JP7087359B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
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液体噴射装置であって、
液体を吐出するノズルと、
前記ノズルに連通し、前記液体を収容する圧力室と、
変位によって、前記圧力室の容積を変更して前記圧力室の圧力を変化させるアクチュエーターと、
前記圧力室と前記アクチュエーターとの間に配置され、前記アクチュエーターの変位量を拡大して前記圧力室に伝達する拡大変位機構と、
を備え、
前記拡大変位機構は、
前記アクチュエーターに接続され、前記アクチュエーターの変位によって弾性変形する弾性材料と、
前記弾性材料が収容されている収容室と、
前記収容室と前記圧力室とを隔てる隔壁部と、
を備え、
前記隔壁部は、前記圧力室の壁面の少なくとも一部を構成し、前記弾性材料からの圧力を受けて撓み変形する変形部を有し、
前記変形部の面積が、前記弾性材料における前記アクチュエーターからの圧力を受ける部位の面積よりも小さく、
前記弾性材料の内部には、前記弾性材料よりも圧縮率が小さいフィラーが分散して配置されている、液体噴射装置。
この形態の液体噴射装置によれば、液体のように圧力を伝達できる性質を有する弾性材料を用いる簡素化された構成の拡大変位機構によって、変形部の変位量を、アクチュエーターの変位量よりも拡大させることができる。この拡大変位機構であれば、剛体によって構成される関節機構やギヤの使用箇所を低減できるため、液体噴射装置における機械摩耗の発生が抑制される。また、隔壁部によって弾性材料が支持されるため、アクチュエーターの変位に対する弾性材料の追従性が高められる。加えて、アクチュエーターによる変位の増減が繰り返されたとしても、隔壁部によって、弾性材料が、圧力室へと漏れ出てしてしまうことが抑制される。その他に、液体噴射装置の製造時においても、拡大変位機構における圧力の伝達媒体として液体を用いる場合よりも、弾性材料を用いた方が、弾性材料の運搬や設置が容易であり、製造工程の容易化が可能である。
この形態の液体噴射装置によれば、液体の吐出後に圧力室の圧力を低減する方向にアクチュエーターを変位させたときのアクチュエーターの変位に対する弾性材料および変形部の追従性を高めることができる。よって、液体噴射装置における液体吐出の制御の精度を高めることができる。
この形態の液体噴射装置によれば、アクチュエーターの変位に対する弾性材料および変形部の追従性を、より一層、高めることができる。
この形態の液体噴射装置によれば、封止壁部によって、弾性材料が、収容室からアクチュエーターの方へと漏れ出てしまうことが抑制される。
この形態の液体噴射装置によれば、弾性材料が予め与圧されている分だけ、アクチュエーターから圧力を付与されたときの拡大変位機構の応答性を高めることができる。
この形態の液体噴射装置によれば、アクチュエーターに押圧されたときの弾性材料における体積の低減がフィラーによって抑制されるため、拡大変位機構における圧力の伝達効率を高めることができる。
この形態の液体噴射装置によれば、変形部を撓み変形させやすくすることができ、弾性材料の変位に対する変形部の変位の追従性を高めることができる。
この形態の液体噴射装置によれば、変形部の撓み変形によって吐出圧力を生じさせつつ、その吐出圧力が流路口を通じて圧力室の外部へと抜けてしまうことを抑制することができる。よって、液体噴射装置における液体の吐出効率を高めることができる。
この形態の液体噴射装置によれば、圧力室に液体が滞留することに起因する吐出性能の低下を抑制することができる。
この形態の液体噴射装置によれば、複数のノズルのそれぞれから液体を吐出させることができる。
図1は、第1実施形態における液体噴射装置100Aの全体構成を示す概略ブロック図である。液体噴射装置100Aは、拡大変位機構30を備えるヘッド部10Aと、制御部101と、供給部110と、を備える。
図3は、第2実施形態における液体噴射装置100Bが備えるヘッド部10Bの構成を示す概略断面図である。第2実施形態の液体噴射装置100Bの構成は、第1実施形態のヘッド部10Aの代わりに、第2実施形態のヘッド部10Bを備えている点以外は、第1実施形態の液体噴射装置100Aの構成(図1)とほぼ同じである。第2実施形態のヘッド部10Bの構成は、基本的に以下に説明する点以外は、第1実施形態のヘッド部10Aの構成(図2)とほぼ同じである。
図4は、第3実施形態における液体噴射装置100Cが備えるヘッド部10Cの構成を示す概略断面図である。第3実施形態の液体噴射装置100Cの構成は、第1実施形態のヘッド部10Aの代わりに、第2実施形態のヘッド部10Cを備えている点以外は、第1実施形態の液体噴射装置100Aの構成(図1)とほぼ同じである。第3実施形態のヘッド部10Cの構成は、基本的に以下に説明する点以外は、第1実施形態のヘッド部10Aの構成(図3)とほぼ同じである。
図5は、第4実施形態における液体噴射装置100Dが備えるヘッド部10Dの構成を示す概略断面図である。第4実施形態の液体噴射装置100Dの構成は、第1実施形態のヘッド部10Aの代わりに、第4実施形態のヘッド部10Dを備えている点以外は、第1実施形態の液体噴射装置100Aの構成(図1)とほぼ同じである。第4実施形態のヘッド部10Dの構成は、基本的に、以下に説明する点以外は、第1実施形態のヘッド部10Aの構成(図2)とほぼ同じである。
