JP6393602B2 - 循環型地熱発電方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は地熱を利用した循環型地熱発電方法及び装置に関する。
従来より、地熱貯留層まで掘削した生産井から地熱による蒸気や熱水を採取して地上での発電に利用する地熱発電システムが実用化されている。図5はこのような従来の地熱発電システムの一例を示す図である。図5に示す例では、生産井1から取り出した熱水と地熱蒸気をセパレータ3により分離し、分離した蒸気によりタービン4を駆動して発電機5により発電を行い、発電に使用された後の地熱蒸気は、復水器6において冷却水により冷却されて復水され、セパレータ3からの熱水と共に還元井2から地中に還元される。
また、図6は従来の地熱発電システムの他の例(バイナリー発電方式による地熱発電システム)を示す図である。図6に示す例では、生産井1から取り出された地熱蒸気を蒸発器8の一次側に供給することにより、低沸点の熱媒体(例えばアンモニア、イソブタンなど)を蒸発器8において加熱して蒸気化し、その熱媒蒸気によりタービン4を駆動して発電を行うものである。なお前記発電に使用された後の熱媒蒸気は、復水器6において冷却水により冷却されて復水され、セパレータ3からの熱水と共に還元井2から地中に還元される。また前記発電に使用された後の熱媒蒸気は、循環ポンプ9により、復水器6に送られて、冷却塔7からの冷却水により復水され、前記蒸発器8の前段のプレヒーター10で予熱されてから、前記蒸発器8に送られる。
特開2010−270679号公報 特許第4485465号公報
しかしながら、上記の図5又は図6に示すような従来の地熱発電システムにおいては、地熱貯留層からの熱水又は蒸気を生産井1のストレーナ(多数のスリット又は穴から成る開口部を有する部分)を通して生産井1の内部に取り入れ、さらに地上に汲み上げて発電又は熱交換に使用していた(一部は還元井2で地中に戻すようにしていた)ので、近くの温泉を枯渇させるなど地熱貯留層近傍の地下水系に悪影響を与えてしまう、地熱発電の過程で地熱貯留層からの熱水又は蒸気中の硫黄等の成分が地熱発電に使用する装置にスケールとして固着して装置が劣化したりスケールを取り除くために多額のメンテナンス費用が発生してしまうなどの問題があった。
本発明はこのような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、従来のように近くの温泉を枯渇させるなど地熱貯留層近傍の地下水系に悪影響を与えてしまうことを、防止することができると共に、従来のように地熱発電の過程で地熱貯留層からの熱水又は蒸気中に含まれている硫黄等の成分が地熱発電に使用する装置にスケールとして固着して装置が劣化したり前記スケールを取り除くために多額のメンテナンス費用が発生してしまうことを、避けることができる、循環型地熱発電方法及び装置を提供することを目的とする。
以上のような課題を解決するための本発明による循環型地熱発電方法及び装置は、多数の開口部又は穴を含むストレーナが下方部分に配置されており過去においては温泉井用に使用されていたが現在は温泉井用として使用されていない温泉井用管であって地熱貯留層中の熱水又は蒸気を前記ストレーナを介して前記温泉井用管の内部へ導入可能である温泉井用管を選定し、前記の選定した温泉井用管の内部に、地上側又はその近傍の開口部以外は閉塞された外管であってその内部に底部又はその近傍部分が開放された内管が設置されている外管を地熱貯留層のある深さまで挿入することにより、地熱採取部を構築し、地熱貯留層中の熱水又は蒸気を前記ストレーナを介して前記温泉井用管の内部の前記外管と接する位置まで流入させることにより、前記外管内の底部又はその近傍に存在する流体を、前記ストレーナを介して前記温泉井用管中の前記外管と接する位置まで流入した地熱貯留層中の熱水又は蒸気と熱交換させると共に、前記流体を、循環ポンプにより、前記内管の内部と、前記外管の底部又はその近傍と、前記外管及び内管の間の隙間と、地上の蒸気発生部とを結ぶ流路中において循環的に移動させるようにし、これにより、前記熱交換された流体を地上の蒸気発生部に連続的に送り、前記蒸気発生部で蒸気を生成して発電用タービンに供給するようにしたものである。