JP7092024B2 - 酸無水物含有量測定方法 - Google Patents
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Description
本発明は、酸無水物含有量測定方法に関し、より詳しくは、劣化したポリエステルにおける酸無水物の含有量を測定する方法に関する。
熱可塑性を有するポリエステル(熱可塑性ポリエステル)は、強度と柔軟性の両方を有し、エンジニアリングプラスチックとして様々な用途に利用されている。例えば、熱可塑性ポリエステルであるポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)は、フィルム、繊維、飲料用ボトル等で利用されており、その一部はリサイクルも実施されている。
熱可塑性ポリエステルは、熱や光により劣化が進行するが、この劣化の状態を把握することは、工業上重要となる。光や熱により劣化した熱可塑性ポリエステルには、酸無水物構造が含まれる状態となる(非特許文献1)。この酸無水物構造が加水分解されると、分子鎖切断によって材料の強度低下を招くことから、酸無水物構造の含有量は、熱可塑性ポリエステルの劣化を評価する上で重要な指標といえる。
しかしながら、高分子の分子構造の定量測定に有効な赤外分光測定(IR測定)、水素原子を対象とした核磁気共鳴分光法(1H NMR測定)のいずれを用いても、既存の方法では、熱可塑性ポリエステルにおける酸無水物構造の含有量を測定するのは困難である。
IR測定は、劣化した熱可塑性ポリエステルに含まれる酸無水物構造を検出可能である(非特許文献1)。ただし、IR測定で得られる赤外吸収スペクトルのピーク強度を濃度に換算するには、測定対象の分子構造の濃度が既知である標準試料を測定して検量線を得る必要がある(非特許文献2、68,69頁)。熱可塑性ポリエステルの劣化による生成物である酸無水物構造を、任意の濃度で含む熱可塑性ポリエステルの標準試料は、入手することが困難であることから、IR測定による酸無水物構造の含有量の定量は難しい。
一方、1H NMR測定は、プロトンスペクトルの積分値の比から濃度の算出が可能であり、定量測定のための標準試料を必要としない。しかしながら、劣化した熱可塑性ポリエステル中に含まれる酸無水物構造を、1H NMRで測定した報告例がない。熱可塑性ポリエステルの一般的な測定条件として、試料となる熱可塑性ポリエステルを溶解させる溶媒に、重水素化クロロホルム(CDCl3)と、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール-2d(HFIP-2d)の混合溶媒、あるいは、重水素化クロロホルム(CDCl3)とトリフルオロ酢酸-d(TFA-d)の混合溶媒が用いられている(非特許文献2,86,87頁)。1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール-2d(HFIP-2d)は、重水素化した1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールである。
しかしながら、これらの溶媒を用いた測定では、酸無水物構造に由来するピークが、溶媒の成分に由来する他のピークと重なってしまい、酸無水物構造に由来するピークが検出できない。
また、熱可塑性ポリエステルの芳香族カルボン酸末端を定量測定する方法として、重水素化クロロホルム(CDCl3)と1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール-2d(HFIP-2d)との混合溶媒に試料となる熱可塑性ポリエステルを溶解させ、この混合溶液にアミンを添加し、アミンを添加した混合溶液を加温して、熱可塑性ポリエステルの芳香族カルボン酸末端を定量測定に供する方法も知られている。この測定では、酸無水物構造は分解してしまい、この分解生成物に由来するピークを他の成分のピークと区別して検出して定量することは困難である。
T. Grossetete et al., "Photochemical degradation of poly(ethylene terephthalate)-modified copolymer", Polymer, vol. 41, pp. 3541-3554, 2000.
