JP7218147B2 - 地中熱交換器を用いた地熱発電システム - Google Patents

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Description

本開示は、高温の地層や岩体などから熱エネルギーを抽出する地中熱交換器を用いた地熱発電システムに関する。
高温の地層や岩体、マグマなどから熱エネルギーを抽出して発電や熱の直接利用を行うための地中熱交換器として、坑井内同軸熱交換器(Downhole Coaxial Heat Exchanger, DCHE)が提案されている。この坑井内同軸熱交換器は、二重管型の地中熱交換器であって、坑井内に配置される密閉された外管(例えば、ケーシング)と、この外管の中に挿入された高性能の断熱性能を有する内管(以下、「断熱内管」と記す)で構成される。この坑井内同軸熱交換器では、外管と断熱内管との間に形成される環状の隙間(以下、「アニュラス」と記す)に作動流体を注入して、断熱内管を通して高温の作動流体を地上に取り出す循環方法が行われる(非特許文献1参照)。
盛田らは、二重管型地中熱交換器において、清水を作動流体として用いる場合について数値計算によって検討を行い、上記坑井内同軸熱交換器によれば高効率の熱エネルギー抽出が可能になることを明らかにしている(非特許文献2参照)。
高効率の坑井内同軸熱交換器を実現するためには、内管として使用可能な高性能の断熱管が必要である。そのような断熱管として、例えば、真空二重管式断熱管が挙げられる。真空二重管式断熱管を内管として用いた坑井内同軸熱交換器を構築して実証実験が行われ、実際に高性能の坑井内同軸熱交換器の構築が可能なことが実証されている(非特許文献3参照)。
ところで、地中熱交換器を用い、かつ、水を発電システムの作動流体として用いる地熱発電において、可及的に高い発電効率を達成するため、また、地中熱交換器の性能を維持するため、さらに、水素脆化や水素脆性破壊によるトラブルを防止するために、地中熱交換器と熱水輸送管の内部の水を加圧水の状態に保つことが重要と考えられる。
例えば、非特許文献4では、地中熱交換器と二相タービン及び蒸気タービンとを備える地熱発電システムにおいて、地中熱交換器と地上の熱水輸送管を加圧水の状態に保ち、フラッシング(flashing:液体から気体への急激な相変化、具体的には水が急激に蒸気になること)が二相タービンのノズルでのみ発生するようにして運転することによって、蒸気や熱水を地層から取り出して発電する従来型地熱発電の発電効率に比べて大幅に高い発電効率を達成できることが開示されている。
また、非特許文献5では、発電装置がバイナリー・サイクル発電装置の場合とカリーナ・サイクル発電装置の場合について検討が行われているが、いずれも、地中熱交換器を加圧水の状態で運転することが前提になっている。さらに、同文献では、加圧水の状態で運転する理由の1つとして、水素の発生を抑制することが挙げられている。
盛田耕二著地熱エネルギーの新しい採取方法-坑井内同軸熱交換器方式、地熱、第28巻、第1号、p.61~78,1991年発行 盛田耕二・松林修著坑井内同軸熱交換器の性能に及ぼす主要設計諸元の影響一坑井内同軸熱交換器に関する研究(第1報)、日本地熱学会誌、第8巻、第3号、p.301~322,1986年発行 盛田耕二・溝上芳史・Warren S.Bollmeier,2.箸ハワイにおける概念実証実験結果の解析一坑井内同軸熱交換器に関する研究(第5報)、日本地熱学会誌、第15巻、第3号、p.275~303,1993年発行 盛田耕二・杉本静哉・山田恭曜・藤田勉・向井良一著坑井内同軸熱交換器を用いる地熱発電の予備的検討(I)一坑井内同軸熱交換器に関する研究(第3報)、日本地熱学会誌、第11巻、第4号、p. 319~338,1989年発行 盛田耕二・田子真・江原幸雄著坑井内同軸熱交換器を用いる小規模地熱発電システムの運転特性の検討、日本地熱学会誌、第27巻、第2号、p. 149~162,2005年発行
前述のように、地中熱交換器と地上の熱水輸送管を加圧水の状態で運転することによって、高い発電効率を実現できる。一方、フラッシングが生じて蒸気が発生すれば、高温下ではその蒸気と鉄が反応して水素が発生する。この水素は鉄を透過するので、真空二重管式断熱管では真空度が低下して、断熱性能が低下する。このため、地中熱交換器の性能が低下する。また、水素は、坑井のケーシングや断熱内管、さらには熱水輸送管などの鋼製品の水素脆化や水素脆性破壊を引き起こす可能性があるので、トラブルを防止するために、極力その発生を抑制する必要がある。このためにも、地中熱交換器と熱水輸送管を含めて、加圧水の状態で運転することが重要と考えられる。
二重管型地中熱交換器内において、フラッシングの発生を防止して加圧水の状態を維持するためには、地中熱交換器内と地中熱交換器の出口において、熱水の圧力がその熱水の温度における飽和蒸気圧よりも高い条件で運転する必要がある。この条件を満足させるためには、注入ポンプによって地中熱交換器内に注入する還元水の圧力を高くして、地中熱交換器の出口における熱水の圧力が、その熱水の飽和蒸気圧以上になるようにすることが考えられる。この還元水の注入圧力は、地中熱交換器内で作動流体の水を循環するために必要な圧力と、地中熱交換器内で熱水のフラッシングの発生を防止するために必要な圧力の和となる。
ところで、地層や岩体の温度が高く、高温の熱水あるいは超臨界水が得られるような場合には、飽和蒸気圧が高くなり、還元水の注入圧力も高くなる。例えば、水の臨界温度は374℃であるが、臨界温度における水の飽和蒸気圧(臨界圧力)は22MPaにも達する。地中熱交換器の出口や熱水輸送管の熱水の温度が水の臨界温度程度に達する場合は、フラッシングの発生を防止するために、22MPa程度の圧力で還元水を地中熱交換器に注入する必要があると考えられる。地中熱交換器内の圧力損失が大きい場合には、さらに高い注入圧力が必要になる。
このように地層や岩体の温度が高く、高温の熱水あるいは超臨界水が得られるような場合において、地中熱交換器と熱水輸送管内のフラッシングの発生を防止しようとすれば、還元水を極めて高圧で地中熱交換器に注入する必要がある。このため、高価な高圧ポンプが必要になり、また、注入ポンプの運転に大きなエネルギーが必要になる。従って、設備費が高くなる上に、有効な発電量が減少してしまう。
