JP7091576B2 - 電動パーキングブレーキシステム - Google Patents

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Description

本発明は、電動パーキングブレーキシステムに関する。
従来、車の駐車時に電動モータによる牽引力でパーキングブレーキを作動させる電動パーキングブレーキシステムが知られている。特許文献1には、ドラム式のブレーキ装置を備えた電動パーキングブレーキシステムが開示されている。当該電動パーキングブレーキシステムにおいては、電動モータの回転力がブレーキケーブルの牽引力に変換され、ブレーキレバーがブレーキケーブルによって牽引される。そして、ブレーキレバーによって、ドラムの内側に配置されたブレーキシューがドラムの内面に押し付けられ、その摩擦力によって後輪が制動される。
特許第4470928号
しかしながら、気温が大きく変化した場合、ブレーキ装置による制動力が低下することがある。例えば、気温が低いときに坂道に駐車してブレーキ装置を作動させた後、気温が上昇すると、ドラムが熱膨張して、ブレーキシューのドラム内面への押し付けが足りなくなり、制動力が低下する。この場合、制動力の不足により駐車した車が動き出すおそれがある。特許文献1には、温度による加速度センサの検出誤差を見越して、検出した加速度を補正することが記載されている。しかし、特許文献1では、気温の上昇によるドラムの熱膨張については考慮されていない。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、駐車時から気温が上昇することによる制動力不足を解消できる電動パーキングブレーキシステムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明によって提供される電動パーキングブレーキシステムは、ドラムを有するブレーキ装置と、ブレーキケーブルを牽引することで、前記ブレーキ装置を作動させる電動モータと、前記電動モータを制御する制御装置と、気温を検出する気温センサとを備え、前記制御装置は、前記気温センサが検出した気温に基づいて、気温が上昇して前記ドラムが熱膨張することによる制動力の低下を抑制するために、前記電動モータの出力を増加させることを特徴とする。
本発明によると、制御装置は、気温センサが検出した気温に基づいて、気温が上昇してドラムが膨張することによる制動力の低下を抑制するために、電動モータの出力を増加させる。したがって、気温が上昇してドラムが膨張することによる制動力不足を解消できる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る電動パーキングブレーキシステムが適用された車の構成を示す概略ブロック図である。 第1実施形態に係るパーキングブレーキ制御処理を説明するためのフローチャートの一例を示す図である。 第2実施形態に係る電動パーキングブレーキシステムが適用された車の構成を示す概略ブロック図である。 第2実施形態に係るパーキングブレーキ制御処理を説明するためのフローチャートの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る電動パーキングブレーキシステムが適用された車1の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、車1は、EPB(Electric Parking Brake)-ECU(Electric Control Unit)2、パーキングスイッチ31、加速度センサ32、気温センサ33、時計34、張力センサ35、アクチュエータ5、ブレーキケーブル51およびブレーキ装置6を備えている。なお、車1はその他の構成も備えているが、図1においては記載を省略している。EPB-ECU2、パーキングスイッチ31、気温センサ33、時計34、アクチュエータ5、ブレーキケーブル51およびブレーキ装置6が、電動パーキングブレーキシステム11を構成する。
