させ、スカムの表面を更新することによりスカム内部の放線菌に光を照射しやすくなる。殺菌装置1cの空気噴出部38および送気管40を用いたバブリング機構は、スカムの生成量が比較的多く、単に紫外線等の光を照射するだけでは、スカム内部の放線菌に光を照射しにくい状況下では特に有効である。
フロート30の長さ方向両端側には、好ましくは、フロート30の厚さ方向に延出して支柱35が固定されている。2本のフロート30を結ぶ方向の2本の支柱35は、好ましくは、2本の支柱35をつなぐ固定板36を備える。固定板36を接続する上記2本の支柱35とは別の2本の支柱35は、好ましくは、当該別の2本の支柱35をつなぐ中空管37を備える。空気噴出部38は、好ましくは、固定板36と中空管37とに固定される管状部材である。空気噴出部38は、スカム内部に空気をバブリングするための1または2以上の孔39を備える。空気噴出部38の長さ方向の一端は、固定板36にて塞がれている。空気噴出部38の長さ方向の上記一端と反対側の他端は、中空管37の内部37aに接続されている。全ての空気噴出部38の他端は、中空管37に接続されている。送気管40は、中空管37の内部37aに接続されている。送気管40は、好ましくは開口部7の開口面よりも天板5側の方向の任意の位置まで延出している。
図8は、図5の殺菌装置を用いてスカム生成抑制方法を実施している状況を当該殺菌装置の側面方向から見た図を示す。
殺菌装置1cを汚水処理槽の水面上に浮かせると、空気噴出部38は、水面Wに浮遊するスカムSよりも下に位置する。送気管40から空気50を供給すると、空気50は、中空管37の内部37aを通じて各空気噴出部38内に送られ、孔39から水中に出る。孔39から出た空気50は、気泡となって、堆積しているスカムSの内部を上昇する過程でスカムSの塊を細かく分解し、またスカムSを攪乱することによりスカムの表面を更新させる。このため、光照射装置20から開口部7の水面Wに向かって照射された光は、元々、スカムSの内部若しくはスカムS同士の隙間に存在していた放線菌が気泡の作用によってスカム表面に押し上げられることによって、当該放線菌に効率良く照射される。この結果、放線菌の殺菌効率が高まり、スカムSのそれ以上の生成を抑制できる。
殺菌装置1cは、気泡をスカムSにぶつけてスカムSを細かくしたり、スカムSの内部を攪乱することができるが、活性汚泥法を用いる処理において沈殿槽(「沈殿池」ともいう。)を用いる場合には、沈殿効率を下げる可能性がある。このため、回分式活性汚泥法による生物反応槽と沈殿池とを兼ねる1つの槽では、沈殿工程で殺菌装置1cを用いるのが好ましい。一方、連続式活性汚泥法を用いた汚水処理場のように生物反応槽と沈殿池とが分かれている場所では、沈殿池以外の槽(主に、生物反応槽)で殺菌装置1cを用いるのが好ましい。ただし、沈殿池であっても、沈殿物の再浮上の危険性が低い場合には、沈殿池に浮かんでいるスカムSに対して殺菌装置1cを使用しても良い。
このように、第2実施形態に係るスカム生成抑制方法は、好ましくは汚水処理施設の生物反応槽における汚水処理において、カバー部材15の開口部7より外方向に突出する位置に配置されている空気噴出部38と、空気噴出部38に空気50を送る送気管40と、を備える殺菌装置1cを用いて行われる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る殺菌装置およびそれを用いたスカム生成抑制方法について説明する。第3実施形態において、前述の各実施形態(各変形例も含む。)の構成と共通する構成についてはその説明を省略する場合がある。
図9は、第3実施形態に係る殺菌装置の斜視図を示す。
第3実施形態に係る殺菌装置1dは、第2実施形態に係る殺菌装置1cと異なり、殺菌装置1dの四隅、より具体的には、カバー部材15の開口部7の四隅の直下位置に各1個ずつ合計4個のフロート30を備えている。当該フロート30は、第1実施形態の変形例2に係る殺菌装置1bのフロート30に類似している。このように、フロート30を殺菌装置1dの四隅に分散配置することによって、第2実施形態に係る殺菌装置1cに比べ、スカムをカバー部材15の開口部7に向けて集めやすくなる。
殺菌装置1dは、カバー部材15の開口部7より外方向に突出する位置に配置されている空気噴出部38と、空気噴出部38に空気を送る送気管40とを備えている。このため、汚水処理施設の生物反応槽における汚水処理において、開口部7に集めたスカムに対して空気をバブリングさせて、スカムの内部を攪乱させ、スカムの表面を更新することにより、スカム内部の放線菌に効果的に光を照射でき、もって、スカムの生成を抑制することができる。
