JP7089285B2 - 作物の発育期推定装置および発育期推定方法 - Google Patents
作物の発育期推定装置および発育期推定方法 Download PDFInfo
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Description
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態による作物の発育期推定装置(以下、単に発育期推定装置という)の機能構成例を示すブロック図である。なお、以下では作物の一例として、水稲の発育期を推定する場合について説明する。
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。第2の実施形態では、発育期を推定する際の気象要素として日平均気温および日長時間を用いる。また、発育因子として、日平均気温と、日平均気温および日長時間を変数とする関数値である発育速度との2つを用いる。なお、日平均気温および日長時間を変数として発育速度を算出する関数については、公知の技術を適用することが可能である。第2の実施形態は、日平均気温の他に日長時間も発育の状態に影響を与える品種の作物について各発育期を推定する場合に有用なものである。また、第2の実施形態は、同じ地域で田植の時期を大きく変えるような場合(3月と6月など)や、地域が遠く離れていて、同じ品種でも発育速度に違いが生じ得るような場合(北海道と九州など)にも有用である。
次に、本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。第3の実施形態は、図9のように当年における作物の基準発育期(例えば、出穂期)を推定するところまでは第2の実施形態と同様である。これに対して、第3の実施形態は、出穂期以外の他の発育期および平年差を算出するところが第2の実施形態と異なる。第3の実施形態では、他の発育期として当日の発育期を推定し、平年差として当日の発育期と過去の平年発育期との差を算出する。
次に、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて説明する。第4の実施形態は、発育期の推定を地域別に面的に行うようにしたものである。地域別とは、例えば1km平方の矩形メッシュ領域別である。このメッシュ領域は、公知の作柄表示地帯別よりも狭い領域とする。作柄表示地帯とは、水稲収穫量調査結果の提供および利用のため、水稲の作柄を表示する区域として、都道府県の区域を水稲の生産力(地形、気象、栽培品種等)により分割したものである。作柄表示地帯の平年出穂日は、同じ作柄表示地帯内であればその変動が小さいことが知られている。このことから、本実施形態では、作柄表示地帯内に含まれる各メッシュ領域の平年出穂日は、作柄表示地帯単位の平年出穂日に等しいと仮定する。
11,41 平年基準発育期設定部
12,22,42 起算日設定部
13,23,43 初期値設定部
14,44 当年発育期推定部
15,45 他平年発育期推定部
16,46 平年差算出部
27 基準発育期推定部
28 他発育期推定部
31 当日発育期推定部
32 過去平年発育期推定部
33 当日平年差算出部
Claims (14)
- 過去数年における作物の発育の状態の実績を表した発育データを記憶した発育実績データ記憶部を参照し、複数の発育期のうち基準とする発育期である基準発育期を任意の期間について平均した平年値を算出し、平年基準発育期として設定する平年基準発育期設定部と、
上記作物の複数の発育期と発育因子の積算値との相関関係を示した関数を用いて当年における作物の発育期を推定する際における積算の起算日を設定する起算日設定部と、
上記平年基準発育期設定部により設定された上記平年基準発育期から、過去数年における気象要素の推移を表した気象データを記憶した過去気象データ記憶部から取得した過去の気象要素に基づく上記発育因子の平年値を逆積算することにより、上記起算日設定部により設定された上記起算日における上記発育因子の積算値に関する初期値を設定する初期値設定部と、
上記起算日設定部により設定された上記起算日および上記初期値設定部により設定された上記初期値をもとに、当年における気象要素の推移を表した気象データを記憶した当年気象データ記憶部から取得した当年の気象要素に基づく上記発育因子を上記起算日の上記初期値から積算することにより、当年における作物の発育期を推定する当年発育期推定部とを備えたことを特徴とする作物の発育期推定装置。 - 上記発育因子および上記気象要素として日平均気温を用い、
