JP6958292B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
液体吐出装置に関して、例えば、特許文献1には、複数のノズルと、それぞれのノズルに連通する複数の圧力室と、それぞれの圧力室に液体を供給するための複数の供給流路と、それぞれの供給流路内の流体抵抗を一斉に変化させる1つの抵抗可変手段とを備えた液体吐出装置が開示されている。この液体吐出装置では、抵抗可変手段は、液体の吐出速度や吐出量を設定変更するために用いられている。
特開2007−320042号公報
特許文献1に記載された液体吐出装置において、液体の充填速度を高める等の目的で、供給流路側から加圧によって圧力室に液体を供給する場合がある。この場合、各供給流路には、共通した液体供給室から加圧された液体が供給されることになるため、液体の吐出を行ったノズルだけでなく、液体の吐出を行わなかったノズルにも液体が供給される。すると、液体の吐出を行わなかったノズルから液体が漏洩する可能性がある。特に、高粘度の液体を高周波で吐出させる場合には、液体に対する加圧が大きくなるため、このような問題が顕著になる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、液体吐出装置が提供される。この液体吐出装置は、液体を吐出するための複数のノズルと;それぞれの前記ノズルに連通する複数の圧力室と;前記複数の圧力室に設けられ、前記圧力室の容積を変更するための複数の圧力発生素子と;それぞれの前記圧力室に接続され、前記圧力室に前記液体を流入させる複数の流入路と;それぞれの前記流入路の流路抵抗を一括して変更するための第1流路抵抗変更部と;前記流入路に前記液体を加圧して供給する加圧部と;前記第1流路抵抗変更部とそれぞれの前記圧力発生素子とを制御するための制御部とを備える。前記制御部は、前記第1流路抵抗変更部を制御して複数の前記流入路の前記流路抵抗を一括して大きくした第1状態と、前記第1流路抵抗変更部を制御して複数の前記流入路の前記流路抵抗を前記第1状態よりも一括して小さくした第2状態と、を切替える制御を繰り返し;前記制御部は、複数の前記ノズルのうち前記液体の吐出を行う吐出ノズルに対応する前記圧力発生素子である吐出圧力発生素子に対しては、前記第1状態において、前記吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を縮小させる押出制御を含む、吐出制御を行い;複数の前記ノズルのうち前記液体の吐出を行わない非吐出ノズルに対応する前記圧力発生素子である非吐出圧力発生素子に対しては、前記第1状態において、前記非吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を拡大させ、前記第2状態において、前記非吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を縮小させる吸排制御を含む、非吐出制御を行う。この形態の液体吐出装置によれば、第1状態において非吐出ノズルに対応する圧力室の容積が拡大されることによって、ノズルから空気が吸入されてメニスカスが形成され、第2状態において非吐出ノズルに対応する圧力室の容積が縮小されることによって、圧力室内の液体は流入路に流れる。このため、第1流路抵抗変更部が複数の流入路の流路抵抗を一括して小さくすることにより、吐出ノズルに対応する圧力室と、非吐出ノズルに対応する圧力室との両方に、加圧された液体が供給されたとしても、非吐出ノズルからの液体の漏洩を抑制できる。
(2)上記形態の液体吐出装置において、前記制御部は、前記非吐出制御において、前記非吐出ノズルに対応する前記圧力室の容積の拡大を、前記吐出制御において前記吐出ノズルに対応する前記圧力室の容積を縮小させた後に行ってもよい。この形態の液体吐出装置によれば、制御部は、吐出ノズルに対応する圧力室の容積の縮小と、非吐出ノズルに対応する圧力室の容積の拡大とを、別々のタイミングで行うことができる。このため、それぞれの圧力室の容積を変更させるタイミングを厳密に制御しなくても、非吐出ノズルからの液体の漏洩を抑制できる。
(3)上記形態の液体吐出装置において、前記制御部は、前記吐出制御および前記非吐出制御を行う際に、前記第1状態から前記第2状態への切替えを2回行い、前記制御部は、前記吐出制御において、先の前記第1状態において、前記押出制御に先立って、前記吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を拡大させ、後の前記第1状態において、前記押出制御を行い、前記非吐出制御において、先の前記第1状態から先の前記第2状態にかけて、前記吸排制御を行い、後の前記第1状態から後の前記第2状態にかけて、再び、前記吸排制御を行ってもよい。この形態の液体吐出装置によれば、吐出ノズルから液体を吐出する際に、圧力発生素子は、圧力室内の容積を拡大させた状態から縮小させた状態に移行させるため、圧力室内の容積を初期状態から縮小させた状態に移行させるよりも、圧力室内の容積変化を大きくすることができる。このため、ノズルから吐出される液体の量を多くすることができる。
(4)上記形態の液体吐出装置は、それぞれの前記圧力室に接続され、前記圧力室から前記液体を流出させる複数の流出路と、それぞれの前記流出路の流路抵抗を一括して変更するための第2流路抵抗変更部と、を備え、前記制御部は、前記第2流路抵抗変更部を制御して複数の前記流出路の前記流路抵抗を一括して大きくした第3状態と、前記第2流路抵抗変更部を制御して複数の前記流出路の前記流路抵抗を前記第3状態よりも一括して小さくした第4状態と、を切替える制御を繰り返してもよい。この形態の液体吐出装置によれば、ノズルから液体を吐出する際に、制御部が第2流路抵抗変更部を制御することにより、流出路の流路抵抗を大きくする。このため、圧力室内の圧力が流出路を介して逃げることを抑制でき、ノズルからの液体の吐出不良を抑制できる。
(5)上記形態の液体吐出装置において、前記制御部は、前記吐出制御において、前記第1状態かつ前記第3状態のタイミングにて、前記吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を縮小させ、前記非吐出制御において、前記第1状態かつ前記第3状態のタイミングにて、前記非吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を拡大させ、前記第2状態または前記第4状態のタイミングにて、前記非吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を縮小させてもよい。この形態の液体吐出装置によれば、第1状態かつ第3状態のタイミングにおいて非吐出ノズルに対応する圧力室の容積が拡大されることによって、ノズルから空気が吸入されてメニスカスが形成され、第2状態または第4状態のタイミングにおいて非吐出ノズルに対応する圧力室の容積が縮小されることによって、圧力室内の液体は流入路または流出路に流れる。このため、第1流路抵抗変更部が複数の流入路の流路抵抗を一括して小さくすることにより、吐出ノズルに対応する圧力室と、非吐出ノズルに対応する圧力室との両方に、加圧された液体が供給されたとしても、非吐出ノズルからの液体の漏洩を抑制できる。
(6)上記形態の液体吐出装置において、前記制御部は、前記圧力発生素子に対して、前記圧力室の容積を拡大させた状態にする拡大信号と、前記圧力室の容積を縮小させた状態にする縮小信号とを供給可能であり、前記制御部は、前記圧力発生素子に前記拡大信号を供給すること、または、前記圧力発生素子に前記縮小信号の供給を停止することによって、前記圧力室の容積を拡大させ、前記圧力発生素子に前記縮小信号を供給すること、または、前記圧力発生素子に前記拡大信号の供給を停止することによって、前記圧力室の容積を縮小させてもよい。この形態の液体吐出装置によれば、制御部が圧力発生素子への信号の供給を制御することによって、圧力発生素子を伸縮させて、圧力室の容積を変更することができる。
