JP7090319B2 - 密封装置 - Google Patents
密封装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7090319B2 JP7090319B2 JP2018086018A JP2018086018A JP7090319B2 JP 7090319 B2 JP7090319 B2 JP 7090319B2 JP 2018086018 A JP2018086018 A JP 2018086018A JP 2018086018 A JP2018086018 A JP 2018086018A JP 7090319 B2 JP7090319 B2 JP 7090319B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lip
- sealing device
- rotating member
- gap
- cylindrical portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
また下記特許文献2には、下記特許文献1と同じく2つのリップを備えた密封装置に関し、ダストリップに相当するサブリップのリップ端の外径面に、複数の環状突起が軸方向に並んで設けたものが開示されている。
本実施形態に係る密封装置4は、ハウジング3と、該ハウジング3に設けられた挿通孔30に挿通される回転部材7との間を密封するものである。密封装置4は、オイルやグリース等の密封対象流体をシールするための環状の第1リップ80と、第1リップ80に対して大気側に配置されて該大気側からの異物の侵入を抑制するとともに、回転部材7に向って延出する環状の第2リップ81と、を備えている。第2リップ81は、回転部材7の外周面7aに対して所定の隙間Hを空けた状態で回転部材7の外周面7aに対向する円筒部81aが形成され、円筒部81aは、その軸方向の長さLが、隙間H以上に形成されている。以下、詳述する。
まずは本発明の第1実施形態について、図1~図4を参照しながら説明する。第1実施形態では、密封装置4Aがオイルシールとして適用された例を説明する。
図1は、自動車用エンジンにおけるオイルパン1とシリンダブロック2との合わせ部を示している。オイルパン1は、シリンダブロック2の下端部に不図示のボルトによって締結一体に取り付けられ、オイルパン1とシリンダブロック2とにより、機械運動機構部(不図示)及びオイルを収容するハウジング3が構成され、オイルパン1とシリンダブロック2との合わせ部にクランクシャフト7を導出するための挿通孔30が形成されている。
挿通孔30はオイルパン1側に形成される半円形の孔壁30aと、シリンダブロック2側に形成される半円形の孔壁30bとにより構成されている。クランクシャフト7は、コンロッド及びピストンピンを介してピストン(いずれも不図示)に連結され、ピストンの上下往復動がクランクシャフト7の軸L1回りの回転(軸回転)に変換され、これらにより機械運動機構部が構成される。クランクシャフト7は、不図示の軸受を介してシリンダブロック2に軸回転可能に支持され、挿通孔30より出力軸として導出される。
密封装置4Aは、ハウジング3に取付けられる芯金5と、芯金5に固着される環状のシール部8とを備える。
芯金5は、円筒部50と、第1起立部51と、傾斜部52と、第2起立部53とを有している。円筒部50は、オイルパン1側の孔壁30a及びシリンダブロック2側の孔壁30bに嵌合される。第1起立部51は円筒部50の密封対象流体側の一端部から内径側に延びるように形成されている。傾斜部52は第1起立部51の内径側の一端部から大気側に斜め方向に延びるように形成されている。第2起立部53は傾斜部52の大気側の一端部から内径側に延びるように形成されている。円筒部50とハウジング3との間には、外周シール部83が介在するように配されている。これにより、芯金5とハウジング3との間に外周シール部83が弾性的に圧縮した状態で介在しハウジング3に芯金5が嵌合されるので、芯金5とハウジング3との間に隙間が生じず、密封性がよい。
第2リップ81は、第1リップ80より大気側に配置され、クランクシャフト7に向って延出して形成されたダストリップである。つまり、第2リップ81は、軸方向において第1リップ80とは反対側に延びるとともに、大気側から侵入するダスト等の異物が、第1リップ80に到達することを抑制するために設けられている。第2リップ81は、クランクシャフト7の外周面7aに摺接せず、図2に示すように所定の隙間Hを空けた状態に設けられる。このように第2リップ81は、クランクシャフト7に対して隙間Hを空けて配されているので、第1リップ80がポンピング作用を発揮しても、第1リップ80と第2リップ81との間の空間が負圧になることがない。したがって、第2リップ81がクランクシャフト7の外周面7aにはりつくことがなく、摩擦熱の発生や摺動トルクの増加を抑制できる。
