JP2018038322A - 栽培支援装置、栽培システム、及びプログラム - Google Patents

栽培支援装置、栽培システム、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 作物の品質及び色味が最適な状態で、作物を収穫可能とする。【解決手段】 一実施形態に係る栽培支援装置は、作物に与えられた水ストレスを積算し、積算水ストレスを算出する水ストレス積算部と、前記作物の周囲の温度を積算し、積算温度を算出する温度積算部と、前記積算水ストレスと、前記積算水ストレスの計画値と、前記積算温度と、前記積算温度の計画値と、に基づいて、前記水ストレス及び前記温度の制御内容を決定する制御内容決定部と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、栽培支援装置、栽培システム、及びプログラムに関する。
作物の状態を自動で診断し、診断結果に基づいて、環境条件を作物の生育に適した状態に制御する、スピーキングプラントアプローチ(SPA:Speaking Plant Approach)という栽培方法が知られている。SPAは、栽培の省力化や、作物の高収量化及び高品質化を実現する方法として、近年注目されている。
従来のSPAとして、作物に与えられた水ストレスを計測し、計測した水ストレスに基づいて、作物への養液の供給を制御する方法が知られている。一般に、作物の糖度や酸度(以下、「品質」と総称する)は、水ストレスに依存するため、上記従来の方法により、作物の品質を所望の値に制御することができる。
しかしながら、上記従来の方法では、作物の色づきについては考慮されていなかった。このため、作物の品質が最適な状態になるタイミングと、作物の色味が最適な状態になるタイミングと、が一致しないことがあった。結果として、作物を最適な状態で収穫できない恐れがあった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、作物の品質及び色味が最適な状態で、作物を収穫可能とすることを目的とする。
一実施形態に係る栽培支援装置は、作物に与えられた水ストレスを積算し、積算水ストレスを算出する水ストレス積算部と、前記作物の周囲の温度を積算し、積算温度を算出する温度積算部と、前記積算水ストレスと、前記積算水ストレスの計画値と、前記積算温度と、前記積算温度の計画値と、に基づいて、前記水ストレス及び前記温度の制御内容を決定する制御内容決定部と、を備える。
本発明の各実施形態によれば、作物の品質及び色味が最適な状態で作物を収穫することができる。
第1実施形態に係る栽培システムの概略構成を示す図。 栽培支援装置のハードウェア構成の一例を示す図。 栽培支援装置の機能構成の一例を示す図。 積算水ストレスの計画値の時系列データの一例を示す図。 積算温度の計画値の時系列データの一例を示す図。 温度の制御内容の決定方法を説明する図。 積算水ストレスの算出処理の一例を示すフローチャート。 積算温度の算出処理の一例を示すフローチャート。 温度の制御処理の一例を示すフローチャート。 水ストレスの制御内容の決定方法を説明する図。 水ストレスの制御処理の一例を示すフローチャート。 水ストレス及び温度の制御内容の決定方法を説明する図。 水ストレス及び温度の制御処理の一例を示すフローチャート。 第4実施形態に係る水ストレスセンサのハードウェア構成の一例を示す図。 第5実施形態に係る栽培支援装置の機能構成の一例を示す図。
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る栽培システムについて、図1〜図9を参照して説明する。本実施形態に係る栽培システムは、作物を栽培するためのシステムである。図1は、本実施形態に係る栽培システムの概略構成を示す図である。図1の栽培システムは、栽培支援装置100と、水ストレスセンサ200と、温度センサ300と、給液装置400と、空調装置500と、を備える。なお、図1におけるCは、栽培システムが栽培する作物を模式的に表したものである。以下、作物Cと称する。
栽培支援装置100は、作物Cの栽培を支援するための装置であり、コンピュータにより構成される。栽培支援装置100は、水ストレスセンサ200と、温度センサ300と、給液装置400と、空調装置500と、通信可能に接続される。栽培支援装置100は、水ストレスセンサ200及び温度センサ300から取得した情報に基づいて、給液装置400及び空調装置500を制御する。栽培支援装置100のハードウェア構成及び機能構成について、詳しくは後述する。
水ストレスセンサ200は、作物Cに与えられた水ストレスを計測するためのセンサである。水ストレスセンサ200は、所定の時間毎に、又は栽培支援装置100からの要求に応じて、水ストレスを計測する。水ストレスセンサ200は、計測した水ストレスを、栽培支援装置100に送信する。なお、水ストレスセンサ200により計測される水ストレスは、水ストレスセンサ200により推定された、水ストレスの相対値である。
水ストレスは、例えば、作物Cまでの距離に基づいて、推定することができる。作物Cまでの距離は、距離センサにより計測できる。また、水ストレスは、作物Cの葉の投影面積の変化に基づいて、推定することができる。作物Cの葉の投影面積は、撮影装置により撮影された作物Cの画像から算出できる。また、水ストレスは、作物Cの葉の温度変化に基づいて、推定することができる。作物Cの葉の温度は、サーモグラフィーにより計測できる。また、水ストレスは、作物Cの蒸散速度に基づいて、推定することができる。作物Cの蒸散速度は、重量計により計測された作物Cの重量に基づいて算出できる。本実施形態において、水ストレスセンサ200は、上記のような既存の任意の方法により、作物Cの水ストレスを計測可能な任意の装置であり得る。
また、水ストレスセンサ200は、水ストレスを計測するための何らかのデータ(例えば、画像データ)を送信する装置であってもよい。この場合、栽培支援装置100が、水ストレスセンサ200から受信したデータに基づいて、上記のような方法により、水ストレスを算出すればよい。水ストレスセンサ200について、詳しくは後述する。
温度センサ300は、作物Cの周囲の温度を計測するためのセンサである。温度センサ300は、所定の時間毎に、又は栽培支援装置100からの要求に応じて、温度を計測する。温度センサ300は、計測した温度を、栽培支援装置100に送信する。
給液装置400は、作物Cに養液を供給する装置である。給液装置400は、栽培支援装置100から制御信号を入力され、入力された制御信号に従って、作物Cに養液を供給する。
空調装置500は、作物Cの周囲の温度を制御する装置である。空調装置500は、栽培支援装置100から制御信号を入力され、入力された制御信号に従って、作物Cの周囲の温度を制御する。
次に、栽培支援装置100のハードウェア構成について説明する。図2は、栽培支援装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図2の栽培支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、入力装置105と、表示装置106と、を備える。また、栽培支援装置100は、通信インタフェース107と、接続インタフェース108と、バス109と、を備える。
CPU101は、ROM120及びHDD104に記憶されたプログラムを実行し、栽培支援装置100の機能を実現する。ROM102は、CPU101が実行するプログラムや所定の情報を記憶する。RAM103は、CPU101に作業領域を提供する。HDD104は、CPU101が実行するプログラムや所定の情報を記憶する。入力装置105は、ユーザからの操作を受け付け、操作に応じた情報や命令を栽培支援装置100に入力する。入力装置105は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、及び押しボタンなどである。表示装置106は、画像や映像を表示する。表示装置106は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、ブラウン管ディスプレイなどである。