上記起算日設定部は、上記作物の複数の発育期と上記日平均気温の積算値との相関関係を示した第1の関数を用いて当年における作物の発育期を推定する際における積算の起算日を設定し、
上記初期値設定部は、上記平年基準発育期設定部により設定された上記平年基準発育期から、過去数年における日平均気温の推移を表した気象データを記憶した上記過去気象データ記憶部から取得した過去の日平均気温の平年値である平年日平均気温を逆積算することにより、上記起算日設定部により設定された上記起算日における上記日平均気温の積算値に関する初期値を設定し、
上記当年発育期推定部は、上記起算日設定部により設定された上記起算日および上記初期値設定部により設定された上記初期値を上記第1の関数に適用し、当年における日平均気温の推移を表した気象データを記憶した上記当年気象データ記憶部から取得した当年の日平均気温を上記起算日の上記初期値から積算することにより、上記当年の各発育期を推定することを特徴とする請求項1に記載の作物の発育期推定装置。 - 上記気象要素として日平均気温および日長時間を用い、上記発育因子として上記日平均気温および上記日長時間を変数とする関数値である発育速度を用い、
上記起算日設定部は、上記作物の複数の発育期と上記発育速度の積算値との相関関係を示した第2の関数を用いて当年における作物の発育期を推定する際における積算の起算日を設定し、
上記初期値設定部は、上記平年基準発育期設定部により設定された上記平年基準発育期から、過去数年における日平均気温および日長時間の推移を表した気象データを記憶した上記過去気象データ記憶部から取得した過去の日平均気温および日長時間から求まる過去の発育速度の平年値である平年発育速度を逆積算することにより、上記起算日設定部により設定された上記起算日における上記発育速度の積算値に関する初期値を設定し、
上記当年発育期推定部は、上記起算日設定部により設定された上記起算日および上記初期値設定部により設定された上記初期値を上記第2の関数に適用し、当年における日平均気温および日長時間の推移を表した気象データを記憶した上記当年気象データ記憶部から取得した当年の日平均気温および日長時間から求まる当年の発育速度を上記起算日の上記初期値から積算することにより、少なくとも上記当年の基準発育期を推定することを特徴とする請求項1に記載の作物の発育期推定装置。 - 上記当年発育期推定部は、基準発育期推定部および他発育期推定部を備え、
上記基準発育期推定部は、上記起算日設定部により設定された上記起算日および上記初期値設定部により設定された上記初期値を上記第2の関数に適用し、当年における日平均気温および日長時間の推移を表した気象データを記憶した上記当年気象データ記憶部から取得した当年の日平均気温および日長時間から求まる当年の発育速度を上記起算日の上記初期値から積算することにより、上記当年の基準発育期を推定し、
上記他発育期推定部は、上記基準発育期推定部により推定された当年の基準発育期から、上記当年の気象要素に基づく上記発育因子を積算または逆積算することにより、当年における作物の他の発育期を推定することを特徴とする請求項3に記載の作物の発育期推定装置。 - 上記起算日設定部、上記初期値設定部および上記基準発育期推定部は、上記気象要素として日平均気温および日長時間を用いるとともに、上記発育因子として上記日平均気温および上記日長時間を変数とする関数値である発育速度を用いる一方、上記他発育期推定部は、上記発育因子および上記気象要素として日平均気温を用い、
上記他発育期推定部は、上記基準発育期推定部により推定された当年の基準発育期から、上記当年の日平均気温を積算または逆積算することにより、当年における作物の他の発育期を推定することを特徴とする請求項4に記載の作物の発育期推定装置。 - 上記平年基準発育期設定部により設定された上記平年基準発育期から、過去数年の上記発育因子の平年値を積算または逆積算することにより、他の平年発育期を推定する他平年発育期推定部と、
上記当年発育期推定部により推定された当年の発育期と、上記平年基準発育期設定部により設定された上記平年基準発育期および上記他平年発育期推定部により推定された上記他の平年発育期の少なくとも1つとの差である平年差を算出する平年差算出部とを更に備えたことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の作物の発育期推定装置。 - 上記当年発育期推定部は、基準発育期推定部および当日発育期推定部を備え、
上記基準発育期推定部は、上記起算日設定部により設定された上記起算日および上記初期値設定部により設定された上記初期値をもとに、当年における気象要素の推移を表した気象データを記憶した当年気象データ記憶部から取得した当年の気象要素に基づく上記発育因子を上記起算日の上記初期値から積算することにより、上記当年における作物の基準発育期を推定し、
上記当日発育期推定部は、上記基準発育期推定部により推定された当年の基準発育期から推定当日まで、上記当年の気象要素に基づく上記発育因子を積算または逆積算することにより、上記当年における作物の上記推定当日の発育期を推定することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の作物の発育期推定装置。 - 上記平年基準発育期設定部により設定された上記平年基準発育期から過去数年の上記発育因子の平年値を積算または逆積算し、その積算結果である過去平年積算値が、上記当日発育期推定部が上記当年の基準発育期から上記推定当日まで上記当年の気象要素に基づく上記発育因子を積算または逆積算した結果である当年積算値に達する時点を過去の平年発育期として推定する過去平年発育期推定部と、
上記当日発育期推定部により推定された上記推定当日の発育期と、上記過去平年発育期推定部により推定された過去の平年発育期との差である当日平年差を算出する当日平年差算出部とを更に備えたことを特徴とする請求項7に記載の作物の発育期推定装置。 - 上記基準発育期は出穂期であり、上記起算日は、上記発育実績データ記憶部に記憶されている過去数年の田植日を任意の期間について平均した平年田植日であることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の作物の発育期推定装置。
- 上記平年基準発育期設定部は、過去数年における作物の発育の状態の実績を地域ごとに表した発育データを記憶した発育実績データ記憶部を参照し、複数の発育期のうち基準とする発育期である基準発育期を任意の期間について平均した平年値を上記地域ごとに算出し、上記地域ごとの平年基準発育期として設定し、
上記起算日設定部は、上記作物の複数の発育期と発育因子の積算値との相関関係を示した関数を用いて当年における作物の発育期を推定する際における積算の起算日を上記地域ごとに設定し、
上記初期値設定部は、上記平年基準発育期設定部により設定された上記地域ごとの平年基準発育期から、過去数年における気象要素の推移を上記地域ごとに表した気象データを記憶した過去気象データ記憶部から取得した過去の気象要素に基づく上記発育因子の平年値を逆積算することにより、上記起算日設定部により設定された上記起算日における上記発育因子の積算値に関する初期値を上記地域ごとに設定し、
上記当年発育期推定部は、上記起算日設定部により上記地域ごとに設定された上記起算日および上記初期値設定部により上記地域ごとに設定された上記初期値をもとに、当年における気象要素の推移を上記地域ごとに表した気象データを記憶した当年気象データ記憶部から取得した当年の気象要素に基づく上記発育因子を上記起算日の上記初期値から積算することにより、当年における作物の発育期を上記地域ごとに推定することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の作物の発育期推定装置。 - 上記平年基準発育期設定部は、過去数年における作物の発育の状態の実績を地域ごとに表した発育データを記憶した発育実績データ記憶部を参照し、複数の発育期のうち基準とする発育期である基準発育期を任意の期間について平均した平年値を上記地域ごとに算出し、上記地域ごとの平年基準発育期として設定し、
上記起算日設定部は、上記作物の複数の発育期と発育因子の積算値との相関関係を示した関数を用いて当年における作物の発育期を推定する際における積算の起算日を上記地域ごとに設定し、
上記初期値設定部は、上記平年基準発育期設定部により設定された上記地域ごとの平年基準発育期から、過去数年における気象要素の推移を上記地域ごとに表した気象データを記憶した過去気象データ記憶部から取得した過去の気象要素に基づく上記発育因子の平年値を逆積算することにより、上記起算日設定部により設定された上記起算日における上記発育因子の積算値に関する初期値を上記地域ごとに設定し、
上記当年発育期推定部は、上記起算日設定部により上記地域ごとに設定された上記起算日および上記初期値設定部により上記地域ごとに設定された上記初期値をもとに、当年における気象要素の推移を上記地域ごとに表した気象データを記憶した当年気象データ記憶部から取得した当年の気象要素に基づく上記発育因子を上記起算日の上記初期値から積算することにより、当年における作物の発育期を上記地域ごとに推定し、
上記他平年発育期推定部は、上記平年基準発育期設定部により上記地域ごとに設定された上記平年基準発育期から、過去数年の上記地域ごとの発育因子の平年値を積算または逆積算することにより、他の平年発育期を上記地域ごとに推定し、
