JP7094204B2 - レンズ調芯装置およびレンズ調芯方法 - Google Patents
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レンズ把持部が熱膨張によりその設置位置が移動した場合、光ビームが照射方向に設置した観測カメラの視野範囲から外れ光ビームが見えなくこともあり、光軸の調芯フローに従い調芯ができなくなる。
レーザーダイオードからの光ビームを平行光もしくは集光光に変換するためのレンズと、
前記レンズを把持するレンズ把持部と、
前記レンズ把持部を支持するとともに、前記レンズを調芯するため当該レンズ把持部の設定位置を変化させる6軸ステージと、
変換された光ビームの位置を認識し記憶するビーム位置取得部と、
前記6軸ステージの構成部品である各ステージを独立に駆動制御するステージコントローラと、
前記レンズ把持部から前記6軸ステージへの熱移動、あるいは前記6軸ステージの構成部品間の熱移動を遮断する断熱材と、を備え、
前記ビーム位置取得部の光ビームの位置情報並びにビーム形状及び輝度情報を基に、前記ステージコントローラを駆動制御させることにより、前記レンズ把持部の位置を変化させて、前記レンズの調芯を行うことを特徴とするものである。
実施の形態1のレンズ調芯装置の一例について、以下図を用いて説明する。
図1は、レーザーダイオードパッケージ14に対して、レンズ23に接してレンズを直接支持するタブ部25を介して、位置調整されて調芯されたレンズ23が、接着層24により固定されている状態を説明するための図である。ここで、LDパッケージ14は、LD本体13(LDもしくはLDバーで構成。以下同様)、LD本体13への電流通電用のワイヤ、もしくはリボン等の導線(図示せず)、およびLD本体冷却用のLDヒートシンク12を有している。また、図1(a)は、レンズ調芯後の状態を示す平面図、図1(b)はレンズ調芯後の状態を示す正面図である。なお、この図1(b)より判るように、LD本体から出射したレーザー光が、レンズ23のほぼ形状中心を通過するよう調芯された位置でレンズは固定されることが多い(ただし用途による)。
図3は実施の形態1によるLD本体にレンズを調芯するためのレンズ調芯装置の一例を示す側面図である。
また、レンズ調芯中に振動があると、光ビームの位置が変動して調芯が困難となってしまうため、レンズ調芯装置の各構成部品は、全体が除震台である定盤10の上に設置されている。
このように、レンズ調芯装置は、風の影響、あるいは外部からの振動の影響を防ぐ構造を備えたものである。
ただし、レンズ23に近すぎる位置(例えば、レンズ把持用Lブラケットよりレンズ23に近い位置)では、かえってこのレンズ把持部に熱がこもる状態を引き起こす可能性があるため、ここへの断熱材70の配置は避けた方がよい。
実際の調芯においては、LDパッケージ14に電力を供給し、光ビームを出射して行う。光ビームを出射すると、レンズ23の初期位置にも依るが、LD本体13から出た光の半分以上はレンズ23に入ることになり、残りの光はLD周辺部に拡散し、その拡散光が、特に、レンズチャック21に当たることで、この拡散光が当たった部分の温度が上昇する。また図に示すように、調芯装置は防塵等のため定盤カバー51で覆われているので、定盤カバー内の空気も同時に温まることになり、装置全体の温度も少しずつ上昇する。
この調整を行っている間に、レンズ調芯装置全体の温度が上昇するために熱膨張が起き、レンズチャック21の位置が動く。そうすると、各軸を最適位置に調整し、次の軸の調整を始めても、この熱膨張の影響によりレンズチャック21の位置が変動するため、最適な調整位置からレンズ23の位置が外れることに繋がる。
そこで熱膨張の影響が、特にレンズチャック21に及ばないようにする必要があり、そのために断熱材70を使用する。
その後、レンズ23を調芯開始位置へ移動する。
また、レンズの形状中心位置とLDの形状中心位置を合わせるため、レンズ23のx方向位置は、xステージ46を用いて、レンズ23のx方向の外形中心位置に、LD本体13のx方向の外形中心位置を合わせるように配置する。
なお、θxは、θxステージ43を用いて、レンズ23の曲率半径の円弧の接線がLD本体13の前端面と平行となるように調整する。
ここで、レンズ23の外形とLD本体の外形は、目視で確認してもいいし、(図示しない)CCDカメラ等で画像を確認しながら初期位置へ移動させてもよい。
これで全6軸の調整が完了し、上述の小電流の場合においては、狙った位置に光ビームがきている状態となっている(図のステップS1~ステップS6参照)。
この場合、大電流をLD本体に流すことで、LD本体13の発熱量は増加するので、LD本体が接触しているLDヒートシンク12、LD台座11も発熱し、膨張することになる。また、LD本体の発光が増すので、迷光も増える。これらの効果により、小電流でレンズを調整したとしても、大電流を流すことにより、LD本体13の位置とレンズ把持部の位置が変動することになるので、再度の調整が必要になる。
この図に示すように、大電流を通電した場合のレンズのx方向の位置変位量を縦軸に、LDへの通電時間(LDへの通電を開始してからの経過時間。レンズ把持部への加熱時間に相当)を横軸にとっている。