通信インタフェース107は、栽培支援装置100をLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続し、外部機器と通信可能にするためのインタフェースである。接続インタフェース108は、栽培支援装置100を、水ストレスセンサ200、温度センサ300、給液装置400、及び空調装置500と接続するためのインタフェースである。水ストレスセンサ200、温度センサ300、給液装置400、及び空調装置500の少なくとも1つは、通信インタフェース107を介して、栽培支援装置100に接続されてもよい。バス109は、CPU101、ROM102、RAM103、HDD104、入力装置105、表示装置106、通信インタフェース107、及び接続インタフェース108を相互に接続する。
次に、栽培支援装置100の機能構成について説明する。図3は、栽培支援装置100の機能構成の一例を示す図である。図3の栽培支援装置100は、水ストレス積算部1と、温度積算部2と、計画値記憶部3と、制御内容決定部4と、給液制御部5と、温度制御部6と、を備える。これらの各機能構成は、CPU101がプログラムを実行することにより実現される。
水ストレス積算部1は、水ストレスセンサ200が水ストレスを計測するたびに、計測された水ストレスを積算する。積算された水ストレスを、積算水ストレスv1という。作物Cの品質は、積算水ストレスv1に依存するため、積算水ストレスv1は、作物Cの実際の成熟の度合い(以下、「成熟度」という)を示す値となる。ここでいう成熟とは、作物Cの品質が収穫に最適な状態に近づくことをいう。水ストレス積算部1は、水ストレスの計測タイミングにおける、作物Cに対する水ストレスの影響を考慮して、積算水ストレスv1を算出する。積算水ストレスv1の算出方法について、詳しくは後述する。
温度積算部2は、温度センサ300が温度を計測するたびに、計測された温度を積算する。積算された温度を、積算温度v2という。作物Cの色味は、積算温度v2に依存するため、積算温度v2は、作物Cの実際の着色の度合い(以下、「着色度」という)を示す値となる。ここでいう着色とは、作物Cの色味が収穫に最適な状態に近づくことをいう。温度積算部2は、温度の計測タイミングにおける、作物Cに対する温度の影響を考慮して、積算温度v2を算出する。積算温度v2の算出方法について、詳しくは後述する。
計画値記憶部3は、作物Cの栽培計画として、積算水ストレスの計画値V1の時系列データと、積算温度の計画値V2の時系列データと、をそれぞれ記憶する。以下、計画値V1,V2についてそれぞれ説明する。
積算水ストレスの計画値V1は、栽培計画の実行期間中(すなわち、栽培計画の起算タイミングtsから終了タイミングteまで)の各タイミングにおける積算水ストレスの値として、予め設定された値である。計画値V1は、作物Cの計画された成熟度を示す値となる。計画値V1は、実験やシミュレーションにより設定可能である。
起算タイミングts及び終了タイミングteは、ユーザが任意に設定可能な、栽培計画の開始及び終了のタイミングである。起算タイミングtsは、例えば、作物Cの定植時、開花時、及び結実時などである。終了タイミングteは、例えば、起算タイミングteから所定の時間(例えば、5日)が経過したタイミングや、作物Cの収穫が予定される収穫予定タイミングなどである。終了タイミングteは、起算タイミングtsから所定の時間間隔(例えば、1週間ごと)で設定されてもよい。以下では、終了タイミングteは、収穫予定タイミングであるものとし、終了タイミングteを収穫予定タイミングteという。
以下では、タイミングtにおける計画値V1を、V1(t)と表す。タイミングtは、日時であってもよいし、起算タイミングts(例えば、作物Cの定植時、開花時、及び結実時など)からの経過時間であってもよい。また、収穫予定タイミングteの計画値V1(te)を、第1目標値という。第1目標値は、積算水ストレスv1が第1目標値に到達したときに、作物Cの品質が収穫に最適な状態となるように設定される。
図4は、計画値記憶部3に記憶された計画値V1の時系列データの一例を示す図である。図4において、横軸はタイミングtであり、縦軸は積算水ストレスであり、実線は計画値V1である。図4に示すように、計画値V1は、起算タイミングtsから収穫予定タイミングteまで単調増加する。この栽培計画に従って、作物Cに水ストレスを与えることにより、収穫予定タイミングteにおいて、作物Cの品質が収穫に最適な状態になる。
なお、計画値記憶部3は、各タイミングの計画値V1をそれぞれ記憶してもよいし、計画値V1を表す関数を記憶してもよい。また、計画値記憶部3は、各タイミングの水ストレスの計画値V1´をそれぞれ記憶してもよい。計画値記憶部3が関数や計画値V1´を記憶する場合、後述する制御内容決定部4は、記憶された関数や計画値V1´に基づいて、計画値V1を算出すればよい。
積算温度の計画値V2は、栽培計画の実行期間中(すなわち、栽培計画の起算タイミングtsから収穫予定タイミングteまで)の各タイミングにおける積算温度の値として、予め設定された値である。計画値V2は、作物Cの計画された着色度を示す値となる。計画値V2は、実験やシミュレーションにより設定可能である。
以下では、タイミングtにおける計画値V2を、V2(t)と表す。タイミングtは、日時であってもよいし、起算タイミングts(例えば、作物Cの定植時、開花時、及び結実時など)からの経過時間であってもよい。また、収穫予定タイミングteの計画値V2(te)を、第2目標値という。第2目標値は、積算温度v2が第2目標値に到達したときに、作物Cの色味が収穫に最適な状態となるように設定される。
図5は、計画値記憶部3に記憶された計画値V2の時系列データの一例を示す図である。図5において、横軸はタイミングtであり、縦軸は積算温度であり、実線は計画値V2である。図5に示すように、計画値V2は、起算タイミングtsから収穫予定タイミングteまで単調増加する。この栽培計画に従って作物Cの周囲の温度を制御することにより、収穫予定タイミングteにおいて、作物Cの色味が収穫に最適な状態になる。
なお、計画値記憶部3は、各タイミングの計画値V2をそれぞれ記憶してもよいし、計画値V2を表す関数を記憶してもよい。また、計画値記憶部3は、各タイミングの温度の計画値V2´をそれぞれ記憶してもよい。計画値記憶部3が関数や計画値V2´を記憶する場合、後述する制御内容決定部4は、記憶された関数や計画値V2´に基づいて、計画値V2を算出すればよい。
制御内容決定部4は、所定の時間毎に、又は入力装置105を介して入力されたユーザからの要求に応じて、積算水ストレスv1、計画値V1、積算温度v2、及び計画値V2に基づいて、水ストレス及び温度の新たな制御内容を決定する。制御内容決定部4が制御内容を決定するタイミングを、制御タイミングという。より詳細には、制御内容決定部4は、制御タイミングにおいて、積算水ストレスv1が第1目標値に到達する第1到達タイミングと、積算温度v2が第2目標値に到達する第2到達タイミングと、が一致するように、水ストレス及び温度の新たな制御内容を決定する。
作物Cが栽培計画に従って栽培された場合、第1到達タイミング及び第2到達タイミングは、いずれも収穫予定タイミングteとなる。本実施形態では、積算水ストレスv1及び積算温度v2の少なくとも一方に、栽培計画(計画値V1,V2)に対する誤差が生じる場合を想定している。
本実施形態において、制御内容決定部4は、第2到達タイミングが第1到達タイミングに一致するように、温度の制御内容を決定する。具体的には、制御内容決定部4は、積算水ストレスv1の履歴データに基づいて、現在時刻以降の積算水ストレスv1を外挿し、第1到達タイミングを予測する。第1到達タイミングは、外挿された積算水ストレスv1が第1目標値V1(te)となるタイミングである。
次に、制御内容決定部4は、予測された第1到達タイミングに、第2到達タイミングが一致するように、現在時刻以降の積算温度v2を外挿する。そして、制御内容決定部4は、現在時刻以降の積算温度v2が、外挿された現在時刻以降の積算温度v2となるように、温度の制御内容を決定する。
温度の制御内容は、現在時刻以降の設定温度であってもよいし、現在時刻の設定温度に対する温度の変化量であってもよいし、空調装置500による加熱量(冷却量)であってもよい。例えば、次の制御タイミングの積算温度v2と、現在時刻の積算温度v2と、の差を現在時刻以降の設定温度とすることが考えられる。
また、制御内容決定部4は、気温などの外部要因を考慮して温度の制御内容を決定してもよい。例えば、現在時刻以降に気温が上昇することがわかっている場合、上昇(低下)させる温度の変化量を小さく(大きく)することが考えられる。同様に、現在時刻以降に気温が低下することがわかっている場合、低下(上昇)させる温度の変化量を小さく(大きく)することが考えられる。
図6は、温度の制御内容の決定方法を説明する図である。図6の上図において、実線は積算水ストレスv1であり、一点鎖線は計画値V1であり、点線は外挿された積算水ストレスv1である。図6の例では、制御タイミングt1(現在時刻)において、積算水ストレスv1は、計画値V1より大きい。これは、作物Cの実際の成熟度が栽培計画において計画された成熟度より大きい、すなわち、作物Cの成熟が栽培計画より進んでいることを示している。
図6の下図において、実線は積算温度v2であり、一点鎖線は計画値V2であり、点線は外挿された積算温度v2である。図6の例では、制御タイミングt1において、積算温度v2は、計画値V2より小さい。これは、作物Cの実際の着色度が栽培計画において計画された着色度より小さい、すなわち、作物Cの着色が栽培計画より遅れていることを示している。
制御内容決定部4は、制御タイミングt1において、図6に示す積算水ストレスv1及び積算温度v2を取得すると、積算水ストレスv1を外挿して第1到達タイミングt2を求める(上図参照)。次に、制御内容決定部4は、得られた第1到達タイミングt2に第2到達タイミングが一致するように、積算温度v2を外挿する(下図参照)。そして、制御内容決定部4は、制御タイミングt1以降の積算温度v2が、外挿された積算温度v2となるように、温度の制御内容を決定する。
図6の例では、作物Cの着色が成熟に対して遅れている。このような場合、制御内容決定部4は、温度が高くなるように温度の制御内容を決定する。これにより、作物Cの着色を促進し、第2到達タイミングを早めることができる。結果として、第2到達タイミングを第1到達タイミングに一致させることができる。
これに対して、作物Cの着色が成熟に対して進んでいる場合、制御内容決定部4は、温度が低くなるように温度の制御内容を決定する。これにより、作物Cの着色を抑制し、第2到達タイミングを遅らせることができる。結果として、第2到達タイミングを第1到達タイミングに一致させることができる。
給液制御部5は、制御内容決定部4が決定した水ストレスの制御内容を実現するための、給液装置400の制御信号を生成し、給液装置400に送信する。本実施形態では、水ストレスは制御(変更)されない。したがって、給液制御部5は、毎回一定の制御信号を送信してもよいし、制御信号を送信しなくてもよい。また、給液装置400が栽培支援装置100に接続されていなくてもよい。給液装置400が接続されていない場合や、給液装置400に制御信号を送信しない場合には、給液装置400に制御内容を予め設定しておけばよい。
温度制御部6は、制御内容決定部4が決定した温度の制御内容を実現するための、空調装置500の制御信号を生成し、空調装置500に送信する。例えば、温度の制御内容が新たな設定温度である場合、温度制御部6は、空調装置500の設定温度を新たな設定温度に変更する制御信号を送信すればよい。また、温度の制御内容が現在の設定温度に対する温度の変化量である場合、温度制御部6は、現在の設定温度と、温度の変化量(制御内容)と、に基づいて、新たな設定温度を算出すればよい。
なお、新たな制御内容と元の制御内容とが略等しい場合、温度制御部6は、制御信号を送信しなくてもよい。このような場合として、新たな設定温度が元の設定温度に対して所定の範囲内である場合や、温度の変化量が所定の範囲内である場合などが考えられる。制御信号を送信しないことにより、前回決定された制御内容が維持される。
次に、本実施形態に係る栽培システムの動作について説明する。以下では、積算水ストレスv1の算出処理、積算温度v2の算出処理、及び温度の制御処理について、それぞれ説明する。
図7は、積算水ストレスv1の算出処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、水ストレスセンサ200は、水ストレスの計測タイミングが到来するまで待機する(ステップS101のNO)。
水ストレスの計測タイミングが到来すると(ステップS101のYES)、水ストレスセンサ200は、水ストレスを計測し(ステップS102)、栽培支援装置100に送信する。
栽培支援装置100の水ストレス積算部1は、水ストレスセンサ200から水ストレスを受信すると、前回の計測タイミングに算出した積算水ストレスv1に、新たに受信した水ストレスを積算し、新たな積算水ストレスv1を算出する(ステップS103)。
水ストレス積算部1は、積算水ストレスv1の初期値を0として積算水ストレスv1を算出すればよい。すなわち、水ストレス積算部1は、1回目の積算水ストレスv1を算出する際、水ストレスセンサ200から受信した水ストレスを、そのまま積算水ストレスv1とすればよい。また、水ストレスセンサ200が水ストレスを計測するためのデータを送信する装置である場合、水ストレス積算部1は、受信したデータに基づいて水ストレスを算出し、算出した水ストレスに基づいて積算水ストレスv1を算出すればよい。
水ストレス積算部1は、算出した新たな積算水ストレスv1を記憶する(ステップS104)。その後、計測処理を終了しない場合(ステップS105のNO)、処理はステップS101に戻り、水ストレスセンサ200は、次の計測タイミングまで待機する。
一方、作物Cの栽培が終了した場合や、栽培支援装置100又は水ストレスセンサ200の電源がOFFにされた場合、計測処理は終了する(ステップS105のYES)。
計測処理の実行中、ステップS101〜S105の処理が繰り返される。これにより、水ストレス積算部1には、各計測タイミングにおける積算水ストレスv1(すなわち、積算水ストレスv1の時系列データ)が記憶される。
図8は、積算温度v2の算出処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、温度センサ300は、温度の計測タイミングが到来するまで待機する(ステップS201のNO)。温度の計測タイミングは、水ストレスの計測タイミングと、同一であってもよいし、異なってもよい。
温度の計測タイミングが到来すると(ステップS201のYES)、温度センサ300は、温度を計測し(ステップS202)、栽培支援装置100に送信する。
栽培支援装置100の温度積算部2は、温度センサ300から温度を受信すると、前回の計測タイミングに算出した積算温度v2に、新たに受信した温度を積算し、新たな積算温度v2を算出する(ステップS203)。
温度積算部2は、積算温度v2の初期値を0として積算温度v2を算出すればよい。すなわち、温度積算部2は、1回目の積算温度v2を算出する際、温度センサ300から受信した温度を、そのまま積算温度v2とすればよい。
温度積算部2は、算出した新たな積算温度v2を記憶する(ステップS204)。その後、計測処理を終了しない場合(ステップS205のNO)、処理はステップS201に戻り、温度センサ300は、次の計測タイミングまで待機する。
一方、作物Cの栽培が終了した場合や、栽培支援装置100又は温度センサ300の電源がOFFにされた場合、計測処理は終了する(ステップS205のYES)。
計測処理の実行中、ステップS201〜S205の処理が繰り返される。これにより、温度積算部2には、各計測タイミングにおける積算温度v2(すなわち、積算温度v2の時系列データ)が記憶される。
図9は、本実施形態に係る温度の制御処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、制御内容決定部4は、制御タイミングが到来するまで待機する(ステップS301のNO)。制御タイミングは、水ストレス及び温度の計測タイミングと、同一であってもよいし、異なってもよい。
