JP7021536B2 - 液体吐出装置およびその制御方法 - Google Patents

液体吐出装置およびその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7021536B2
JP7021536B2 JP2017253336A JP2017253336A JP7021536B2 JP 7021536 B2 JP7021536 B2 JP 7021536B2 JP 2017253336 A JP2017253336 A JP 2017253336A JP 2017253336 A JP2017253336 A JP 2017253336A JP 7021536 B2 JP7021536 B2 JP 7021536B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
volume
liquid chamber
liquid
flow path
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017253336A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018165050A (ja
Inventor
圭吾 須貝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to US15/916,714 priority Critical patent/US10343400B2/en
Priority to CN201810224997.7A priority patent/CN108656737B/zh
Publication of JP2018165050A publication Critical patent/JP2018165050A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7021536B2 publication Critical patent/JP7021536B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/18Ink recirculation systems
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14201Structure of print heads with piezoelectric elements
    • B41J2/14233Structure of print heads with piezoelectric elements of film type, deformed by bending and disposed on a diaphragm
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/05Heads having a valve

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、液体吐出装置およびその制御方法に関する。
従来から、液室の容積を変化させることによって、液室の液体を、液室に設けられているノズルから吐出する種々の液体吐出装置が提案されている。そうした液体吐出装置には、液室に接続されている液体流路の内壁面を変位させて、その流路抵抗を可変に制御するものがある(例えば、下記の特許文献1,2等)。
特開2001-63047号公報 特開2011-213094号公報
しかしながら、液体流路の流路抵抗を大きくするために、液体流路の流路断面積が小さくなる方向に内壁面を変位させた場合には、液体流路から液室へと液体が押し出されて、ノズルから液体が漏洩してしまう可能性があることを本願発明の発明者は見出した。また、液体流路の流路断面積を大きくする方向に内壁面を変位させた場合には、液室から液体流路へと液体が流出することによって、ノズルから外気が吸い込まれてしまう可能性があることを本願発明の発明者は見出した。こうした課題は、液室に液体を流入させる流入路と液室から液体を流出させる流出路の両方を備えている液体吐出装置に限らず、液室に接続されている液体の流路の内壁面を変位させる構成を有する液体吐出装置全般に共通する課題である。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[1]本発明の第1形態によれば、液体を吐出する液体吐出装置が提供される。この形態の液体吐出装置は、ノズルに連通し、液体を収容する液室と;前記液室の容積を変更して前記ノズルから前記液体を吐出させる液室駆動部と;前記液室に接続され、前記液体が流れる流路と;前記流路の内壁面を変位させて前記流路の容積を変更することによって、前記流路の流路抵抗を変化させて、前記液室と前記流路との間の前記液体の流れを制御する弁部と;前記液室駆動部と、前記弁部と、を制御する制御部と;を備える。前記制御部は、(i)前記弁部に前記流路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の減少によって前記流路から前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1制御と;(ii)前記弁部に前記流路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の増大によって前記液室から前記流路に流出する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2制御と;のうちの少なくとも一方を実行する。
この形態の液体吐出装置によれば、流路の流路抵抗を大きくするために流路の容積を減少させる第1制御においては、少なくとも、流路の容積の減少によって流路から液室に流入する液体を収容できる分だけ液室の容積が増大する。従って、流路の容積の減少に起因して、ノズルから液体が流出してしまうことが抑制される。また、流路の流路抵抗を小さくするために、流路の容積を増大させる第2制御においては、少なくとも、流路の容積の増大によって液室から流路に流出する液体の体積分だけ液室の容積が減少する。従って、流路の容積の増大に起因して、ノズルから外気が引き込まれてしまうことが抑制される。
[2]上記形態の液体吐出装置において、前記流路は、前記液室に供給される前記液体が流れる流入路を含み;前記弁部は、前記流入路に設けられ、前記流入路の容積を変更する供給弁部を含み;前記第1制御は、前記供給弁部に前記流入路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流入路の容積の減少によって前記流入路から前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1供給弁制御を含み;前記第2制御は、前記供給弁部に前記流入路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流入路の容積の増大によって前記液室から前記流入路に流出する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2供給弁制御を含んでよい。
この形態の液体吐出装置によれば、流入路の流路抵抗を大きくするために流入路の容積を減少させる第1供給弁制御において、流入路の容積の減少に起因して、ノズルから液体が流出してしまうことが抑制される。また、流入路の流路抵抗を小さくするために、流入路の容積を増大させる第2供給弁制御において、流入路の容積の増大に起因して、ノズルから外気が引き込まれてしまうことが抑制される。
[3]上記形態の液体吐出装置において、前記液室は、第1ノズルに連通している第1液室と、第2ノズルに連通している第2液室と、を含み;前記液室駆動部は、前記第1液室の容積を変更する第1液室駆動部と、前記第2液室の容積を変更する第2液室駆動部と、を含み、;前記流入路は、前記第1液室に接続されている第1流入路と、前記第2液室に接続されている第2流入路と、を含み;前記供給弁部は、前記第1流入路の容積を変更する第1供給弁部と、前記第2流入路の容積を変更する第2供給弁部と、を含み;前記制御部は、前記第1制御および前記第2制御において、前記第1供給弁部に前記第1流入路の容積を変更させつつ、前記第2供給弁部に前記第2流入路の容積を変更させるのに伴って、前記第1液室駆動部に前記第1液室の容積を変更させつつ、前記第2液室駆動部に前記第2液室の容積を変更させ;前記第1供給弁部と前記第2供給弁部とは、共通の駆動部が発生させる駆動力によって、前記第1流入路と前記第2流入路の容積を変更させてよい。
この形態の液体吐出装置によれば、第1供給弁部と第2供給弁部の駆動部が共通化されているため、液体吐出装置の小型化が可能である。また、第1供給弁部と第2供給弁部の動作を簡易に同期させることができる。
[4]上記形態の液体吐出装置において、前記流路は、前記液室に供給される前記液体が流れる流入路と、前記液室から排出される前記液体が流れる流出路と、を含み;前記弁部は、前記流出路の内壁面を変位させて前記流出路の容積を変更する排出弁部を含み;前記第1制御は、前記排出弁部に前記流出路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流出路の容積の減少によって前記流出路から前記液室に流入する前記液体の体積以上となるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1排出弁制御を含み;前記第2制御は、前記排出弁部に前記流出路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流出路の容積の増大によって前記流出路から前記液室に流入する前記液体の体積以上となるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2排出弁制御を含んでよい。
この形態の液体吐出装置によれば、流出路の流路抵抗を大きくするために流出路の容積を減少させる第1排出弁制御において、流出路の容積の減少に起因して、ノズルから液体が流出してしまうことが抑制される。また、流出路の流路抵抗を小さくするために、流出路の容積を増大させる第2排出弁制御において、流出路の容積の増大に起因して、ノズルから外気が引き込まれてしまうことが抑制される。
[5]上記形態の液体吐出装置において、前記液室は、第1ノズルに連通している第1液室と、第2ノズルに連通している第2液室と、を含み;前記液室駆動部は、前記第1液室の容積を変更する第1液室駆動部と、前記第2液室の容積を変更する第2液室駆動部と、を含み;前記流入路は、前記第1液室に接続されている第1流入路と、前記第2液室に接続されている第2流入路と、を含み;前記流出路は、前記第1液室に接続されている第1流出路と、前記第2液室に接続されている第2流出路と、を含み;前記排出弁部は、前記第1流出路の容積を変更する第1排出弁部と、前記第2流出路の容積を変更する第2排出弁部と、を含み;前記制御部は、前記第1制御および前記第2制御において、前記第1排出弁部に前記第1流出路の容積を変更させつつ、前記第2排出弁部に前記第2流出路の容積を変更させるのに伴って、前記第1液室駆動部に前記第1液室の容積を変更させつつ、前記第2液室駆動部に前記第2液室の容積を変更させ;前記第1排出弁部と前記第2排出弁部とは、共通の駆動部が発生させる駆動力によって、前記第1流出路と前記第2流出路の容積を変更させてよい。
この形態の液体吐出装置によれば、第1排出弁部と第2排出弁部の駆動部が共通化されているため、液体吐出装置の小型化が可能である。また、第1排出弁部と第2排出弁部の動作を簡易に同期させることができる。
[6]上記形態の液体吐出装置において、前記流路は、前記液室に供給される前記液体が流れる流入路と、前記液室から排出される前記液体が流れる流出路と、を含み;前記弁部は、前記流入路の内壁面を変位させて前記流入路の容積を変更する供給弁部と、前記流出路の内壁面を変位させて前記流出路の容積を変更する排出弁部と、を含み;前記第1制御は、前記供給弁部に前記流入路の容積を減少させつつ、前記排出弁部に前記流出路の容積を減少させるのにともなって、前記液室の容積の変化量が前記流入路の容積と前記流出路の容積の増大によって前記流入路と前記流出路とから前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1弁制御を含み;前記第2制御は、前記供給弁部に前記流入路の容積を増大させつつ、前記排出弁部に前記流出路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流入路の容積と前記流出路の容積の増大によって前記流入路と前記流出路とから前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2弁制御を含んでよい。
この形態の液体吐出装置によれば、流入路および流出路の流路抵抗を大きくするためにそれらの容積を減少させる第1弁制御において、ノズルから液体が流出してしまうことが抑制される。また、流入路および流出路の流路抵抗を小さくするために、それらの容積を増大させる第2弁制御において、流入路および流出路の容積の増大に起因して、ノズルから外気が引き込まれてしまうことが抑制される。
[7]上記形態の液体吐出装置おいて、前記供給弁部と前記排出弁部とは、共通の駆動部が発生させる駆動力によって、前記流出路の容積および前記流入路の容積を変更させてよい。