第2リップ81の円筒部81aの軸方向の長さLは、第2リップ81の形状によって様々であるが、本実施形態では、最も大気側に設けられた第1ガイド突部81aaと最も密封対象流体側に設けられた第1ガイド突部81aaとの軸方向の距離を第2リップ81の円筒部81aの軸方向の長さLとする。
ここに示すように第2リップ81の円筒部81aは、複数の第1ガイド突部81aaと、第2ガイド突部81bと、先端角部81cとを有している。複数の第1ガイド突部81aaは、クランクシャフト7の外周面7aに向けて突出している。複数の第1ガイド突部81aaは、それぞれ同様な形状に形成されている。図2に示す例では、第1ガイド突部81aaを3個とし、隙間Hと間隔DはH≒Dの関係にある。また、隣り合う第1ガイド突部81aa間の間隔Dは全ての箇所において等しい。最も大気側の第1ガイド突部81aaと最も密封対象流体側の第1ガイド突部81aaとの間隔Lが隙間Hの偶数倍となることを目安に第2リップ81の設計を行えば、図2に示すような安定した渦流のテイラー渦T2,T3を発生させることができる。
第1ガイド突部81aaの形成個数は特に限定されず、図3(a)に示すように第1ガイド突部81aaを3以上の奇数個とし、最も大気側の第1ガイド突部81aaと最も密封対象流体側の第1ガイド突部81aaとの間隔Lが隙間Hの偶数倍としてもよい。ここに示すように第1ガイド突部81aaを2n+1個設け、隙間Hと同等の間隔Dを空けて設けるようにしてもよい。この場合、図3(a)では、隙間Hと長さLはL≒2nHの関係になる。
以上の構成によれば、第2リップ81の大きさ・形状に応じた望ましい位置に複数の第1ガイド突部81aaを設けることで、テイラー渦が発生する位置及び個数の安定化を図ることができる。
なお、図3(a)では第2ガイド突部81bが設けられていない例を示している。図3(a)のように多数のテイラー渦を発生させる構成とすれば、障壁が増えることになるため、第2ガイド突部81bを省略してもよい。
図4(a)はクランクシャフト7の外周面7aに複数のガイド凹部7bが形成されている。ガイド凹部7bの形成位置は、隣り合う第1ガイド突部81aa,81aa間の空間に対向して形成されている。そして、隣り合う第1ガイド突部81aa,81aaの間の空間とガイド凹部7bとで形成された空間には、テイラー渦を安定して発生させることができる。この例においても、第1ガイド突部81aa等の形成位置や形成個数は限定されず、ガイド凹部7bは、第1ガイド突部81aaの形成位置に対応して形成される。
以上によれば、金属環6によって異物侵入を抑制している上に、隙間Hにテイラー渦を発生させる構造になっているので、一層、効果的に異物侵入を抑制でき、密封装置4Aの密封性能の長寿命化を図ることができる。
次に本発明の第2実施形態について、図5~図7を参照しながら説明する。第2実施形態では、密封装置4B,4Cが軸受ユニット用密封装置として適用された例を説明する。第1実施形態と共通する部分には、可能な限り同一の符号を付し、その構成及び作用・効果等の説明は割愛する。
なお、第1実施形態では、回転部材としてクランクシャフトに「7」の符号を付したので、第2実施形態における回転部材となる内輪に符号「7」を付している。
密封装置4B,4Cのうち、以下ではまず図6で車体側の密封装置4Bに本発明を適用した例を説明する。
芯金20は、外輪11の車体側内径面11bに内嵌される円筒部200と、円筒部200の軸受空間S側の端部200aから内径側に延びる内向鍔部201とを有している。スリンガ90は、内輪部材71の外周面71aに外嵌されるスリンガ円筒部900と、スリンガ円筒部900の軸受空間Sとは反対側の端部900aから外径側に延びる外向鍔部901とを有している。芯金20及びスリンガ90は、鋼板をプレス加工することにより断面が略L字状に形成され、これらを互いに対向して組み合わせることでいわゆるパックシールを構成している。
なお、図示していないが、この密封装置4Bにおいても、円筒部81aを図3(a)及び図3(b)の構成とすることができ、また図4(b)のように回転部材側となるスリンガ円筒部900にガイド凹部60aを形成してもよい。
密封装置4Cは、外輪11の車輪側の内径面11cに内嵌される芯金40と、芯金40に固着されたシール部41とを備えている。
芯金40は、鋼板をプレス加工して形成されている。芯金40は、外輪11の内径面11cに内嵌される円筒部400と、円筒部400の車輪側の端部400aから内径側に延びる内向鍔部401とを有している。シール部41は、ゴム等の弾性体からなり、芯金40に加硫成型により固着一体とされる。シール部41は、円筒部400の外周側に配された外周シール部410と、最も大気側に設けられたリップ部411と、リップ部411よりも内径側に設けられ大気側に向って延びる第2リップ81と、密封対象流体側に向って延びる第1リップ80とを備える。
なお、図示していないが、この密封装置4Cにおいても、円筒部81aを図3(a)及び図3(b)の構成とすることができ、また図4(a)のように回転部材側となるハブ輪本体70bや立上基部70cにガイド凹部を形成してもよい。さらに金属材製等からなるデフレクターを備えたハブシールの場合は、デフレクター側に図4(b)に示すようなガイド凹部を形成してもよい。