本開示の技術は、上記課題に鑑みてなされたものであり、可及的に低い注入圧力で地中熱交換器内と熱水輸送管内のフラッシングの発生を抑止して、加圧水の状態に保持できる、地中熱交換器を用いた地熱発電システムを提供することを目的とする。
本開示の地中熱交換器を用いた地熱発電システムは、地表から地中内の所定の深度まで埋設される地中熱交換器を用いた地熱発電システムであって、前記地中熱交換器は、底部を閉塞した外管と、該外管内に挿入され、一部を伝熱特性の良好な区間、残部を断熱特性の良好な区間とした内管と、前記外管と前記内管との間隙に形成され、前記内管の内部と繋がる環状のアニュラスと、を備えることを特徴とする。
また、地上で前記地中熱交換器と隣接する位置に設けられ、発電装置から前記地中熱交換器の前記アニュラスに低温の作動流体を注入し、前記地中熱交換器の前記内管から前記熱エネルギーを含む高温の作動流体を取り出す循環方向と、前記発電装置から前記地中熱交換器の前記内管に前記低温の作動流体を注入し、前記地中熱交換器の前記アニュラスから前記高温の作動流体を取り出す循環方向とを切替可能な、循環方向変更機構を更に備えることもできる。
さらに、地上で前記地中熱交換器と隣接する位置に設けられ、前記地中熱交換器から得られる前記熱エネルギーを含む高温の作動流体と発電装置から前記地中熱交換器に還流する低温の作動流体との間で熱交換を行う、地上熱交換機構を更に備えることもできる。
また、地上で前記地中熱交換器と隣接する位置に設けられ、発電装置から前記地中熱交換器の入口に低温の作動流体を注入し、前記地中熱交換器の出口から前記熱エネルギーを含む高温の作動流体を取り出す循環機構に加えて、前記地中熱交換器の前記出口から取り出した前記高温の作動流体を前記地中熱交換器の入口に直接導いて循環させる、閉回路形成機構を更に備えることもできる。
本開示の技術によれば、可及的に低い注入圧力で地中熱交換器内と熱水輸送管内のフラッシングの発生を抑止して、加圧水の状態に保持することが可能になる。また、注入ポンプの運転に伴う動力の消費量の低減と、高圧ポンプの使用が必要な機会の低減も可能になる。
第一実施形態に係る地熱発電システムの構成を示す模式図である。 第二実施形態に係る地熱発電システムの構成を示す模式図である。(順循環方向の場合) 第二実施形態に係る地熱発電システムの構成を示す模式図である。(逆循環方向の場合) 第三実施形態に係る地熱発電システムの構成を示す模式図である。 第四実施形態に係る地熱発電システムの構成を示す模式図である。 従来提案されている地中熱交換器を用いる地熱発電システムの構成を示す模式図である。 基準例(従来提案されている地中熱交換器を用いる地熱発電システム)の地中熱交換器の出口温度の経時変化の例を示すグラフである。 図7の出口温度の経時変化に対応する地中熱交換器の所要注入圧力と出口圧力の経時変化の例を示すグラフである。 図7において地中熱交換器の出口温度が最高温度に達した時点における地中熱交換器内の温度分布を示すグラフである。 第一実施形態の地中熱交換器の出口温度の経時変化の例を示すグラフである。 図10の出口温度の経時変化に対応する地中熱交換器の所要注入圧力と出口圧力の経時変化の例を示すグラフである。 図10において地中熱交換器の出口圧力が最大圧力に達した時点における地中熱交換器内の温度分布を示すグラフである。
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係る地熱発電システムについて説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[第一実施形態]
(全体構成)
図1は、第一実施形態に係る地熱発電システムの構成を示す模式図である。
本実施形態に係る地熱発電システム60は、地中にある高温の地層や岩体、マグマ等から熱エネルギーのみを抽出し、この熱エネルギーを利用して発電するものであり、地中熱交換器10と、発電用地上設備20を備えている。
以下、地中熱交換器10及び発電用地上設備20の構成について詳しく説明する。
(地中熱交換器10)
地中熱交換器10は、例えば、坑井1内に配置される二重管型地中熱交換器であって、二重管型地中熱交換器の外管に相当する、底部を閉塞したケーシング2と、ケーシング2よりも小径の円管状でケーシング2内に挿入される両端部が開放された内管3と、ケーシング2と内管3との間隙に形成され、内管3の内部と繋がる環状のアニュラス5と、を備えている。また、地中熱交換器10の大部分は地中内に埋設されているが、一部は地表よりも上側に配置されている。ケーシング2の地上部分には、アニュラス5と繋がるアニュラス接続口7が設けられており、内管3の地上側の開放端部には、内管接続口8が設けられている。
本実施形態において、二重管型地中熱交換器の外管に相当するケーシング2には、例えば、直径が7から10インチ程度で、長さが数百から数千メートの鋼管が用いられる。ただし、ケーシング2の寸法、材質等は、これには限定されず、設置する現場の地質や温度分布、予想される地層の伝熱特性などを考慮して適宜選定することができる。
従来提案されている坑井内同軸熱交換器では、内管4(図6参照)として全長にわたって高性能の断熱管3aが用いられる。これに対し本実施形態では、内管4とは異なる内管3が用いられる。内管3では、大部分の区間を断熱管3aで形成するが、一部の区間を伝熱特性の良い良伝熱管3bで形成する。良伝熱管3bとしては鋼管を用いることができるが、これには限定されない。
さらに、図1では、良伝熱管3bは、鉛直方向において2つの区間に設けられているが、1つの区間のみであっても、3つ以上の区間に設けられていてもよい。現場の条件によって、フラッシングの発生を防ぐため、また、還元水の注入圧力を低くするために、必要に応じて良伝熱管3bを用いる区間を変更することができる。即ち、良伝熱管3bを用いる区間の数や深度、長さ等は、地中熱交換器10を設置する現場の地質や温度分布、予想される地層の伝熱特性などを考慮した数値シミュレーションなどによって決定できる。シミュレーションでは、運転時の地中熱交換器内の温度や圧力を予測し、その結果を考慮して、フラッシングの発生を防止できるように、また、ポンプによる還元水の注入圧力を可及的に低くできるように決定することができる。さらにまた、地中熱交換器10の運転中に温度と圧力の分布を調べ、この分布に基づいて決定することも考えられる。
