JP7096930B1 - 地中熱利用システム、制御装置、制御方法、プログラム - Google Patents

地中熱利用システム、制御装置、制御方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】流量調整をしやすくする地中熱利用システム、制御装置、制御方法、プログラムを提供する。【解決手段】地中熱利用システムは、井戸と、井戸へ延びる側に端部を有する配管と、配管に設けられた熱交換器と、を備え、配管は、端部に、井戸内の地下水を揚水可能なポンプに接続された揚水管と、それぞれ流量調整弁を備えた複数本の注水管と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、地中熱利用システム、制御装置、制御方法、プログラムに関する。
近年、地下水を温熱源又は冷熱源として利用する地中熱利用システムが提案されている。
例えば、特許文献1には、2本の井戸に、それぞれ揚水管及び還元管を挿入し、揚水管を通して一方の井戸の地下水をポンプでくみ上げて揚水し、熱利用した後の地下水を他方の井戸の還元管を通して注水する地下水熱交換装置が提案されている。
特開2011-21804号公報
特許文献1に開示された地下水熱交換装置において、注水井戸への注水温度を一定にするには、負荷や外気温等に応じて注水流量を調整する必要がある。
しかし、特許文献1に開示された構成では、注水流量の調整は、ポンプのみで行うこととなり、注水流量の調整を、より一層、しやすくすることが望まれる。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、流量調整をしやすくすることができる地中熱利用システム、制御装置、制御方法、プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る地中熱利用システムは、井戸と、前記井戸へ延びる側に端部を有する配管と、前記配管に設けられた熱交換器と、を備え、前記配管は、前記端部に、前記井戸内の地下水を揚水可能なポンプに接続された揚水管と、それぞれ流量調整弁を備えた複数本の注水管と、を備える。
本開示に係る制御装置は、一対の井戸のうち一方の前記井戸に設けられた揚水管から地下水をくみ上げるよう、前記揚水管に設けられたポンプを動作させるポンプ動作制御部と、前記揚水管からくみ上げられた地下水が熱交換器を経て、他方の前記井戸に設けられた複数本の注水管を通して前記他方の井戸に所定の流量で注水されるよう、複数本の前記注水管のそれぞれに設けられた流量調整弁の開度を調整する弁開度制御部と、を備える。
本開示に係る制御方法は、一対の井戸のうち一方の前記井戸に設けられた揚水管から地下水をくみ上げるよう、前記揚水管に設けられたポンプを動作させ、前記揚水管からくみ上げられた地下水が熱交換器を経て、他方の前記井戸に設けられた複数本の注水管を通して前記他方の井戸に所定の流量で注水されるよう、複数本の前記注水管のそれぞれに設けられた流量調整弁の開度を調整する。
本開示に係るプログラムは、コンピュータに、一対の井戸のうち一方の前記井戸に設けられた揚水管から地下水をくみ上げるよう、前記揚水管に設けられたポンプを動作させ、前記揚水管からくみ上げられた地下水が熱交換器を経て、他方の前記井戸に設けられた複数本の注水管を通して前記他方の井戸に所定の流量で注水されるよう、複数本の前記注水管のそれぞれに設けられた流量調整弁の開度を調整する方法を実行させる。
本開示の地中熱利用システム、制御装置、制御方法、プログラムによれば、流量調整をしやすくすることができる。
本開示の実施形態に係る地中熱利用システムの概略構成を示す図である。 本開示の実施形態に係る地中熱利用システムの系統図である。 本開示の実施形態に係る制御装置のブロック図である。 本開示の実施形態に係る制御方法の手順を示すフローチャートである。 本開示の実施形態に係る制御装置が備えるコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
<実施形態>
本開示に係る地中熱利用システムの実施形態について、図1~図4を参照して説明する。
(地中熱利用システムの構成)
図1、図2に示すように、地中熱利用システム1は、井戸2と、配管3と、熱交換器4と、流量調整システム7と、を主に備える。
例えば、地中熱利用システム1は、井戸2を一対備えてもよい。
(井戸の構成)
図1に示すように、一対の井戸2は、地上OGから帯水層LY内に延びている。
例えば、一対の井戸2は、第一井戸2Aと、第二井戸2Bとを備える。
地中熱利用システム1は、第一井戸2Aおよび第二井戸2Bのうちの一方から地下水をくみ上げ、熱交換器4で熱交換を行った後、第一井戸2Aおよび第二井戸2Bのうちの他方に熱交換後の地下水を注入する。つまり、地中熱利用システム1は、第一井戸2Aから地下水をくみ上げて第二井戸2Bに注水する場合と、第二井戸2Bから地下水をくみ上げて第一井戸2Aに注水する場合の、2つの運転モードを有する。
ここで以下の説明においては、第一井戸2Aおよび第二井戸2Bのうち、地下水をくみ上げる側を揚水井戸21と称し、第一井戸2Aおよび第二井戸2Bのうち、地下水を注水する側を注水井戸22と、称する。つまり、第一井戸2A、第二井戸2Bは、それぞれ揚水井戸21として機能する場合と、注水井戸22として機能する場合とがある。