3(1,2,11) ハウジング(オイルパン,シリンダブロック,外輪)
30 挿通孔
7(7,71,70b,70c) 回転部材(クランクシャフト,内輪部材,ハブ輪本体,立上基部)
7a,71a,70ba (外)周面
5,20,40 芯金
8,21,41 シール部
80 第1リップ
81 第2リップ
81a 円筒部
H 隙間
L 円筒部の軸方向の長さ(最も大気側の第1ガイド突部と最も密封対象流体側の第1ガイド突部との間隔)
81aa 第1ガイド突部
D 第1ガイド突部の間隔
81b 第2ガイド突部
81c 先端角部
Claims (6)
- ハウジングと、該ハウジングに設けられた挿通孔に挿通される回転部材との間を密封する密封装置において、
前記ハウジングに嵌合される芯金と、該芯金に固着されるシール部とを備え、
前記シール部は、密封対象流体をシールするための環状の第1リップと、
前記第1リップに対して大気側に配置されて該大気側からの異物の侵入を抑制するとともに、前記回転部材に向って延出する環状の第2リップと、を備え、
前記第2リップは、前記回転部材の周面に対して所定の隙間を空けた状態で前記回転部材の周面に対向する円筒部を備え、
前記円筒部は、その軸方向の長さが前記隙間以上とされ、かつ前記回転部材の周面に向けて突出した複数の第1ガイド突部を備え、
前記複数の第1ガイド突部は、3以上の奇数個であり、これらの第1ガイド部が前記隙間と同等の間隔を空けて配列されていることで、最も大気側の第1ガイド突部と最も密封対象流体側の第1ガイド突部との間隔を前記隙間の偶数倍としたことを特徴とする密封装置。 - 請求項1に記載の密封装置において、
前記第2リップの前記第1リップとの間には、前記円筒部よりも前記回転部材側に突出しないような第2ガイド突部が設けられていることを特徴とする密封装置。 - 請求項1または2に記載の密封装置において、
前記第2リップの大気側の先端角部は、前記大気側に向うにつれて拡径する傾斜面とされていることを特徴とする密封装置。 - 請求項1~3のいずれか一項に記載の密封装置において、
前記第1ガイド突部は、断面が湾曲形状であることを特徴とする密封装置。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の密封装置において、
前記第1ガイド突部は、周方向に沿って連続して環状に設けられていることを特徴とする密封装置。 - 請求項1~5のいずれか一項に記載の密封装置において、
前記第1リップは、大気側に向かおうとする前記密封対象流体としてのオイルを前記回転部材の回転時に前記ハウジング内に押し戻すポンピング作用を発揮するように構成されていることを特徴とする密封装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018086018A JP7090319B2 (ja) | 2018-04-27 | 2018-04-27 | 密封装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018086018A JP7090319B2 (ja) | 2018-04-27 | 2018-04-27 | 密封装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019190603A JP2019190603A (ja) | 2019-10-31 |
JP7090319B2 true JP7090319B2 (ja) | 2022-06-24 |
Family
ID=68389700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018086018A Active JP7090319B2 (ja) | 2018-04-27 | 2018-04-27 | 密封装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7090319B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005299753A (ja) | 2004-04-08 | 2005-10-27 | Ntn Corp | 鉄道車両車軸用軸受の密封装置 |
JP2002181057A5 (ja) | 2000-12-18 | 2008-02-07 | ||
JP2009257485A (ja) | 2008-04-17 | 2009-11-05 | Nok Corp | 密封装置 |
JP2011080570A (ja) | 2009-10-09 | 2011-04-21 | Ntn Corp | 車輪用軸受装置 |
JP2018063050A (ja) | 2017-12-14 | 2018-04-19 | 光洋シーリングテクノ株式会社 | シール部材 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6268076U (ja) * | 1985-10-21 | 1987-04-28 | ||