なお、上記では、断熱管3a及び良伝熱管3bの2つの異なる種類の管を組み合わせて内管3を構成した例を示したが、1つの内管3の一部の区間のみ、材質を代えたり、別部材を貼り付けたり、厚みや形状を変えたりすることによって、断熱管3a及び良伝熱管3bを用いたのと同様の特性を持たせることもできる。
(発電用地上設備20)
発電用地上設備20は、地上において地中熱交換器10と隣接する位置に設けられる。この発電用地上設備20は、発電装置11と、発電装置11及びアニュラス接続口7を接続する還元水輸送管13と、還元水輸送管13の途中に設けられる注入ポンプ17と、発電装置11及び内管接続口8を接続する熱水輸送管15と、を備えている。
発電用地上設備20では、注入ポンプ17によって発電装置11からの低温の還元水が還元水輸送管13を介してアニュラス接続口7へ導入される一方、地中熱交換器10内の高温の作動流体が内管接続口8から熱水輸送管15を介して発電装置11へと輸送されて、発電装置11と地中熱交換器10との間で作動流体が循環するように構成されている。ここで、上述のように、発電装置11からの低温の還元水がアニュラス接続口7へ導入され、地中熱交換器10内の高温の作動流体が内管接続口8から発電装置11へと輸送される循環方向(図1における矢印の方向)を以下、本明細書において、「逆循環方向」と記す。
(従来提案されている地中熱交換器を用いる地熱発電システム110)
ここで、本実施形態に対して比較対象となる従来提案されている地中熱交換器を用いる地熱発電システム110について簡単に説明しておく。
図6は、例えば非特許文献1に開示されている従来提案されている地中熱交換器を用いる地熱発電システムの構成を示す模式図である。
この地熱発電システム110は、地中熱交換器100と、発電用地上設備20とを備えているが、発電用地上設備20の構成、作動流体、及び作動流体の循環方向は第一実施形態に係る地熱発電システム60と同様であるため説明を省略し、地中熱交換器100の構成のみ説明する。
地中熱交換器100は、坑井1内に配置される二重管型の坑井内同軸熱交換器であって、二重管型地中熱交換器の外管に相当する、底部を閉塞したケーシング2と、ケーシング2よりも小径の円管状でケーシング2内に挿入される両端部が開放された内管4と、ケーシング1と内管3との間隙に形成され、内管3の内部と繋がる環状のアニュラス5と、を備えている。
また、地中熱交換器100の一部は地表よりも上側に配置されており、ケーシング2の地上部分にはアニュラス接続口7が設けられ、内管4の地上側の端部に内管接続口8が設けられている点は、第一実施形態の地中熱交換器10と同様である。ここで、内管4には、全長にわたって、真空二重管式断熱管等の断熱管3aが用いられる。
従来提案されている地中熱交換器を用いる地熱発電システム110では、発電装置11から排出された低温の還元水は、注入ポンプ17によって逆循環方向に輸送され、地中熱交換器100のアニュラス接続口7に注入される。地中熱交換器100に注入された還元水は、アニュラス5を下降するが、このときに高温の地層によって加熱されて熱水になる。高温になった熱水は、地中熱交換器100の底部でアニュラス5の下端の開口部を経て内管4に流入する。内管4は断熱管3aで構成されているので、内管4に流入した熱水は、ほとんどそのままの温度で内管4中を上昇する。
高温の熱水が断熱管3aで形成される内管4を上昇するにつれて、熱水の圧力は低くなるが、この熱水の圧力が飽和蒸気圧よりも低くなったときにフラッシングが発生することになる。地熱発電システム110では、フラッシングを防ぐために、注入ポンプ17によって地中熱交換器100に注入する還元水の圧力を高くして、地中熱交換器100の出口となる内管接続口8における熱水の圧力が、その熱水の飽和蒸気圧以上になるようにして運転する。このように運転することによって、地中熱交換器100の内管接続口8のみならず地中熱交換器100内においてもフラッシングの発生を防止することができる。しかし、地層温度が著しく高温の場合は、フラッシングの発生を防止するために高価な高圧ポンプが必要になり、注入ポンプ17の運転に大きなエネルギーが必要になる。すなわち、設備費が高くなる上に、有効な発電量が減少してしまうという問題点がある。
これに対して、本実施形態では、上述した構成に基づいて、以下に説明する作用及び効果を奏する。以下、図1に基づいて本実施形態に係る地熱発電システム60の運転方法について述べると共に、従来提案されている地中熱交換器を用いる地熱発電システム110と対比しつつ、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(運転方法及び作用)
発電装置11から排出された低温の還元水は、注入ポンプ17によって逆循環方向に輸送され、地中熱交換器10のアニュラス接続口7に注入される。ここで、注入ポンプ17による還元水の注入圧力は、地中熱交換器10の出口となる内管接続口8における熱水の圧力が、その熱水の飽和蒸気圧以上になるように調整される。
地中熱交換器10に注入された還元水は、アニュラス5を下降するが、このときに高温の地層によって加熱されて熱水になる。高温の熱水は、地中熱交換器10の底部でアニュラス5の下端の開口部を経て内管3に流入する。
高温の地層から地中熱交換器10により熱を抽出する場合、通常は地中熱交換器10の深さが数千メートルにもなるので、地中熱交換器10の深い部分では熱水の圧力が非常に高くなる。このため、地中熱交換器10の深い部分ではフラッシングが発生する可能性が小さい。また、地層温度が水の臨界温度以上の場合は、熱水が地中熱交換器10の深部で超臨界水の状態になることが考えられる。
次に、内管3に流入した高温の熱水が内管3を上昇するにつれて、熱水の圧力は低くなる。この熱水の圧力が飽和蒸気圧よりも低くなったときにフラッシングが発生することになる。