パーキングスイッチ31は、駐車時にブレーキ装置6を作動させるための操作部であり、車1の運転者などによって操作される。パーキングスイッチ31の操作による操作信号は、EPB-ECU2に入力される。運転者がパーキングスイッチ31をオンにした場合、オン操作に基づく信号がEPB-ECU2に入力される。EPB-ECU2は、オン操作に基づく信号が入力された場合、ブレーキ装置6を作動させる。一方、運転者がパーキングスイッチ31をオフにした場合、オフ操作に基づく信号がEPB-ECU2に入力される。EPB-ECU2は、オフ操作に基づく信号が入力された場合、ブレーキ装置6の作動を解除させる。
加速度センサ32は、車1の前後方向に作用する加速度を検出するセンサである。加速度センサ32は、検出した加速度をEPB-ECU2に出力する。
気温センサ33は、車1の周囲の気温を検出するセンサである。気温センサ33は、検出した気温をEPB-ECU2に出力する。
時計34は、現在の時刻をEPB-ECU2に出力する。
張力センサ35は、ブレーキケーブル51の張力を検出するセンサである。張力センサ35は、検出した張力をEPB-ECU2に出力する。
ブレーキ装置6は、後輪用のブレーキ装置であって、ドラム式のブレーキ装置である。なお、実際は後輪が2個あるので、ブレーキ装置6も2個あるが、図1においては、一方の後輪のブレーキ装置6に関する部分のみを記載している。ブレーキ装置6は、ドラム61、一対のブレーキシュー62、ホイールシリンダ63、およびブレーキレバー64を備えている。
ドラム61は、車軸とともに回転する円筒形状の部材である。一対のブレーキシュー62は、ドラム61の内側に配置され、バネによって、それぞれドラム61の内面から離れる方向に付勢されている。ホイールシリンダ63は、ブレーキペダル(図示なし)で操作されるマスタシリンダ(図示なし)から加えられる液圧によって、一対のブレーキシュー62を互いに反対側に拡開させて、ドラム61の内面に押し付ける。そして、ドラム61とブレーキシュー62との摩擦力によってドラム61の回転が抑制され、後輪が制動される。
ブレーキレバー64は、ブレーキケーブル51の牽引により、一対のブレーキシュー62を互いに反対側に拡開させて、ドラム61の内面に押し付ける。なお、ブレーキレバー64がブレーキシュー62を拡開させる具体的な構造は限定されず、図示および説明を省略する。
なお、ブレーキ装置6は、ホイールシリンダ63を備えず、ブレーキケーブル51とブレーキレバー64とによって、ブレーキシュー62をドラム61の内面に押し付ける、パーキングブレーキ専用のブレーキ装置であってもよい。この場合、液圧によってブレーキパッドでディスクロータを挟み込むディスク式のブレーキ装置などが別途設けられている。
アクチュエータ5は、EPB-ECU2からの指令により、ブレーキケーブル51を牽引することで、ブレーキ装置6を作動させる。アクチュエータ5は、電動モータ52を備えている。電動モータ52は、図示しないバッテリから電力を供給される。アクチュエータ5は、EPB-ECU2からブレーキの作動指令を入力されている間、電動モータ52の回転軸を正方向に回転させ、その回転力を図示しないギア列およびねじ機構により牽引力に変換して、ブレーキケーブル51を牽引する。これにより、一対のブレーキシュー62がドラム61の内面に押し付けられて、制動力が増加する。また、アクチュエータ5は、EPB-ECU2からブレーキの解除指令を入力された場合、電動モータ52の回転軸を逆方向に回転させて、ブレーキケーブル51の牽引を解除させる。これにより、一対のブレーキシュー62はドラム61の内面から離されて、制動力が減少する。EPB-ECU2から指令を受けていない間は、電動モータ52が回転しないので、ブレーキケーブル51にかかる張力は固定されて、制動力が維持される。なお、アクチュエータ5の構成は限定されず、EPB-ECU2からの指令に基づいて、ブレーキケーブル51の牽引および解除を行えればよい。
EPB-ECU2は、駐車時にブレーキ装置6を作動させるための電子制御を行うものであり、CPUおよびメモリを備えたマイクロコンピュータによって実現されている。EPB-ECU2は、パーキングスイッチ31から入力される操作信号に基づいて、ブレーキ装置6を制御する。具体的には、EPB-ECU2は、パーキングスイッチ31からオン操作に基づく操作信号が入力された場合にブレーキ装置6を作動させ、パーキングスイッチ31からオフ操作に基づく操作信号が入力された場合にブレーキ装置6の作動を解除させる。EPB-ECU2が、本発明の「制御装置」に相当する。EPB-ECU2は、ブレーキ装置6の作動のための機能ブロックとして、傾斜推定部21、ドラム膨張推定部22、必要制動力演算部23、および制動制御部24を備える。