この形態の液体吐出装置によれば、液体吐出装置の小型化が可能である。また、供給弁部と排出弁部の動作を簡易に同期させることができる。
[8]上記形態の液体吐出装置は、さらに、前記流出路に排出された前記液体を前記流入路へと循環させるための循環路を備えてよい。
この形態の液体吐出装置によれば、液室における液体の滞留を抑制することができ、液体の劣化を抑制することができる。
[9]本発明の第2形態によれば、ノズルに連通し、液体を収容する液室と、前記液室の容積を変更して前記ノズルから前記液体を吐出させる液室駆動部と、前記液室に接続され、前記液体が流れる流路と、前記流路の内壁面を変位させて前記流路の容積を変更することによって、前記流路の流路抵抗を変化させて、前記液室と前記流路との間の前記液体の流れを制御する弁部と、を備える液体吐出装置の制御方法が提供される。この形態の制御方法は、(i)前記弁部に前記流路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の減少によって前記流路から前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1制御と;(ii)前記弁部に前記流路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の増大によって前記液室から前記流路に流出する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2制御と、のうちの少なくとも一方を実行する工程を備える。
この形態の制御方法によれば、流路の流路抵抗を大きくするために流路の容積を減少させる第1制御において、流入路の容積の減少に起因して、ノズルから液体が流出してしまうことが抑制される。また、流入路の流路抵抗を小さくするために、流入路の容積を増大させる第2制御において、流入路の容積の増大に起因して、ノズルから外気が引き込まれてしまうことが抑制される。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、液体吐出装置およびその制御方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、液体吐出システムや、液体吐出装置が備えるヘッド、液体吐出システムやヘッドの制御方法、そうした制御方法を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
第1実施形態における液体吐出装置の構成を示す概略ブロック図。 第1実施形態におけるヘッド部の内部構成を示す概略断面図。 第1実施形態における吐出制御のフローを示す説明図。 吐出制御におけるヘッド部の動作を示す第1の概略図。 吐出制御におけるヘッド部の動作を示す第2の概略図。 吐出制御におけるヘッド部の動作を示す第3の概略図。 供給側移動体積の求め方を説明するための概略図。 第1実施形態における待機制御のフローを示す説明図。 第2実施形態における液体吐出装置の構成を示す概略ブロック図。 第2実施形態におけるヘッド部の内部構成を示す概略断面図。 第2実施形態における吐出制御のフローを示す説明図。 吐出制御におけるヘッド部の動作を示す第1の概略図。 吐出制御におけるヘッド部の動作を示す第2の概略図。 吐出制御におけるヘッド部の動作を示す第3の概略図。 吐出制御におけるヘッド部の動作を示す第4の概略図。 排出側移動体積の求め方を説明するための概略図。 第2実施形態における待機制御のフローを示す説明図。 第3実施形態におけるヘッド部の内部構成を示す概略断面図。 第3実施形態における吐出制御のフローを示す説明図。 第3実施形態における待機制御のフローを示す説明図。 第4実施形態におけるヘッド部の内部構成を示す概略断面図。 第4実施形態におけるヘッド部の内部構成を模式的に表した概略斜視図。 第4実施形態の吐出制御のフローを示す説明図。 第4実施形態の吐出制御におけるタイミングチャートを示す説明図。 移動体積の求め方を説明するための概略図。 第4実施形態の待機制御のフローを示す説明図。 第5実施形態のヘッド部の内部構成を模式的に表した第1の概略斜視図。 第5実施形態のヘッド部の内部構成を模式的に表した第2の概略斜視図。 第6実施形態のヘッド部の内部構成を模式的に表した概略斜視図。 第7実施形態の吐出制御のフローを示す概略図。 吐出制御におけるヘッド部の動作を示す第1の概略図。 吐出制御におけるヘッド部の動作を示す第2の概略図。 吐出制御におけるヘッド部の動作を示す第3の概略図。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における液体吐出装置100Aの全体構成を示す概略ブロック図である。液体吐出装置100Aは、タンク10と、圧力調整部15と、供給路30と、ヘッド部40Aと、制御部80と、を備える。
タンク10には液体が収容されている。液体としては、例えば、所定の粘度を有するインクが収容される。タンク10内の液体は、ヘッド部40Aに接続されている供給路30を通じてヘッド部40Aに供給される。
供給路30には、圧力調整部15が設けられている。圧力調整部15は、ヘッド部40Aに供給される液体の圧力を予め決められた圧力に調整する。ヘッド部40Aは、タンク10から液体を吸引するポンプや、ヘッド部40A側の圧力が所定の圧力になるように開閉するバルブなどによって構成される(図示は省略)。ヘッド部40Aに供給された液体は、ヘッド部40Aにより吐出される。ヘッド部40Aの動作は、制御部80により制御される。ヘッド部40Aの構成については後述する。
制御部80は、CPUやメモリーを備えたコンピューターとして構成されており、メモリーに記憶された制御プログラムを実行することにより、液体吐出装置100Aを制御するための種々の機能を実現する。制御プログラムは、一時的でない有形な種々の記録媒体に記録されていてもよい。
図2は、ヘッド部40Aの内部構成を示す概略断面図である。図2は、ノズル41の中心軸と流入路31とを通る切断面におけるヘッド部40Aの構成を模式的に表している。ヘッド部40Aは、液体LQを吐出するノズル41と、ノズル41に連通している液室42と、を備える。
液室42は、液体LQが供給される部屋である。液室42は、金属製の筐体の内部空間として構成されている。ノズル41は、液室42の底面42eにおいて開口する貫通孔として設けられている。本実施形態では、ノズル41は重力方向に開口している。なお、ヘッド部40Aは、ノズル41と液室42とそれぞれ2つ以上、備えていてもよい。
液室42には、液室駆動部43が設けられている。液室駆動部43は、制御部80(図1)の制御下において、液室42の容積を変化させて、ノズル41から液体LQを吐出させるための駆動力を発生させる。液室42の上面である天面45は、金属製の薄膜状部材や弾性ゴムなどの撓み変形可能な部材によって、振動板(ダイヤフラム)として構成されている。液室駆動部43は、この天面45の上部に連結されており、天面45に外力を付与して撓み変形させることにより、天面45を上下方向に変位させて液室42の容積を変更する。本実施形態では、液室駆動部43は、上下方向に伸縮可能なピエゾアクチュエーターによって構成されている。ノズル41から液体LQを吐出させる液室駆動部43の動作については後述する。
ヘッド部40Aの内部には、供給路30(図1)と液室42とを接続し、供給路30から供給される液体LQを液室42に流入させる流路である流入路31が設けられている。流入路31には、供給弁部33が設けられている。供給弁部33は、制御部80の制御下において、流入路31の容積を変更して、流入路31の流路抵抗を変化させることによって、液室42と流入路31との間の液体LQの流れを制御する。
供給弁部33は、流路壁部材34と、駆動部35と、を有する。流路壁部材34は、流入路31の内壁面の一部を構成している。流路壁部材34は、金属薄膜や弾性ゴムなどの撓み変形可能な部材によって構成される。本実施形態では、流路壁部材34は、流入路31の上面側において上下方向に撓み変形するように配置されている。駆動部35は、流路壁部材34に連結されており、制御部80の制御下において、流路壁部材34を撓み変形させる外力を、流路壁部材34に付与する。本実施形態では、駆動部35は、上下方向に伸縮可能なピエゾアクチュエーターによって構成されている。
駆動部35が伸縮変形して、供給弁部33を撓み変形させることによって、供給弁部33が設けられている部位における流入路31の流路断面積が変化し、流入路31の流路抵抗が変化する。本実施形態では、供給弁部33は、流路壁部材34を対向する内壁面に接触するまで撓み変形させて流入路31を途中で遮断することができる。なお、供給弁部33は、流入路31の流路抵抗を増減させることができればよく、流入路31を完全に遮断できなくともよい。
図3、図4A~図4C、および、図5を参照して、制御部80(図1)が実行するヘッド部40Aの吐出制御の一例を説明する。図3は、吐出制御のフローを示す説明図である。図4A~図4Cは、吐出制御における各制御工程でのヘッド部40Aの動作を示す概略図である。
制御部80は、吐出制御の実行前に、ヘッド部40Aを初期状態にする。この初期状態では、圧力調整部15によって、液室42の内圧がノズル41のメニスカス耐圧以下の予めきめられた基準圧力に調整される。また、制御部80は、液室42の容積を予め決められた基準容積にし、流入路31の容積を予め決められた基準容積にする。液室42の基準容積は、液室駆動部43に伸縮運動のための電圧が印加されず、天面45を撓み変形させていないときの液室42の容積としてもよい。同様に、流入路31の基準容積は、供給弁部33の駆動部35に伸縮運動のための電圧が印加されず、流路壁部材34を撓み変形させていないときの流入路31の容積としてもよい。以下では、基準容積のときの流入路31の流路抵抗を「基準抵抗」とも呼ぶ。
ステップS10は、ノズル41からの液体LQの吐出を開始する準備のための工程である。ステップS10では、制御部80は、流入路31の容積を減少させて、流入路31の流路抵抗を基準抵抗から増大させつつ、液室42の容積を基準容積から拡大させる(図4A)。本実施形態では、ステップS10において、制御部80は、流入路31の容積を予め決められた最小容積まで減少させる。最小容積は、上述した流入路31が遮断される容積であるとしてもよい。
ここで、ステップS10における液室42の容積の増加方向の変化量ΔVは、供給弁部33が流入路31の容積を変動させることによって流入路31から液室42に流入する液体LQの体積V以上の量である(ΔV≧V)。この体積Vは、供給弁部33が流入路31の容積を減少させることによって、流入路31から液室42に押し出される液体LQの量に相当する。また、供給弁部33が流入路31の容積を増大させることによって、液室42から流入路31へと引き込まれる液体LQの量に相当する。以下では、この液体LQの体積Vを「供給側移動体積V」とも呼ぶ。供給側移動体積Vの求め方については後述する。
ステップS10では、液室42における変化量ΔVの容積の増加により、少なくとも、供給側移動体積Vの液体LQを受け入れることができるバッファー空間が液室42に形成される。よって、流入路31を閉じる方向への供給弁部33の動作によって液室42へと押し出された液体LQによって、ノズル41からの液体LQの漏洩が生じてしまうことが抑制される。
ステップS10での液室42の容積の変化量ΔVは、ノズル41からの外気の進入を抑制するために、ノズル41にメニスカスが形成された状態が維持される範囲で設定されていることが望ましい。また、液室42の容積の変化量ΔVは、供給側移動体積Vに、以下の工程におけるノズル41からの液体LQの吐出量に応じた液体LQの体積を加算した値であってもよい。
ステップS13は、ノズル41からの液体LQの吐出を開始させる工程である。ステップS13では、制御部80は、液室駆動部43を急激に伸長させて、液室42の容積を低減させる(図4B)。これによって、液室42から液体LQが押し出されて、ノズル41から液体LQが噴出し始める。このとき、ステップS10において流入路31の流路抵抗が増大されているため、液体LQの吐出のための液室42の圧力が、流入路31側に逃げてしまうことが抑制される。
ステップS16は、ノズル41から吐出された液体LQを液滴DRとして分離させるための工程である。ステップS16では、制御部80は、ノズル41から液体LQが吐出されている間に液室駆動部43を収縮させて、液室42の容積を拡大させることによって、液室42の圧力を低下させる(図4C)。これによって、ノズル41から液室42へと液体LQを引き戻す吸引力が生じ、ノズル41の外に吐出された液体LQを液滴DRとして、ノズル41の液体LQから分離させて飛翔させることができる。
ステップS16では、制御部80は、供給弁部33によって流入路31の容積を緩やかに増大させて、流入路31の容積を基準容積に戻し、流入路31の流路抵抗を基準抵抗とする。流入路31の容積の増大速度は、液室42の容積の増大速度に応じて適宜調整されることが望ましい。流入路31の容積の増大速度は、液滴DRを分離させるための上述した吸引力が小さくなりすぎず、かつ、ノズル41から外気が吸い込まれるほど大きくなりすぎないように調整されることが望ましい。
