JP7095866B2 - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents
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本発明の第1の態様にかかる半導体装置の製造方法は、半導体素子およびこの半導体素子に接続された接続導体が実装されるベース板部と、このベース板部と交差する方向に立ち上がって前記半導体素子および接続導体の実装領域を囲む外壁部とをそれぞれ所定形状に形成する工程と、前記ベース板部に前記半導体素子および接続導体を実装する工程と、前記半導体素子および接続導体が実装されたベース板部に前記外壁部を取り付ける工程とを有する。
符号1はベース板部であって、このベース板部1には、半導体素子2と接続導体3とが実装されている。これら半導体素子2と接続導体3とが実装されている領域を囲んで、ベース板部とほぼ平面視で重なる平面形状を有する枠状の外壁部4が設けられている。この外壁部4とベース板部1との間には、これらを互いに連結する連結部(図示略)が設けられる。
したがって、実装に際してダイボンディング、あるいは、ワイヤボンディングを行う作業機が作業個所へ容易にアプローチすることができ、また、外壁部4に妨げられることなく、作業者が作業個所を目視しながら作業を行うことができる。したがって、ベース板部1上における半導体素子2等を実装すべき領域を外壁部4の近くまで最大限に利用して実装面積を拡大することができる。
図3は、一実施形態にかかる半導体装置の製造方法の構成部品を分解状態で示すものである。この半導体装置を構成するパッケージは、例えば金属を加工して所定形状に形成したベース板部1と、このベース板部1の周囲から立ち上がる、同じく金属を加工して所定形状に形成した外壁部4と、外壁部4により囲まれた空間内を仕切って前記ベース板部1の略中央部から立ち上がる内壁部5と、前記外壁部4、内壁部5の上に設けられて内部の空間を密閉する蓋部6とにより概略構成されている。
前記下出しリード7は、HICの仕様等に応じて、入出力端子、電源供給等の必要な機能により定まる所定本数、配置により設けられている。また下出しリード7の上端は、ベース板部1の上面にて、前記接続導体3によって半導体素子2の接続端子に接続されている。前記ベース板部1上に設けられる電子素子は、前記半導体素子2に限られるものではなく、HICの機能に応じて、半導体素子2に加えて、あるいはこれに代えて、コンデンサ(c)、コイル(L)、抵抗(R)等の回路素子であっても良いのはもちろんである。
前記ベース板1の上面には、前記半導体素子2が取り付けられる面より凹んだ外縁凹部1cと中央凹部1dとが形成されている。これら外周凹部1bと中央凹部1cとは、例えば金属を機械加工することによって形成されるが、その深さは、前記外壁部4の位置決め精度を担保する趣旨から、0.5mm程度とすることが望ましい。
外縁凹部1cは、前記外壁部4がなす枠状の形状に対応した平面形を有して、外壁部4の底面と接している。また中央凹部1dは、前記内壁部5がなす直線状の形状に対応する平面形を有して、内壁部5の底面と接している。また上面側の中央凹部1dに対応する位置の下面側には、図5に示すように下面側凹部1eが形成されている。なお中央凹部1dと下面側凹部1eとの間は、約0.2mmの肉厚とすることが望ましい。すなわち、中央凹部1dと内壁部5とを熱融着する際にレーザー光の照射によって溶融して内壁部5に一体に融着するのに最適な厚さに設定されている。
第1工程
図3に示すように、ベース板部1、外壁部4、内壁部5、蓋部6を所定形状に形成する。
第2工程
所定形状に形成されたベース板部1に、図6(a)に示すように、例えばダイボンディングにより半導体素子2を実装する。この部品実装には、金と錫との共晶金属ロウ材あるいは導電性接着剤が好適に用いられる。さらに、ワイヤボンディングにより、半導体素子2と下出しリード7とを接続導体3により接続する。またHICの機能に応じて、その他の回路素子を搭載して接続導体3により接続し、あるいは、ベース板部1上に導波路等を形成する。このダイボンディング、あるいはワイヤボンディングの工程にあっては、ベース板部1に半導体素子2以外が配置されていないため、ボンディングツールがボンディング処理個所へ到達すること、あるいは、作業者がボンディング個所を目視する障害となる物体が存在せず、作業性が良好となるとともに、ベース板部1の周縁の外壁部4を設けるべき領域の近くまで、広い領域を半導体素子等の実装領域として確保することができる。