傾斜推定部21は、車1を駐車させる道路の路面傾斜度を推定するブロックである。傾斜推定部21は、加速度センサ32から車1の前後方向に作用する加速度を入力され、当該加速度に基づいて車1の前後方向の路面傾斜度を推定する。運転者がパーキングスイッチ31を操作して、ブレーキ装置6を作動させる状況なので、車1は停車している。したがって、車1の前後方向に作用する加速度は、重力に基づく加速度だけである。よって、車1の前後方向における傾斜を演算することが可能であり、車1の前後方向に平行である路面傾斜度を推定できる。なお、傾斜推定部21は、車1が停車状態であることを確認するために、図示しない車速センサによって検出された車速を用いてもよい。また、傾斜推定部21は、車1の積荷による傾きや気温による加速度センサ32の誤差を補正して、路面傾斜度を推定してもよい。傾斜推定部21は、推定した路面傾斜度を必要制動力演算部23に出力する。
ドラム膨張推定部22は、ドラム61が熱膨張する可能性があるか否かを推定するブロックである。ドラム膨張推定部22は、気温センサ33から入力された気温と、時計34から入力された現在時刻とに基づいて、ドラム61の熱膨張の可能性を推定する。具体的には、ドラム膨張推定部22は、気温が所定温度(例えば-20°)以下であり、かつ、現在時刻が1日のうち気温が低くなる所定時刻範囲(例えば2時~5時)内である場合に、気温の上昇によって、ドラム61が熱膨張する可能性があると推定する。また、それ以外の場合には、気温の上昇によってドラム61が熱膨張する可能性がないと推定する。なお、所定温度および所定時刻範囲は限定されない。ドラム膨張推定部22は、推定結果を必要制動力演算部23に出力する。なお、ドラム膨張推定部22による推定方法は限定されない。例えば、ドラム膨張推定部22は、より簡略化して、気温が所定温度以下である場合に、気温が上昇する可能性が高いと判断して、ドラム61が熱膨張する可能性があると推定してもよい。また、車1の外部と無線通信を行う通信装置36(図1において破線で示す)が今後の気温の予測情報を受信して、ドラム膨張推定部22が、当該予測情報に基づいて、気温が現在の気温より所定以上上昇すると判断した場合に、ドラム61が熱膨張する可能性があると推定してもよい。すなわち、ドラム膨張推定部22は、入手した検出値および情報から、気温が上昇すると推定できる場合に、ドラム61が熱膨張する可能性があると推定すればよい。
必要制動力演算部23は、車1を制動させるために必要な制動力である必要制動力Pを演算するブロックである。必要制動力演算部23は、あらかじめ記憶されている車1の重量と、傾斜推定部21より入力される路面傾斜度とに基づいて、必要制動力Pを演算する。路面傾斜度が大きいほど、必要制動力Pは大きくなる。必要制動力演算部23は、路面傾斜度と必要制動力Pとの関係をテーブルやマップとして記憶しておいてもよいし、路面傾斜度と必要制動力Pとの関係を表す演算式を用いてもよい。また、必要制動力演算部23は、ドラム膨張推定部22から、ドラム61が熱膨張する可能性があるとの推定結果を入力された場合、演算した必要制動力Pを補正する。具体的には、必要制動力演算部23は、当該推定結果を入力された場合、ドラム61が熱膨張した後でも制動力が不足しないように、演算した必要制動力Pを増加させるように補正する。必要制動力演算部23は、所定値だけ増加させることで当該補正を行ってもよいし、所定割合だけ増加させることで当該補正を行ってもよい。また、増加値(増加割合)は固定値に限定されず、例えば路面傾斜度に応じて変化させてもよい。また、推定される熱膨張の程度に応じて変化させてもよい。この場合、ドラム膨張推定部22は、推定結果とともに、推定される熱膨張の程度も必要制動力演算部23に出力すればよい。ドラム膨張推定部22は、例えば、気温センサ33から入力された気温が低いほど、推定される熱膨張の程度を高くすることが考えられる。必要制動力演算部23は、算出した必要制動力Pを、制動制御部24に出力する。