本発明は、液体吐出装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、液体吐出方法や、液体吐出装置を制御するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムが記録された一時的でない有形な記録媒体等の形態で実現することができる。
第1実施形態における液体吐出装置の概略構成を示す説明図。 ヘッド部の概略構成を示す第1の説明図。 ヘッド部の概略構成を示す第2の説明図。 第1実施形態における吐出制御と非吐出制御との内容を示す工程図。 第1実施形態における圧力発生素子の動作を示すタイムチャート。 第1実施形態におけるメニスカスの挙動を示すタイムチャート。 第2実施形態における吐出制御と非吐出制御との内容を示す工程図。 第2実施形態における圧力発生素子の動作を示すタイムチャート。 第2実施形態におけるメニスカスの挙動を示すタイムチャート。 ヘッド部の概略構成を示す第3の説明図。 第3実施形態における吐出制御と非吐出制御との内容を示す工程図。 第3実施形態における圧力発生素子の動作を示すタイムチャート。 第3実施形態におけるメニスカスの挙動を示すタイムチャート。 第4実施形態における吐出制御と非吐出制御との内容を示す工程図。 第4実施形態における圧力発生素子の動作を示すタイムチャート。 第4実施形態におけるメニスカスの挙動を示すタイムチャート。 他の実施形態における吐出制御と非吐出制御との内容を示す工程図。
A.第1実施形態
図1は、第1実施形態における液体吐出装置5の概略構成を示す説明図である。液体吐出装置5は、タンク10と、加圧部20と、供給路30と、ヘッド部40と、制御部90と、を備えている。
タンク10には液体が収容されている。液体としては、例えば、所定の粘度を有するインクが収容される。タンク10内の液体は加圧部20により加圧され、供給路30を通じてヘッド部40に供給される。本実施形態における加圧部20は、一定流量の液体を供給可能な定量ポンプである。定量ポンプとしては、脈動の少ないギアポンプを採用することが可能である。また、例えば、供給路30の一部に脈動を吸収するためのバッファータンクを設けることにより、ダイヤフラム型やプランジャー型の各種定量ポンプを用いることも可能である。
供給路30を通じてヘッド部40に供給された液体は、ヘッド部40により吐出される。ヘッド部40の動作は、制御部90により制御される。制御部90は、CPUとメモリーとを備えるコンピューターとして構成されており、メモリーに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、ヘッド部40の動作を制御する。プログラムは、一時的でない有形な記録媒体に記録されていてもよい。
図2は、ヘッド部40の概略構成を示す第1の説明図である。ヘッド部40は、共通供給液室41と、流入路42と、圧力室43と、ノズル44と、圧力発生素子45と、振動板46と、第1流路抵抗変更部51とを備えている。
共通供給液室41は、供給路30に接続されている。加圧部20の発生させる圧力によって、供給路30から共通供給液室41内に流入した液体は、共通供給液室41に接続された流入路42を介して圧力室43内へと流れる。
共通供給液室41内には第1流路抵抗変更部51が設けられている。第1流路抵抗変更部51は、第1ロッド52と、第1ベース部53と、第1アクチュエーター54とによって構成されている。第1ロッド52は、第1ベース部53に取り付けられており、第1ベース部53には、第1アクチュエーター54が設けられている。第1アクチュエーター54が、第1ベース部53を、図2における上下方向に駆動させることによって、第1ロッド52の先端が流入路42を閉塞させ、流入路42の流路抵抗が変更される。第1アクチュエーター54の駆動は、制御部90により制御される。制御部90は、第1流路抵抗変更部51を制御して流入路42の流路抵抗を大きくした第1状態と、第1流路抵抗変更部51を制御して流入路42の流路抵抗を第1状態よりも小さくした第2状態とを切替える制御を繰り返す。第1状態では、共通供給液室41から流入路42へ液体が流入しない程度に流路抵抗が大きくされる。第2状態では、共通供給液室41から流入路42へ液体が流入する程度に流路抵抗が小さくされる。
圧力室43は、流入路42に接続されており、圧力室内43には、流入路42を流れた液体が流入する。圧力室43は、ノズル44に連通している。圧力室43の一方の壁面には振動板46を介して圧力発生素子45が設けられている。本実施形態では、圧力発生素子45は、圧電素子であり、制御部90によって制御され、印加される電圧に応じて伸縮する。圧力発生素子45の伸縮に伴い、振動板46が押されたり、引かれたりすることによって、圧力室43内の容積が変更させられる。圧力室43内の容積が変更させられることによって、圧力室43内の液体の圧力が変化し、圧力室43内の液体の圧力がノズル44におけるメニスカス耐圧を超えると、ノズル44から液体が吐出される。
制御部90による圧力発生素子45の制御をより具体的に説明すると、制御部90は、圧力発生素子45に対して、圧力室43の容積を拡大させた状態にする拡大信号(図5参照)と、圧力室43の容積を縮小させた状態にする縮小信号(図5参照)とを供給可能に構成されている。制御部90は、圧力発生素子45に拡大信号を供給すること、または、圧力発生素子45に縮小信号の供給を停止することによって、圧力室43の容積を拡大させる。また、制御部90は、圧力発生素子45に縮小信号を供給すること、または、圧力発生素子45に拡大信号の供給を停止することによって、圧力室43の容積を縮小させる。
図3は、ヘッド部40の概略構成を示す第2の説明図である。ヘッド部40は、3つのノズル44A、44B、44Cと、それぞれのノズル44A、44B、44Cに連通する3つの圧力室43A、43B、43Cと、それぞれの圧力室43A、43B、43Cに接続されている3つの流入路42A、42B、42Cとを有している。それぞれの圧力室43A、43B、43Cには、圧力発生素子45と振動板46とが設けられている。第1流路抵抗変更部51は、それぞれの流入路42A、42B、42Cの流路抵抗を一括して変更する。尚、本実施形態での、ノズル44の数は3つであるが、ノズル44の数は複数であればいくつでもよい。また、ヘッド部40は、共通供給液室41内に、2つ以上の第1流路抵抗変更部51を備えていてもよい。例えば、ヘッド部40が、2つの第1流路抵抗変更部51と、4つの圧力室43と、4つの流入路42とを有する場合、一の第1流路抵抗変更部51は、2つの圧力室43に接続された2つの流入路42の流路抵抗を一括して変更し、他の第1流路抵抗変更部51は、残り2つの圧力室43に接続された2つの流入路42の流路抵抗を一括して変更する。
図4は、制御部90によって行われる吐出制御と非吐出制御との内容を示す工程図である。本明細書において、「吐出制御」とは、制御部90が、液体の吐出を行う吐出ノズルに対応する圧力発生素子45である「吐出圧力発生素子」を制御することによって行われる制御を指す。「非吐出制御」とは、制御部90が、液体の吐出を行わない非吐出ノズルに対応する圧力発生素子45である「非吐出圧力発生素子」を制御することによって行われる制御を指す。また、本明細書において、「吐出ノズル」とは、液体の吐出を行うノズル44を指し、「非吐出ノズル」とは、液体の吐出を行わないノズル44を指す。制御部90は、印刷パターンに応じて、1サイクルごとに、それぞれのノズル44を吐出ノズルとするか、非吐出ノズルとするかを制御する。「1サイクル」とは、待機工程から供給工程までの工程を指す。
本実施形態の吐出制御と非吐出制御は、待機工程と、押出工程と、尾切り工程と、供給工程とを有している。図4では、各工程について、吐出制御と非吐出制御とにおける、それぞれの圧力室43の状態について示している。