日本分析化学会 編、原口 紘、石田 英之、大谷 肇、鈴木 孝治、関 宏子、渡會 仁編集委員、大谷 肇、佐藤 信之、高山 森、松田 裕生、後藤 幸孝 著、「日本分析化学会 応用分析4」、2013年発行。
以上に説明したように、従来の測定方法では、劣化したポリエステルにおける酸無水物の含有量が測定できないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、劣化したポリエステルにおける酸無水物の含有量が測定できるようにすることを目的とする。
本発明に係る酸無水物含有量測定方法は、ポリエステルまたはポリエステル分解物からなる試料を、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールおよび有機塩基を含む前処理液に溶解し、試料の反応生成物を得る第1工程と、反応生成物を、重水素化クロロホルムおよび重水素化した1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを含む溶媒に混合した試料液を作製する第2工程と、水素原子を対象とした核磁気共鳴分光法により試料液中の反応生成物の量を測定することで試料の中の酸無水物構造の量を求める第3工程とを備える。
上記酸無水物含有量測定方法の一構成例において、有機塩基は、3級アミンおよび複素環式アミンの少なくとも1つである。
上記酸無水物含有量測定方法の一構成例において、第1工程は、反応生成物を得た後で、反応生成物が溶解している前処理液を濃縮し、第2工程は、反応生成物が溶解している濃縮した前処理液を溶媒に混合して試料液を作製し、濃縮した前処理液の質量Wは、試料の質量wに対し、0.1≦w/W≦0.5の関係が成立している。
上記酸無水物含有量測定方法の一構成例において、水素原子を対象とした核磁気共鳴分光法による試料液中の反応生成物の量の測定は、試料液の温度を30℃以上、50℃以下として実施する。
以上説明したように、本発明によれば、ポリエステルまたはポリエステル分解物からなる試料を、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールおよび有機塩基を含む前処理液に溶解し、試料の反応生成物を得るようにしたので、劣化したポリエステルにおける酸無水物の含有量が測定できる。
以下、本発明の実施の形態に係る酸無水物含有量測定方法について図1を参照して説明する。
まず、第1工程S101で、ポリエステル(熱可塑性ポリエステル)またはポリエステル分解物からなる試料を、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールおよび有機塩基を含む前処理液に溶解し、試料の反応生成物(酸無水物構造の分解生成物)を生成する(得る)。有機塩基は、3級アミンまたは複素環式アミンを用いることができる。なお、後述では、第1工程の処理を「前処理」と称する。
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)へ有機塩基を添加した溶液を前処理液とし、この前処理液に,酸無水物構造を含有する熱可塑性ポリエステルの試料を溶解させることにより,以下に示す反応(A)あるいは反応(B)によって、酸無水物構造(1)を選択的に化学変換させ、酸無水物構造の反応生成物(分解生成物)である化合物(2),(3),(4),(5)を得ることができる。なお、R1は、芳香環,R2は、脂肪族系炭化水素である。
次に、第2工程S102で、得られた反応生成物を、重水素化クロロホルムおよび重水素化した1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを含む溶媒(測定溶媒)に混合した試料液を作製する。この工程では、生成した反応生成物が溶解している前処理液を濃縮し、この濃縮した前処理液を測定溶媒に混合して試料液を作製する。ここで、上述した濃縮は、前処理液がある程度残り、全ての反応生成物が固化せずに前処理液に溶解している状態が維持された範囲で実施する。この濃縮の詳細については、後述する。
次に、第3工程S103で、水素原子を対象とした核磁気共鳴分光法(NMR)により、試料液の中の反応生成物(分解生成物)の量を測定することで試料の中の酸無水物構造の量を求める。第3工程S103では、前述した酸無水物構造の分解生成物の量を、水素原子を対象とした核磁気共鳴分光法で計測することで、試料液中の酸無水物構造の量を求める。求めた酸無水物構造の量(総量)を元に、測定対象の試料(ポリエステル)の劣化を判断する。例えば、劣化判断の対象とする試料の酸無水物構造の測定結果が基準値以上に増加していれば、対象となる試料は劣化しているものと判断できる。