また、このような循環型地熱発電方法及び装置を実現するための本明細書で提案されている循環型地熱発電システムは、地中に埋設される外管であって、地上側又はその近傍の開口部以外は閉じられており、底部及び底部の近傍の領域(底部から上方向に数十〜数百mの底部近傍領域)において流体が外部の地熱と熱交換可能な外管と、前記外管の内部に配置される内管であって、少なくとも底部又はその近傍部分が開放されており、底部が前記外管の底部から上方向に数十〜数百mの範囲内に位置している内管と、流体を、地上の発電用タービン又は前記発電用タービンを駆動するための蒸気を生成する熱交換器、前記内管の内部又は前記外管と内管との隙間、前記外管の底部又はその近傍の領域、及び前記外管と内管との隙間又は前記内管の内部を繋ぐ流路中において循環させる循環ポンプとを備えたものである。
また、本発明による循環型地熱発電システムは、地中に埋設された温泉井用管であって、過去には温泉井用に使用されていたが現在は温泉井用として使用されていない温泉井用管と、前記温泉井用管の内部に配置される外管であって、地上側又はその近傍の開口部以外は閉じられている外管と、前記外管の内部に配置される内管であって、少なくとも底部又はその近傍部分が開放されている内管と、流体を、地上の発電用タービン又は前記発電用タービンを駆動するための蒸気を生成する熱交換器、前記内管の内部又は前記外管と内管との隙間、前記外管の底部又はその近傍の領域、及び前記外管と内管との隙間又は前記内管の内部を繋ぐ閉流路中において循環させる循環ポンプと、を備えたものである。
また、本発明による循環型地熱発電システムにおいては、前記循環ポンプは、発電用タービンを駆動するための蒸気を生成するための熱交換器であって低沸点の熱媒体を蒸気化する熱交換器の一次側に前記流体を供給するものであってもよい。
さらに、本発明による循環型地熱発電システムの施工方法は、地中に埋設された温泉井用管であって、過去には温泉井用に使用されていたが現在は温泉井用として使用されていない温泉井用管を選定する選定ステップと、前記選定された温泉井用管の内部に、地上側又はその近傍の開口部以外は閉じられた外管であってその内部に内管が所定の隙間を介して設けられる外管を配置する外管等配置ステップとを含むものである。
本発明においては、地上側又はその近傍の開口部以外は閉じられた外管中の底部及び底部から上方に数十〜数百mの範囲内の底部近傍領域に存在し又は移動中の流体を、外管の外側の地熱と熱交換させ、この熱交換された流体を地上に移動させることにより、地熱貯留層から採取した地熱を地上での発電に利用するようにしている。よって、本発明によれば、地熱貯留層中の熱水又は蒸気を地上に汲み上げることがないので、従来のように近くの温泉を枯渇させるなど地熱貯留層近傍の地下水系に悪影響を与えたり、従来のように地熱発電の過程で地熱貯留層からの熱水又は蒸気中に含まれている硫黄等の成分が装置にスケールとして固着してしまうことを、避けることができる。よって、本発明によれば、従来のように地熱発電が近傍の温泉(地下水系)に悪影響を与えてしまうことを、防止することができると共に、従来のように地熱発電の過程で地熱貯留層からの熱水又は蒸気中に含まれている硫黄等の成分が地熱発電に使用する装置にスケールとして固着して装置が劣化したり前記スケールを取り除くために多額のメンテナンス費用が発生してしまうことを、避けることができる。
また、本発明においては、地上側又はその近傍の開口部以外は閉じられた外管及び少なくとも底部(下端部)が開放された内管を、地中に埋設された温泉井用管であって過去において温泉井用に使用されていたが現在は温泉井用として使用されていない温泉井用管(例えば下方部分に外部からの熱水又は蒸気を導入するストレーナが形成されている温泉井用管)の内部に、配置するようにしている。よって、本発明によれば、既に地中に埋設されている温泉井用管を利用してその中に外管及び内管を配置するだけで地熱発電に必要な外管及び内管の設置を行うことができるので、外管を地中に埋設するための掘削工事(一般的に、外管を地中に埋設するには、そのための掘削工事の費用として数千万円以上が必要である)を不要にして、地熱発電システムの施工コストを大幅に低減することができる。