上記平年差算出部は、上記当年発育期推定部により上記地域ごとに推定された当年の発育期と、上記平年基準発育期設定部により上記地域ごとに設定された上記平年基準発育期および上記他平年発育期推定部により上記地域ごとに推定された上記他の平年発育期の少なくとも1つとの差である平年差を上記地域ごとに算出することを特徴とする請求項6に記載の作物の発育期推定装置。 - 上記平年基準発育期設定部は、過去数年における作物の発育の状態の実績を地域ごとに表した発育データを記憶した発育実績データ記憶部を参照し、複数の発育期のうち基準とする発育期である基準発育期を任意の期間について平均した平年値を上記地域ごとに算出し、上記地域ごとの平年基準発育期として設定し、
上記起算日設定部は、上記作物の複数の発育期と発育因子の積算値との相関関係を示した関数を用いて当年における作物の発育期を推定する際における積算の起算日を上記地域ごとに設定し、
上記初期値設定部は、上記平年基準発育期設定部により設定された上記地域ごとの平年基準発育期から、過去数年における気象要素の推移を上記地域ごとに表した気象データを記憶した過去気象データ記憶部から取得した過去の気象要素に基づく上記発育因子の平年値を逆積算することにより、上記起算日設定部により設定された上記起算日における上記発育因子の積算値に関する初期値を上記地域ごとに設定し、
上記当年発育期推定部は、基準発育期推定部および当日発育期推定部を備え、
上記基準発育期推定部は、上記起算日設定部により上記地域ごとに設定された上記起算日および上記初期値設定部により上記地域ごとに設定された上記初期値をもとに、当年における気象要素の推移を上記地域ごとに表した気象データを記憶した当年気象データ記憶部から取得した当年の気象要素に基づく上記発育因子を上記起算日の上記初期値から積算することにより、上記当年における作物の基準発育期を上記地域ごとに推定し、
上記当日発育期推定部は、上記基準発育期推定部により上記地域ごとに推定された当年の基準発育期から推定当日まで、上記当年の気象要素に基づく上記発育因子を積算または逆積算することにより、上記当年における作物の上記推定当日の発育期を上記地域ごとに推定することを特徴とする請求項7に記載の作物の発育期推定装置。 - 上記平年基準発育期設定部により上記地域ごとに設定された上記平年基準発育期から過去数年の上記発育因子の平年値を上記地域ごとに積算または逆積算し、その積算結果である過去平年積算値が、上記当日発育期推定部が上記当年の基準発育期から上記推定当日まで上記当年の気象要素に基づく上記発育因子を積算または逆積算した結果である当年積算値に達する時点を上記地域ごとに過去の平年発育期として推定する過去平年発育期推定部と、
上記当日発育期推定部により上記地域ごとに推定された上記推定当日の発育期と、上記過去平年発育期推定部により上記地域ごとに推定された過去の平年発育期との差である当日平年差を上記地域ごとに算出する当日平年差算出部とを更に備えたことを特徴とする請求項12に記載の作物の発育期推定装置。 - コンピュータの平年基準発育期設定部が、過去数年における作物の発育の状態の実績を表した発育データを記憶した発育実績データ記憶部を参照し、複数の発育期のうち基準とする発育期である基準発育期を任意の期間について平均した平年値を算出し、平年基準発育期として設定する第1のステップと、
上記コンピュータの起算日設定部が、上記作物の複数の発育期と発育因子の積算値との相関関係を示した関数を用いて当年における作物の発育期を推定する際における積算の起算日を設定する第2のステップと、
上記コンピュータの初期値設定部が、上記平年基準発育期設定部により設定された上記平年基準発育期から、過去数年における気象要素の推移を表した気象データを記憶した過去気象データ記憶部から取得した過去の気象要素に基づく上記発育因子の平年値を逆積算することにより、上記起算日設定部により設定された上記起算日における上記発育因子の積算値に関する初期値を設定する第3のステップと、
上記コンピュータの当年発育期推定部が、上記起算日設定部により設定された上記起算日および上記初期値設定部により設定された上記初期値をもとに、当年における気象要素の推移を表した気象データを記憶した当年気象データ記憶部から取得した当年の気象要素に基づく上記発育因子を上記起算日の上記初期値から積算することにより、当年における作物の発育期を推定する第4のステップとを有することを特徴とする作物の発育期推定方法。
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