図5は、供給側移動体積Vの求め方を説明するための概略図である。供給側移動体積Vは、以下のようにして求めることができる。流入路31および液室42を液体LQで満たして、ヘッド部40Aを上述した初期状態にし、このときのノズル41でのメニスカスの位置を記録する。そして、液室駆動部43に液室42の容積を変更させることなく、供給弁部33によって、流入路31の容積を最小容積まで低減させ、初期状態における上記のメニスカスの位置からの液体LQの増加量を求める。この増加量が、供給側移動体積Vに相当する。供給側移動体積Vは、流入路31の容積を最小容積から基準容積まで戻したときの液室42およびノズル41における液体LQの減少量として求められてもよい。
図6を参照して、制御部80(図1)が実行するヘッド部40Aの待機制御の一例を説明する。図6は、待機制御のフローを示す説明図である。ステップS20では、制御部80は、ヘッド部40Aを待機状態にするか否かの判定をする。制御部80は、予め決められた期間(例えば、数分~数時間程度)、液体LQの吐出制御が実行されなかった場合に、ヘッド部40Aを待機状態にすることを決定する。制御部80は、液体吐出装置100Aのユーザーによるヘッド部40Aを待機状態にする操作を受け付けたときにヘッド部40Aを待機状態にすることを決定するものとしてもよい。
ヘッド部40Aを待機状態にすることを決定すると、制御部80は、ステップS22の処理を実行する。ステップS22では、制御部80は、吐出制御でのステップS10(図3,図4A)と同様に、供給弁部33に流入路31の容積を減少させつつ、液室駆動部43によって液室42の容積を増大させて、ヘッド部40Aを待機状態とする。なお、ステップS22での液室42の容積の変化量ΔVは、液室42における圧力変化を無駄に生じさせないように、吐出制御のステップS10での変化量ΔV以下の値であることが望ましい。また、ステップS22では、供給弁部33によって、流入路31がほぼ遮断された状態になっていることが望ましい。
ステップS22では、供給弁部33の閉弁動作に伴って、液室42の容積が増大するため、流入路31から押し出される液体LQに起因して、ノズル41から液体LQが漏洩してしまうことが抑制される。また、待機状態では、供給弁部33によって、供給弁部33の上流側からの液体LQの流入が抑制された状態にされるため、待機状態中にノズル41から液体LQが誤って漏洩してしまうことが抑制される。
制御部80は、吐出制御の実行指令が発行されるまで、あるいは、ユーザーによる待機状態の解除操作を受け付けるまで、この待機状態を維持する(ステップS25)。待機状態を解除するときには、制御部80は、ステップS26の処理を実行する。ステップS26では、制御部80は、供給弁部33に流入路31の容積を増大させる開弁動作をおこなわせつつ、液室駆動部43に液室42の容積を減少させて液室42の容積を基準容積に戻す。ステップS26における液室42の容積の変化量ΔVは、ステップS22と同様に、供給側移動体積V以上の値である。
ステップS26では、供給弁部33の開弁動作をおこないつつ、液室42の容積を減少させるため、流入路31の容積が大きくなり始めた直後に生じる流入路31へと液体LQを引き込む力に起因して、ノズル41から外気が吸い込まれてしまうことが抑制される。ステップS26において、供給弁部33が開弁することによって、液体吐出装置100Aにおける待機制御が完了する。
制御部80によるヘッド部40Aの制御のうち、上記のステップS10,S22のように、液室42の容積の変化量ΔVが供給側移動体積V以上になるように、流入路31の容積を減少させつつ、液室42の容積を増大させる制御を「第1供給弁制御」と呼ぶ(図3,図6)。また、上記のステップS26のように、液室42の容積の変化量ΔVが供給側移動体積V以上になるように、流入路31の容積を増大させつつ、液室42の容積を減少させる制御を「第2供給弁制御」と呼ぶ(図6)。
本実施形態の液体吐出装置100Aによれば、第1供給弁制御によって、供給弁部33の閉弁動作に起因して、ノズル41から液体LQが漏洩してしまうことが抑制されている。また、第2供給弁制御によって、供給弁部33の開弁動作に起因して、ノズル41から液室42へと外気が進入してしまうことが抑制されている。その他に、第1実施形態の液体吐出装置100Aおよびその制御方法によれば、上記の第1実施形態中で説明した種々の作用効果を奏することができる。
B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態における液体吐出装置100Bの全体構成を示す概略ブロック図である。第2実施形態の液体吐出装置100Bは、以下に説明する点以外は、第1実施形態の液体吐出装置100A(図1)の構成ほぼ同じである。液体吐出装置100Bは、圧力調整部15の代わりに、加圧ポンプ20を備えており、ヘッド部40Aの代わりにヘッド部40Bを備えている。また、液体吐出装置100Bでは、さらに、排出路50と、液体貯留部70と、負圧発生源75と、循環路90と、が追加されている。
加圧ポンプ20は、タンク10内の液体を、供給路30を通じてヘッド部40Bに供給する。第2実施形態のヘッド部40Bの構成およびその動作、制御方法については後述する。排出路50は、ヘッド部40Bと液体貯留部70とを接続している。ヘッド部40Bによって吐出されなかった液体は、排出路50を通じて液体貯留部70に排出される。液体貯留部70には、負圧発生源75が接続されている。負圧発生源75は、液体貯留部70内を負圧にすることにより、排出路50を通じてヘッド部40Bから液体を吸引する。負圧発生源75は、各種のポンプによって構成される。
液体吐出装置100Bでは、加圧ポンプ20および負圧発生源75は、供給路30と排出路50とに差圧を発生させてヘッド部40Bに液体を供給する液体供給部として機能する。なお、加圧ポンプ20および負圧発生源75のいずれか一方を省略して、加圧ポンプ20または負圧発生源75のいずれか単体で液体供給部を構成してもよい。液体吐出装置100Bでは、吐出されなかった液体がヘッド部40Bから排出されるので、ヘッド部40B内での液体内の沈降成分の堆積や液体の蒸発に伴う液体の濃度変化など、ヘッド部40Bにおける液体の滞留によって生じる液体の劣化が抑制される。
循環路90は、液体貯留部70とタンク10とを接続している。排出路50を通じてヘッド部40Bから排出され、液体貯留部70に貯留された液体は、循環路90を通じてタンク10に戻され、再び、加圧ポンプ20によってヘッド部40Bに供給される。循環路90には、液体貯留部70から液体を吸引するためのポンプが備えられていてもよい。なお、液体吐出装置100Bでは、循環路90を省略し、液体を循環させない構成が適用されてもよい。
図8は、ヘッド部40Bの内部構成を示す概略断面図である。図8は、ノズル41の中心軸と流入路31と流出路51とを通る切断面におけるヘッド部40Bの構成を模式的に表している。第2実施形態のヘッド部40Bの構成は、流入路31の供給弁部33が省略され、流出路51と、排出弁部53と、が追加されている点以外は、第1実施形態のヘッド部40A(図2)の構成とほぼ同じである。ヘッド部40Bは、第1実施形態のヘッド部40Aと同様に、ノズル41と液室42とそれぞれ2つ以上、備えていてもよい。
流出路51は、排出路50(図7)と液室42とを接続し、液室42から排出される液体LQが流れる流路である。流出路51はヘッド部40Bの内部に設けられている。流出路51には、排出弁部53が設けられている。排出弁部53は、制御部80(図7)の制御下において、流出路51の容積を変更して、流出路51の流路抵抗を変化させることによって、液室42と流出路51との間の液体LQの流れを制御する。
排出弁部53は、と、流路壁部材54と、駆動部55と、を有する。流路壁部材54は、流出路51の内壁面の一部を構成している。流路壁部材54は、金属薄膜や弾性ゴムなどの撓み変形可能な部材によって構成される。流路壁部材54は、流出路51の上面側において上下方向に撓み変形するように配置されている。駆動部55は、流路壁部材54に連結されており、制御部80(図7)の制御下において、流路壁部材54を撓み変形させる外力を、流路壁部材54に付与する。駆動部55は、上下方向に伸縮可能なピエゾアクチュエーターによって構成されている。
駆動部55が伸縮変形して、流路壁部材54を撓み変形させることによって、流路壁部材54が設けられている部位における流出路51の流路断面積が変化し、流出路51の流路抵抗が変化する。排出弁部53は、対向する内壁面に接触するまで流路壁部材54を撓み変形させて流出路51を途中で遮断することができる。なお、排出弁部53は、流出路51の流路抵抗を増減させることができればよく、流出路51を完全に遮断できなくともよい。
図9、図10A~図10D、および、図11を参照して、制御部80が実行するヘッド部40Bの吐出制御の一例を説明する。図9は、第2実施形態の吐出制御のフローを示す説明図である。図10A~図10Dは、各制御工程でのヘッド部40Bの動作を示す概略図である。
制御部80は、吐出制御の実行前に、ヘッド部40Bを初期状態にする。この初期状態では、制御部80は、ノズル41からの液体LQの漏洩が生じないように、液室42の内圧がノズル41のメニスカス耐圧以下の予め決められた基準圧力になるように液室42における液体LQの流入量および流出量を調整する。また、制御部80は、液室42の容積を予め決められた基準容積にし、流出路51の容積を予め決められた基準容積にする。液室42の基準容積は、第1実施形態と同様に、液室駆動部43に伸縮運動のための電圧が印加されず、天面45を撓み変形させていないときの液室42の容積としてもよい。また、流出路51の基準容積は、排出弁部53の駆動部55に伸縮運動のための電圧が印加されず、流路壁部材54を撓み変形させていないときの流出路51の容積としてもよい。以下では、基準容積のときの流出路51の流路抵抗を「基準流路抵抗」とも呼ぶ。
ステップS30は、ノズル41からの液体LQの吐出を開始する準備のための工程である。ステップS30では、制御部80は、流出路51の容積を減少させて、流出路51の流路抵抗を基準抵抗から増大させつつ、液室42の容積を基準容積から増大させる(図10A)。制御部80は、流出路51の容積を予め決められた最小容積まで減少させる。最小容積は、上述した流出路51が遮断される容積であるとしてもよい。
ここで、ステップS30における液室42の容積の増加方向の変化量ΔVは、排出弁部53が流出路51の容積を変動させることによって流出路51から液室42に流入する液体LQの体積V以上の量である(ΔV≧V)。この体積Vは、排出弁部53が流出路51の容積を減少させることによって、流出路51から液室42に押し出される液体LQの量に相当する。また、排出弁部53が流出路51の容積を増大させることによって、液室42から流出路51へと引き込まれる液体LQの量に相当する。以下では、この液体LQの体積Vを「排出側移動体積V」とも呼ぶ。排出側移動体積Vの求め方については後述する。
ステップS30では、液室42における変化量ΔVの容積の増加により、少なくとも、排出側移動体積Vに相当する液体LQを受け入れることができるバッファー空間が液室42に形成される。よって、流出路51を閉じる方向への排出弁部53の動作によって液室42へと押し出された液体LQに起因して、ノズル41からの液体LQの漏洩が生じてしまうことが抑制される。
ステップS30での液室42の容積の変化量ΔVは、ノズル41からの外気の進入を抑制するために、ノズル41にメニスカスが形成された状態が維持される範囲で設定されていることが望ましい。液室42の容積の変化量ΔVは、排出側移動体積Vに、以下の工程におけるノズル41からの液体LQの吐出量に応じた液体LQの体積を加味した値であってもよい。
ステップS33は、ノズル41からの液体LQの吐出を開始させる工程である。ステップS33では、制御部80は、液室駆動部43を急激に伸長させて、液室42の容積を低減させる(図10B)。これによって、液室42から液体LQが押し出されて、ノズル41から液体LQが噴出し始める。このとき、ステップS30において流出路51の流路抵抗が増大されているため、液体LQの吐出のための液室42の圧力が、流出路51側に逃げてしまうことが抑制される。
ステップS36は、ノズル41から吐出された液体LQを液滴DRとして分離させるための工程である。ステップS36では、制御部80は、ノズル41から液体LQが吐出されている間に、液室駆動部43を収縮させて、液室42の容積を拡大させることによって、液室42の圧力を低下させる(図10C)。これによって、ノズル41から液室42へと液体LQを引き戻す力が生じ、ノズル41の外に吐出された液体LQを液滴DRとして、ノズル41の液体LQから分離させて飛翔させることができる。
また、ステップS36では、制御部80は、ステップS38での排出弁部53の開弁動作の準備のために、液室42の容積を基準容積よりも大きくする。制御部80は、以下に説明するステップS38での液室42の容積の変化量ΔVに相当する分だけ、液室42の容積を基準容積よりも大きくすることが望ましい。
ステップS38では、制御部80は、排出弁部53に流出路51の容積を増大させる開弁動作をおこなわせつつ、液室駆動部43に液室42の容積を減少させて液室42の容積を基準容積に戻す(図10D)。また、ステップS38では、制御部80は、流出路51の容積を基準容積まで増大させて、流出路51の流路抵抗を基準抵抗にする。