ここで、従来提案されている二重管型地中熱交換器を用いる地熱発電システム110では、上述したように、注入ポンプ17によって地中熱交換器100に注入する還元水の圧力を高くして、地中熱交換器100の出口となる内管接続口8における熱水の圧力が、その熱水の飽和蒸気圧以上になるようにして運転することにより、フラッシングの発生を防止していた。しかし、高価な高圧ポンプが必要になり、注入ポンプ17の運転に大きなエネルギーが必要になる。すなわち、設備費が高くなる上に、有効な発電量が減少してしまう。
これに対して、本実施形態では、内管3の大部分の区間を断熱管3aで構成し、フラッシングの発生が予想される一部の区間を良伝熱管3bで構成する。このため、内管3の断熱管3a中をほとんどそのままの温度で上昇してきた高温の熱水は、この良伝熱管3bの区間でアニュラス5を流下する低温の還元水によって冷却されて温度が低下する。これに伴い熱水の飽和蒸気圧が低下し、フラッシングの発生が防止される。
このようにして温度が低下した熱水はその後、内管3の断熱管3a中をほとんどそのままの温度で上昇するが、深度が浅くなると熱水の圧力が低くなるので、再びフラッシングが生じる可能性が増す。本実施形態では、このフラッシングの発生が予想される深度が浅い部分にも良伝熱管3bが設けられている。このため、この良伝熱管3bの区間で再び内管3を上昇する熱水がアニュラス5を下降する低温の還元水で冷却される。これによって熱水の飽和蒸気圧が低下してフラッシングの発生が防止される。
即ち、本実施形態によれば、地中熱交換器10の内管3内における熱水の温度、ひいてはその飽和蒸気圧を低下させることができるので、地中熱交換器10と熱水輸送管15におけるフラッシングの発生を防止することができ、加圧水の状態で運転することが可能になる。また、地中熱交換器10の出口となる内管接続口8や熱水輸送管15における熱水の温度を下げること、ひいては飽和蒸気圧を下げることができるので、地中熱交換器10や熱水輸送管15を加圧水の状態に保つために必要な還元水の地中熱交換器10への注入圧力を低くできる。
ところで、非特許文献5には、地層温度が高く、地中熱交換器の設計や運転条件が適切な場合は、地中熱交換器内に水の密度差に基づく大きな重力水頭圧が生じることが示されている。本実施形態において、地中熱交換器10の出口となる内管接続口8における飽和蒸気圧を減少させた場合には、後述する実施例からも明らかなように、地中熱交換器10に大気圧で水を注入しても、地中熱交換器10内に発生する重力水頭圧によって、地中熱交換器10の内管接続口8の圧力がその位置における水の飽和蒸気圧以上になるケースが多くなると推定される。この場合は、地中熱交換器10内で水を循環するためにも、また、フラッシングの発生を防止するためにも、地中熱交換器10に注入する還元水を加圧する必要がなくなる。
なお、通常は運転が進むにつれて地中熱交換器10の出口となる内管接続口8における熱水の温度が低下し、これに伴いその飽和蒸気圧も低下する。このようにして、地中熱交換器10の内管接続口8における熱水の温度と飽和蒸気圧が十分に低下した場合は、地中熱交換器10の性能を十分に発揮させるために、良伝熱管3bを断熱管3aに置き換えて運転することが好ましい。断熱管3aへの置き換えの時期は、運転条件や現場の地層条件などによって異なる。実施に際しては、熱水温度と圧力の推移を観測し、その状況から判断することができる。また、運転の進行につれて徐々に置き換えることも、ある時点で一挙に置き換えることも可能である。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る地熱発電システム60においては、地中熱交換器10の内管3が断熱管3a及び良伝熱管3bで形成されている。このため、内管3の断熱管3a中をほとんどそのままの温度で上昇してきた高温の熱水は、良伝熱管3bの区間でアニュラス5を流下する低温の還元水によって冷却されて温度が低下する。これに伴い熱水の飽和蒸気圧が低下し、フラッシングの発生が防止される。
従って、地中熱交換器10と熱水輪送管15内の熱水を加圧水の状態に保持し、かつ、作動流体の水を循環するために必要な地中熱交換器10への還元水の注入圧力を大幅に低減することができる。
また、本実施形態に係る地熱発電システム60によれば、注入ポンプ17で還元水を圧入しなくても、地中熱交換器10内に発生する重力水頭圧だけで、地中熱交換器10と熱水輸送管15内の熱水を加圧水の状態に保持し、かつ、作動流体の水を地中熱交換器10内で循環できるケースを増やすことができる。
さらに、本実施形態に係る地熱発電システム60は、高温の地層や岩体、マグマなどから地中熱交換器10によって熱抽出して行う地熱発電において有効であり、地中熱交換器10内の作動流体が超臨界水の状態になるような場合でも、上述の効果と同様な効果を発揮することが可能である。
[第二実施形態]
図2及び図3は、第二実施形態に係る地熱発電システムの構成を示す模式図であり、図2は順循環方向の場合、図3は逆循環方向の場合を示す。
本実施形態に係る地熱発電システム70は、地中熱交換器10と発電用地上設備20に加えて、循環方向変更機構30を備えている。この地熱発電システム70では、循環方向変更機構30を用いて、地中熱交換器10と発電装置11との間で流体を通常の「逆循環方向」から「順循環方向」へと変更して運転を行うものである。地中熱交換器10と発電用地上設備20の構造は第一実施形態と同様であるため説明を省略し、以下、循環方向変更機構30の構成について説明する。
(循環方向変更機構30)
循環方向変更機構30は、地上で地中熱交換器10と隣接する位置に設けられる。
循環方向変更機構30では、注入ポンプ17よりもアニュラス接続口7側の還元水輸送管13の途中に第1三方弁25を介して第1管路21が接続される一方、熱水輸送管15の途中に第2三方弁27を介して第2管路23が接続されている。第1管路21の他端は、熱水輸送管15における第2三方弁27と内管接続口8との間に接続されている。他方、第2管路23の他端は、還元水輸送管13における第1三方弁25とアニュラス接続口7との間に接続されている。
