JP7086481B2 - 連続浸炭炉 - Google Patents

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Description

本発明は、連続浸炭炉に関する。
連続浸炭炉は、搬送路が配置された炉内に、搬送方向に沿って複数の処理室を配置し、炉内に搬入したワークを複数の処理室内に順次搬送しながら、浸炭処理を行うものである。
ワークは、パレット等の冶具上に並べて配置され、そのパレットを複数段積み重ねた荷姿の状態で搬送路を搬送される。
連続浸炭炉では、浸炭処理用ガスとして、窒素等のキャリアガスと共に、ワークの鋼中への炭素の侵入を促進させる炭化水素ガス等のエンリッチガスを供給する。エンリッチガスは、処理室のうち浸炭処理を行う浸炭室に供給されるものであるが、処理を促進させるために、ワークの搬送方向において浸炭室の上流側に設けられた昇温室においても、エンリッチガスが供給される(例えば、特許文献1参照)。
特開2013-185189号公報
昇温室は炉内に搬入されたワークを、浸炭処理に適した温度まで昇温させる処理室である。ワークを昇温させる過程において、ワークの荷姿内部に温度差が生じることがある。温度差がある状態でエンリッチガスを供給すると、十分に昇温されていないワークに酸化反応が起きて、ワークの表面にスケールが発生する可能性がある。
連続浸炭炉において、浸炭処理におけるスケールの発生を低減することが求められている。
本発明の連続浸炭炉は、
複数段積み重ねた各冶具上に複数個並べて配置された荷姿で搬入されたワークを、搬送路で搬送しながら浸炭処理を行うものであって、
前記搬送路上に設けられ、搬入された前記ワークを昇温させる昇温室と、
前記昇温室に対して、前記搬送路の下流側に設けられ、昇温された前記ワークに浸炭処理を行う浸炭室と、
前記昇温室および前記浸炭室に対して、炭化水素ガスを含む浸炭処理用ガスを供給するガス供給装置と、
前記ガス供給装置の、前記昇温室と前記浸炭室への前記浸炭処理用ガスの供給量を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記昇温室に搬入された前記ワークの荷姿内部の温度差が、スケールが発生する可能性のある温度差を示す閾値以上である場合、前記温度差が大きくなるほど、前記昇温室に供給する炭化水素ガスの量を減少させる制御を行う。
本発明によれば、昇温室に搬入された荷姿内部の温度差に応じて昇温室への炭化水素ガスを減少させる制御を行う。これによって、スケールの発生を低減することができる。
連続浸炭炉の構成を示す図である。 制御装置を示すブロック図である。 (a)は、連続浸炭炉で処理するワークの一例を示す図であり、(b)は連続浸炭炉に搬入する荷姿を示す図である。 荷姿の温度差を示す図である。 スケールの発生箇所を示す図である。 各ギヤの単重量と、荷姿の総重量を示す表である。 制御装置における、昇温室へのブタンガスの供給量を決定する処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係る連続浸炭炉について、図面を参照して説明する。
図1は、連続浸炭炉の構成を示す図である。
図1に示すように、連続浸炭炉は、炉1の内部に、例えばベルトコンベア等で構成された搬送路2が配置され、搬送方向に沿って仕切り扉3で区切られた複数の処理室が配置された構成となっている。炉1の、搬送方向上流側の端部にはワークの搬入口4aが設置され、搬送方向下流側の端部にはワークの搬出口4bが設置されている。搬入口4aおよび搬出口4bには、開閉扉5が設置されている。炉1の内部に搬入されたワークが、搬送路2上を搬送されて複数の処理室を順次通過することで、浸炭処理が行われる。詳細は後述するが、ワークは冶具に積載された荷姿Fの状態で炉1内に搬入される。
複数の処理室として、搬送方向上流側から、昇温室11、浸炭室12、拡散室13および焼入室14が配置されている。
昇温室11は、搬入されたワークを加熱して浸炭処理に適切な温度に昇温させる。浸炭室12は、昇温されたワークに炭素を付与して浸炭させる。拡散室13は、ワークに付与された炭素をワークの内部に拡散させる。焼入室14は、浸炭処理されたワークを焼入れする。
連続浸炭炉は、各処理室の内部にガスを供給するガス供給装置6を備えている。
ガス供給装置6は、炉1内の雰囲気のベースガスとなるキャリアガスを、各処理室に供給する。キャリアガスは、例えば窒素等を主成分とする。ガス供給装置6は、また、昇温室11および浸炭室12に対しては、キャリアガスと共にエンリッチガスを供給する。エンリッチガスは、炭化水素ガスCn2n+2を主成分とするガスであり、エンリッチガスによってワークへの炭素の浸入を促進させる。ガス供給装置6は、浸炭処理を行う浸炭室12に加えて、ワークの昇温を行う昇温室11でもエンリッチガスを供給することで、浸炭処理を促進させる。実施の形態では、エンリッチガスとしてブタンガスを用いる例を説明する。
連続浸炭炉は、また、昇温室11に配置された加熱器7を備える。加熱器7は、例えば、炉1の内壁に配設されたラジアントチューブ71と、ラジアントチューブ71の端部に設けられたガスバーナ72とによって構成される。ガスバーナ72が噴射する燃焼ガスがラジアントチューブ71内に供給されることによって、昇温室11に搬入されたワークが加熱されるようになっている。なお、図示は省略するが、加熱器7は浸炭室12および拡散室13にも配置されている。
昇温室11においては、ワークは950℃程度まで昇温される。浸炭室12および拡散室13においては、約950℃程度の温度を維持したまま、浸炭処理および拡散処理が行われる。焼入室14においては、ワークは約860℃程度に降温され、所定時間、焼入れが行われる。焼入後、ワークは不図示の油槽に浸漬されることによって油焼き入れが行われ、搬出口4bより炉1外に搬出される。
図1では図示は省略しているが、各処理室には、処理室内の温度を検出する温度センサや、処理室内のガスの濃度を検出するガス濃度センサ等の、各種のセンサが設置されている。
連続浸炭炉は、連続浸炭炉の動作を制御する制御装置8を備える。
制御装置8は、例えば、CPU等のプロセッサとROMおよびRAM等のメモリを備えた汎用のコンピュータにより構成することができる。メモリに格納したプログラムをプロセッサが実行することにより、連続浸炭炉の動作制御の機能を実現する。
図2は、制御装置8の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置8は、搬送制御部81、扉開閉制御部82、加熱制御部83、ガス供給制御部84および記憶部85を備える。記憶部85はメモリによって構成される。
制御装置8は、作業員が操作する入力装置9に接続され、作業員の操作による入力信号が入力される。制御装置8は、また、温度センサTSおよびガス濃度センサGS等の各種センサに接続され、各センサの検出信号が入力される。
記憶部85は、連続浸炭炉の動作制御に必要な各種のデータを格納する。
搬送制御部81は、搬送路2の駆動機構(不図示)を制御し、各処理室におけるワークの処理時間を管理する。
扉開閉制御部82は、入力装置9の入力信号等に基づいて、搬入口4aおよび搬出口4bの扉の開閉を制御する。扉開閉制御部82は、また、各処理室の仕切り扉3の開閉を制御する。
加熱制御部83は、温度センサTSの検出信号等に基づいて、各処理室に配置された加熱器7を制御して、各処理室の温度を管理する。
ガス供給制御部84は、ガス濃度センサGSの検出信号等に基づいてガス供給装置6を制御し、各処理室へのガス供給量を管理する。
図2に示した機能構成はあくまで一例であり、制御装置8は、他にも連続浸炭炉の動作を制御する各種の機能構成を備えているが、説明は省略する。
連続浸炭炉において浸炭処理されるワークは、特定のものに限定されないが、例えば、自動変速機を構成するギヤとすることができる。ギヤは、例えば、リダクションギヤ、ファイナルギヤ、またはドライブギヤ等がある。
図3の(a)は、ワークWの一例としてリダクションギヤを示す模式図であり、図3の(b)は、連続浸炭炉に搬入される荷姿を示す模式図である。
図3の(a)では、簡略化したものを図示しているが、ワークWであるリダクションギヤは、シャフトに歯車がスプライン嵌合した構成となっている。
連続浸炭炉では、処理効率を高めるために、複数のワークWを同時に炉1内に搬入して処理を行う。そのため、図3の(b)に示すように、複数のワークWを、冶具であるパレット100に載せて搬入する。なお、図3の(b)では、簡略化したパレット100を図示している。
パレット100の幅方向および奥行き方向に沿って、ワークWの支持部101が複数配置されている。なお、図3の(b)では支持部101を簡略化した仮想線として図示している。
パレット100には、パレット100同士を高さ方向に接続するジョイント102が設けられている。連続浸炭炉へは、それぞれにワークWを積載したパレット100を、ジョイント102を介して高さ方向に段積みした状態で搬入される。「荷姿F」とは、ワークが積載された状態で段積みされたパレット100の、幅方向、奥行き方向および高さ方向を含む全体、すなわち炉1内に搬入される搬送物全体を意味するものである。
図3では、ワークWをリダクションギヤとした場合について説明したが、ファイナルギヤまたはドライブギヤについても、同様に段積みされたパレット100に積載され、連続浸炭炉に搬入される。また、図3の(b)では、荷姿Fの一例として、パレット100を3段に積んだ状態を図示しているが、段積みする数は適宜増減可能である。
制御装置8のガス供給制御部84(図2参照)は、ワークWを積載した荷姿Fの体積FVが、昇温室11の容積RCに対して占める占有率SPと、荷姿Fの総重量FWに応じて、各処理室へのガスの供給量を管理する。特に、実施の形態において、ガス供給制御部84は、ワークWに酸化被膜(スケール)が発生することを防止する観点から、昇温室11へのブタンガスの供給量の制御を行う。
連続浸炭炉では、ワークWを昇温させた上で処理室の内部にブタンガスを導入することによって、処理室の内部に以下の化学反応が起きることによって、ワークWの浸炭処理が行われる。
・CH4+CO2→2CO+2H2
・CH4+H2O→CO+3H2
なお、ブタンガスの化学式はC410だが、高温環境下では、ブタンガスはすぐにメタン(CH4)に変化する。
ところが、ワークWの昇温が十分でない場合、以下のように逆方向の反応が起きることがある。
・2CO+2H2→CH4+CO2
・CO+3H2→CH4+H2
CO2やH2OがワークWに付着すると、ワークWの鉄と反応してスケールを発生させる原因となる。
スケールの発生を防ぐために、昇温室11においてワークWを950℃程度まで昇温させるが、ワークWは荷姿F状態(図3の(b))で炉1内に搬入されるため、ワークWは均一に加熱されるわけではなく、荷姿F内部の位置によって、温度差が生じることがある。
図4は、荷姿FにおけるワークWのスケールの発生傾向を示す模式図である。3段に段積みしたパレット100のワークWの配置を格子状に示しており、スケールが発生したワークWの配置位置を、ハッチングで示している。
図4に示すように、スケールは、3段に段積みしたパレット100のうち、上段のパレット100に積載したワークWにはスケールの発生はないが、中段と下段のパレット100においては、幅方向中心と奥行き方向中心が交差する中央部付近に積載したワークWにスケールが発生する傾向がある。
図5は、昇温室11における荷姿Fの温度分布の測定データである。
実線は、図4において示した位置P1のワークWの温度を示し、破線は図4において示した位置P2の載置したワークWの温度を示している。位置P1は、上段のパレット100の、中央部から離れた位置、すなわち荷姿Fの外側に位置するワークWである。位置P2は、スケールが発生しやすい傾向がある、中段のパレット100の中央部付近のワークWであり、すなわち荷姿Fの内側に位置するワークWである。
図5に示すように、搬入直後は位置P1およびP2のワークWに大きな温度差は無いが、昇温室11の加熱が始まると、温度差が開き、10分経過後には300℃程度の温度差が生じている。
このような温度差が生じる要因は、昇温室11では、内壁に配置されたラジアントチューブ71(図1参照)によって、荷姿Fの外側からワークWが加熱されるため、ラジアントチューブ71から離れた荷姿Fの内側のワークWには熱が伝達されにくいためと考えられる。
図5に示すように、搬入から25分経過すると昇温が進んで位置P1および位置P2の温度差は60℃程度と小さくなるが、荷姿Fの内側の昇温が進んでいない段階で昇温室11にブタンガスが供給されることによって、前記したようにCO2やH2Oが発生し、荷姿Fの内側にスケールが発生する。
なお、下段のパレット100よりも中段のパレット100の方がスケールが発生する範囲が広いが、これは下段のパレット100が搬送路2に近く、中段のパレット100よりも搬送路2を介して熱が伝達されやすいためと考えられる。
このように、昇温室11において荷姿F内部に温度差が生じるが、昇温室11の容積RCに占める荷姿F全体の体積FVの占有率SPが高いほど、荷姿Fの内側には熱が伝わりにくくなるため、温度差が大きくなる傾向がある。
さらに、荷姿F全体の総重量が重いほど、熱容量が大きくなって加熱に時間がかかり、荷姿Fの内側には熱が伝わりにくくなるため、温度差が大きくなる傾向がある。
ここで、荷姿Fの総重量は、積載されるワークW単体の重量は、ワークW単体の重量と、パレット100への積載数によって決定される。
図6は、各ギヤの重量を示す図である。
図6に示すように、リダクションギヤは、単体の重量ではドライブギヤより重いものの、ファイナルギヤよりは軽い。しかしながら、リダクションギヤはパレット100への積載数が多いため、パレット100に積載した際の総重量は、3つのギヤの中で最も重くなる。そのため、パレット100を積み重ねた荷姿Fにおける総重量もリダクションギヤが最も重くなる。結果として、3つのギヤの中では、リダクションギヤにおいて、スケールが比較的発生しやすい。
以上説明したように、荷姿Fの昇温室11に対する占有率SPと荷姿Fの総重量FWとに応じて荷姿F内部の温度差が生じる。そして、温度差が生じる状態で、昇温室11にブタンガスを供給すると、荷姿Fの温度が低い箇所で酸化反応が起きてスケールが発生する原因となる。
そこで、制御装置8のガス供給制御部84は、荷姿Fの占有率SPと総重量FWに応じた温度差に基づいて、昇温室11におけるブタンガスの供給量を減少させる制御を行う。
ここで、ブタンガスの供給量を減少させるための制御の一例を説明する。
図7は、制御装置8における、昇温室11へのブタンガスの供給量を決定する処理を説明するフローチャートである。
制御装置8の記憶部85に、昇温室11の容積RC、荷姿Fの昇温室11における占有率SPと総重量FWに応じた荷姿F内部の温度差TDを定義するテーブルT1、温度差の閾値TH、昇温室11へのブタンガスの基準供給量SA、および温度差TDに応じたブタンガスの減少量DAを定義するテーブルT2を予め記憶させておく。これらのデータは、予め試験等を行って作成する。なお、テーブルT1とテーブルT2に代えて、計算式としても良い。
図7に示すように、連続浸炭炉に荷姿Fを搬入する際に、作業員が入力装置9(図2参照)を操作して、荷姿Fの体積FVと総重量FWを入力する(ステップS01)。
入力装置9からの入力信号を受けると、ガス供給制御部84は、入力された荷姿Fの体積FVと、記憶部85に予め記憶させた昇温室11の容積RCから、荷姿Fの昇温室11における占有率SPを算出する(ステップS02)。
あるいは、入力装置9において、1つのパレット100の重量、幅、奥行きおよび高さ、ワークW単体の重量、1つのパレット100への積載数、パレット100の段積数をそれぞれ入力するようにしても良い。制御装置8は、入力された情報から荷姿Fの体積FVと総重量FWを算出するようにしても良い。
ガス供給制御部84は、テーブルT1を参照して、ステップS02で算出した荷姿Fの占有率SPと、ステップS01で入力された荷姿Fの総重量FWに応じた荷姿F内部の温度差TDを取得する(ステップS03)。
ガス供給制御部84は、テーブルT1から取得した温度差TDを、閾値THと比較する(ステップS04)。閾値THは、スケールが発生する可能性のある温度差TDを示す値である。
荷姿F内部の温度差TDが閾値THを下回る場合(ステップS04:No)、温度差TDはワークWにスケールを発生させる程度のものではないため、ガス供給制御部84は、ガス供給装置6を制御して昇温室11へ基準供給量SAのブタンガスを供給する(ステップS05)。
一方、荷姿F内部の温度差TDが閾値TH以上である場合(ステップS04:Yes)、ガス供給制御部84は、テーブルT2を参照して、荷姿F内部の温度差TDに応じた減少量DAを取得する(ステップS06)。テーブルT2において、荷姿F内部の温度差TDが大きくなるほどブタンガスの減少量DAが大きくなるように定義されている。
ガス供給制御部84は、ガス供給装置6を制御して、基準供給量SAから取得した減少量DAを差し引いた量のブタンガスを、昇温室11に供給する(ステップS07)。
このように、昇温室11へのブタンガスの供給量を減少させることで、荷姿F内部の温度が低い箇所で起きる酸化反応によるスケールの発生を防止する。
ここで、テーブルT2に定義するブタンガスの減少量DAは、最大で基準供給量SAと同量とすることができる。減少量DAを基準供給量SAと同量とした場合、ガス供給制御部84は、昇温室11にはキャリアガスの供給のみを行い、ブタンガスの供給は行わない。
詳細な説明は省略するが、ガス供給制御部84は、昇温室11においてブタンガスの供給量を減少させた分、浸炭室12におけるブタンガスの供給量を増やす等の制御を行っても良い。
以上説明したように、実施の形態の連続浸炭炉は
(1)複数段積み重ねた各パレット100(冶具)上に複数個並べて配置された荷姿Fで搬入されたワークWを、搬送路2で搬送しながら浸炭処理を行うものであって、
搬送路2上に設けられ、搬入されたワークWを昇温させる昇温室11と、
昇温室11に対して、搬送路2の下流側に設けられ、昇温されたワークWに浸炭処理を行う浸炭室12と、
昇温室11および浸炭室12に対して、炭化水素ガスを含むガス(浸炭処理用ガス)を供給するガス供給装置と、
ガス供給装置の、昇温室11と浸炭室12へのガスの供給量を制御する制御装置8のガス供給制御部84(制御装置)と、を備え、
ガス供給制御部84は、昇温室11に搬入されたワークWの荷姿F内部の温度差TDに応じて、昇温室11に供給する炭化水素ガスの量を減少させる制御を行う。
炭化水素ガスは、例えば、ブタンガスとすることができる。
連続浸炭炉では、浸炭処理を促進させるために、浸炭室12の上流側に設けられた昇温室11においても、エンリッチガスであるブタンガスを供給するが、昇温室11では、ワークWの荷姿F内部に温度差がある可能性があり、温度差がある状態で炭化水素ガスを供給すると、十分に昇温されていないワークWに酸化反応が起きてスケールが発生する可能性がある。
そのため、制御装置8のガス供給制御部84は、昇温室11に搬入された荷姿F内部の温度差TDに応じて、昇温室11への炭化水素ガスを減少させる制御を行う。これによって、スケールの発生を低減することができる。
(2)昇温室11の壁面に設けられ、荷姿Fを外側から加熱して昇温させる加熱器7(加熱装置)を備え、
ガス供給制御部84は、昇温室11に対する荷姿Fの占有率SPと、荷姿Fの総重量FWとに応じた荷姿F内部の温度差TDに基づいて、昇温室11に供給するブタンガスの減少量DAを決定する。
昇温室11において、荷姿Fは昇温室11の壁面に設けられた加熱器7によって外側から昇温されるため、荷姿Fの昇温室11における占有率SPが大きいほど、荷姿Fの内側が昇温されにくくなるため、荷姿F内部の温度差TDが大きくなる。また、荷姿Fの総重量FWが大きいほど熱容量が大きくなるため、荷姿Fの内側の昇温に時間がかかって、荷姿F内部の温度差TDが大きくなる。
よって、荷姿Fの昇温室11に対する占有率SPと総重量FWに応じた温度差TDに基づいて昇温室11に供給するブタンガスの減少量DAを決定することができ、浸炭処理の促進とスケールの発生の低減のバランスを取ることができる。
1 炉
2 搬送路
3 仕切り扉
4a 搬入口
4b 搬出口
5 開閉扉
11 昇温室
12 浸炭室
13 拡散室
14 焼入室
6 ガス供給装置
7 加熱器
71 ラジアントチューブ
72 ガスバーナ
8 制御装置
81 搬送制御部
82 扉開閉制御部
83 加熱制御部
84 ガス供給制御部
85 記憶部
9 入力装置
TS 温度センサ
GS ガス濃度センサ
W ワーク
F 荷姿
100 パレット
101 支持部
102 ジョイント

Claims (3)

  1. 複数段積み重ねた各冶具上に複数個並べて配置された荷姿で搬入されたワークを、搬送路で搬送しながら浸炭処理を行う連続浸炭炉であって、
    前記搬送路上に設けられ、搬入された前記ワークを昇温させる昇温室と、
    前記昇温室に対して、前記搬送路の下流側に設けられ、昇温された前記ワークに浸炭処理を行う浸炭室と、
    前記昇温室および前記浸炭室に対して、炭化水素ガスを含む浸炭処理用ガスを供給するガス供給装置と、
    前記ガス供給装置の、前記昇温室と前記浸炭室への前記浸炭処理用ガスの供給量を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記昇温室に搬入された前記ワークの荷姿内部の温度差が、スケールが発生する可能性のある温度差を示す閾値以上である場合、前記温度差が大きくなるほど、前記昇温室に供給する炭化水素ガスの量を減少させる制御を行うことを特徴とする連続浸炭炉。
  2. 前記炭化水素ガスは、ブタンガスであることを特徴とする請求項1記載の連続浸炭炉。
  3. 前記昇温室の壁面に設けられ、前記荷姿を外側から加熱して昇温させる加熱装置を備え、
    前記制御装置は、前記昇温室に対する前記荷姿の占有率と、前記荷姿の重量とに応じた前記荷姿内部の温度差に基づいて、前記昇温室に供給する前記炭化水素ガスの減少量を決定することを特徴とする請求項1または2記載の連続浸炭炉。
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