なお、必要制動力演算部23は、ブレーキ装置6の内部温度やバッテリ電圧などに基づいて、必要制動力Pを補正してもよい。ブレーキ装置6の内部温度が高いほど、ドラム61とブレーキシュー62との摩擦係数が低下するので、制動力が低下する。したがって、必要制動力Pは、内部温度が高いほど大きくなるように補正されてもよい。また、バッテリ電圧が低いほど、電動モータ52の出力が低下するので、制動力が低下する。したがって、必要制動力Pは、バッテリ電圧が低いほど大きくなるように補正されてもよい。必要制動力演算部23は、内部温度およびバッテリ電圧と必要制動力Pの補正量との関係をテーブルやマップとして記憶しておいてもよいし、内部温度およびバッテリ電圧と必要制動力Pの補正量との関係を表す演算式を用いてもよい。なお、必要制動力演算部23は、内部温度またはバッテリ電圧のいずれか一方に基づいて必要制動力Pを補正してもよいし、その他の検出値も用いて、必要制動力Pを補正してもよい。
制動制御部24は、ブレーキ装置6を作動させるための具体的な制御を行うブロックである。制動制御部24は、必要制動力演算部23から入力された必要制動力Pに基づいて、アクチュエータ5に作動指令を出力する。具体的には、制動制御部24は、必要制動力演算部23から入力された必要制動力Pに対応する目標張力を取得する。必要制動力Pが大きいほど、目標張力は大きくなる。制動制御部24は、必要制動力Pと目標張力との対応関係をテーブルやマップとして記憶しておいてもよいし、必要制動力Pと目標張力との対応関係を表す演算式を用いてもよい。制動制御部24は、張力センサ35が検出した張力が、目標張力になるまで、アクチュエータ5に作動指令を出力する。
図2はEPB-ECU2が行うパーキングブレーキ制御処理を説明するためのフローチャートの一例である。
まず、パーキングスイッチ31からオン操作に基づく信号が入力されたか否かが判別される(S1)。オン操作に基づく信号が入力されていない場合(S1:NO)、ステップS1に戻って、当該判定が繰り返される。
オン操作に基づく信号が入力された場合(S1:YES)、路面傾斜度が推定される(S2)。具体的には、傾斜推定部21が、加速度センサ32より入力される加速度に基づいて、車1の前後方向の路面傾斜度を推定する。次に、必要制動力演算部23によって、必要制動力Pが演算される(S3)。
次に、気温センサ33が検出した気温が取得される(S4)。次に、時計34によって、現在時刻が取得される(S5)。次に、ドラム膨張推定部22によって、ドラム61が熱膨張する可能性があるか否かが推定される(S6)。具体的には、ドラム膨張推定部22は、気温が所定温度以下であり、かつ、現在時刻が所定時刻範囲内である場合に、ドラム61が熱膨張する可能性があると推定し、それ以外の場合に、ドラム61が熱膨張する可能性がないと推定する。
ドラム膨張推定部22によって、ドラム61が熱膨張する可能性があると推定された場合(S6:YES)、必要制動力演算部23によって、必要制動力Pが補正され(S7)、ステップS8に進む。一方、ドラム膨張推定部22によって、ドラム61が熱膨張する可能性がないと推定された場合(S6:NO)、必要制動力Pが補正されずに、ステップS8に進む。
次に、制動制御部24によって、必要制動力Pに対応する目標張力が取得される(S8)。次に、電動モータ52が駆動され(S9)、パーキングブレーキ制御処理は終了する。具体的には、制動制御部24は、張力センサ35が検出した張力が目標張力になるまで、アクチュエータ5に作動指令を出力する。作動指令を入力されている間、アクチュエータ5は、電動モータ52の回転軸を正方向に回転させて、ブレーキケーブル51を牽引することで、ブレーキ装置6を作動させる。作動指令の入力が終了すると、アクチュエータ5は、電動モータ52の回転を停止させる。電動モータ52が回転しないので、ブレーキケーブル51にかかる張力は固定されて、制動力が維持される。
なお、EPB-ECU2が行うパーキングブレーキ制御処理は、上述したフローチャートに示すものに限定されない。
次に、第1実施形態に係る電動パーキングブレーキシステム11の作用効果について説明する。