そして、この調芯フローに従ってレンズ位置の調整を行い、最終的にレンズ23の位置調整が完了した後には(ここで、大電流をLD本体に流した場合、図4のフローチャートで右側の手順であるステップS8~ステップS14までの手順を1回のみ実施しただけでは調芯が完了しない場合がある。この場合には、調芯が完了するまで、上記ステップS8~ステップS14のステップを繰り返し実施する)、UVランプ50によりUV光を照射して接着層24を硬化させ、上述のタブ部25を介して、レンズ23をLDヒートシンク12に固定する。
このようにして、レンズ23の固定が完了したら、レンズチャック21のエアチャック機構22のチャックを外す。
これにより、最初に説明した図1に示すLDパッケージに調芯されたレンズが固定されている状態になる。
Claims (5)
- レーザーダイオードからの光ビームを平行光もしくは集光光に変換するためのレンズと、
前記レンズを把持するレンズ把持部と、
前記レンズ把持部を支持するとともに、前記レンズを調芯するため当該レンズ把持部の設定位置を変化させる6軸ステージと、
変換された光ビームの位置を認識し記憶するビーム位置取得部と、
前記6軸ステージの構成部品である各ステージを独立に駆動制御するステージコントローラと、
前記レンズ把持部から前記6軸ステージへの熱移動、あるいは前記6軸ステージの構成部品間の熱移動を遮断する断熱材と、を備え、
前記ビーム位置取得部の光ビームの位置情報並びにビーム形状及び輝度情報を基に、前記ステージコントローラを駆動制御させることにより、前記レンズ把持部の位置を変化させて、前記レンズの調芯を行うことを特徴とするレンズ調芯装置。 - 前記レンズ把持部の材質は、常温付近での線膨張係数が鉄よりも小さいもので構成されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ調芯装置。
- 前記レンズ把持部と前記6軸ステージとの間、あるいは前記6軸ステージの各構成部品間に、前記断熱材を複数の箇所に配置していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズ調芯装置。
- レーザーダイオード本体とレーザーダイオードヒートシンクを構成要素として含むレーザーダイオードパッケージ、および前記レンズ把持部の温度を計測する温度センサを有し、計測した前記レーザーダイオードパッケージおよび前記レンズ把持部の温度を基に、前記ステージコントローラにより、前記レンズ把持部の位置を調整することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレンズ調芯装置。
- レーザーダイオードからの光ビームを平行光もしくは集光光に変換するためのレンズと、
前記レンズを把持するレンズ把持部と、
前記レンズ把持部を支持するとともに、前記レンズを調芯するため当該レンズ把持部の設定位置を変化させる6軸ステージと、
前記6軸ステージの各構成部品を独立に駆動制御するステージコントローラと、
前記レンズを通過後の前記光ビームの位置を認識し記憶するビーム位置取得部と、
前記レンズ把持部から前記6軸ステージへの熱移動、あるいは前記6軸ステージの各構成部品間の熱移動を遮断する断熱材と、
レーザーダイオード本体とレーザーダイオードヒートシンクを構成要素として含むレーザーダイオードパッケージ、および前記レンズ把持部の温度を計測する温度センサと、
UV光を発光するUVランプと、
を、備えたレンズ調芯装置を用いて前記レンズの調芯を行うレンズ調芯方法であって、
前記レンズの外形形状を基準に前記6軸ステージの各構成部品のうち、x方向位置を調整するxステージ、y方向位置を調整するyステージ、z方向位置を調整するzステージ、およびx軸周りの回転角度を調整するθxステージによる調整を行って、レンズ把持部の位置を移動する工程と、
前記レーザーダイオードに通常よりも低い電流を通電する工程と、
前記ビーム位置取得部により得られた画像を基に、z軸周りの回転角度を調整するθzステージ、y軸周りの回転角度を調整するθyステージ、およびz方向位置を調整するzステージによる調整を行ってレンズ把持部の位置を移動する工程と、
前記レーザーダイオードに通常よりも高い電流を通電する工程と、
前記ビーム位置取得部により得られた画像、および計測した前記レーザーダイオードパッケージと前記レンズ把持部の温度を基に、z軸周りの回転角度を調整するθzステージによる調整、前記計測した温度によるレンズ把持部の位置の調整、y軸周りの回転角度を調整するθyステージによる調整、およびz方向位置を調整するzステージによる調整を行って、レンズ把持部の位置を設定完了後、UVランプにより前記レンズの位置を固定する工程と、
を含むことを特徴とするレンズ調芯方法。
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JP2018210254A JP7094204B2 (ja) | 2018-11-08 | 2018-11-08 | レンズ調芯装置およびレンズ調芯方法 |
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