制御タイミングが到来すると(ステップS301のYES)、制御内容決定部4は、計画値記憶部3から栽培計画、すなわち、計画値V1,V2の時系列データを読み出す(ステップS302)。栽培計画には、第1目標値(収穫予定タイミングteにおける計画値V1)と、第2目標値(収穫予定タイミングteにおける計画値V2)と、が含まれる。
次に、制御内容決定部4は、水ストレス積算部1から積算水ストレスv1の履歴データを取得する。制御内容決定部4は、積算水ストレスv1の履歴データと、読み出した第1目標値と、に基づいて、積算水ストレスv1が第1目標値に到達する第1到達タイミングを予測する(ステップS303)。
続いて、制御内容決定部4は、温度積算部2から積算温度v2の履歴データを取得する。制御内容決定部4は、積算温度v2の履歴データと、読み出した第2目標値と、予測した第1到達タイミングと、に基づいて、現在時刻以降の積算温度v2を外挿する。制御内容決定部4は、外挿された現在時刻以降の積算温度v2と、取得した現在時刻以前の積算温度v2と、に基づいて、温度の新たな制御内容を決定する(ステップS304)。制御内容決定部4は、新たな制御内容が決定すると、決定した新たな制御内容を温度制御部6に通知する。ここでは、新たな制御内容として、新たな設定温度が決定されたものとする。
温度制御部6は、新たな設定温度を通知されると、空調装置500の設定温度を新たな設定温度に変更するための制御信号を生成し、生成した制御信号を空調装置500に送信する(ステップS305)。上述の通り、温度制御部6は、新たな設定温度が元の設定温度に対する所定の範囲内である場合、制御信号を送信しなくてもよい。
空調装置500は、温度制御部6から制御信号を受信すると、制御信号により元の設定温度を新たな設定温度に変更される。以降、空調装置500が動作することにより、作物Cの周囲の温度が新たな設定温度に制御される(ステップS306)。
その後、温度の制御処理を終了しない場合(ステップS307のNO)、処理はステップS301に戻り、制御内容決定部4は、次の制御タイミングまで待機する。制御処理が終了するまで、ステップS301〜S307の処理が繰り返される。
一方、作物Cの栽培が終了した場合や、栽培支援装置100、給液装置400、又は空調装置500の電源がOFFにされた場合、制御処理は終了する(ステップS307のYES)。
以上説明した通り、本実施形態によれば、作物Cの周囲の温度を制御することにより、第2到達タイミングを第1到達タイミングに一致させることができる。これにより、第1到達タイミングにおいて、作物Cの品質及び色味を最適な状態にすることができる。第1到達タイミングに作物Cを収穫することにより、作物Cを、品質及び色味が最適な状態で収穫することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る栽培システムについて、図10〜図13を参照して説明する。本実施形態では、第1到達タイミングが第2到達タイミングに一致するように、水ストレスの制御内容が決定される栽培システムについて説明する。本実施形態に係る栽培システムの概略構成、及び栽培支援装置100のハードウェア構成及び機能構成は、第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態において、制御内容決定部4は、第1到達タイミングが第2到達タイミングに一致するように、水ストレスの制御内容を決定する。具体的には、制御内容決定部4は、積算温度v2の履歴データに基づいて、現在時刻以降の積算温度v2を外挿し、第2到達タイミングを予測する。第2到達タイミングは、外挿された積算温度v2が第2目標値V2(te)となるタイミングである。
次に、制御内容決定部4は、予測された第2到達タイミングに、第1到達タイミングが一致するように、現在時刻以降の積算水ストレスv1を外挿する。そして、制御内容決定部4は、現在時刻以降の積算水ストレスv1が、外挿された現在時刻以降の積算水ストレスv1となるように、水ストレスの制御内容を決定する。
水ストレスの制御内容は、現在時刻以降の養液の供給量であってもよいし、養液の供給間隔であってもよい。養液の供給量は、1回当たりの供給量であってもよいし、所定時間に供給する養液の総量であってもよい。例えば、次の制御タイミングの積算水ストレスv1と、現在時刻の積算水ストレスv1と、の差を現在時刻以降の供給量とすることが考えられる。
また、制御内容決定部4は、気温などの外部要因を考慮して水ストレスの制御内容を決定してもよい。例えば、現在時刻以降に気温が上昇することがわかっている場合、養液の供給量を大きくすることが考えられる。同様に、現在時刻以降に気温が低下することがわかっている場合、養液の供給量を小さくすることが考えられる。
図10は、水ストレスの制御内容の決定方法を説明する図である。図10の上図において、実線は積算水ストレスv1であり、一点鎖線は計画値V1であり、点線は外挿された積算水ストレスv1である。図10の例では、制御タイミングt1(現在時刻)において、積算水ストレスv1は、計画値V1より大きい。これは、作物Cの実際の成熟度が栽培計画において計画された成熟度より大きい、すなわち、作物Cの成熟が栽培計画より進んでいることを示している。
図10の下図において、実線は積算温度v2であり、一点鎖線は計画値V2であり、点線は外挿された積算温度v2である。図10の例では、制御タイミングt1において、積算温度v2は、計画値V2より小さい。これは、作物Cの実際の着色度が栽培計画において計画された着色度より小さい、すなわち、作物Cの着色が栽培計画より遅れていることを示している。
制御内容決定部4は、制御タイミングt1において、図10に示す積算水ストレスv1及び積算温度v2を取得すると、積算温度v2を外挿して第2到達タイミングt3を求める(下図参照)。次に、制御内容決定部4は、得られた第2到達タイミングt3に第1到達タイミングが一致するように、積算水ストレスv1を外挿する(上図参照)。そして、制御内容決定部4は、制御タイミングt1以降の積算水ストレスv1が、外挿された積算水ストレスv1となるように、水ストレスの制御内容を決定する。
図10の例では、作物Cの着色が成熟に対して遅れている。このような場合、制御内容決定部4は、水ストレスが低くなるように水ストレスの制御内容を決定する。具体的には、制御内容決定部4は、養液の供給量を増加させる、又は養液の供給間隔を短くする。これにより、作物Cの成熟を抑制し、第1到達タイミングを遅らせることができる。結果として、第1到達タイミングを第2到達タイミングに一致させることができる。
これに対して、作物Cの着色が成熟に対して進んでいる場合、制御内容決定部4は、水ストレスが高くなるように水ストレスの制御内容を決定する。具体的には、制御内容決定部4は、養液の供給量を減少させる、又は養液の供給間隔を長くする。これにより、作物Cの成熟を促進し、第1到達タイミングを早めることができる。結果として、第1到達タイミングを第2到達タイミングに一致させることができる。
給液制御部5は、制御内容決定部4が決定した積算水ストレスv1の制御内容を実現するための、給液装置400の制御信号を生成し、給液装置400に送信する。例えば、水ストレスの制御内容が養液の新たな供給量である場合、給液制御部5は、給液装置400の供給量を新たな供給量に変更する制御信号を送信すればよい。また、水ストレスの制御内容が現在の供給量に対する供給量の変化量である場合、給液制御部5は、現在の供給量と、供給量の変化量(制御内容)と、に基づいて、新たな供給量を算出すればよい。
なお、新たな制御内容と元の制御内容とが略等しい場合、給液制御部5は、制御信号を送信しなくてもよい。このような場合として、新たな供給量が元の供給量に対して所定の範囲内である場合や、供給量の変化量が所定の範囲内である場合などが考えられる。制御信号を送信しないことにより、前回決定された制御内容が維持される。
温度制御部6は、制御内容決定部4が決定した水ストレスの制御内容を実現するための、空調装置500の制御信号を生成し、空調装置500に送信する。本実施形態では、温度は制御(変更)されない。したがって、温度制御部6は、毎回一定の制御信号を送信してもよいし、制御信号を送信しなくてもよい。また、空調装置500が栽培支援装置100に接続されていなくてもよい。空調装置500が接続されていない場合や、空調装置500に制御信号を送信しない場合には、空調装置500に制御内容を予め設定しておけばよい。