本実施形態によると、EPB-ECU2は、駐車時にブレーキ装置6を作動させる場合、まず、必要制動力Pを演算する。そして、EPB-ECU2は、気温センサ33から入力された気温と、時計34から入力された現在時刻とに基づいて、ドラム61の熱膨張の可能性があるか否かを推定する。EPB-ECU2は、ドラム61の熱膨張の可能性があると推定した場合、ドラム61が熱膨張した後でも制動力が不足しないように、演算した必要制動力Pを増加させるように補正する。EPB-ECU2は、補正後の必要制動力Pに応じて、アクチュエータ5の電動モータ52を制御する。以上のように、EPB-ECU2は、ドラム61の熱膨張の可能性があると推定した場合に、ドラム61が熱膨張した後でも制動力が不足しないように、電動モータ52の出力を増加させる。したがって、気温が上昇してドラム61が膨張することによる制動力不足を解消できる。
また、本実施形態によると、ドラム膨張推定部22は、気温が所定温度以下であり、かつ、現在時刻が1日のうち気温が低くなる所定時刻範囲内である場合に、ドラム61が熱膨張する可能性があると推定する。気温が所定温度以下であり、かつ、現在時刻が1日のうち気温が低くなる所定時刻範囲内である場合、気温が大きく上昇することが推定できる。したがって、ドラム膨張推定部22は、ドラム61が熱膨張する可能性を、正確に推定することができる。
また、本実施形態によると、元からあるEPB-ECU2のプログラムを変更するだけなので、新たに部品を追加したり、設計変更を行う必要がない。したがって、電動パーキングブレーキシステム11を導入することでの重量の増加はなく、製造コストの増加も抑制できる。
上記第1実施形態においては、駐車時に、ドラム61の熱膨張の可能性を推定し、熱膨張の可能性があれば、ドラム61の熱膨張による制動力不足を見越して、必要制動力Pをあらかじめ大きめに設定する場合について説明したが、これに限られない。駐車後に、温度の上昇に応じて、必要制動力Pを増加させる場合を、第2実施形態として以下に説明する。
図3および図4は、第2実施形態に係る電動パーキングブレーキシステム12を説明するための図である。図3は、第2実施形態に係る電動パーキングブレーキシステム12が適用された車1の構成を示す概略ブロック図である。図4は、第2実施形態に係るパーキングブレーキ制御処理を説明するためのフローチャートの一例を示す図である。なお、これらの図において、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、上記第1実施形態と同一の符号を付している。
図3に示すように、電動パーキングブレーキシステム12は、EPB-ECU2の内部構成が、第1実施形態とは異なる。
EPB-ECU2は、ブレーキ装置6の作動のための機能ブロックとして、傾斜推定部21、ドラム膨張推定部22、必要制動力演算部23、気温差算出部25、および制動制御部24を備える。
傾斜推定部21は、第1実施形態に係る傾斜推定部21と同様である。
気温差算出部25は、駐車時の気温と現在の気温との気温差を算出する。気温差算出部25は、駐車時に気温センサ33から入力された気温を、駐車時気温として記憶する。その後、気温差算出部25は、定期的に、気温センサ33から入力された気温と、記憶された駐車時気温との差を算出し、気温差としてドラム膨張推定部22に出力する。
ドラム膨張推定部22は、ドラム61が熱膨張した可能性があるか否かを推定するブロックである。ドラム膨張推定部22は、気温差算出部25から入力された気温差が所定気温差(例えば20℃)を超えた場合に、気温の上昇によってドラム61が熱膨張した可能性があると推定する。また、気温差が所定気温差を超えるまでは、制動力が不足するほどドラム61が熱膨張していないと推定する。なお、所定気温差は限定されない。ドラム膨張推定部22は、推定結果を制動制御部24に出力する。なお、ドラム膨張推定部22による推定方法は限定されない。例えば、ドラム膨張推定部22は、より簡略化して、気温が所定温度(例えば30℃)以上である場合に、気温が上昇した可能性が高いと判断して、ドラム61が熱膨張した可能性があると推定してもよい。すなわち、ドラム膨張推定部22は、入手した検出値および情報から、現在の気温が駐車時より大きく上昇したと推定できる場合に、ドラム61が熱膨張した可能性があると推定すればよい。
