JP7093461B1 - 表刷り用水性インキ組成物及び印刷層付き物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】物品の表面に優れた艶消し感を付与でき、艶戻りが生じにくい表刷り用水性インキ組成物を提供する。【解決手段】バインダー樹脂、マット剤及び水性媒体を含み、前記バインダー樹脂が、水性ウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性アクリルウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記マット剤が、体質顔料及び有機粒子を含み、前記有機粒子の群の平均粒子径が0.1~30μmである、表刷り用水性インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、表刷り用水性インキ組成物及び印刷層付き物品に関する。
プラスチック成形品等の物品の表面に艶消し感を付与するために、物品の表面にマット剤を含む塗液を塗工することが行われている。塗液としては、従来、溶剤系のものが用いられていたが、環境負荷の低減の観点から、水性化が進められている。
特許文献1には、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する水性ポリウレタン、溶融範囲が140~180℃であるポリオレフィンワックス、架橋剤及びマット剤を含有する水性表面処理剤が開示されている。マット剤としてはシリカ粒子又は有機ビーズが使用されている。
特許文献2には、水性ポリウレタン、酸変性非塩素化ポリオレフィン、マット剤及び架橋剤を含有する水性表面処理剤が開示されている。マット剤としてはシリカ粒子が使用されている。
特開2014-70128号公報 特開2014-214199号公報
しかし、特許文献1や特許文献2の水性表面処理剤は、充分な艶消し感を付与できない場合や、艶戻りが生じる場合がある。艶戻りは、他材との接触等によって艶消し感が損なわれ、艶が出る(グロス値が上昇する)現象である。
本発明は、物品の表面に優れた艶消し感を付与でき、艶消し感を付与した部分に艶戻りが生じにくい表刷り用水性インキ組成物、及び優れた艶消し感を有し、艶戻りが生じにくい印刷層付き物品を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]バインダー樹脂、マット剤及び水性媒体を含み、
前記バインダー樹脂が、水性ウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性アクリルウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記マット剤が、体質顔料及び有機粒子を含み、
前記有機粒子の群の平均粒子径が0.1~30μmである、表刷り用水性インキ組成物。
[2]水性ワックスをさらに含む、前記[1]の表刷り用水性インキ組成物。
[3]前記有機粒子の群の平均粒子径が1~10μmである、前記[1]又は[2]の表刷り用水性インキ組成物。
[4]前記有機粒子が、架橋型又は硬化型の樹脂粒子である、前記[1]~[3]のいずれかの表刷り用水性インキ組成物。
[5]前記樹脂粒子の樹脂が、ベンゾグアナミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂及びオレフィン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[4]の表刷り用水性インキ組成物。
[6]前記樹脂粒子の樹脂が、ベンゾグアナミン樹脂である、前記[4]又は[5]の表刷り用水性インキ組成物。
[7]前記有機粒子の含有量が、前記体質顔料と前記有機粒子との合計100質量部に対して3~30質量部である、前記[1]~[6]のいずれかの表刷り用水性インキ組成物。
[8]架橋剤をさらに含む、前記[1]~[7]のいずれかの表刷り用水性インキ組成物。
[9]物品の表面に、前記[1]~[8]のいずれかの表刷り用水性インキ組成物から形成された印刷層が設けられた、印刷層付き物品。
[10]前記印刷層がフレキソ印刷層である、前記[9]の印刷層付き物品。
[11]前記物品が軟包装材料である、前記[9]又は[10]の印刷層付き物品。
本発明によれば、物品の表面に優れた艶消し感を付与でき、艶戻りが生じにくい表刷り用水性インキ組成物、及び優れた艶消し感を有し、艶戻りが生じにくい印刷層付き物品を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための単なる例示であって、本発明をこの実施の形態にのみ限定することは意図されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施することが可能である。
本発明において、水性インキ組成物における「水性」とは、媒体として水を含むことを意味する。
「水性ウレタン樹脂」とは、「水溶性ウレタン樹脂」及び「水分散性ウレタン樹脂(ウレタン樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂ディスパージョン)」の総称である。「水性アクリル樹脂」、「水性アクリルウレタン樹脂」、「水性ワックス」も同様である。