次に、本実施形態に係る栽培システムの動作について説明する。以下では、水ストレスの制御処理について説明する。なお、積算水ストレスv1の算出処理及び積算温度v2の算出処理は、第1実施形態と同様である。
図11は、本実施形態に係る水ストレスの制御処理の一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、制御内容決定部4は、制御タイミングが到来するまで待機する(ステップS401のNO)。制御タイミングは、水ストレス及び温度の計測タイミングと、同一であってもよいし、異なってもよい。
制御タイミングが到来すると(ステップS401のYES)、制御内容決定部4は、計画値記憶部3から栽培計画、すなわち、計画値V1,V2の時系列データを読み出す(ステップS402)。栽培計画には、第1目標値(収穫予定タイミングteにおける計画値V1)と、第2目標値(収穫予定タイミングteにおける計画値V2)と、が含まれる。
次に、制御内容決定部4は、温度積算部2から積算温度v2の履歴データを取得する。制御内容決定部4は、積算温度v2の履歴データと、読み出した第2目標値と、に基づいて、積算温度v2が第2目標値に到達する第2到達タイミングを予測する(ステップS403)。
続いて、制御内容決定部4は、水ストレス積算部1から積算水ストレスv1の履歴データを取得する。制御内容決定部4は、積算水ストレスv1の履歴データと、読み出した第1目標値と、予測した第2到達タイミングと、に基づいて、現在時刻以降の積算水ストレスv1を外挿する。制御内容決定部4は、外挿された現在時刻以降の積算水ストレスv1と、取得した現在時刻以前の積算水ストレスv1と、に基づいて、水ストレスの新たな制御内容を決定する(ステップS404)。制御内容決定部4は、新たな制御内容が決定すると、決定した新たな制御内容を給液制御部5に通知する。ここでは、新たな制御内容として、養液の新たな供給量が決定されたものとする。
給液制御部5は、新たな供給量を通知されると、給液装置400の供給量を新たな供給量に変更するための制御信号を生成し、生成した制御信号を給液装置400に送信する(ステップS405)。上述の通り、給液制御部5は、新たな供給量が元の供給量に対する所定の範囲内である場合、制御信号を送信しなくてもよい。
給液装置400は、給液制御部5から制御信号を受信すると、制御信号により元の供給量を新たな供給量に変更される。以降、給液装置400が動作することにより、作物Cに与えられる水ストレスが新たな供給量に応じた水ストレスに制御される(ステップS406)。
その後、制御処理を終了しない場合(ステップS407のNO)、処理はステップS401に戻り、制御内容決定部4は、次の制御タイミングまで待機する。制御処理が終了するまで、ステップS401〜S407の処理が繰り返される。
一方、作物Cの栽培が終了した場合や、栽培支援装置100、給液装置400、又は空調装置500の電源がOFFにされた場合、制御処理は終了する(ステップS407のYES)。
以上説明した通り、本実施形態によれば、作物Cに与える水ストレスを制御することにより、第1到達タイミングを第2到達タイミングに一致させることができる。これにより、第2到達タイミングにおいて、作物Cの品質及び色味を最適な状態にすることができる。第2到達タイミングに作物Cを収穫することにより、作物Cを、品質及び色味が最適な状態で収穫することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る栽培システムについて、図12及び図13を参照して説明する。本実施形態では、第1到達タイミング及び第2到達タイミングが、収穫予定タイミングteに一致するように、温度及び水ストレスの制御内容が決定される栽培システムについて説明する。本実施形態に係る栽培システムの概略構成、及び栽培支援装置100のハードウェア構成及び機能構成は、第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態において、制御内容決定部4は、第1到達タイミングが収穫予定タイミングteに一致するように、水ストレスの制御内容を決定する。具体的には、制御内容決定部4は、収穫予定タイミングteに、第1到達タイミングが一致するように、現在時刻以降の積算水ストレスv1を外挿する。そして、制御内容決定部4は、現在時刻以降の積算水ストレスv1が、外挿された現在時刻以降の積算水ストレスv1となるように、温度の制御内容を決定すればよい。
また、制御内容決定部4は、制御タイミングにおける積算水ストレスv1と、制御タイミングにおける基準値V1と、に基づいて、積算水ストレスv1と基準値V1と間の誤差を評価する評価値を算出し、評価値に応じた制御内容を決定してもよい。評価値として、例えば、積算水ストレスv1と基準値V1との比や差が考えられる。この場合、評価値に応じた制御内容を、テーブルや関数として予め設定しておき、設定した制御内容を制御内容決定部4に記憶させておけばよい。
また、本実施形態において、制御内容決定部4は、第2到達タイミングが収穫予定タイミングteに一致するように、温度の制御内容を決定する。具体的には、制御内容決定部4は、収穫予定タイミングteに、第2到達タイミングが一致するように、現在時刻以降の積算温度v2を外挿する。そして、制御内容決定部4は、現在時刻以降の積算温度v2が、外挿された現在時刻以降の積算温度v2となるように、温度の制御内容を決定すればよい。
また、制御内容決定部4は、制御タイミングにおける積算温度v2と、制御タイミングにおける基準値V2と、に基づいて、積算温度v2と基準値V2と間の誤差を評価する評価値を算出し、評価値に応じた制御内容を決定してもよい。評価値として、例えば、積算温度v2と基準値V2との比や差が考えられる。この場合、評価値に応じた制御内容を、テーブルや関数として予め設定しておき、設定した制御内容を制御内容決定部4に記憶させておけばよい。
図12は、水ストレス及び温度の制御内容の決定方法を説明する図である。図12の上図において、実線は積算水ストレスv1であり、一点鎖線は計画値V1であり、点線は外挿された積算水ストレスv1である。図12の例では、制御タイミングt1(現在時刻)において、積算水ストレスv1は、計画値V1より大きい。これは、作物Cの実際の成熟度が栽培計画において計画された成熟度より大きい、すなわち、作物Cの成熟が栽培計画より進んでいることを示している。
制御内容決定部4は、制御タイミングt1において、図12に示す積算水ストレスv1及び計画値V1を取得すると、第1到達タイミングが収穫予定タイミングteに一致するように、積算水ストレスv1を外挿する(上図参照)。そして、制御内容決定部4は、制御タイミングt1以降の積算水ストレスv1が、外挿された積算水ストレスv1となるように、水ストレスの制御内容を決定する。
図12の例では、作物Cの成熟が栽培計画に対して進んでいる。このような場合、制御内容決定部4は、水ストレスが低くなるように水ストレスの制御内容を決定する。具体的には、制御内容決定部4は、養液の供給量を増加させる、又は養液の供給間隔を短くする。これにより、作物Cの成熟を抑制し、第1到達タイミングを遅らせることができる。結果として、第1到達タイミングを収穫予定タイミングteに一致させることができる。
これに対して、作物Cの成熟が栽培計画に対して遅れている場合、制御内容決定部4は、水ストレスが高くなるように水ストレスの制御内容を決定する。具体的には、制御内容決定部4は、養液の供給量を減少させる、又は養液の供給間隔を長くする。これにより、作物Cの成熟を促進し、第1到達タイミングを早めることができる。結果として、第1到達タイミングを収穫予定タイミングteに一致させることができる。
なお、図12の例では、制御内容決定部4は、積算水ストレスv1を外挿することにより、水ストレスの制御内容を決定しているが、上述の通り、評価値に基づいて水ストレスの制御内容を決定してもよい。