待機工程では、制御部90により、第1流路抵抗変更部51が制御されることにより、流入路42の流路抵抗は、流路抵抗の大きい第1状態とされる。吐出制御では、圧力室43は、初期状態とされている。非吐出制御では、圧力室43は、初期状態とされている。本明細書では、待機工程における圧力室43の状態を「初期状態」と呼ぶ。初期状態よりも容積が拡大された圧力室43の状態を「拡大状態」と呼ぶ。初期状態よりも容積が縮小された圧力室43の状態を「縮小状態」と呼ぶ。
押出工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第1状態とされる。吐出制御では、制御部90は、吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43の容積を縮小させて、圧力室43を縮小状態とする。これによって、吐出ノズルから液体が吐出され、液柱が形成される。非吐出制御では、制御部90は、非吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43の容積を拡大させて、圧力室43を拡大状態とする。これによって、圧力室43が拡大された容積とほぼ同じ容積の空気が非吐出ノズルから吸入され、圧力室43内に大きなメニスカスが形成される。尚、吐出圧力発生素子を制御して圧力室43の容積を縮小させるタイミングと、非吐出圧力発生素子を制御して圧力室43の容積を拡大させるタイミングとは、同時であってもよいし、吐出圧力発生素子側が先でもよいし、非吐出圧力発生素子側が先でもよい。非吐出ノズルに対応する圧力室43の容積の拡大を、吐出ノズルに対応する圧力室43の容積を縮小させた後である、後述する尾切り工程にて行ってもよい。また、第1流路抵抗変更部51は、上述した待機工程を除いては、流入路42を完全に閉塞させなくてもよく、流入路42の流路抵抗は、吐出ノズルからの液体の吐出に必要な流路抵抗であればよい。
尾切り工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第1状態とされる。吐出制御では、制御部90は、吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43の容積を拡大させ、圧力室43を初期状態に戻す。これによって、押出工程にて形成された液柱の後端が吐出ノズルに引き込まれて、液柱が千切れる。非吐出制御では、制御部90は、非吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43を拡大状態のまま維持している。このため、圧力室43内に大きなメニスカスが形成された状態が維持されている。
供給工程では、流入路42の流路抵抗が、制御部90により、第1状態よりも流路抵抗の小さい第2状態に切替えられる。吐出制御では、吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43を初期状態のまま維持している。また、流入路42の流路抵抗が第2状態に切替えられるため、加圧部20の発生させる圧力によって、流入路42から圧力室43内に液体が供給される。非吐出制御では、制御部90は、非吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43内の容積を縮小させ、圧力室43を初期状態に戻す。これによって、圧力室43の容積変化量に相当する圧力室43内の液体は、流入路42に流れる。この際、非吐出ノズルに対応する圧力室43内の圧力が、ノズル44におけるメニスカス耐圧を超えないように制御する。加圧部20による圧力と、流入路42の流路抵抗と、ノズル44の流路抵抗とのバランスを考慮し、非吐出圧力発生素子が圧力室43を縮小させる速度を制御することによって、圧力室43が縮小した体積分の液体は、流入路42へ流れ、非吐出ノズルから漏洩しない。尚、非吐出圧力発生素子を制御して圧力室43内の容積を縮小させるタイミングは、流入路42の流路抵抗が小さいタイミングであれば、どのタイミングでもよい。
その後、吐出ノズルに対して、適切な量の液体が供給されたタイミングで、再び待機工程に戻り、吐出制御と非吐出制御とが繰り返される。尚、本実施形態では、吐出制御における、押出工程は、請求項における「押出制御」に相当し、非吐出制御における、押出工程と供給工程とは、請求項における「吸排制御」に相当する。「吸排制御」の「吸」とは、ノズル44が空気を吸うことを意味し、「排」とは、流入路42に液体を排出すること、もしくは、ノズル44から空気を排出することを意味する。
図5は、吐出制御と非吐出制御とにおける、圧力発生素子45の動作を示すタイムチャートである。横軸は、1サイクルにおける時間を表している。縦軸は、第1流路抵抗変更部51の状態と、吐出圧力発生素子の状態と、非吐出圧力発生素子の状態とを表している。図6は、吐出ノズルと非吐出ノズルとにおける、メニスカスの挙動を示す説明図である。横軸は、1サイクルにおける時間を表している。横軸におけるタイミングを表す符号は、図5と対応している。縦軸は、待機工程におけるノズル44内の液面の位置を中立位置(図6にてゼロで示す位置)として、中立位置よりも外側と、内側(圧力室43側)の、どちらの位置に液面が形成されているかを表している。尚、中立位置よりも内側の位置に液面が形成されている状態とは、ノズル44内に液面が形成されている状態と、圧力室43内に液面が形成されている状態とを含む。
図4から図6を用いて、吐出圧力発生素子の動作と、吐出ノズルにおけるメニスカスの挙動とについて説明する。まず、図5を参照すると、タイミングt10からタイミングt11までの期間は、図4における待機工程に相当する。タイミングt11からタイミングt12までの期間は、図4における押出工程に相当し、制御部90から縮小信号が供給されることにより、吐出圧力発生素子は、圧力室43を縮小状態にする。タイミングt12は、図4における尾切り工程に相当し、制御部90から縮小信号の供給が停止されることにより、吐出圧力発生素子は、圧力室43を縮小状態から初期状態に戻す。次に、図6を参照すると、待機工程に相当するタイミングt10からタイミングt11までの期間では、吐出ノズルの液面は、吐出ノズルの先端に形成される。押出工程に相当するタイミングt11からタイミングt12までの期間では、吐出ノズルから液体の吐出が行われるため、液面は吐出ノズルの外側に形成される。尾切り工程に相当するタイミングt12では、吐出ノズルから空気が吸入され、液面は、吐出ノズルの内側(圧力室43側)に形成される。その後、供給工程の開始タイミングに相当するタイミングt13では、吐出ノズルに液体の供給が開始されているため、液面の位置は、初期状態である吐出ノズルの先端に徐々に近付いていく。尚、液面がノズル44内まで到達すると(タイミングt14)、ノズル44の流路抵抗に起因して、液面の位置の移動速度が緩やかになる。
図4から図6を用いて、非吐出圧力発生素子の動作と、非吐出ノズルにおけるメニスカスの挙動とについて説明する。まず、図5を参照すると、タイミングt10からタイミングt11までの期間は、図4における待機工程に相当する。タイミングt11からタイミングt12までの期間は、図4における押出工程に相当し、制御部90から拡大信号が供給されることにより、非吐出圧力発生素子は、圧力室43を拡大状態にする。タイミングt13は、図4における供給工程の開始タイミングに相当し、制御部90から拡大信号の供給が停止されることにより、非吐出圧力発生素子は、圧力室43を拡大状態から初期状態に戻す。次に、図6を参照すると、待機工程に相当するタイミングt10からタイミングt11までの期間では、非吐出ノズルの液面は、非吐出ノズルの先端に形成される。押出工程に相当するタイミングt11からタイミングt12までの期間では、非吐出ノズルには空気が吸入されるため、液面は非吐出ノズルの内側(圧力室43側)に形成される。供給工程の開始タイミングに相当するタイミングt13では、圧力室43が拡大状態から初期状態に戻され、非吐出ノズルにおけるメニスカスが小さくなるため、液面は非吐出ノズルの先端方向に急速に近付く。その後、非吐出ノズルに液体が供給され、液面の位置は、初期状態である非吐出ノズルの先端に徐々に近付いていく。
