JP7089745B2 - 絹本用インクジェット受理層 - Google Patents

絹本用インクジェット受理層 Download PDF

Info

Publication number
JP7089745B2
JP7089745B2 JP2018114986A JP2018114986A JP7089745B2 JP 7089745 B2 JP7089745 B2 JP 7089745B2 JP 2018114986 A JP2018114986 A JP 2018114986A JP 2018114986 A JP2018114986 A JP 2018114986A JP 7089745 B2 JP7089745 B2 JP 7089745B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silk
receiving layer
whitewash
inkjet
inkjet receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018114986A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019209673A (ja
Inventor
信嗣 武藤
Original Assignee
株式会社偕拓堂アート
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社偕拓堂アート filed Critical 株式会社偕拓堂アート
Priority to JP2018114986A priority Critical patent/JP7089745B2/ja
Publication of JP2019209673A publication Critical patent/JP2019209673A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7089745B2 publication Critical patent/JP7089745B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Description

本発明は掛け軸等に使用する絹本に対し、水性顔料系のインクを用いたインクジェット印刷を施す際に下処理として形成する絹本用インクジェット受理層に関する。さらに言えば、胡粉を配合することで発色も良く透明感等のあるインクジェット印刷が可能な絹本用インクジェット受理層に関する。
従来は、絹本に対してインクジェット印刷を行う際に下処理等全くせずに印刷すると、出来上がりにおいてインクが定着せず滲んでしまう、発色が悪くなってしまう等の理由により、商品としての価値が低い製品しかできなかった。そのため、絹本に樹脂を主成分とする定着材を塗布することにより下処理を行っていたが、絹地は元来白色の濃度が低いので前記定着材を用いて受理層を形成しても、それ程発色等の問題点が改善されることは無かった。
また、代替品として絹地では無くポリエステル地にインクジェット印刷する方法も知られているが、ポリエステル地は繊維間の目が詰まっており、白色の度合いが高く白色が強過ぎる、繊維の目が詰まり過ぎている等の理由により、仮に樹脂を主成分とする定着材を用いて受理層を形成したとしても、一般的に掛け軸等の絵画に必要な透明感、奥行き感等の絹地独特の絹目の風合いが出せない等という欠点があった。
特許文献1には、「インクジェット法で形成され、発色性に優れた印刷部を有する化粧シートを提供すること、また、発色性に優れた印刷部を有する化粧シートを効率よく製造することができる化粧シートの製造方法を提供すること(特許文献1:要約:課題)」を課題として、「下処理が施された繊維性基材と、下処理が施された繊維性基材に対してインクジェット法により形成された印刷層と、繊維性基材の前記印刷層が設けられた面側に配された硬質材料層とを有することを特徴とし、硬質材料層は、メラミン系樹脂を含む材料で構成されたものであることが好ましく、下処理は、繊維性基材を構成する繊維の隙間に含浸された樹脂部の形成であることが好ましい(特許文献1:要約:解決手段より抜粋)」化粧シートおよび化粧シートの製造方法(特許文献1:発明の名称)が開示されている。
特開2016-147409号公報
特許文献1に係る化粧シートは、発色性に優れた印刷部を有する化粧シートを提供するものであって、下処理が施された繊維性基材と、下処理が施された繊維性基材に対してインクジェット法により形成された印刷層と、繊維性基材の前記印刷層が設けられた面側に配された硬質材料層からなる化粧シートである。特許文献1に係る化粧シートは、発色性において優れているものの、一般的に掛け軸絵画に必要な透明感や奥行き感等の絹地独特の絹目の風合いは得られず。その他絹地独特の絹目の風合いが出せない等の欠点は依然として残るものである。
本発明の目的は、絹地であっても白色の濃度が濃い受理層を形成し、発色も良く、掛け軸に必要な透明感、奥行き感等の絹地独特の絹目の風合いを得られる、絹本への印刷に最適な絹本用インクジェット受理層を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、掛け軸等に使用する絹本にインクジェット印刷を施す際に下処理として形成する、樹脂を主成分とする定着材に対して胡粉を配合させた絹本用インクジェット受理層を生産する方法であって、定着材重量部100に対して胡粉を20~40重量部配合し、10分~30分間攪拌して得られた混合攪拌物を、絹本を構成する絹糸と絹糸の編目間よりも小さい径を有する胡粉粒子を得るために濾す作業を加えてから、絹本絹地面にシルクスクリーン印刷若しくはその他の機械的な塗布作業によって塗布した後に乾燥させて形成する絹本用インクジェット受理層を生産する方法であることを特徴とするものである。
本発明に係る絹本用インクジェット受理層は、掛け軸等に使用する絹本にインクジェット印刷をする際に行う下処理として形成するものであり、樹脂を主成分とする定着材に対して胡粉を一様に分散させつつ配合させたものである。
配合量としては、前記定着材重量部100に対して前記胡粉を20~40重量部配合されており、しかも、胡粉の平均粒径は50~100ミクロンである。このような構成による絹本用インクジェット受理層であれば、絹地であっても白色の濃度が濃い受容層を形成し、発色も良く、掛け軸に必要な透明感、奥行き感等の絹地独特の絹目の風合いを得ることができるようになった。さらに、インクジェット印刷をベースに印刷した後、絹本絵画独特の技術、例えば垂らし込み・雲母を乗せる・箔押し、手書きの追加等をする事ができる様になったので、より芸術性の高い掛け軸を提供することができるようになった。
本実施例に係るインクジェット受理層を説明するための断面図である。 インクジェット受理層を説明するための上面図である。
<絹本用インクジェット受理層の構造>
以下、本発明に係る絹本用インクジェット受理層の一実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施例に係るインクジェット受理層を説明するための断面図である。図2は、本実施例に係るインクジェット受理層を説明するための上面図である。
本実施例に係る絹本用インクジェット受理層10は、絹地面に、樹脂を主成分とする定着材対して胡粉を配合し、一様に分散させたものを、一面に塗布することで積層したものである(図1参照)。即ち、胡粉が絹地面に一様に分散されていることが特徴となっている(図2参照)。
<絹本用インクジェット受理層の製造方法>
以下に、本発明に係る絹本用インクジェット受理層10の製造方法の一例を記載する。先ず準備として、樹脂を主成分とする定着材重量部100に、胡粉30重量部(配合量は20重量部~40重量部の間で自由に選択することができることは言うまでもない)を配合する。配合後、胡粉20が定着材30に一様に分散されるようにするため、水を加えながら撹拌機等を用いて攪拌する。攪拌時間は配合量(配合比率)や温度湿度等の条件にもよるが、10分から30分程度行うことにより、樹脂30と胡粉20(主成分炭酸カルシウム)の混合攪拌物を得る。その際、更に細かな胡粉粒子を得るために漉す作業を加えても良い。次に、該混合攪拌物を絹地面にシルクスクリーン印刷若しくはその他の機械的な塗布作業、若しくは刷毛等を使用した手作業によって、絹地面に凹凸が無いように(厚さ一定になるように)塗布する。その後乾燥させることにより絹本用インクジェット受理層10を得ることができる。
<絹本用インクジェット受理層の効果>
本発明に係る絹本用インクジェット受理層10は、掛け軸等に使用する絹本にインクジェット印刷を施す際に下処理として形成する絹本用インクジェット受理層10である。樹脂を主成分とする定着材30に対して胡粉20(主成分炭酸カルシウム)を配合させたものであり、前記定着剤重量部100に対して胡粉を20~40重量部配合されている。尚、胡粉の平均粒径は50~100ミクロンである。
絹糸(縦糸)と絹糸(横糸)の網目間に隙間を備えた絹布は、絹布が150メッシュから200メッシュであるとして考えると、本実施例に係る胡粉の平均粒径は50~100ミクロンであるので、前記定着剤30に対し一定量の胡粉20を配合し一様に分散させてから塗布することにより、絹糸と絹糸の網目間に胡粉が埋まるようになり、インクが浸透しないようになる。要するに、絹本のメッシュ部分が埋められることになる(図2参照)。
従って、絹地であっても白色の濃度が濃い受理層を形成し、発色も良く、掛け軸に必要な透明感、奥行き感等の絹地独特の絹目の風合いを得ることができるようになった。
尚、胡粉20の平均粒径が100ミクロン以上であると、シルクスクリーンの網目に対して、粒径が大き過ぎるために、絹糸と絹糸の網目間に胡粉20を配置することができず、絹地面の上に配置することになってしまい、結局、現状における絹地の代替品としてのポリエステル地にインクジェット印刷するのと同様に、掛け軸に必要な透明感、奥行き感等の絹地独特の絹目の風合いを得ることができ無い。胡粉20の平均粒径が50ミクロン以下であると、定着剤30に配合する際、一様に分散させ難く、胡粉20の配合時において、定着剤30に対して胡粉20が一様に分散するまでに攪拌時間が余分に掛かることになるので、生産性が著しく低下し好ましくない。
さらに、インクジェット印刷をベースに印刷した後、絹本絵画独特の技術、例えば垂らし込み・雲母を乗せる・箔押し、手書きの追加等をする事ができる様になったので、より芸術性の高い掛け軸を提供することができるようになった。
<絹本用インクジェット受理層の変更例>
本発明に係る絹本用インクジェット受理層は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、または樹脂を主成分とする定着材に対する胡粉の配合比率の変更、製造上の必要に応じて種々の添加剤等の添加を行うことができる。さらに、胡粉の平均粒径、粒度分布等を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
本発明に係る絹本用インクジェット受理層は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、絹本にインクジェット印刷を行うような掛け軸製造分野において、最適な絹本用インクジェット受理層として好適に用いることができる。
10・・インクジェット受理層
20・・胡粉
30・・定着剤