[実施例]
以下、実施例を用いてより詳細に説明する。
以下、実施例を用いてより詳細に説明する。
[試料]
・試料1:ポリエチレンテレフタレート、約2.7mg。
・試料2:以下の化学式(6)で表される酸無水物構造の低分子化合物、約3mg。
・試料3:以下の化学式(7)で表される、HFIPによる化学式(6)の分解生成物、約3mg。
・試料4:以下の化学式(8)で表される、HFIPによる化学式(6)の分解生成物、約3mg。
・試料5:酸無水物構造を含むポリエチレンテレフタレート(ポリエステル分解物)、約3mg。
・試料1:ポリエチレンテレフタレート、約2.7mg。
・試料2:以下の化学式(6)で表される酸無水物構造の低分子化合物、約3mg。
・試料3:以下の化学式(7)で表される、HFIPによる化学式(6)の分解生成物、約3mg。
・試料4:以下の化学式(8)で表される、HFIPによる化学式(6)の分解生成物、約3mg。
・試料5:酸無水物構造を含むポリエチレンテレフタレート(ポリエステル分解物)、約3mg。
[前処理液]
以下の化学式で示される、重水素化されていない1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)に、トリエチルアミン(3級アミン)、またはピリジン(複素環式アミン)を添加して、前処理液とした。
以下の化学式で示される、重水素化されていない1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)に、トリエチルアミン(3級アミン)、またはピリジン(複素環式アミン)を添加して、前処理液とした。
[試料液を作製するための測定溶媒]
・測定溶媒1:Me4Siを0.03%(v/v)含有した重水素化クロロホルム(CDCl3)と、重水素化されている1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール-2d(HFIP-2d)とを、体積比1:1で混合した溶液。
・測定溶媒2:Me4Siを0.03%(v/v)含有したCDCl3と、重水素化されているトリフルオロ酢酸-d(TFA-d)とを、体積比10:1で混合した溶液。
・測定溶媒3:Me4Siを0.03%(v/v)含有したCDCl3とHFIP-2dとを、体積比1:1で混合した溶液1.0mLに、約3mgのイソプロピルアミンを添加した溶液。
・測定溶媒1:Me4Siを0.03%(v/v)含有した重水素化クロロホルム(CDCl3)と、重水素化されている1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール-2d(HFIP-2d)とを、体積比1:1で混合した溶液。
・測定溶媒2:Me4Siを0.03%(v/v)含有したCDCl3と、重水素化されているトリフルオロ酢酸-d(TFA-d)とを、体積比10:1で混合した溶液。
・測定溶媒3:Me4Siを0.03%(v/v)含有したCDCl3とHFIP-2dとを、体積比1:1で混合した溶液1.0mLに、約3mgのイソプロピルアミンを添加した溶液。
[NMR測定]
Varian社の核磁気共鳴装置Oxfordにより、作製した各試料の1H NMR(300MHz)を測定した。各試料は、各測定溶媒(約0.9mL)に溶解させ、T℃で測定した。ケミカルシフトδはppm単位で表し、Me4Siのピークを0ppmとした。
Varian社の核磁気共鳴装置Oxfordにより、作製した各試料の1H NMR(300MHz)を測定した。各試料は、各測定溶媒(約0.9mL)に溶解させ、T℃で測定した。ケミカルシフトδはppm単位で表し、Me4Siのピークを0ppmとした。
[測定するピーク]
・以下の化学式(α)で示されるポリエステルの繰り返し構造における芳香環のプロトン(a)。
・化学式(α)で示されるポリエステルの繰り返し構造におけるエステル結合α位のメチレン基のプロトン(b)。
・以下の化学式(β)で示されるポリエステルのカルボン酸末端のアミン誘導体のプロトン(c),(c’)。
・以下の化学式(6)で示される酸無水物構造の芳香環のプロトン(d),(d’)。
・化学式(6)で示される酸無水物構造のα位のメチレン基のプロトン(e)。
・以下の化学式(7)で示されるHFIP由来のプロトン(f)。
・以下の化学式(8)で示されるHFIP由来のプロトン(g)。
・以下の化学式(9)で示されるポリエステル中の酸無水物構造の分解生成物におけるHFIP由来のプロトン(h)。
・化学式(9)で示されるポリエステル中の酸無水物構造の分解生成物における芳香環のプロトン(i),(i’)。
・以下の化学式(10)で示されるポリエステル中の酸無水物構造の分解生成物のHFIP由来のプロトン(j)。
・以下の化学式(α)で示されるポリエステルの繰り返し構造における芳香環のプロトン(a)。
・化学式(α)で示されるポリエステルの繰り返し構造におけるエステル結合α位のメチレン基のプロトン(b)。
・以下の化学式(β)で示されるポリエステルのカルボン酸末端のアミン誘導体のプロトン(c),(c’)。
・以下の化学式(6)で示される酸無水物構造の芳香環のプロトン(d),(d’)。
・化学式(6)で示される酸無水物構造のα位のメチレン基のプロトン(e)。
・以下の化学式(7)で示されるHFIP由来のプロトン(f)。
・以下の化学式(8)で示されるHFIP由来のプロトン(g)。
・以下の化学式(9)で示されるポリエステル中の酸無水物構造の分解生成物におけるHFIP由来のプロトン(h)。
・化学式(9)で示されるポリエステル中の酸無水物構造の分解生成物における芳香環のプロトン(i),(i’)。
・以下の化学式(10)で示されるポリエステル中の酸無水物構造の分解生成物のHFIP由来のプロトン(j)。
[検討1]
次に、酸無水物構造の分解生成物を測定するためのピーク検出位置について検討する。この検討では、既存のNMR測定方法における酸無水物構造由来のプロトンのピーク検出位置と、熱可塑性ポリエステル由来のプロトンのピーク検出位置とを比較する。
次に、酸無水物構造の分解生成物を測定するためのピーク検出位置について検討する。この検討では、既存のNMR測定方法における酸無水物構造由来のプロトンのピーク検出位置と、熱可塑性ポリエステル由来のプロトンのピーク検出位置とを比較する。
試料1および試料2を、それぞれ測定溶媒1,測定溶媒2,測定溶媒3に溶解させる。測定溶媒1および測定溶媒3に溶解させた試料は、T=50℃で,測定溶媒2に溶解させた試料は、T=25℃で,1H NMRの測定を行った。この測定により得られた酸無水物構造由来のプロトンのピーク検出位置と,熱可塑性ポリエステル由来のプロトンのピーク検出位置を比較した結果を表1に示す。
測定溶媒1,測定溶媒2を用いた場合は,酸無水物構造のプロトンのピークは,いずれも熱可塑性ポリエステルのプロトンのピークと同位置に検出された。また,測定溶媒3を用いて試料2を測定した場合は,芳香環のプロトンのピークが複数確認され,酸無水物構造が分解しており,その分解物のピークの多くは熱可塑性ポリエステルのピークと同位置に検出された。これにより,既存のNMR測定条件では,熱可塑性ポリエステル中に含まれる酸無水物構造を検出することは困難であることが分かった。
[酸無水物構造の定量法]
上述した検討1による検討および考察の結果、各試料中の全テレフタル酸構造に対する酸無水物構造のmol濃度C[mol%]は、分解生成物を対象としたNMR測定で得られた上述のいずれかのプロトンのピークの積分値を用い、「C=4×{(h)+(j)}/{(a)+(c)+(c’)+(i)+(i’)}×100・・・(濃度算出式)」で算出した。
上述した検討1による検討および考察の結果、各試料中の全テレフタル酸構造に対する酸無水物構造のmol濃度C[mol%]は、分解生成物を対象としたNMR測定で得られた上述のいずれかのプロトンのピークの積分値を用い、「C=4×{(h)+(j)}/{(a)+(c)+(c’)+(i)+(i’)}×100・・・(濃度算出式)」で算出した。
[検討2](酸無水物構造の低分子モデル化合物の前処理方法の検討)
次に、第2工程で作製する試料液の検討結果について説明する。発明者らは、前処理によって酸無水物構造を1H NMRの測定で検出可能な化合物へ変換することを検討した。1H NMRの測定で検出可能とするには、熱可塑性ポリエステルおよび測定溶媒のピークとは明瞭に区別できるピークを有する化合物に変換する必要がある。また、上述した変換の過程で,熱可塑性ポリエステルの繰り返し単位に含まれるエステル基、および熱可塑性ポリエステルの末端官能基であるカルボキシル基,水酸基が、酸無水物構造を変換した後の化合物と同じ化合物に変換されてはならない。