ここで、第1三方弁25及び第2三方弁27は、二重管型地中熱交換器10の中の作動流体の流れる方向を切り替えるためのものである。即ち、第1三方弁25を切り替えることにより、発電装置11から排出される還元水がアニュラス接続口7ではなく、第1管路21を経由して内管接続口8へと導入される。他方、第2三方弁27を切り替えることにより、地中熱交換器10のアニュラス接続口7から排出された熱水が注入ポンプ17側ではなく、第2管路23を経由して熱水輸送管15へと導入される。このため、地中熱交換器10の中の作動流体の流れる方向が「順循環方向」(還元水を内管接続口8から内管3に注入し、アニュラス5を通してアニュラス接続口7から熱水を地上に取り出す循環方法)になる。従って、地中熱交換器10の入口と出口の位置が「逆循環方向」(還元水をアニュラス接続口7からアニュラス5に注入し、内管3を通して内管接続口8から熱水を地上に取り出す循環方法)の場合と反対になる。
(運転方法及び作用)
本実施形態では、二重管型地中熱交換器10内で作動流体が流れる方向を「順循環方向」にして運転を行う。すなわち、「順循環方向」で運転を行う場合、発電装置11から排出された低温の還元水は、注入ポンプ17によって加圧されて第1管路21を通り、地中熱交換器10の内管接続口8から内管3に入る。注入ポンプ17による還元水の注入圧力は、地中熱交換器10のアニュラス接続口7における熱水の圧力がその熱水の温度における飽和蒸気圧よりも高くなるように調整される。
内管3に流入した低温の還元水は内管3を下降し、地中熱交換器10の深部に到達する。深部に到達した作動流体の水の温度は、地上で注入された還元水の温度と大きく異ならないため、地中熱交換器10の深部でフラッシングが発生することはない。
地中熱交換器10の深部で内管3からアニュラス5に入った低温の水は、高温の地層によって加熱されながらアニユラス5を上昇し、高温の熱水になる。しかし、地層の温度は浅部になるほど低くなるので、ある深度で、アニュラス5を上昇する熱水の温度よりも地層温度が低くなる。この場合、今度は熱水が地層によって冷やされて温度が低下し、これに伴い熱水の飽和蒸気圧も低くなる。この深度よりも浅いところでは地層温度がさらに低くなるので、アニュラス5を上昇する熱水はさらに冷やされて地中熱交換器10のアニュラス接続口7に到達する。
このように、本実施形態によれば、地中熱交換器10の浅部において、アニュラス5を上昇する熱水の温度、ひいてはその飽和蒸気圧を低下させることができる。従って、地中熱交換器10の出口や熱水輸送管15における熱水の飽和蒸気圧も低下するので、地中熱交換器10や熱水輸送管15を加圧水の状態に保つために必要な還元水の注入圧力を低くできる。
また、条件によっては、地中熱交換器10中に水の密度差により発生する重力水頭圧によって、注入ポンプ17で注入しなくても、作動流体の水が地中熱交換器10の中で循環し、かつ、地中熱交換器10の出口において、熱水の飽和蒸気圧以上の圧力が得られる。この場合は、循環するためにも、また、フラッシングの発生を防止するためにも地中熱交換器10に注入する還元水を注入ポンプ17で加圧する必要がなくなる。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る地熱発電システム70においては、二重管型の地中熱交換器10を「順循環方向」で一定の期間運転する。これによって、地中熱交換器10の浅部において、アニュラス5を上昇する熱水の温度、ひいては熱水の飽和蒸気圧を低下させ、熱水を加圧水の状態に保持する。このため、フラッシングの発生を防止するために必要な作動流体の注入圧力を大幅に低くすることができる。
また、本実施形態に係る地熱発電システム70によれば、注入ポンプ17で還元水を圧入しなくても、地中熱交換器10内に発生する重力水頭圧だけで、地中熱交換器10と熱水輸送管15内の熱水を加圧水の状態に保持し、かつ、作動流体の水を地中熱交換器10内で循環できるケースを増やすことができる。
(本実施形態の変形例)
本実施形態では、図2及び図3に示すように、地中熱交換器10内の循環方向を二つの三方弁(即ち、第1三方弁25及び第2三方弁27)によって便宜的に切り替える例を示したが、三方弁の個数や取付位置は図示のものに限定されない。また、三方弁を用いる方法のみならず、閉止弁を使うなど他の方法によって作動流体の流れる方向を切り替えることもできる。
また、本実施形態では、断熱管3a及び良伝熱管3bで形成されている内管3を備えた地中熱交換器10を用いたが、従来提案されている坑井内同軸熱交換器のように、全長にわたって断熱管3aとした内管4を用いた地中熱交換器100を用いてもよい。
さらに、本実施形態では、運転方法として「順循環方向」で運転する例を示したが、通常は運転が進むにつれて地中熱交換器10の出口となるアニュラス接続口7における熱水の温度が低下し、これに伴いその飽和蒸気圧も低下する。このように、地中熱交換器10の出口となるアニュラス接続口7における熱水の温度と飽和蒸気圧が十分に低下した場合は、第1三方弁25及び第2三方弁27を切り替えて、図3に示すように、地中熱交換器10内の作動流体の流れを、より熱抽出効率の良い「逆循環方向」にして運転を行ってもよい。
[第三実施形態]
図4は、第三実施形態に係る地熱発電システムの構成を示す模式図である。
本実施形態に係る地熱発電システム80は、地中熱交換器10と発電用地上設備20に加えて、地上熱交換機構40を備えている。この地熱発電システム80では、地上熱交換機構40を用いて、地中熱交換器10から得られる高温の熱水と発電装置11から地中熱交換器10に還流する低温の還元水の間で熱交換を行うものである。地中熱交換器10と発電用地上設備20の構造は第一実施形態と同様であるため説明を省略し、以下、地上熱交換機構40について詳しく説明する。
(地上熱交換機構40)
地上熱交換機構40は、地上で地中熱交換器10と隣接する位置に設けられる。
地上熱交換機構40では、注入ポンプ17よりもアニュラス接続口7側の還元水輸送管3の途中に第1迂回路28が設けられる一方、熱水輸送管15の一部に第2迂回路29が設けられている。第1迂回路28の一部と第2迂回路29の一部には、共通する地上熱交換器31が設けられている。地上熱交換器31は、地中熱交換器10の坑口に近い地上位置に設置される。地上熱交換器31は、地中熱交換器10から得られる熱水と発電装置11からの還元水の間で熱交換するためのものである。
