JP7086589B2 - ヒドロキシ酸、塩基性アミノ酸、及びアミノ酸系界面活性剤を含む、ケラチン物質を処置するための組成物 - Google Patents

ヒドロキシ酸、塩基性アミノ酸、及びアミノ酸系界面活性剤を含む、ケラチン物質を処置するための組成物 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも1種のヒドロキシ酸、少なくとも1種の塩基性アミノ酸、及び少なくとも1種の特定のアミノ酸系界面活性剤を含む組成物に関し、具体的には、皮膚用の化粧用組成物及びそれを使用する美容方法に関する。
ヒドロキシ酸、例えばアルファ-ヒドロキシ酸(AHA)等は、化粧品分野及び皮膚科学分野において、角質除去剤(exfoliant)/ピーリング剤として一般的に使用されている。AHAが、角質層においてプロテアーゼを活性化させて、コルネオデスモソームの分解を促進する一方で、真皮層においては、AHAはコラーゲンの形成を促進し得ることが周知である。その後、これが皮膚の落屑をもたらし、これによって皮膚の状態が改善される。更に、AHAはまた、最も可能性が高いことには、皮脂産生に関連する酵素活性化及びタンパク質機能を標的化することによって、顔面の毛穴及び黒色面皰を減少させることも報告されている。
エステティックサロンにおいて使用される場合、AHAは、比較的高い濃度、例えば10%から30%の範囲で使用され得る。一方で、OTC医薬品中のAHAは、規制のため、より低い濃度に制限されている。
しかしながら、洗浄剤等の皮膚ピーリング製品の短い適用時間の間でも、ヒドロキシ酸による皮膚に対する十分な効果を有することは、依然として課題である。また、特に、より低い濃度でヒドロキシ酸が含まれるOTC医薬品において、ヒドロキシ酸の効果を改善するニーズも存在する。
本発明の目的は、ヒドロキシ酸の皮膚浸透を増加させることである。ヒドロキシ酸の皮膚浸透における増加は、ヒドロキシ酸の促進された効果、例えば皮膚の落屑等をもたらすことができる。
上記目的は、
(a)少なくとも1種のヒドロキシ酸と、
(b)少なくとも1種の塩基性アミノ酸と、
(c)N-アシルアスパラギン酸及びその誘導体からなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ酸系界面活性剤と、
(d)水と
を含む組成物であって、
組成物中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上である、組成物
によって実現することができる。
(a)ヒドロキシ酸は、α-ヒドロキシ酸から選択され、好ましくは、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸、グルコン酸、及びそれらの混合物からなる群から、より好ましくは、グリコール酸、乳酸、及びそれらの混合物からなる群から、更により好ましくは、グリコール酸から選択されてもよい。
本発明による組成物中の(a)ヒドロキシ酸の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から30質量%、好ましくは1質量%から10質量%、より好ましくは2質量%から5質量%であってもよい。
(b)塩基性アミノ酸は、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びそれらの混合物から、好ましくはアルギニンから選択されてもよい。
本発明による組成物中の(b)塩基性アミノ酸の量は、組成物の総質量に対して、0.1から30質量%、好ましくは1から10質量%、より好ましくは2から5質量%であってもよい。
(c)アミノ酸系界面活性剤は、N-アシルアスパラギン酸、N-アシルアスパラギン酸のモノ塩、N-アシルアスパラギン酸のジ塩、及びそれらの混合物からなる群から、好ましくは、N-アシルアスパラギン酸、N-アシルアスパラギン酸のモノナトリウム塩、N-アシルアスパラギン酸のジナトリウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
本発明による組成物中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、3から30質量%、好ましくは4から20質量%、より好ましくは5から10質量%であってもよい。
本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50から99質量%、好ましくは60から97質量%、より好ましくは70から95質量%であってもよい。
本発明による組成物のpHは、5未満、好ましくは3以上且つ5未満、より好ましくは4以上且つ5未満であってもよい。
(a)ヒドロキシ酸、(b)塩基性アミノ酸、及び(c)アミノ酸系界面活性剤は、イオン結合を介して複合体を形成してもよい。
本発明による組成物は、化粧用組成物、好ましくは皮膚化粧用組成物、より好ましくは皮膚洗浄用組成物であってもよい。
本発明による組成物は、ケラチン物質、好ましくは皮膚の処置を意図し、好ましくは皮膚の角質除去及び皮膚の状態の改善を意図し、より好ましくは皮膚の平滑化、皮膚のトーンの改良及び美白、並びにシミ、毛穴、及び黒色面皰の低減を意図してもよい。
本発明はまた、ケラチン物質、好ましくは皮膚を処置するための美容方法であって、本発明による組成物を、ケラチン物質に対して適用する工程と、任意選択で、前記組成物をすすぎ落とす工程とを含む、美容方法にも関する。
本発明はまた、
(b)少なくとも1種の塩基性アミノ酸と、
(c)N-アシルアスパラギン酸及びその誘導体からなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ酸系界面活性剤と、