図6は、第5実施形態における液体噴射装置100Eが備えるヘッド部10Eの構成を示す概略断面図である。第5実施形態の液体噴射装置100Eの構成は、第4実施形態のヘッド部10Dの代わりに、第5実施形態のヘッド部10Eを備えている点以外は、第4実施形態の液体噴射装置100Dの構成とほぼ同じである。第5実施形態のヘッド部10Eの構成は、隙間CLが接着材38によって埋められている点以外は、第4実施形態のヘッド部10Dの構成(図5)とほぼ同じである。
図7は、第6実施形態における液体噴射装置100Fの全体構成を示す概略ブロック図である。第6実施形態の液体噴射装置100Fは、以下に説明する点以外は、第1実施形態の液体噴射装置100A(図1)の構成ほぼ同じである。液体噴射装置100Fの供給部110は、圧力調整部115の代わりに、加圧ポンプ117を備えている。液体噴射装置100Fは、第1実施形態のヘッド部10Aの代わりに第6実施形態のヘッド部10Fを備えている。液体噴射装置100Fは、さらに、ヘッド部10Fに接続される循環部120を備えている。循環部120は、排出路121と、液体貯留部122と、負圧発生源123と、循環路124と、を備えている。
上記の各実施形態で説明した種々の構成は、例えば、以下のように改変することが可能である。以下に説明する他の実施形態はいずれも、上記の各実施形態と同様に、発明を実施するための形態の一例として位置づけられる。
上記の各実施形態において、アクチュエーター20は、ピエゾ素子によって構成されていなくてもよい。アクチュエーター20は、例えば、例えば、エアシリンダーやソレノイド、磁歪素子など、変位を発生する種々の素子によって構成されてもよい。
上記の各実施形態において、弾性材料35は、収容室31の形状に合わせて予め成形された状態で収容室31に配置されてもよいし、流動性を有する状態で収容室31に注入されて成形されてもよい。弾性材料35は、収容室31から取り出したときに形状保持されるような材料によって構成されていなくてもよく、例えば、流動性と弾性とをともに有するゲル体によって構成されてもよい。弾性材料35としては、ゴム状の弾性体に限定されることはない。弾性材料35は、第1実施形態において説明したように、圧力を付与されたときに、内部において、液体のように全方位に圧力を伝達できる流体的な挙動を示す材料によって構成することができる。なお、弾性材料35は、外部から圧力を付与されたときに体積が圧縮されにくい材料によって構成されることが望ましい。
上記の各実施形態において、弾性材料35の内部に分散されているフィラー36は省略されてもよい。
上記の各実施形態において、変形部33は、収容室31から圧力室13に向かう第1方向D1に撓み変形するときに、第2方向D2に弾性力が生じる状態で撓み変形する材料によって構成されている。これに対して、変形部33は、外力が解除されたときに変形部33の形状を復元させるほどの弾性力をほとんど生じないようなフィルム状の部材によって構成されてもよい。
アクチュエーター20や、拡大変位機構30、圧力室13の配置構成は、上記の各実施形態の構成に限定されることはない。例えば、上記の第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態、第6実施形態において、第2実施形態のように、収容室31と圧力室13とが水平方向に配列されるように構成されてもよい。また、例えば、上記の各実施形態において、アクチュエーター20を水平方向に沿って伸縮するように配置し、変形部33が重力方向に沿って撓み変形するように構成されてもよい。
上記の第6実施形態で説明した排出流路17および循環部120の構成は、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態の液体噴射装置100B~100Eに適用されてもよい。上記の第6実施形態の構成において、液体貯留部122や循環路124が省略され、排出流路17を通じて圧力室13から排出された液体DLはそのまま廃棄される構成が採用されてもよい。なお、第3実施形態のヘッド部10Cに、第6実施形態の排出流路17を適用する場合には、変形部33が第1方向D1に撓み変形したときに、排出流路17の流路口17oが実質的に閉塞される状態になるように構成されてもよい。
上記の第3実施形態で説明した傾斜壁面14は、第1実施形態、第2実施形態、第4実施形態、第5実施形態、第6実施形態のヘッド部10A,10B,10D,10E,10Fに適用されてもよい。上記の第3実施形態において、傾斜壁面14は省略されてもよい。
上記の各実施形態において、調整部40は省略されてもよい。また、上記の各実施形態において、弾性材料35は与圧された状態で収容室31に充填されていなくてもよい。弾性材料35は調整部40によって与圧されていなくてもよく、製造工程において収容室31に組み付けられるときに材料を収容室31に圧入することによって与圧されていてもよい。
上記の各実施形態において、ヘッド部10A~10Fは、ノズル12、圧力室13、拡大変位機構30を複数組、備えている。これに対して、ヘッド部10A~10Fは、ノズル12、圧力室13、拡大変位機構30によって構成される吐出機構を1つのみ備える構成であってもよい。
上記の第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態において、封止壁部37は撓み変形する部材によって構成されている。これに対して、封止壁部37は、撓み変形をほとんどしないような剛性を有する板状部材によって構成されてもよい。この場合には、封止壁部37は、アクチュエーターの20の変位によって移動するように、その外周端部が筐体11に固定されない状態でアクチュエーター20と弾性材料35との間に配置される。この構成では、封止壁部37の外周端部と収容室31の側壁面との間の隙間は、アクチュエーター20によって押圧された弾性材料35がアクチュエーター20側に移動することが抑制される程度の流路抵抗が得られる幅を有していることが望ましい。あるいは、第5実施形態で説明した構成と同様に、封止壁部37の外周端部と収容室31の側壁面との間の隙間に接着材が配置される構成が適用されてもよい。