ただし、以下においては、説明を簡略化するため、第一井戸2Aを揚水井戸21とし、第二井戸2Bを注水井戸22として、熱交換器4で熱交換を行う場合を中心に説明する。
各井戸2は、地上OGから帯水層LYに至る地下に向かって掘削された掘削孔HOLに埋め込まれたケーシング2aを備える。
ケーシング2aは、上下方向に延びる筒状である。
各井戸2は、上部に開口2cを有する。
例えば、開口2cは、ケーシング2aの上部の開口であってもよい。
ケーシング2aは、例えば複数のスリットからなるストレーナー2bを有する。
ストレーナー2bによって、井戸2は、帯水層LYの地下水をケーシング2aの内部に取り込んだり、ケーシング2aの内部から帯水層LYへ地下水を戻したりできるように構成されている。
例えば、ケーシング2aの上部の開口には、開口を閉塞する井戸蓋(図示無し)が設けられてもよい。
(配管の構成)
図1、図2に示すように、配管3は、井戸2へ延びる側に端部を有する。
配管3は、端部に、揚水管71と、複数本の注水管75と、を備えている。
例えば、配管3は、一対の井戸2の各井戸2へ延びる側の端部に、揚水管71と、複数本の注水管75と、を備えてもよい。
例えば、本実施形態において、配管3は、一対の井戸2の双方側の端部に、それぞれ、揚水管71と、複数本の注水管75と、を備えている。つまり、配管3は、第一井戸2A側の端部3aと、第二井戸2B側の端部3bとに、それぞれ揚水管71と、複数本の注水管75と、を備えている。
揚水管71と、複数本の注水管75とは、配管3の端部3a、3bから、それぞれ分岐して設けられている。
揚水管71は、地上OGから井戸2の内部に延びている。
揚水管71は、井戸2の地下水に両端が浸漬されていてもよい。
揚水管71は、揚水管71が設けられた側の井戸2が揚水井戸21として機能する場合に、井戸2(揚水井戸21)から地下水を揚水する。
揚水管71には、ポンプ72が設けられている。
ポンプ72は、井戸2から配管3に揚水する。
例えば、ポンプ72は、井戸2が揚水井戸21として機能する場合に、井戸2から配管3に揚水する。
例えば、ポンプ72は、配管3内へ井戸2内の地下水をくみ上げてもよい。
例えば、ポンプ72は、揚水管71に設けられ、各井戸2内の地下水に浸漬されていてもよい。
例えば、ポンプ72は、インバータ制御により出力を変更できてもよい。
揚水管71には、逆止弁73が設けられている。
逆止弁73は、揚水管71において、ポンプ72よりも熱交換器4側に設けられている。
逆止弁73は、揚水管71と配管3の端部3a、3bとの接続部よりもポンプ72側に設けられている。
逆止弁73は、逆止弁73が設けられた側の井戸2において、配管3から注水管75を通して注水を行う場合に、注水される地下水の一部がポンプ72に逆流するのを抑える。
配管3の各井戸2(第一井戸2A、第二井戸2B)側の端部3a、3bにおいて、複数本の注水管75は、それぞれ地上OGから井戸2の内部に延びている。
各注水管75は、井戸2の地下水に両端が浸漬されていてもよい。
本実施形態において、注水管75は、例えば2本設けられている。
複数の注水管75は、3本以上が設けられていてもよい。
複数の注水管75は、複数の注水管75が設けられた井戸2が注水井戸22として機能する場合に、井戸2(注水井戸22)に地下水を注水する。
複数本の注水管75は、管径が互いに異なっていてもよい。
本実施形態において、複数本の注水管75は、小径注水管75Aと、大径注水管75Bと、を備える。
小径注水管75Aは、大径注水管75Bよりも管径が小さい。
大径注水管75Bは、小径注水管75Aよりも管径が大きい。
小径注水管75A、大径注水管75Bは、それぞれ揚水管71よりも管径が小さくてもよい。
小径注水管75A、および大径注水管75Bは、小径注水管75Aの流路断面積と大径注水管75Bの流路断面積との和が、揚水管71の流路断面積以上であるようにしてもよい。
複数の注水管75のそれぞれには、流量調整弁77が設けられている。
小径注水管75Aには、流量調整弁77として小径流量調整弁77Aが設けられている。
大径注水管75Bには、流量調整弁77として大径流量調整弁77Bが設けられている。
小径流量調整弁77Aは、大径流量調整弁77Bよりも口径が小さい。
小径流量調整弁77Aは、小径注水管75Aの管径に合わせた口径を有している。
大径流量調整弁77Bは、大径注水管75Bの管径に合わせた口径を有している。
流量調整弁77は、注水管75を流れる地下水の流量を調整する。
流量調整弁77は、井戸2が注水井戸22として機能する場合に、注水井戸22に設けられた注水管75を流れる地下水の流量を調整する。
流量調整弁77は、その開度を調整することで、流量調整弁77が設けられた注水管75における地下水の流量を調整できる。
流量調整弁77は、地中熱利用システム1の運転を停止する場合に、流量調整弁77を全閉とした後にポンプ72の動作を停止させるようにしてもよい。これにより、地中熱利用システム1は、配管3内の地下水を加圧状態に維持したまま、運転を停止することができる。