(d)水と
を含む、(a)少なくとも1種のヒドロキシ酸用の皮膚浸透促進剤であって、
皮膚浸透促進剤中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量が、皮膚浸透促進剤の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上である、皮膚浸透促進剤
にも関する。
本発明はまた、(a)少なくとも1種のヒドロキシ酸を含む組成物における、
(b)少なくとも1種の塩基性アミノ酸と、
(c)N-アシルアスパラギン酸及びその誘導体からなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ酸系界面活性剤と、
(d)水と
の組み合わせの、
(a)ヒドロキシ酸の皮膚浸透を促進するための使用であって、
組成物中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上である、使用
にも関する。
鋭意検討の結果、本発明者らは、少なくとも1種の塩基性アミノ酸と、特定の量の、N-アシルアスパラギン酸及びその誘導体からなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ酸系界面活性剤と、水との組み合わせを使用することによって、ヒドロキシ酸の皮膚浸透を増加させることが可能であることを発見した。
したがって、本発明による組成物は、
(a)少なくとも1種のヒドロキシ酸と、
(b)少なくとも1種の塩基性アミノ酸と、
(c)N-アシルアスパラギン酸及びその誘導体からなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ酸系界面活性剤と、
(d)水と
を含み、
組成物中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。
本発明は、ヒドロキシ酸の皮膚浸透を増加させることができる。
ヒドロキシ酸の皮膚浸透における増加は、ヒドロキシ酸の促進された効果、例えば皮膚の落屑等をもたらすことができる。したがって、本発明は、ヒドロキシ酸を含む、洗浄剤等の皮膚ピーリング製品の短い適用時間の間でも、ヒドロキシ酸による皮膚に対する十分な効果を提供することができる。また、より低い濃度でヒドロキシ酸が含まれるOTC医薬品でも、ヒドロキシ酸による十分な効果を提供することができる。
以下、本発明による組成物について、詳細に説明する。
[組成物]
(ヒドロキシ酸)
本発明による組成物は、少なくとも1種の(a)ヒドロキシ酸を含む。2種以上の(a)ヒドロキシ酸が使用される場合、それらは同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
ヒドロキシ酸は、少なくとも1個のヒドロキシル官能基を含む、少なくとも1種のモノ又はポリカルボン酸を含んでもよい。ヒドロキシ酸は、α-及びβ-ヒドロキシ酸から選ぶことができる。例えば、少なくとも1種のヒドロキシ酸は、α-ヒドロキシ酸であってもよい。α位及びβ位とは、ヒドロキシル官能基のうちの少なくとも1個が、酸のカルボキシル官能基のうちの少なくとも1個に対するα位又はβ位を占めていること、すなわち、それぞれ、カルボキシル官能基を有する炭素に対して結合しているか、又はカルボキシル官能基を有する炭素に隣接する炭素に対して結合しているかという事実を反映している。酸は、例えば組成物に対して与えられる最終pHに応じて、遊離酸、その関連する塩(例えば、有機塩基及びアルカリ金属との塩)、及び任意選択で、対応するラクチド(すなわち、複数の分子の自己エステル化によって得られる形態)から選ばれる形態で存在してもよい。
(AHA)
本発明による組成物は、ヒドロキシ酸として、少なくとも1種のα-ヒドロキシ酸(AHA)を含んでもよい。2種以上のα-ヒドロキシ酸が使用される場合、それらは同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
「α-ヒドロキシ酸」又は「AHA」という用語は、ここでは、隣接する(アルファ)炭素原子上に少なくとも1個のヒドロキシル基を有するカルボン酸を意味する。
α-ヒドロキシ酸は、以下の化学式
(Ra)(Rb)C(OH)COOH
[式中、Ra及びRbは、H、F、Cl、Br、I、アルキル、アラルキル、又はアリール基(飽和又は不飽和であり、異性体又は非異性体であり、直鎖若しくは分岐鎖、又は環状形態であり、1から25個の炭素原子を有する)であり、加えて、Ra及びRbは、OH、CHO、COOH、及び1から9個の炭素原子を有するアルコキシル基を有してもよい]
によって表すことができる。
炭素原子に結合している水素原子は、F、Cl、Br、I、又は1から9個の炭素原子を有する低級アルキル、アラルキル、アリール、若しくはアルコキシル基によって置換されていてもよい。アルファヒドロキシ酸は、遊離酸若しくはラクトン形態として存在してもよく、又は有機塩基若しくは無機アルカリとの部分塩の形態で存在してもよい。アルファヒドロキシ酸は、例えばD体、L体、DL体、及びメソ体等の立体異性体として存在してもよい。
Ra及びRbがアルキルである場合、それらは、独立して、C1~C5、C6~C10、C11~C15、C16~C20、C21~C25、及びC26~C29の基のうちのいずれかであり得る。したがって、上記化学式内の化合物は、Ra及びRbの可能な組み合わせのすべてを含む。C1~C12から独立して選択されるRa及びRbを有する化合物の亜属が、前述のうちに含まれる。
Ra及びRbに関して、典型的なアルキル、アラルキル、アリール、及びアルコキシル基としては、メチル、エチル、プロピル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、ラウリル、ステアリル、ベンジル、フェニル、メトキシル、及びエトキシルが挙げられる。
第1の群のアルファヒドロキシ酸は、
(1)アルキルアルファヒドロキシ酸、
(2)アラルキル及びアリールアルファヒドロキシ酸、
(3)ポリヒドロキシアルファヒドロキシ酸、
(4)ポリカルボキシアルファヒドロキシ酸、及び
(5)種々のアルファヒドロキシ酸。
に細分することができる。
以下が、それぞれの下位群における、代表的なアルファヒドロキシ酸である。
(1)アルキルアルファヒドロキシ酸:2-ヒドロキシエタン酸(グリコール酸)、2-ヒドロキシプロパン酸(乳酸)、2-メチル2-ヒドロキシプロパン酸(メチル乳酸)、2-ヒドロキシブタン酸、2-ヒドロキシペンタン酸、2-ヒドロキシヘキサン酸、2-ヒドロキシヘプタン酸、2-ヒドロキシオクタン酸、2-ヒドロキシノナン酸、2-ヒドロキシデカン酸、2-ヒドロキシウンデカン酸、2-ヒドロキシドデカン酸、2-ヒドロキシテトラデカン酸、2-ヒドロキシヘキサデカン酸、2-ヒドロキシオクタデカン酸、2-ヒドロキシエイコサン酸(アルファヒドロキシアラキドン酸)、2-ヒドロキシテトラエイコサン酸(セレブロン酸)、2-ヒドロキシエイコセン酸(アルファヒドロキシネルボン酸)、及び2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブタン酸(パントイン酸)。
(2)アラルキル及びアリールアルファヒドロキシ酸:2-フェニル2-ヒドロキシエタン酸(マンデル酸)、2,2-ジフェニル2-ヒドロキシエタン酸(ベンジル酸)、3-フェニル2-ヒドロキシプロパン酸(フェニル乳酸)、2-フェニル2-メチル2-ヒドロキシエタン酸(アトロ乳酸)、及び4-ヒドロキシマンデル酸。
(3)ポリヒドロキシアルファヒドロキシ酸:2,3-ジヒドロキシプロパン酸(グリセリン酸)、2,3,4-トリヒドロキシブタン酸(異性体、エリスロン酸、トレオン酸)、2,3,4,5-テトラヒドロキシペンタン酸(異性体、リボン酸、アラビノン酸、キシロン酸、リキソン酸)、2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキサン酸(異性体、アロン酸、アルトロン酸、グルコン酸、マンノン酸、グロン酸、イドン酸、ガラクトン酸、タロン酸)、2,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロキシへプタン酸(異性体、グルコヘプトン酸、ガラクトヘプトン酸、マンノヘプトン酸等)。
(4)ポリカルボキシアルファヒドロキシ酸:2-ヒドロキシプロパン-1,3-二酸(タルトロン酸)、2-ヒドロキシブタン-1,4-二酸(リンゴ酸)、2-ヒドロキシ-2-メチルブタン-1,4-二酸(シトラマル酸)、2,3-ジヒドロキシブタン-1,4-二酸(酒石酸)、2,3,4-トリヒドロキシペンタン-1,5-二酸(異性体、リバル酸、アラバル酸、キシラル酸、リキサル酸)、2,3,4,5-テトラヒドロキシヘキサン-1,6-二酸(異性体、グルカル酸、ガラクタル酸、マンナル酸、アラル酸、アルトラル酸、グラル酸、イダル酸、タラル酸)、2-ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカルボン酸(クエン酸)、1-ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカルボン酸(イソクエン酸)、1-ヒドロキシ-1,2,4-ブタントリカルボン酸(ホモイソクエン酸)、2-ヒドロキシ-3-ヘキサデシル-1,2,3-プロパントリカルボン酸(n-ヘキサデシルクエン酸、アガリン酸)。
(5)種々のアルファヒドロキシ酸:グリセルロン酸(glyceruronic acid)、エリトルロン酸(erythruronic acid)、トレウロン酸(threuronic acid)、2,3,4-トリヒドロキシペンタヌロン酸(異性体、リブロン酸(riburonic acid)、アラビヌロン酸(arabinuronic acid)、キシルロン酸(xyluronic acid)、リキスロン酸(lyxuronic acid))、2,3,4,5-テトラヒドロキシヘキサヌロン酸(異性体、アルロン酸(alluronic acid)、アルトルロン酸(altruronic acid)、グルクロン酸、マンヌロン酸、グルロン酸、イズロン酸、ガラクツロン酸、タルロン酸(taluronic acid))、2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘプタヌロン酸(異性体、アロヘプタヌロン酸、アルトロヘプタヌロン酸、グルコヘプタヌロン酸、マンノヘプタヌロン酸、グロヘプタヌロン酸、イドヘプタヌロン酸、ガラクトヘプタヌロン酸、タロヘプタヌロン酸)。
α-ヒドロキシ酸は、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸、グルコン酸、及びそれらの混合物からなる群から、好ましくは、グリコール酸、乳酸、及びそれらの混合物からなる群から、より好ましくは、グリコール酸から選択されてもよい。
(BHA)
本発明による組成物は、ヒドロキシ酸として、少なくとも1種のβ-ヒドロキシ酸(BHA)を含んでもよい。2種以上のβ-ヒドロキシ酸が使用される場合、それらは同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
「β-ヒドロキシ酸」又は「BHA」という用語は、ここでは、ベータ炭素原子上に少なくとも1個のヒドロキシル基を有するカルボン酸を意味する。
β-ヒドロキシ酸としては、限定されるものではないが、サリチル酸及びその誘導体、特に下式(I)
Figure 0007086589000001
[式中、
R1は、ヒドロキシル基又は以下の式:
-O-CO-R4
(式中、R4は、1から26個の炭素原子、好ましくは1から18個の炭素原子を含有する、飽和若しくは不飽和の脂肪族基であるか、又は1から18個の炭素原子、好ましくは1から12個の炭素原子を含有するアルキル基によって任意選択で置換されている、アミン官能基又はチオール官能基である)、
のエステルを表し、
R2及びR3は、互いに独立して、ベンゼン環上の3位、4位、5位、又は6位にあり、互いに独立して、水素原子又は以下の基:
-(O)n-(CO)m-R5
(式中、n及びmは、互いに独立して、それぞれ0又は1に等しい整数である)
を表すが、ただし、R2及びR3は、同時に水素原子ではないことを条件とし、
R5は、水素原子、1から18個の炭素原子を含有する直鎖状、分岐状、若しくは環状飽和脂肪族基、又は1から9個の共役二重結合若しくは非共役二重結合を有する、3から18個の炭素原子を含有する不飽和基を表し、これらの基は、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素)、トリフルオロメチル基、遊離形態若しくは1から6個の炭素原子を含有する酸でエステル化されているヒドロキシル、又は遊離形態若しくは1から6個の炭素原子を含有する低級アルコールでエステル化されているカルボキシルから選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい]
のそのアルキル化誘導体又はそのような誘導体の塩を挙げることができる。
式(I)のサリチル酸誘導体は、好ましくは、R1がヒドロキシル基を表し、R2が水素原子を表し、R3がベンゼン環の5位にあり、-CO-R5基を表し、ここで、R5は、3から15個の炭素原子を含有する飽和脂肪族基を表すようなものである。
本発明の好ましい実施形態によれば、式(I)のサリチル酸誘導体は、5-n-オクタノイルサリチル酸、5-n-デカノイルサリチル酸、5-n-ドデカノイルサリチル酸、5-n-オクチルサリチル酸、5-n-ヘプチルオキシサリチル酸、4-n-ヘプチルオキシサリチル酸、5-tert-オクチルサリチル酸、3-tert-ブチル-5-メチルサリチル酸、3-tert-ブチル-6-メチルサリチル酸、3,5-ジイソプロピルサリチル酸、5-ブトキシサリチル酸、5-オクチルオキシサリチル酸、5-プロパノイルサリチル酸、5-n-ヘキサデカノイルサリチル酸、5-n-オレオイルサリチル酸、5-ベンゾイルサリチル酸、それらの一価及び二価の塩、並びにそれらの混合物から選ばれる。これは、より具体的には、5-n-オクタノイルサリチル酸(INCI:カプリロイルサリチル酸)である。
本発明による組成物中の(a)ヒドロキシ酸の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更により好ましくは1.5質量%以上、なおも更により好ましくは2質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の(a)ヒドロキシ酸の量は、組成物の総質量に対して、30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更により好ましくは7質量%以下、なおも更により好ましくは5質量%以下であってもよい。
本発明による組成物中の(a)ヒドロキシ酸の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から30質量%、好ましくは0.5質量%から20質量%、より好ましくは1質量%から10質量%、更により好ましくは1.5質量%から7質量%、なおも更により好ましくは2質量%から5質量%の範囲であってもよい。
(塩基性アミノ酸)
本発明による組成物は、少なくとも1種の(b)塩基性アミノ酸を含む。2種以上の(b)塩基性アミノ酸を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一種の塩基性アミノ酸、又は異なる種類の塩基性アミノ酸の組み合わせを使用することができる。
「アミノ酸」という用語は、ここでは、同一の又は異なるアミノ酸の重縮合によって得られない化合物を意味する。加えて、「アミノ酸」という用語は、ここでは、アミノ酸自体のみならず、その塩の形態のアミノ酸も包括する。塩としては、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及び同類のものを挙げることができる。
本発明に従って使用することができるアミノ酸は、少なくとも1個のアミン官能基及び少なくとも1個の酸性官能基を含む。
酸性官能基は、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、又はリン酸であってもよく、好ましくはカルボン酸である。
本発明に従って使用することができるアミノ酸は、α-アミノ酸、β-アミノ酸、又はγ-アミノ酸であってもよい。好ましくは、本発明において使用されるアミノ酸は、α-アミノ酸であり、すなわち、それらは、同一の炭素原子にアミン官能基及び酸性官能基を含む。
本発明において使用される(b)塩基性アミノ酸は、2個以上のアミノ基等のアミン官能基及び1個のカルボキシル基等の酸性官能基、好ましくは2個のアミノ基等のアミン官能基及び1個のカルボキシル基等の酸性官能基を有してもよい。
本発明において使用することができる(b)塩基性アミノ酸としては、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びそれらの混合物を挙げることができる。これらの中でも、アルギニンが好ましい。
本発明による組成物中の(b)塩基性アミノ酸の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の(b)塩基性アミノ酸の量は、組成物の総質量に対して、30質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってもよい。
具体的には、本発明による組成物中の(b)塩基性アミノ酸の量は、組成物の総質量に対して、0.1から30質量%、好ましくは1から10質量%、より好ましくは2から5質量%であってもよい。
(アミノ酸系界面活性剤)
本発明による組成物は、少なくとも1種の特定のアミノ酸系界面活性剤を含む。2種以上の特定のアミノ酸系界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一種の特定のアミノ酸系界面活性剤、又は異なる種類の特定のアミノ酸系界面活性剤の組み合わせを使用することができる。
本発明において使用される特定のアミノ酸系界面活性剤は、(c)N-アシルアスパラギン酸及びその誘導体からなる群から選択されるアミノ酸系界面活性剤である。
N-アシルアスパラギン酸及びその誘導体のN-アシル部分を形成するアシル基は、C1~C30アシル基、好ましくはC6~C28アシル基、より好ましくはC12~C24アシル基であってもよい。アシル基は、長鎖アシル基であることが好ましく、例えばC8~C30アシル基、好ましくはC10~C28アシル基、より好ましくはC12~C24アシル基である。
アシル基としては、直鎖又は分岐アルキル-C(=O)-基、直鎖又は分岐アルケニル-C(=O)-基、及び直鎖又は分岐アルキニル-C(=O)-基、並びにアリール-C(=O)-及び直鎖又は分岐アラルキル-C(=O)-基を挙げることができる。アシル基は、クロロ及びブロモ等のハロゲン、ヒドロキシル、並びにアルコキシ基からなる群から選択することができる、少なくとも1個の置換基を有してもよい。
アシル基の例としては、限定されるものではないが、2-エチルヘキサノイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、及びココイルが挙げられる。
N-アシルアスパラギン酸の誘導体は、N-アシルアスパラギン酸の塩、例えばN-アシルアスパラギン酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばN-アシルアスパラギン酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩等から選択することができる。
(c)アミノ酸系界面活性剤は、N-アシルアスパラギン酸、N-アシルアスパラギン酸のモノ塩、N-アシルアスパラギン酸のジ塩、及びそれらの混合物からなる群から、好ましくは、N-アシルアスパラギン酸、N-アシルアスパラギン酸のモノナトリウム塩、N-アシルアスパラギン酸のジナトリウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
(c)アミノ酸系界面活性剤の例としては、限定されるものではないが、N-ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、Asahi kasei社によってAminofoamer(登録商標)FLDS-Lの名称で販売されている、N-ラウロイルアスパラギン酸二ナトリウム、及びMitsubishi社によってAsparack(登録商標)の名称で販売されている、N-ラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミンとN-ミリストイルアスパラギン酸トリエタノールアミンとの混合物が挙げられる。
本発明による組成物中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。
本発明による組成物中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下であってもよい。
したがって、本発明による組成物中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、3から30質量%、好ましくは4から20質量%、より好ましくは5から10質量%であってもよい。
(水)
本発明による組成物は、(d)水を含む。
本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、99質量%以下、好ましくは97質量%以下、より好ましくは95質量%以下であってもよい。
具体的には、本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50から99質量%、好ましくは60から97質量%、より好ましくは70から95質量%であってもよい。
(pH)
本発明による組成物のpHは、5未満であることが好ましく、好ましくは3以上且つ5未満、より好ましくは4以上且つ5未満である。
本発明による組成物のpHは、化粧品において一般的に使用される酸性化剤又は塩基性化剤を使用することで、所望される値へと調整することができる。
酸性化剤の中でも、例としては、塩酸、オルト-リン酸、及び硫酸等の鉱酸を挙げることができる。
塩基性化剤の中でも、例としては、水酸化アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ、ジ、及びトリエタノールアミン、またそれらの誘導体、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、並びに下式
Figure 0007086589000002
[式中、Wは、ヒドロキシル又はC1~C4アルキル基によって任意選択で置換されているプロピレン等のアルキレンを示し、Ra、Rb、Rc、及びRdは、独立して、水素原子、アルキル基、又はC1~C4ヒドロキシアルキル基を示す]
の化合物を挙げることができ、この塩基性化剤は、1,3-プロパンジアミン及びその誘導体によって例示することができる。
酸性化剤又は塩基性化剤は、組成物の総質量に対して、0.001から15質量%、好ましくは0.01から10質量%、より好ましくは0.1から5質量%の範囲の量で使用することができる。
一実施形態において、本発明による組成物のpHは、(b)塩基性アミノ酸の量によって調整することができる。したがって、本発明による組成物中の(b)塩基性アミノ酸の量は、組成物のpHが、5未満、好ましくは3以上且つ5未満、より好ましくは4以上且つ5未満である、所望される範囲に調整されるように制御されてもよい。別の実施形態において、本発明による組成物中の(b)塩基性アミノ酸の量は、組成物のpHが、4.5以上且つ5未満に調整されるように制御されてもよい。
(混合比及び複合体)
一実施形態によれば、(b)塩基性アミノ酸の(a)ヒドロキシ酸に対するモル比は、5:1から1:10、好ましくは3:1から1:5、より好ましくは1:1から1:3であってもよい。
別の実施形態によれば、(c)アミノ酸系界面活性剤の(a)ヒドロキシ酸に対するモル比は、1:1から1:10、好ましくは1:1から1:7、より好ましくは1:1から1:4であってもよい。
別の実施形態によれば、(c)アミノ酸系界面活性剤の(b)塩基性アミノ酸に対するモル比は、1:1から1:10、好ましくは1:1から1:5、より好ましくは1:1から1:2であってもよい。
(a)ヒドロキシ酸、(b)塩基性アミノ酸、及び(c)アミノ酸系界面活性剤は、イオン結合を介して複合体を形成してもよい。
一実施形態において、(c)アミノ酸系界面活性剤は、(b)塩基性アミノ酸とイオン結合を介して相互作用してもよく、(b)塩基性アミノ酸は、(a)ヒドロキシ酸とイオン結合を介して相互作用してもよい。(b)塩基性アミノ酸がアルギニンである場合、例えば、(c)アミノ酸系界面活性剤のカルボキシル基が、アルギニンとイオン結合を介して相互作用してもよく、一方で、アルギニンのグアニジン部分が、(a)ヒドロキシ酸とイオン結合を介して相互作用してもよい。理論によって束縛されることを意図するものではないが、複合体は、その適当な分子量及び疎水性に起因して、皮膚上での組成物の保持率を増加させ、それによってヒドロキシ酸の浸透を改善するものと推測される。
(他の成分)
本発明による組成物はまた、少なくとも1種の任意選択の又は追加的な成分を含んでもよい。
任意選択の又は追加的な成分の量は、限定されないが、本発明による組成物の総質量に対して、0.01から30質量%、好ましくは0.1から20質量%、より好ましくは1から10質量%であってもよい。
任意選択の又は追加的な成分は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、又は両性のポリマー;アニオン性、カチオン性、非イオン性、又は両性の界面活性剤;UV遮蔽剤;ペプチド及びそれらの誘導体;タンパク質加水分解物;膨潤剤及び浸透剤;脱毛に有効な薬剤;ふけ防止剤;天然又は合成の油用又は水用増粘剤;懸濁剤;金属イオン封鎖剤;日焼け止め剤;ビタミン又はプロビタミン;香料;保存剤、安定剤;並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物の水性相は、水に加えて、1種又は複数の化粧料として許容される有機溶媒を含んでもよく、この有機溶媒は、アルコール、具体的には一価アルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、及びフェニルエチルアルコール;ジオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、及びブチレングリコール;他のポリオール、例えばグリセロール、糖、及び糖アルコール;並びにエーテル、例えばエチレングリコールモノメチル、モノエチル、及びモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル、及びモノブチルエーテル、並びにブチレングリコールモノメチル、モノエチル、及びモノブチルエーテルであってもよい。
このとき、有機溶媒は、組成物の総質量に対して、0.01から30質量%、好ましくは0.1から20質量%、より好ましくは1から15質量%の濃度で存在していてもよい。
(調製)
本発明による組成物は、上記の必須成分及び任意選択の成分を従来の様式で混合することによって、調製することができる。
例えば、本発明による組成物は、
(a)少なくとも1種のヒドロキシ酸と、
(b)少なくとも1種の塩基性アミノ酸と、
(c)N-アシルアスパラギン酸及びその誘導体からなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ酸系界面活性剤と、
(d)水と
を混合する工程を含む方法であって、
組成物中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上である、方法によって調製することができる。
任意選択の成分のうちの任意のものを、組成物中へ更に混合することが可能である。
[方法及び使用]
本発明による組成物は、好ましくは、化粧用組成物として使用することができる。化粧用組成物は、皮膚化粧用組成物、例えば皮膚洗浄用組成物等であってもよい。ここでの皮膚は、顔の皮膚、首の皮膚、及び頭皮を包括する。本発明による組成物は、唇及び同類のもの等の粘膜に対して使用することもできる。
特に、本発明による組成物は、ケラチン物質、例えば皮膚又は唇等、好ましくは皮膚上への塗布を意図してもよい。したがって、本発明による組成物は、皮膚又は唇、好ましくは皮膚のための美容方法に使用することができる。
本発明による、皮膚等のケラチン物質のための美容方法又は美容的使用は、少なくとも(i)本発明による組成物を、ケラチン物質上に適用する工程と、任意選択で、(ii)前記組成物をすすぎ落とす工程とを含む。
本発明による美容方法又は美容的使用は、ヒドロキシ酸の有効な浸透をもたらし、それによって、本発明による組成物における、少なくとも成分(b)から(d)、特に成分(b)及び(c)の結合に起因して、ヒドロキシ酸の効果を促進することができる。
α-ヒドロキシ酸が、角質層においてプロテアーゼを活性化させて、コルネオデスモソームの分解を促進する一方で、真皮層においては、α-ヒドロキシ酸はコラーゲンの形成を促進することができ、その後、これが皮膚の落屑をもたらすことが公知である。加えて、α-ヒドロキシ酸はまた、最も可能性が高いことには、皮脂産生に関連する酵素活性化及びタンパク質機能を標的化することによって、顔面の毛穴及び黒色面皰を減少させることも報告されている。
β-ヒドロキシ酸が、角質層において細胞のピーリング及び脱落を促進する角質溶解活性を加えることは公知である。β-ヒドロキシ酸はまた、毛穴を塞ぐ皮脂を軟化させることによって、皮膚の詰まりを取り除く。この理由から、β-ヒドロキシ酸は、落屑の改善にとって有効であり、ニキビ及び脂性肌タイプに対しても特に有効である。
したがって、上記組成物は、皮膚の角質除去、並びに皮膚の外観及び触った感触の両方に関して、例えば皮膚の平滑化、皮膚のトーンの改良及び美白、シミ、毛穴、及び黒色面皰の低減といった、皮膚の状態の改善という美容的効果を有し得る。
本発明は、角質層又は角層の皮膚からのピーリングオフにとって特に有用である。
本発明は、皮膚を通じたヒドロキシ酸の浸透を増加させることができる。
したがって、本発明はまた、
(b)少なくとも1種の塩基性アミノ酸と、
(c)N-アシルアスパラギン酸及びその誘導体からなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ酸系界面活性剤と、
(d)水と
を含む、(a)少なくとも1種のヒドロキシ酸用の皮膚浸透促進剤であって、
皮膚浸透促進剤中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量が、皮膚浸透促進剤の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上である、皮膚浸透促進剤
にも関する。
異なる観点からは、本発明はまた、(a)少なくとも1種のヒドロキシ酸を含む組成物における、
(b)少なくとも1種の塩基性アミノ酸と、
(c)N-アシルアスパラギン酸及びその誘導体からなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ酸系界面活性剤と、
(d)水と
の組み合わせの、
(a)ヒドロキシ酸の皮膚浸透を促進するための使用であって、
組成物中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して、3質量%以上、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上である、使用
にも関する。
本発明による組成物のための、(a)ヒドロキシ酸、(b)塩基性アミノ酸、(c)N-アシルアスパラギン酸及びその誘導体からなる群から選択されるアミノ酸系界面活性剤、及び(d)水に関する上記記載、並びに本発明による組成物の他の技術的特色は、本発明による皮膚浸透促進剤又は使用に対しても当てはめることができる。
実施例によって、本発明について、より詳細に説明していく。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。下の実施例は、本発明の技術分野における非限定的な例証として提示されるものである。
(実施例1及び比較例1~4)
表1に示される実施例1及び比較例1~4の以下の組成物を、表1に示される成分を混合することによって調製した。表1に示される成分の量に関する数値は、すべて、活性原料としての「質量%」に基づく。
Figure 0007086589000003
[評価]
(グリコール酸の浸透)
実施例1及び比較例1~4の組成物のそれぞれにおいて、活性成分(グリコール酸)の浸透を、疑似皮膚、すなわちStrat-M(登録商標)メンブレン(Merck Millipore社)を使用することによって、以下の通りに評価した。
浸透試験の実験を、Franz拡散セル(Hanson社)において実施した。Strat-Mメンブレンの有効拡散面積は1.77cm2であった。この機器は、ドナー部及びレセプター部で構成され、Strat-Mメンブレンは、ドナー部とレセプター部との間にある。レセプター部は、5.5mlのレセプター液(0.25質量% Tween 80 PBS溶液)で満たし、これを小型の磁器撹拌子で継続的に撹拌した。それぞれの組成物を2.5ml、ドナー部に注入した。レセプター部から、200μlのレセプター液を、組成物のドナー部への注入から1時間後、2時間後、及び5時間後のタイミングで取り出す一方で、同じ浸透条件を維持するために、同量の新しいレセプター液をレセプター部に提供した。取り出したレセプター液をHPLCによって分析して、レセプター液中のグリコール酸の量を判定した(1時間後、2時間後、及び5時間後に抽出)。
結果を表1に示す。
表1は、アルギニンと、組成物の総質量に対して5質量%の量のラウロイルアスパラギン酸ナトリウムとを含む実施例1の組成物が、ヒトの皮膚に相当するStrat-M(登録商標)メンブレンを通して、グリコール酸を浸透させ得ることを示している。
比較例1は、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウムの量が比較例1の組成物の総質量に対して3質量%未満である場合、組成物がアルギニンを含んでいた場合でも、グリコール酸がヒトの皮膚に相当するStrat-M(登録商標)メンブレンに浸透できないことを実証している。
比較例2は、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウムが、アルギニンと組み合わせて、使用されない場合、グリコール酸がヒトの皮膚に相当するStrat-M(登録商標)メンブレンに浸透できないことを実証している。
比較例3は、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウムの代わりに、他のアミノ酸型の界面活性剤の混合物が使用される場合でも、グリコール酸がヒトの皮膚に相当するStrat-M(登録商標)メンブレンに浸透できないことを実証している。
比較例4は、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウムの代わりに、別のアミノ酸型の界面活性剤が使用される場合でも、グリコール酸がヒトの皮膚に相当するStrat-M(登録商標)メンブレンに浸透できないことを実証している。

Claims (14)

  1. (a)少なくとも1種のヒドロキシ酸
    (b)アルギニン、
    (c)N-アシルアスパラギン酸及びそのからなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ酸系界面活性剤、及び
    (d)水
    を含む組成物であって、
    組成物中の前記(c)アミノ酸系界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して、3質量%以上である、組成物。
  2. (a)ヒドロキシ酸が、α-ヒドロキシ酸から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 組成物中の前記(a)ヒドロキシ酸の量が、組成物の総質量に対して、0.1質量%から30質量%である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 組成物中の(b)アルギニンの量が、組成物の総質量に対して、0.1から30質量%である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. (c)アミノ酸系界面活性剤がN-アシルアスパラギン酸、N-アシルアスパラギン酸のモノナトリウム塩、N-アシルアスパラギン酸のジナトリウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 組成物中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して、3から30質量%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 組成物中の(d)水の量が、組成物の総質量に対して、50から99質量%である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 組成物のpHが、5未満である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. (a)ヒドロキシ酸、(b)アルギニン、及び(c)アミノ酸系界面活性剤が、イオン結合を介して複合体を形成する、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 化粧用組成物である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. ケラチン物質の処理用である、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. ケラチン物質を処理するための美容方法であって、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物を、ケラチン物質に対して適用する工程を含む、美容方法。
  13. (b)アルギニン、
    (c)N-アシルアスパラギン酸及びそのからなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ酸系界面活性剤、及び
    (d)水
    を含む、(a)少なくとも1種のヒドロキシ酸用の皮膚浸透促進剤であって、
    皮膚浸透促進剤中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量が、皮膚浸透促進剤の総質量に対して、3質量%以上である、皮膚浸透促進剤。
  14. (a)少なくとも1種のヒドロキシ酸を含む組成物における、
    (b)アルギニン、
    (c)N-アシルアスパラギン酸及びそのからなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ酸系界面活性剤、及び
    (d)水
    の組み合わせの、(a)ヒドロキシ酸の皮膚浸透を促進するための使用であって、組成物中の(c)アミノ酸系界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して、3質量%以上である、使用。
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