JPH04123395U (ja) * | 1991-04-26 | 1992-11-09 | 三菱重工業株式会社 | 立軸ポンプのラビリンスシール |
JP2002181057A (ja) * | 2000-12-18 | 2002-06-26 | Nsk Ltd | 鉄道車両用軸受装置 |
JP2005229753A (ja) * | 2004-02-13 | 2005-08-25 | Toyota Motor Corp | モータモジュール |
-
2018
- 2018-04-27 JP JP2018086018A patent/JP7090319B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002181057A5 (ja) | 2000-12-18 | 2008-02-07 | ||
JP2005299753A (ja) | 2004-04-08 | 2005-10-27 | Ntn Corp | 鉄道車両車軸用軸受の密封装置 |
JP2009257485A (ja) | 2008-04-17 | 2009-11-05 | Nok Corp | 密封装置 |
JP2011080570A (ja) | 2009-10-09 | 2011-04-21 | Ntn Corp | 車輪用軸受装置 |
JP2018063050A (ja) | 2017-12-14 | 2018-04-19 | 光洋シーリングテクノ株式会社 | シール部材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019190603A (ja) | 2019-10-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101148371B1 (ko) | 베어링 롤러 체인 | |
US10520036B2 (en) | Sealing device | |
MX2010011142A (es) | Sello de cojinete de rodillos. | |
US20070284829A1 (en) | Sealing Device | |
KR20090112643A (ko) | 밀봉장치 | |
US5186548A (en) | Bearing shaft seal | |
KR102036378B1 (ko) | 엔진의 전동 케이스의 밀봉 장치 | |
JP2018044611A (ja) | 車輪用軸受装置 | |
JP2015212561A (ja) | 密封装置 | |
JP5180561B2 (ja) | 密封装置、転がり軸受および車輪用転がり軸受 | |
JP6381120B2 (ja) | 密封装置 | |
JP2009103209A (ja) | 密封装置 | |
JP7090319B2 (ja) | 密封装置 | |
JP6683467B2 (ja) | シーリングフランジを備える転がり軸受 | |
JP2012117628A (ja) | 密封装置および転がり軸受 | |
JP7398089B2 (ja) | 密封装置 | |
JP2018084301A (ja) | オイルシール及びオイルシールの製造方法 | |
JP2012087901A (ja) | 密封装置および転がり軸受装置 | |
JP2009287651A (ja) | 車輪用軸受装置 | |
JP6868983B2 (ja) | 密封装置 | |
WO2020045071A1 (ja) | 密封装置 | |
JP6839948B2 (ja) | 農機具の車軸用密封装置 | |
JP5423237B2 (ja) | 密封装置および転がり軸受 | |
JP2009024807A (ja) | 密封装置 | |
JP7137184B2 (ja) | 密封装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210325 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20211217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220105 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220303 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220510 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220607 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7090319 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |