JP2006063389A - 連続浸炭炉および連続浸炭方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】雰囲気中の一酸化炭素濃度を工程毎(ゾーン毎)に精度良く制御可能な連続浸炭炉および連続浸炭方法を提供する。
【解決手段】対象物の移動経路に沿って、対象物を予熱する予熱ゾーン5と、予熱した対象物に炭素を浸透させる浸炭ゾーン6と、対象物に浸透した炭素を拡散させる拡散ゾーン7と、炭素を拡散した対象物に焼入れを施す焼入ゾーン8と、を具備する連続浸炭炉1に、所定の濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、浸炭ゾーンおよび拡散ゾーンに供給する高濃度側RXガス供給手段10と、該高濃度側RXガス供給手段により浸炭ゾーンおよび拡散ゾーンに供給されるRXガスよりも低い濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、予熱ゾーンおよび焼入ゾーンに供給する低濃度側RXガス供給手段12と、を具備した。
【選択図】図1

Description

本発明は、対象物に浸炭を行う連続浸炭炉および連続浸炭方法に関する。
従来、鉄鋼材料の靱性を確保しつつ表面の耐摩耗性を向上させる方法として、気体浸炭法が知られている。
気体浸炭法は鉄鋼材料の表面硬化法の一種であり、(1)予熱工程において、対象物たる機械部品等の温度を上昇させ、(2)浸炭工程において、対象物の表面に一酸化炭素を含む浸炭性のガス(以下、「RXガス」という。)を接触させて該表面から炭素を浸透させ、(3)拡散工程において、該対象物を所定の温度に保持して該対象物に浸透した炭素を拡散させ、(4)焼入工程において、炭素を拡散した対象物に焼入れを施す、という一連の工程を経て行われる。なお、対象物の組成や対象物に要求される機械的性質等によっては、拡散工程と焼入工程との間に対象物を所定の温度に保持する均熱工程を行う場合もある。
気体浸炭法は、対象物の表面近傍の炭素濃度をバルクよりも高濃度として焼入れを施すことにより表面近傍に高硬度のマルテンサイト組織を形成し、バルクの靭性を確保しつつ表面の耐摩耗性を向上させるものである。
上記気体浸炭法は、通常、連続浸炭炉と呼ばれる炉により行われる。連続浸炭炉は、炉内において対象物を移動させる移動経路に沿って、上記予熱工程を行うための予熱ゾーン、浸炭工程を行うための浸炭ゾーン、拡散工程を行うための拡散ゾーン、焼入工程を行うための焼入ゾーンを具備する。
連続浸炭炉により行われる気体浸炭法においては、炉内の雰囲気中の一酸化炭素濃度を精度良く制御することが対象物の品質を決める重要な要素となっている。
すなわち、炉内の雰囲気中の一酸化炭素濃度と、対象物中の炭素の濃度との間には密接な関係があり、同じ温度であれば雰囲気中の一酸化炭素濃度が高いほど対象物に固溶する炭素濃度は高くなる傾向がある。以下、ある温度における雰囲気中の一酸化炭素と平衡状態にある対象物の表面近傍の固溶炭素濃度(wt%)を「カーボンポテンシャル」という。
浸炭工程においては、所要時間を短くして生産性を向上させるという観点から見れば、雰囲気中の一酸化炭素濃度を極力高くしてカーボンポテンシャルを大きくすることが望ましい。
一方、対象物の機械的性質を好適なものとするという観点から見れば、対象物の表面近傍の炭素濃度を共晶点付近の0.8wt%から0.9wt%の範囲とすることが好ましいため、焼入工程およびその前工程となる拡散工程の雰囲気中の一酸化炭素濃度を、カーボンポテンシャルが0.8wt%から0.9wt%の範囲となる濃度に制御することが望ましい。
上記の如き制御を行うために、従来の連続浸炭炉においては、浸炭工程および拡散工程にRXガスおよびエンリッチガスを供給していた。
エンリッチガスは、主にメタン、エタン、プロパンやブタン等の炭化水素からなるガスであり、浸炭反応により生じる二酸化炭素、酸素、水と反応して一酸化炭素と水素を生成し、雰囲気中の一酸化炭素濃度を所望の範囲に保持する(換言すれば、雰囲気のカーボンポテンシャルを所望の範囲に保持する)。例えば、特許文献1および特許文献2に記載の如くである。
特開昭62−50457号公報 特開2003−147506号公報
しかし、従来の連続浸炭炉は、炉内の各工程に略同じ濃度の一酸化炭素を含むRXガスを供給する構成であったために、エンリッチガスを追加的に供給するだけでは炉内の一酸化炭素濃度を工程毎に精度良く制御することが困難であった。