第1迂回路28には、地上熱交換器31よりも発電装置11側に第1閉止弁32が設けられる一方、地上熱交換器31よりもアニュラス接続口7側に第2閉止弁33が設けられる。また、第2迂回路29には、地上熱交換器31よりも内管接続口8側に第1閉止弁35が設けられる一方、地上熱交換器31よりも発電装置11側に第2閉止弁36が設けられる。さらに、第1迂回路28を経由しない場合に通過する還元水輸送管13の途中には、第3閉止弁34が設けられ、第2迂回路29を経由しない場合に通過する熱水輸送管15の途中には、第3閉止弁37が設けられる。第1閉止弁32、第2閉止弁33及び第3閉止弁34は、還元水の流路を切り替えるためのものである。他方、第1閉止弁35、第2閉止弁36及び第3閉止弁37は、熱水の流路を切り替えるためのものである。
即ち、第1閉止弁32及び第2閉止弁33を開ける一方、第3閉止弁34を閉じることにより、発電装置11から排出される低温の還元水が第1迂回路28を経由して地上熱交換器31を通る。また、第1閉止弁35及び第2閉止弁36を開ける一方、第3閉止弁37を閉じることにより、地中熱交換器10から取り出された高温の熱水が第2迂回路29を経由して地上熱交換器31を通る。これに対して、地上熱交換器31を使わない場合は、第3閉止弁34及び第3閉止弁37を開けると共に、第1閉止弁32、第2閉止弁33及び第1閉止弁35、第2閉止弁36の各弁を閉じる。これにより、還元水と熱水がそれぞれ第1迂回路28、第2迂回路29を経由せずに、本来の管路を通って流れる。
(運転方法及び作用)
本実施形態では、第1閉止弁32及び第2閉止弁33を開ける一方、第3閉止弁34を閉じて、発電装置11から排出される低温の還元水が地上熱交換器31を通るようにする。また、第1閉止弁35及び第2閉止弁36を開ける一方、第3閉止弁37を閉じて、地中熱交換器10から取り出された高温の熱水が地上熱交換器31を通るようにする。地上熱交換器31では、地中熱交換器10から取り出された高温の熱水を発電装置11から排出された低温の還元水で冷やし、熱水の温度を下げることによって、熱水の飽和蒸気圧を低下させる。
前述のように、本実施形態によれば、熱水輸送管15に入る作動流体温度、ひいてはその飽和蒸気圧を低下させることができるので、熱水輸送管15を加圧水の状態に保つために必要な地中熱交換器10への還元水の注入圧力を低くできる。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る地熱発電システム80においては、地上熱交換器31を設置することによって、地中熱交換器10から得られる高温の熱水と発電装置11から地中熱交換器10に還流する低温の還元水の間で熱交換させている。このため、熱水の温度、ひいては熱水の飽和蒸気圧を低下でき、これによって、熱水を加圧水の状態に保持し、かつ、作動流体の水を循環するために必要な地中熱交換器10への還元水の注入圧力を低くすることができる。
(本実施形態の変形例)
本実施形態では、図4の矢印に示すように、地中熱交換器10と発電装置11との間の流体の循環方向を「逆循環方向」として運転する例を示したが、「順循環方向」の運転であってもよい。
また、本実施形態では、断熱管3a及び良伝熱管3bで形成されている内管3を備えた地中熱交換器10を用いたが、従来提案されている坑井内同軸熱交換器のように、全長にわたって断熱管3aとした内管4を用いた地中熱交換器100を用いてもよい。
さらに、本実施形態では、地上熱交換器31を使用して運転する例を示したが、通常は運転が進むにつれて地中熱交換器10の出口となる内管接続口8における熱水の温度が低下し、これに伴い飽和蒸気圧も低下する。このように地中熱交換器10の出口となる内管接続口8における熱水の温度と飽和蒸気圧が十分に低下した場合は、管路を切り替えて地上熱交換器31を経由せずに、還元水と熱水が本来の管路を流れるようにして運転を行ってもよい。
[第四実施形態]
図5は、第四実施形態に係る地熱発電システムの構成を示す模式図である。
本実施形態に係る地熱発電システム90は、地中熱交換器10と発電用地上設備20に加えて、閉回路形成機構50を備えている。この地熱発電システム90では、発電運転開始前に、閉回路形成機構50を用いて地中熱交換器10の出口から排出される熱水を地中熱交換器10の入口へと導き、地中熱交換器10を含む閉管路内で作動流体を循環させるものである。地中熱交換器10と発電用地上設備20の構造は第一実施形態と同様であるため説明を省略し、以下、閉回路形成機構50について詳しく説明する。
(閉回路形成機構50)
閉回路形成機構50は、地上で地中熱交換器10と隣接する位置に設けられる。
閉回路形成機構50では、地中熱交換器10の坑口の直近の位置に設けられ、還元水輸送管13と熱水輸送管15とを結ぶ管路41と、管路41の途中に設置された循環ポンプ43と、地中熱交換器10と管路41を含む閉管路の外部に設けられかつ管路41の上流側に配置される加圧ポンプ45と、作動流体の水の流路を切り替えるための閉止弁47、閉止弁49、閉止弁51、閉止弁53と、を備えている。ここで、閉止弁47は上記閉回路の外側の還元水輸送管13の途中に、閉止弁49は上記閉回路の外側の熱水輸送管15の途中に設けられる。また、閉止弁51及び閉止弁53は、共に管路41の途中に設けられるが、循環ポンプ43を挟んでアニュラス接続口7側に閉止弁51が、内管接続口8側に閉止弁53が配置される。
閉止弁47と閉止弁49を閉め、閉止弁51と閉止弁53を開けることによって、地中熱交換器10と管路41を含む閉管路が形成される。他方、閉止弁47と閉止弁49を開け、閉止弁51と閉止弁53を閉めることによって、通常の流路が形成され、注入ポンプ17を運転して通常の発電運転を開始することが可能になる。
循環ポンプ43は、作動流体の水を地中熱交換器10と管路41を含む閉管路で循環させるためのポンプである。このポンプは圧力が高圧になるので高耐圧性が必要であるが、地中熱交換器10内に水を循環する方向に重力水頭圧が発生するため、高揚程は必要とされない。
加圧ポンプ45は、地中熱交換器10と管路41を含む閉管路内の作動流体の水を加圧水の状態に保つため、また地中熱交換器10内の温度低下に伴う水の容積の減少を補うためのものである。加圧ポンプ45としては、流量が小さくても良いため、小流量のプランジャーポンプのようなものが考えられる。
地中熱交換器10と管路41を含む閉管路内の圧力はかなり高圧になると予想され、地層温度によっては水の臨界圧力の22MPa以上になる可能性もある。したがって、地中熱交換器10と管路41を含む閉管路は、予想される高い圧力に耐えるものにすることが望まれる。