以上で説明した本実施形態の液体吐出装置5によれば、流入路42の流路抵抗が大きい第1状態において、制御部90が、吐出ノズルに対応する圧力室43の容積を縮小させることにより、吐出ノズルから液体が吐出される。一方、制御部90が、非吐出ノズルに対応する圧力室43の容積を拡大させることにより、非吐出ノズルから空気が吸入されて圧力室43内にメニスカスが形成される。また、流入路42の流路抵抗が小さい第2状態において、吐出ノズルに対応する圧力室43には、流入路42から液体が供給される。一方、制御部90が、非吐出ノズルに対応する圧力室43の容積を縮小させることにより、圧力室43内の液体が流入路42に流れる。このため、第1流路抵抗変更部51が複数の流入路42の流路抵抗を一括して小さくすることにより、吐出ノズルに対応する圧力室43と、非吐出ノズルに対応する圧力室43との両方に、加圧された液体が供給されたとしても、非吐出ノズルからの液体の漏洩を抑制できる。
また、本実施形態では、第1流路抵抗変更部51を共通化できるため、第1流路抵抗変更部51をそれぞれの流入路42に個別に設けた場合と比べて、ヘッド部40を小型化できる。
また、本実施形態では、液体を加圧して圧力室43に供給するため、高粘度の液体を高周波で吐出できる。
また、本実施形態では、制御部90は、吐出ノズルに対応する圧力室43の容積の縮小と、非吐出ノズルに対応する圧力室43の容積の拡大とを、別々のタイミングで行うことができるため、それぞれの圧力室43の容積を変更させるタイミングを厳密に制御しなくても、非吐出ノズルからの液体の漏洩を抑制できる。
また、本実施形態では、制御部90が、圧力発生素子45に対する拡大信号の供給と、縮小信号の供給とを制御して圧力発生素子45を伸縮させることによって、圧力室43の容積を変更することができる。
B.第2実施形態
図7は、第2実施形態における吐出制御と非吐出制御との内容を示す工程図である。第2実施形態における液体吐出装置5の構成は、第1実施形態(図1から図3)と同じである。第2実施形態では、吐出制御と非吐出制御との内容が第1実施形態(図4)と異なる。具体的には、第1実施形態の吐出制御と非吐出制御とは、待機工程と、押出工程と、尾切り工程と、供給工程とを有しているのに対して、本実施形態の吐出制御と非吐出制御とは、待機工程と、押出工程との間に、吸入工程と、追加供給工程とを有している。本実施形態では、制御部90は、吐出制御と非吐出制御とを行う間に、吸入工程と追加供給工程との間に1回、尾切り工程と供給工程との間に1回、計2回の第1状態から第2状態への切替えを行う。1回目の第1状態を「先の第1状態」と、1回目の第2状態を「先の第2状態」と呼び、2回目の第1状態を「後の第1状態」と、2回目の第2状態を「後の第2状態」と呼ぶ。
待機工程についは、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
吸入工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第1状態とされる(先の第1状態)。吐出制御では、制御部90は、吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43の容積を拡大させ、圧力室43を初期状態から拡大状態とする。これによって、圧力室43が拡大した容積とほぼ同じ容積の空気が吐出ノズルから吸入され、圧力室43内に大きなメニスカスが形成される。非吐出制御では、制御部90は、非吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43の容積を拡大させ、圧力室43を初期状態から拡大状態とする。これによって、圧力室43が拡大した容積とほぼ同じ容積の空気が非吐出ノズルから吸入され、圧力室43内に大きなメニスカスが形成される。
追加供給工程では、流入路42の流路抵抗が、制御部90により、第1状態よりも流路抵抗の小さい第2状態に切替えられる(先の第2状態)。吐出制御では、制御部90は、吐出圧力発生素子を制御することにより、圧力室43を拡大状態のまま維持する。また、流入路42の流路抵抗が第2状態に切替えられるため、加圧部20の発生させる圧力によって、流入路42から圧力室43内にさらに液体が供給される。非吐出制御では、制御部90は、圧力発生素子45を制御することにより圧力室43内の容積を縮小させ、圧力室43を拡大状態から縮小状態とする。この際、第1実施形態で述べたのと同様に、非吐出ノズルから液体が漏洩しないような速度で縮小させる。その後、吐出ノズルに対応する圧力室43に適切な量の液体が供給されたタイミングで、流入路42の流路抵抗は、再び、流路抵抗の大きい第1状態に切替えられる。適切な量とは、液体がノズル44の先端まで充填された状態でもよいし、ノズル44内にメニスカスが形成されている状態でもよい。尚、必要に応じてノズル44の先端まで液体を充填しないことによって、ノズル44から吐出される液滴の量を制御することができる。
押出工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、再び、流路抵抗の大きい第1状態に切替えられる(後の第1状態)。吐出制御では、制御部90は、吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43の容積を縮小させ、圧力室43を拡大状態から縮小状態とする。これによって、吐出ノズルから液体が吐出され、液柱が形成される。この際、吐出ノズルに対応する圧力室43は、拡大状態から縮小状態まで変化させられるため、第1実施形態に比べて、圧力室43内の容積変化を大きくすることができる。非吐出制御では、制御部90は、非吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43を縮小状態のまま維持する。
尾切り工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第1状態のまま維持される(後の第1状態)。吐出制御では、制御部90は、吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43の容積を拡大させ、圧力室43を縮小状態から拡大状態とする。これによって、押出工程にて形成された液柱の後端が吐出ノズルに引き込まれて、液柱が千切れる。非吐出制御では、制御部90は、非吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43の容積を拡大させ、圧力室43を縮小状態から拡大状態とする。これによって、非吐出ノズルから空気が吸入される。尚、非吐出ノズルに対応する圧力室43の容積の拡大は、押出工程と尾切り工程との、どちらの工程で行ってもよい。
供給工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、再び、流路抵抗の小さい第2状態に切替えられる(後の第2状態)。吐出制御では、制御部90は、吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43内の容積を縮小させ、圧力室43を拡大状態から初期状態に戻す。これによって、圧力室43の容積変化量に相当する圧力室43内の液体は、流入路42に流れる。この際、吐出ノズルに対応する圧力室43内の圧力が、ノズル44におけるメニスカス耐圧を超えないように制御する。非吐出制御では、吐出制御と同様に、制御部90は、非吐出圧力発生素子を制御することにより圧力室43内の容積を縮小させ、圧力室43を拡大状態から初期状態に戻す。これによって、圧力室43の容積変化量に相当する圧力室43内の液体は、流入路42に流れる。この際、非吐出ノズルに対応する圧力室43内の圧力が、ノズル44におけるメニスカス耐圧を超えないように制御する。尚、本実施形態では、吐出制御における、押出工程は、請求項における「押出制御」に相当し、非吐出制御における、吸入工程と追加供給工程および尾切り工程と供給工程とは、請求項における「吸排制御」に相当する。
図8は、本実施形態における吐出制御と非吐出制御とにおける、圧力発生素子45の動作を示すタイムチャートである。図9は、本実施形態における吐出ノズルと非吐出ノズルとにおける、メニスカスの挙動を示す説明図である。
図7から図9を用いて、吐出圧力発生素子の動作と、吐出ノズルにおけるメニスカスの挙動とについて説明する。まず、図8を参照すると、タイミングt20からタイミングt21までの期間は、図7における待機工程に相当する。タイミングt21は、図7における吸入工程の開始タイミングに相当し、制御部90から拡大信号が供給されることにより、吐出圧力発生素子は、圧力室43を初期状態から拡大状態にする。タイミングt23からタイミングt24までの期間は、図7における押出工程に相当し、制御部90から拡大信号の供給が停止されるとともに、縮小信号が供給されることにより、吐出圧力発生素子は、圧力室43を拡大状態から縮小状態にする。タイミングt24は、図7における尾切り工程に相当し、制御部90から縮小信号の供給が停止されるとともに、拡大信号が供給されることにより、吐出圧力発生素子は、圧力室43を縮小状態から拡大状態にする。タイミングt25は、図7における供給工程の開始タイミングに相当し、制御部90から拡大信号の供給が停止されることにより、吐出圧力発生素子は、圧力室43を拡大状態から初期状態に戻す。次に、図9を参照すると、待機工程に相当するタイミングt20からタイミングt21までの期間では、吐出ノズルの液面は、吐出ノズルの先端に形成される。吸入工程の開始タイミングに相当するタイミングt21にて吐出ノズルには空気が吸入されるため、液面は吐出ノズルの内側(圧力室43側)に形成される。追加供給工程の開始タイミングに相当するタイミングt22では、圧力室43内に液体がさらに供給されるため、液面の位置は、吐出ノズルの先端に徐々に近付いている。押出工程に相当するタイミングt23からタイミングt24までの期間では、吐出ノズルから液体の吐出が行われるため、液面は吐出ノズルの外側に形成される。尾切り工程に相当するタイミングt24では、吐出ノズルから空気が吸入され、液面は、吐出ノズルの内側(圧力室43側)に形成される。供給工程の開始タイミングに相当するタイミングt25では、圧力室43は、拡大状態から初期状態に戻され、圧力室43内におけるメニスカスは小さくなるため、液面は非吐出ノズルの先端方向に急速に近付く。その後、吐出ノズルに液体が供給されているため、液面の位置は、吐出ノズルの先端に徐々に近付いていく。
図7から図9を用いて、非吐出圧力発生素子の動作と、非吐出ノズルにおけるメニスカスの挙動とについて説明する。まず、図8を参照すると、タイミングt20からタイミングt21までの期間は、図7における待機工程に相当する。タイミングt21は、図7における吸入工程の開始タイミングに相当し、制御部90から拡大信号が供給されることにより、非吐出圧力発生素子は、圧力室43を初期状態から拡大状態にする。タイミングt22は、図7における追加供給工程の開始タイミングに相当し、制御部90から拡大信号の供給が停止されるとともに、縮小信号が供給されることにより、非吐出圧力発生素子は、圧力室43を拡大状態から縮小状態にする。タイミングt24は、図7における尾切り工程に相当し、制御部90から縮小信号の供給が停止されるとともに、拡大信号が供給されることにより、非吐出圧力発生素子は、圧力室43を縮小状態から拡大状態にする。タイミングt25は、図7における供給工程の開始タイミングに相当し、制御部90から拡大信号の供給が停止されることにより、非吐出圧力発生素子は、圧力室43を拡大状態から初期状態に戻す。次に、図9を参照すると、待機工程に相当するタイミングt20からタイミングt21までの期間では、非吐出ノズルの液面は、非吐出ノズルの先端に形成される。吸入工程の開始タイミングに相当するタイミングt21では、非吐出ノズルには空気が吸入されるため、液面は非吐出ノズルの内側(圧力室43側)に形成される。追加供給工程の開始タイミングに相当するタイミングt22では、圧力室43は、拡大状態から縮小状態にされ、圧力室43内におけるメニスカスは小さくなるため、液面は非吐出ノズルの先端方向に急速に近付く。その後、非吐出ノズルに液体が供給されるため、液面の位置は、非吐出ノズルの先端に徐々に近付いていく。尾切り工程に相当するタイミングt24にて非吐出ノズルでは、再び、空気が吸入されるため、液面は非吐出ノズルの内側(圧力室43側)に形成される。供給工程の開始タイミングに相当するタイミングt25では、非吐出圧力発生素子は、拡大状態から初期状態に戻され、圧力室43内におけるメニスカスは小さくなるため、液面は非吐出ノズルの先端方向に急速に近付く。その後、再び、非吐出ノズルに液体が供給されるため、液面の位置は、初期状態である非吐出ノズルの先端に徐々に近付いていく。
以上で説明した本実施形態の液体吐出装置5では、吐出ノズルから液体を吐出する際に、圧力発生素子45の縮む変位量と伸びる変位量との合計の変位量を、圧力室43の容積を変更させるために活用できる。これによって、圧力発生素子45は、圧力室43内の容積を拡大させた状態から縮小させた状態に移行させることができるため、圧力室43内の容積を初期状態から縮小させた状態に移行させるよりも、圧力室43内の容積変化を大きくすることができる。このため、ノズル44から吐出される液体の量を多くすることができる。また、圧力室43の容積変化を大きくすることにより、圧力室43内の圧力変化を大きくすることができ、高粘度の液体の吐出安定性を向上させることができる。
C.第3実施形態
図10は、第3実施形態におけるヘッド部40bの概略構成を示す第3の説明図である。図11は、第3実施形態における吐出制御と非吐出制御との内容を示す工程図である。第3実施形態では、ヘッド部40bが、流出路47と、共通排出液室48と、第2流路抵抗変更部61とを備えていることが第1実施形態(図2)と異なる。また、第3実施形態では、吐出制御と非吐出制御との内容が第1実施形態(図4)と異なる。
流出路47は、それぞれの圧力室43に接続され、圧力室43から液体を流出させる。流出路47は、共通排出液室48に接続されており、共通排出液室48は、排出路70に接続されている。排出路70には循環装置80が設けられている。循環装置80は、ポンプ等によって構成されている。流出路47を流れる液体は、共通排出液室48から排出路70を流れ、循環装置80によって、タンク10に循環される。尚、循環装置80が設けられずに、液体を液体吐出装置5外へ排出させる構成であってもよい。
第2流路抵抗変更部61は、共通排出液室48内に配置され、それぞれの流出路47の流路抵抗を一括して変更する。制御部90は、圧力室43から複数の流出路47へ液体を排出するタイミングに応じて、第2流路抵抗変更部61を制御して流出路47の流路抵抗を大きくした第3状態と、第2流路抵抗変更部61を制御して流出路47の流路抵抗を第3状態よりも小さくした第4状態とを切替える制御を繰り返す。第2流路抵抗変更部61は、第2ロッド62と、第2ベース部63と、第2アクチュエーター64によって構成されており、これらの構成は、第1流路抵抗変更部51と同様である。第2流路抵抗変更部61は、制御部90が、第2アクチュエーター64を制御することによって駆動される。
尚、本実施形態では、第1流路抵抗変更部51は、後述する押出工程において、流入路42を完全に閉塞させなくてもよく、その際の流入路42の流路抵抗は、吐出ノズルから液体が吐出可能な流路抵抗であればよい。また、第2流路抵抗変更部61は、後述する押出工程において、流出路47を完全に閉塞させなくてもよく、その際の流出路47の流路抵抗は、吐出ノズルから液体が吐出可能な流路抵抗であればよい。
図11を用いて、本実施形態の吐出制御と非吐出制御との内容を説明する。本実施形態の吐出制御と非吐出制御は、待機工程と、押出工程と、尾切り工程と、供給工程とを有し、これらの工程における吐出圧力発生素子の動作と、非吐出圧力発生素子の動作については、第1実施形態と同様である。