また、本発明において、前記循環ポンプにより、前記の外管の底部又はその近傍領域において外部の地熱貯留層の地熱と熱交換させられた流体を、発電用タービンを駆動するための蒸気を生成するための熱交換器(蒸気発生部)であって低沸点の熱媒体を蒸気化する熱交換器の一次側に供給するようにしたときは、前記外管の外側の地熱貯留層中に存在する地熱エネルギーが弱いため前記流体により地上に移動される地熱エネルギーが比較的小さなものに止まるような場合でも、前記熱交換器により低沸点の熱媒体を蒸気化させ、これにより前記発電用タービンを駆動して発電することができるようになる。
さらに、本発明において、地中に埋設された温泉井用管であって過去には温泉井用に使用されていたが現在は温泉井用として使用されていない温泉井用管を選定し、この選定した温泉井用管の内部に、地上側又はその近傍の開口部以外は閉じられた外管であってその内部に内管が所定の隙間を介して設けられる外管を配置するようにしたときは、既に地中に埋設されている温泉井用管を利用してその中に外管及び内管を配置するだけで外管及び内管の設置を行うことができるので、外管を地中に埋設するための掘削工事(一般的に、外管を地中に埋設するためには、掘削工事の費用として数千万円以上が必要である)を不要にして、地熱発電システムの施工コストを大幅に低減できるようになる。
本発明の実施形態1による循環型地熱発電システムを説明するための一部に断面を含む概略図である。 本発明の実施形態2による循環型地熱発電システムを説明するための一部に断面を含む概略図である。 本発明の実施形態3による循環型地熱発電システムを説明するための一部に断面を含む概略図である。 本発明の実施形態4による循環型地熱発電システムを説明するための一部に断面を含む概略図である。 従来の地熱発電システムの一例を説明するための概略図である。 従来の地熱発電システムの他の例であってバイナリー発電方式による地熱発電システムを説明するための概略図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の実施形態1を図面を参照して説明する。図1は、本実施形態1に係る循環型地熱発電システムの構成を説明するための概略図である。図1において、11は地中の例えば約500m深さの地熱貯留層13まで埋設された例えばステンレス鋼製(良熱伝導性材料ならば他の素材でもよい)の外管、12は前記外管11内に配置される例えばステンレス鋼製の内管である(二重管構造)。
前記外管11は、内径が例えば30mmに形成されており、地上側開口部11b以外は全て閉塞されている。また前記内管12は、内径が例えば15mmに形成されており、上端部12bと底部(下端部)12aが共に開口部となっている。本実施形態1では、前記内管12の底部12aは、前記外管11の底部11aの上面11aaから約100mだけ上方の位置に配置されている。
本実施形態1では、前記内管12中を下降した水(工業用水など)が、前記内管12の底部12aと前記外管11の底部11aとの間の約100m長さの領域(底部近傍領域)14に送られて前記領域14の中を移動している間に、外部の地熱貯留層13中の地熱と熱交換されて高温の熱水となった後、前記外管11と内管12との間の隙間15内を地上方向へ上昇する(図1の矢印A参照)。
また図1において、16は、前記内管12中を下降した後に前記外管11内の底部近傍領域14において地熱と熱交換されて前記隙間15内を地上まで上昇した熱水が前記外管11の上端側開口部11bを介して供給される蒸発器であって前記熱水を加熱(及び減圧)して蒸気を発生させる蒸発器、17は前記蒸発器16からの蒸気により駆動されるタービン(図示しない発電機に連結されたタービン)、18は前記タービン17の駆動に使用された蒸気を水に戻す復水器、19は前記復水器からの水及び前記蒸発器16において蒸気と分離された熱水を前記内管12の上端側開口部12bから前記内管12中に加圧注入する循環ポンプである。
また図1において、20は、前記内管12、前記外管11内の底部近傍領域14、前記内管12と外管11の隙間、前記蒸発器16、前記タービン17、及び前記復水器18を繋ぐ閉流路であって、前記循環ポンプ19により前記水が循環される閉流路である。
以上のように、本実施形態1においては、前記循環ポンプ19により前記内管12中に加圧注水された水が、前記外管11の底部11a及び底部から上方に約100mまでの範囲内の底部近傍領域14に下降する。前記底部近傍領域14中の水は、外管11の外側の地熱貯留層13中の地熱と熱交換されて熱水となる。前記熱水は、前記循環ポンプ19の力により、前記外管11と内管12との間の隙間15中を上昇し、前記外管の上端側開口部11bから前記蒸発器16に供給され、そこで蒸気に変換されて前記タービンを回転させた後、前記復水器18から前記循環ポンプ19へ、さらに前記内管12中へ送られる。