ステップS38における液室42の容積の変化量ΔVは、ステップS30と同様に、排出側移動体積V以上の値である。ステップS38では、排出弁部53の開弁動作をおこないつつ、液室42の容積を減少させるため、流出路51の容積の増大によって生じる排出弁部53へと液体LQを引き込む力に起因して、ノズル41から液室42に外気が吸い込まれてしまうことが抑制される。
図11は、排出側移動体積Vの求め方を説明するための概略図である。排出側移動体積Vは、以下のようにして求めることができる。流入路31と流出路51と液室42とを液体LQで満たして、ヘッド部40Bを上述した初期状態にし、このときのノズル41でのメニスカスの位置を記録する。そして、液室駆動部43に液室42の容積を変更させることなく、排出弁部53によって、流出路51の容積を最小容積まで低減させ、初期状態における上記のメニスカスの位置からの液体LQの増加量を求める。この増加量が、排出側移動体積Vに相当する。排出側移動体積Vは、流出路51の容積を最小容積から基準容積まで戻したときの液室42およびノズル41における液体LQの減少量として求められてもよい。
図12を参照して、制御部80(図7)が実行するヘッド部40Bの待機制御の一例を説明する。図12は、第2実施形態の待機制御のフローを示す説明図である。第2実施形態の待機制御のフローは、供給弁部33を駆動するステップS22,S26の代わりに、排出弁部53を駆動するステップS23,S27が設けられている点以外は、第1実施形態の待機制御のフロー(図6)と同様である。
制御部80は、ステップS20においてヘッド部40Bを待機状態にすることを決定すると、ステップS23の処理を実行する。ステップS23では、制御部80は、吐出制御でのステップS30(図9,図10A)と同様に、排出弁部53に流出路51の容積を減少させつつ、液室駆動部43によって液室42の容積を増大させて、ヘッド部40Bを待機状態とする。ステップS23では、排出弁部53の閉弁動作に伴って、液室42の容積が増大するため、流出路51から押し出される液体LQに起因して、ノズル41から液体LQが漏洩してしまうことが抑制される。なお、ステップS23での液室42の容積の変化量ΔVは、液室42における圧力変化を無駄に生じさせないように、吐出制御のステップS30での変化量ΔV以下の値であることが望ましい。また、ステップS23では、排出弁部53によって、流出路51がほぼ遮断された状態になっていることが望ましい。
待機状態を解除するときには、制御部80は、ステップS27の処理を実行する。ステップS27では、制御部80は、吐出制御でのステップS38(図9,図10D)と同様に、排出弁部53に流出路51の容積を増大させる開弁動作をおこなわせつつ、液室駆動部43に液室42の容積を減少させて液室42の容積を基準容積に戻す。ステップS27における液室42の容積の変化量ΔVは、ステップS23と同様に、排出側移動体積V以上の値である。ステップS27では、吐出制御でのステップS38と同様に、排出弁部53の開弁動作に伴って、ノズル41から外気が吸い込まれてしまうことが抑制される。
制御部80によるヘッド部40Bの制御のうち、上記のステップS30,S23のように、液室42の容積の変化量ΔVが排出側移動体積V以上になるように、流出路51の容積を減少させつつ、液室42の容積を増大させる制御を「第1排出弁制御」と呼ぶ(図9,図12)。また、上記のステップS38,S27のように、液室42の容積の変化量ΔVが排出側移動体積V以上になるように、流出路51の容積を増大させつつ、液室42の容積を減少させる制御を「第2排出弁制御」と呼ぶ(図9,図12)。
第2実施形態の液体吐出装置100Bによれば、第1排出弁制御によって、排出弁部53の閉弁動作に起因して、ノズル41から液体LQが漏洩してしまうことが抑制されている。また、第2排出弁制御によって、排出弁部53の開弁動作に起因して、ノズル41から液室42へと外気が進入してしまうことが抑制されている。その他に、第2実施形態の液体吐出装置100Bおよびその制御方法によれば、上記の第1実施形態および第2実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
C.第3実施形態:
図13は、第3実施形態における液体吐出装置が備えるヘッド部40Cの内部構成を示す概略断面図である。図13は、ノズル41の中心軸と流入路31と流出路51とを通る切断面におけるヘッド部40Cの構成を模式的に表している。
第3実施形態の液体吐出装置は、第2実施形態のヘッド部40Bの代わりに、第3実施形態のヘッド部40Cを備えている点以外は、第2実施形態の液体吐出装置100Bの構成(図7)とほぼ同じである。第3実施形態のヘッド部40Cは、流入路31に第1実施形態で説明した供給弁部33が設けられている点以外は、第2実施形態のヘッド部40Bの構成(図8)とほぼ同じである。ヘッド部40Cは、ノズル41と液室42とそれぞれ2つ以上、備えていてもよい。
図14を参照して、第3実施形態の液体吐出装置において制御部80(図7)が実行するヘッド部40Cの吐出制御の一例を説明する。図14は、吐出制御のフローを示す説明図である。第3実施形態の吐出制御では、第1実施形態の吐出制御(図3)と第2実施形態の吐出制御(図9)とが組み合わされている。
ステップS40は、第1実施形態で説明した第1供給弁制御である。ステップS40では、第1実施形態で説明したステップS10(図3)と同様に、制御部80は、流入路31の容積を減少させて、流入路31の流路抵抗を基準抵抗から増大させつつ、液室42の容積を基準容積から拡大させる。ステップS40における液室42の容積の変化量ΔVは、第1実施形態で説明した供給側移動体積V(図5)以上の量である(ΔV≧V)。これによって、供給弁部33の閉弁動作に伴って、ノズル41から液体LQが漏洩してしまうことが抑制される。
ステップS42は、第2実施形態で説明した第1排出弁制御である。ステップS42では、第2実施形態で説明したステップS30(図9)と同様に、制御部80は、流出路51の容積を減少させて、流出路51の流路抵抗を基準抵抗から増大させつつ、液室42の容積を増大させる。ステップS42では、液室42の容積は、ステップS40において増大された容積から、さらに増大する。ステップS42における液室42の容積の変化量ΔVは、第2実施形態で説明した排出側移動体積V(図11)以上の量である(ΔV≧V)。これによって、排出弁部53の閉弁動作に起因して、ノズル41から液体LQが漏洩してしまうことが抑制される。
ステップS45では、第1実施形態のステップS13(図3)と同様に、制御部80は、液室駆動部43を急激に伸長させて、液室42の容積を低減させる。これによって、液室42から液体LQが押し出されて、ノズル41から液体LQが噴出し始める。このとき、ステップS40,S42において流入路31および流出路51の流路抵抗が増大されているため、液体LQの吐出のための液室42の圧力が、流入路31および流出路51に逃げてしまうことが抑制される。
ステップS46では、制御部80は、ノズル41から液体LQが吐出されている間に液室42の容積を増大させて、ノズル41から液室42へと液体LQを引き戻す吸引力を生じさせる。これによって、ノズル41の外に吐出された液体LQがノズル41の液体LQから分離して液滴DRとして飛翔する。また、制御部80は、流入路31の容積を基準容積まで緩やかに増大させて、流入路31の流路抵抗を基準抵抗に戻す。制御部80は、流入路31の容積を変動させている間に、液室42の容積を基準容積よりも増大させる。
ステップS48は、第2実施形態で説明した第2排出弁制御である。ステップS48では、第2実施形態で説明したステップS38(図9)と同様に、制御部80は、排出弁部53に流出路51の容積を基準容積まで増大させる開弁動作をおこなわせつつ、液室駆動部43に液室42の容積を減少させて液室42の容積を基準容積に戻す。ステップS48における液室42の容積の変化量ΔVは、第2実施形態で説明した排出側移動体積V(図11)以上の値である。これによって、供給弁部33の開弁動作に起因して、ノズル41から液室42に外気が吸い込まれてしまうことが抑制される。
図15を参照して、第3実施形態の液体吐出装置において制御部80が実行するヘッド部40Cの待機制御の一例を説明する。図15は、第3実施形態の待機制御のフローを示す説明図である。第3実施形態の吐出制御では、第1実施形態の待機制御(図6)と第2実施形態の待機制御(図12)とが組み合わされている。
第3実施形態の制御フローでは、制御部80は、ステップS20において、ヘッド部40Cを待機状態にすることを決定した場合には、ステップS22とステップS23とを順に実行する。ステップS22は、第1実施形態で説明した第1供給弁制御である(図6)。ステップS23は、第2実施形態で説明した第1排出弁制御である(図12)。ステップS22とステップS23の実行順序は入れ替えられてもよい。
制御部80は、ヘッド部40Cの待機状態を解除する場合には、ステップS26とステップS27とを順に実行する。ステップS26は、第1実施形態で説明した第2供給弁制御である(図6)。ステップS27は、第2実施形態で説明した第2排出弁制御である(図12)。ステップS26とステップS27の実行順序は入れ替えられてもよい。
第3実施形態の液体吐出装置によれば、第1供給弁制御によって、供給弁部33の閉弁動作に起因して、ノズル41から液体LQが漏洩してしまうことが抑制されている。また、第1排出弁制御によって、排出弁部53の閉弁動作に起因して、ノズル41から液体LQが漏洩してしまうことが抑制されている。第3実施形態の液体吐出装置によれば、第2供給弁制御によって、供給弁部33の開弁動作に起因して、ノズル41から液室42へと外気が進入してしまうことが抑制されている。また、第2排出弁制御によって、排出弁部53の開弁動作に起因して、ノズル41から液室42へと外気が進入してしまうことが抑制されている。その他に、第3実施形態の液体吐出装置およびその制御方法によれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
D.第4実施形態:
図16および図17を参照して、第4実施形態の液体吐出装置が備えるヘッド部40Dの構成を説明する。図16は、第4実施形態におけるヘッド部40Dの内部構成を示す概略断面図である。図16は、ノズル41の中心軸と流入路31と流出路51とを通る切断面におけるヘッド部40Dの構成を模式的に表している。図17は、ヘッド部40Dの内部構成を模式的に表した概略斜視図である。
第4実施形態の液体吐出装置の構成は、ヘッド部40Bの代わりに、ヘッド部40Dを有している点以外は、第2実施形態の液体吐出装置100Bの構成(図7)とほぼ同じである。第4実施形態のヘッド部40Dの構成は、2つの駆動部35,55の代わりに、1つの駆動部60を備えている点と、連結部材65を備えている点以外は、第3実施形態のヘッド部40Cの構成(図13)とほぼ同じである。
第4実施形態のヘッド部40Dは、供給弁部33と排出弁部53とに共通の駆動部60を備えている。駆動部60は、制御部80(図7)の制御下において、供給弁部33と排出弁部53とに流入路31および流出路51の容積を変更させるための駆動力を付与する。駆動部60は、連結部材65を介して、供給弁部33の流路壁部材34と、排出弁部53の流路壁部材54と、を撓み変形させる外力を前記の駆動力として付与する。駆動部60は、上下方向に伸縮可能なピエゾアクチュエーターによって構成されており、上下方向に伸縮運動することによって、連結部材65に連結されている供給弁部33の流路壁部材34と排出弁部53の流路壁部材54とをともに上下に撓み変形させる。
連結部材65は、架設部66と、2つの連結部67と、を有する。架設部66は、供給弁部33と排出弁部53とに跨がって架設されている柱状部位として構成されている。架設部66は、液室42およびその上部に配置されている液室駆動部43の上方に配置されている。各連結部67は、架設部66から下方に向かって突出している凸部として構成されている。第1の連結部67の下端部が供給弁部33の流路壁部材34に連結され、第2の連結部67の下端部が排出弁部53の流路壁部材54に連結されている。駆動部60が伸縮運動すると連結部材65が上下に変位し、各流路壁部材34,54が撓み変形する。ヘッド部40Dでは、流入路31の流路抵抗の変化の周期と流出路51の流路抵抗の変化の周期とが同期する。
図18、図19、および、図20を参照して、制御部80が実行するヘッド部40Dの吐出制御の一例を説明する。図18は、第4実施形態の吐出制御のフローを示す説明図である。図19は、第4実施形態の吐出制御における液室42の容積の変化と流路抵抗の変化とを示すタイミングチャートである。図19の横軸は経過時間を示している。図19の紙面左側の縦軸は、液室42の容積の基準容積からの変化量である容積変更量を示している。容積変更量は、その値が大きいほど、液室42の容積が小さいことを表す。図19での容積変更量ΔV,ΔV,ΔV,ΔVは、ΔV<ΔV<ΔV<ΔVの関係を満たしている。図19の紙面右側の縦軸は、流入路31および流出路51における流路抵抗を示している。流路抵抗の値が大きいほど、駆動部60の伸長変形量が大きく、供給弁部33および排出弁部53における容積が小さい。図19では、容積変更量の時間変化を実線のグラフGaで図示してあり、流路開度の時間変化を一点鎖線のグラフGbで図示してある。