待機工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の小さい第2状態とされる。流出路47の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の小さい第4状態とされる。このため、吐出ノズルに対応する圧力室43と、非吐出ノズルに対応する圧力室43とには、流入路42から液体が供給され、流出路47から液体が排出される。待機工程における吐出制御の内容と非吐出制御の内容は、第1実施形態と同様である。
押出工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第1状態に切替えられる。流出路47の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第3状態に切替えられる。押出工程における吐出制御の内容と非吐出制御の内容と、これらによる作用は、第1実施形態と同様である。
尾切り工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第1状態とされる。流出路47の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第3状態とされる。尾切り工程における吐出制御の内容と非吐出制御の内容と、これらによる作用は、第1実施形態と同様である。
供給工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の小さい第2状態に切替えられる。流出路47の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第3状態とされる。供給工程における吐出制御の内容と非吐出制御の内容と、これらによる作用は、第1実施形態と同様である。
その後、吐出ノズルに対して、適切な量の液体が供給されたタイミングで、再び待機工程に戻り、吐出制御と非吐出制御とが繰り返される。尚、本実施形態では、非吐出圧力発生素子を制御して圧力室43の容積を拡大させるタイミングと、吐出圧力発生素子を制御して圧力室43の容積を縮小させるタイミングとは、同時でなくてもよい。非吐出圧力発生素子を制御して圧力室43内の容積を拡大させるタイミングは、流入路42の流路抵抗と、流出路47の流路抵抗が大きいタイミングであればよい。非吐出圧力発生素子を制御して圧力室43の容積を縮小させるタイミングは、供給工程でなく、次のサイクルの待機工程であってもよい。この場合、流入路42と流出路47の両方に圧力室43内の液体を流すことができる。尚、本実施形態では、吐出制御における、押出工程は、請求項における「押出制御」に相当し、非吐出制御における、押出工程と供給工程とは、請求項における「吸排制御」に相当する。
図12は、本実施形態における吐出制御と非吐出制御とにおける、圧力発生素子45の動作を示すタイムチャートである。図13は、本実施形態における吐出ノズルと非吐出ノズルとにおける、メニスカスの挙動を示す説明図である。
図11から図13を用いて、吐出圧力発生素子の動作と、吐出ノズルにおけるメニスカスの挙動とについて説明する。まず、図12を参照すると、タイミングt30からタイミングt31までの期間は、図11における待機工程に相当する。タイミングt31からタイミングt32までの期間は、図11における押出工程に相当し、制御部90から縮小信号が供給されることにより、吐出圧力発生素子は、圧力室43を初期状態から縮小状態にする。タイミングt32は、図11における尾切り工程に相当し、制御部90から縮小信号の供給が停止されることにより、吐出圧力発生素子は、圧力室43を縮小状態から初期状態に戻す。次に、図13を参照すると、待機工程に相当するタイミングt30からタイミングt31までの期間では、吐出ノズルの液面は、吐出ノズルの先端に形成される。押出工程に相当するタイミングt31からタイミングt32までの期間では、吐出ノズルから液体の吐出が行われるため、液面は吐出ノズルの外側に形成される。尾切り工程に相当するタイミングt32では、尾切りが行われるため、吐出ノズルから空気が吸入され、液面は、吐出ノズルの内側(圧力室43側)に形成される。その後、供給工程の開始タイミングに相当するタイミングt33では、吐出ノズルに液体が供給されるため、液面の位置は、吐出ノズルの先端に徐々に近付いていく。
図11から図13を用いて、非吐出圧力発生素子の動作と、非吐出ノズルにおけるメニスカスの挙動とについて説明する。まず、図12を参照すると、タイミングt30からタイミングt31までの期間は、図11における待機工程に相当する。タイミングt31からタイミングt33までの期間は、図11における押出工程と尾切り工程とに相当し、制御部90から拡大信号が供給されることにより、非吐出圧力発生素子は、圧力室43を初期状態から拡大状態にする。タイミングt33は、図11における供給工程の開始タイミングに相当し、制御部90から拡大信号の供給が停止されることにより、非吐出圧力発生素子は、圧力室43を拡大状態から初期状態に戻す。次に、図13を参照すると、待機工程に相当するタイミングt30からタイミングt31までの期間では、非吐出ノズルの液面は、非吐出ノズルの先端に形成される。押出工程と尾切り工程とに相当するタイミングt31からタイミングt33までの期間では、非吐出ノズルには空気が吸入されるため、液面は非吐出ノズルの内側(圧力室43側)に形成される。供給工程の開始タイミングに相当するタイミングt33において、非吐出圧力発生素子は、拡大状態から初期状態に戻され、非吐出ノズルにおけるメニスカスは小さくなるため、液面は非吐出ノズルの先端方向に急速に近付く。その後、非吐出ノズルに液体が供給されるため、液面の位置は、非吐出ノズルの先端に徐々に近付いていく。
以上で説明した本実施形態の液体吐出装置5では、吐出に用いられなかった圧力室43内の液体は、流出路47を流れて圧力室43外へと排出される。このため、液体が圧力室43内に沈降せず、ノズル44からの液体の吐出不良を抑制できる。
また、本実施形態では、ノズル44から液体を吐出する際に、制御部90が第2流路抵抗変更部61を制御することにより、流出路47の流路抵抗を大きくする。このため、圧力室43内の圧力が流出路47を介して逃げることを抑制でき、ノズル44からの液体の吐出不良を抑制できる。
D.第4実施形態
図14は、第4実施形態における吐出制御と非吐出制御との内容を示す工程図である。第4実施形態における液体吐出装置5の構成は、第3実施形態(図10)と同じである。第4実施形態では、吐出制御と非吐出制御との内容が第3実施形態(図11)と異なる。具体的には、第3実施形態の吐出制御と非吐出制御とは、待機工程と、押出工程と、尾切り工程と、供給工程とを有しているのに対して、本実施形態の吐出制御と非吐出制御とは、待機工程と、押出工程との間に、排出工程を有している。第3実施形態では、制御部90は、非吐出制御において、非吐出圧力発生素子を制御して、圧力室43の容積を拡大してから、圧力室43の容積を縮小する。これに対して、本実施形態では、制御部90は、非吐出制御において、非吐出圧力発生素子を制御して、圧力室43の容積を縮小してから、圧力室43の容積を拡大する。
図14を用いて、本実施形態の吐出制御と非吐出制御との内容を説明する。
待機工程についは、第3実施形態と同様であるため、説明を省略する。
排出工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の小さい第2状態とされる。流出路47の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の小さい第4状態とされる。吐出制御では、制御部90は、吐出圧力発生素子を制御して圧力室43を初期状態のまま維持する。これによって、圧力室43は、待機工程と同じ状態が維持される。非吐出制御では、制御部90は、非吐出圧力発生素子を制御して圧力室43内の容積を縮小させて、圧力室43を初期状態から縮小状態とする。これによって、圧力室43の容積変化量に相当する圧力室43内の液体は、流入路42と流出路47とに流れる。この際、非吐出ノズルに対応する圧力室43内の圧力が、ノズル44におけるメニスカス耐圧を超えないように制御する。
押出工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第1状態に切替えられる。流出路47の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第3状態に切替えられる。押出工程における吐出制御の内容と、これによる作用は、第3実施形態と同様である。非吐出制御では、制御部90は、非吐出圧力発生素子を制御して圧力室43を縮小状態のまま維持する。
尾切り工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第1状態とされる。流出路47の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第3状態とされる。尾切り工程における吐出制御の内容と、これによる作用は、第3実施形態と同様である。非吐出制御では、制御部90は、非吐出圧力発生素子を制御して圧力室43の容積を拡大させ、圧力室43縮小状態から初期状態に戻す。これによって、圧力室43が拡大された容積とほぼ同じ容積の空気が非吐出ノズルから吸入され、圧力室43内に大きなメニスカスが形成される。
供給工程では、流入路42の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の小さい第2状態に切替えられる。流出路47の流路抵抗は、制御部90により、流路抵抗の大きい第3状態とされる。供給工程における吐出制御の内容と、これによる作用は、第3実施形態と同様である。非吐出制御では、制御部90は、非吐出圧力発生素子を制御して圧力室43を初期状態のまま維持する。このため、圧力室43内には、流入路42から液体が供給される。尚、本実施形態では、吐出制御における、押出工程は、請求項における「押出制御」に相当し、非吐出制御における、排出工程と尾切り工程とは、請求項における「吸排制御」に相当する。
その後、吐出ノズルと、非吐出ノズルとに対して、適切な量の液体が供給されたタイミングで、再び待機工程に戻り、吐出制御と非吐出制御とが繰り返される。
図15は、本実施形態における吐出制御と非吐出制御とにおける、圧力発生素子45の動作を示すタイムチャートである。図16は、本実施形態における吐出ノズルと非吐出ノズルとにおける、メニスカスの挙動を示す説明図である。
図14から図16を用いて、吐出圧力発生素子の動作と、吐出ノズルにおけるメニスカスの挙動とについて説明する。まず、図15を参照すると、タイミングt40からタイミングt42までの期間は、図14における待機工程と排出工程とに相当する。タイミングt42からタイミングt43までの期間は、図14における押出工程に相当し、制御部90から縮小信号が供給されることにより、吐出圧力発生素子は、圧力室43を初期状態から縮小状態にする。タイミングt43は、図14における尾切り工程に相当し、制御部90から縮小信号の供給が停止されることにより、吐出圧力発生素子は、圧力室43を縮小状態から初期状態に戻す。次に、図16を参照すると、待機工程と排出工程とに相当するタイミングt40からタイミングt42までの期間では、吐出ノズルの液面は、吐出ノズルの先端に形成される。押出工程に相当するタイミングt42からタイミングt43までの期間では、吐出ノズルから液体の吐出が行われるため、液面は吐出ノズルの外側に形成される。尾切り工程に相当するタイミングt43では、尾切りが行われるため、吐出ノズルから空気が吸入され、液面は、吐出ノズルの内側(圧力室43側)に形成される。その後、供給工程が開始され、吐出ノズルに液体が供給されるため、液面の位置は、吐出ノズルの先端に徐々に近付いていく。
図14から図16を用いて、非吐出圧力発生素子の動作と、非吐出ノズルにおけるメニスカスの挙動とについて説明する。まず、図15を参照すると、タイミングt40からタイミングt41までの期間は、図14における待機工程に相当する。タイミングt41は、図14における排出工程の開始タイミングに相当し、制御部90から縮小信号が供給されることにより、非吐出圧力発生素子は、圧力室43を初期状態から縮小状態にする。タイミングt43は、図14における尾切り工程に相当し、制御部90から縮小信号の供給が停止されることにより、非吐出圧力発生素子は、圧力室43を縮小状態から初期状態に戻す。次に、図16を参照すると、待機工程に相当するタイミングt40からタイミングt41までの期間では、非吐出ノズルの液面は、非吐出ノズルの先端に形成される。排出工程の開始タイミングに相当するタイミングt41では、非吐出ノズルに対応する圧力室43は縮小されるが、圧力室43内の液体は、流入路42と流出路47に流れるため、非吐出ノズルの液面は変化しない。尾切り工程に相当するタイミングt42では、非吐出ノズルに対応する圧力室43が縮小状態から初期状態に戻されることにより、非吐出ノズルから空気が吸入され、液面は、非吐出ノズルの内側(圧力室43側)に形成される。その後、供給工程が開始され、非吐出ノズルに液体が供給されるため、液面の位置は、非吐出ノズルの先端に徐々に近付いていく。
以上で説明した本実施形態の液体吐出装置5では、制御部90は、吐出制御と非吐出制御との両方において、圧力室43を初期状態と縮小状態とにするのみで、圧力室43を拡大状態としない。このため、圧力発生素子45の駆動方向が一方向のみとされるため、クリアランスを確保しやすく、ヘッド部40bの小型化を図ることができる。
E.他の実施形態
(E−1)第1実施形態では、制御部90は、非吐出制御における押出工程にて、非吐出圧力発生素子を制御して、圧力室43の容積を拡大し、圧力室43を拡大状態としている。これに対して、図17に示すように、非吐出制御における尾切り工程にて、非吐出圧力発生素子を制御して、圧力室43の容積を拡大し、圧力室43を拡大状態としてもよい。
(E−2)第3実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、流出路47を有するヘッド部40bによって、第2実施形態の吐出制御および非吐出制御を行ってもよい。この場合待機工程では、流出路47は流路抵抗の小さい第4状態とし、待機工程を除いた工程では、流出路47は流路抵抗の大きい第3状態とする。
(E−3)上述した各実施形態における第1流路抵抗変更部51は、第1ロッド52が流入路42を閉塞させる形態である。これに対して、第1流路抵抗変更部51は、貫通孔を有するプレートによって構成され、プレートが共通供給液室41の内壁面上を摺動するように駆動されることによって、貫通孔と共通供給液室41内の流入路42の開口とが重なる面積が変更され、流入路42の流路抵抗が変更される形態であってもよい。また、上述した第1流路抵抗変更部51は、共通供給液室41内ではなく、流入路42の途中に設けられていてもよく、この場合、流入路42の断面積を変更させる形態であってもよい。
(E−4)上述した各実施形態における第2流路抵抗変更部61は、第1流路抵抗変更部51と同じ形態である。これに対して、第2流路抵抗変更部61は、第1流路抵抗変更部51とは異なる形態であってもよい。この場合、第2流路抵抗変更部61は、上述したように、貫通孔を有するプレートによって構成された形態等の各種形態を用いてもよい。
(E−5)上述した各実施形態における圧力発生素子45は、圧電素子として説明したが、圧力発生素子45は、圧電素子に限られず、圧力室43に圧力変化を生じさせてノズル44から液体を吐出できる形態であればよい。例えば、気泡の拡大と縮小とに応じて梃子を駆動させ、梃子の駆動によって振動板46を押したり引いたりすることで、圧力室43の容積を変化させ、圧力室43内に圧力の変化を生じさせる形態であってもよい。また、圧電素子の代わりに磁歪素子を用いる形態でもよく、静電気力を用いることによって振動板46を変位させる形態であってもよい。
(E−6)上述した各実施形態におけるヘッド部40では、すべての圧力室43に圧力発生素子45が設けられている。これに対して、ヘッド部40は、複数の圧力室43のうちの一部に、圧力発生素子45が設けられていない圧力室43を有していてもよい。
(E−7)本発明は、インクを吐出する液体吐出装置に限らず、インク以外の他の液体を吐出する任意の液体吐出装置にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体吐出装置に本発明は適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置。
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出装置。
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材吐出装置。
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を吐出する液体吐出装置。
(5)精密ピペットとしての試料吐出装置。
(6)潤滑油の吐出装置。
(7)樹脂液の吐出装置。
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置。
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置。
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を吐出する液体吐出装置。
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置。
なお、「液滴」とは、液体吐出装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体吐出装置が消費できるような材料であればよい。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。液体の代表的な例としてはインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
5…液体吐出装置、10…タンク、20…加圧部、30…供給路、40,40b…ヘッド部、41…共通供給液室、42,42A,42B,42C…流入路、43,43A,43B,43C…圧力室、44,44A,44B,44C…ノズル、45…圧力発生素子、46…振動板、47…流出路、48…共通排出液室、51…第1流路抵抗変更部、52…第1ロッド、53…第1ベース部、54…第1アクチュエーター、61…第2流路抵抗変更部、62…第2ロッド、63…第2ベース部、64…第2アクチュエーター、70…排出路、80…循環装置、90…制御部。

Claims (6)

  1. 液体吐出装置であって、
    液体を吐出するための複数のノズルと、
    それぞれの前記ノズルに連通する複数の圧力室と、
    前記複数の圧力室に設けられ、前記圧力室の容積を変更するための複数の圧力発生素子と、
    それぞれの前記圧力室に接続され、前記圧力室に前記液体を流入させる複数の流入路と、
    それぞれの前記流入路の流路抵抗を一括して変更するための第1流路抵抗変更部と、
    前記流入路に前記液体を加圧して供給する加圧部と、
    前記第1流路抵抗変更部とそれぞれの前記圧力発生素子とを制御するための制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記第1流路抵抗変更部を制御して複数の前記流入路の前記流路抵抗を一括して大きくした第1状態と、前記第1流路抵抗変更部を制御して複数の前記流入路の前記流路抵抗を前記第1状態よりも一括して小さくした第2状態と、を切替える制御を繰り返し、
    前記制御部は、
    複数の前記ノズルのうち前記液体の吐出を行う吐出ノズルに対応する前記圧力発生素子である吐出圧力発生素子に対しては、前記第1状態において、前記吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を縮小させる押出制御を含む、吐出制御を行い、
    複数の前記ノズルのうち前記液体の吐出を行わない非吐出ノズルに対応する前記圧力発生素子である非吐出圧力発生素子に対しては、前記第1状態において、前記非吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を拡大させ、前記第2状態において、前記非吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を縮小させる吸排制御を含む、非吐出制御を行う、
    液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、前記非吐出制御において、前記非吐出ノズルに対応する前記圧力室の容積の拡大を、前記吐出制御において前記吐出ノズルに対応する前記圧力室の容積を縮小させた後に行う、
    液体吐出装置。
  3. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、前記吐出制御および前記非吐出制御を行う際に、前記第1状態から前記第2状態への切替えを2回行い、
    前記制御部は、
    前記吐出制御において、先の前記第1状態において、前記押出制御に先立って、前記吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を拡大させ、後の前記第1状態において、前記押出制御を行い、
    前記非吐出制御において、先の前記第1状態から先の前記第2状態にかけて、前記吸排制御を行い、後の前記第1状態から後の前記第2状態にかけて、再び、前記吸排制御を行う、
    液体吐出装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    それぞれの前記圧力室に接続され、前記圧力室から前記液体を流出させる複数の流出路と、
    それぞれの前記流出路の流路抵抗を一括して変更するための第2流路抵抗変更部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記第2流路抵抗変更部を制御して複数の前記流出路の前記流路抵抗を一括して大きくした第3状態と、前記第2流路抵抗変更部を制御して複数の前記流出路の前記流路抵抗を前記第3状態よりも一括して小さくした第4状態と、を切替える制御を繰り返す、
    液体吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、
    前記吐出制御において、前記第1状態かつ前記第3状態のタイミングにて、前記吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を縮小させ、
    前記非吐出制御において、前記第1状態かつ前記第3状態のタイミングにて、前記非吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を拡大させ、前記第2状態または前記第4状態のタイミングにて、前記非吐出圧力発生素子を制御して前記圧力室の容積を縮小させる、
    液体吐出装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、前記圧力発生素子に対して、
    前記圧力室の容積を拡大させた状態にする拡大信号と、
    前記圧力室の容積を縮小させた状態にする縮小信号と、
    を供給可能であり、
    前記制御部は、
    前記圧力発生素子に前記拡大信号を供給すること、または、前記圧力発生素子に前記縮小信号の供給を停止することによって、前記圧力室の容積を拡大させ、
    前記圧力発生素子に前記縮小信号を供給すること、または、前記圧力発生素子に前記拡大信号の供給を停止することによって、前記圧力室の容積を縮小させる、
    液体吐出装置。
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