図12の下図において、実線は積算温度v2であり、一点鎖線は計画値V2であり、点線は外挿された積算温度v2である。図12の例では、制御タイミングt1において、積算温度v2は、計画値V2より小さい。これは、作物Cの実際の着色度が栽培計画において計画された着色度より小さい、すなわち、作物Cの着色が栽培計画より遅れていることを示している。
制御内容決定部4は、制御タイミングt1において、図12に示す積算温度v2及び計画値V2を取得すると、第2到達タイミングが収穫予定タイミングteに一致するように、積算温度v2を外挿する(下図参照)。そして、制御内容決定部4は、制御タイミングt1以降の積算温度v2が、外挿された積算温度v2となるように、温度の制御内容を決定する。
図12の例では、作物Cの着色が栽培計画に対して遅れている。このような場合、制御内容決定部4は、温度が高くなるように温度の制御内容を決定する。これにより、作物Cの着色を促進し、第2到達タイミングを早めることができる。結果として、第2到達タイミングを収穫予定タイミングteに一致させることができる。
これに対して、作物Cの着色が栽培計画に対して進んでいる場合、制御内容決定部4は、温度が低くなるように温度の制御内容を決定する。これにより、作物Cの着色を抑制し、第2到達タイミングを遅らせることができる。結果として、第2到達タイミングを収穫予定タイミングteに一致させることができる。
なお、図12の例では、制御内容決定部4は、積算温度v2を外挿することにより、温度の制御内容を決定しているが、上述の通り、評価値に基づいて温度の制御内容を決定してもよい。
給液制御部5は、制御内容決定部4が決定した積算水ストレスv1の制御内容を実現するための、給液装置400の制御信号を生成し、給液装置400に送信する。例えば、水ストレスの制御内容が養液の新たな供給量である場合、給液制御部5は、給液装置400の供給量を新たな供給量に変更する制御信号を送信すればよい。また、水ストレスの制御内容が現在の供給量に対する供給量の変化量である場合、給液制御部5は、現在の供給量と、供給量の変化量(制御内容)と、に基づいて、新たな供給量を算出すればよい。
なお、新たな制御内容と元の制御内容とが略等しい場合、給液制御部5は、制御信号を送信しなくてもよい。このような場合として、新たな供給量が元の供給量に対して所定の範囲内である場合や、供給量の変化量が所定の範囲内である場合などが考えられる。制御信号を送信しないことにより、前回決定された制御内容が維持される。
温度制御部6は、制御内容決定部4が決定した温度の制御内容を実現するための、空調装置500の制御信号を生成し、空調装置500に送信する。例えば、温度の制御内容が新たな設定温度である場合、温度制御部6は、空調装置500の設定温度を新たな設定温度に変更する制御信号を送信すればよい。また、温度の制御内容が現在の設定温度に対する温度の変化量である場合、温度制御部6は、現在の設定温度と、温度の変化量(制御内容)と、に基づいて、新たな設定温度を算出すればよい。
なお、新たな制御内容と元の制御内容とが略等しい場合、温度制御部6は、制御信号を送信しなくてもよい。このような場合として、新たな設定温度が元の設定温度に対して所定の範囲内である場合や、温度の変化量が所定の範囲内である場合などが考えられる。制御信号を送信しないことにより、前回決定された制御内容が維持される。
次に、本実施形態に係る栽培システムの動作について説明する。以下では、水ストレス及び温度の制御処理について説明する。なお、積算水ストレスv1の算出処理及び積算温度v2の算出処理は、第1実施形態と同様である。
図13は、本実施形態に係る水ストレス及び温度の制御処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、制御内容決定部4は、制御タイミングが到来するまで待機する(ステップS501のNO)。制御タイミングは、水ストレス及び温度の計測タイミングと、同一であってもよいし、異なってもよい。
制御タイミングが到来すると(ステップS501のYES)、制御内容決定部4は、計画値記憶部3から栽培計画、すなわち、計画値V1,V2の時系列データを読み出す(ステップS502)。栽培計画には、第1目標値(収穫予定タイミングteにおける計画値V1)と、第2目標値(収穫予定タイミングteにおける計画値V2)と、が含まれる。
次に、制御内容決定部4は、温度積算部2から積算水ストレスv1及び積算温度v2の履歴データを取得する。制御内容決定部4は、積算水ストレスv1の履歴データと計画値V1の時系列データと、に基づいて、水ストレスの制御内容を決定し、積算温度v2の履歴データと計画値V2の時系列データと、に基づいて、温度の制御内容を決定する(ステップS503)。
制御内容決定部4は、新たな制御内容が決定すると、決定した水ストレスの新たな制御内容を給液制御部5に通知し、決定した温度の新たな制御内容を温度制御部6に通知する。ここでは、水ストレスの新たな制御内容として、養液の新たな供給量が決定され、温度の新たな制御内容として、新たな設定温度が決定されたものとする。
給液制御部5は、新たな供給量を通知されると、給液装置400の供給量を新たな供給量に変更するための制御信号を生成し、生成した制御信号を給液装置400に送信する(ステップS504)。上述の通り、給液制御部5は、新たな供給量が元の供給量に対する所定の範囲内である場合、制御信号を送信しなくてもよい。
また、温度制御部6は、新たな設定温度を通知されると、空調装置500の設定温度を新たな設定温度に変更するための制御信号を生成し、生成した制御信号を空調装置500に送信する(ステップS504)。上述の通り、温度制御部6は、新たな設定温度が元の設定温度に対する所定の範囲内である場合、制御信号を送信しなくてもよい。
給液装置400は、給液制御部5から制御信号を受信すると、制御信号により元の供給量を新たな供給量に変更される。以降、給液装置400が動作することにより、作物Cに与えられる水ストレスが新たな供給量に応じた水ストレスに制御される(ステップS505)。
また、空調装置500は、温度制御部6から制御信号を受信すると、制御信号により元の設定温度を新たな設定温度に変更される。以降、空調装置500が動作することにより、作物Cの周囲の温度が新たな設定温度に制御される(ステップS505)。
その後、制御処理を終了しない場合(ステップS506のNO)、処理はステップS501に戻り、制御内容決定部4は、次の制御タイミングまで待機する。制御処理が終了するまで、ステップS501〜S506の処理が繰り返される。
一方、作物Cの栽培が終了した場合や、栽培支援装置100、給液装置400、又は空調装置500の電源がOFFにされた場合、制御処理は終了する(ステップS506のYES)。
以上説明した通り、本実施形態によれば、作物Cに与える水ストレスを制御することにより、第1到達タイミングを収穫予定タイミングteに一致させることができる。また、作物Cの周囲の温度を制御することにより、第2到達タイミングを収穫予定タイミングteに一致させることができる。これにより、収穫予定タイミングteにおいて、作物Cの品質及び色味を最適な状態にすることができる。収穫予定タイミングteに作物Cを収穫することにより、作物Cを、品質及び色味が最適な状態で収穫することができる。結果として、本実施形態によれば、栽培計画に従って作物Cを栽培することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る栽培システムについて、図14を参照して説明する。本実施形態では、水ストレスセンサ200の一例として、作物Cまでの距離に基づいて水ストレスを推定する水ストレスセンサ200について説明する。
まず、本実施形態に係る水ストレスセンサ200のハードウェア構成について説明する。図14は、本実施形態に係る水ストレスセンサ200のハードウェア構成の一例を示す図である。図14の水ストレスセンサ200は、距離センサ201と、処理回路202と、接続インタフェース203と、を備える。
距離センサ201は、自装置から作物Cまでの距離を計測するセンサである。距離センサ201は、水ストレスの計測タイミングにおいて、作物Cまでの距離を計測し、計測した距離を出力する。距離センサ201が出力した距離は、処理回路202に入力される。