よって、本実施形態1によれば、地熱貯留層13中の熱水又は蒸気を地上に汲み上げることがないので、従来のように近くの温泉を枯渇させるなど地熱貯留層近傍の地下水系に悪影響を与えることを、避けることができる。また本実施形態1によれば、地熱貯留層13中の熱水又は蒸気を地上に汲み上げることがないので、従来のように地熱発電の過程で地熱貯留層からの熱水又は蒸気中に含まれている硫黄等の成分が地熱発電に使用する装置にスケールとして固着して装置が劣化したり前記スケールを取り除くために多額のメンテナンス費用が発生してしまうことを、避けることができる。
〔第2の実施形態〕
次に図2は、本発明の実施形態2に係る循環型地熱発電システムの構成を説明するための概略図である。本実施形態2は前記実施形態1(図1参照)と基本的構成が同様であるので、以下では実施形態1と異なる部分を中心に述べる。また図2において図1と共通する部分には同一の符合を付して説明を省略する。
図2において、21は地中の例えば500m以上の深さまで埋設された温泉井用管であって、過去には温泉井用に使用されていたが現在は温泉井用として使用されていない温泉井用管、21aは前記温泉井用管21の下方部分に形成された、外部の地熱貯留層中の熱水及び蒸気を前記温泉井用管21の内部に導入するためのストレーナである。前記ストレーナ21aには、多数のスリット(細長い開口部)又は穴が形成されている。
本実施形態2では、このような温泉井用管21の内部に、外管11及び内管12を配置するようにしている。すなわち、本実施形態2では、前述のような過去には温泉井用に使用されていたが現在は温泉井用として使用されていない温泉井用管を選定し、この選定された温泉井用管の内部に、前記実施形態1で述べたような内管12を内部に(外管11の内壁面を所定の間隔を介して)含む外管11を、配置するようにしている。
そして、前記温泉井用管21内の下方部分には、前記ストレーナ21aを介して地熱貯留層13内の熱水又は蒸気が導入されている。よって、前記温泉井用管21の内部に配置された前記外管11の底部11a及びその近傍領域14を移動する水は、前記地熱貯留層13から前記ストレーナ21aを介して前記温泉井用管21内に導入された熱水又は蒸気が有する地熱と熱交換される。
以上のように、本実施形態2においては、地上側又はその近傍の開口部以外は閉塞された外管11及び内管12を、既に地中に埋設されている温泉井用管(現在は温泉井用として使用されていない温泉井用管)21を利用して、すなわち、前記外管11等を地中に埋設するための掘削工事などを行うことなく、地熱発電用に設置することができる。よって、本実施形態2によれば、外管11等を地中に埋設するための掘削工事(一般的に、前記外管11のような管を地中の少なくとも500m以上の深さまで埋設するには、そのための掘削工事の費用として数千万円以上が必要である)を不要にして、地熱発電システムの施工コストを大幅に低減することができる。
〔第3の実施形態〕
次に図3は、本発明の実施形態3に係る循環型地熱発電システムの構成を説明するための概略図である。本実施形態3は前記実施形態1(図1参照)と基本的構成が類似しているので、以下では実施形態1と異なる部分を中心に述べる。また図3において図1と共通する部分には同一の符合を付して説明を省略する。
本実施形態3においては、前記外管11の底部及びその近傍領域14中で地熱貯留層の地熱と熱交換して得られた熱水を蒸気化してこの蒸気により発電用タービンを駆動する方式(前記実施形態1参照)ではなく、前記地熱貯留層の地熱と熱交換して得られた熱水の熱により低沸点の熱媒体を蒸気化しこの蒸気化で得られた熱媒体の蒸気により発電用タービンを駆動するバイナリー発電方式を採用している点で前記実施形態1と異なっている。
すなわち、本実施形態3では、図3に示すように、地中に埋設される内管12の中を下降した水が外管11の底部及びその近傍領域14内で地熱と熱交換された後の熱水は、内管12と外管11との間の隙間15を地上まで上昇した後、前記外管11の上端側開口部11bを介して、蒸発器(熱交換器)31に送られて後述の熱媒体を蒸気化するために使用され、その後、循環ポンプ32により前記内管12中に圧入される。このように、前記地熱と熱交換された後の熱水は、前記のような外管11、内管12、蒸発器31及び循環ポンプ32などが設けられた閉流路33中を循環するだけで、発電用タービン34の駆動には利用されない。
他方、前記蒸発器31には低沸点の熱媒体(例えばアンモニア、イソブタン等)が供給され、前記低沸点の熱媒体は、そこで前記地熱と熱交換された熱水と熱交換されて蒸気化する。これにより得られた熱媒体の蒸気は、発電用タービン34の駆動に使用され、その後、復液器35において液化され、循環ポンプ36により前記蒸発器31に再び送られる。このように、前記低沸点の熱媒体は、前記循環ポンプ36により、前述のような蒸発器31、発電用タービン34、及び復液器35などが設けられた閉流路37中を循環される。
以上のように、本実施形態3においては、前記閉流路33中を循環する熱水(外管11の底部及びその近傍領域14で地熱貯留層の地熱と熱交換された後の熱水)を、低沸点の熱媒体を蒸気化する蒸発器31の1次側に供給し、前記蒸発器31の2次側から低沸点の熱媒体の蒸気を取り出し、この低沸点の熱媒体の蒸気により発電用タービン34を駆動するようにしたので、前記外管11の外側の地熱貯留層13中に存在する地熱エネルギーが弱いため前記熱水に含まれる地熱エネルギーが比較的小さなものに止まるような場合でも、前記蒸発器31により低沸点の熱媒体を蒸気化させこれにより前記発電用タービン34を駆動することにより、有効に発電を行うことができる。
〔第4の実施形態〕
次に図4は、本発明の実施形態4に係る循環型地熱発電システムの構成を説明するための概略図である。本実施形態4は前記実施形態2(図2参照)及び前記実施形態3(図3参照)を組み合わせたものと基本的構成が類似しているので、以下では実施形態2,3と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態4においても、前記実施形態3と同様に、前記外管11の底部及びその近傍領域14中で地熱貯留層13の地熱と熱交換して得られた熱水を蒸気化してこの蒸気により発電用タービンを駆動する方式(前記実施形態1,2参照)ではなく、前記地熱貯留層13の地熱と熱交換して得られた熱水により低沸点の熱媒体を蒸気化しこの蒸気化で得られた熱媒体の蒸気により発電用タービンを駆動するバイナリー発電方式を採用している。
すなわち、本実施形態4では、前記外管11の底部及びその近傍領域14中で地熱貯留層13の地熱と熱交換された熱水は、前記のような外管11、内管12、蒸発器31及び循環ポンプ32などが設けられた閉流路33中を循環するだけで、発電用タービン34の駆動には利用されない。他方、本実施形態4では、前記閉流路33とは別の閉流路37が設けられており、この閉流路37中の前記蒸発器31において前記地熱と熱交換された熱水と熱交換されることにより生成された低沸点の熱媒体の蒸気により、発電用タービン34が駆動されている。
以上のように、本実施形態4においても、前記実施形態3と同様に、前記閉流路33中を循環する熱水(外管11の底部及びその近傍領域14で地熱貯留層13の地熱と熱交換されて得られた熱水)を、低沸点の熱媒体を蒸気化する蒸発器31の1次側に供給し、前記蒸発器31の2次側から低沸点の熱媒体の蒸気を取り出し、この低沸点の熱媒体の蒸気により発電用タービン34を駆動するようにしたので、前記外管11の外側の地熱貯留層13中に存在する地熱エネルギーが弱いため前記熱水に含まれる地熱エネルギーが比較的小さなものに止まるような場合でも、前記蒸発器31により低沸点の熱媒体を蒸気化させこれにより前記発電用タービン34を駆動することにより、有効に発電を行うことができる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は前記の各実施形態として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記各実施形態1〜4においては、前記蒸発器16又は31に供給される熱水を、内管12中を下降して外管11の底部及びその近傍領域14で地熱と熱交換された後に内管12と外管11の間の隙間15中を上昇した熱水とした(図1〜4の矢印A参照)が、本発明では、前記蒸発器16又は31に供給される熱水を、内管12と外管11の間の隙間15中を下降して外管11の底部及びその近傍領域14で地熱と熱交換された後に内管12中を上昇した熱水としてもよい。