(運転方法及び作用)
本実施形態では、発電運転開始前に、閉止弁47と閉止弁49を閉め、閉止弁51と閉止弁53を開けることによって、地中熱交換器10と管路41を含む閉管路を形成する。また、加圧ポンプ45によってフラッシングを防ぐために必要な圧力まで当該閉管路内の作動流体を昇圧した上で、循環ポンプ43を運転して、閉管路内で作動流体の水を所定期間循環させる。
循環開始時に地中熱交換器10の内管接続口8から排出された高温の熱水は、管路41を通って地中熱交換器10のアニュラス接続口7からアニュラス5に流入する。この高温の熱水は地中熱交換器10の浅部で、低温の地層によって冷やされて温度が低下する。このようにして一定の時間循環させると、地中熱交換器10の出口となる内管接続口8における熱水の温度が下がり、その飽和蒸気圧も低下する。
このように、本実施形態によれば、地中熱交換器10の出口となる内管接続口8における熱水の温度を下げて飽和蒸気圧を低下させることができるので、地中熱交換器10や熱水輸送管15を加圧水の状態に保つために必要な還元水の注入圧力を低くできる。このようにして地中熱交換器10の出口における熱水の温度及び飽和蒸気圧が十分に低下した後、閉止弁47と閉止弁49を開け、閉止弁51と閉止弁53を閉めることによって、通常の流路に戻し、注入ポンプ17を運転して通常の発電運転を開始する。
この運転方法では、地中熱交換器10の出口となる内管接続口8から管路41を通り、地中熱交換器10の入口となるアニュラス接続口7に至る配管を高圧に耐えるものにする必要があるが、閉止弁49よりも下流の熱水輸送管15や発電装置11に付随する設備の耐圧性能を下げることができる。
バイナリー・サイクル発電やカリーナ・サイクル発電など二次媒体を用いる地熱発電では、熱水と二次媒体との間で熱交換をするために熱交換器が必要であるが、この運転方法は、そのようなシステムにおいて管路や熱交換器などの構成機器の耐圧性能を下げる上で、有効な方法と考えられる。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る地熱発電システム90においては、発電運転開始前に、閉回路形成機構50を用いて地中熱交換器10の出口から排出される熱水を地中熱交換器10の入口へと導き、地中熱交換器10を含む閉管路内で作動流体を循環させる。これによって、地中熱交換器10の出口となる内管接続口8における熱水の温度を下げて飽和蒸気圧を低下させることができる。また、このようにした後に通常の管路に戻して発電運転を開始することにより、発電運転開始時に熱水を加圧水の状態に保持し、かつ、作動流体の水を循環するために必要な地中熱交換器10への還元水の注入圧力を低くすることができる。
(本実施形態の変形例)
本実施形態では、地中熱交換器として断熱管3a及び伝熱管3bで形成されている内管3を備えた地中熱交換器10を用いたが、従来提案されている坑井内同軸熱交換器のように、全長にわたって断熱管3aとした内管4を用いた地中熱交換器100を用いてもよい。
以下、図1に示す第一実施形態に係る地熱発電システム60のシミュレーション結果と、図6に示す従来提案されている地中熱交換器を用いる地熱発電システム110のシミュレーション結果とを対比することにより、本実施形態に関する効果について実証する。
(基準例)
まず、図6に示す構成の従来提案されている地中熱交換器を用いる地熱発電システム110を用い、ある地熱地域で深さ3000mの地中熱交換器100によって熱抽出して発電を行う場合を想定してシミュレーションを行った。ここで、想定した地層温度は、深さ3000mで330℃である(後記の図9参照、図中の破線はこの検討で想定した自然平衡状態の地層の温度分布を示している)。
図7は、基準例の地中熱交換器100の出口温度の経時変化の例を示すグラフである。また、図8は、図7の出口温度の経時変化に対応する地中熱交換器100の所要注入圧力と出口圧力の経時変化の例を示すグラフである。
ここで、所要注人圧力は、所定の量の作動流体を地中熱交換器100内で循環し、かつ地中熱交換器100の出口における熱水の圧力をその熱水の飽和蒸気圧以上に保つため、すなわち地中熱交換器100と熱水輸送管15を加圧水の状態に保ち、フラッシングの発生を防止するために必要な注入圧力である。
本例では、運転開始直後に地中熱交換器100の出口温度、すなわち内管接続口8における熱水温度が324℃にも達しており(図7参照)、内管接続口8における熱水の圧力、すなわち出口圧力は熱水の飽和蒸気圧と同じ12.0MPaになっている(図8参照)。このため、地中熱交換器100内を加圧水の状態に保ち、かつ、作動流体を循環するために必要な注入圧力が9.4MPaにもなっている(図8参照)。
なお、地中熱交換器100の出口圧力よりも所要注入圧力の方が低いのは、地中熱交換器100内の水の温度差、ひいては密度差によって、水を循環する方向に重力水頭圧が発生するためである。
図9は、図7において地中熱交換器100の出口温度が最高温度(324℃)に達した時点(運転開始後23分経過時点)における地中熱交換器100内の温度分布を示すグラフである。アニュラス5を流下する作動媒体の平均温度に比べて、内管3内を上昇する作動媒体の温度がかなり高くなっている。この温度の違いによって、前記の重力水頭圧が発生する。
なお、図中の破線は、自然平衡状態の地層の温度分布を示しているが、深さ3000mにおける自然平衡状態の地層温度は330℃である。
(実施例)
図1に示す構成の第一実施形態に係る地熱発電システム60において、深さ1000mから1100mまでの区間と、地表から深さ50mまでの区間を伝熱管3b(本例では鋼管)とした地中熱交換器10を用いた場合について、基準例と同様に発電を行う場合を想定して行ったシミュレーション結果を示す。
図10は、第一実施形態の地中熱交換器10の出口温度の経時変化の例を示すグラフである。また、図11は、図10の出口温度の経時変化に対応する地中熱交換器10の所要注入圧力と出口圧力の経時変化の例を示すグラフである。
図10のグラフから分かるように、この場合の地中熱交換器10の最高出口温度は200℃になっている。この温度は、内管4として断熱管3aのみを用いる基準例の324℃(図7参照)に比べて、124℃も低くなっている。