距離センサ201は、レンズ焦点法やパッシブ・ステレオ法などの、受動型の方式を採用する受動型センサであってもよい。受動型センサとして、単眼カメラやステレオカメラなどが挙げられる。また、距離センサ201は、ToF(Time-of-Flight)法やアクティブ・ステレオ法などの能動型の方式を採用する能動型センサであってもよい。能動型センサとして、光レーダやプロジェクタカメラなどが考えられる。
距離センサ201は、作物Cが視野角に含まれる任意の位置に設置可能であるが、図1の例のように、作物Cの鉛直上方に設置されるのが好ましい。これにより、水ストレスの推定が容易になる。
なお、距離センサ201は、作物Cの一点までの距離を計測してもよいし、作物Cの複数点までの距離をそれぞれ計測してもよい。また、複数点までの距離に基づいて代表値(例えば、重心値)を算出し、得られた代表値を作物Cまでの距離として出力してもよい。
処理回路202は、距離センサ201から入力された作物Cまでの距離に基づいて、作物Cの水ストレスを推定し、推定した水ストレスを出力する回路である。処理回路202が出力した水ストレスは、接続インタフェース203に入力される。水ストレスの推定方法については、後述する。
接続インタフェース203は、水ストレスセンサ200を栽培支援装置100と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース203は、処理回路202から入力された水ストレスを、水ストレスの計測値として栽培支援装置100に送信する。接続インタフェース203が送信した水ストレスは、栽培支援装置100の接続インタフェース108により受信される。
次に、処理回路202による水ストレスの推定方法について説明する。以下では、3つの推定方法についてそれぞれ説明する。
第1の推定方法では、複数の作物cを利用することにより、距離に応じた水ストレスの検量線を予め用意する。作物cは、栽培する作物Cと同種の作物である。検量線は、破壊計測などにより計測した作物cの水ストレスと、この計測時に距離センサ201により計測された作物cまでの距離と、を対応付けることにより用意できる。こうして用意された検量線と、距離センサ201により計測された作物Cまでの距離と、を比較することにより、作物Cの水ストレスを推定することができる。
第2の推定方法では、複数の作物cを利用することにより、しおれ率dに応じた水ストレスの検量線を予め用意する。検量線は、破壊計測などにより計測した作物cの水ストレスと、この計測時の作物cのしおれ率dと、を対応付けることにより用意できる。作物cのしおれ率dは、作物cがしおれていない状態で計測された作物cまでの距離の代表値D0と、しおれ率dの算出時に計測された作物cまでの距離の代表値Dtと、に基づいて算出される。しおれ率Dは、例えば、代表値D0と代表値D1との差(d=D0−D1)や比(d=D1/D0)である。こうして用意された検量線と、作物Cまでの距離の代表値Dに基づいて算出されたしおれ率dと、を比較することにより、作物Cの水ストレスを推定することができる。
第3の推定方法では、作物Cの複数点の距離に基づいて、作物Cの全体又は一部(葉など)の形状を三次元的に復元し、得られた三次元形状を利用して作物Cの水ストレスを推定する。具体的には、複数の作物cの三次元形状を利用することにより、しおれ率dに応じた水ストレスの検量線を用意する。検量線は、破壊計測などにより計測した作物cの水ストレスと、この計測時の作物cのしおれ率dと、を対応付けることにより用意できる。
作物cのしおれ率dは、作物cがしおれていない状態の三次元形状と、しおれ率dの算出時の作物cの三次元形状と、に基づいて算出される。三次元形状の代わりに、作物cの樹幹の幅、樹幹の体積、葉の傾き、及び葉の面積などが利用されてもよい。こうして用意された検量線と、作物Cの三次元形状に基づいて算出されたしおれ率dと、を比較することにより、作物Cの水ストレスを推定することができる。
以上説明した通り、本実施形態に係る水ストレスセンサ200は、距離センサ201により測定した作物Cまでの距離に基づいて、作物Cの水ストレスを推定することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る栽培システムについて、図15を参照して説明する。本実施形態では、制御内容を通知する栽培支援装置100について説明する。
図15は、本実施形態に係る栽培支援装置100の機能構成の一例を示す図である。図15の栽培支援装置100は、給液制御部5と温度制御部6と、を備えず、通知部7を備える。他の構成は第1実施形態と同様である。また、栽培支援装置100のハードウェア構成は第1実施形態と同様である。
通知部7は、制御内容決定部4から新たに決定した制御内容を受け取り、受け取った制御内容に応じたメッセージを生成し、生成したメッセージをユーザ端末600に通知する。ユーザ端末600は、栽培システムのユーザが利用するコンピュータであり、通信インタフェース107を介して、栽培支援装置100に接続される。ユーザ端末600は、例えば、クライアント端末、スマートフォン、携帯電話、及びタブレット端末などである。ユーザ端末600のハードウェア構成は、栽培支援装置100と同様である。
通知部7は、例えば、ユーザ端末600にテキストデータを送信し、ユーザ端末600の表示装置にメッセージをテキスト表示させる。また、通知部7は、ユーザ端末600に音声データを送信し、ユーザ端末600に接続されたスピーカに、メッセージを音声出力させてもよい。さらに、通知部7は、栽培支援装置100の表示装置106に、メッセージをテキスト表示させてもよいし、栽培支援装置100に接続されたスピーカに、メッセージを音声出力させてもよい。
通知部7は、新たな制御内容を示すメッセージを通知することができる。例えば、設定温度を27℃にするという制御内容を受け取った場合、「設定温度を27℃にしてください。」というメッセージを通知することが考えられる。
また、通知部7は、新たな制御内容に応じたアドバイスを示すメッセージを通知することができる。例えば、元の設定温度が25℃であり、設定温度を27℃にするという制御内容を受け取った場合、「設定温度を上げてください。」というメッセージを通知することが考えられる。
また、通知部7は、新たな制御内容に基づいて予測される作物Cの収穫日(第1到達タイミング及び第2到達タイミング)を示すメッセージを通知してもよい。
以上説明した通り、本実施形態によれば、新たな制御内容に応じたメッセージをユーザに通知することができる。ユーザは、メッセージに応じて手動で水ストレスや温度を管理することができる。これにより、ユーザによる制御内容の確認や、栽培ノウハウの反映を可能とすることができる。
なお、本実施形態において、栽培支援装置100は、給液制御部5及び温度制御部6の少なくとも一方を備え、水ストレス及び温度の少なくとも一方を自動的に制御してもよい。この場合、通知部7は、制御結果を示すメッセージを通知することが考えられる。
(第6実施形態)
第6実施形態に係る栽培システムについて説明する。本実施形態では、水ストレス積算部1による水ストレスの積算方法、及び温度積算部2による温度の積算方法について説明する。以下では、5つの積算方法について、水ストレスを例にそれぞれ説明する。
第1の積算方法は、水ストレスに対して、時刻(又は時間帯)に応じた重み付けをして積算する方法である。植物の細胞内の様々な機能(光合成や代謝など)は、概日リズムに従って活性化される。このため、同じ水ストレスが与えられた場合であっても、与えられた時刻によって、水ストレスが作物Cの成熟に対して与える影響が異なると考えられる。
第1の積算方法により、作物Cの概日リズムを考慮した積算水ストレスv1(成熟度)を算出することができる。なお、時刻に応じた重み係数は、実験やシミュレーションにより予め設定することができる。水ストレス積算部1は、こうして設定された重み係数を予め記憶しておけばよい。
第2の積算方法は、水ストレスに対して、基準日時からの経過時間に応じた重み付けをして積算する方法である。基準日時は、例えば、作物Cの定植時、開花時、及び結実時などの起算タイミングtsである。同じ水ストレスが与えられた場合であっても、与えられた作物Cの成長度合いによって、水ストレスが作物Cの成熟に対して与える影響が異なると考えられる。例えば、果実肥大期に強い水ストレスが与えられると、果実の肥大が阻害されることがある。