必要制動力演算部23は、第1実施形態に係る必要制動力演算部23と異なり、傾斜推定部21より入力される路面傾斜度に基づいて必要制動力Pを演算して、ドラム61の熱膨張の可能性による補正を行うことなく出力する。なお、第1実施形態に係る必要制動力演算部23と同様に、必要制動力Pにドラム61の熱膨張の可能性による補正を行ってもよい。
制動制御部24は、第1実施形態に係る制動制御部24と同様に、必要制動力演算部23から入力された必要制動力Pに基づいて、アクチュエータ5に作動指令を出力する。また、制動制御部24は、ドラム膨張推定部22から、ドラム61が熱膨張した可能性があるとの推定結果を入力された場合、ドラム61の熱膨張による制動力不足を解消するように、必要制動力演算部23が演算した必要制動力Pに追加必要制動力ΔPを加算する。そして、加算後の必要制動力Pに対応する目標張力を取得する。制動制御部24は、張力センサ35が検出した張力が、目標張力になるまで、アクチュエータ5に作動指令を出力する。なお、車1のエンジンはすでに停止しているが、張力を増加させる方向であれば、電動モータ52を駆動させることが可能になっている。なお、制動制御部24は、追加必要制動力ΔPを加算する代わりに、所定割合だけ増加させてもよい。また、追加必要制動力ΔP(または所定割合)は固定値に限定されず、例えば路面傾斜度に応じて変化させてもよい。また、推定される熱膨張の程度に応じて変化させてもよい。この場合、ドラム膨張推定部22は、推定結果とともに、気温差から推定される熱膨張の程度も制動制御部24に出力すればよい。
図4はEPB-ECU2が行うパーキングブレーキ制御処理を説明するためのフローチャートの一例である。
まず、パーキングスイッチ31からオン操作に基づく信号が入力されたか否かが判別される(S11)。オン操作に基づく信号が入力されていない場合(S11:NO)、ステップS11に戻って、当該判定が繰り返される。
オン操作に基づく信号が入力された場合(S11:YES)、路面傾斜度が推定される(S12)。具体的には、傾斜推定部21が、加速度センサ32より入力される加速度に基づいて、車1の前後方向の路面傾斜度を推定する。次に、必要制動力演算部23によって、必要制動力Pが演算される(S13)。
次に、気温センサ33が検出した気温が取得され、駐車時気温として記憶される(S14)。次に、制動制御部24によって、必要制動力Pに対応する目標張力が取得され(S15)、電動モータ52が駆動される(S16)。具体的には、制動制御部24は、張力センサ35が検出した張力が目標張力になるまで、アクチュエータ5に作動指令を出力する。作動指令を入力されている間、アクチュエータ5は、電動モータ52の回転軸を正方向に回転させて、ブレーキケーブル51を牽引することで、ブレーキ装置6を作動させる。作動指令の入力が終了すると、アクチュエータ5は、電動モータ52の回転を停止させる。電動モータ52が回転しないので、ブレーキケーブル51にかかる張力は固定されて、制動力が維持される。
次に、気温センサ33が検出した現在の気温が取得され(S17)、気温差算出部25によって、現在の気温と駐車時気温との差が気温差として算出される(S18)。次に、ドラム膨張推定部22によって、ドラム61が熱膨張した可能性があるか否かが推定される(S19)。具体的には、ドラム膨張推定部22は、気温差が所定気温差を超えた場合に、ドラム61が熱膨張した可能性があると推定し、気温差が所定気温差を超えるまでは、制動力が不足するほどドラム61が熱膨張していないと推定する。
ドラム膨張推定部22によって、制動力が不足するほどドラム61が熱膨張していないと推定された場合(S19:NO)、ステップS17に戻って、ステップS17~S19が繰り返される。一方、ドラム膨張推定部22によって、ドラム61が熱膨張した可能性があると推定された場合(S19:YES)、必要制動力Pに追加必要制動力ΔPが加算され(S20)、加算後の必要制動力Pに対応する目標張力が取得される(S21)。次に、電動モータ52が駆動され(S22)、ステップS17に戻る。具体的には、制動制御部24は、張力センサ35が検出した張力が目標張力になるまで、アクチュエータ5に作動指令を出力する。作動指令を入力されている間、アクチュエータ5は、電動モータ52の回転軸を正方向に回転させて、ブレーキケーブル51を牽引することで、ブレーキ装置6の制動力を増加させる。作動指令の入力が終了すると、アクチュエータ5は、電動モータ52の回転を停止させる。電動モータ52が回転しないので、ブレーキケーブル51にかかる張力は固定されて、制動力が維持される。