また、図11のグラフから分かるように、最大出口圧力が1.8MPaになっている。この最大出口圧力は、基準例の最大出口圧力12.0MPa(図8参照)に比べて10.2MPaも低くなっており、比率では約1/7になっている。
また、注入圧力は、基準例では最大で9.4MPaにも達している(図8参照)が、この例では運転開始時から15時間後まで大気圧と同じ0.1MPaで一定で、その後徐々に増大して48時間経過後に0.2MPaになっている。これは、運転早期にはフラッシングの防止と作動流体の循環のために注入ポンプ17で加圧して作動流体を注入する必要がないこと、その後注入ポンプ17による加圧が必要になるが、非常に小さなポンプ動力で済むことを示している。
図10及び図11の結果より、従来型の地中熱交換器100と比較して、第一実施形態の地中熱交換器10では、最高出口温度を低下させ、地中熱交換器の出口圧力と注入圧力を低減できることが分かる。
なお、図11においてピーク時の出口圧力が1.8MPaになっているが、このときの出口温度が200℃なので(図10参照)、地中熱交換器10の出口における熱水の飽和蒸気圧は1.6MPaである。また、この時点の注入圧力は大気圧と同じ0.1MPaになっている。このように、注入ポンプ17で注入しなくても出口圧力が出口における熱水の飽和蒸気圧よりも高くなっているのは、地中熱交換器10内において水の密度差に基づいて発生する重力水頭圧がかなり大きいためである。
図12は、図10において地中熱交換器10の出口圧力が最大圧力に達した時点における地中熱交換器10内の温度分布を示すグラフである。なお、図中の破線は、この検討で想定した自然平衡状態の地層の温度分布を示している。
図12のグラフから、地中熱交換器100の内管4の一部の区間において断熱管3aを鋼管などの伝熱特性の良い材料からなる良伝熱管3bに置き換えれば、その区間でアニュラス5に注入された作動流体の温度が上昇し、これとは反対に、内管3を上昇する熱水が冷やされて温度が低下することが分かる。
本開示の技術は、地中熱交換器によって高温の地層や岩体、マグマなどから熱エネルギーを抽出して行う地熱発電において、地中熱交換器と熱水輸送管におけるフラッシングの発生を抑止するため、また、地中熱交換器への作動流体の注入圧力を低減するために有効である。このため、地中熱交換器を用いた地熱発電を実用化する上で、重要な技術と考えられる。
1 坑井
2 ケーシング(外管)
3 内管
3a 断熱管(断熱特性の良好な区間)
3b 良伝熱管(伝熱特性の良好な区間)
4 内管
5 アニュラス
7 アニュラス接続口
8 内管接続口
10 地中熱交換器
11 発電装置
13 還元水輸送管
15 熱水輸送管
17 注入ポンプ
20 発電用地上設備
21 第1管路
23 第2管路
25 第1三方弁
27 第2三方弁
28 第1迂回路
29 第2迂回路
30 循環方向変更機構
31 地上熱交換器
32,35 第1閉止弁
33,36 第2閉止弁
34,37 第3閉止弁
40 地上熱交換機構
41 管路
43 循環ポンプ
45 加圧ポンプ
47,49,51,53 閉止弁
50 閉回路形成機構
60,70,80,90 地熱発電システム

Claims (4)

  1. 地表から地中内の所定の深度まで埋設される地中熱交換器を用いた地熱発電システムであって、前記地中熱交換器は、
    底部を閉塞した外管と、
    該外管内に挿入され断熱特性の良好な内管と、
    前記外管と前記内管との間隙に形成され、前記内管の内部と繋がる環状のアニュラスと、を備え、
    前記内管のうち、該内管を流れる作動流体にフラッシングが発生すると予測される区間伝熱特性の良好な良伝熱区間を設けることによって、前記地中熱交換器への作動流体の注入圧力を低減することを特徴とする地中熱交換器を用いた地熱発電システム。
  2. 地表から地中内の所定の深度まで埋設される地中熱交換器を用いた地熱発電システムであって、前記地中熱交換器は、
    底部を閉塞した外管と、
    該外管内に挿入され、一部を伝熱特性の良好な区間、残部を断熱特性の良好な区間とした内管と、
    前記外管と前記内管との間隙に形成され、前記内管の内部と繋がる環状のアニュラスと、を備えており、
    地上で前記地中熱交換器と隣接する位置に設けられ、
    発電装置から前記地中熱交換器の前記アニュラスに低温の作動流体を注入し、前記地中熱交換器の前記内管から前記熱エネルギーを含む高温の作動流体を取り出す循環方向と、前記発電装置から前記地中熱交換器の前記内管に前記低温の作動流体を注入し、前記地中熱交換器の前記アニュラスから前記高温の作動流体を取り出す循環方向とを切替可能な、
    循環方向変更機構を更に備えることを特徴とする地中熱交換器を用いた地熱発電システム。
  3. 上で前記地中熱交換器と隣接する位置に設けられ、
    前記地中熱交換器から得られる前記熱エネルギーを含む高温の作動流体と発電装置から前記地中熱交換器に還流する低温の作動流体との間で熱交換を行い、前記高温の作動流体の飽和蒸気圧を低下させる
    地上熱交換機構を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の、地中熱交換器を用いた地熱発電システム。
  4. 上で前記地中熱交換器と隣接する位置に設けられ、
    発電装置から前記地中熱交換器の入口に低温の作動流体を注入し、前記地中熱交換器の出口から前記熱エネルギーを含む高温の作動流体を取り出して前記発電装置に導入する循環機構に加えて、前記地中熱交換器の前記出口から取り出した前記高温の作動流体を前記発電装置に導入することなく前記地中熱交換器の入口に直接導いて循環させる閉回路形成機構と、前記作動流体の流路を前記循環機構又は前記閉回路形成機構に切り替えるための流路切替機構と、前記地中熱交換器と前記閉回路形成機構を含む流路内の作動流体の水を加圧水の状態に保つためのポンプとを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の、地中熱交換器を用いた地熱発電システム。
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