制御部80は、吐出制御の実行前に、ヘッド部40Dを初期状態にする(図19)。制御部80は、ノズル41からの液体LQの吐出を開始する前の時刻tにおいて、液室42の容積を基準容積からΔVだけわずかに減少させた容積とする。また、流入路31および排出弁部53のそれぞれの流路抵抗を最大値R1にする。流路抵抗が最大値R1のときには、駆動部60の伸長量が最大であり、流入路31および流出路51がほとんど閉塞された状態である。
ステップS50(図18)は、ノズル41からの液体LQの吐出を開始させる工程である。ステップS50では、以下に説明するように、前述した初期状態から流入路31および流出路51の容積を増大させつつ、液室42の容積を減少させてノズル41から液体LQを吐出させる。
ステップS50は、時刻t~t(図19)において実行される。制御部80は、時刻t~tにおいて、液室駆動部43を急激に伸長変形させて、液室42の容積を、基準容積からΔVだけ減少させ、液室42の圧力を急激に高める。すると、この圧力を駆動力として、ノズル41から液体が噴出し始める。一方で、制御部80は、時刻tの前後において、駆動部60の収縮変形を開始させ、流入路31および流出路51における流路抵抗を減少させていく。流路抵抗の変化速度は、液室42の容積の変化速度よりも遅い。時刻t~tの間には、まだ、流路抵抗が比較的高い状態であるため、液室駆動部43の駆動によって付与される液体の吐出のための液室42の圧力が流入路31や流出路51から逃げてしまうことが抑制される。
ステップS52(図18)は、ノズル41から液体LQが吐出されている間に、流入路31および流出路51を開放する工程である。ステップS52では、以下に説明するように、流入路31および流出路51の容積がさらに増大されていくとともに、液室42の容積がさらに減少される。
ステップS52は、時刻t~tにおいて実行される(図19)。制御部80は、時刻tから、液室駆動部43が伸長する速度を低下させて、時刻t~tのときよりも緩やかに液室42の容積を減少させ、時刻tにおいて、液室42の容積を基準容積からΔVだけ減少させた液室42の容積が最小の状態にする。一方で、制御部80は、時刻tの後も、駆動部60の収縮変形を継続して流入路31および流出路51における流路抵抗を減少させていき、時刻tよりも前に、流路抵抗を最小値R0にする。
時刻t~tの間に、流路抵抗を最小値R0にして、流入路31および流出路51を開いた状態にすることによって、液室42の圧力を急激に低下させることができ、ノズル41の液体LQを液室42の方へと引き戻す吸引力を生じさせることができる。この吸引力によって、ノズル41から流出している液体LQを、ノズル41内の液体LQから分離させることができ、ノズル41から吐出された液体LQを液滴として飛翔させることができる。
時刻t~tにおける液室42の容積の変化量ΔVは、ΔVとΔVとの差として求められる。この容積の変化量ΔVは、流入路31および流出路51の容積の変動によって流入路31および流出路51のそれぞれと液室42との間を移動する液体LQの体積の合計V以上の量である(ΔV≧V)。この体積Vは、供給弁部33と排出弁部53とが流入路31および流出路51の容積を減少させることによって、流入路31および流出路51から液室42に押し出される液体LQの量に相当する。また、供給弁部33と排出弁部53とが流入路31および流出路51の容積を増大させることによって液室42から流入路31および流出路51へと引き込まれる液体LQの量に相当する。以下では、この液体LQの体積Vを「移動体積V」とも呼ぶ。移動体積Vの求め方については後述する。
時刻t~tにおいて、液室42の容積を、移動体積V以上の変化量ΔVで増大させることによって、各弁部33,53の開弁動作に伴う液室42からの液体LQの流出が抑制される。従って、上述したノズル41の液体LQを吸引する吸引力が大きくなりすぎることが抑制され、ノズル41から液室42に外気が吸い込まれてしまうことが抑制される。
ステップS54(図18)は、液室駆動部43を収縮させて液室42の容積を中間容積まで低減させつつ、液室42の液体LQを循環させる工程である。液室42の中間容積は、液室42の容積の最小値と最大値の間の予め決められた容積である。
ステップS54は、時刻t~tにおいて実行される(図19)。時刻t~tにおいて、制御部80は、液室42の容積を基準容積からΔVだけ減少させた中間容積まで増大させる。時刻t~tにおける液室42の容積の変化速度は、ノズル41からの外気の進入が抑制されるように、ノズル41にメニスカスが形成されている状態を維持できる比較的緩やかな速度である。制御部80は、次の吐出タイミングが到来する前の時刻tまで、液室42の容積を中間容積に維持する。
時刻t~tの間、制御部80は、流入路31および流出路51を、流路抵抗が最小値R0の開かれた状態のままにし、循環路90(図7)を介して液室42の液体LQを循環流動させる。これによって、次の吐出までに液体LQが滞留して劣化してしまうことが抑制される。
ステップS56(図18)は、次の吐出のためにヘッド部40Dを初期状態に遷移させる工程である。ステップS56では、流入路31と流出路51の容積を最小容積になるまで減少させつつ、液室42の容積を上述した初期状態のときの容積まで増加させる。
ステップS56は、時刻t~tにおいて実行される(図19)。時刻tは吐出指令が発行されるタイミングであり、時刻tは、次の吐出の開始タイミングである。制御部80は、時刻tにおいて、流路抵抗が増大するように、駆動部60の伸長変形を開始させるとともに、液室42の容積が大きくなるように、液室駆動部43の収縮変形を開始する。制御部80は、時刻tにおいて、流入路31および流出路51の流路抵抗を最大値R1まで高めるとともに、液室42の容積を基準容積からΔVだけ減少させた容積まで拡大させて、ヘッド部40Dを初期状態にする。
時刻t~tにおける液室42の容積の変化量ΔVはΔVとΔVとの差として求められる。この容積の変化量ΔVは、上述した移動体積V以上の量である(ΔV≧V)。なお、液室42の容積の変化量ΔVは、移動体積Vに、次の吐出においてノズル41から吐出される液体LQの体積を加算した値としもよい。この液室42における変化量ΔVの容積の増加により、少なくとも、移動体積Vに相当する液体LQを受け入れることができるバッファー空間が液室42に形成される。よって、各弁部33,53における閉弁動作によって液室42へと押し出される液体LQに起因して、ノズル41からの液体LQの漏洩が生じてしまうことが抑制される。
図20は、移動体積Vの求め方を説明するための概略図である。移動体積Vは、以下のようにして求めることができる。流入路31および流出路51を、流路抵抗が最小の開放された状態にする。そして、液体吐出装置の通常の駆動時と同様の条件で、液体LQを循環させつつ、流入路31、流出路51、および、液室42を液体LQで満たし、ノズル41でのメニスカスの位置を記録する。その後、液室駆動部43に液室42の容積を変更させることなく、供給弁部33および排出弁部53によって、流入路31および流出路51の容積を最小容積まで低減させ、記録してあるメニスカスの位置からの液体LQの増加量を求める。この増加量が、移動体積Vに相当する。移動体積Vは、流入路31および流出路51の容積を最小容積から基準容積まで戻したときの液室42およびノズル41における液体LQの減少量として求められてもよい。
図21を参照して、制御部80が実行するヘッド部40Dの待機制御の一例を説明する。図21は、第4実施形態の待機制御のフローを示す説明図である。第4実施形態の待機制御のフローは、ステップS22,S26の代わりに、ステップS24,S29が設けられている点以外は、第2実施形態の待機制御のフロー(図12)と同様である。
ステップS24では、制御部80は、駆動部60を伸長変形させて、流入路31および流出路51の容積を最小容積まで減少させつつ、液室駆動部43を収縮変形させて、液室42の容積を増大させ、ヘッド部40Dを待機状態とする。ステップS24における液室42の容積の変化量ΔVは、上述した移動体積V以上である。なお、ステップS24での液室42の容積の変化量ΔVは、液室42における圧力変化を無駄に生じさせないように、上述した吐出制御のステップS56での変化量ΔVよりも小さい値であることが望ましい。また、ステップS24では、排出弁部53によって、流出路51がほぼ遮断された状態になっていることが望ましい。
ステップS24の工程によって、ヘッド部40Dは、流入路31および流出路51が閉じられ、液室42からの液体LQの流入・流出が抑制された状態になるため、ノズル41から誤って液体LQが漏洩してしまうことが抑制される。また、液室42の容積が、少なくとも移動体積V分、増大するため、各弁部33,53の閉弁動作に伴って流入路31および流出路51から押し出される液体LQに起因して、ノズル41から液体LQが漏洩してしまうことが抑制される。
ステップS29では、制御部80は、駆動部60を収縮変形させて、流入路31および流出路51の容積を基準容積まで増大させつつ、液室駆動部43を伸長変形させて、液室42の容積を基準容積まで減少させ、ヘッド部40Dの待機状態を解除する。ステップS29における液室42の容積の変化量ΔVは、ステップS24と同様に、移動体積V以上の値である。ステップS29での容積の変化量ΔVは、ステップS27のときと同じ値であるとしてもよい。ステップS29では、液室42の容積が、少なくとも移動体積V分減少するため、各弁部33,53の開弁動作に伴って、ノズル41から外気が吸い込まれてしまうことが抑制される。
制御部80によるヘッド部40Dの制御のうち、上記のステップS56,S24のように、液室42の容積の変化量ΔVが移動体積V以上になるように、流入路31および流出路51の容積を減少させつつ、液室42の容積を増大させる制御を「第1弁制御」と呼ぶ(図18,図21)。また、上記のステップS52,S29のように、液室42の容積の変化量ΔVが移動体積V以上になるように、流入路31および流出路51の容積を増大させつつ、液室42の容積を減少させる制御を「第2弁制御」と呼ぶ(図18,図21)。
第4実施形態の液体吐出装置によれば、第1弁制御によって、各弁部33,53の閉弁動作に起因して、ノズル41から液体LQが漏洩してしまうことが抑制されている。また、第2弁制御によって、各弁部33,53の開弁動作に起因して、ノズル41から液室42へと外気が進入してしまうことが抑制されている。その他に、第4実施形態の液体吐出装置およびその制御方法によれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
E.第5実施形態:
図22および図23を参照して、第5実施形態における液体吐出装置が備えるヘッド部40Eの構成を説明する。図22および図23はそれぞれ、ヘッド部40Eの内部構成を模式的に表した概略斜視図である。図22は、分解図であり、便宜上、連結部材65Eを分離させた状態を図示してある。図13は、使用時におけるヘッド部40Eの状態を示している。
第5実施形態の液体吐出装置の構成は、ヘッド部40Aの代わりに、第5実施形態のヘッド部40Eを有している点以外は、第2実施形態の液体吐出装置100B(図7)とほぼ同じである。第5実施形態のヘッド部40Eの構成は、以下に説明する点以外は、第4実施形態のヘッド部40Dの構成(図16,図17)とほぼ同じである。
ヘッド部40Eは、ノズル41を有し、流入路31および流出路51が接続されている複数の液室42を備える。各流入路31には、供給弁部33を構成する流路壁部材34が設けられ、各流出路51には排出弁部53を構成する流路壁部材54が設けられている。ヘッド部40Eは、駆動部60が発生させる撓み変形のための外力を、連結部材65Eを各流路壁部材34および流路壁部材54に伝達するための連結部材65Eを有している。
第5実施形態の連結部材65Eは、複数の連結部67が設けられている連結板68を有する。連結板68は、各液室42に設けられた供給弁部33の流路壁部材34および排出弁部53の流路壁部材54を覆う板状の部材によって構成され、各液室42および各液室駆動部43の上方に配置されている。複数の連結部67は、連結板68の下面から下方に突起しており、各供給弁部33の流路壁部材34および排出弁部53の流路壁部材54に当接して連結されている。駆動部60は、連結板68の上面に設置されている。駆動部60は、伸縮変形して、連結部材65Eを上下に変位させることによって、各流路壁部材34,54を撓み変形させる。
第5実施形態の液体吐出装置では、制御部80(図7)は、ヘッド部40Eに対して第4実施形態で説明したのと同様な制御を実行する。第5実施形態の液体吐出装置によれば、液室42ごとに駆動部60を設ける構成よりも、ヘッド部40Eを小型化することが可能である。また、単一の駆動部60によって、複数の供給弁部33および複数の排出弁部53の駆動を簡易に同期させることができる。その他に、第5実施形態の液体吐出装置によれば、第4実施形態で説明した第1弁制御および第2弁制御による効果や、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
F.第6実施形態:
図24を参照して、第6実施形態における液体吐出装置が備えるヘッド部40Fの構成を説明する。図24は、第6実施形態のヘッド部40Fの内部構成を模式的に表した概略斜視図である。第6実施形態の液体吐出装置の構成は、第2実施形態のヘッド部40Bの代わりに、第6実施形態のヘッド部40Fを有している点以外は、第2実施形態の液体吐出装置100Bの構成(図7)とほぼ同じである。第6実施形態のヘッド部40Fは、複数の供給弁部33が共通の駆動部35Fで駆動し、複数の排出弁部53が共通の駆動部55Fで駆動するように構成されている点以外は、第3実施形態のヘッド部40Cの構成(図13)とほぼ同じである。
ヘッド部40Fは、少なくとも第1ノズル41aと第2ノズル41bとを含む複数のノズル41のそれぞれから液体LQを吐出するように構成されている。ヘッド部40Fは、各ノズル41が連通している複数の液室42を備える。複数の液室42には、少なくとも、第1ノズル41aが連通している第1液室42aと、第2ノズル41bが連通している第2液室42bと、が含まれている。各液室42には、液室駆動部43が設けられている。ヘッド部40Fが有する複数の液室駆動部43には、第1液室42aの容積を変更する第1液室駆動部43aと、第2液室42bの容積を変更する第2液室駆動部43bと、が含まれている。
各液室42には、供給弁部33を有する流入路31と、排出弁部53を有する各流出路51がひとつずつ接続されている。ヘッド部40Fが有する複数の流入路31には、少なくとも、第1液室42aに接続されている第1流入路31aと、第2液室42bに接続されている第2流入路31bと、が含まれている。ヘッド部40Fが有する複数の流出路51には、少なくとも、第1液室42aに接続されている第1流出路51aと、第2液室42bに接続されている第2流出路51bと、が含まれている。ヘッド部40Fが有する複数の供給弁部33には、少なくとも、第1流入路31aの容積を変更する第1供給弁部33aと、第2流入路31bの容積を変更する第2供給弁部33bと、が含まれている。ヘッド部40Fが有する複数の排出弁部53には、少なくとも、第1流出路51aの容積を変更する第1排出弁部53aと、第2流出路51bの容積を変更する第2排出弁部53bと、が含まれている。
ヘッド部40Fでは、第1供給弁部33aと第2供給弁部33bとを含む各供給弁部33は、共通の駆動部35Fが発生する駆動力によって、第1流入路31aと第2流入路31bとを含む各流入路31の容積を変更する。以下、駆動部35Fを「供給側共通駆動部35F」とも呼ぶ。供給側共通駆動部35Fは、上下方向に伸縮可能なピエゾアクチュエーターによって構成されている。供給側共通駆動部35Fは、上下方向への伸縮運動によって生じる外力を、流入路31の容積を変化させる駆動力として付与する。
供給側共通駆動部35Fは、連結部材65Fsを介して、各流路壁部材34に前記の外力を付与する。連結部材65Fsは、架設部66と、複数の連結部67と、を有する。架設部66は、各流路壁部材34に跨がって架設されている柱状部位として構成されている。複数の連結部67のそれぞれは、架設部66から下方の各流路壁部材34に向かって突出している凸部として構成されており、各流路壁部材34に当接して連結されている。供給側共通駆動部35Fが伸縮運動することによって、連結部材65Fsが上下に変位して、各流路壁部材34が撓み変形する。
ヘッド部40Fでは、第1排出弁部53aと第2排出弁部53bとを含む各排出弁部53は、共通の駆動部55Fが発生する駆動力によって、第1流出路51aと第2流出路51bとを含む各流出路51の容積を変更する。以下、駆動部55Fを「排出側共通駆動部55F」とも呼ぶ。排出側共通駆動部55Fは、上下方向に伸縮可能なピエゾアクチュエーターによって構成されている。排出側共通駆動部55Fは、上下方向への伸縮運動によって生じる外力を、流出路51の容積を変化させる駆動力として付与する。
排出側共通駆動部55Fは、連結部材65Feを介して、各流路壁部材54に前記の外力を付与する。連結部材65Feは、流入路31側に設けられている連結部材65Fsと同様な構成を有しており、架設部66と、複数の連結部67と、を有する。排出側共通駆動部55Fが伸縮運動することによって、連結部材65Feが上下に変位し、連結部67を介して連結部材65Feに連結されている各流路壁部材54が撓み変形する。
第6実施形態の液体吐出装置では、制御部80(図7)は、ヘッド部40Fに対して第3実施形態で説明したのと同様な制御を実行する。第6実施形態の液体吐出装置によれば、流入路31ごとに駆動部35を設け、流出路51ごとに駆動部55を設ける第3実施形態の構成よりも、ヘッド部40Fを小型化することが可能である。また、共通の駆動部35,55Fによって、各供給弁部33の駆動を簡易に同期させることができるとともに、各排出弁部53の駆動を簡易に同期させることができる。加えて、第6実施形態の液体吐出装置によれば、第3実施形態の液体吐出装置と同様に、供給弁部33と排出弁部53とを別々に動作させることができる。その他に、第6実施形態の液体吐出装置によれば、上記の各実施形態で説明した第1供給弁制御および第2供給弁制御による効果や、第2排出弁制御および第2排出弁制御による効果をはじめとする上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
G.第7実施形態:
図25とともに、図26A、図4B、図26B、図26Cを順に参照して、第7実施形態における吐出制御を説明する。図25は、第7実施形態における吐出制御のフローを示す説明図である。図26A~図26Cは、吐出ヘッドにおけるヘッド部の動作を示す概略図である。図4Bは、第1実施形態において参照した図である。
第7実施形態の吐出制御は、第1実施形態で説明した液体吐出装置100A(図1,図2に図示)において実行される。第7実施形態の吐出制御(図25)は、ステップS10,S16の代わりに、ステップS11,S17が実行され、最後に、第2供給弁制御を実行するステップS18が実行される点が、第1実施形態の吐出制御(図3)と異なっている。
ステップS11は、ノズル41からの液体LQの吐出を開始する準備のための工程である。ステップS11では、制御部80は、供給弁部33に閉弁動作をさせる。制御部80は、駆動部35を伸長させて流入路31の容積を減少させる(図26A)。制御部80は、流入路31の容積を予め決められた最少容積まで減少させる。最少容積は、第1実施形態で説明した流入路31が遮断される容積であるとしてもよい。
なお、制御部80は、ステップS11の実行前に、ステップS11において流入路31の容積を低減させた後の液室42の内圧がノズル41のメニスカス耐圧以下になるように、液室42の圧力を予め調整しておくことが望ましい。これによって、流入路31の容積を減少させたときのノズル41からの液体LQの流出が抑制される。
ステップS13では、第1実施形態で説明したのと同様に、制御部80は、液室駆動部43を駆動させて、液室42の容積を低減させ、ノズル41からの液体LQの吐出を開始させる(図4B )。このとき、ステップS11において、流入路31の流路抵抗が増大されているため、液体LQの吐出のために液室42に生じさせた圧力が、流入路31の方に抜けてしまうことが抑制される。
ステップS17は、ノズル41から吐出された液体LQを液滴DRとして分離させるための工程である。ステップS17では、制御部80は、ノズル41から液体LQが吐出されている間に、液室駆動部43を収縮させて、液室42の容積を拡大させることによって、液室42の圧力を低下させる(図26B)。これによって、ノズル41から液室42へと液体LQを引き戻す吸引力が生じ、ノズル41の外に吐出された液体LQを液滴DRとして、ノズル41の液体LQから分離させて飛翔させることができる。
ステップS17では、制御部80は、液室42の容積をその基準容積よりも増大させる。これによって、液室42により大きな負圧を生じさせることができ、ノズル41の液体LQから液滴DRをより確実に分離させることができる。よって、液滴DRの飛翔状態が改善される。
ステップS17では、供給弁部33によって流入路31の容積が基準容積よりも小さいままであり、流入路31の流路抵抗が大きい状態が維持されている。そのため、流入路31からの液体LQの供給によって、液室42に発生させた負圧が低減されてしまうことが抑制される。
ステップS18では、制御部80は、第2供給弁制御を実行する。制御部80は、液室42の容積を基準容積まで減少させつつ、流入路31の容積を基準容積まで増大させる(図26C)。このときの液室42の容積の変化量ΔVは、流入路31の容積を増大させる供給弁部33の開弁動作によって液室42から流入路31へと流出する液体LQの体積V以上である。これによって、供給弁部33の開弁動作によって流入路31へと液体LQが流出し、液室42にノズル41から外気を吸い込む負圧が発生してしまうことが抑制される。
以上のように、第7実施形態の吐出制御によれば、液体LQの吐出後における第2供給弁制御によって、ノズル41を通じて液室42に外気が進入してしまうことが抑制される。その他に、第7実施形態における液体吐出装置100Aによれば、第7実施形態中で説明した種々の作用効果に加えて、上記の各実施形態中で説明した種々の作用効果を奏することもできる。
H.他の実施形態:
上記の各実施形態で説明した種々の構成は、例えば、以下のように変更することも可能である。以下に説明する他の実施形態の構成はいずれも、上記の各実施形態と同様に、発明を実施するための形態の一例として位置づけられる。
H1.他の実施形態1:
上記の各実施形態(第2実施形態を除く)では、供給弁部33は、流入路31の内壁面の一部として構成された流路壁部材34を撓み変形させることによって、流入路31の容積を変更している。これに対して、供給弁部33は、他の構成によって、流入路31の容積を変更してもよい。供給弁部33は、例えば、流入路31を横切るように変位して、流入路31の流路断面積を変更するシャッター壁部によって構成されていてもよい。この構成であっても、シャッター壁部が変位した分だけ、流入路31の容積が変化する。また、供給弁部33は、流入路31の内壁面全体を変形させて、流入路31の容積を変更してもよい。
H2.他の実施形態2:
上記の各実施形態(第1実施形態および第7実施形態を除く)では、排出弁部53は、流出路51の内壁面の一部として構成された流路壁部材54を撓み変形させることによって、流出路51の容積を変更している。これに対して、排出弁部53は、他の構成によって、流出路51の容積を変更してもよい。排出弁部53は、例えば、流出路51を横切るように変位して、流出路51の流路断面積を変更するシャッター壁部によって構成されていてもよい。この構成であっても、シャッター壁部が変位した分だけ、流出路51の容積が変化する。また、排出弁部53は、流出路51の内壁面全体を変形させて、流出路51の容積を変更してもよい。
H3.他の実施形態3:
上記の各実施形態では、駆動部35,55,60は、ピエゾアクチュエーターによって構成されている。これに対して、駆動部35,55,60は、ピエゾアクチュエーター以外のアクチュエーターによって構成されていてもよい。駆動部35,55,60は、例えば、エアシリンダーやソレノイド、磁歪素子などの他のアクチュエーターによって構成されてもよい。
H4.他の実施形態4:
上記の各実施形態では、液室駆動部43は、ピエゾアクチュエーターによって構成されている。これに対して、液室駆動部43は、ピエゾアクチュエーター以外のアクチュエーターによって構成されていてもよい。液室駆動部43は、エアシリンダーやソレノイド、磁歪素子などの他のアクチュエーターによって構成されてもよい。
H5.他の実施形態5:
上記の各実施形態で説明した制御部80によるヘッド部40A~40Eの制御は、あくまで一例であり、制御部80による制御の内容は、上記の各実施形態で説明した制御に限定されることはない。例えば、上記の第3実施形態において、第4実施形態で説明した吐出制御(図18,図19)や待機制御(図21)が実行されてもよい。上記の第1実施形態、第3実施形態において、第1供給弁制御と第2供給弁制御のうちのいずれか一方が実行されないものとしてもよい。また、第1供給弁制御や第2供給弁制御が、吐出制御や待機制御以外の制御において実行されてもよい。同様に、上記の第2実施形態、第3実施形態において、第1排出弁制御と第2排出弁制御のうちのいずれか一方が実行されないものとしてもよい。また、第1排出弁制御や第2排出弁制御が、吐出制御や待機制御以外の制御において実行されてもよい。上記の第4実施形態および第5実施形態において、第1弁制御と第2弁制御のいずれか一方が実行されないものとしてもよい。また、第1弁制御や第2弁制御が、吐出制御や待機制御以外の制御において実行されてもよい。第1弁制御や第2弁制御が、待機制御でのみ実行される構成でもよい。この場合、上記の第4実施形態および第5実施形態では、以下の吐出制御が実行されてもよい。流入路31および供給弁部33の容積を基準容積から最小容積へと減少させつつ、液室駆動部43によって液室42の容積を急激に低減させて、ノズル41から液体を吐出する。そして、液室42の容積を増加させて基準容積に戻しつつ、流入路31および供給弁部33の容積を増大させて基準容積に戻す。
H6.他の実施形態6:
上記の各実施形態で説明した第1供給弁制御および第2供給弁制御では、供給弁部33が駆動する期間と液室駆動部43が駆動する期間とが一致していなくてもよいし、重なり合っていなくてもよい。つまり、第1供給弁制御および第2供給弁制御では、液室駆動部43が液室42の容積を変動させる動作は、供給弁部33が流入路31の容積を変動させる動作に伴って実行されればよい。ここでの「伴って実行される」とは、「連動して実行される」ことを意味する。第1供給弁制御および第2供給弁制御において、供給弁部33の駆動期間の始期および終期と、液室駆動部43の駆動期間の始期および終期とは、流入路31と液室42との間を液体LQが移動する時間を考慮して適切に調整されて設定されればよい。第1排出弁制御および第2排出弁制御における排出弁部53の駆動期間の始期および終期と液室駆動部43の駆動期間の始期および終期についても同様である。また、第1弁制御および第2弁制御における供給弁部33の駆動期間の始期および終期と、排出弁部53の駆動期間の始期および終期と、液室駆動部43の駆動期間の始期および終期についても同様である。この「伴って」の用語の解釈に従えば、流入路31の容積を減少させるのに伴って、液室42の容積を増大させる第1供給弁制御には、流入路31の容積をわずかに低減させた後、液室42の容積をわずかに増大させる動作を交互に繰り返す制御態様が含まれる。また、流入路31の容積を増大させるのに伴って、液室42の容積を減少させる第2供給弁制御には、流入路31の容積をわずかに増大させた後、液室42の容積をわずかに減少させる動作を交互に繰り返す制御態様が含まれる。同様に、流出路51の容積を減少させるのに伴って液室42を増大させる第1排出弁制御には、流出路51の容積をわずかに低減させた後、液室42の容積をわずかに増大させる動作を交互に繰り返す制御態様が含まれる。また、流出路51の容積を増大させるのに伴って、液室42の容積を減少させる第2排出弁制御には、流出路51の容積をわずかに増大させた後、液室42の容積をわずかに減少させる動作を交互に繰り返す制御態様が含まれる。
H7.他の実施形態7:
上記の第1実施形態の液体吐出装置100Aにおいて、第2実施形態以降で説明したような液室42に接続される流出路51を設ける構成が適用されてもよい。
H8.他の実施形態8:
上記の第6実施形態において、排出弁部53のみが排出側共通駆動部55Fによって駆動し、供給弁部33が、第3実施形態のヘッド部40Cと同様に、供給弁部33ごとに設けられた駆動部35によって駆動する構成が適用されてもよい。逆に、供給弁部33のみが供給側共通駆動部35Fによって駆動し、排出弁部53が、第3実施形態のヘッド部40Cと同様に、排出弁部53ごとに設けられた駆動部55によって駆動する構成が適用されてもよい。
H9.他の実施形態9:
上記の各実施形態において、複数の流入路31や複数に流出路51には、供給弁部33や排出弁部53が設けられていないものが含まれていてもよい。また、上記の第4実施形態のヘッド部40Dを複数のノズル41から液体LQを吐出する構成にした場合において、供給弁部33と排出弁部53とが別々の駆動部によって駆動されるものが含まれていてもよい。第5実施形態のヘッド部40Eにおいても、複数組の供給弁部33と排出弁部53には、共通の駆動部60とは別の駆動部によって駆動されるものが含まれていてもよい。第6実施形態のヘッド部40Fにおいても、複数の供給弁部33には、供給側共通駆動部35Fとは別の駆動部によって駆動される供給弁部33が含まれていてもよいし、複数の排出弁部53には、排出側共通駆動部55Fとは別の駆動部によって駆動される排出弁部53が含まれていてもよい。
H10.他の実施形態10:
本発明は、インクを吐出する液体吐出装置に限らず、インク以外の他の液体を吐出する任意の液体吐出装置にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体吐出装置に本発明は適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置。
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出装置。
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材吐出装置。
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を吐出する液体吐出装置。
(5)精密ピペットとしての試料吐出装置。
(6)潤滑油の吐出装置。
(7)樹脂液の吐出装置。
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置。
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置。
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を吐出する液体吐出装置。
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置。
H11.他の実施形態11:
上記実施形態において、ソフトウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ハードウェアによって実現されてもよい。また、ハードウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ソフトウェアによって実現されてもよい。ハードウェアとしては、例えば、集積回路、ディスクリート回路、または、それらの回路を組み合わせた回路モジュールなど、各種回路を用いることができる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須ではないと説明されているものに限らず、その技術的特徴が本明細書中に必須であると説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記の各実施形態における「流入路31」および「流出路51」は、「流路」の下位概念に相当する。「供給弁部33」および「排出弁部53」は、「弁部」の下位概念に相当する。「第1供給弁制御」、「第1排出弁制御」、および、「第1弁制御」はそれぞれ、液室の容積の変化量が、流路の容積が変動している間に前記流路から前記液室に流入する液体の体積以上になるように、弁部に前記流路の容積を減少させるのに伴って、液室駆動部に前記液室の容積を増大させる「第1制御」の下位概念に相当する。「第2供給弁制御」、「第2排出弁制御」、および、「第2弁制御」はそれぞれ、前記液室の容積の変化量が、前記流路の容積が変動している間に前記液室から前記流路に流出する前記液体の体積以上になるように、前記弁部に前記流路の容積を増大させるのに伴って、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる「第2制御」の下位概念に相当する。
本明細書において、「液体」とは、液体吐出装置が消費できるような材料であればよい。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であればよく、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。液体の代表的な例としてはインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。また、「液滴」とは、液体吐出装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。
10…タンク、15…圧力調整部、20…加圧ポンプ、30…供給路、31…流入路、31a…第1流入路、31b…第2流入路、33…供給弁部、33a…第1供給弁部、33b…第2供給弁部、34…流路壁部材、35…駆動部、35F…駆動部(供給側共通駆動部)、40A…ヘッド部、40B…ヘッド部、40C…ヘッド部、40D…ヘッド部、40E…ヘッド部、40F…ヘッド部、41…ノズル、41a…第1ノズル、41b…第2ノズル、42…液室、42a…第1液室、42b…第2液室、42e…底面、43…液室駆動部、45…天面、50…排出路、51…流出路、51a…第1流出路、51b…第2流出路、53…排出弁部、53a…第1排出弁部、53b…第2排出弁部、54…流路壁部材、55…駆動部、55F…駆動部(排出側共通駆動部)、60…駆動部、65…連結部材、65E…連結部材、65Fe…連結部材、65Fs…連結部材、66…架設部、67…連結部、68…連結板、70…液体貯留部、75…負圧発生源、80…制御部、90…循環路、100A…液体吐出装置、100B…液体吐出装置、DR…液滴、LQ…液体、V…供給側移動体積、V…排出側移動体積、V…移動体積、ΔV…変化量

Claims (7)

  1. 液体吐出装置であって、
    ノズルに連通し、液体を収容する液室と、
    前記液室の容積を変更して前記ノズルから前記液体を吐出させる液室駆動部と、
    前記液室に接続され、前記液体が流れる流路と、
    前記流路の内壁面を変位させて前記流路の容積を変更することによって、前記流路の流路抵抗を変化させて、前記液室と前記流路との間の前記液体の流れを制御する弁部と、
    前記液室駆動部と、前記弁部と、を制御する制御部と、
    を備え、
    前記流路は、前記液室に供給される前記液体が流れる流入路と、前記液室から排出される前記液体が流れる流出路と、を含み、
    前記弁部は、前記流出路の内壁面を変位させて前記流出路の容積を変更する排出弁部を含み、
    前記制御部は、
    (i)前記弁部に前記流路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の減少によって前記流路から前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1制御と、
    (ii)前記弁部に前記流路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の増大によって前記液室から前記流路に流出する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2制御と、
    のうちの少なくとも一方を実行し、
    前記第1制御は、前記排出弁部に前記流出路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流出路の容積の減少によって前記流出路から前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1排出弁制御を含み、
    前記第2制御は、前記排出弁部に前記流出路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流出路の容積の増大によって前記流出路から前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2排出弁制御を含む、液体吐出装置。
  2. 請求項1記載の液体吐出装置であって、
    前記液室は、第1ノズルに連通している第1液室と、第2ノズルに連通している第2液室と、を含み、
    前記液室駆動部は、前記第1液室の容積を変更する第1液室駆動部と、前記第2液室の容積を変更する第2液室駆動部と、を含み、
    前記流入路は、前記第1液室に接続されている第1流入路と、前記第2液室に接続されている第2流入路と、を含み、
    前記流出路は、前記第1液室に接続されている第1流出路と、前記第2液室に接続されている第2流出路と、を含み、
    前記排出弁部は、前記第1流出路の容積を変更する第1排出弁部と、前記第2流出路の容積を変更する第2排出弁部と、を含み、
    前記制御部は、前記第1制御および前記第2制御において、前記第1排出弁部に前記第1流出路の容積を変更させつつ、前記第2排出弁部に前記第2流出路の容積を変更させるのに伴って、前記第1液室駆動部に前記第1液室の容積を変更させつつ、前記第2液室駆動部に前記第2液室の容積を変更させ、
    前記第1排出弁部と前記第2排出弁部とは、共通の駆動部が発生させる駆動力によって、前記第1流出路と前記第2流出路の容積を変更させる、液体吐出装置。
  3. 液体吐出装置であって、
    ノズルに連通し、液体を収容する液室と、
    前記液室の容積を変更して前記ノズルから前記液体を吐出させる液室駆動部と、
    前記液室に接続され、前記液体が流れる流路と、
    前記流路の内壁面を変位させて前記流路の容積を変更することによって、前記流路の流路抵抗を変化させて、前記液室と前記流路との間の前記液体の流れを制御する弁部と、
    前記液室駆動部と、前記弁部と、を制御する制御部と、
    を備え、
    前記流路は、前記液室に供給される前記液体が流れる流入路と、前記液室から排出される前記液体が流れる流出路と、を含み、
    前記弁部は、前記流入路の内壁面を変位させて前記流入路の容積を変更する供給弁部と、前記流出路の内壁面を変位させて前記流出路の容積を変更する排出弁部と、を含み、
    前記制御部は、
    (i)前記弁部に前記流路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の減少によって前記流路から前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1制御と、
    (ii)前記弁部に前記流路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の増大によって前記液室から前記流路に流出する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2制御と、
    のうちの少なくとも一方を実行し、