図4に示すように、ベース板部1の凹部1cに外壁部4をはめ込み、例えば、図6(b)に示すように、レーザーシール溶接機によって外壁部4の周囲からレーザー光Lを照射することによって、ベース板部1と外壁部4とを構成する金属を融着により一体化する。ここで、ベース板部1と外壁部4との間にこれらが互いに溶け合った融着部(図示略)が形成される。
図5(a)に示すように、ベース板部1の凹部1dに内壁部5をはめ込み、例えば、図6(c)に示すように、レーザーシール溶接機からレーザー光Lを照射することによって、融着により一体化する。図示例では、ベース板部1に形成された下面側凹部1eを介してレーザー光Lを凹部1dと内壁部5との接触部へ照射し、この接触部の周囲でベース板部1と内壁部5とを構成する金属を融着により一体化する。ここで、前記ベース板部1には、下面側凹部1eが設けられているので、ベース板部1の下面側から内壁部5との融着個所に対応する領域を目視しながらレーザー光を照射することができる。
なお、第3工程による外壁部4の取り付け前(ベース板部1上に外壁部4が配置されていない状態で)内壁部5のレーザー溶接を行うようにしても良い。内壁部5を取り付けた状態の下面視を図5(b)に示す。
さらに、外壁部4の上に蓋部6を取り付け、固着するとパッケージに封入された半導体装置(HIC)が完成する。
前記一実施形態のベース板における半導体素子、下出しリードの配置は図示例に限定されるものではなく、他の寸法、配置にも本発明を適用することができる。
1a 取り付け片
1b 取り付け孔
1c 周縁凹部
1d 中央凹部
1e 下面側凹部
2 半導体素子
3 接続導体
4 外壁部
5 内壁部
6 蓋部
7 下出しリード
L レーザー光
Claims (7)
- 半導体素子およびこの半導体素子に接続された接続導体が実装される金属製のベース板部と、このベース板部と重なる平面形状を有する枠状をなし、その周縁部からベース板部と交差する方向に立ち上がって前記半導体素子および接続導体の実装領域を囲む金属製の外壁部とをそれぞれ所定形状に形成する工程と、
前記ベース板部に前記半導体素子および接続導体を実装する工程と、
前記半導体素子および接続導体が実装されたベース板部に前記外壁部を取り付ける工程と、を有し、
前記ベース板部の周縁部には、前記外壁部に対応する平面形状を有し、外壁部によって囲まれる領域より厚さが薄い部分が形成されている、半導体装置の製造方法。 - 前記ベース板部上の前記外壁部に囲まれた領域に、前記半導体素子および接続導体の実装後、前記領域を区画する内壁部を設ける工程を有する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記外壁部は前記ベース板部にレーザー溶接により融着されている、請求項1または2のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記内壁部が取り付けられる前記ベース板部の一の面の凹部に対応する位置の他の面に下面側凹部を有する、請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ベース板部の他の面から前記下面側凹部を経由して前記内壁部とベース板部との接触部を加熱して融着する工程を有する請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
- 金属製のベース板部と、このベース板部と重なる平面形状を有する枠状をなし、その周縁部からベース板部と交差する交差する方向に立ち上がって前記ベース板部の所定領域を囲む金属製の外壁部と、この外壁部の内側に実装された半導体素子および接続導体と、前記ベース板部と外壁部とを互いに連結する連結部と、を有し、
前記ベース板部の周縁部には、前記外壁部に対応する平面形状を有し、外壁部によって囲まれる領域より厚さが薄い部分が形成されている、
半導体装置。 - 前記ベース板部の一の面の前記外壁部に囲まれた領域を区画する内壁を有し、
前記ベース板部の他の面の前記内壁が取り付けられる個所に対応する位置に下面側凹部を有する、請求項6に記載の半導体装置。
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