すなわち、連続浸炭炉の炉内には一部工程間に開閉式の隔壁が設けられているものもあるが、基本的には対象物および雰囲気が流通可能な構成であるため、浸炭工程および拡散工程の一酸化炭素濃度を上昇させると、予熱工程および焼入工程の一酸化炭素濃度も上昇する傾向がある。
また、RXガスのカーボンポテンシャルは、同じ一酸化炭素濃度であれば雰囲気温度が低いほど大きくなる傾向がある。そのため、浸炭工程および拡散工程より雰囲気の温度が低く、かつ、対象物中の炭素の拡散が十分に可能な温度域となる予熱工程の後期や焼入工程の雰囲気中の一酸化炭素濃度が上昇すると、予熱工程や焼入工程においても浸炭反応が促進されるという現象が起こる。
そして、従来の連続浸炭炉の場合、一度雰囲気中の一酸化炭素濃度が上昇するとすぐに低下させることが困難であるため、予熱工程や焼入工程でも浸炭が促進され、対象物中の炭素濃度が所望の炭素濃度より高くなってしまうという問題がある。
さらに、エンリッチガスは、RXガス中の酸素や二酸化炭素、水等と反応する過程で煤を発生し、連続浸炭炉に設けられている排気口に付着する。また、焼入工程において、焼入れに用いる油に対象物を浸漬する際に発生する油煙も煤の原因となる。そして、煤により排気口の開口面積が変化すると、各排気口からの排気量が変化し、ひいては連続浸炭炉内のガスの流れが経時的に変化してしまう。
このような煤に起因する炉内におけるガスの流れの経時変化は、各工程の一酸化炭素濃度を精度良く制御する(換言すれば、各工程の雰囲気中の一酸化炭素濃度を所望の範囲に保持する)ことを更に困難としている。
本発明は以上の如き状況に鑑み、雰囲気中の一酸化炭素濃度を工程毎(ゾーン毎)に精度良く制御可能な連続浸炭炉および連続浸炭方法を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、対象物の移動経路に沿って、
対象物を予熱する予熱ゾーンと、
予熱した対象物に炭素を浸透させる浸炭ゾーンと、
対象物に浸透した炭素を拡散させる拡散ゾーンと、
炭素を拡散した対象物に焼入れを施す焼入ゾーンと、
所定の濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、浸炭ゾーンおよび拡散ゾーンに供給する高濃度側RXガス供給手段と、
該高濃度側RXガス供給手段により浸炭ゾーンおよび拡散ゾーンに供給されるRXガスよりも低い濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、予熱ゾーンおよび焼入ゾーンに供給する低濃度側RXガス供給手段と、を具備するものである。
請求項2においては、前記連続浸炭炉の予熱ゾーン側の雰囲気を排気する予熱側排気口と、
前記連続浸炭炉の焼入ゾーン側の雰囲気を排気する焼入側排気口と、
前記予熱ゾーンの雰囲気の一酸化炭素濃度を検出する予熱ゾーンCO濃度検出手段と、
前記焼入ゾーンの雰囲気の一酸化炭素濃度を検出する焼入ゾーンCO濃度検出手段と、
該予熱ゾーンCO濃度検出手段により検出された予熱ゾーンの雰囲気の一酸化炭素濃度および焼入ゾーンCO濃度検出手段により検出された焼入ゾーンの雰囲気の一酸化炭素濃度に基づいて予熱ゾーンおよび焼入ゾーンのカーボンポテンシャルをそれぞれ算出し、該算出した予熱ゾーンおよび焼入ゾーンのカーボンポテンシャルに基づいて予熱側排気口および焼入側排気口の排気量をそれぞれ調整するとともに前記低濃度側RXガス供給手段が予熱ゾーンおよび焼入ゾーンに供給するRXガスの供給量をそれぞれ調整し、浸炭ゾーンの雰囲気のカーボンポテンシャルを1.0wt%から1.2wt%の範囲に保持するとともに、前記予熱ゾーン、拡散ゾーンおよび焼入ゾーンの雰囲気のカーボンポテンシャルを0.8wt%から0.9wt%の範囲に保持する演算手段と、を具備するものである。
請求項3においては、対象物の移動経路に沿って、
対象物を予熱する予熱工程と、
予熱した対象物に炭素を浸透させる浸炭工程と、
対象物に浸透した炭素を拡散させる拡散工程と、
炭素を拡散した対象物に焼入れを施す焼入工程と、
を具備する連続浸炭方法であって、
所定の濃度の一酸化炭素を含むRXガスを浸炭工程および拡散工程に供給するとともに、該浸炭工程および拡散工程に供給されるRXガスよりも低い濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、予熱工程および焼入工程に供給するものである。
請求項4においては、予熱工程の雰囲気の一酸化炭素濃度および焼入工程の雰囲気の一酸化炭素濃度に基づいて予熱工程および焼入工程のカーボンポテンシャルをそれぞれ算出し、該算出した予熱工程および焼入工程のカーボンポテンシャルに基づいて予熱工程側の排気量および焼入れ工程側の排気量をそれぞれ調整するとともに予熱工程および焼入工程に供給するRXガスの供給量をそれぞれ調整し、浸炭工程の雰囲気のカーボンポテンシャルを1.0wt%から1.2wt%の範囲に保持するとともに前記予熱工程、拡散工程および焼入工程の雰囲気のカーボンポテンシャルを0.8wt%から0.9wt%の範囲に保持するものである。
請求項5においては、対象物の移動経路に沿って、
対象物を予熱する予熱工程と、
予熱した対象物に炭素を浸透させる浸炭工程と、
対象物に浸透した炭素を拡散させる拡散工程と、
炭素を拡散した対象物に焼入れを施す焼入工程と、
を具備する連続浸炭方法であって、所定の濃度の一酸化炭素を含むRXガスを浸炭工程および拡散工程に供給するとともに、該浸炭工程および拡散工程に供給されるRXガスよりも低い濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、予熱工程に供給するものである。
請求項6においては、対象物の移動経路に沿って、
対象物を予熱する予熱工程と、
予熱した対象物に炭素を浸透させる浸炭工程と、
対象物に浸透した炭素を拡散させる拡散工程と、
炭素を拡散した対象物に焼入れを施す焼入工程と、
を具備する連続浸炭方法であって、
所定の濃度の一酸化炭素を含むRXガスを浸炭工程および拡散工程に供給するとともに、該浸炭工程および拡散工程に供給されるRXガスよりも低い濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、焼入工程に供給するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、このように構成することにより、炉内の雰囲気のカーボンポテンシャル(一酸化炭素濃度)をゾーン毎に精度良く制御することが可能であり、浸炭処理の安定性が向上する。換言すれば、対象物表面の炭素濃度のばらつきを抑え、対象物の品質を安定させることが可能である。
請求項2においては、煤等が予熱側排気口や焼入側排気口に付着して排気量が減少しても、その分だけ予熱側排気口や焼入側排気口の開度を大きくして所望の排気量に保持することが可能であり、炉内の雰囲気のカーボンポテンシャル(一酸化炭素濃度)をゾーン毎に精度良く制御することが可能である。
請求項3においては、炉内の雰囲気のカーボンポテンシャル(一酸化炭素濃度)を工程毎に精度良く制御することが可能であり、浸炭処理の安定性が向上する。換言すれば、対象物表面の炭素濃度のばらつきを抑え、対象物の品質を安定させることが可能である。
請求項4においては、煤等が予熱側排気口や焼入側排気口に付着して排気量が減少しても、その分だけ予熱側排気口や焼入側排気口の開度を大きくして所望の排気量に保持することが可能であり、炉内の雰囲気のカーボンポテンシャル(一酸化炭素濃度)を工程毎に精度良く制御することが可能である。
請求項5においては、炉内の雰囲気のカーボンポテンシャル(一酸化炭素濃度)を工程毎に精度良く制御し、特に予熱工程における浸炭反応を抑制することが可能であり、浸炭処理の安定性が向上する。換言すれば、対象物表面の炭素濃度のばらつきを抑え、対象物の品質を安定させることが可能である。
請求項6においては、炉内の雰囲気のカーボンポテンシャル(一酸化炭素濃度)を工程毎に精度良く制御し、特に焼入工程における浸炭反応を抑制することが可能であり、浸炭処理の安定性が向上する。換言すれば、対象物表面の炭素濃度のばらつきを抑え、対象物の品質を安定させることが可能である。
以下では本発明に係る連続浸炭炉の実施の一形態である連続浸炭炉1の全体構成について説明する。
連続浸炭炉1は、主に炉体2、搬入扉3、搬入ゾーン4、予熱ゾーン5、浸炭ゾーン6、拡散ゾーン7、焼入ゾーン8、搬出扉9、高濃度側RXガス供給手段10、エンリッチガス供給手段11、低濃度側RXガス供給手段12、予熱側排気口13、焼入側排気口14、予熱ゾーンCO濃度検出手段15、焼入ゾーンCO濃度検出手段16、演算手段17、CO濃度検出手段18、等で構成される。
ここで、本明細書における「対象物」は、鉄鋼材料からなり、連続浸炭炉1により表面に浸炭処理が施される機械部品等を指すものとする。なお、以下の説明では対象物を構成する材料の例として、約0.2wt%の炭素を含有し、その他適宜Ni、Cr、Mo等を添加した浸炭用鋼を用いて説明するが、本発明に係る対象物を構成する材料は上記組成の浸炭用鋼に限定されず、鉄鋼材料に広く適用可能である。
炉体2は連続浸炭炉1の本体を成す部材であり、その内部には細長い空間が形成される。炉体2の内部空間には対象物を搬入口から搬出口まで移動させるための移動経路が形成され、該移動経路に沿って順に搬入ゾーン4、予熱ゾーン5、浸炭ゾーン6、拡散ゾーン7、焼入ゾーン8が形成される。
なお、対象物を移動経路に沿って移動させる方法としては、いわゆるトレイプッシャ型(対象物を積載したトレイを順に搬入口から炉内に搬入し、後から搬入されたトレイに押されて移動経路の上流側から下流側に向けて移動させるもの)やコンベア型(炉内に設けられたローラーコンベアまたはベルトコンベア等により対象物を移動経路の上流側から下流側に向けて移動させるもの)等が挙げられるが、本発明はいずれの方法も適用可能であり、限定されない。
搬入ゾーン4は対象物の搬入口を具備し、連続浸炭炉1の内部空間のうち、対象物が最初に搬入される領域である。
搬入ゾーン4の搬入口には搬入扉3が設けられ、搬入ゾーン4と予熱ゾーン5との間には開閉扉21が設けられる。外部から搬入ゾーン4に対象物を搬入する際には、開閉扉21を閉じた状態で搬入扉3を開ける。
開閉扉21は、搬入扉3を開けて対象物を搬入ゾーン4に搬入する際に、連続浸炭炉1の内部の雰囲気が搬入扉3から外部に大量に放出されたり、あるいは外気が連続浸炭炉1の内部に大量に巻き込まれたりすることを防止し、搬入ゾーン4の雰囲気温度および雰囲気の組成の安定化を図るために設けられる。なお、開閉扉21には通気孔21aが設けられ、予熱ゾーン5と搬入ゾーン4との間で雰囲気を流通させることが可能である。
搬入ゾーン4に搬入された対象物は、移動経路に沿って予熱ゾーン5に搬送される。
予熱ゾーン5は、連続浸炭炉1の内部空間のうち、対象物を予熱する(対象物の温度を上昇させる)予熱工程を行う領域である。予熱ゾーン5には図示せぬヒータが設けられる。予熱ゾーン5には配管12aが接続され、後述する低濃度側RXガス供給手段12から該配管12aを通じてRXガスが供給される。
予熱ゾーン5に搬入された対象物は、所定時間経過後、移動経路に沿って浸炭ゾーン6に搬送される。
浸炭ゾーン6は、連続浸炭炉1の内部空間のうち、予熱した対象物に炭素を浸透させる浸炭工程を行う領域である。浸炭ゾーン6には図示せぬヒータが設けられ、浸炭ゾーン6の雰囲気温度は900℃から950℃の範囲に保持される。浸炭ゾーン6には配管10aが接続され、後述する高濃度側RXガス供給手段10から該配管10aを通じてRXガスが供給される。
浸炭ゾーン6に搬入された対象物は、所定時間経過後、移動経路に沿って拡散ゾーン7に搬送される。
拡散ゾーン7は、連続浸炭炉1の内部空間のうち、対象物に浸透した炭素を拡散させる拡散工程を行う領域である。拡散ゾーン7には図示せぬヒータが設けられ、拡散ゾーン7の雰囲気温度は950℃に保持される。拡散ゾーン7には配管10bが接続され、後述する高濃度側RXガス供給手段10から該配管10bを通じてRXガスが供給される。
拡散ゾーン7に搬入された対象物は、所定時間経過後、移動経路に沿って焼入ゾーン8に搬送される。
焼入ゾーン8は、連続浸炭炉1の内部空間のうち、炭素を拡散した対象物に焼入れを施す焼入工程を行う領域である。
焼入ゾーン8と外部との間には搬出扉9が設けられ、焼入ゾーン8と拡散ゾーン7との間には開閉扉22が設けられる。また、焼入ゾーン8の中途部には開閉扉23が設けられ、開閉扉22と開閉扉23との間に挟まれた領域である待機室8aと、開閉扉23と搬出扉9との間に挟まれた領域である焼入室8bとに区画される。
なお、開閉扉22および開閉扉23には通気孔22aおよび通気孔23aがそれぞれ設けられ、拡散ゾーン7と焼入ゾーン8(待機室8aおよび焼入室8b)との間で雰囲気を流通させることが可能である。
拡散ゾーン7から待機室8aに対象物を搬入する際には、開閉扉23を閉じた状態で開閉扉22を開く。待機室8aから焼入室8bに対象物を搬入する際には、開閉扉22および搬出扉9を閉じた状態で開閉扉23を開く。焼入室8bから外部に対象物を搬入する際には、開閉扉23を閉じた状態で搬出扉9を開く。