なお、EPB-ECU2が行うパーキングブレーキ制御処理は、上述したフローチャートに示すものに限定されない。
次に、第2実施形態に係る電動パーキングブレーキシステム12の作用効果について説明する。
本実施形態によると、EPB-ECU2は、駐車時にブレーキ装置6を作動させる場合、必要制動力Pを演算し、必要制動力Pに応じて、アクチュエータ5の電動モータ52を制御する。その後、EPB-ECU2は、定期的に、駐車時の気温と現在の気温との気温差を算出し、ドラム61が熱膨張した可能性があるか否かを推定する。EPB-ECU2は、ドラム61が熱膨張した可能性があると推定した場合、ドラム61の熱膨張による制動力不足を解消するように、追加必要制動力ΔPを加算することで必要制動力Pを増加させる。EPB-ECU2は、加算後の必要制動力Pに応じて、アクチュエータ5の電動モータ52を制御する。以上のように、EPB-ECU2は、駐車後に、ドラム61が熱膨張した可能性があると推定した場合に、ドラム61の熱膨張による制動力不足を解消するように、電動モータ52の出力を増加させる。したがって、気温が上昇してドラム61が膨張したことによる制動力不足を解消できる。
また、本実施形態によると、ドラム膨張推定部22は、気温差が所定気温差を超えた場合に、気温の上昇によってドラム61が熱膨張した可能性があると推定する。したがって、ドラム膨張推定部22は、ドラム61が熱膨張する可能性を、正確に推定することができる。
また、本実施形態においても、元からあるEPB-ECU2のプログラムを変更するだけなので、新たに部品を追加したり、設計変更を行う必要がない。したがって、電動パーキングブレーキシステム12を導入することでの重量の増加はなく、製造コストの増加も抑制できる。
なお、本実施形態では、ドラム膨張推定部22が、所定気温差を1つだけ設定し、気温差が当該所定気温を超えたときに1度だけ、制動制御部24が必要制動力Pを増加させる場合について説明したが、これに限られない。気温差に応じて、制動制御部24が必要制動力Pを段階的に増加させてもよい。例えば、ドラム膨張推定部22が、所定気温差を段階的に複数設定(例えば、20℃、30℃、40℃)し、気温差が各所定気温差を超えたことを推定結果として制動制御部24に出力する。そして、制動制御部24が、これらの推定結果に応じて段階的に追加必要制動力ΔPを加算する。この場合、気温差が各所定気温差を超えるごとに必要制動力Pが増加され、これに応じて電動モータ52の出力が増加される。したがって、温度の上昇に合わせて、制動力を段階的に増加させることができる。
本発明に係る電動パーキングブレーキシステムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る電動パーキングブレーキシステムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
1 車
11,12 電動パーキングブレーキシステム
2 EPB-ECU
21 傾斜推定部
22 ドラム膨張推定部
23 必要制動力演算部
24 制動制御部
25 気温差算出部
31 パーキングスイッチ
32 加速度センサ
33 気温センサ
34 時計
35 張力センサ
36 通信装置
5 アクチュエータ
51 ブレーキケーブル
52 電動モータ
6 ブレーキ装置
61 ドラム
62 ブレーキシュー
63 ホイールシリンダ
64 ブレーキレバー

Claims (1)

  1. ドラムを有するブレーキ装置と、
    ブレーキケーブルを牽引することで、前記ブレーキ装置を作動させる電動モータと、
    前記電動モータを制御する制御装置と、
    気温を検出する気温センサと、
    を備え、
    前記制御装置は、前記気温センサが検出した気温に基づいて、気温が上昇して前記ドラムが熱膨張することによる制動力の低下を抑制するために、前記電動モータの出力を増加させる、
    ことを特徴とする電動パーキングブレーキシステム。
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