また、前記各実施形態1〜4においては、前記循環ポンプ32により送られて外管11の底部及びその近傍領域14で地熱と熱交換される流体を水としたが、本発明では他の流体でもよい。また、前記各実施形態1〜4では、外管11又は温泉井(温泉井用管21)が地中の500m程度まで埋設されている場合について説明したが、本発明においてはこのような場合に限られるものではなく、例えば外管11又は温泉井(温泉井用管21)が100〜200m程度の深さに埋設される場合や1,000m以上の深さに埋設される場合でもよいことは勿論である。また、前記各実施形態1〜4では、前記外管11内で水が外部の地熱貯留層13内の地熱と熱交換される領域14(外管11の底部11aと内管12の底部12aとの間の距離)を外管11の底部11a及び底部11aから上方向に約100mまでの領域としたが、本発明ではこれに限られるものではなく、前記外管11が地中に埋設される深さ(百m程度から数千mまであり得る)に応じて、数十〜数百mとすることが可能である。
11 外管
11a 外管の底部
11aa 外管の底部の上面
11b 外管の上端側開口部
12 内管
12a 内管の底部
12b 内管の上端側開口部
13 地熱貯留層
14 外管の底部の近傍領域
15 隙間
16,31 蒸発器
17,34 発電用タービン
18 復水器
19,32,36 循環ポンプ
20,33,37 閉流路
21 温泉井用管
21a ストレーナ
35 復液器

Claims (2)

  1. 多数の開口部又は穴を含むストレーナが下方部分に配置されており過去においては温泉井用に使用されていたが現在は温泉井用として使用されていない温泉井用管であって地熱貯留層中の熱水又は蒸気を前記ストレーナを介して前記温泉井用管の内部へ導入可能である温泉井用管を選定し、前記の選定した温泉井用管の内部に、地上側又はその近傍の開口部以外は閉塞された外管であってその内部に底部又はその近傍部分が開放された内管が設置されている外管を地熱貯留層のある深さまで挿入することにより、地熱採取部を構築し、地熱貯留層中の熱水又は蒸気を前記ストレーナを介して前記温泉井用管の内部の前記外管と接する位置まで流入させることにより、前記外管内の底部又はその近傍に存在する流体を、前記ストレーナを介して前記温泉井用管中の前記外管と接する位置まで流入した地熱貯留層中の熱水又は蒸気と熱交換させると共に、前記流体を、循環ポンプにより、前記内管の内部と、前記外管の底部又はその近傍と、前記外管及び内管の間の隙間と、地上の蒸気発生部とを結ぶ流路中において循環的に移動させるようにし、これにより、前記熱交換された流体を地上の蒸気発生部に連続的に送り、前記蒸気発生部で蒸気を生成して発電用タービンに供給するようにした循環型地熱発電方法。
  2. 多数の開口部又は穴を含むストレーナが下方部分に配置されており過去においては温泉井用に使用されていたが現在は温泉井用として使用されていない温泉井用管であって地熱貯留層中の熱水又は蒸気を前記ストレーナを介して前記温泉井用管の内部へ導入可能である温泉井用管を選定し、前記の選定した温泉井用管の内部に、地上側又はその近傍の開口部以外は閉塞された外管であってその内部に底部又はその近傍部分が開放された内管が設置されている外管を地熱貯留層のある深さまで挿入することにより、地熱採取部を構築し、地熱貯留層中の熱水又は蒸気を前記ストレーナを介して前記温泉井用管の内部の前記外管と接する位置まで流入させることにより、前記外管内の底部又はその近傍に存在する流体を、前記ストレーナを介して前記温泉井用管中の前記外管と接する位置まで流入した地熱貯留層中の熱水又は蒸気と熱交換させると共に、前記流体を、循環ポンプにより、前記内管の内部と、前記外管の底部又はその近傍と、前記外管及び内管の間の隙間と、地上の蒸気発生部とを結ぶ流路中において循環的に移動させるようにし、これにより、前記熱交換された流体を地上の蒸気発生部に連続的に送り、前記蒸気発生部で蒸気を生成して発電用タービンに供給するようにした循環型地熱発電装置。
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