待機室8aおよび焼入室8bにはそれぞれ図示せぬヒータが設けられ、拡散ゾーン7にて拡散工程を行った後の対象物の温度を、対象物(浸炭用鋼)のバルク部分がオーステナイトとフェライトの二相領域となる850℃に保持し、組織の微細化(靭性の向上)を行っている。これは、対象物の組成(添加元素の種類)等によっては、対象物を浸炭工程および拡散工程にてオーステナイト単相領域となる900℃から950℃に保持している間に、該対象物のバルク部分のオーステナイト組織が粗大化し、靭性が低下する場合があるためである。
焼入室8bには油槽24が設けられ、該油槽24には焼入れ用の油が貯溜されている。該油槽24に浸漬することにより、対象物に焼入れが施される。
焼入ゾーン8(より厳密には、待機室8a)には配管12bが接続され、後述する低濃度側RXガス供給手段12から該配管12bを通じてRXガスが供給される。焼入ゾーン8に搬入された対象物は、所定時間経過後(焼入れが施された後)、外部に搬出される。
高濃度側RXガス供給手段10は、所定の濃度の一酸化炭素を含むRXガス(以下、「高濃度側RXガス」という)を浸炭ゾーン6および拡散ゾーン7に供給するものである。
本実施例の高濃度側RXガス供給手段10は、ブタンと二酸化炭素を反応させることにより、一酸化炭素と水素の混合気体たる高濃度側RXガスを発生させる(式1)。
10+CO→CO+H (式1)
式1に示す如く、高濃度側RXガスに含まれる一酸化炭素の濃度は約50mol%である。
浸炭ゾーン6および拡散ゾーン7への高濃度側RXガスの供給量は、それぞれ一気圧換算で300リットル/分である。
なお、本実施例ではブタンと二酸化炭素を反応させて高濃度側RXガスを発生させる構成としたが、他の方法(例えば、プロパンと二酸化炭素を反応させる等)で高濃度側RXガスを発生させても良い。また、高濃度側RXガスの組成のうち、一酸化炭素以外の成分については水素のみに限定されず、窒素やアルゴン等の不活性ガスや、これらの混合物が含まれても良い。
エンリッチガス供給手段11は、浸炭ゾーン6および拡散ゾーン7にエンリッチガス(本実施例ではブタン)を供給するものである。エンリッチガス供給手段11の配管11aおよび配管11bは、それぞれ前記高濃度側RXガス供給手段10の配管10aおよび配管10bの中途部と接続され、エンリッチガスは高濃度側RXガスと混合した状態で浸炭ゾーン6および拡散ゾーン7に供給される。
なお、本実施例ではエンリッチガスとしてブタンを用いたが、エンリッチガスとして他の炭化水素(メタン、エタン、プロパン等)を用いても略同様の効果を奏する。
低濃度側RXガス供給手段12は、高濃度側RXガス供給手段10により浸炭ゾーン6および拡散ゾーン7に供給されるRXガス(高濃度側RXガス)よりも低い濃度の一酸化炭素を含むRXガス(以下、「低濃度側RXガス」という)を予熱ゾーン5および焼入ゾーン8に供給するものである。
本実施例の高濃度側RXガス供給手段10は、ブタンと空気を反応させることにより、一酸化炭素と水素と窒素の混合気体たる低濃度側RXガスを発生させる(式2)。
10+10(1/5CO+4/5N)→4CO+5H+8N (式2)
式2に示す如く、高濃度側RXガスに含まれる一酸化炭素の濃度は約23mol%である。
予熱ゾーン5および焼入ゾーン8への低濃度側RXガスの定常運転時の供給量は、それぞれ一気圧換算で10リットル/分である。
なお、本実施例ではブタンと空気を反応させて低濃度RXガスを発生させる構成としたが、他の方法(例えば、プロパンと空気を反応させる等)で低濃度側RXガスを発生させても良い。また、低濃度側RXガスの組成のうち、一酸化炭素以外の成分については水素と窒素のみに限定されず、アルゴン等の不活性ガスが含まれても良い。
予熱側排気口13は連続浸炭炉1の予熱ゾーン側の雰囲気を外部に排出するものである。
ここで、「予熱ゾーン側」とは、連続浸炭炉1の内部空間のうち、移動経路の上流側となる領域、より具体的には搬入ゾーン4および予熱ゾーン5を指す。本実施例の場合、予熱側排気口13は搬入ゾーン4に設けられる。
予熱側排気口13には開閉蓋13aが設けられており、該予熱側排気口13の開度(開口面積)を変更することにより、排気量を調整することが可能である。
なお、予熱側排気口13から排気される雰囲気は排気時に燃焼され、周囲に一酸化炭素を放出することがない。
焼入側排気口14は連続浸炭炉1の焼入ゾーン側の雰囲気を外部に排出するものである。
ここで、「焼入ゾーン側」とは、連続浸炭炉1の内部空間のうち、移動経路の下流側となる領域、より具体的には焼入ゾーン8を指す。本実施例の場合、焼入側排気口14は焼入ゾーン8(より厳密には、焼入室8b)に設けられる。
焼入側排気口14には開閉蓋14aが設けられており、該焼入側排気口14の開度(開口面積)を変更することにより、排気量を調整することが可能である。
なお、焼入側排気口14から排気される雰囲気は排気時に燃焼され、周囲に一酸化炭素を放出することがない。
予熱ゾーンCO濃度検出手段15は予熱ゾーン5の雰囲気の一酸化炭素濃度を検出するものである。また、焼入ゾーンCO濃度検出手段16は焼入ゾーン8の雰囲気の一酸化炭素濃度を検出するものである。予熱ゾーンCO濃度検出手段15および焼入ゾーンCO濃度検出手段16の実施例としては、非分散形赤外線分析法を用いたCO濃度測定装置やガスクロマトグラフを用いたCO濃度測定装置等が挙げられる。
演算手段17は予熱ゾーンCO濃度検出手段15および焼入ゾーンCO濃度検出手段16と接続される。
演算手段17は、予熱ゾーンCO濃度検出手段15により検出された予熱ゾーン5の雰囲気の一酸化炭素濃度、および、焼入ゾーンCO濃度検出手段16により検出された焼入ゾーン8の雰囲気の一酸化炭素濃度、に基づいて予熱ゾーンおよび焼入ゾーンのカーボンポテンシャルをそれぞれ算出する。演算手段17は、算出した予熱ゾーン5および焼入ゾーン8のカーボンポテンシャルに基づいて、予熱側排気口13および焼入側排気口14の排気量をそれぞれ調整するとともに前記低濃度側RXガス供給手段12が予熱ゾーン5および焼入ゾーン8に供給するRXガスの供給量をそれぞれ調整する。
より具体的には、演算手段17は、予熱ゾーン5の雰囲気の一酸化炭素濃度が上昇して、該雰囲気のカーボンポテンシャル(の算出値)が0.9wt%以上となった場合には、予熱側排気口13の開度を大きくする、または、焼入側排気口14の開度を小さくする、または、予熱側排気口13の開度を大きくするとともに焼入側排気口14の開度を小さくする。
このように操作することにより、予熱ゾーン5の雰囲気の一酸化炭素濃度を所定の濃度(20〜23mol%)まで低下させ、該雰囲気のカーボンポテンシャルを0.8wt%から0.9wt%の範囲に保持することが可能である。
なお、上記操作と合わせて低濃度側RXガス供給手段12が予熱ゾーン5に供給する低濃度RXガスの供給量を増加させることも可能である。
また、演算手段17は、焼入ゾーン8の雰囲気の一酸化炭素濃度が上昇して、該雰囲気のカーボンポテンシャル(の算出値)が0.9wt%以上となった場合には、予熱側排気口13の開度を小さくする、または、焼入側排気口14の開度を大きくする、または、予熱側排気口13の開度を小さくするとともに焼入側排気口14の開度を大きくする。
このように操作することにより、焼入ゾーン8の雰囲気の一酸化炭素濃度を所定の濃度(20〜23mol%)まで低下させ、該雰囲気のカーボンポテンシャルを0.8wt%から0.9wt%の範囲に保持することが可能である。
なお、上記操作と合わせて低濃度側RXガス供給手段12が焼入ゾーン8に供給する低濃度RXガスの供給量を増加させることも可能である。
本実施例の演算手段17は、予熱ゾーン5および焼入ゾーン8の雰囲気の一酸化炭素濃度がいずれも上昇して、該雰囲気のカーボンポテンシャル(の算出値)がいずれも0.9wt%以上となった場合には、低濃度側RXガス供給手段12が予熱ゾーン5および焼入ゾーン8に供給するRXガスの単位時間当たりの供給量を増加させる。
このように操作することにより、予熱ゾーン5および焼入ゾーン8の雰囲気の一酸化炭素濃度を所定の濃度(20〜23mol%)まで低下させ、該雰囲気のカーボンポテンシャルを0.8wt%から0.9wt%の範囲に保持することが可能である。
CO濃度検出手段18は、浸炭ゾーン6および拡散ゾーン7の雰囲気の二酸化炭素濃度を検出するものである。CO濃度検出手段18はエンリッチガス供給手段11に接続される。エンリッチガス供給手段11はCO濃度検出手段18により検出された浸炭ゾーン6および拡散ゾーン7の雰囲気の二酸化炭素濃度が所定の濃度以下となり、浸炭ゾーン6の雰囲気のカーボンポテンシャルが1.0wt%以下となった場合には、浸炭ゾーン6および拡散ゾーン7にエンリッチガスを供給する。
CO濃度検出手段18の実施例としては、非分散形赤外線分析法を用いたCO濃度測定装置やガスクロマトグラフを用いたCO濃度測定装置等が挙げられる。
本実施例におけるエンリッチガスであるブタンは、以下の式3、式4および式5に示す如く、雰囲気中の酸素、二酸化炭素、および水と反応して、一酸化炭素と水素を生成する。