「不揮発分」とは、JIS K 5601-1-2:2008に準拠して測定したものである。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称である。「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の総称である。
本明細書において、「印刷層」とは、表刷り用水性インキ組成物から形成される印刷層のことである。
[表刷り用水性インキ組成物]
本発明の一実施形態に係る表刷り用水性インキ組成物(以下、単に「水性インキ組成物」ともいう。)は、以下に示すバインダー樹脂、マット剤及び水性媒体を含む。
水性インキ組成物は、必要に応じて、水性ワックスをさらに含んでいてもよい。
水性インキ組成物は、必要に応じて、架橋剤をさらに含んでいてもよい。
水性インキ組成物は、必要に応じて、バインダー樹脂、マット剤、水性媒体、水性ワックス及び架橋剤以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、水性ウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性アクリルウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である。バインダー樹脂としてこれらの水性樹脂を用いることで、印刷層の基材への密着性、耐擦過性が良好となる。
バインダー樹脂としては、艶戻り、耐擦過性の観点から、水性ウレタン樹脂が好ましい。
(水性ウレタン樹脂)
水性ウレタン樹脂としては、例えば多価イソシアネート化合物とポリオール化合物との反応生成物が挙げられる。多価イソシアネート化合物は、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する有機化合物である。ポリオール化合物は、1分子中に少なくとも2つの水酸基を有する有機化合物である。
多価イソシアネート化合物としては、例えば脂肪族、脂環式、芳香族等の多価イソシアネート化合物が挙げられる。多価イソシアネート化合物の具体例としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-又は2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート;水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート;m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;上記ジイソシアネートを用いて、アロファネート構造、ヌレート構造、ビウレット構造等を有する多量体化した多価イソシアネート化合物;1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートヘキサン等のトリイソシアネート;4,4’-ジフェニルジメチルメタン-2,2’-5,5’-テトライソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。これらの多価イソシアネート化合物は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子量ポリオールを開始剤として用いて、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を重合して得られるポリエーテルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,8-ノナンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA等の飽和又は不飽和のグリコール類と、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸又はこれらに対応する酸無水物やダイマー酸等とを脱水縮合して得られるポリエステルポリオール;ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオール等のポリオレフィンポリオール;前記二塩基酸又はそれらのジアルキルエステルと、前記ポリエーテルポリオールとを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオール;前記グリコール類と、メチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等とを反応させて得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらのポリオール化合物は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
水性ウレタン樹脂は、例えば、多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを公知の方法により反応させることで得られる。