複数の注水管75に設けられた複数の流量調整弁77は、それぞれ独立して弁開度調整を行うことができる。
複数の注水管75のうち、一部(一方)の注水管75の流量調整弁77を閉じ、他方の注水管75のみから注水側の井戸2に注水するようにしてもよい。
図2に示すように、配管3は、熱交換器4と、一対の井戸2との間に、逆止弁35a~35dを備える。
逆止弁35a~35dは、第一井戸2Aから地下水をくみ上げた場合であっても、第二井戸2Bから地下水をくみ上げた場合であっても、地下水が熱交換器4に対し同じ方向に流れるように、配管3における地下水の流れを制御する。
例えば、第一井戸2Aから地下水をくみ上げた場合、配管3内の地下水は、第一井戸2Aから、逆止弁35a、熱交換器4、逆止弁35bを順に経由し、第二井戸2Bに注水される。このとき、熱交換器4より上流側(第一井戸2A側)は下流側に比べて配管3内の圧力が大きいため、逆止弁35cや逆止弁35dに水は流れない。
同様に、第二井戸2Bからくみ上げた場合、配管3内の地下水は、第二井戸2Bから、逆止弁35c、熱交換器4、逆止弁35dを順に経由し、第一井戸2Aに注水される。このときも、熱交換器4より上流側(第二井戸2B側)は下流側に比べて配管3内の圧力が大きいため、逆止弁35aや逆止弁35bに水は流れない。
(熱交換器の構成)
熱交換器4は、配管3内の地下水と負荷設備100側の媒体との間で熱交換する。
例えば、熱交換器4は、井戸2からくみ上げられて配管3内を流れる地下水と、負荷設備100側の媒体との間で熱交換する。熱交換が行われた後の地下水は、熱交換器4から配管3内を流れ、井戸2に注水される。
例えば、熱交換器4は、地上OGにおいて、配管3の途中に設けられていてもよい。
熱交換器4を経た水が温水の場合、地中熱利用システム1は、井戸2に温水を注入することにより温水蓄熱を行う。
熱交換器4を経た水が冷水の場合、地中熱利用システム1は、井戸2に温水を注入することにより冷水蓄熱を行う。
ここで「温水」とは、帯水層の地下水の初期地中温度より高い温度の水のことであり、「冷水」とは、帯水層の地下水の初期地中温度より低い温度の水のことである。
例えば、帯水層の地下水の初期地中温度は18℃である。
(流量調整システムの構成)
流量調整システム7は、ポンプコントローラ74と、前記流量調整弁77と、制御装置80と、を備える。流量調整システム7は、注水井戸22に注水される地下水の流量を調整することによって、注水井戸22の注水温度を調整する。
ポンプコントローラ74は、ポンプ72の動作を制御する。
例えば、ポンプコントローラ74は、各井戸2のポンプ72に関連して設けられてもよい。
例えば、ポンプコントローラ74は、インバータ回路(図示無し)を有し、ポンプ72のインバータ制御を実施する。
ポンプコントローラ74は、後述する制御装置80の制御により、インバータ回路によるインバータ制御の動作周波数を変動することで、ポンプ72の回転数を調整する。
ポンプコントローラ74は、インバータ回路によるインバータ制御の動作周波数を変動することで、ポンプ72の回転数を調整し、熱交換器4を経て配管3から注水井戸22に注水する地下水の流量を調整する。
以下、ポンプ72のインバータ制御の動作周波数を「ポンプ72の動作周波数」ともいう。
(制御装置の構成)
制御装置80は、注水井戸22に注水される地下水の流量を調整する。
制御装置80は、注水井戸22に注水される地下水の注水温度が一定となるように、ポンプ72の動作周波数、および流量調整弁77の開度を調整する。
制御装置80は、ポンプ72の動作周波数が、予め定められた最低周波数以上の領域では、ポンプ72の動作周波数のみを調整することで、注水井戸22に注水される地下水の流量を調整する。
例えば、制御装置80は、各ポンプコントローラ74に対し、制御可能に接続されてもよい。
例えば、制御装置80は、各流量調整弁77に対し、制御可能に接続されてもよい。
例えば、制御装置80は、ポンプ72の動作周波数が最低周波数まで下がった場合、流量調整弁77の開度を調整することで、注水井戸22に注水される地下水の流量を調整する。
制御装置80は、ポンプ72の動作周波数が最低周波数まで下がった場合、流量調整弁77の開度を絞る(小さくする)することで、注水井戸22に注水される地下水の流量を小さくする。
例えば、制御装置80は、ポンプ72の動作周波数が最低周波数まで下がり、流量調整弁77の開度調整によって注水井戸22に注水される地下水の流量を調整している状態では、ポンプ72の動作周波数を最低周波数に保つようにしてもよい。
例えば、制御装置80は、ポンプ72の動作周波数が、最低周波数まで下がった状態で、注水側の井戸2に対する地下水の流量が、予め定めた流量設定基準値よりも小さい場合、2本の注水管75のうち、小径注水管75Aに設けられた流量調整弁77のみを開くようにしてもよい。
図3に示すように、制御装置80は、ポンプ動作制御部81と、弁開度制御部82と、を備える。
ポンプ動作制御部81は、ポンプコントローラ74のインバータ回路によるインバータ制御の動作周波数を変動させることで、ポンプ72の回転数を調整する。
ポンプ動作制御部81は、注水井戸22に注水される地下水の温度に応じて、揚水井戸21から地下水を揚水するポンプ72の動作周波数を調整する。