本発明は、インクを吐出する液体噴射装置に限らず、インク以外の他の液体を吐出する任意の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置に本発明は適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置。
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出装置。
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材吐出装置。
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を吐出する液体噴射装置。
(5)精密ピペットとしての試料吐出装置。
(6)潤滑油の吐出装置。
(7)樹脂液の吐出装置。
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体噴射装置。
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体噴射装置。
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を吐出する液体噴射装置。
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体吐出ヘッドを備える液体噴射装置。
上記実施形態において、ソフトウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ハードウェアによって実現されてもよい。また、ハードウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ソフトウェアによって実現されてもよい。ハードウェアとしては、例えば、集積回路、ディスクリート回路、または、それらの回路を組み合わせた回路モジュールなど、各種回路を用いることができる。
Claims (8)
- 液体噴射装置であって、
液体を吐出するノズルと、
前記ノズルに連通し、前記液体を収容する圧力室と、
変位によって、前記圧力室の容積を変更して前記圧力室の圧力を変化させるアクチュエーターと、
前記圧力室と前記アクチュエーターとの間に配置され、前記アクチュエーターの変位量を拡大して前記圧力室に伝達する拡大変位機構と、
を備え、
前記拡大変位機構は、
前記アクチュエーターに接続され、前記アクチュエーターの変位によって弾性変形する弾性材料と、
前記弾性材料が収容されている収容室と、
前記収容室と前記圧力室とを隔てる隔壁部と、
を備え、
前記隔壁部は、前記圧力室の壁面の少なくとも一部を構成し、前記弾性材料からの圧力を受けて撓み変形する変形部を有し、
前記変形部の面積が、前記弾性材料における前記アクチュエーターからの圧力を受ける部位の面積よりも小さく、
前記弾性材料の内部には、前記弾性材料よりも圧縮率が小さいフィラーが分散して配置されている、液体噴射装置。 - 請求項1記載の液体噴射装置であって、
前記変形部は、前記収容室から前記圧力室に向かう第1方向に撓み変形するときに、前記第1方向とは反対の第2方向に弾性力が生じる状態で撓み変形するダイヤフラムによって構成されている、液体噴射装置。 - 請求項1または請求項2記載の液体噴射装置であって、
前記変形部のヤング率は、前記弾性材料のヤング率よりも大きい、液体噴射装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液体噴射装置であって、
前記拡大変位機構は、さらに、前記アクチュエーターと前記弾性材料との間に配置されて、前記収容室を封止し、前記アクチュエーターの変位によって撓み変形する封止壁部を備える、液体噴射装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の液体噴射装置であって、
前記弾性材料は、与圧された状態で前記収容室に充填されている、液体噴射装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液体噴射装置であって、
前記圧力室には、前記圧力室の壁面において開口し、前記液体が流通する流路口が設けられており、
前記変形部は、前記アクチュエーターが、前記ノズルから前記液体を吐出させる吐出圧力が前記圧力室に生じるように変位したときに、前記流路口を閉塞するように撓み変形する、液体噴射装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の液体噴射装置であって、さらに、
前記圧力室に接続され、前記圧力室に前記液体を供給する供給流路と、
前記圧力室に接続され、吐出に用いられなかった前記圧力室の前記液体を排出する排出流路と、
を備える、液体噴射装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の液体噴射装置であって、
前記ノズルと、前記圧力室と、前記アクチュエーターと、前記拡大変位機構と、を複数組、備えている、液体噴射装置。
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