10+2O→4CO+5H (式3)
10+4CO→8CO+5H (式4)
10+4HO→4CO+9H (式5)
この反応は、以下の式6、式7および式8で表される浸炭反応の副産物たる酸素、二酸化炭素、および水を雰囲気から除去するとともに雰囲気に一酸化炭素を供給するものであるため、浸炭反応を促進させる。
2CO+Fe→Fe[C]+CO (式6)
2CO+2Fe→2Fe[C]+O (式7)
CO+Fe+H→Fe[C]+HO (式8)
以上の如く、本発明に係る連続浸炭炉の実施の一形態である連続浸炭炉1は、
対象物の移動経路に沿って、
対象物を予熱する予熱ゾーン5と、
予熱した対象物に炭素を浸透させる浸炭ゾーン6と、
対象物に浸透した炭素を拡散させる拡散ゾーン7と、
炭素を拡散した対象物に焼入れを施す焼入ゾーン8と、
所定の濃度(約50mol%)の一酸化炭素を含むRXガスを、浸炭ゾーン6および拡散ゾーン7に供給する高濃度側RXガス供給手段10と、
該高濃度側RXガス供給手段10により浸炭ゾーン6および拡散ゾーン7に供給されるRXガスよりも低い濃度(約23mol%)の一酸化炭素を含むRXガスを、予熱ゾーン5および焼入ゾーン8に供給する低濃度側RXガス供給手段と、を具備するものである。
このように構成することにより、炉内の雰囲気のカーボンポテンシャル(一酸化炭素濃度)をゾーン(工程)毎に精度良く制御することが可能であり、浸炭処理の安定性が向上する。換言すれば、対象物表面の炭素濃度のばらつきを抑え、対象物の品質を安定させることが可能である。
また、本発明に係る連続浸炭炉の実施の一形態である連続浸炭炉1は、
予熱ゾーン側の雰囲気を排気する予熱側排気口13と、
焼入ゾーン側の雰囲気を排気する焼入側排気口14と、
予熱ゾーン5の雰囲気の一酸化炭素濃度を検出する予熱ゾーンCO濃度検出手段15と、
焼入ゾーン8の雰囲気の一酸化炭素濃度を検出する焼入ゾーンCO濃度検出手段16と、
該予熱ゾーンCO濃度検出手段15により検出された予熱ゾーン5の雰囲気の一酸化炭素濃度および焼入ゾーンCO濃度検出手段16により検出された焼入ゾーン8の雰囲気の一酸化炭素濃度に基づいて予熱ゾーン5および焼入ゾーン8のカーボンポテンシャルをそれぞれ算出し、該算出した予熱ゾーン5および焼入ゾーン8のカーボンポテンシャルに基づいて予熱側排気口13および焼入側排気口14の排気量をそれぞれ調整するとともに低濃度側RXガス供給手段12が予熱ゾーン5および焼入ゾーン8に供給するRXガスの供給量をそれぞれ調整し、浸炭ゾーン6の雰囲気のカーボンポテンシャルを1.0wt%から1.2wt%の範囲に保持するとともに、予熱ゾーン5、拡散ゾーン7および焼入ゾーン8の雰囲気のカーボンポテンシャルを0.8wt%から0.9wt%の範囲に保持する演算手段17と、を具備するものである。
このように構成することにより、煤等が予熱側排気口13や焼入側排気口14に付着して排気量が減少しても、その分だけ予熱側排気口13や焼入側排気口14の開度を大きくして所望の排気量に保持することが可能であり、炉内の雰囲気のカーボンポテンシャル(一酸化炭素濃度)をゾーン(工程)毎に精度良く制御することが可能である。
なお、本実施例では、予熱ゾーン5と焼入ゾーン8の両方に低濃度側RXガスを供給する構成としたが、予熱ゾーン5にのみ低濃度側RXガスを供給する構成としても、予熱工程における浸炭反応を抑制して、浸炭処理後の対象物表面の炭素濃度を所望の範囲に精度良く制御することが可能である。また、焼入ゾーン8にのみ低濃度側RXガスを供給する構成としても、焼入工程における浸炭反応を抑制して、浸炭処理後の対象物表面の炭素濃度を所望の範囲に精度良く制御することが可能である。
本発明に係る連続浸炭炉の実施の一形態を示す模式図。
符号の説明
1 連続浸炭炉
5 予熱ゾーン
6 浸炭ゾーン
7 拡散ゾーン
8 焼入ゾーン
10 高濃度側RXガス供給手段
12 低濃度側RXガス供給手段

Claims (6)

  1. 対象物の移動経路に沿って、
    対象物を予熱する予熱ゾーンと、
    予熱した対象物に炭素を浸透させる浸炭ゾーンと、
    対象物に浸透した炭素を拡散させる拡散ゾーンと、
    炭素を拡散した対象物に焼入れを施す焼入ゾーンと、
    所定の濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、浸炭ゾーンおよび拡散ゾーンに供給する高濃度側RXガス供給手段と、