(その他実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形、置換、調整を加えることができる。
例えば、光照射装置20は、放線菌を完全に殺菌せずに、一部を殺菌できる装置でも良い。光照射装置20は、ドーム型の部材(カバー部材15の一形態)の内天面ではなく、内側面に設けられ、あるいは内天面から吊るされていても良い。光照射装置20から照射される光は、可視光の場合に、中心波長405nmの可視光に限定されず、波長401~410nmの範囲内に属する可視光でも良い。
フロート30は、カバー部材15の開口部7の方向にあって、開口部7の周囲の少なくとも一部が水面との間に隙間を保持可能な位置に備えられているのが好ましい。しかし、フロート30は、当該隙間を生じることなく備えられていても良い。その場合、水に浮くスカムを殺菌装置に向かって移動させて殺菌装置のドーム内に導くことは難しい。このため、スカムの生成場所の上方から殺菌装置を被せて、スカム生成抑制方法を実行するのが好ましい。
フロート30は、開口部7の開口面と空気噴出部38との間に位置せず、開口部7から最も遠い位置にあっても良い。すなわち、開口部7から外方向に順に、空気噴出部38、フロート30と配置されていても良い。孔39の位置は、空気噴出部38の天板5の方向(すなわち、殺菌装置を水面に浮かべた際の上方向)ではなく、空気噴出部38の側面あるいは下方向でも良い。空気50に代えて、液体を用いても良い。
また、上述の各種実施形態における構成要素は、組み合わせ不可能な場合を除き、任意に組み合わせることも可能である。例えば、空気噴出部38は、フロート30を備えていない殺菌装置1,1a、あるいは球状のフロート30を備える殺菌装置1bに備えられていても良い。
本発明は、排水処理においてスカムの生成を抑制する際に利用可能である。
1,1a,1b,1c,1d・・・殺菌装置、5・・・天板(内天面の一例)、7・・・開口部、15・・・カバー部材(一例として、光透過抑制シート自体、あるいは当該シートを備える部材)、20・・・光照射装置、25・・・ボックス(吊り下げ手段の一部)、26・・・管等(吊り下げ手段の一部)、30・・・フロート、38・・・空気噴出部、40・・・送気管、50・・・空気、H1,H2・・・隙間、隙間L・・・光、S,S’・・・スカム、W・・・水面。

Claims (7)

  1. 少なくとも一方を開口部とするカバー部材と、
    前記カバー部材の内側に固定されており、前記開口部に光を照射可能な光照射装置と、
    前記カバー部材の前記開口部を水面側にして水上に配置した際に前記カバー部材を水に浮かせることのできる1または2以上のフロートと、
    前記開口部より外方向に突出する位置に配置されている空気噴出部と、
    前記空気噴出部に空気を送る送気管と、
    を少なくとも備える殺菌装置であって
    前記フロートは、前記カバー部材の前記開口部の方向にあって、前記開口部の全周囲の一部であって前記開口部より外方向に突出するように、前記開口部の周囲の少なくとも一部が水面との間に隙間を保持可能に固定され、
    前記フロートは、さらに、前記殺菌装置を水に浮かせると水面下に位置する前記空気噴出部と、前記開口部の開口面との間に位置し、
    前記光照射装置は、当該装置から照射される光により、汚水処理においてスカムの生成要因の放線菌を殺菌可能であることを特徴とする殺菌装置。
  2. 前記光照射装置は、前記カバー部材の前記開口部より内方に位置する内天面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の殺菌装置。
  3. 前記光は、紫外線または中心波長401~410nmの可視光線であることを特徴とする請求項1または2に記載の殺菌装置。
  4. 前記カバー部材は、前記開口部以外の一部若しくは全部の面に、前記カバー部材の内側から外に前記光が透過するのを抑制可能な光透過抑制シートを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の殺菌装置。
  5. 前記殺菌装置を前記水面の上方にて吊り下げるための吊り下げ手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の殺菌装置。
  6. 汚水処理において、請求項1からのいずれか1項に記載の殺菌装置を用いてスカムの生成要因の放線菌を殺菌してスカムの生成の抑制を行うことを特徴とするスカム生成抑制方法。
  7. 汚水処理施設の生物反応槽における汚水処理において、前記殺菌装置を用いることを特徴とする請求項に記載のスカム生成抑制方法。
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