ポンプ動作制御部81は、予め記憶されたマップ等に基づき、ポンプ72の動作周波数を変動させることで、配管3から注水井戸22に注水される地下水の流量を調整する。
例えば、ポンプ動作制御部81は、負荷設備100側で冷房運転を行い、注水井戸22で温水蓄熱を行う場合、配管3から注水井戸22に注水される地下水の実際の注水温度と設定温度との差に基づいてポンプ72の動作周波数を制御する。
例えば、ポンプ動作制御部81は、負荷設備100側で暖房運転を行い、注水井戸22で冷水蓄熱を行う場合、配管3から注水井戸22に注水される地下水の実際の注水温度と設定温度との差に基づいてポンプ72の動作周波数を制御する。
ポンプ動作制御部81は、予め記憶されたマップ等に基づき、要求される注水温度に応じて、ポンプ72の動作周波数(出力)を調整するようポンプコントローラ74を制御する。
ポンプ動作制御部81は、例えばポンプ72が安定して運転できる動作周波数の下限値を、最低周波数として記憶している。ポンプ動作制御部81は、予め設定された最低周波数以上の周波数領域でポンプ72の動作を調整するようポンプコントローラ74を制御する。
弁開度制御部82は、流量調整弁77を開閉することで、配管3内の地下水の流量を調整する。
弁開度制御部82は、流量調整弁77の開度を調整することで、配管3内の地下水の流量を調整する。
弁開度制御部82は、ポンプ72の動作周波数が、最低周波数まで下がった場合に、流量調整弁77の開度を調整する。
弁開度制御部82は、ポンプ72の動作周波数が最低周波数となった場合に、注水井戸22に注水される地下水の温度に応じて、流量調整弁77の開度を調整する。
本実施形態では、弁開度制御部82は、ポンプ72の動作周波数が、最低周波数まで下がった状態で、注水側の井戸2に対する地下水の流量が、予め定めた流量設定基準値よりも小さい場合、2本の注水管75のうち、小径注水管75Aに設けられた小径流量調整弁77Aのみを開き、小径注水管75Aのみから注水側の井戸2に対する注水を行う。
本実施形態では、弁開度制御部82は、ポンプ72の動作周波数が、最低周波数まで下がった状態で、注水側の井戸2に対する地下水の流量が、予め定めた流量設定基準値よりも小さい場合、小径注水管75Aのみで開度調整を行うようにしてもよい。
本実施形態では、弁開度制御部82は、ポンプ72の動作周波数が、最低周波数まで下がった状態で、注水側の井戸2に対する地下水の流量が、予め定めた流量設定基準値よりも大きい場合、小径注水管75Aに設けられた小径流量調整弁77Aと、大径注水管75Bに設けられた大径流量調整弁77Bとの双方を開き、小径注水管75A、及び大径注水管75Bの双方を通して、注水側の井戸2に対する注水を行うようにしてもよい。
本実施形態では、弁開度制御部82は、ポンプ72の動作周波数が、最低周波数まで下がった状態で、注水側の井戸2に対する地下水の流量が、予め定めた流量設定基準値よりも大きい場合、大径注水管75Bに設けられた大径流量調整弁77Bのみで開度調整を行うようにしてもよい。
本実施形態の制御装置80の動作について説明する。
制御装置80の動作は、制御方法の実施形態に相当する。
制御装置80は、図4に示す各ステップを実施する。
まず、ポンプ動作制御部81は、負荷設備100側で、冷房モード又は暖房モードで運転を行っている場合、ポンプ72を動作させることで、一対の井戸2のうち一方の揚水井戸21の揚水管71から地下水をくみ上げる(ST01:ポンプを動作させるステップ)。これにより、揚水井戸21からくみ上げられた地下水は、配管3を通り、熱交換器4に送られる。熱交換器4で、配管3内の地下水は、負荷設備100側の媒体と熱交換を行う。熱交換器4を経た地下水は、注水管75から他方の注水井戸22に注水される。このとき、注水井戸22側では、地中熱利用システム1は、複数の注水管75(小径注水管75A、及び大径注水管75B)の全てを通して注水を行う。
なお、ポンプ72の起動時、初期の段階では、弁開度制御部82は、小径流量調整弁77Aのみを開き、小径注水管75Aのみから注水井戸22への注水を行うようにしてもよい。その後、弁開度制御部82は、ポンプ72の動作周波数が高まるにつれて、小径流量調整弁77Aを開いていき、小径注水管75Aでの注水流量を増加させていくようにしてもよい。さらに、弁開度制御部82は、ポンプ72の動作周波数がある程度高まった状態で、さらに大径流量調整弁77Bを開き、小径注水管75Aと、大径注水管75Bとで注水井戸22への注水を行うようにしてもよい。その後、弁開度制御部82は、ポンプ72の動作周波数が高まるにつれて、大径流量調整弁77Bをさらに開いていき、大径注水管75Bでの注水流量を増加させていくようにしてもよい。
ポンプ動作制御部81は、負荷設備100側で、冷房モード又は暖房モードで運転を行っている場合、熱交換器4を経て注水井戸22に注水される地下水の設定温度に応じて、揚水井戸21から注水井戸22に地下水を送水するポンプ72のインバータ制御の動作周波数を調整する(ST02:ポンプの動作周波数を調整するステップ)。これにより、ポンプ72による揚水井戸21から注水井戸22への注水流量の調整がなされる。