    該高濃度側RXガス供給手段により浸炭ゾーンおよび拡散ゾーンに供給されるRXガスよりも低い濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、予熱ゾーンおよび焼入ゾーンに供給する低濃度側RXガス供給手段と、
    を具備する、ことを特徴とする連続浸炭炉。
  2. 前記連続浸炭炉の予熱ゾーン側の雰囲気を排気する予熱側排気口と、
    前記連続浸炭炉の焼入ゾーン側の雰囲気を排気する焼入側排気口と、
    前記予熱ゾーンの雰囲気の一酸化炭素濃度を検出する予熱ゾーンCO濃度検出手段と、
    前記焼入ゾーンの雰囲気の一酸化炭素濃度を検出する焼入ゾーンCO濃度検出手段と、
    該予熱ゾーンCO濃度検出手段により検出された予熱ゾーンの雰囲気の一酸化炭素濃度および焼入ゾーンCO濃度検出手段により検出された焼入ゾーンの雰囲気の一酸化炭素濃度に基づいて予熱ゾーンおよび焼入ゾーンのカーボンポテンシャルをそれぞれ算出し、該算出した予熱ゾーンおよび焼入ゾーンのカーボンポテンシャルに基づいて予熱側排気口および焼入側排気口の排気量をそれぞれ調整するとともに前記低濃度側RXガス供給手段が予熱ゾーンおよび焼入ゾーンに供給するRXガスの供給量をそれぞれ調整し、浸炭ゾーンの雰囲気のカーボンポテンシャルを1.0wt%から1.2wt%の範囲に保持するとともに、前記予熱ゾーン、拡散ゾーンおよび焼入ゾーンの雰囲気のカーボンポテンシャルを0.8wt%から0.9wt%の範囲に保持する演算手段と、
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の連続浸炭炉。
  3. 対象物の移動経路に沿って、
    対象物を予熱する予熱工程と、
    予熱した対象物に炭素を浸透させる浸炭工程と、
    対象物に浸透した炭素を拡散させる拡散工程と、
    炭素を拡散した対象物に焼入れを施す焼入工程と、
    を具備する連続浸炭方法であって、
    所定の濃度の一酸化炭素を含むRXガスを浸炭工程および拡散工程に供給するとともに、
    該浸炭工程および拡散工程に供給されるRXガスよりも低い濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、予熱工程および焼入工程に供給することを特徴とする連続浸炭方法。
  4. 予熱工程の雰囲気の一酸化炭素濃度および焼入工程の雰囲気の一酸化炭素濃度に基づいて予熱工程および焼入工程のカーボンポテンシャルをそれぞれ算出し、該算出した予熱工程および焼入工程のカーボンポテンシャルに基づいて予熱工程側の排気量および焼入れ工程側の排気量をそれぞれ調整するとともに予熱工程および焼入工程に供給するRXガスの供給量をそれぞれ調整し、浸炭工程の雰囲気のカーボンポテンシャルを1.0wt%から1.2wt%の範囲に保持するとともに前記予熱工程、拡散工程および焼入工程の雰囲気のカーボンポテンシャルを0.8wt%から0.9wt%の範囲に保持することを特徴とする請求項3に記載の連続浸炭方法。
  5. 対象物の移動経路に沿って、
    対象物を予熱する予熱工程と、
    予熱した対象物に炭素を浸透させる浸炭工程と、
    対象物に浸透した炭素を拡散させる拡散工程と、
    炭素を拡散した対象物に焼入れを施す焼入工程と、
    を具備する連続浸炭方法であって、
    所定の濃度の一酸化炭素を含むRXガスを浸炭工程および拡散工程に供給するとともに、
    該浸炭工程および拡散工程に供給されるRXガスよりも低い濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、予熱工程に供給することを特徴とする連続浸炭方法。
  6. 対象物の移動経路に沿って、
    対象物を予熱する予熱工程と、
    予熱した対象物に炭素を浸透させる浸炭工程と、
    対象物に浸透した炭素を拡散させる拡散工程と、
    炭素を拡散した対象物に焼入れを施す焼入工程と、
    を具備する連続浸炭方法であって、
    所定の濃度の一酸化炭素を含むRXガスを浸炭工程および拡散工程に供給するとともに、
    該浸炭工程および拡散工程に供給されるRXガスよりも低い濃度の一酸化炭素を含むRXガスを、焼入工程に供給することを特徴とする連続浸炭方法。
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