第2の積算方法により、作物Cの成長度合いを考慮した積算水ストレスv1(成熟度)を算出することができる。なお、成長度合いに応じた重み係数は、実験やシミュレーションにより予め設定することができる。また、重み係数は、経過時間の関数として設定されてもよい。この場合、関数は、一次関数やシグモイド関数のような単調増加又は単調減少する関数であってもよいし、ガウス分布やベータ分布のような極大値又は極小値を有する関数であってもよい。水ストレス積算部1は、こうして設定された重み係数を予め記憶しておけばよい。
第3の積算方法は、水ストレスに対して、湿度に応じた重み付けをして積算する方法である。植物の蒸散要求は、湿度に依存して変化する。そして、蒸散要求の大きさは、植物が受けるストレスの大きさに影響する。このため、同じ水ストレスが与えられた場合であっても、与えられた際の周囲の湿度によって、水ストレスが作物Cの成熟に対して与える影響が異なると考えられる。一般に、湿度が低いほど水ストレスの影響は大きくなり、湿度が高いほど水ストレスの影響は小さくなる。
第3の積算方法により、作物Cの周囲の湿度を考慮した積算水ストレスv1(成熟度)を算出することができる。なお、湿度に応じた重み係数は、実験やシミュレーションにより予め設定することができる。水ストレス積算部1は、こうして設定された重み係数を予め記憶しておけばよい。
第4の積算方法は、水ストレスに対して、日射量に応じた重み付けをして積算する方法である。植物の光合成の速度は、日射量に依存するため、日射量に応じて光合成による生産物(酸素など)の量が変化する。この生産物の量は、植物が受けるストレスの大きさに影響する。このため、同じ水ストレスが与えられた場合であっても、与えられた際の日射量によって、水ストレスが作物Cの成熟に対して与える影響が異なると考えられる。
第4の積算方法により、作物Cへの日射量を考慮した積算水ストレスv1(成熟度)を算出することができる。なお、日射量に応じた重み係数は、実験やシミュレーションにより予め設定することができる。水ストレス積算部1は、こうして設定された重み係数を予め記憶しておけばよい。また、第4の積算方法では、日射量の代わりに、日射強度、照度、及び光量子量などを利用することも可能である。
第5の積算方法は、水ストレスに対して、温度に応じた重み付けをして積算する方法である。植物の細胞内の様々な機能(光合成や代謝など)は、周囲の温度に応じて活性化される。また、植物は、周囲の温度によってストレスを受ける。このため、同じ水ストレスが与えられた場合であっても、与えられた際の周囲の温度によって、水ストレスが作物Cの成熟に対して与える影響が異なると考えられる。
第5の積算方法により、作物Cの周囲の温度を考慮した積算水ストレスv1(成熟度)を算出することができる。なお、温度に応じた重み係数は、実験やシミュレーションにより予め設定することができる。水ストレス積算部1は、こうして設定された重み係数を予め記憶しておけばよい。
以上説明した通り、水ストレス積算部1は、時刻、基準日時からの経過時間、及び環境条件(湿度、日射量、及び温度)に基づいて、水ストレスに対して重みづけをすることにより、水ストレスを積算することができる。これにより、水ストレス積算部1は、作物Cの概日リズム、成長度合い、及び環境条件に起因する状態変化を考慮した積算水ストレスv1(成熟度)を算出することができる。結果として、水ストレス積算部1は、作物Cの成熟度を精度よく評価することができる。
なお、上述の第1の積算方法乃至第4の積算方法は、温度積算部2による温度の積算方法として利用されてもよい。すなわち、温度積算部2は、時刻、基準日時からの経過時間、及び環境条件(湿度及び日射量)に基づいて、温度に対して重みづけをすることにより、温度を積算してもよい。これにより、温度積算部2は、作物Cの概日リズム、成長度合い、及び環境条件に起因する状態変化を考慮した積算温度v2(着色度)を算出することができる。結果として、温度積算部2は、作物Cの着色度を精度よく評価することができる。
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
1:水ストレス積算部
2:温度積算部
3:計画値記憶部
4:制御内容決定部
5:給液制御部
6:温度制御部
7:通知部
100:栽培支援装置
200:水ストレスセンサ
300:温度センサ
400:給液装置
500:空調装置
600:ユーザ端末
特開2008−043282号公報

Claims (11)

  1. 作物に与えられた水ストレスを積算し、積算水ストレスを算出する水ストレス積算部と、
    前記作物の周囲の温度を積算し、積算温度を算出する温度積算部と、
    前記積算水ストレスと、前記積算水ストレスの計画値と、前記積算温度と、前記積算温度の計画値と、に基づいて、前記水ストレス及び前記温度の制御内容を決定する制御内容決定部と、
    を備える栽培支援装置。
  2. 前記制御内容決定部は、前記積算水ストレスが第1目標値に到達する第1到達タイミングと、前記積算温度が第2目標値に到達する第2到達タイミングと、が一致するように、前記制御内容を決定する
    請求項1に記載の栽培支援装置。
  3. 前記制御内容決定部は、前記積算水ストレスに基づいて前記第1到達タイミングを予測し、予測された前記第1到達タイミングに前記第2到達タイミングが一致するように、前記温度の前記制御内容を決定する
    請求項2に記載の栽培支援装置。
  4. 前記制御内容決定部は、前記積算温度に基づいて前記第2到達タイミングを予測し、予測された前記第2到達タイミングに前記第1到達タイミングが一致するように、前記水ストレスの前記制御内容を決定する
    請求項2に記載の栽培支援装置。
  5. 前記制御内容決定部は、予め設定された収穫予定タイミングに前記第1到達タイミングが一致するように前記水ストレスの前記制御内容を決定し、前記収穫予定タイミングに前記第2到達タイミングが一致するように前記温度の前記制御内容を決定する
    請求項2に記載の栽培支援装置。
  6. 前記水ストレス積算部は、時刻、基準日時からの経過時間、及び環境条件の少なくとも1つに基づいて、前記水ストレスに重みづけする
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の栽培支援装置。
  7. 前記温度積算部は、時刻、基準日時からの経過時間、及び環境条件の少なくとも1つに基づいて、前記温度に重みづけする
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の栽培支援装置。
  8. 前記制御内容に従って前記温度を制御する温度制御部と、
    前記制御内容に従って前記作物への養液の供給を制御する給液制御部と、
    を更に備える請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の栽培支援装置。
  9. 前記制御内容に応じたメッセージを通知する通知部を更に備える
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の栽培支援装置。
  10. 前記水ストレスを計測する水ストレスセンサと、
    前記温度を計測する温度センサと、
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の栽培支援装置と、
    を備える栽培システム。
  11. 作物に与えられた水ストレスを積算し、積算水ストレスを算出する工程と、
    前記作物の周囲の温度を積算し、積算温度を算出する工程と、
    前記積算水ストレスと、前記積算水ストレスの計画値と、前記積算温度と、前記積算温度の計画値と、に基づいて、前記水ストレス及び前記温度の制御内容を決定する工程と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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