ST02の実施に続いて、ポンプ動作制御部81は、ポンプ72のインバータ制御の動作周波数が、最低周波数まで低下したか否かを判定する(ST03:ポンプの動作周波数が最低周波数まで低下したか否かを判定するステップ)。
ST03における判定の結果、ポンプ72のインバータ制御の動作周波数が、最低周波数まで低下していなければ、ST02に戻り、ポンプ動作制御部81は、ポンプ72による揚水井戸21から注水井戸22への注水流量の調整を継続する。
ST03における判定の結果、ポンプ72のインバータ制御の動作周波数が、最低周波数まで低下していた場合、弁開度制御部82は、注水井戸22に注水される地下水の設定温度に応じて、大径流量調整弁77Bの開度を閉じる方向に調整する(ST04:大径流量調整弁の開度を調整するステップ)。弁開度制御部82は、大径流量調整弁77Bの開度を調整することで、注水井戸22への注水流量の調整を行う。このとき、ポンプ動作制御部81は、ポンプ72のインバータ制御の動作周波数を、最低周波数に維持している。つまり、ポンプ72のインバータ制御の動作周波数が最低周波数である状態で、大径流量調整弁77Bを閉じることで、制御装置80は、注水井戸22に注水される地下水の流量を、さらに低下させる。
ST04の実施に続いて、弁開度制御部82は、大径流量調整弁77Bの開度が、全閉であるか否かを判定する(ST05:大径流量調整弁の開度が全閉であるか否かを判定するステップ)。
ST05の判定の結果、大径流量調整弁77Bの開度が全閉でなければ、ST04に戻り、弁開度制御部82は、処理を継続する。
ST05の判定の結果、大径流量調整弁77Bの開度が全閉であれば、井戸2に注水される地下水の流量が流量設定基準値よりも小さい状態であるから、注水井戸22に対する注水は、小径注水管75Aのみを通して行われる。この場合、弁開度制御部82は、注水井戸22に注水される地下水の設定温度に応じて、小径流量調整弁77Aの開度を閉じる方向に調整する(ST06:小径流量調整弁の開度を調整するステップ)。弁開度制御部82は、小径流量調整弁77Aの開度を調整することで、注水井戸22への注水流量の調整を行う。このときも、ポンプ動作制御部81は、ポンプ72のインバータ制御の動作周波数を、最低周波数に維持している。つまり、ポンプ72のインバータ制御の動作周波数が最低周波数である状態で、弁開度制御部82は、小径注水管75Aのみを通して注水井戸22への注水を行いながら、小径流量調整弁77Aを閉じていく。これにより、制御装置80は、注水井戸22に注水される地下水の流量を、さらに低下させることができる。
地中熱利用システム1の運転を停止する場合には、弁開度制御部82が、小径流量調整弁77A、及び大径流量調整弁77Bを全閉とした後に、ポンプ動作制御部81は、ポンプ72の動作を停止させる。これにより、地中熱利用システム1は、配管3内の地下水を加圧状態に維持したまま、運転を停止することができる。配管3内の地下水を加圧状態(正圧)に保つことで、外部から配管3内への異物や酸素の進入を抑え、配管3の腐食等を抑えることができる。
(作用及び効果)
本実施形態によれば、地中熱利用システム1は、井戸2からポンプ72でくみ上げた地下水を、揚水管71、および配管3を通して熱交換器4に送ることができる。他方、地中熱利用システム1は、熱交換器4を経た地下水を、配管3、及び注水管75を通して、井戸2に注水する際、注水管75に設けられた流量調整弁77の開度を調整することで、井戸2に注水される地下水の流量を調整することができる。このとき、注水管75は複数本設けられている。複数本の注水管75は、それぞれ流量調整弁77が備える。このため、複数本の注水管75のそれぞれにおいて、流量調整弁77の開度を調整することによって、地中熱利用システム1は、井戸2に注水される地下水の流量を、より細かく調整することができる。例えば、地中熱利用システム1は、複数本の注水管75の一部の流量調整弁77を開き、他の注水管75の流量調整弁77を閉じるようにして、井戸2に注水される地下水の流量を調整することも可能となる。したがって、地中熱利用システム1は、流量調整をしやすくすることができる。
また、揚水管71にポンプ72が設けられ、注水管75に流量調整弁77が設けられているので、利用者は、何らかのトラブルで、揚水、注水に支障が生じた場合、揚水管71側、又は注水管75側のどちらでトラブルが生じているのか、原因を特定しやすくなる。また、利用者は、ポンプ72単体、流量調整弁77単体で交換することができるので、メンテナンスも、容易かつ低コストで行うことができる。
また本実施形態の一例によれば、配管3は、一対の井戸2の各井戸2へ延びる側の端部に、揚水管71と、複数本の注水管75と、を備える。
これにより、各井戸2へ延びる側の端部3a、3bに、それぞれ複数本の注水管75が備えられるので地中熱利用システム1は、各井戸2に注水される地下水の流量調整をしやすくすることができる。
また本実施形態の一例によれば、地中熱利用システム1の運転を停止する場合に、地中熱利用システム1は、流量調整弁77を全閉とした後に、ポンプ72の動作を停止させることで、配管3内の地下水を加圧状態に維持したまま、運転を停止することができる。このように、地中熱利用システム1は、配管3内の地下水を加圧状態(正圧)に保つことで、外部から配管3内への異物や酸素の進入を抑え、配管3の腐食等を抑えることができる。
また本実施形態の一例によれば、地中熱利用システム1は、井戸2に対する注水流量に応じて、流量調整弁77の開度を調整する弁開度制御部82をさらに備える。
これにより、地中熱利用システム1は、井戸2に対する注水流量に応じて、弁開度制御部82で流量調整弁77の開度を調整することで、注水温度を容易に調整することができる。
また本実施形態の一例によれば、弁開度制御部82は、井戸2に注水される地下水の流量が流量設定基準値よりも小さい場合、複数本の注水管75のうちの一部に設けられた流量調整弁77のみを開く。
これにより、複数本の注水管75を備えることで、各注水管75の管径、及び各注水管75に設けられた流量調整弁77の口径を小さくすることができる。したがって、地中熱利用システム1は、井戸2に注水される地下水の流量が小さい場合に、複数本の注水管75のうちの一部の注水管75の流量調整弁77のみを開くことで、小流量領域における地下水の流量調整を、より細やかに行うことができる。
また本実施形態の一例によれば、複数本の注水管75は、管径が互いに異なる。
これにより、例えば、地中熱利用システム1は、井戸2に注水される地下水の流量が小さい場合に、小径注水管75Aの小径流量調整弁77Aのみで、井戸2に注水される地下水の流量調整を行うことができる。これにより、地中熱利用システム1は、小流量領域における地下水の流量調整を、より細やかに行うことができる。
また本実施形態の一例によれば、制御装置80は、ポンプ動作制御部81と、弁開度制御部82と、を備える。
これにより、ポンプ動作制御部81でポンプ72を動作させることで、制御装置80は、一対の井戸2のうち一方の井戸2に設けられた揚水管71から地下水をくみ上げることができる。揚水管71からくみ上げられた地下水は、熱交換器4を経て、複数本の注水管75から他方の井戸2に注水される。弁開度制御部82で複数本の注水管75のそれぞれに設けられた流量調整弁77の開度を調整することで、制御装置80は、他方の井戸2に注水される地下水の流量を調整しやすくなる。
<変形例>
なお、上述の実施形態においては、制御装置80の各種機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをマイコンといったコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種処理を行うものとしている。ここで、コンピュータシステムのCPUの各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
上述の実施形態において、制御装置80の各種機能を実現するためのプログラムを実行させるコンピュータ190のハードウェア構成の例について説明する。
図5に示すように、制御装置80が備えるコンピュータ190は、プロセッサ195と、メモリ196と、記憶/再生装置197と、Input Output Interface(以下、「IO I/F」という。)198と、通信Interface(以下、「通信I/F」という。)199と、を備える。
例えば、プロセッサ195は、CPUであってもよい。
例えば、メモリ196は、制御装置80で実行されるプログラムで使用されるデータ等を一時的に記憶するRandom Access Memory(以下、「RAM」という。)等の媒体であってもよい。
例えば、記憶/再生装置197は、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の外部メディアへデータ等を記憶したり、外部メディアのデータ等を再生したりするための装置であってもよい。
例えば、IO I/F198は、制御装置80と他の装置との間で情報等の入出力を行うためのインタフェースであってもよい。
例えば、通信I/F199は、インターネット、専用通信回線等の通信回線を介して、制御装置80と他の装置との間で通信を行うインタフェースであってもよい。
<その他の実施形態>
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、本開示の範囲や要旨に含まれると同様に、本開示の範囲とその均等の範囲に含まれるものとする。
<付記>
実施形態に記載の地中熱利用システム1、制御装置80、制御方法、プログラムは、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る地中熱利用システム1は、井戸2と、前記井戸2へ延びる側に端部を有する配管3と、前記配管3に設けられた熱交換器4と、を備え、前記配管3は、前記端部に、前記井戸2内の地下水を揚水可能なポンプ72に接続された揚水管71と、それぞれ流量調整弁77を備えた複数本の注水管75と、を備える。
この地中熱利用システム1は、井戸2からポンプ72でくみ上げた地下水を、揚水管71、および配管3を通して熱交換器4に送ることがきできる。他方、地中熱利用システム1は、熱交換器4を経た地下水を、配管3、及び注水管75を通して、井戸2に注水する際、注水管75に設けられた流量調整弁77の開度を調整することで、井戸2に注水される地下水の流量を調整することができる。このとき、注水管75は複数本設けられている。複数本の注水管75は、それぞれ流量調整弁77が備える。このため、複数本の注水管75のそれぞれにおいて、流量調整弁77の開度を調整することによって、地中熱利用システム1は、井戸2に注水される地下水の流量を、より細かく調整することができる。例えば、地中熱利用システム1は、複数本の注水管75の一部の流量調整弁77を開き、他の注水管75の流量調整弁77を閉じるようにして、井戸2に注水される地下水の流量を調整することも可能となる。したがって、地中熱利用システム1は、流量調整をしやすくすることができる。
(2)第2の態様に係る地中熱利用システム1は、(1)の地中熱利用システム1であって、前記井戸2を一対備え、前記配管3は、前記各井戸2へ延びる側の端部3a、3bに、前記揚水管71と、複数本の前記注水管75と、を備える。
これにより、配管3の各井戸2へ延びる側の端部3a、3bに、それぞれ複数本の注水管75が備えられるので、地中熱利用システム1は、各井戸2に注水される地下水の流量調整をしやすくすることができる。
(3)第3の態様に係る地中熱利用システム1は、(1)又は(2)の地中熱利用システム1であって、前記流量調整弁77は、前記配管3内の圧力を加圧状態に保持可能である。
これにより、地中熱利用システム1の運転を停止する場合に、地中熱利用システム1は、流量調整弁77を全閉とした後に、ポンプ72の動作を停止させることで、配管3内の地下水を加圧状態に維持したまま、運転を停止することができる。このように、地中熱利用システム1は、配管3内の地下水を加圧状態(正圧)に保つことで、外部から配管3内への異物や酸素の進入を抑え、配管3の腐食等を抑えることができる。
(4)第4の態様に係る地中熱利用システム1は、(1)から(3)の何れか一つの地中熱利用システム1であって、前記井戸2に対する注水流量に応じて、前記流量調整弁77の開度を調整する弁開度制御部82をさらに備える。
これにより、地中熱利用システム1は、井戸2に対する注水流量に応じて、弁開度制御部82で流量調整弁77の開度を調整することで、注水温度を容易に調整することができる。
(5)第5の態様に係る地中熱利用システム1は、(1)から(4)の何れか一つの地中熱利用システム1であって、前記弁開度制御部82は、前記井戸2に注水される前記地下水の流量が流量設定基準値よりも小さい場合、複数本の前記注水管75のうちの一部に設けられた前記流量調整弁77のみを開く。
これにより、複数本の注水管75を備えることで、各注水管75の管径、及び各注水管75に設けられた流量調整弁77の口径を小さくすることができる。したがって、地中熱利用システム1は、井戸2に注水される地下水の流量が小さい場合に、複数本の注水管75のうちの一部の注水管75の流量調整弁77のみを開くことで、小流量領域における地下水の流量調整を、より細やかに行うことができる。
(6)第6の態様に係る地中熱利用システム1は、(1)から(5)の何れか一つの地中熱利用システム1であって、複数本の前記注水管75は、管径が互いに異なる。
これにより、例えば、地中熱利用システム1は、井戸2に注水される地下水の流量が小さい場合に、小径の注水管75の流量調整弁77のみで、井戸2に注水される地下水の流量調整を行うことができる。これにより、地中熱利用システム1は、小流量領域における地下水の流量調整を、より細やかに行うことができる。
(7)第7の態様に係る制御装置80は、一対の井戸2のうち一方の前記井戸2に設けられた揚水管71から地下水をくみ上げるよう、前記揚水管71に設けられたポンプ72を動作させるポンプ動作制御部81と、前記揚水管71からくみ上げられた地下水が熱交換器4を経て、他方の前記井戸2に設けられた複数本の注水管75を通して前記他方の井戸2に所定の流量で注水されるよう、複数本の前記注水管75のそれぞれに設けられた流量調整弁77の開度を調整する弁開度制御部82と、を備える。
これにより、ポンプ動作制御部81でポンプ72を動作させることで、制御装置80は、一対の井戸2のうち一方の井戸2に設けられた揚水管71から地下水をくみ上げることができる。揚水管71からくみ上げられた地下水は、熱交換器4を経て、複数本の注水管75から他方の井戸2に注水される。弁開度制御部82で複数本の注水管75のそれぞれに設けられた流量調整弁77の開度を調整することで、制御装置80は、他方の井戸2に注水される地下水の流量を調整しやすくなる。
(8)第8の態様に係る制御方法は、一対の井戸2のうち一方の前記井戸2に設けられた揚水管71から地下水をくみ上げるよう、前記揚水管71に設けられたポンプ72を動作させ、前記揚水管71からくみ上げられた地下水が熱交換器4を経て、他方の前記井戸2に設けられた複数本の注水管75を通して前記他方の井戸2に所定の流量で注水されるよう、複数本の前記注水管75のそれぞれに設けられた流量調整弁77の開度を調整する。
これにより、制御方法は、ポンプ72を動作させることで、一対の井戸2のうち一方の井戸2に設けられた揚水管71から地下水をくみ上げることができる。揚水管71からくみ上げられた地下水は、熱交換器4を経て、複数本の注水管75から他方の井戸2に注水される。複数本の注水管75のそれぞれに設けられた流量調整弁77の開度を調整することで、制御方法は、他方の井戸2に注水される地下水の流量を調整しやすくなる。