次に、第2工程で作製する試料液の検討結果について説明する。発明者らは、前処理によって酸無水物構造を1H NMRの測定で検出可能な化合物へ変換することを検討した。1H NMRの測定で検出可能とするには、熱可塑性ポリエステルおよび測定溶媒のピークとは明瞭に区別できるピークを有する化合物に変換する必要がある。また、上述した変換の過程で,熱可塑性ポリエステルの繰り返し単位に含まれるエステル基、および熱可塑性ポリエステルの末端官能基であるカルボキシル基,水酸基が、酸無水物構造を変換した後の化合物と同じ化合物に変換されてはならない。
発明者らは、上述した要件を満たす化学変換について鋭意検討を重ね,酸無水物構造を反応(A),反応(B)によって化合物(3),化合物(4)に変換し、化合物(3),化合物(4)のHFIP由来のプロトンを検出する方法を検討するに至り、実験で検証することとした。HFIPは、一般的に化学修飾で用いられることはなく,また,化合物(3),化合物(4)の安定性は高くないと予想されることから,この方法は容易に類推されるものではない。
HFIPにトリエチルアミンを添加した溶液に3mgの試料2(化合物6)を溶解させて5分間撹拌し、この溶液を揮発させて除き,約3mgの固体を得た。得られた個体を重水素化クロロホルムに溶解させ,T=25℃で,1H NMRの測定を行ったところ,目的の化合物(7),化合物(8)は得られておらず、以下に示す化合物(11)および化合物(12)のピークが検出された。化合物(11),化合物(12)のピークはいずれも,熱可塑性ポリエステルのピークとの区別が困難であり、この方法では酸無水物構造由来のピークの検出は不可能であることが分かった。上記方法により化合物(7),化合物(8)が得られなかった原因は,酸無水物構造が、反応(A),反応(B)によって化合物(7),化合物(8)になった後,溶媒を揮発させる過程でHFIPが脱離したためと考えられる。
[検討3]
検討2では、酸無水物構造を分解した後、HFIPをほぼ完全に揮発させたが、この過程で、化合物(7)、化合物(8)のHFIP由来の部分が脱離してしまったと考えられるため、HFIPを少量残すようにして溶液を濃縮することを検討した。一般的に、前処理で官能基の化学変換を行った場合、前処理における反応試薬および溶媒は除去してから目的の測定を行うことから、HFIPを少量残した状態で目的の測定を実施する本方法は、容易に類推できるものではない。
検討2では、酸無水物構造を分解した後、HFIPをほぼ完全に揮発させたが、この過程で、化合物(7)、化合物(8)のHFIP由来の部分が脱離してしまったと考えられるため、HFIPを少量残すようにして溶液を濃縮することを検討した。一般的に、前処理で官能基の化学変換を行った場合、前処理における反応試薬および溶媒は除去してから目的の測定を行うことから、HFIPを少量残した状態で目的の測定を実施する本方法は、容易に類推できるものではない。
HFIPにトリエチルアミンを添加した溶液に3mgの試料2を溶解させ、5分間撹拌し、この溶液を揮発させて約12mgの溶液に濃縮した。これを重水素化クロロホルムに溶解させ、T=25℃で、1H NMR測定を行ったところ、HFIPおよび化合物(7)、化合物(8)、化合物(13)、化合物(14)のピークが検出され、以下に示す反応(A’)および反応(B’)が定量的に進行したことが確認できた。また、化合物(7)、化合物(8)のHFIP部分のプロトンピーク(f)、プロトンピーク(g)は、いずれも5.96ppm付近に検出され、熱可塑性ポリエステルや溶媒由来のピークとは区別できることが確認できた。なお、化合物(7)、化合物(8)のピークは、試料3および試料4を、それぞれ重水素化クロロホルムを溶媒として用いて測定して確認した。
以上の検討の結果より、第1工程は、反応生成物を得た後で、反応生成物が溶解している前処理液を濃縮し、第2工程は、反応生成物が溶解している濃縮した前処理液を溶媒に混合して試料液を作製する。
次に、実験の結果を用いて説明する。
[実験1]
3mgの試料5を、HFIPに有機塩基としてトリエチルアミンを添加した前処理液に溶解させ、5分間撹拌した。これにより、前処理液の中には、試料5の反応生成物が得られる。次に、試料5を溶解して5分間撹拌した前処理液の溶媒を揮発させ、12mgに濃縮した。この濃縮液を測定溶媒3に溶解させて試料液を作製し、試料液の温度T=50℃で1H NMRの測定を行ったところ,(h)および(j)のピークが確認された。
3mgの試料5を、HFIPに有機塩基としてトリエチルアミンを添加した前処理液に溶解させ、5分間撹拌した。これにより、前処理液の中には、試料5の反応生成物が得られる。次に、試料5を溶解して5分間撹拌した前処理液の溶媒を揮発させ、12mgに濃縮した。この濃縮液を測定溶媒3に溶解させて試料液を作製し、試料液の温度T=50℃で1H NMRの測定を行ったところ,(h)および(j)のピークが確認された。