    前記第1制御は、前記供給弁部に前記流入路の容積を減少させつつ、前記排出弁部に前記流出路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流入路の容積と前記流出路の容積の減少によって前記流入路と前記流出路とから前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1弁制御を含み、
    前記第2制御は、前記供給弁部に前記流入路の容積を増大させつつ、前記排出弁部に前記流出路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流入路の容積と前記流出路の容積の増大によって前記流入路と前記流出路とから前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2弁制御を含む、液体吐出装置。
  4. 請求項3記載の液体吐出装置であって、
    前記供給弁部と前記排出弁部とは、共通の駆動部が発生させる駆動力によって、前記流出路の容積および前記流入路の容積を変更させる、液体吐出装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記流出路に排出された前記液体を前記流入路へと循環させるための循環路を備える、液体吐出装置。
  6. ノズルに連通し、液体を収容する液室と、前記液室の容積を変更して前記ノズルから前記液体を吐出させる液室駆動部と、前記液室に接続され、前記液体が流れる流路と、前記流路の内壁面を変位させて前記流路の容積を変更することによって、前記流路の流路抵抗を変化させて、前記液室と前記流路との間の前記液体の流れを制御する弁部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、
    前記流路は、前記液室に供給される前記液体が流れる流入路と、前記液室から排出される前記液体が流れる流出路と、を含み、
    前記弁部は、前記流出路の内壁面を変位させて前記流出路の容積を変更する排出弁部を含み、
    前記制御方法は、
    (i)前記弁部に前記流路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の減少によって前記流路から前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1制御と、
    (ii)前記弁部に前記流路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の増大によって前記液室から前記流路に流出する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2制御と、
    のうちの少なくとも一方を実行する工程を備え
    前記第1制御は、前記排出弁部に前記流出路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流出路の容積の減少によって前記流出路から前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1排出弁制御を含み、
    前記第2制御は、前記排出弁部に前記流出路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流出路の容積の増大によって前記流出路から前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2排出弁制御を含む、制御方法。
  7. ノズルに連通し、液体を収容する液室と、前記液室の容積を変更して前記ノズルから前記液体を吐出させる液室駆動部と、前記液室に接続され、前記液体が流れる流路と、前記流路の内壁面を変位させて前記流路の容積を変更することによって、前記流路の流路抵抗を変化させて、前記液室と前記流路との間の前記液体の流れを制御する弁部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、
    前記流路は、前記液室に供給される前記液体が流れる流入路と、前記液室から排出される前記液体が流れる流出路と、を含み、
    前記弁部は、前記流入路の内壁面を変位させて前記流入路の容積を変更する供給弁部と、前記流出路の内壁面を変位させて前記流出路の容積を変更する排出弁部と、を含み、
    前記制御方法は、
    (i)前記弁部に前記流路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の減少によって前記流路から前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1制御と、
    (ii)前記弁部に前記流路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流路の容積の増大によって前記液室から前記流路に流出する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2制御と、
    のうちの少なくとも一方を実行する工程を備え、
    前記第1制御は、前記供給弁部に前記流入路の容積を減少させつつ、前記排出弁部に前記流出路の容積を減少させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流入路の容積と前記流出路の容積の減少によって前記流入路と前記流出路とから前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を増大させる第1弁制御を含み、
    前記第2制御は、前記供給弁部に前記流入路の容積を増大させつつ、前記排出弁部に前記流出路の容積を増大させるのに伴って、前記液室の容積の変化量が前記流入路の容積と前記流出路の容積の増大によって前記流入路と前記流出路とから前記液室に流入する前記液体の体積以上になるように、前記液室駆動部に前記液室の容積を減少させる第2弁制御を含む、制御方法。
JP2017253336A 2017-03-28 2017-12-28 液体吐出装置およびその制御方法 Active JP7021536B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/916,714 US10343400B2 (en) 2017-03-28 2018-03-09 Liquid discharge apparatus and method for controlling the same
CN201810224997.7A CN108656737B (zh) 2017-03-28 2018-03-19 液体喷射装置及其控制方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017062701 2017-03-28
JP2017062701 2017-03-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018165050A JP2018165050A (ja) 2018-10-25
JP7021536B2 true JP7021536B2 (ja) 2022-02-17

Family

ID=61683713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017253336A Active JP7021536B2 (ja) 2017-03-28 2017-12-28 液体吐出装置およびその制御方法

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP3381701B1 (ja)
JP (1) JP7021536B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021107112A (ja) * 2019-12-27 2021-07-29 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011126266A (ja) 2009-09-28 2011-06-30 Canon Inc 液体吐出ヘッドの駆動方法および液体吐出装置
US20150062256A1 (en) 2012-04-19 2015-03-05 Kianoush Naeli Fluid circulation within chamber
JP2015147341A (ja) 2014-02-06 2015-08-20 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッドおよびその製造方法と、インクジェットプリンタ

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01174461A (ja) * 1987-12-29 1989-07-11 Nec Corp インクジェットヘッド駆動方法
JP2844808B2 (ja) * 1990-03-02 1999-01-13 日本電気株式会社 インクジェットヘッド駆動方法
JP2001063047A (ja) 1999-08-26 2001-03-13 Ricoh Co Ltd インクジェットヘッド
JP2007320042A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Mimaki Engineering Co Ltd 流体吐出装置および流体吐出装置群
KR101257840B1 (ko) * 2006-07-19 2013-04-29 삼성디스플레이 주식회사 리스트릭터용 압전 액츄에이터를 구비한 잉크젯 헤드
JP2011140202A (ja) * 2010-01-09 2011-07-21 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
JP5364084B2 (ja) 2010-03-16 2013-12-11 パナソニック株式会社 インクジェット装置
WO2013032471A1 (en) * 2011-08-31 2013-03-07 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Fluid ejection device with fluid displacement actuator and related methods

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011126266A (ja) 2009-09-28 2011-06-30 Canon Inc 液体吐出ヘッドの駆動方法および液体吐出装置
US20150062256A1 (en) 2012-04-19 2015-03-05 Kianoush Naeli Fluid circulation within chamber
JP2015147341A (ja) 2014-02-06 2015-08-20 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッドおよびその製造方法と、インクジェットプリンタ

Also Published As

Publication number Publication date
EP3381701A1 (en) 2018-10-03
EP3381701B1 (en) 2020-05-13
JP2018165050A (ja) 2018-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7021536B2 (ja) 液体吐出装置およびその制御方法
JP6939009B2 (ja) 液体吐出装置
JP2010221491A (ja) 液体供給装置、液体噴射装置
EP3381699B1 (en) Liquid ejecting apparatus and liquid ejection method
JP6939008B2 (ja) 液体吐出装置および液体吐出方法
US10946652B2 (en) Displacement amplifying mechanism and liquid ejecting apparatus using the same
US10518532B2 (en) Liquid ejecting apparatus
US10343400B2 (en) Liquid discharge apparatus and method for controlling the same
JP6953801B2 (ja) 液体吐出装置
JP2019042620A (ja) 液滴吐出装置
JP6954056B2 (ja) 液体噴射装置
JP6958292B2 (ja) 液体吐出装置
JP2018202644A (ja) 液体吐出装置およびその制御方法
JP7087359B2 (ja) 液体噴射装置
JP6953963B2 (ja) 液体噴射装置
JP7039866B2 (ja) 液体吐出装置および液体吐出装置の製造方法
JP6935688B2 (ja) 液体吐出装置および液体吐出方法
JP2019064037A (ja) 液体噴射装置
JP2019006012A (ja) 液体吐出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7021536

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150