(9)第9の態様に係るプログラムは、コンピュータ190に、一対の井戸2のうち一方の前記井戸2に設けられた揚水管71から地下水をくみ上げるよう、前記揚水管71に設けられたポンプ72を動作させ、前記揚水管71からくみ上げられた地下水が熱交換器4を経て、他方の前記井戸2に設けられた複数本の注水管75を通して前記他方の井戸2に所定の流量で注水されるよう、複数本の前記注水管75のそれぞれに設けられた流量調整弁77の開度を調整する方法を実行させる。
これにより、コンピュータ190は、ポンプ72を動作させることで、一対の井戸2のうち一方の井戸2に設けられた揚水管71から地下水をくみ上げることができる。揚水管71からくみ上げられた地下水は、熱交換器4を経て、複数本の注水管75から他方の井戸2に注水される。複数本の注水管75のそれぞれに設けられた流量調整弁77の開度を調整することで、他方の井戸2に注水される地下水の流量を調整しやすくなる。
1…地中熱利用システム
2…井戸
2A…第一井戸
2B…第二井戸
2a…ケーシング
2b…ストレーナー
2c…開口
3…配管
3a…端部
3b…端部
4…熱交換器
7…流量調整システム
21…揚水井戸
22…注水井戸
35a~35d…逆止弁
71…揚水管
72…ポンプ
73…逆止弁
74…ポンプコントローラ
75…注水管
75A…小径注水管
75B…大径注水管
77…流量調整弁
77A…小径流量調整弁
77B…大径流量調整弁
80…制御装置
81…ポンプ動作制御部
82…弁開度制御部
100…負荷設備
190…コンピュータ
195…プロセッサ
196…メモリ
197…記憶/再生装置
198…IO I/F
199…通信I/F
HOL…掘削孔
LY…帯水層
OG…地上
ST01…ポンプを動作させるステップ
ST02…ポンプの動作周波数を調整するステップ
ST03…ポンプの動作周波数が最低周波数まで低下したか否かを判定するステップ
ST04…大径流量調整弁の開度を調整するステップ
ST05…大径流量調整弁の開度が全閉であるか否かを判定するステップ
ST06…小径流量調整弁の開度を調整するステップ

Claims (9)

  1. 井戸と、
    前記井戸へ延びる側に端部を有する配管と、
    前記配管に設けられた熱交換器と、を備え、
    前記配管は、前記端部に、
    前記井戸内の地下水を揚水可能なポンプに接続された揚水管と、
    それぞれ流量調整弁を備え、それぞれ前記井戸内に延び、管径が互いに異なる複数本の注水管と、
    を備える地中熱利用システム。
  2. 前記井戸を一対備え、
    前記配管は、前記各井戸へ延びる側の前記端部に、
    前記揚水管と、
    複数本の前記注水管と、
    を備える請求項1に記載の地中熱利用システム。
  3. 前記流量調整弁は、前記配管内の圧力を加圧状態に保持可能である
    請求項1または2に記載の地中熱利用システム。
  4. 前記井戸に対する注水流量に応じて、前記流量調整弁の開度を調整する弁開度制御部をさらに備える
    請求項1から3のいずれか一項に記載の地中熱利用システム。
  5. 前記弁開度制御部は、前記井戸に注水される前記地下水の流量が流量設定基準値よりも小さい場合、複数本の前記注水管のうちの一部に設けられた前記流量調整弁のみを開く
    請求項4に記載の地中熱利用システム。
  6. 前記各注水管が、前記井戸内の前記地下水に浸漬されている
    請求項1から5の何れか一項に記載の地中熱利用システム。
  7. 一対の井戸のうち一方の前記井戸に設けられた揚水管から地下水をくみ上げるよう、前記揚水管に設けられたポンプを動作させるポンプ動作制御部と、
    前記揚水管からくみ上げられた地下水が熱交換器を経て、他方の前記井戸内にそれぞれ延びるように設けられた管径が互いに異なる複数本の注水管を通して前記他方の井戸に所定の流量で注水されるよう、複数本の前記注水管のそれぞれに設けられた流量調整弁の開度を調整する弁開度制御部と、を備える
    制御装置。
  8. 一対の井戸のうち一方の前記井戸に設けられた揚水管から地下水をくみ上げるよう、前記揚水管に設けられたポンプを動作させ、
    前記揚水管からくみ上げられた地下水が熱交換器を経て、他方の前記井戸内にそれぞれ延びるように設けられた管径が互いに異なる複数本の注水管を通して前記他方の井戸に所定の流量で注水されるよう、複数本の前記注水管のそれぞれに設けられた流量調整弁の開度を調整する
    制御方法。
  9. コンピュータに、
    一対の井戸のうち一方の前記井戸に設けられた揚水管から地下水をくみ上げるよう、前記揚水管に設けられたポンプを動作させ、
    前記揚水管からくみ上げられた地下水が熱交換器を経て、他方の前記井戸内にそれぞれ延びるように設けられた管径が互いに異なる複数本の注水管を通して前記他方の井戸に所定の流量で注水されるよう、複数本の前記注水管のそれぞれに設けられた流量調整弁の開度を調整する
    方法を実行させるためのプログラム。
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