(h),(j):δ6.00ppm
ピーク積分値を濃度算出式に代入すると、「C=4×{h+j}/{a+c+c’+i+i’}×100=4×0.32/43.28×100=3.0」となり、全芳香環に対する酸無水物構造のmol濃度は,約3.0mol%であると算出された。
なお、実験1では、熱可塑性ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレートを試料としたが,上述した測定方法は、ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリネオペンチルテレフタレート(PNT),ポリネオペンチルイソフタレートや、これらの共重合体においても適用可能な方法であることは容易に類推できる。
[実験2:実験1の有機塩基をピリジンに変更]
3mgの試料5をHFIPに有機塩基としてピリジンを添加した前処理液に溶解させ、5分間撹拌した。これにより、前処理液の中には、試料5の反応生成物が得られる。次に、試料5を溶解して5分間撹拌した前処理液の溶媒を揮発させ、12mgに濃縮した。この濃縮液を測定溶媒3に溶解させて試料液を作製し、試料液の温度T=50℃で1H NMRの測定を行った。実験1と同様の測定結果が得られた。
3mgの試料5をHFIPに有機塩基としてピリジンを添加した前処理液に溶解させ、5分間撹拌した。これにより、前処理液の中には、試料5の反応生成物が得られる。次に、試料5を溶解して5分間撹拌した前処理液の溶媒を揮発させ、12mgに濃縮した。この濃縮液を測定溶媒3に溶解させて試料液を作製し、試料液の温度T=50℃で1H NMRの測定を行った。実験1と同様の測定結果が得られた。
有機塩基としては,トリエチルアミンに代表される3級アミンおよびピリジンに代表される複素環式アミンが利用でき,トリプロピルアミン,トリブチルアミン,N-エチルジイソプロピルアミン,ピロール,イミダゾール,トリアゾールなども利用可能であることは容易に類推できる。
[実験3:実験1の試料の質量wと、濃縮した前処理液の質量Wの関係w/Wを変更]
実験1のw/Wの値を変更して測定を実施し,酸無水物濃度を算出した結果を表2に示す。w/W>0.5の場合は、w/W≦0.5の場合と比べてmol濃度Cの算出結果が小さかった。これは,(h),(j)のピーク積分値が小さかったためであり,w/W>0.5では,検討2で説明したように、化合物(8),化合物(9)のHFIP部分が脱離してしまったと考えられる。また,w/W<0.1の場合、(h),(j)のピークは検出されたが、スペクトル全体のベースラインにゆがみがみられた。これは、重水素化されていないHFIPを測定溶液中に多量に含むことで,HFIPのプロトンの強いシグナルが観測されたことが影響したと考えられる。これらの結果より,酸無水物含有量測定方法の適用範囲としては,0.1≦w/W≦0.5が望ましいといえる。
実験1のw/Wの値を変更して測定を実施し,酸無水物濃度を算出した結果を表2に示す。w/W>0.5の場合は、w/W≦0.5の場合と比べてmol濃度Cの算出結果が小さかった。これは,(h),(j)のピーク積分値が小さかったためであり,w/W>0.5では,検討2で説明したように、化合物(8),化合物(9)のHFIP部分が脱離してしまったと考えられる。また,w/W<0.1の場合、(h),(j)のピークは検出されたが、スペクトル全体のベースラインにゆがみがみられた。これは、重水素化されていないHFIPを測定溶液中に多量に含むことで,HFIPのプロトンの強いシグナルが観測されたことが影響したと考えられる。これらの結果より,酸無水物含有量測定方法の適用範囲としては,0.1≦w/W≦0.5が望ましいといえる。
[実験4:実験1の測定における試料液の温度T℃の値を変更]
試料液の温度Tの値を変更して測定を実施し、NMR測定チャートのベースラインの安定性を確認した結果を表3に示す。T=20℃ではベースラインが安定しなかった。これは、HFIPとクロロホルムの混和が、T=20では不十分であったためと考えられる。また、T=55でもベースラインが安定しなかった。これは、HFIPの沸点は58℃であり、55℃でNMR測定を実施すると、試料液を収容する測定用のサンプルチューブ内でHFIPが少量気化してしまい、クロロホルムとの混合比が一定にならないためと考えられる。