また、多価イソシアネート化合物とポリオール化合物との反応生成物に対して、加水分解性ケイ素基含有化合物を反応させて、シラノール基を導入してもよい。本明細書において、シラノール基を導入した水性ウレタン樹脂を「シラノール基含有水性ウレタン樹脂」ともいう。
加水分解性ケイ素基含有化合物は、加水分解性ケイ素基を含有する化合物であり、加水分解性ケイ素基に加えて活性水素基をさらに含有することが好ましい。
加水分解性ケイ素基としては、シラノール縮合触媒の存在下又は非存在下で、加水分解を受けたときに生じる加水分解性基がケイ素基原子に結合している基が挙げられる。加水分解性基としては、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。通常、加水分解性基は、1つのケイ素原子に1~3つの範囲で結合している。
活性水素基としては、例えばアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基などが挙げられる。
水性ウレタン樹脂としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えばDIC株式会社製の商品名「ハイドランWLS-210」;日華化学株式会社製の商品名「ネオステッカー400」、「ネオステッカー200」;第一工業製薬株式会社製の商品名「スーパーフレックス500M」;三井化学株式会社製の商品名「タケラックW-6010」、「タケラックWS-5100」、「タケラックWS-4000」、「タケラックW-635」が挙げられる。
水性ウレタン樹脂は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
水性ウレタン樹脂の質量平均分子量は、3000~100000が好ましく、7000~90000がより好ましく、20000~80000がさらに好ましい。水性ウレタン樹脂の質量平均分子量が上記下限値以上であれば、印刷層の耐ブロッキング性がより優れ、上記上限値以下であれば、印刷層の物品に対する密着性、耐擦過性がより優れる。
水性ウレタン樹脂の質量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による質量平均分子量であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される。
水性ウレタン樹脂のガラス転移温度は、-10~130℃が好ましく、20~120℃がより好ましく、40~100℃がさらに好ましい。水性ウレタン樹脂のガラス転移温度が上記下限値以上であれば、耐ブロッキング性がより優れ、上記上限値以下であれば、印刷層の物品に対する密着性、耐擦過性がより優れる。
水性ウレタン樹脂のガラス転移温度は、JIS K 7121に準拠し、以下のようにして測定される。
示差走査熱量計を用い、水性ウレタン樹脂10mgを-100℃から160℃まで、20℃/分の条件で昇温させて得られる曲線(DSC曲線)におけるベースラインと吸熱カーブの接線との交点からガラス転移温度を求める。
(水性アクリル樹脂)
水性アクリル樹脂は、(メタ)アクリレート単位を含む樹脂である。
水性アクリル樹脂としては、例えば(メタ)アクリレートの単独重合体、2種以上の(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリレートと(メタ)アクリレート以外の単量体との共重合体が挙げられる。
水性アクリル樹脂を構成する全ての単量体単位の総質量に対する(メタ)アクリレート単位の割合は、10~100質量%が好ましく、20~100質量%がより好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリレート以外の単量体としては、例えば1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン化合物;スチレン、α-メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸;マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等の不飽和カルボン酸エステルが挙げられる。これらの単量体は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
水性アクリル樹脂の質量平均分子量は、2000~100000が好ましく、3000~80000がより好ましく、4000~60000がさらに好ましい。水性アクリル樹脂の質量平均分子量が上記下限値以上であれば、印刷層の耐溶剤性、耐ブロッキング性がより優れ、上記上限値以下であれば、印刷層の物品に対する密着性がより優れる。
水性アクリル樹脂の質量平均分子量は、水性ウレタン樹脂の質量平均分子量と同様の方法により測定できる。
水性アクリル樹脂のガラス転移温度は、-10~90℃が好ましく、0~90℃がより好ましく、10~90℃がさらに好ましい。水性アクリル樹脂のガラス転移温度が上記下限値以上であれば、印刷層の耐擦過性、耐ブロッキング性がより優れ、上記上限値以下であれば、印刷層の物品に対する密着性がより優れる。
水性アクリル樹脂のガラス転移温度は、水性ウレタン樹脂のガラス転移温度と同様の方法により測定できる。