Claims (1)

  1. 掛け軸等に使用する絹本にインクジェット印刷を施す際に下処理として形成する、樹脂を主成分とする定着材に対して胡粉を配合させた絹本用インクジェット受理層を生産する方法であって、
    定着材重量部100に対して胡粉を20~40重量部配合し、10分~30分間攪拌して得られた混合攪拌物を、
    絹本を構成する絹糸と絹糸の編目間よりも小さい径を有する胡粉粒子を得るために濾す作業を加えてから、
    絹本絹地面にシルクスクリーン印刷若しくはその他の機械的な塗布作業によって塗布した後に乾燥させて形成することを特徴とする絹本用インクジェット受理層を生産する方法。
JP2018114986A 2018-05-30 2018-05-30 絹本用インクジェット受理層 Active JP7089745B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018114986A JP7089745B2 (ja) 2018-05-30 2018-05-30 絹本用インクジェット受理層

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018114986A JP7089745B2 (ja) 2018-05-30 2018-05-30 絹本用インクジェット受理層

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019209673A JP2019209673A (ja) 2019-12-12
JP7089745B2 true JP7089745B2 (ja) 2022-06-23

Family

ID=68846286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018114986A Active JP7089745B2 (ja) 2018-05-30 2018-05-30 絹本用インクジェット受理層

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7089745B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005014387A (ja) 2003-06-26 2005-01-20 Saishinsha:Kk 複製物および該複製物の製造方法
JP2010201750A (ja) 2009-03-03 2010-09-16 Tokyo Univ Of The Arts 質感を表現した素材の製造方法及び絵画の製作方法、質感を表現した素材及び絵画、建築用材料
JP2017078241A (ja) 2015-10-21 2017-04-27 大王製紙株式会社 着色紙の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6399273A (ja) * 1986-10-16 1988-04-30 Meekoo Kk 紙用浸漬塗り下地材

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005014387A (ja) 2003-06-26 2005-01-20 Saishinsha:Kk 複製物および該複製物の製造方法
JP2010201750A (ja) 2009-03-03 2010-09-16 Tokyo Univ Of The Arts 質感を表現した素材の製造方法及び絵画の製作方法、質感を表現した素材及び絵画、建築用材料
JP2017078241A (ja) 2015-10-21 2017-04-27 大王製紙株式会社 着色紙の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019209673A (ja) 2019-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW387844B (en) Recoatable decorative sheet and recoatable decorative
JP5033125B2 (ja) 繊維ウェブの製造方法
CN105970716B (zh) 一种手工水彩画纸的制造方法
CN103923590B (zh) 一种黑色树脂组合物及用该树脂组合物制备黑色胶膜的方法
CN102757713A (zh) 一种高耐污内墙涂料及其制备方法
JP7089745B2 (ja) 絹本用インクジェット受理層
CN204687589U (zh) 一种绢丝与宣纸的复合结构
CN103773105A (zh) 珠光油墨及其制备方法和印刷方法
JPS6189400A (ja)
JP4755722B1 (ja) 素材の製造方法及び絵画の製作方法、素材及び絵画
KR20100037474A (ko) 프린터 및 플로터로 출력이 가능한 리본원단 및 코팅액
JP2000336597A (ja) 模様入り段ボール用ライナー原紙および模様入り段ボール
KR20100057451A (ko) 로터리 스크린 인쇄용 조성물, 상기를 포함하는 인테리어 벽지 및 그의 제조 방법
KR100430846B1 (ko) 천연소재 칩과 pvc 파우더를 적용한 바닥재
CN114262561B (zh) 含有纤维的涂料、应用及其具有3d及纤维效果的布料
CN103773106A (zh) 珠光油墨及其制备方法和印刷方法
CN111576089B (zh) 一种喷墨打印用宣纸及其制备方法
EP0994214A1 (en) Process for printing on cloth with watersensitive colors
JP6034558B2 (ja) 広告媒体およびその製造方法
CN216733392U (zh) 一种热熔胶复合艺术布与彩喷宣纸结构
JP3293233B2 (ja) 同調立体化粧紙
KR100689997B1 (ko) 카펫의 입체감을 갖는 타일의 제조방법
KR20090027944A (ko) 방염원단 제조방법 및 방염조성물
KR100423842B1 (ko) 파스텔 질감 및 입체감이 부여되고 내구성이 뛰어난 바닥재
EP0575627B1 (en) Additive in paper for hot-press form and hot-press form employing the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210312

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20210316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20210317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220415

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7089745

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150