試料液の温度Tの値を変更して測定を実施し、NMR測定チャートのベースラインの安定性を確認した結果を表3に示す。T=20℃ではベースラインが安定しなかった。これは、HFIPとクロロホルムの混和が、T=20では不十分であったためと考えられる。また、T=55でもベースラインが安定しなかった。これは、HFIPの沸点は58℃であり、55℃でNMR測定を実施すると、試料液を収容する測定用のサンプルチューブ内でHFIPが少量気化してしまい、クロロホルムとの混合比が一定にならないためと考えられる。
本発明に係る酸無水物含有量測定方法は、ポリエステルにおける酸無水物の含有量の測定(定量)を目的としているため、NMR測定において積算を重ねる必要があり、積算を重ねる間にベースラインがずれてしまうと測定の正確さが低下する。表3に示した結果より、測定における試料液の温度Tは、30≦T≦50が好適に用いられるといえる。
以上に説明したように、本発明では、ポリエステルまたはポリエステル分解物からなる試料を、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールおよび有機塩基を含む前処理液に溶解し、試料の反応生成物を得るようにしたので、劣化したポリエステルにおける酸無水物の含有量が測定できるようになる。
既存の測定方法では、熱可塑性ポリエステルに含まれる酸無水物構造の含有量を測定することは困難であった。直接測定が困難な分子構造を検出するには、検出対象としていた分子構造を、検出可能な分子構造に変換することが考えられるが、この変換反応の選択は重要である。これは、熱可塑性ポリエステルは、酸無水物構造以外にも化学変換されうる官能基(置換基)として、カルボン酸、水酸基を含んでいるためである。
発明者らは、ポリエステルにおける酸無水物構造を選択的に化学変換できる試薬として1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)に着目した。HFIPは、一般的に化学修飾で用いられる薬品ではなく、HFIPを用いた酸無水物構造の化学変換は、前処理方法として新しいものである。
ところで、HFIPを用いた化学変換を試行したところ、一般的な前処理作業で行われるように、前処理で用いた反応溶液を全て除去してしまうと、目的の化合物が得られないことが明らかになった。発明者らは、この原因は、反応溶液を全て除去すると化学変換後の化合物が分解してしまうためと考察した。この考察を元に、前処理条件について鋭意検討した結果、酸無水物構造の化学変換を実施した反応溶液を少量残した状態でNMR測定を実施することで、酸無水物構造を化学変換した化合物を検出でき、酸無水物構造の含有量が定量できることが明らかになった。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
Claims (4)
- ポリエステルまたはポリエステル分解物からなる試料を、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールおよび有機塩基を含む前処理液に溶解し、前記試料の反応生成物を得る第1工程と、
前記反応生成物を、重水素化クロロホルムおよび重水素化した1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを含む溶媒に混合した試料液を作製する第2工程と、
水素原子を対象とした核磁気共鳴分光法により前記試料液の中の前記反応生成物の量を測定することで前記試料の中の酸無水物構造の量を求める第3工程と
を備える酸無水物含有量測定方法。 - 請求項1記載の酸無水物含有量測定方法において、
前記有機塩基は、3級アミンおよび複素環式アミンの少なくとも1つであることを特徴とする酸無水物含有量測定方法。 - 請求項1または2記載の酸無水物含有量測定方法において、
前記第1工程は、前記反応生成物を得た後で、前記反応生成物が溶解している前記前処理液を濃縮し、
前記第2工程は、前記反応生成物が溶解している濃縮した前記前処理液を前記溶媒に混合して前記試料液を作製し、
濃縮した前記前処理液の質量Wは、前記試料の質量wに対し、0.1≦w/W≦0.5の関係が成立している
ことを特徴とする酸無水物含有量測定方法。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の酸無水物含有量測定方法において、
水素原子を対象とした核磁気共鳴分光法による前記試料液の中の前記反応生成物の量の測定は、前記試料液の温度を30℃以上、50℃以下として実施することを特徴とする酸無水物含有量測定方法。
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