水性アクリル樹脂は、(メタ)アクリレートと、必要に応じて(メタ)アクリレート以外の単量体とを含む単量体成分を重合することで得られる。
重合方法としては特に限定されないが、例えば公知のラジカル重合開始剤の存在下で、単量体成分を溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等で重合する方法が挙げられる。
水性アクリル樹脂としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば星光PMC株式会社製の商品名「X-436」;アイカ工業株式会社製の商品名「ウルトラゾールA-35」、「ウルトラゾールKJ-1」;BASFジャパン株式会社製の商品名「ジョンクリルPDX-7356」、「ジョンクリルPDX-7696」が挙げられる。
水性アクリル樹脂は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(水性アクリルウレタン樹脂)
水性アクリルウレタン樹脂としては、例えば、多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとの反応生成物、又は多価イソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとの反応生成物が挙げられる。
多価イソシアネート化合物としては、水性ウレタン樹脂の説明において先に例示した多価イソシアネート化合物が挙げられる。
ポリオール化合物としては、水性ウレタン樹脂の説明において先に例示したポリオール化合物が挙げられる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、水性アクリル樹脂の説明において先に例示したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、水性アクリルウレタン樹脂として、例えばコア部にアクリル樹脂を有し、シェル部にウレタン樹脂を有するコアシェル型の樹脂を用いてもよい。
水性アクリルウレタン樹脂の質量平均分子量は、5000~100000が好ましく、6000~90000がより好ましく、6000~80000がさらに好ましい。水性アクリルウレタン樹脂の質量平均分子量が上記下限値以上であれば、印刷層の耐溶剤性、耐ブロッキング性がより優れ、上記上限値以下であれば、印刷層の物品に対する密着性、耐擦過性がより優れる。
水性アクリルウレタン樹脂の質量平均分子量は、水性ウレタン樹脂の質量平均分子量と同様の方法により測定できる。
水性アクリルウレタン樹脂のガラス転移温度は、-30~100℃が好ましく、-30~90℃がより好ましく、-20~90℃がさらに好ましい。水性アクリルウレタン樹脂のガラス転移温度が上記下限値以上であれば、印刷層の耐擦過性、耐ブロッキング性がより優れ、上記上限値以下であれば、水性インキ組成物から形成される印刷層の物品に対する密着性、耐擦過性がより優れる。
水性アクリルウレタン樹脂のガラス転移温度は、水性ウレタン樹脂のガラス転移温度と同様の方法により測定できる。
水性アクリルウレタン樹脂は、多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとを、又は多価イソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとを公知の方法により反応させることで得られる。
水性アクリルウレタン樹脂としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば大成ファインケミカル株式会社製の商品名「WEM-200U」、「WEM-505C」、「WEM-3000」などが挙げられる。
水性アクリルウレタン樹脂は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<マット剤>
マット剤は、体質顔料及び有機粒子を含む。
水性インキ組成物において体質顔料及び有機粒子はそれぞれ、水性媒体に分散している。
体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、カオリン、雲母、マイカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムが挙げられる。
体質顔料は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
有機粒子は、典型的には、25℃において固体である。
有機粒子としては、例えば架橋型又は硬化型の樹脂粒子、未架橋又は未硬化の樹脂粒子が挙げられる。架橋型の樹脂粒子は、架橋性ポリマーを使用した粒子である。硬化型の樹脂粒子は、熱硬化性の樹脂を使用した粒子である。
本明細書において有機粒子は、ベンゾグアナミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフッ化エチレンから選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる。樹脂粒子を構成する樹脂は1種でも2種以上でもよい。
耐擦過性の観点から、有機粒子としては、架橋型又は硬化型の樹脂粒子が好ましい。架橋型又は硬化型の樹脂粒子の樹脂としては、入手容易性の観点から、ベンゾグアナミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂及びオレフィン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、艶戻り、耐擦過性の観点から、ベンゾグアナミン樹脂が特に好ましい。
同量を添加した場合にグロス値の下がり方が顕著な点から、有機粒子としては、屈折率が高いものが好ましい。有機粒子の屈折率は、1.5以上が好ましく、1.6以上がより好ましい。
有機粒子は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
有機粒子の群の平均粒子径は、艶消し感、艶戻りの観点から、0.1μm以上であり、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましく、2μm以上が特に好ましい。
また、有機粒子の群の平均粒子径は、耐擦過性の観点から、30μm以下であり、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。
上記上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。有機粒子の群の平均粒子径は、例えば、0.5~20μm、さらには1~10μm、さらには2~5μmとすることができる。
有機粒子の群の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により求められる体積基準の累積50%粒子径(メディアン径)である。
体質顔料と有機粒子の組み合わせとしては、コロイド炭酸カルシウム又は沈降性硫酸バリウムとベンゾグアナミン樹脂の組み合わせが、艶戻り及び耐擦過性の向上の観点から特に好ましい。
<水性媒体>
水性媒体としては、例えば水;水と有機溶剤との混合溶剤が挙げられる。
混合溶剤における有機溶剤としては、水に可溶であれば特に制限されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール等のアルコール系溶剤;アセトン等のケトン系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
水性媒体の総質量に対する水の含有量は、60~100質量%が好ましく、70~100質量%がより好ましく、80~100質量%がさらに好ましい。
<水性ワックス>
水性ワックスは、印刷層の耐擦過性の向上のために用いられる。
水性ワックスは、従来公知のワックスを水に分散してエマルジョン又はディスパージョンにしたものである。従来公知のワックスとは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、変性パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックスがあり、本明細書において水性ワックスとしてはこれらのものを指す。水性ワックスは1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
水性ワックス中の分散粒子の平均粒子径は、0.1~10μmが好ましく、1~7μmがより好ましく、1~5μmがさらに好ましい。平均粒子径が上記下限値以上であれば、耐擦過性がより優れ、上記上限値以下であれば、艶消し効果がより優れる。
水性ワックス中の分散粒子の平均粒子径は、コールターカウンター法により求められる。
<架橋剤>
架橋剤は、印刷層の物品への密着性、耐擦過性の向上のために用いられる。
架橋剤としては、公知のものを用いることができ、例えばイソシアネート系架橋剤、ブロックイソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が挙げられる。これらの中でも、耐擦過性の観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
イソシアネート系架橋剤の具体例としては、水性ウレタン樹脂の説明において先に例示した多価イソシアネート化合物が挙げられる。ブロックイソシアネート系架橋剤の具体例としては、イソシアネート系架橋剤のブロック剤(例えば、アルコール系化合物、フェノール系化合物、オキシム系化合物、ラクタム系化合物、ピラゾール系化合物、及び活性メチレン化合物等)によるブロック体が挙げられる。カルボジイミド系架橋剤の具体例としては、日清紡ケミカル株式会社製の商品名「カルボジライト」が挙げられる。オキサゾリン系架橋剤の具体例としては、日本触媒株式会社製の商品名「エポクロス」が挙げられる。エポキシ系架橋剤の具体例としては、三菱ケミカル株式会社製の商品名「jER」が挙げられる。アジリジン系架橋剤の具体例としては、日本触媒株式会社製の商品名「ケミタイト」が挙げられる。シランカップリング剤の具体例としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。チタンカップリング剤の具体例としては、チタニウムジ2-エチルヘキソキシビス(2-エチル-3-ヒドロキシヘキソキシド)が挙げられる。
これらの架橋剤は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<他の成分>
他の成分としては、例えば、体質顔料以外の顔料、沈降防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、増粘剤、粘弾性調整剤、消泡剤、滑剤、分散剤、安定剤が挙げられる。これらの任意成分は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
体質顔料以外の顔料としては、例えばアゾ系顔料(モノアゾ、縮合アゾ等)、スレン系顔料(アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系等)、フタロシアニン系顔料(フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等)、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、ピロロピロール系顔料、アニリンブラック、有機蛍光顔料等の有機顔料;天然物(クレー等)、フェロシアン化物(紺青等)、硫化物(硫化亜鉛等)、硫酸塩、酸化物(酸化クロム、亜鉛華、酸化チタン、酸化鉄等)、水酸化物(水酸化アルミニウム等)、ケイ酸塩(群青等)、炭酸塩、炭素(カーボンブラック、グラファイト等)、金属粉(アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛粉等)、焼成顔料等の無機顔料が挙げられる。これらの顔料は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<各成分の含有量>
バインダー樹脂の含有量は、不揮発分換算で、水性インキ組成物の総質量に対して1~50質量%が好ましく、5~45質量%がより好ましく、10~40質量%がさらに好ましい。バインダー樹脂の含有量が上記下限値以上であれば、印刷層の物品に対する密着性、耐擦過性がより優れ、上記上限値以下であれば、印刷層の耐ブロッキング性を許容範囲で容易に維持できる。
マット剤の含有量は、水性インキ組成物の総質量に対して0.1~60質量%が好ましく、1~50質量%がより好ましく、3~40質量%がさらに好ましい。マット剤の含有量が上記下限値以上であれば、艶消し感がより優れ、上記上限値以下であれば、印刷層の物品に対する密着性、耐擦過性がより優れる。
マット剤において、有機粒子の含有量は、体質顔料と有機粒子との合計100質量部に対して3~30質量部が好ましく、3~25質量部がより好ましく、5~25質量部がさらに好ましい。有機粒子の含有量が上記下限値以上であれば、艶戻りの抑制効果、耐擦過性がより優れ、上記上限値以下であれば、艶消し感がより優れる。
水性媒体の含有量は、水性インキ組成物の総質量に対して10~80質量%が好ましく、20~70質量%がより好ましく、30~65質量%がさらに好ましい。水性媒体の含有量が上記下限値以上であれば、水性インキ組成物の流動性が良好となり、上記上限値以下であれば、水性インキ組成物の塗膜の乾燥性が良好となる。
水性インキ組成物が水性ワックスを含む場合、水性ワックスの含有量は、水性インキ組成物の総質量に対して0.1~15質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましく、1~8質量%がさらに好ましい。水性ワックスの含有量が上記下限値以上であれば、耐擦過性がより優れ、上記上限値以下であれば、透明性がより優れる。
架橋剤の含有量は、バインダー樹脂の不揮発分100質量部に対して60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下が特に好ましい。架橋剤の含有量が上記上限値以下であれば、印刷層の靭性が良好となる傾向がある。また、印刷層に架橋剤の官能基が残留しにくい傾向がある。
架橋剤の含有量は0質量部であってもよいが、水性インキ組成物が架橋剤を含む場合、架橋剤の含有量は、バインダー樹脂の不揮発分100質量部に対して1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましく、10質量部以上が特に好ましい。架橋剤の含有量が上記下限値以上であれば、有機粒子として比較的柔らかいものを用いた場合でも、優れた耐擦過性が得られ易い。
上記上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。架橋剤の含有量は、例えば、1~60質量部、さらには3~50質量部、さらには5~40質量部とすることができる。
他の成分の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば特に制限されないが、例えば水性インキ組成物の総質量に対して0~10質量%が好ましく、0~7質量%がより好ましく、0~3質量%がさらに好ましい。
水性インキ組成物が他の成分を含む場合、他の成分の含有量は、水性インキ組成物の総質量に対して0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。他の成分の含有量が上記下限値以上であれば、他の成分による効果が充分に発現される。
<製造方法>
本実施形態の水性インキは、例えばバインダー樹脂、マット剤及び水性媒体、必要に応じて水性ワックス、架橋剤、他の成分を混合することで得られる。
各成分の混合方法としては特に限定されず、種々の方法により各成分を混合することができる。
<用途>
本実施形態の水性インキ組成物は、表刷り用であり、物品の表面に印刷層を形成するために用いられる。
例えば、物品の表面に上述の水性インキ組成物を塗工し、乾燥することで、印刷層付き物品が得られる。
塗工方法としては、特に限定されず、グラビア印刷、フレキソ印刷、ハケ塗り、グラビアコーター法、ダイコーター法、バーコーター法、スプレーコート法、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法及びカーテンコート法等の公知の塗工方法を用いることができる。これらの中でも、品質及び生産性の高さから、フレキソ印刷が好ましい。したがって、印刷層は、フレキソ印刷層であることが好ましい。
乾燥方法としては、物品の表面に塗工された水性インキ組成物の水性媒体を除去できれば特に制限されないが、例えば減圧乾燥、加圧乾燥、加熱乾燥、風乾が挙げられる。加熱する際の温度は、30~150℃が好ましく、40~100℃がより好ましい。
物品としては、特に限定されないが、好ましい一例として、軟包装材料が挙げられる。
ここで、「軟包装」とは、柔軟性を有する材料で構成されている包装材、すなわちフレキシブルパッケージのことであり、食品や日用品等の包装に用いられる。
軟包装材料としては、例えばポリオレフィン(例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(NY)等のプラスチックフィルムが挙げられる。プラスチックフィルムは延伸フィルム(例えば延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム)でも未延伸フィルムでもよい。これらのプラスチックフィルムは1種を単独で用いてもよく2種以上を貼り合わせて使用してもよい。
上述したプラスチックフィルムの表面に、上述の水性インキ組成物を用いて印刷層を形成した後、必要に応じて、印刷が施されたプラスチックフィルムの裏面にラミネート加工を施してもよい。
<作用効果>
以上説明した本実施形態の水性インキ組成物は、上述したバインダー樹脂、水性ワックス、マット剤及び水性媒体を含むので、物品の表面に優れた艶消し感を付与でき、艶戻りが生じにくい。
マット剤が体質顔料を含むことで、優れた艶消し感が得られ易い。しかし、マット剤が体質顔料のみであると、艶戻りが生じやすい。平均粒子径が0.1~30μmの有機粒子を併用することで、優れた艶消し感を確保しつつ、艶戻りを抑制できる。
さらに、印刷層の物品への密着性、耐擦過性も良好であり、特に、有機粒子の平均粒子径が10μm以下であれば、耐擦過性が向上する。
一般に、水性インキは、溶剤系インキと比較して、表刷りされる物品の表面、特にプラスチックフィルム等のプラスチック成形品の表面への密着性や塗膜の強靭性に劣り、該表面に直接印刷した場合、形成される印刷層の耐擦過性が不足する傾向がある。そのため、表刷りへの適用が難しかった。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。後述する実施例5~8、11、12は参考例である。以下において、「NV」は不揮発分である。「部」は「質量部」である。「%」は特に記載がない場合は「質量%」である。
<使用材料>
A1-1:水性ポリウレタン樹脂(ガラス転移温度25℃)、三井化学(株)製「タケラックW-6061」、NV30%。
A2-1:水性アクリル樹脂(ガラス転移温度25℃)、BASFジャパン(株)製「ジョンクリルPDX-7356」、NV46%。
C1-1:炭酸カルシウム粒子、白石工業社製「ホモカルD」、平均粒子径80nm。
C1-2:沈降性硫酸バリウム粒子、堺化学工業社製「沈降性硫酸バリウム200」、平均粒子径0.8μm。
C1-3:湿式シリカ、東ソー・シリカ(株)製「NIPGEL AZ-200」。
C2-1:熱硬化型ベンゾグアナミン樹脂粒子(ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物)、(株)日本触媒製「エポスターMS」、平均粒子径2μm、屈折率1.66、真比重1.4。
C2-2:架橋型アクリル樹脂粒子、根上工業(株)製「アートパールG-800」、平均粒子径6μm、屈折率1.50、真比重1.21。
C2-3:架橋型ウレタン樹脂粒子、根上工業(株)製「アートパールC-800透明」、平均粒子径6μm、屈折率1.51、真比重1.16。
C2-4:架橋型アクリル樹脂粒子、積水化成品工業(株)製「テクポリマーMBX-20」、平均粒子径20μm、屈折率1.49、真比重1.2。
C2-5:架橋型アクリル樹脂粒子の水分散体、(株)日本触媒製「エポスターMX020W」、NV7.5%、平均粒子径0.02μm、屈折率1.54。
C2-6:架橋型アクリル樹脂粒子、綜研化学(株)製「ケミスノーMR-1HG、平均粒子径1μm、屈折率1.49、真比重1.19。
水性ワックス:ポリエチレンワックスディスパージョン、三井化学(株)製「ケミパールW300」、NV40%、平均粒子径3μm。
消泡剤:ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK-024」、破泡性ポリシロキサンと疎水性粒子とポリグリコールの混合物。
粘弾性調整剤:サンノプコ(株)製「SNシックナー612NC」。
架橋剤:カルボジイミド系架橋剤、日清紡ケミカル(株)製「カルボジライトE-04」。
架橋剤:イソシアネート系架橋剤、旭化成(株)製「デュラネートWT30-100」。
<実施例1~13、比較例1~3>
(水性インキ組成物の調製)
表1~2に示す配合に従って各材料を混合し、水性インキ組成物を得た。なお、表中の空欄は、その成分が配合されていないこと(配合量0質量部)を意味する。
(印刷物の作製)
得られた水性インキ組成物をPETフィルム(東洋紡(株)製「東洋紡エステルE-5100」、厚さ25μm)に、ハンドプルーファーを用いて乾燥後塗工量が1.0g/mになるように塗工し、25℃で24時間乾燥させて塗膜(印刷層)を形成し、印刷物を得た。得られた印刷物について以下の評価を行った。結果を表1~2に示す。
(艶消し感の評価)
印刷物の塗膜面のグロス値を測定した。グロス値は、ビックケミー・ジャパン株式会社製「micro-tri-gross S」を使用し、入射角60°での値(60°角反射率)を測定した。測定結果を以下の基準で評価した。
○:グロス値が10以下である。
△:グロス値が10を超え15未満である。
×:グロス値が15を超える。
(艶戻りの評価)
印刷物の塗膜面を爪で20往復擦過し、塗膜の状態を目視にて確認し、以下の基準で評価した。
◎:艶戻りなし。
○:斜めから目視で確認できる程度の軽微な艶戻りが見られる。
△:正面から目視で確認できる程度の艶戻りが見られる。
×:顕著な艶戻り又は塗膜の欠落が見られる。
(耐擦過性の評価)
印刷物から同じ大きさの試験片2枚を切り出した。各試験片を、塗膜面同士を対向させて配置し、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業(株)「AB-301」)を用いて、一方の試験片を固定した状態で他方の試験片を、荷重500gで1000回往復させた。その後、各試験片の塗膜の状態を目視にて確認した。塗膜の欠落が見られた場合は、塗膜の欠落割合(各試験片の合計面積に対する、塗膜が欠落した部分の面積の割合)を求めた。これらの結果を以下の基準で評価した。
◎:塗膜の欠落がほぼ見られない(欠落割合が5%未満)。
○:塗膜の欠落が見られるが、欠落割合が5%以上30%未満である。
△:塗膜の欠落が見られるが、欠落割合が30%以上50%未満である。
×:塗膜の欠落が見られ、欠落割合が50%以上である。
Figure 0007093461000001
Figure 0007093461000002
実施例1~13の水性インキ組成物によれば、良好な艶消し感を付与でき、艶戻りも抑制されていた。特に有機粒子の平均粒子径が10μm以下の実施例1~10、12、13は、耐擦過性も良好であった。
一方、有機粒子を含まない比較例1は、顕著な艶戻りが生じた。
体質顔料を含まない比較例2は、艶消し感、耐擦過性に劣っていた。
有機粒子の平均粒子径が0.1μm未満の比較例3は、艶消し感に劣り、顕著な艶戻りが生じた。

Claims (8)

  1. バインダー樹脂、マット剤及び水性媒体を含み、
    前記バインダー樹脂が、水性ウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性アクリルウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記マット剤が、体質顔料及び有機粒子を含み、
    前記有機粒子の群の平均粒子径が0.1~30μmであり、
    前記有機粒子が、架橋型又は硬化型の樹脂粒子であり、前記樹脂粒子の樹脂が、ベンゾグアナミン樹脂である、表刷り用水性インキ組成物(ただし、酸化チタンを含有するものを除く)
  2. 水性ワックスをさらに含む、請求項1に記載の表刷り用水性インキ組成物。
  3. 前記有機粒子の群の平均粒子径が1~10μmである、請求項1又は2に記載の表刷り用水性インキ組成物。
  4. 前記有機粒子の含有量が、前記体質顔料と前記有機粒子との合計100質量部に対して3~30質量部である、請求項1~のいずれか一項に記載の表刷り用水性インキ組成物。
  5. 架橋剤をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の表刷り用水性インキ組成物。
  6. 物品の表面に、請求項1~のいずれか一項に記載の表刷り用水性インキ組成物から形成された印刷層が設けられた、印刷層付き物品。
  7. 前記印刷層がフレキソ印刷層である、請求項に記載の印刷層付き物品。
  8. 前記物品が軟包装材料である、請求項又はに記載の印刷層付き物品。
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